JP2008306022A - 半導体装置 - Google Patents

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JP2008306022A JP2007152463A JP2007152463A JP2008306022A JP 2008306022 A JP2008306022 A JP 2008306022A JP 2007152463 A JP2007152463 A JP 2007152463A JP 2007152463 A JP2007152463 A JP 2007152463A JP 2008306022 A JP2008306022 A JP 2008306022A
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Abstract

【課題】低オン抵抗、高耐圧、且つ低ゲート容量を実現できる半導体装置を提供する。
【解決手段】第2導電型の第1の半導体領域を貫通して第1導電型の半導体層に至る複数の第1のトレンチの内壁面に形成され一部が開口された第1の絶縁膜と、第1のトレンチにおける半導体層と第1の半導体領域との界面よりも下方の内部に設けられ第1の主電極に接続されると共に第1の絶縁膜が開口された部分を介して半導体層に接している第2導電型の第1の半導体ピラー領域と、隣り合う第1のトレンチの間に設けられた第2のトレンチの内壁面に形成され一部が開口された第2の絶縁膜と、第2のトレンチの内部に設けられ表層部が第2のトレンチの開口端近傍で第1の主電極に接すると共に第2の絶縁膜が開口された部分を介して半導体層に接している第2導電型の第2の半導体ピラー領域とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に関し、特にトレンチゲート構造を有する半導体装置に関する。
高耐圧かつ低オン抵抗が要求される例えばパワーエレクトロニクス用途に適した半導体装置として、トレンチゲート型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)が知られている。例えば、特許文献1参照。
特許文献1によれば、表面にn型のソース層が形成されたp型のウェル層及びn型のドリフト層を貫いてn型の基板に至るまでトレンチが形成され、そのトレンチ内においてドリフト層から基板に至る部分には絶縁膜を介してポリシリコンからなる埋め込み電極が設けられ、トレンチ内においてソース層からウェル層を通りドリフト層に至る部分には絶縁膜を介してポリシリコンからなるゲート電極が設けられたMOSFETが開示されている。埋め込み電極とゲート電極とは、電気的に絶縁されている。
特許文献1に開示された構造では、埋め込み電極は完全に絶縁膜に覆われ、ドリフト層との間でPN接合を形成する構成とはなっていないため、オン抵抗の低減を図るべくドリフト層の不純物濃度を高くした場合にはドリフト層を完全空乏化しにくく、高耐圧が得にくい。
また、トレンチゲート型MOSにおいて、トレンチピッチの微細化はチャネル抵抗の低減に有利であるが、トレンチピッチの微細化が進むと、そのトレンチ内に設けられるゲート電極ピッチの微細化が進み、ゲート間容量の増大をまねいてしまう。
特開2002−83963号公報
本発明は、低オン抵抗、高耐圧、且つ低ゲート容量を実現できる半導体装置を提供する。
本発明の一態様によれば、第1導電型の半導体層と、前記半導体層の主面上に設けられた第2導電型の第1の半導体領域と、前記第1の半導体領域の表層部に設けられた第1導電型の第2の半導体領域と、前記第2の半導体領域に接して設けられた第1の主電極と、前記半導体層の前記主面の反対側に設けられた第2の主電極と、前記第1の半導体領域を貫通して前記半導体層に至る複数の第1のトレンチの内壁面に形成され、一部が開口された第1の絶縁膜と、前記第1のトレンチにおける前記半導体層と前記第1の半導体領域との界面よりも下方の内部に設けられ、前記第1の主電極に接続されると共に前記第1の絶縁膜が開口された部分を介して前記半導体層に接している第2導電型の第1の半導体ピラー領域と、前記第1の半導体領域を貫通して前記半導体層に至り、隣り合う前記第1のトレンチの間に設けられた第2のトレンチの内壁面に形成され、一部が開口された第2の絶縁膜と、前記第1の半導体ピラー領域の上に設けられた第3の絶縁膜と、前記第1のトレンチの内部における前記第3の絶縁膜よりも上方に設けられたゲート電極と、前記第2のトレンチの内部に設けられ、表層部が前記第2のトレンチの開口端近傍で前記第1の主電極に接すると共に前記第2の絶縁膜が開口された部分を介して前記半導体層に接している第2導電型の第2の半導体ピラー領域と、を備えたことを特徴とする半導体装置が提供される。
本発明によれば、低オン抵抗、高耐圧、且つ低ゲート容量を実現できる半導体装置が提供される。
以下、図面を参照し本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、第1導電型をN型、第2導電型をP型として説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置において第1の主電極であるソース電極の下の平面構造を例示する模式図である。
図2は、図1におけるA−A断面図である。
図3は、図1におけるB−B断面図である。
図4は、図1におけるC−C断面図である。
図2に示すように、N++型シリコンのドレイン層3の主面上に、N型シリコンのドリフト層4と、P型シリコンの第1の半導体領域であるベース領域5とが順に設けられ、ベース領域5の表層部にはNシリコンの第2の半導体領域であるソース領域6が設けられている。ドリフト層4とベース領域5とはPN接合し、ベース領域5とソース領域6とはPN接合している。
ソース領域6の表面からソース領域6及びベース領域5を貫通してドリフト層4に至る部分には、第1のトレンチT1と第2のトレンチT2が形成されている。第1のトレンチT1と第2のトレンチT2は共に同じ深さに形成され、第1のトレンチT1及び第2のトレンチT2のそれぞれの底部はドレイン層3には達していない。図8に示すように、複数の第1のトレンチT1と第2のトレンチT2とが、略等ピッチでストライプ状に並列して形成されている。第1のトレンチT1及び第2のトレンチT2のそれぞれの深さ方向は、ドレイン層3の主面に対して略垂直である。
第1のトレンチT1の内部にはP型シリコンの第1の半導体ピラー領域11が設けられ、第2のトレンチT2の内部にはP型シリコンの第2の半導体ピラー領域12が設けられている。
第1の半導体ピラー領域11は、第1のトレンチT1においてベース領域5とドリフト層4との界面よりも下方の内部に設けられている。第1のトレンチT1において第1の半導体ピラー領域11の周囲の内壁面(側壁面)には、第1の絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)14aが形成されている。
第1の半導体ピラー領域11の上には、第3の絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)15が設けられている。第1のトレンチT1において第3の絶縁膜15の上の内部には、ゲート電極8が設けられている。ゲート電極8は、例えばポリシリコンからなるが、これに限らず、その他の半導体、金属などを用いてもよい。
ゲート電極8の下端は、ベース領域5とドリフト層4との界面より少し下方(ドリフト層4側)に位置し、ゲート電極8の上端は、ソース領域6とベース領域5との界面より上方(ソース領域6側)に位置する。第1のトレンチT1においてゲート電極8の周囲の内壁面(側壁面)には、絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)16が形成されている。ゲート電極8と第1の半導体ピラー領域11とは、第3の絶縁膜15によって電気的に絶縁されている。
第2の半導体ピラー領域12は、第2のトレンチT2の底部から開口端までを埋めて設けられ、その第2の半導体ピラー領域12が設けられた第2のトレンチT2において第2の半導体ピラー領域12の周囲の内壁面(側壁面)には、第2の絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)14が形成されている。
ゲート電極8の上には層間絶縁膜17が設けられている。ソース領域6の表面上には第1の主電極としてのソース電極7が設けられ、ソース領域6の表面はソース電極7に接している。ソース電極7とゲート電極8とは、層間絶縁膜17によって電気的に絶縁されている。第2の半導体ピラー領域12の表面は、第2のトレンチT2の開口から露出しソース電極7に接している。ドレイン層3の主面の反対側の面には、第2の主電極としてのドレイン電極2が設けられている。
第1のトレンチT1の底部には第1の絶縁膜14aが設けられておらず開口されている。したがって、第1のトレンチT1の底部で、P型の第1の半導体ピラー領域11とN型のドリフト層4とがPN接合している。
第2のトレンチT2の底部には第2の絶縁膜14が設けられておらず開口されている。したがって、第2のトレンチT2の底部で、P型の第2の半導体ピラー領域12とN型のドリフト層4とがPN接合している。
第1のトレンチT1の底部において第1の半導体ピラー領域11とドリフト層4とのPN接合面は平面状に形成され、第2のトレンチT2の底部において第2の半導体ピラー領域12とドリフト層4とのPN接合面は平面状に形成されている。
なお、図2に示す例では、第1の半導体ピラー領域11の底面全面がドリフト層4に接するようにしているが、第1の半導体ピラー領域11の底面の一部がドリフト層4に接するようにしてもよい。同様に、第2の半導体ピラー領域12についてもその底面の一部がドリフト層4に接するようにしてもよい。
第1の半導体ピラー領域11及びゲート電極8は、複数の第1のトレンチT1及び第2のトレンチT2のうち互いに隣り合わない位置関係にある第1のトレンチT1の内部に設けられ、それら第1の半導体ピラー領域11及びゲート電極8が設けられた第1のトレンチT1に挟まれた第2のトレンチT2の内部に第2の半導体ピラー領域12が設けられている。すなわち、ゲート電極8の配列ピッチは、第1のトレンチT1と第2のトレンチT2との配列ピッチに一致せず、それらトレンチT1、T2の配列ピッチよりも大きいピッチで配列されている。
図5は、ゲート電極8及びゲート配線21の平面パターンの一例を示す模式図である。
主電流経路が形成される素子領域の外側の領域に、ゲート配線21が形成されている。ゲート配線21は、各ゲート電極8の延在方向に対して略垂直な方向に延在し、各ゲート電極8の端部がゲート配線21に接続されている。ゲート配線21は、図示しないゲートパッドに接続され、各ゲート電極8はゲート配線21を介してゲートパッドと接続されている。
図8を参照して後述するように、第1のトレンチT1及び第2のトレンチT2は同時に形成され、さらにそれらトレンチT1、T2の形成時に第3のトレンチT3も同時に形成される。図8に示すように、第3のトレンチT3は、第1のトレンチT1と第2のトレンチT2とが並列された方向に延在し、第1のトレンチT1、第2のトレンチT2の延在方向(長手方向)の両端部で各トレンチT1、T2に通じている。
図3は、第3のトレンチT3が形成された部分の断面(図1においてB−B線断面)を示す。第3のトレンチT3の内部には、P型シリコンの第3の半導体ピラー領域13が設けられている。
第3の半導体ピラー領域13は、第3のトレンチT3の底部から開口端までを埋めて設けられ、第3の半導体ピラー領域13の表面は、第3のトレンチT3の開口から露出しソース電極7に接している。第3の半導体ピラー領域13においてソース電極7に接する表層部13aは、第3の半導体ピラー領域13における他の部分よりも不純物濃度が高い。
第3の半導体ピラー領域13は、第1の半導体ピラー領域11及び第2の半導体ピラー領域12の両領域と一体に設けられ、それら両領域11、12に接している。第1の半導体ピラー領域11は、第3の半導体ピラー領域13及び第2の半導体ピラー領域12を介してソース電極7に接続されている。
図1に示すように、ソース領域6はストライプ状の平面パターンを有し、そのソース領域6の下に設けられたベース領域5もストライプ状の平面パターンを有する。そのベース領域5における一部(例えばストライプ状パターンの長手方向の両端近傍部分)の上にはソース領域6が設けられず、図1及びその図1におけるC−C断面図である図4に示すように、ベース領域5の表層部としてP型シリコンのベースコンタクト領域5aが設けられている。ベースコンタクト領域5aの上にはソース電極7が設けられ、ベースコンタクト領域5aはソース電極7に接している。したがって、ベース領域5はベースコンタクト領域5aを介してソース電極7に接続され、ソース電位とされる。ソース電極7に接するベースコンタクト領域5aは、その下のベース領域5よりも不純物濃度が高く、半導体と金属(ソース電極7)との間のコンタクト抵抗を低減し、ベース領域5の電位を安定させることができる。
第3の半導体ピラー領域13の表層部及びベース領域5の表層部に対して、図6に示すマスク23を用いて選択的に不純物イオンを注入することによって、共にP型である前述した表層部13a及びベースコンタクト領域5aが形成される。
マスク23には、ストライプ状のベース領域5、ソース領域6及び第2の半導体ピラー領域12の長手方向に対して略垂直な方向に延在する矩形状の開口23aが形成されている。その開口23aからは、第3の半導体ピラー領域13の表層部、ベース領域5における長手方向の両端近傍の一部、第2の半導体ピラー領域12における長手方向の両端近傍の一部、および層間絶縁膜17の一部が露出され、他の部分はマスク23に覆われている。マスク23の開口23aから露出された部分にイオン注入が行われ、層間絶縁膜17以外の部分がP型の領域にされる。
このとき、第3の半導体ピラー領域13の表層部13a及びベースコンタクト領域5a以外にも、第2の半導体ピラー領域12における長手方向の両端近傍の表層部(ベースコンタクト領域5aに挟まれた部分)12aもP型にされ、この表層部12aは第2の半導体ピラー領域12における他の部分よりも不純物濃度が高い。
第1〜第3の半導体ピラー領域11〜13は、互いにつながったトレンチT1〜T3内に一体に埋め込まれ、すなわち一体のP型半導体ピラー領域として形成されており、そのP型半導体ピラー領域の表面(前述したように一部がP型となっている)がソース電極7に接しているため、そのP型半導体ピラー領域の一体構成物はソース電極7と同電位とされる。このP型半導体ピラー領域と、金属からなるソース電極7とを、不純物濃度が高い(例えば1018/cmより高い)P型領域を介して接触させることで両者のコンタクト抵抗を低減し、P型半導体ピラー領域の電位を安定させることができる。
なお、第2の半導体ピラー領域12においてその一部12aだけでなく全ての表層部をP型にしてもよい。ただし、その場合、P型領域の形成に用いるイオン注入マスクにおける開口パターンが、図6に示した場合よりも複雑になり、簡易且つ低コストなプロセスを実現する観点からは、図6に示すように単純な矩形状の開口23aの形成で済むプロセスが望ましい。
以上のように構成される本実施形態に係る半導体装置において、ゲート電極8に所定のゲート電圧が印加されるオン時には、絶縁膜16を介してゲート電極8に対向するベース領域5にチャネルが形成され、ソース領域6、チャネル、ドリフト層4およびドレイン層3を介して、ソース電極7とドレイン電極2との間が導通する。
本実施形態に係る半導体装置では、第1のトレンチT1の底部で第1の半導体ピラー領域11とドリフト層4とがPN接合しており、第2のトレンチT2の底部で第2の半導体ピラー領域12とドリフト層4とがPN接合しているため、オフ時には、それらPN接合部からの空乏化を促進することができる。
したがって、オン抵抗を低減すべく、オン時における電流経路の一部となるドリフト層4の不純物濃度を高くしても、そのドリフト層4の完全空乏化が容易になり、耐圧低下を抑えることができる。すなわち、本実施形態によれば、低オン抵抗を図りつつ高耐圧も維持できる半導体装置が提供される。
完全空乏化する上で、第1の半導体ピラー領域11、第2の半導体ピラー領域12のそれぞれの不純物濃度は1018/cm以下にするのが望ましい。
第1の半導体ピラー領域11の側面とドリフト層4との間には第1の絶縁膜14aが介在しているため、第1の半導体ピラー領域11とドリフト層4のそれぞれの不純物が互いに他方へ拡散して、電流経路の不純物濃度が変動してオン抵抗が上昇してしまうのを防ぐことができる。同様に、第2の半導体ピラー領域12の側面とドリフト層4との間には第2の絶縁膜14が介在しているため、第2の半導体ピラー領域12とドリフト層4のそれぞれの不純物が互いに他方へ拡散して、電流経路の不純物濃度が変動してオン抵抗が上昇してしまうのを防ぐことができる。
また、第1の半導体ピラー領域11とドリフト層4とのPN接合部、および第2の半導体ピラー領域12とドリフト層4とのPN接合部は、同じシリコン材料どうしの接合となるためリーク電流が生じにくい。
第1の半導体ピラー領域11とドリフト層4とは、第1のトレンチT1の底部でPN接合していることに限らず、第1のトレンチT1の側面でPN接合していてもよい。第1の半導体ピラー領域11とドリフト層4とのPN接合面の面積は、それら両者間相互の不純物拡散を抑制する観点から第1の半導体ピラー領域11が絶縁膜14aで覆われている部分の面積より小さいことが望ましい。同様に、第2の半導体ピラー領域12とドリフト層4とは、第2のトレンチT2の底部でPN接合していることに限らず、第2のトレンチT2の側面でPN接合していてもよい。第2の半導体ピラー領域12とドリフト層4とのPN接合面の面積は、それら両者間相互の不純物拡散を抑制する観点から第2の半導体ピラー領域12が絶縁膜14で覆われている部分の面積より小さいことが望ましい。
ベース領域5は、これよりも不純物濃度が高いベースコンタクト領域5aを介してソース電極7に接続されているため、ベースコンタクト領域5aを介して、ソース電極7へのキャリア抜けを促進でき、キャリアの蓄積による素子破壊を防ぐことができる。
近年、トレンチゲート型MOSにおいて、チャネル抵抗を低減すべく、トレンチピッチが微細化する傾向にあるが、トレンチピッチの微細化が進むと、そのトレンチ内に設けられるゲート電極ピッチの微細化が進み、ゲート間容量の増大をまねいてしまう。
本実施形態では、複数のトレンチT1、T2のうち、隣り合わない配置関係にあるトレンチT1にゲート電極8を設け、トレンチT1の間に設けられたトレンチT2の内部にはゲート電極8を設けずに底部から開口端まで第2の半導体ピラー領域12を設けている。したがって、ゲート電極8の配列ピッチは、トレンチT1、T2の配列ピッチに一致せず、それらトレンチT1、T2の配列ピッチよりも大きいピッチで配列され、その分、対向するゲート電極8間を離すことができ、ゲート間容量を低減できる。この結果、特にオン/オフを高速でスイッチングする高周波駆動特性に優れた半導体装置を提供できる。
なお、図2には、ゲート電極8と第2の半導体ピラー領域12とが1本ずつ交互に配列された構成を示しているが、ゲート電極8の間に少なくとも1本以上の第2の半導体ピラー領域12が配列されていればよく、すなわちゲート電極8の間に第2の半導体ピラー領域12が2本以上続けて配列された構造であってもよい。
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図7〜図15は、本実施形態に係る半導体装置の製造工程の要部を例示する工程断面図である。
まず、図7に示すように、高不純物濃度のN++型シリコンのドレイン層3の上に、N型シリコンのドリフト層4と、P型シリコンのベース領域5とを順に形成する。
次に、図8及び図8におけるD−D断面図である図9に示すように、ベース領域5の表面上に選択的に形成した例えば酸化膜をマスク31(図9に図示)として、例えばRIE(Reactive Ion Etching)法により、ベース領域5を貫通してドリフト層4に至る第1〜第3のトレンチT1〜T3を同時に形成する。
図8に示すように、第1のトレンチT1及び第2のトレンチT2の平面パターンはストライプ状に形成され、第1のトレンチT1と第2のトレンチT2とは略平行に並列して形成される。第3のトレンチT3は、第1のトレンチT1と第2のトレンチT2とが並列された方向に延在し、第1のトレンチT1、第2のトレンチT2の延在方向(長手方向)の両端部で各トレンチT1、T2に通じている。
次に、図10に示すように、第1のトレンチT1及び第2のトレンチT2の内壁面(側壁面及び底面)に絶縁膜14を形成する。絶縁膜14は、例えば熱酸化法により形成されるシリコン酸化膜である。なお、図示しないが、第3のトレンチT3の内壁面(側壁面及び底面)にも絶縁膜14が形成される。
次に、図11に示すように、例えばRIE法により、第1〜第3のトレンチT1〜T3の底部9の絶縁膜14のみを除去する。これにより、絶縁膜14が除去された各トレンチT1〜T3の底部9からは、ドリフト層4が各トレンチT1〜T3内に露出する。
次に、例えば、シリコンの原料ガスとP型不純物の原料ガスとを用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、各トレンチT1〜T3内をP型のポリシリコンで完全に埋め込む。この後、図12に示すように、第1のトレンチT1内に埋め込まれたポリシリコン(第1の半導体ピラー領域11)のみを、ドリフト層4とベース領域5との界面よりも下までエッチバックする。
なお、各トレンチT1〜T3内にポリシリコンを埋め込んだ後、そのポリシリコンにP型不純物の注入を行い、この後、熱処理により、注入されたP型不純物を拡散させてP型ポリシリコンとし、さらにその後、第1のトレンチT1内のポリシリコンのみドリフト層4とベース領域5との界面よりも下までエッチバックさせるという方法によって第1の半導体ピラー領域11の形成を行ってもよい。トレンチT1〜T3が微細であっても(アスペクト比が大きくても)、ポリシリコンは比較的容易に埋め込むことができる。
あるいは、各トレンチT1〜T3の底部より露出するドリフト層4を下地結晶として、各トレンチT1〜T3内にP型シリコンをエピタキシャル成長させ、第1のトレンチT1内についてのみシリコンのエピタキシャル成長を、ドリフト層4とベース領域5との界面より少し下で停止させるようにしてもよい。
第1〜第3の半導体ピラー領域11〜13の形成に際して、各半導体ピラー領域11〜13の側面と、ドリフト層4との間には絶縁膜14が設けられているため、各半導体ピラー領域11〜13とドリフト層4間の不純物の拡散が抑制される。このため、電流経路の不純物濃度が変動してオン抵抗が上昇してしまうのを防ぐことができ、また、トレンチT1〜T3のピッチが微細化しても、半導体ピラー領域11〜13の不純物濃度を所望に制御しやすい。
次に、第1のトレンチT1において、第1の半導体ピラー領域11よりも上であって第1の半導体ピラー領域11が充填されていない部分の側壁面に形成された絶縁膜14をエッチングにより除去し、これにより、図13に示すように、第1のトレンチT1内には、第1の半導体ピラー領域11の周囲の絶縁膜14aのみが残される。
次に、図14に示すように、第1の半導体ピラー領域11の上に絶縁膜15を形成すると共に、第1のトレンチT1において第1の半導体ピラー領域11よりも上の側壁面に絶縁膜16を形成する。絶縁膜15、16は、例えば熱酸化法により形成されるシリコン酸化膜である。
次に、絶縁膜15より上の第1のトレンチT1内にポリシリコンを埋め込んだ後、そのポリシリコンに不純物の注入を行い、この後、熱処理により、注入された不純物を拡散させて低抵抗なポリシリコンとし、さらにこの後、そのポリシリコンを第1のトレンチT1の開口端よりも下までエッチバックする。これにより、図15に示すように、絶縁膜16を介してベース領域5に向き合うゲート電極8が第1のトレンチT1内にのみ形成される。なお、ゲート電極8は、シリコン以外の半導体でもよく、さらには半導体に限らず金属でもよい。
次に、図2に示すように、ゲート電極8の上の第1のトレンチT1内を充填する層間絶縁膜17を形成する。層間絶縁膜17は、例えばシリコン酸化膜である。
次に、ベース領域5の表層部に選択的にN型不純物のイオン注入および熱拡散処理を行い、N型シリコンのソース領域6を形成する。
次に、図1に示される構造体の全面に、例えばスパッタ法によりアルミニウムからなるソース電極7を形成する。ドレイン層3の裏面側には、ドレイン電極2が形成される。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、それらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
前述した実施形態では、第1導電型をN型、第2導電型をP型として説明したが、第1導電型をP型、第2導電型をN型としてもよく、すなわち、前述した実施形態においてN型として説明した半導体構成要素がP型、P型として説明した半導体構成要素がN型であってもよい。
前述した各要素の半導体はシリコン以外の半導体(例えば、SiGe、SiC、GaAs、GaN等)を用いてもよい。また絶縁膜は、シリコン酸化膜以外にもシリコン窒化膜などを用いてもよい。
本発明の実施形態に係る半導体装置において第1の主電極であるソース電極の下の平面構造を例示する模式図。 図1におけるA−A断面図。 図1におけるB−B断面図。 図1におけるC−C断面図。 本実施形態に係る半導体装置においてゲート電極及びゲート配線の平面パターンの一例を示す模式図。 本実施形態に係る半導体装置においてベース領域、第2の半導体ピラー領域および第3の半導体ピラー領域の表層部に高不純物濃度の領域を形成するためのイオン注入マスクの一例を示す模式図。 本実施形態に係る半導体装置の製造工程の要部を例示する工程断面図。 本実施形態に係る半導体装置の製造工程の要部を例示する平面図。 図8におけるD−D断面図。 図9に続く工程断面図。 図10に続く工程断面図。 図11に続く工程断面図。 図13に続く工程断面図。 図14に続く工程断面図。 図15に続く工程断面図。
符号の説明
2…第2の主電極(ドレイン電極)、3…ドレイン層、4…半導体層(ドリフト層)、5…第1の半導体領域(ベース領域)、6…第2の半導体領域(ソース領域)、7…第1の主電極(ソース電極)、8…ゲート電極、11…第1の半導体ピラー領域、12…第2の半導体ピラー領域、13…第3の半導体ピラー領域、14a…第1の絶縁膜、14…第2の絶縁膜、15…第3の絶縁膜、T1…第1のトレンチ、T2…第2のトレンチ、T3…第3のトレンチ

Claims (5)

  1. 第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層の主面上に設けられた第2導電型の第1の半導体領域と、
    前記第1の半導体領域の表層部に設けられた第1導電型の第2の半導体領域と、
    前記第2の半導体領域に接して設けられた第1の主電極と、
    前記半導体層の前記主面の反対側に設けられた第2の主電極と、
    前記第1の半導体領域を貫通して前記半導体層に至る複数の第1のトレンチの内壁面に形成され、一部が開口された第1の絶縁膜と、
    前記第1のトレンチにおける前記半導体層と前記第1の半導体領域との界面よりも下方の内部に設けられ、前記第1の主電極に接続されると共に前記第1の絶縁膜が開口された部分を介して前記半導体層に接している第2導電型の第1の半導体ピラー領域と、
    前記第1の半導体領域を貫通して前記半導体層に至り、隣り合う前記第1のトレンチの間に設けられた第2のトレンチの内壁面に形成され、一部が開口された第2の絶縁膜と、
    前記第1の半導体ピラー領域の上に設けられた第3の絶縁膜と、
    前記第1のトレンチの内部における前記第3の絶縁膜よりも上方に設けられたゲート電極と、
    前記第2のトレンチの内部に設けられ、表層部が前記第2のトレンチの開口端近傍で前記第1の主電極に接すると共に前記第2の絶縁膜が開口された部分を介して前記半導体層に接している第2導電型の第2の半導体ピラー領域と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1のトレンチの底部で前記第1の半導体ピラー領域と前記半導体層とが接し、前記第2のトレンチの底部で前記第2の半導体ピラー領域と前記半導体層とが接していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとが並列された方向に延在し前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチに通じる第3のトレンチの内部に設けられ、前記第1の半導体ピラー領域及び前記第2の半導体ピラー領域に接する第2導電型の第3の半導体ピラー領域をさらに備え、
    前記第1の半導体ピラー領域は、前記第3の半導体ピラー領域及び前記第2の半導体ピラー領域を介して前記第1の主電極に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記第2の半導体ピラー領域において前記第1の主電極に接する表層部は、前記第2の半導体ピラー領域における他の部分よりも不純物濃度が高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに半導体装置。
  5. 前記第1の半導体領域の一部は前記第1の主電極に接し、
    前記第1の半導体領域において前記第1の主電極に接する表層部は、前記第1の半導体領域における他の部分よりも不純物濃度が高いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置。
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