JP2007077115A - 睫用化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、睫のボリュームアップ(睫を濃くする)効果と、ツヤを付与する効果を併せ持つことにより、睫をつややかにかつ濃く見せ、不自然さがなく美しい仕上がりで目元が強調される化粧効果が得られ、かつ経時でのにじみが生じず化粧持ちの良好な睫用化粧料を提供する。
【解決手段】 次の成分(A)〜(D);(A)(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)共重合体を0.1〜3質量%(B)有機粉体(C)多孔質シリカ(D)エタノールを配合することを特徴とする睫用化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、睫のボリュームアップ(睫を濃くする)効果と、ツヤを付与する効果に優れ、かつ経時でのにじみが生じず化粧持ちの良好な睫用化粧料に関するものである。
従来、睫用化粧料において、睫を濃くする(ボリュームアップ)効果を得るために用いられてきた技術として、特定のショ糖脂肪酸エステルと脂肪酸石鹸を特定量配合する方法(例えば、特許文献1参照)や、アクリル酸アルキルアミド・アルキル酸エステル共重合体を特定量配合する方法が挙げられる(例えば、特許文献2参照)。また、睫にツヤを与えるために用いられてきた技術として、水溶性カルボキシビニルポリマーと塩基性物質とデキストリンを用いて外観透明性の高い化粧料とする方法が挙げられる(例えば、特許文献3参照)。
特許第3565548号公報 特開2001−31526号公報 特許第2818831号公報
しかしながら、従来のボリュームアップタイプの睫用化粧料は、塗布面が均一ではないため、不自然な仕上がりになることが多かった。これは、睫に付着する量を多くすることを優先してきたため、化粧料自体の粘度を上げたり、付着性を上げたりして具現化したが、伸びが悪くなり、何度も重ね塗りをすると、塗布面に凹凸ができツヤがなくなってしまうことによるものだった。例えば、特定のショ糖脂肪酸エステルと脂肪酸石鹸を特定量配合する方法や、アクリル酸アルキルアミド・アルキル酸エステル共重合体を特定量配合する方法は、睫への塗布のしやすさやボリュームアップ効果が得られる反面、多量に配合することによりツヤは減少し、べたつきが生じたりすることがあった。
また、睫にツヤのみを付与した技術では、その質感(ツヤ感)の変化が現れにくいものであった。例えば、睫にツヤを与えるために、水溶性カルボキシビニルポリマーと塩基性物質とデキストリンを用いて外観透明性の高い製剤とする方法は、ツヤは得られるものの、化粧料の透明性が高いため着色力が不足し、ボリュームアップ効果に関しては満足するものが得られなかった。
そこで本発明者らは、ボリュームアップ効果とツヤを付与する効果を併せ持つことにより、睫をつややかにかつ濃く見せ、不自然さがなく美しい仕上がりで目元が強調される化粧効果が得られると考え、鋭意研究した結果、(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)共重合体を0.1〜3質量%配合し、有機粉体、多孔質シリカ、およびエタノールを組み合わせることにより、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、成分(A)(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)共重合体を0.1〜3質量%、成分(B)有機粉体、成分(C)多孔質シリカ、成分(D)エタノールを配合することを特徴とする睫用化粧料に関するものである。
本発明は、睫のボリュームアップ効果と、ツヤを付与する効果に優れ、かつ経時でのにじみが生じず化粧持ちの良好な睫用化粧料に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(A)(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)共重合体は、主としてアクリル酸アルキルアミド、アクリル酸、メタクリル酸およびそのアルキルエステル(C〜C)の共重合体からなるものである。本発明品において塗布膜の均一性、ツヤを向上させるものであり、通常の化粧料に用いられるものであれば何れのものも用いることができ、例えば、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)でAcrylates/Octylacrylamide Copolymerが挙げられる。市販品としてはAmphomer 28−4961、Amphomer HC、Dermacryl 79、Dermacryl V−42、Resyn XP(以上、National Starch&Chemical社製)が例示でき、これらを一種または二種以上用いることができる。また、これらは未中和でも中和しても用いることができる。中和剤としては、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール、アミノエチルプロパンジオール、L−アルギニン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
成分(A)の配合量は、0.1〜3質量%(以下、単に「%」で示す。)であり、好ましくは0.2〜2%である。0.1%未満では塗布膜のツヤを向上させる効果が得られず、また、3%を超え特に多量に配合した場合には、べたつきを生じ、塗布膜のツヤが損なわれるため良くない。
本発明に使用される成分(B)有機粉体は、本発明品においてボリュームアップ効果と塗布膜の均一性を高めることによってツヤを向上させるものであり、通常の化粧料に用いられるものであればいずれのものも用いることができる。形状や粒子径は特に限定されないが、球状またはそれに類似したものが好ましく、粒子径は1〜30μmのものが好ましい。有機粉体を用いることにより成分(A)で得られるツヤに加えて、化粧料の伸びがよくなるため、更に塗布膜の均一性向上し、ツヤが付与され、粉っぽさのない滑らかな使用感が得られるという優位な点がある。
また、これら有機粉体は、ツヤを向上させ、耐油性に優れる観点より、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステルが好ましい。市販品としては、ポリスチレンとしてはガンツパールGS−0605(ガンツ化成社製)、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルとしてはマツモトマイクロスフェアー M−305、M−306、同M−503、同M−600、同M−311(以上、松本油脂工業社製)、ポリアミドとしてはガンツパールGPA−550(ガンツ化成社製)、リルサンパウダーL、同S(以上、アトフィナ・ジャパン社製)、東レ ナイロン粉末SP−500(東レ社製)などが例示でき、これらを一種または二種以上用いることができる。
成分(B)の配合量は、特に限定されないが、好ましくは1〜30%であり、より好ましくは1〜15%である。この範囲であればよりボリュームアップ効果と塗布膜の均一性とツヤに優れる睫用化粧料が得られる。
本発明における成分(C)多孔質シリカは、本発明においてボリュームアップ効果を与え、かつツヤを損なうことなく経時でのにじみを防止して化粧持ちを向上するものである。
本発明に用いられる多孔質シリカの比表面積は、100〜1000m/g(NガスによるBET法)が好ましく、粒子径は1〜20μmのものが好ましい。市販品としては、サイリシア550、同770(以上、富士シリシア化学社製)、ゴッドボールD11−796C、同E2−824C(以上、鈴木油脂工業社製)、シリカマイクロビードP−1500、同P−1505(以上、触媒化成工業社製)等が例示でき、これらを一種または二種以上用いることができる。これらの多孔質シリカは表面を未処理のまま使用しても、各種の処理をしても構わない。
成分(C)の配合量は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜10%であり、より好ましくは1〜5%である。この範囲であればよりボリュームアップ効果に優れ、かつツヤを損なうことなく経時でのにじみを防止して化粧持ちを向上する睫用化粧料が得られる。
本発明における成分(D)のエタノールは、本発明において成分(A)の溶媒として用いられるとともに、塗布膜の均一性を向上させるものである。
成分(D)の配合量は、特に限定されないが、成分(A)との配合量比率で、(A):(D)=1:1〜1:100が好ましい。この範囲であればより成分(A)の溶媒として有用であり、塗布膜の均一性の点でも優れたものが得られる。
本発明において、成分(E)油溶性樹脂を配合することにより、更に睫への付着性と塗布膜のツヤを向上することができる。油溶性樹脂は、通常の化粧料に用いられる油溶性樹脂であれば何れのものも用いることができるが、皮膜形成性の油溶性樹脂が好ましい。例えば、ロジン酸ペンタエリスリット等のロジン酸誘導体類、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリイソブチレン、アクリル変性シリコーンやトリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂類、キャンデリラレジン(ここでキャンデリラレジンとは、キャンデリラワックスより有機溶剤を用いて分別して得られる樹脂分であり、樹脂分が好ましくは65%以上、更に好ましくは、85%以上の割合で配合され、軟化点が35〜55℃のものである。)、α−オレフィン・ビニルピロリドン共重合体などが挙げられる。また、市販品としては、ロジン酸誘導体のエステルガムHP(荒川化学工業社製)、キャンデリラレジンのキャンデリラ樹脂E−1(日本ナチュラルプロダクツ社製)、シリコーン樹脂としてKP−561、KP−562,KP−571、KP−541(固形分60質量%)、KP−545(固形分30質量%)、KF7312J、KF7312K、KF9021(いずれも固形分50質量%)(以上、信越化学工業社製)、ANTARON V−220(ISP社製)等が例示でき、これらを一種または二種以上用いることができる。
成分(E)の配合量は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜3%であり、より好ましくは0.5〜20%である。この範囲であればより睫への付着性が向上し、ツヤに優れ、かつ経時でのにじみのない睫用化粧料が得られる。
本発明の水中油型睫用化粧料は、上記した必須成分の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、水性成分、水溶性高分子や、皮膜形成性ポリマーエマルション、感触調整や着色の目的で有機粉体や多孔質シリカ以外の粉体成分や繊維、エモリエント成分として油性成分、剤型の安定化、保湿、粉体分散、感触調整の為の界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料、などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
水性成分としては、水の他に成分(D)以外で水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、庶糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、高重合度ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられる。
皮膜形成性ポリマーエマルションとしては、皮膜形成性ポリマーを水性媒体に分散させたものであり、例えば(メタ)アクリル酸アルキル重合体エマルション、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、酢酸ビニル配合共重合体エマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、シリコーン配合重合体エマルション、シリコーン配合共重合体エマルション等が挙げられる。
粉体成分としては、成分(B)、(C)以外で、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン配合二酸化珪素、酸化亜鉛配合二酸化珪素等の複合粉体、などが挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。また、これら粉体は一種又は二種以上の複合化したものを用いても良く、その表面を油剤処理、シリコーン化合物処理、フッ素化合物処理、金属石鹸処理、界面活性剤処理、アミノ酸系化合物処理、水溶性高分子処理等を施してあってもよい。
繊維としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に制限されず、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられる。これら繊維は1種又は2種以上を用いることができ、フッ素化合物、シリコ−ン油、粉体、油剤、ゲル化剤、エマルションポリマー、界面活性剤等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
油性成分としては、成分(A)、(E)以外で、動物油、植物油、合成油等の起源、および固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリブテン、水素添加ポリイソブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、ホホバ油等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、部分架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリシロキサン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、リン脂質、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがある。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明の睫用化粧料の製造方法は特に限定されるものではないが、水中油型の場合は、例えば、高温で混合した成分(B)の有機粉体及び成分(E)の油溶性樹脂を含む油性成分に、成分(C)の多孔質シリカを含む水性成分を加えて、乳化した後冷却し、成分(A)(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)共重合体および成分(D)のエタノールを加えて均一に混合、脱泡して充填することにより得ることができる。
本発明の睫用化粧料はマスカラ、マスカラ下地、マスカラトップコートなどに応用でき、形態としては、クリーム状、ゲル状、液状が挙げられるが、中でもクリーム状が好ましい。剤型としては、油性、水中油型および油中水型の乳化タイプ、水性が挙げられる。
以下、例をあげて本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
本発明品1〜4及び比較例1〜5マスカラ(水中油型クリーム状)
表1に示す処方のマスカラを調製し、ボリュームアップ効果、塗布膜の均一性、塗布膜のツヤ、経時でのにじみのなさについて下記の方法により官能評価を行った。その結果も併せて表1に示す。
*1:キャンデリラ樹脂E−1(日本ナチュラルプロダクツ製)
*2:シュガーワックスS−10E(第一工業製薬社製)
*3:ガンツパールGS−0605(ガンツ化成社製)
*4:PLEXTOL B500(固形分50%)(ポリマーラテックス社製)
*5:プライマルASE−75(固形分40%)(ポリマーラテックス社製)
*6:サイリシア550(富士シリシア化学社製)
*7:Dermacryl 79(日本NSC社製)
(製造方法)
実施例1〜4および比較例1〜5
A.成分(1)〜(12)を80℃で加熱混合し、分散する。
B.成分(13)〜(19)を均一に混合し、80℃にする。
C.AにBを加えて乳化する。
D.成分(20)〜(23)を均一に混合する。
E.Cを冷却、脱泡し、Dを加えて混合した後、容器に充填して製品とする。
(評価方法)
10名の官能検査パネルにより、各試料を下記a〜dについて、パネル各人が絶対評価にて7段階に評価し、各試料ごとのパネル全員の評点の平均値から4段階判定基準により判定した。尚、評価項目dについては、試料を睫に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後のにじみのなさについて評価した。
(評価項目)
a.ボリュームアップ効果
b.塗布膜の均一性
c.塗布膜のツヤ
d.経時でのにじみのなさ
絶対評価
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
4段階判定基準
5点を超える :非常に良好:◎
3点を超え5点以下:良好 :○
1点を超え3点以下:やや不良 :△
1点以下 :不良 :×
表1の結果から明らかなように、本発明品である実施例1〜4のマスカラはボリュームアップ効果、塗布膜の均一性、塗布膜のツヤ、経時でのにじみのなさについて、いずれも優れていることがわかる。そして、ボリュームアップ効果とツヤを付与する効果を併せ持つことにより、睫をつややかにかつ濃く見せ、不自然さがなく美しい仕上がりで目元が強調される化粧効果を得ることができ、かつ経時でのにじみが生じず化粧持ちの良好なものであった。
一方、成分(A)の(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)共重合体を配合していない比較例1では、塗布膜の均一性、塗布膜のツヤおよび経時でのにじみのなさの点で特に満足のいくものが得られず、成分(B)の有機粉体の代わりにマイカを配合した比較例2では、ボリュームアップ効果、塗布膜の均一性およびツヤの点で満足のいくものが得られず、成分(C)の多孔質シリカを配合していない比較例3では、ボリュームアップ効果、塗布膜のツヤおよび経時でのにじみのなさの点で、成分(D)のエタノールを配合していない比較例4では、成分(A)の分散性が悪く、塗布膜の均一性および経時でのにじみのなさの点で、成分(A)の(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)共重合体を多量に配合した比較例5では、塗布膜のツヤおよび経時でのにじみのなさの点で特に満足のいくものが得られなかった。
実施例5 マスカラ(油中水型、クリーム状)
(成分) (%)
(1)オゾケライトワックス 3
(2)カルナウバワックス 1
(3)ミツロウ 3
(4)キャンデリラワックス 1
(5)成分(E)油溶性樹脂*8 10
(6)レシチン 1
(7)黒酸化鉄 5
(8)ベンガラ 3
(9)成分(B)有機粉体*9 10
(10)成分(C)多孔質シリカ*10 3
(11)ポリプロピレン繊維 2
(12)ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 3
(13)軽質流動イソパラフィン 残量
(14)パルミチン酸デキストリン 1
(15)1,3−ブチレングリコール 2
(16)精製水 20
(17)ポリ酢酸ビニルエマルション(固形分42〜48%)*11 5
(18)ポリアクリル酸ナトリウム*12 0.001
(19)パラオキシ安息香酸エステル 0.2
(20)ヨクイニン抽出液 0.1
(21)成分(A)(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)
共重合体*13 1
(22)成分(D)エタノール 5
(23)トリエタノールアミン 0.5
*8 ANTARON V−220(ISPヴァンダイク社製)
*9 マツモトマイクロスフェアー M−305(松本油脂製薬社製)
*10 サイリシア770(富士シリシア化学社製)
*11 ビニブランGV−5651(日信化学工業社製)
*12 アロンビス S(日本純薬社製)
*13 Dermacryl V−42(日本NSC社製)
(製法)
A.成分(1)〜(14)を均一に混合、分散し加熱して80℃に調製する。
B.成分(15)〜(23)を均一に混合、分散し80℃に加熱する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを冷却、脱泡し、容器に充填して製品とする。
本発明は、睫のボリュームアップ効果と、ツヤを付与する効果に優れ、かつ経時でのにじみが生じず化粧持ちの良好なものであった。
実施例6 マスカラ下地(水性、ゲル状)
(成分) (%)
(1)成分(A)(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)
共重合体*7 3
(2)成分(D)エタノール 15
(3)アミノメチルプロパノール 1
(4)精製水 残量
(5)アルカリ増粘性ポリマーエマルジョン*15 3
(6)アクリル酸アルキル共重合体エマルション(固形分50%)*4 30
(7)トリオレイン酸ソルビタン 2
(8)モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 2
(9)レシチン 0.5
(10)1,3−ブチレングリコール 5
(11)パラオキシ安息香酸エステル 0.2
(12)成分(B)有機粉体*16 2
(13)成分(C)多孔質シリカ*6 1
(14)ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体液(固形分50%)*17 2
(15)香料 適量
*15 ACULYN 33A(Rohm社製)
*16 ガンツパールGPA−550(ガンツ化成社製)
*17 PVP/VAE−735(ISP社製)
(製法)
A.成分(1)〜(15)を均一に混合、分散する。
B.Aを脱泡し、容器に充填して製品とする。
本発明は、睫のボリュームアップ効果と、ツヤを付与する効果に優れ、かつ経時でのにじみが生じず化粧持ちの良好ななものであった。
実施例7 マスカラトップコート(油性、ゲル状)
(成分) (%)
(1)ミツロウ 5
(2)成分(E)油溶性樹脂*18 10
(3)成分(E)油溶性樹脂*19 10
(4)軽質流動イソパラフィン 残量
(5)デカメチルシクロペンタシロキサン 5
(6)雲母チタン 2
(7)酸化鉄被覆雲母チタン 1
(8)酸化チタン被覆ガラスフレーク 5
(9)レシチン 1
(10)成分(B)有機粉体*3 20
(11)成分(C)多孔質シリカ*20 3
(12)成分(A)(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)
共重合体*7 2
(13)成分(D)エタノール 10
(14)ヒアルロン酸ナトリウム*21 0.05
(15)フェノシキエタノール 適量
*18 KF−9021(信越化学工業社製)
*19 エステルガムHP(荒川化学工業社製)
*20 ゴッドボールD11−796C(鈴木油脂工業社製)
*21 ヒアルロン酸FCH121−S(紀文フードケミファ社製)
(製法)
A.成分(1)〜(5)を加熱溶解し、成分(6)〜(11)を加え、均一に混合、分散する。
B.成分(12)〜(15)を均一に混合する。
C.AにBを加え、分散する。
D.Cを脱泡し、容器に充填して製品とする。
本発明は、睫のボリュームアップ効果と、ツヤを付与する効果に優れ、かつ経時でのにじみが生じず化粧持ちの良好ななものであった。

Claims (4)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)(アクリル酸アルキル/アルキルアクリルアミド)共重合体を0.1〜3質量%
    (B)有機粉体
    (C)多孔質シリカ
    (D)エタノール
    を配合することを特徴とする睫用化粧料。
  2. 成分(B)が、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリエステルから選ばれる一種または二種以上の有機粉体であることを特徴とする請求項1記載の睫用化粧料。
  3. 成分(A)が(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の睫用化粧料。
  4. さらに成分(E)として油溶性樹脂を配合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の睫用化粧料。
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