JP2007070232A - 水中油型睫用化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】睫用化粧料において、睫の化粧効果(カール効果、ボリュームアップ効果)、良好な使用性、化粧もち(効果の持続性、にじみのなさ)を具備するものであり、特に高いカール力を発揮する一方で、のびが軽くてなめらかなため、束付きが防止され、均一な皮膜が得られ、その結果カール力の持続性につながるという、高いカール力と軽くなめらかな使用性を両立させた水中油型睫用化粧料を提供する。
【解決手段】 次の成分(A)〜(E);(A)リン脂質、(B)ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテルから選ばれる一種または二種以上の非イオン性界面活性剤、(C)融点60〜110℃の固形油を10〜30質量%、(D)水不溶性の皮膜形成剤、(E)多孔質シリカを配合することを特徴とする水中油型睫用化粧料に関するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、カール力に優れながら軽くのびてなめらかに睫に付き、束付きすることなくボリュームアップし、かつカール力の持続性および経時でのにじみがない等の化粧もちに優れる水中油型睫用化粧料に関するものである。
従来、睫用化粧料において睫をカールさせ、濃くする(ボリュームアップ)効果を得るために用いられてきた技術として、硬質ワックスを多量に配合する方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。また、睫に化粧料をスムーズに適用できる技術として、リン脂質とPVP(ポリビニルピロリドン)−コポリマーと樹脂を配合する方法が挙げられる(例えば、特許文献2参照)。睫用化粧料は、睫をカールしたりボリュームアップするために前記の硬質ワックスやポリマー、樹脂等の油剤に加えて、長く見せるために繊維を配合したり、着色のため顔料を配合したりする。これらを水中油型化粧料に安定かつ均一に乳化、分散して配合する技術は、高級脂肪酸石鹸を乳化剤として用いるものが一般的であった(例えば、非特許文献1)。
特許第2988929号公報 特表2004−532879号公報 最新化粧品科学 薬事日報社(昭和55年版)第1編、第3章3・5マスカラ「処方17」
しかしながら、高級脂肪酸石鹸を乳化剤として用いた水中油型睫用化粧料は、ワックス、ポリマー、樹脂等の油剤に対する乳化力、顔料、繊維の分散性や乳化状態の安定性には優れるものであるが、例えば、睫をカールさせるために硬質ワックスを多量に配合する方法を用いた場合は、化粧料が硬くなりのびが重いなどの使用性上満足できるものが得られず、また、スムーズな適用を得るためにリン脂質とPVP−コポリマーと樹脂を配合する方法では、カール力やカール力の持続性が十分ではなかった。このように、高級脂肪酸石鹸を乳化剤として用いた水中油型睫用化粧料では、高いカール力と軽くなめらかな使用性を両立するものは、これまで得られていなかった。
そこで本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、リン脂質、特定の非イオン性界面活性剤、融点60〜110℃の固形油を10〜30質量%(以下、単に「%」で示す。)、水不溶性の皮膜形成剤、および多孔質シリカを組み合わせることにより、多量の固形油をリン脂質と特定の非イオン性界面活性剤を用いて水中油型にし、かつ皮膜形成剤と多孔質シリカを用いることによって、更に安定性や使用性、化粧もちを向上することによって、睫用化粧料を軽くなめらかに睫に適用することができ、カール力とその持続性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、成分(A)リン脂質、(B)ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテルから選ばれる一種または二種以上の非イオン性界面活性剤、(C)融点60〜110℃の固形油を10〜30%、(D)皮膜形成剤、(E)多孔質シリカを配合することによって、化粧効果、使用性、化粧もちに優れた水中油型睫用化粧料を提供するものである。
本発明は、睫の化粧効果(カール効果、ボリュームアップ効果)、良好な使用性、化粧もち(効果の持続性、にじみのなさ)を具備するものであり、特に高いカール力を発揮する一方で、のびが軽くてなめらかなため、束付きが防止され、均一な皮膜が得られ、その結果カール力の持続性につながるという、高いカール力と軽くなめらかな使用性を両立させた水中油型睫用化粧料に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される成分(A)リン脂質は、本発明品において乳化剤として機能するものであり、通常の化粧料に用いられるリン脂質であれば何れのものも用いることができる。具体的には大豆由来リン脂質、大豆由来水素添加リン脂質、大豆由来リゾリン脂質、大豆由来水素添加リゾリン脂質、卵黄由来リン脂質、卵黄由来水素添加リン脂質、卵黄由来リゾリン脂質、卵黄由来水素添加リゾリン脂質等が挙げられ、これらを一種または二種以上用いることができる。
成分(A)の配合量は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜10.0質量%(以下、単に「%」で示す。)であり、より好ましくは0.5〜5.0%である。この範囲であればより油成分を乳化し安定化することに優れ軽くのびてなめらかに睫に付く水中油型睫用化粧料が得られる。
本発明に使用される成分(B)のポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテルから選ばれる一種または二種以上の非イオン性界面活性剤は、本発明品において成分(A)のリン脂質とともに乳化剤として機能するものである。また、これら非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレン鎖は、ワックス等の油成分を安定に乳化する観点より5〜60モルのものが好ましい。
成分(B)の配合量は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜10.0%であり、より好ましくは0.5〜5.0%である。この範囲であればより成分(C)の固形油の乳化力に優れ軽くのびてなめらかに睫に付く水中油型睫用化粧料が得られる。
本発明に使用される成分(C)の融点60〜110℃の固形油は、本発明において強いカール力とその持続性を与えるものであり、通常の化粧料に用いられる固形油であれば何れのものも用いることができる。具体的にはパラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、モクロウ、α−オレフィン・ビニルピロリドン共重合体、トリベヘン酸グリセリル等が挙げられ、これらを一種または二種以上用いることができる。
成分(C)の配合量は、10.0〜30.0%であり、より好ましくは10.0〜25.0%である。この範囲であればより強いカール力とその持続性に優れる水中油型睫用化粧料が得られる。
本発明に使用される成分(D)の水不溶性の皮膜形成剤は、本発明において強いカール力とその持続性を与えると共に、経時でのにじみを防止する等の化粧持ちを向上するものであり、睫に塗布後に皮膜を形成するものであれば何れのものも用いることができる。例えば、ロジン酸ペンタエリスリット等のロジン酸誘導体、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリイソブチレン、アクリル変性シリコーンやトリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン樹脂、キャンデリラレジン(ここでキャンデリラレジンとは、キャンデリラワックスより有機溶剤を用いて分別して得られる樹脂分であり、樹脂分が好ましくは65%以上、更に好ましくは、85%以上の割合で含有され、軟化点が35〜55℃のものである。)、(メタ)アクリル酸アルキル重合体、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体等の(共)重合体類が挙げられる。これらの皮膜形成剤は、本発明の水中油型睫用化粧料に油剤と混合して配合することもでき、水性溶媒に分散させたエマルションの状態で配合することもでき、これらを一種または二種以上用いることができる。エマルションにしたものとしては、(メタ)アクリル酸アルキル重合体エマルション、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、酢酸ビニル含有共重合体エマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、シリコーン含有重合体エマルション、シリコーン含有共重合体エマルション等が挙げられるが、中でも、(メタ)アクリル酸アルキル重合体、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、スチレン・ビニルピロリドン共重合体を水性媒体に分散させたポリマーエマルションが、乳化安定性や化粧もちの点においてさらに好ましい。
成分(D)の市販品としては、ロジン酸誘導体のエステルガムHP(荒川化学工業社製)、キャンデリラレジンのキャンデリラ樹脂E−1(日本ナチュラルプロダクツ社製)、シリコーン樹脂としてKP−561、KP−562、KP−545(固形分30%)、KF7312J、KF9021(いずれも固形分50%)、KF7312K(固形分60%)(以上、信越化学工業社製)等が例示できる。また、ポリマーエマルションとしては、PLEXTOL B500(ポリマーラテックス社製)、YODOSOL GH800、GH810、GH41(以上、日本NSC社製)、ANTARA 430(ISP社製)、リカボンドET−F527(中央理化工業社製)、ビニブラン GV−5651(日信化学工業社製)等が挙げられる。
成分(D)の配合量は、0.5〜25.0%が好ましく、より好ましくは0.5〜20.0%である。なお、ポリマーエマルションの場合は、その固形分とする。この範囲であればより強いカール力とその持続性を与えると共に、経時でのにじみがないなどの化粧持ちに優れる水中油型睫用化粧料が得られる。
本発明に使用される成分(E)の多孔質シリカは、本発明において束付きすることなくボリュームアップしかつ経時でのにじみを防止して化粧持ちを向上するものである。多孔質シリカの比表面積は100〜1000m/g(NガスによるBET法)が好ましく、市販品としては、サイリシア550、770(以上、冨士シリシア化学社製)、ゴッドボールD11−796C、E2−824C(以上、鈴木油脂工業社製)、シリカマイクロビードP−1500、P−1505(以上、触媒化成工業社製)等が例示できる。
これらの多孔質シリカは表面を未処理のまま使用しても、油剤処理、シリコーン化合物処理、フッ素化合物処理、金属石鹸処理、界面活性剤処理、アミノ酸系化合物処理、水溶性高分子処理等を施しても構わない。またこれらを一種または二種以上用いることができる。
成分(E)の配合量は、0.5〜10.0%であり、より好ましくは1.0〜5.0%である。この範囲であればより束付きすることなくボリュームアップしかつ経時でのにじみを防止して化粧持ちが向上した水中油型睫用化粧料が得られる。
尚、本発明の水中油型睫用化粧料は、基剤として水を配合するが、成分(D)がポリマーエマルジョンの場合は、その溶媒である水を基剤として使用することができる。
本発明の水中油型睫用化粧料は、上記した必須成分の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、水性成分、水溶性高分子や、感触調整や着色の目的で多孔質シリカ以外の粉体成分や繊維、エモリエント成分として油性成分、剤型の安定化、保湿、粉体分散、感触調整の為の界面活性剤、増粘剤、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料、などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、高重合度ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられる。
粉体成分としては、成分(E)以外で、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、その表面を油剤処理、シリコーン化合物処理、フッ素化合物処理、金属石鹸処理、界面活性剤処理、アミノ酸系化合物処理、水溶性高分子処理等を施してあってもよい。
油性成分としては、成分(C)、(D)以外で、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤等が挙げられる。
繊維としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に制限されず、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられる。これら繊維は1種又は2種以上を用いることができ、フッ素化合物、シリコ−ン油、粉体、油剤、ゲル化剤、界面活性剤等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
界面活性剤としては、成分(A)、(B)以外で、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがある。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
増粘剤としては、水膨潤性粘土鉱物やこれらを有機変性したもの、高分子物質等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明の水中油型睫用化粧料の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、高温で溶解した成分(C)の融点60〜110℃のワックスおよび成分(D)の皮膜形成剤を含む油性成分に、成分(E)の多孔質シリカを含む水性成分を加えて、成分(A)のリン脂質、および成分(B)のポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテルから選ばれる一種または二種以上の非イオン性界面活性剤で水中油型に乳化した後、冷却、脱泡して充填することにより得ることができる。
本発明の水中油型睫用化粧料はマスカラ、マスカラ下地、マスカラトップコートなどに応用でき、形態としては、クリーム状、ゲル状、液状が挙げられるが、中でもクリーム状が好ましい。
以下、例をあげて本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜5マスカラ(クリーム状)
表1に示す処方のマスカラを下記製造方法で調製し、カール力、カールの持続性、束付きのなさ、ボリュームアップ効果、経時でのにじみのなさについて下記の方法により官能評価を行った。その結果も併せて表1に示す。
*1:キャンデリラ樹脂E−1(日本ナチュラルプロダクツ製)
*2:シュガーワックスS−10E(第一工業製薬社製)
*3:HSL−70(YMC社製)
*4:トリエタノールアミン
*5:PLEXTOL B500(固形分50%)(ポリマーラテックス社製)
*6:ANTARA430(固形分40%)(ISPヴァンダイク社製)
*7:プライマルASE−75(アルカリ増粘性ポリマーエマルション)(固形分40%)(ポリマーラテックス社製)
*8:サイリシア550(富士シリシア化学社製)
*9:パールフオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩10%処理繊維7デニール−2mm
*10:パラオキシ安息香酸メチル
(製造方法)
実施例1〜4および比較例2〜5
A.成分(1)〜(10)を80℃で加熱混合し、分散する。
B.成分(11)〜(15)を均一に混合分散し、80℃にする。
C.成分(16)〜(23)を均一に混合分散し、80℃にする。
D.AにBを加えて混合する。
E.DにCを加えて乳化する。
F.Eを冷却、脱泡し、成分(24)〜(26)を加えて混合した後、容器に充填して製品とする。
比較例1
A.成分(1)〜(10)を80℃で加熱混合し、分散する。
B.成分(11)〜(23)を均一に混合分散し、80℃にする。
C.AにBを加えて乳化する。
D.Cを冷却、脱泡し、成分(24)〜(26)を加えて混合した後、容器に充填して製品とする。
(評価方法)
10名の官能検査パネルにより、各試料を下記a〜eについて、パネル各人が絶対評価にて7段階に評価し、各試料ごとのパネル全員の評点の平均値から4段階判定基準により判定した。尚、評価項目b、eについては、試料を睫に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後のカール効果およびにじみのなさについて評価した。また、軽くなめらかな使用性については、束付きと関連性が強いため、使用性とともに束付きのなさを評価項目とした。
(評価項目)
a.カール力
b.カールの持続性
c.束付きのなさ
d.ボリュームアップ効果
e.経時でのにじみのなさ
絶対評価
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
4段階判定基準
5点を超える :非常に良好:◎
3点を超え5点以下:良好 :○
1点を超え3点以下:やや不良 :△
1点以下 :不良 :×
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4のマスカラは、比較例1〜5のマスカラに比較し、カール力、カールの持続性、束付きのなさ、ボリュームアップ効果および経時でのにじみのなさについて、いずれも優れていることがわかる。特に、本発明のマスカラは、軽くなめらかに塗布できるため束付きすることなく睫に均一に付くとともに、高いカール力とそのカールが長時間持続していた。
一方、成分(A)乳化剤としてのリン脂質をステアリン酸とトリエタノールアミンに置き換えた比較例1では、カール力、カールの持続性、束付きのなさの点で特に満足のいくものが得られず、成分(B)の非イオン性界面活性剤を配合していない比較例2では、均一な乳化ができないため、カール力、カールの持続性、束付きのなさおよびボリュームアップ効果点で満足のいくものが得られなかった。成分(C)のワックスを配合していない比較例3とワックスの配合量が少ない比較例4では、カール力、カールの持続性およびボリュームアップ効果の点で、成分(D)の皮膜形成剤を配合していない比較例5では、カール力とその持続性、ボリュームアップ効果、経時でのにじみのなさの点で、また、成分(E)の多孔質シリカをマイカに置き換えた比較例6では、束付きのなさ、ボリュームアップ効果の点で特に満足のいくものが得られなかった。
実施例5 マスカラ(クリーム状)
(成分) (%)
(1)成分(C)オゾケライトワックス 3
(2)成分(C)カルナウバワックス 3
(3)成分(C)ミツロウ 5
(4)成分(C)キャンデリラワックス 3
(5)成分(C)ビニルピロリドン・α−オレフィン共重合体*11 3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 2
(7)黒酸化鉄 2
(8)ベンガラ 5
(9)セタノール 1
(10)成分(A)リン脂質*12 1
(11)成分(B)ポリオキシエチレン(30E.O.)
フィトステロールエーテル 1
(12)グリセリン 3
(13)1,3−ブチレングリコール 8
(14)アルカリ剤*4 1
(15)防腐剤*10 0.2
(16)成分(D)アクリル酸アルキル共重合体エマルション
(固形分42〜48%)*13 10
(17)成分(D)ポリ酢酸ビニルエマルション
(固形分42〜48%)*14 20
(18)増粘剤*15 0.005
(19)増粘剤*16 4
(20)美容成分*17 0.1
(21)精製水 残量
(22)成分(E)多孔質シリカ*18 2
(23)ポリプロピレン繊維(5.6デニール、2mm) 2
*11 ANTARON V−220(ISPヴァンダイク社製)
*12 ベイシスLS−60HR(日清オイリオ社製)
*13 YODOSOL GH810(日本NSC社製)
*14 ビニブランGV−5651(日信化学工業社製)
*15 アロンビス S(日本純薬社製)
*16 SALCARE SC81(アルカリ増粘性ポリマーエマルション)(CIBA SPECIALITY CHEMICALS社製)
*17 ヨクイニン抽出液
*18 サイリシア770(冨士シリシア化学社製)
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱分散後均一に混合し80℃に調製し、成分(10)〜(13)を加え、混合する。
B.成分(14)〜(23)を均一に混合し80℃に加熱する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを冷却、脱泡し、容器に充填して製品とする。
本発明のマスカラは、強いカール力とその持続性に優れながら軽くのびてなめらかに睫に付き、束付きすることなくボリュームアップし、かつ経時でのにじみがなく化粧もちに優れたものであった。
実施例6 マスカラ下地(クリーム状)
(成分) (%)
(1)成分(C)エチレン・プロピレンコポリマー 0.5
(2)成分(C)カルナウバワックス 1
(3)成分(C)ミツロウ 5
(4)成分(C)マイクロクリスタリンワックス 4
(5)セタノール 2
(6)トリオレイン酸ソルビタン 3
(7)無孔質シリル化シリカ 0.5
(8)成分(A)リン脂質*19 3
(9)成分(B)ポリオキシエチレン(30E.O.)
コレスタノールエーテル 3
(10)モノステアリン酸ポリエチレングリコール 0.5
(11)グリセリン 5
(12)1,3−ブチレングリコール 5
(13)アルカリ剤*4 0.5
(14)防腐剤*10 0.2
(15)エチルアルコール 3
(16)成分(D)アクリル酸アルキル共重合体エマルション
(固形分50%)*5 30
(17)増粘剤*20 3
(18)タルク 1
(19)成分(E)多孔質シリカ*8 1
(20)成分(D)ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体液
(固形分50%)*21 2
(21)精製水 残量
(22)香料 適量
*19 レシノールS−10(日光ケミカルズ社製)
*20 ACULYN 33A(アルカリ増粘性ポリマーエマルション)(Rohm社製)
*21 PVP/VAE−735(ISP社製)
(製法)
A.成分(1)〜(7)を加熱分散後均一に混合し80℃に調製し、成分(8)〜(12)を加え、混合する。
B.成分(13)〜(22)を均一に混合し80℃に加熱する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを冷却、脱泡し、容器に充填して製品とする。
本発明のマスカラ下地は、通常のマスカラを使用する前に用いることによって、強いカール力とその持続性に優れながら軽くのびてなめらかに睫に付き、束付きすることなくボリュームアップし、かつ経時でのにじみがなく化粧もちに優れたものであった。
実施例7 マスカラトップコート(クリーム状)
(成分) (%)
(1)成分(C)ミツロウ 5
(2)成分(C)キャンデリラワックス 5
(3)成分(D)シリコーン樹脂溶液(固形分50%)*22 20
(4)酸化チタン被覆ガラスフレーク*23 5
(5)酸化鉄被覆雲母チタン 0.1
(6)雲母チタン 2
(7)成分(A)リン脂質*19 3
(8)成分(B)ポリオキシエチレン(30E.O.)
コレスタノールエーテル 3
(9)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体*24 0.5
(10)グリセリン 5
(11)1,3−ブチレングリコール 3
(12)成分(D)ポリ酢酸ビニルエマルション
(固形分42〜48%)*14 10
(13)精製水 残量
(14)美容成分*25 0.05
(15)エチルアルコール 5
(16)成分(E)多孔質シリカ*7 3
*22 KF−9021信越化学工業社製)
*23 メタシャイン1080−S(日本板硝子社製)
*24 NUCシリコーン SS2802(日本ユニカー社製)
*25 ヒアルロン酸FCH121−S(紀文フードケミファ社製)
(製法)
A.成分(1)〜(6)を加熱分散後均一に混合し80℃に調製し、成分(7)〜(11)を加え、混合する。
B.成分(12)〜(16)を均一に混合し80℃に加熱する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを冷却、脱泡し、容器に充填して製品とする。
本発明のマスカラトップコートは、通常のマスカラを使用した上に用いることによって、強いカール力とその持続性に優れながら軽くのびてなめらかに睫に付き、束付きすることなくボリュームアップし、かつ経時でのにじみがない等の化粧もちに優れたものであった。

Claims (2)

  1. 次の成分(A)〜(E);
    (A)リン脂質
    (B)ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテルから選ばれる一種または二種以上の非イオン性界面活性剤
    (C)融点60〜110℃の固形油を10〜30質量%
    (D)水不溶性の皮膜形成剤
    (E)多孔質シリカ
    を配合することを特徴とする水中油型睫用化粧料。
  2. 成分(D)が(メタ)アクリル酸アルキル重合体、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、スチレン・ビニルピロリドン共重合体から選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする請求項1記載の水中油型睫用化粧料。
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