JP2006153555A - トレッドラジアス測定治具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 空気入りタイヤ20のトレッド面21の幅方向に配置される水平支持片11の両側に両側脚部13A、13Bを設けると共に、該両側脚部の中点に下方に向けて付勢された状態で昇降自在に中央昇降脚部12を設け、両側脚部13および中央昇降脚部12の下端側をトレッド面21に押し当てた状態において、変位計14で検出される両側脚部13と中央昇降脚部12との上下方向の距離であるキャンバー量をA、中央昇降脚部12と両側脚部13の一方との水平方向の距離であるベース量をB、トレッド面21のタイヤ幅方向の曲率半径をRとすると、R=(A2+B2)/2Aによりトレッド面の曲率半径を算出可能としている。
【選択図】 図1
Description
前記タイヤの幅方向に配置される水平支持片と、
前記支持片の両側から垂下されて前記トレッド面の幅方向の両側に当接させる両側脚部と、
前記両側脚部の中点において前記水平支持片から下方に向けて付勢された状態で昇降自在に垂下されて前記トレッド面の中央に当接させる中央昇降脚部と、
前記中央昇降脚部の上下変位量を検出する変位計とを備え、
前記両側脚部および前記中央昇降脚部の下端側を前記トレッド面に押し当てた状態において、前記変位計で検出される前記両側脚部と前記中央昇降脚部との上下方向の距離であるキャンバー量をA、前記中央昇降脚部と前記両側脚部の一方との水平方向の距離であるベース量をB、前記トレッド面のタイヤ幅方向の曲率半径をRとすると、
R=(A2+B2)/2A
により前記トレッド面の曲率半径を算出可能としていることを特徴とするトレッドラジアス測定治具を提供している。
さらに、トレッドラジアス測定治具の中央昇降脚部と両側脚部をトレッド面の所要箇所に当接させるだけで曲率半径Rを算出することができ、従来例のようにタイヤのプロファイルを測定して曲率半径を算出する場合と比較して、煩雑な初期設定もなく効率良く曲率半径Rを算出することができる。
また、変位部はバネ等により下方へ付勢されており、該変位部に連結された中央昇降脚部も下方に付勢されている。中央昇降脚部は付勢された状態で、該中央昇降脚部の下端面と両側脚部の下端とが同一高さとなるように設定している。
また、中央昇降脚部と両側脚部の一方との水平方向の距離であるベース量Bを入力する手段と、入力したベース量Bと測定により検出したキャンバー量Aにより曲率半径Rを算出する算出手段を設け、この算出結果を前記変位計の表示部に表示する構成とすると、キャンバー量Aの測定と共に曲率半径Rの値を得ることができ、曲率半径Rの測定作業を効率良く行うことができる。
なお、前記入力手段と算出手段は、前記変位計に一体的に設ける構成としてもよいし、別体として変位計の外部に設け、変位計と入力手段及び算出手段とをそれぞれ接続する構成としてもよい。
また、両側脚部を水平支持片に着脱自在とすると共に、中央昇降脚部からの距離を変えて任意の位置に取り付けることができる構成とすると、トレッド面の幅の大小にかかわらず曲率半径を測定することができ、汎用性を高めることができる。かつ、トレッド面に設けた溝位置を避けて両側脚部を設け、両側脚部を確実に溝を設けていない位置のトレッド面に当接させて正確な曲率半径を算出することができる。
次いで、水平支持片の長さ方向をトレッド面の幅方向に一致させると共に、中央昇降脚部をトレッド面の赤道線上に位置させ、トレッドラジアス測定治具を両側脚部の下端がトレッド面に当接するまで下降させる。このとき、中央昇降脚部は両側脚部に対して相対的に上昇する。この上昇量、即ち、キャンバー量Aが変位計により検出され、前記式によりトレッド面の幅方向の曲率半径Rが算出される。
前記水平支持片より直交方向に突出させて、タイヤの赤道方向に配置される第二の支持片を設け、該第二の支持片の両側から前記トレッド面に当接させる支持用両側脚部を設けていることが好ましい。
また、両側脚部および中央昇降脚部の下端がテープ状当接片を介してトレッド面に当接されるため、両側脚部および中央昇降脚部に対向する位置にトレッド面に設けた溝があっても、両側脚部および中央昇降脚部が溝底面まで嵌まり込むことがなく、トレッド面の曲率半径を測定することができる。
また、赤道方向に延在する第二の支持片により中央昇降脚部が赤道線上に配置されていることを目視により確認でき、中央昇降脚部のトレッド面幅方向への位置ズレを防止することができる。
例えば、中央昇降脚部と両側脚部に対向する位置に溝がなければ溝充填材を取り付けなければよいし、溝がある場合には、その溝の形状に適した溝充填材をマグネットを介して取り付けてやればよい。
また、溝充填材を溝形状と略同様の形状とすると、該溝充填材を溝に挿入することにより、トレッドラジアス測定治具を適切な位置に位置決めすることができる。
トレッド面の幅方向の中央である赤道線上には、幅の大きな溝を設けているタイヤが多く、このような場合、トレッドラジアス測定治具を下方に押し下げたときに、中央昇降脚部がテープ状当接片と共に溝内に入り込むおそれがある。このように、中央昇降脚部が溝に入り込んでしまうと正確なキャンバー量Aを測定できなくなってしまう。よって、前記のように、中央昇降脚部に対向する位置に大きな溝がある場合には、中央昇降脚部の下端のテープ当接片の下面に溝充填材を取り付けておくことが好ましい。
さらに、トレッドラジアス測定治具の中央昇降脚部と両側脚部をトレッド面の所要箇所に当接するだけで曲率半径Rを算出することができ、従来例のようにタイヤのプロファイルを測定して曲率半径を算出する場合と比較して、効率良く曲率半径Rを算出することができる。
図1乃至図4は、本発明の第1実施形態を示し、トレッドラジアス測定治具10は、空気入りタイヤ20(以下、タイヤ20と称す)のトレッド面21の幅方向の曲率半径(ラジアス)Rを測定するものである。
なお、該テープ状当接片15は、中央昇降脚部12の下端面12bにのみ取り付けており、両側脚部13A、13Bの下端には接着していない。
前記連結部材40は、昇降部支持棒18の側方位置で上下方向に延在し、上部に変位計14の表示部14bの背面側に突設した取付片14cをボルト締め固定すると共に、下端に前記水平支持片11をボルト締め固定している。よって、水平支持片11と変位計14は、連結部材40を介して、スプリング19により上方へ付勢された状態で、昇降部支持棒18に昇降自在に取り付けられている。前記のように、水平支持片11と変位計14は連結部材40により連結されており、連結部材40、水平支持片11、変位計14、中央昇降脚部12、両側脚部13とで昇降部41が形成されている。
前記式R=(A2+B2)/2Aは下記の方法により求めている。即ち、図4に示すように、測定するトレッド面21の幅方向の曲線を一部に含む仮想円Cの中心点をO、該トレッド面21と両側脚部13との接触点をP1、トレッド面21と中央昇降脚部12との接触点をP2とし、直線OP1、OP2と、P1から直線OP2への垂線とにより直角三角形を形成する。該直角三角形において、R2=(R−A)2+B2が成立し、前記式R=(A2+B2)/2Aが求められる。
なお、前記入力手段と算出手段は、変位計14とは別の計算装置に設けて、変位計14と接続する構成としてもよい。また、前記入力手段と算出手段を設けず、変位計14により検出されたキャンバー量Aとベース量Bを測定者が前記式に当てはめて曲率半径Rを算出してもよい。
先ず、水平支持片11の所要位置に両側脚部13A,13Bを取り付ける。両側脚部13Aと13Bは中央昇降脚部12からそれぞれ等距離の位置に取り付けている。
次いで、中央昇降脚部12と両側脚部13の水平方向の距離であるベース量Bを入力手段に入力する。
次いで、両側脚部13の下端13a−1と中央昇降脚部12の下端面12bの高さを同一高さに設定し、このときの変位計14のキャンバー量Aを基準値の0と設定しておく。
次いで、連結部材40、水平支持片11、変位計14、中央昇降脚部12および両側脚部13からなる昇降部41を両側脚部13の下端13a−1がテープ状当接片15を介してトレッド面21に当接するまで下降させる。このとき、中央昇降脚部12はトレッド面21に当接しているため下降せず、両側脚部13に対して相対的に上昇し、変位計14の変位部14aを上方へ押圧する。
最後に、中央昇降脚部12と両側脚部13A、13Bがテープ状当接片15を介してトレッド面21に当接したところで昇降部41の下降を止める。このとき、変位計14によりキャンバー量Aが検出され、算出手段によりトレッド面21の幅方向の曲率半径Rが算出される。
また、中央昇降脚部12の赤道方向の両側にも支持用両側脚部17を設けているため、ラジアス測定治具10がトレッド面21の赤道方向に傾くのも防止して、精度良く前記キャンバー量Aを検出して、正確な曲率半径Rを算出することができる。
さらに、前記のように、ラジアス測定治具10の中央昇降脚部12と両側脚部13A、13Bをトレッド面21に当接するだけで曲率半径Rを算出することができ、従来例のようにタイヤのプロファイルを測定して曲率半径を算出する場合と比較して、効率良く曲率半径Rを算出することができる。
本実施形態のラジアス測定治具10’は、赤道線上に溝22が設けられているトレッド面の曲率半径Rを測定するのに好適に用いられるものである。
具体的には、金属製のテープ状当接片15’の下面側で、中央昇降脚部12’に対向する位置に、溝充填材30に接着させたマグネット33を介して溝充填材30を着脱自在に取り付けている。
また、図5(C)に示すように、溝充填材30の中央に中空部31を設けることで弾性を付与してもよい。
なお、弾性力の高い弾性材を用いている場合には、図5(D)に示すように、中空部も切込部も設けていない中実の溝充填材30としてもよい。図5(C)及び図5(D)に示した溝充填材の場合には、溝充填材の形状を挿入する溝形状と相似あるいは同一形状としている。
なお、ラジアス測定治具の他の構成及び他の測定方法は、第1実施形態と同様のため説明を省略する。
また、溝充填材30を弾性材により成形すると共に、中空部31を設け、あるいは、下端面に切込部32を設けることにより弾性を付与しているため、大きさや形状の異なる様々な溝に埋没させることが可能となり、汎用性を高めることができる。
なお、本実施形態では、溝充填材30をマグネットを介してテープ状当接片15’に取り付けているが、接着剤等を用いて溝充填材30をテープ状当接片15’に接着させてもよい。
また、本実施形態では、溝充填材30を中央昇降脚部12に対向する位置に取り付けているが、トレッド面21の両側脚部13に対向する位置に溝が設けられている場合には、両側脚部13の対向位置に溝充填材30を取り付けてもよい。
また、溝充填材30’の高さと溝22の深さを略同一とするだけでなく、溝充填材30’の形状を測定位置の溝22の形状と略同一形状とすれば、溝充填材30’を溝22にはめ込むことにより、トレッドラジアス測定治具10’をトレッド面21に対して容易に位置決めすることができる。
11 水平支持片
12 中央昇降脚部
12b 下端面
13A、13B 両側脚部
13a−1 下端
14 変位計
15 テープ状当接片
16 第二の支持片
17 支持用両側脚部
20 空気入りタイヤ
21 トレッド面
22 溝
30 溝充填材
31 中空部
32 切込部
Claims (7)
- 空気入りタイヤのトレッド面の幅方向の曲率半径を測定するための三点式のトレッドラジアス測定治具であって、
前記タイヤの幅方向に配置される水平支持片と、
前記支持片の両側から垂下されて前記トレッド面の幅方向の両側に当接させる両側脚部と、
前記両側脚部の中点において前記水平支持片から下方に向けて付勢された状態で昇降自在に垂下されて前記トレッド面の中央に当接させる中央昇降脚部と、
前記中央昇降脚部の上下変位量を検出する変位計とを備え、
前記両側脚部および前記中央昇降脚部の下端側を前記トレッド面に押し当てた状態において、前記変位計で検出される前記両側脚部と前記中央昇降脚部との上下方向の距離であるキャンバー量をA、前記中央昇降脚部と前記両側脚部の一方との水平方向の距離であるベース量をB、前記トレッド面のタイヤ幅方向の曲率半径をRとすると、
R=(A2+B2)/2A
により前記トレッド面の曲率半径を算出可能としていることを特徴とするトレッドラジアス測定治具。 - 前記中央昇降脚部の下端面に所要の剛性と可撓性を有するテープ状当接片を貼り付けて両側脚部の下端へと延在させ、該両側脚部および前記中央昇降脚部が前記テープ状当接片を介して前記トレッド面に当接される構成とし、かつ、
前記水平支持片より直交方向に突出させて、タイヤの赤道方向に配置される第二の支持片を設け、該第二の支持片の両側から前記トレッド面に当接させる支持用両側脚部を設けている請求項1に記載のトレッドラジアス測定治具。 - 前記中央昇降脚部および前記両側脚部の下端との当接位置の前記トレッド面に溝が存在する場合に、該溝を挿入する溝充填材を前記中央昇降脚部、両側脚部の下端、あるいは前記テープ状当接片の下面に取り付ける構成としている請求項1または請求項2に記載のトレッドラジアス測定治具。
- 前記中央昇降脚部、両側脚部および前記テープ状当接片は金属製とする一方、前記溝充填材にマグネットを付設し、着脱自在に取り付けることができる構成としている請求項3に記載のトレッドラジアス測定治具。
- 前記溝充填材は、所要の剛性、弾性、可撓性を有する素材より形成し、下端より切り込みを入れて櫛歯形状としたシート材、溝形状と相似あるいは同一形状の弾性中空材あるいは弾性中実材からなる請求項3または請求項4に記載のトレッドラジアス測定装置。
- 前記溝充填材は、剛性を有する樹脂材あるいは金属材より形成し、挿入される溝に内嵌される形状とすると共に該溝の深さと略同一の高さとしている請求項3または請求項4に記載のトレッドラジアス測定治具。
- 前記溝充填材は前記中央昇降脚部の下端の前記テープ状当接片の下面に取り付け、前記トレッド面の幅方向の中央に位置する溝に充填されるものである請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載のトレッドラジアス測定治具。
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