JPH09145350A - 曲率半径測定装置 - Google Patents

曲率半径測定装置

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JPH09145350A
JPH09145350A JP7307958A JP30795895A JPH09145350A JP H09145350 A JPH09145350 A JP H09145350A JP 7307958 A JP7307958 A JP 7307958A JP 30795895 A JP30795895 A JP 30795895A JP H09145350 A JPH09145350 A JP H09145350A
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Japan
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radius
curvature
measured
tire
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JP7307958A
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Inventor
Tatsuya Koga
達也 古賀
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定が容易で作業性がよく、しかも測定精度
のよい曲率半径測定装置を得る。 【解決手段】 タイヤクラウン半径測定装置10では、
測定定盤12に左右方向に移動可能な一対のスライド接
触子16、18が互いに対向した状態で配置されてい
る。これらのスライド接触子16、18の間の中央には
高さ方向に変位可能な可変接触子20が配置されてお
り、スライド接触子16、18の間に設けられたバネ式
変位計30に接続されている。タイヤ26のクラウン部
26Aとスライド接触子16、18及び可変接触子20
の各上端部16A、18A、20Aとを接触させると、
スライド接触子16、18間の中央部から上端部16
A、18Aまでの距離Lと可変接触子20の変位量Cが
測定定盤12内の演算回路に取り込まれ、クラウン半径
Rが算出されて、デジタル表示部24に表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体の外周面の曲
率半径を測定する曲率半径測定装置に係り、特に、自動
車のタイヤのクラウン半径等の円弧状被測定体の外側表
面の曲率半径の測定に好適な曲率半径測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】タイヤの製造工程において、タイヤのク
ラウン部の曲率半径(以下、クラウン半径と称する)を
測定する方法としては、図6に示される如く、クラウン
半径測定専用のゲージ(定規)80を用いる方法が従来
より行われていた。
【0003】すなわち、この方法は、300mmから5
000mmの曲率半径を有するゲージ80を50mm毎
に95枚用意して、これらのゲージ80をタイヤ82の
クラウン部82Aに順次押し当てる。次いで、クラウン
部82Aの軸方向中間部とゲージ80との隙間S1 及び
クラウン部82Aの軸方向両端部82B、82Cとゲー
ジ80との隙間S2 、S3 を目視によって判定して、こ
れらの隙間S1 、S2、S3 が最も小さく、かつ均等と
なった場合のゲージ80の曲率半径をもってタイヤ82
のクラウン半径とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た測定方法では、測定者が目視によって隙間S1
2、S3 を判定するため、測定者毎の測定結果の個人
差が大きく、測定結果の再現性が悪いという問題点があ
った。
【0005】また、ゲージ80の曲率半径が50mm毎
とされているため、その中間の値の読み取りが不可能で
あり、測定精度が悪いという問題点があった。
【0006】さらに、前述した如く、曲率半径が300
mmから5000mmまでの95枚のゲージ80を順次
交換して測定するため、測定に要する時間がかかり、測
定効率及び作業性が悪いという問題点があった。
【0007】以上説明した如く、上述した測定方法では
問題点が多く、これらを解決できる測定方法(測定装
置)が切望されていた。
【0008】本発明は上記事実を考慮して、測定が容易
で作業性がよく、しかも測定精度のよい曲率半径測定装
置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の曲率半径
測定装置では、各々の上端部が基準面から互いに等しい
高さに位置した状態で前記基準面上に互いに対向配置さ
れ、円弧状被測定体の外側表面の曲率半径を測定する場
合には前記各上端部が前記外側表面と接触する一対の接
触子と、前記一対の接触子の間の中央に配置されると共
に、初期状態では先端部が前記各接触子の上端部と対向
し、前記円弧状被測定体の外側表面と前記接触子との接
触状態では前記外側表面の曲率に応じて前記円弧状被測
定体に押圧されて前記基準面方向へ変位する可変接触子
を有し、前記可変接触子の前記基準面方向の変位量を測
定する変位計と、前記接触状態での前記各接触子の上端
部間の中央部から前記各上端部までの距離をL、前記変
位計によって測定した前記可変接触子の変位量をC、前
記円弧状被測定体の外側表面の曲率半径をRとしたとき
に、R=(L2 +C2 )/2Cの計算式に基づいて前記
曲率半径を算出する演算手段と、前記演算手段によって
算出された前記曲率半径の数値を表示する表示手段と、
を備えている。
【0010】上記構成の曲率半径測定装置では、一対の
接触子及び変位計の可変接触子に円弧状被測定体の外側
表面を接触させると、円弧状被測定体によって可変接触
子が押圧されて外側表面の曲率に対応して基準面方向へ
変位される。この状態では、可変接触子の変位量が変位
計によって測定され、更に、可変接触子の変位量及びこ
の状態での各接触子の上端部間の中央部から各上端部ま
での距離が演算手段に取り込まれて円弧状被測定体の外
側表面の曲率半径が算出される。
【0011】ここで、各接触子の上端部間の中央部から
各上端部までの距離をL、可変接触子の変位量をC、円
弧状被測定体の外側表面の曲率半径をRとすると、三平
方の定理から、R2 =L2 +(R−C)2 =L2 +R2
−2RC+C2 の関係が成立する。したがって、この式
より、R=(L2 +C2 )/2Cが導き出される。
【0012】すなわち、L及びCを求めることによっ
て、R=(L2 +C2 )/2Cの計算式から曲率半径を
Rが算出される。
【0013】さらに、上記関係式を基に演算手段によっ
て算出された算出結果、すなわち、曲率半径の数値が表
示手段によって表示される。
【0014】請求項2記載の曲率半径測定装置では、請
求項1記載の曲率半径測定装置において、前記一対の接
触子は前記中央部を中心に互いに接離移動可能に設けら
れ、前記接触状態では前記円弧状被測定体に押圧されて
互いに離間する方向へ移動すると共に、前記接触状態で
の前記接触子の移動量を検出可能としたことを特徴とし
ている。
【0015】上記構成の曲率半径測定装置では、一対の
接触子が互いに接離する方向へ移動可能とされており、
各接触子の上端部間の中央部から各上端部までの距離が
曲率半径の測定に最適となるまで各接触子が適宜移動さ
れる。
【0016】さらに、各接触子の移動量は検出可能とさ
れており、検出された接触子の移動量と可変接触子の変
位量が演算手段に取り込まれて曲率半径が算出される。
【0017】請求項3記載の曲率半径測定装置では、請
求項1又は請求項2記載の曲率半径測定装置において、
前記一対の接触子の少なくとも一方に設けられ、前記円
弧状被測定体の外側表面と前記一対の接触子との接触状
態では前記外側表面に接触して前記円弧状被測定体を保
持すると共に前記円弧状被測定体を案内するガイド手段
を備えることを特徴としている。
【0018】上記構成の曲率半径測定装置では、接触子
の少なくとも一方にはガイド手段が設けられているた
め、曲率半径測定時に円弧状被測定体を所定の測定位置
まで移動させる際には、円弧状被測定体の外側表面がガ
イド手段に接触して、円弧状被測定体がガイド手段に保
持された状態で案内されて円滑に移動される。
【0019】請求項4記載の曲率半径測定装置では、請
求項1、請求項2又は請求項3記載の曲率半径測定装置
において、前記演算手段によって算出した曲率半径の算
出結果を記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶した
前記算出結果を取り込んで統計計算する統計計算手段
と、前記算出結果及び前記統計計算手段によって算出さ
れた計算結果を印字して外部へ出力するプリンタと、を
備えることを特徴としている。
【0020】上記構成の曲率半径測定装置では、記憶手
段と統計計算手段が設けられており、演算手段によって
算出された曲率半径の算出結果が記憶手段に記憶され、
更に、記憶手段に記憶された算出結果が統計計算手段に
よって取り込まれて平均値、標準偏差、分散等の所望の
統計結果が算出される。
【0021】さらに、上記構成の曲率半径測定装置で
は、測定した曲率半径及び平均値、標準偏差、分散等の
統計結果がプリンタによって印字され外部に出力され
る。これによって、工程管理に必要な統計計算の計算間
違いが防止される。また、算出結果や統計結果を読み取
って転記する必要がなく、作業効率が向上され、しか
も、これらの読み違いが防止される。
【0022】
【発明の実施の形態】図1には本発明の第1実施形態に
係る曲率半径測定装置としてのタイヤクラウン半径測定
装置10の正面図が示されている。また、図2にはタイ
ヤクラウン半径測定装置10の内部が断面図によって示
されている。なお、これらの図において矢印Xは円弧状
被測定体としてのタイヤ26の軸方向右方を示し、矢印
Yはタイヤ26の半径方向上方を示す。
【0023】図1及び図2に示されるように、タイヤク
ラウン半径測定装置10は測定定盤12を備えている。
【0024】この測定定盤12は基準面としての上面1
2Aがタイヤ26の軸方向(図1及び図2の矢印X方
向)に対して平行となるように設置されており、シャフ
ト14を介して基盤(図示省略)に取り付けられてい
る。
【0025】また、測定定盤12の上面12A上には、
接触子としての一対のスライド接触子16、18が配置
されている。
【0026】これらのスライド接触子16、18は、同
一の直角三角形状に形成されており、各々の上端部16
A、18Aが測定定盤12の上面12Aの水平方向(す
なわち、タイヤ26の軸方向)中央部から等距離離間し
た位置に互いに対向した状態で配置されている。
【0027】また、これらのスライド接触子16、18
は、互いに連動して左右方向(図1及び図2の矢印
1 、X2 方向)へスライド移動可能とされており、例
えば、スライド接触子16がスライド接触子18から離
間する方向(図1及び図2の矢印X2 方向)へスライド
移動すると、スライド接触子18がスライド接触子16
に連動して、スライド接触子16の移動距離と等距離ス
ライド接触子16から離間する方向(図1及び図2の矢
印X1 方向)へスライド移動する構成である。
【0028】さらに、測定定盤12には、変位計として
のバネ式変位計30が設けられている。このバネ式変位
計30は可変接触子20を備えている。可変接触子20
は、測定定盤12の上面12Aの中央部(すなわち、ス
ライド接触子16とスライド接触子18との間の中央
部)に形成された孔32に摺動可能に挿入されており、
上方からの押圧力を受けて下方(図1及び図2の矢印Y
1 方向)へ移動可能とされている。また、可変接触子2
0の外側にはバネ22が配置されている。このバネ22
は上端部が可変接触子20の上端部(先端部)20Aの
下側に係止され、下端部が測定定盤12の上面12Aに
係止されている。可変接触子20はバネ22によって常
に上方(図1及び図2の矢印Y2 方向)へ向けて付勢さ
れており、バネ22の付勢力以外の力が作用しない状態
では、このバネ22の付勢力によって可変接触子20の
上端部20Aが常にスライド接触子16、18の上端部
16A、18Aと等しい高さに位置する。
【0029】さらに、図2に示されるように、バネ式変
位計30は高さ方向変位センサ33を備えている。高さ
方向変位センサ33は測定定盤12の内部に収容されて
おり、可変接触子20の高さ方向の変位量を検出する。
【0030】また、測定定盤12の内部には水平方向変
位センサ34、35と、演算手段としての演算回路36
が収容されている。
【0031】水平方向変位センサ34、35はスライド
接触子16、18に対応して設けられており、スライド
接触子16、18の水平方向(すなわち、図1及び図2
の矢印X1 、X2 方向)の移動距離(移動量)を検出す
る。
【0032】一方、演算回路36は高さ方向変位センサ
33及び水平方向変位センサ34、35からの信号を受
けて、これらの信号をデジタル信号に変換し、更にこれ
らのデジタル信号から後述する計算式に基づいてスライ
ド接触子16、可変接触子20、スライド接触子18の
各上端部16A、20A、18Aを結ぶ弧の曲率半径を
算出する。
【0033】また、図1に示されるように、測定定盤1
2の正面壁12Bには表示手段としてのデジタル表示部
24が設けられている。このデジタル表示部24は測定
定盤12の内部に収容された演算回路36に接続されて
おり、演算回路36からの信号を受けて算出された曲率
半径の数値をデジタル表示する。
【0034】次に本第1実施形態の作用について説明す
る。上記構成のタイヤクラウン半径測定装置10では、
図3に示されるように、先ず、タイヤ26のクラウン部
26A(外側表面)の軸方向中央部が可変接触子20の
上端部20Aと対向し、かつ、クラウン部26Aの軸方
向両端部の近傍がスライド接触子16、18と対向した
状態で、クラウン部26Aを可変接触子20及びスライ
ド接触子16、18に接近させて、クラウン部26Aと
可変接触子20の上端部20A及びスライド接触子1
6、18の各上端部16A、18Aとを接触させる。
【0035】ここで、この状態では、図1に示されるよ
うに、スライド接触子16、18が互いに接離する方向
へスライド移動可能とされているため、タイヤ26から
の押圧力によってスライド接触子16、18が互いに離
間する方向へ向けて等距離スライド移動される。
【0036】また、この状態では、タイヤ26のクラウ
ン部26Aがタイヤ26の種類毎に所定の曲率(すなわ
ち、クラウン半径)で外方へ向けて湾曲しているため、
タイヤ26のクラウン部26Aによって可変接触子20
が下方(図1乃至図3の矢印Y1 方向)へ向けて押圧さ
れ、これによって可変接触子20が下方へ向けて変位さ
れる。
【0037】次いで、タイヤ26のクラウン部26Aの
軸方向両端部からスライド接触子16、18が離脱しな
い程度の位置でタイヤ26を制止させる。
【0038】この状態では、スライド接触子16の上端
部16Aが初期位置Z1 の位置からZ2 の位置まで移動
すると共に、スライド接触子18の上端部18Aがスラ
イド接触子16に連動して等距離移動する。また、この
状態では、可変接触子20の上端部20Aが初期位置H
0 の位置からH1 の位置まで下降(変位)する。
【0039】さらに、この状態では、測定定盤12内の
水平方向変位センサ34、35によってスライド接触子
16、18のZ1 からZ2 の位置までの移動距離L2
検出されると共に、高さ方向変位センサ33によって可
変接触子20のH0 からH1の位置までの変位量Cが検
出される。
【0040】次いで、水平方向変位センサ34、35及
び高さ方向変位センサ33によって検出されたスライド
接触子16、18の移動距離L2 と可変接触子20の変
位量Cが演算回路36によってデジタル信号に変換さ
れ、更に、タイヤ26のクラウン部26Aの曲率半径、
すなわち、クラウン半径Rが算出される。
【0041】ここで、演算回路36においてクラウン半
径Rを算出する計算式について説明する。
【0042】タイヤ26のクラウン部26Aとスライド
接触子16、18及び可変接触子20の各上端部16
A、18A、20Aとが接触した状態でのスライド接触
子16とスライド接触子18の間の中央部Z0 からZ2
までの距離をLとすると、三平方の定理から、このL及
び可変接触子20の変位量Cとタイヤ26のクラウン半
径Rとの間には、R2 =L2 +(R−C)2 =L2 +R
2 −2RC+C2 の関係が成立する。したがって、この
式より、R=(L2 +C2 )/2Cが導き出される。こ
こで、Z1 はスライド接触子16、18の初期位置であ
るため、Z0 からZ1 までの距離をL1 は予め決められ
た定数とすることができ、Z1 からZ2 の位置までの移
動距離L2 を求めることにより、L=L1 +L2 からL
は容易に算出できる。
【0043】このように、スライド接触子16、18の
移動距離L2 と可変接触子20の変位量Cを求めること
により、クラウン半径Rは上記関係式から求めることが
でき、上記関係式に基づいてタイヤ26のクラウン半径
Rが演算回路36によって算出される。
【0044】さらに、演算回路36によって算出された
クラウン半径Rは、測定定盤12のデジタル表示部24
によってその数値がデジタル表示されて読み取りでき
る。
【0045】ここで、本タイヤクラウン半径測定装置1
0を用いて各種サイズのタイヤ26のクラウン半径を測
定した結果を以下の表1に示す。なお、表1において、
サイズは測定に使用したタイヤのサイズで、記載されて
いる記号はJIS−D4201「自動車用タイヤ・チュ
ーブ・リムバンド・フラップの呼び方」及びその附属書
1に沿っている。また、幅は図3に示されるクラウン部
26Aのクラウン幅で、クラウン部26Aの軸方向の直
線長さDのことである。また、測定値Aはタイヤクラウ
ン半径測定装置10を用いた場合の測定結果で、測定値
Bはゲージ80を用いた従来の測定方法で同一のタイヤ
26を測定した場合の測定結果である。さらに、差異は
測定値Aと測定値Bの差である。
【0046】
【表1】
【0047】この結果からわかるように、本タイヤクラ
ウン半径測定装置10では、ゲージ80を用いた従来の
測定方法と比較して、1mm単位で測定でき、その測定
結果と従来の測定方法による測定結果との相関は0.9
91であった。
【0048】また、本タイヤクラウン半径測定装置10
を用いてタイヤ26を数回測定した場合には全て同じ数
値を示し、測定結果の再現性も良好であった。
【0049】さらに、複数名の測定者によって同一のタ
イヤ26を測定した場合には、測定結果の数値が測定者
毎に変動することはなく、測定結果の個人差はなかっ
た。
【0050】また、同一のタイヤ26について測定箇所
を4か所とし、更に5種類のタイヤ26の空気圧で測定
した場合には、ゲージ80を用いた従来の測定方法で約
30分の測定時間を要したの対して、タイヤクラウン半
径測定装置10では約10分であった。
【0051】以上説明した如く、本タイヤクラウン半径
測定装置10では、タイヤ26のクラウン部26Aをス
ライド接触子16、18及び可変接触子20に接触させ
るだけで、タイヤ26のクラウン半径(曲率半径)を容
易に、しかも精度よく測定できる。
【0052】また、測定結果の個人差がなく、しかも、
測定結果はデジタル表示部24に表示されるため、常に
一定の測定結果を得ることができる。
【0053】さらに、タイヤ26のクラウン部26Aを
スライド接触子16、18及び可変接触子20に接触さ
せるだけで、即時測定結果を得ることができるため、従
来のゲージ80による測定方法と比較して測定時間を短
縮でき、測定効率及び作業性の向上を図ることができ
る。
【0054】また、スライド接触子16、18が可動式
であるため、様々なサイズのタイヤ26のクラウン半径
を一台の装置で測定できる。
【0055】さらに、測定終了後には可変接触子20が
バネ22の付勢力によって初期位置に戻されるため、複
数回の測定や複数本のタイヤ26の測定の場合等では、
連続的に測定でき、作業効率のより一層の向上を図るこ
とができる。
【0056】なお、本実施の形態では、スライド接触子
16、18が互いに接離する方向へスライド移動可能な
構成であったが、これに限るものではない。すなわち、
タイヤ26の種類毎に専用のタイヤクラウン半径測定装
置10を設置する場合等では、スライド接触子16、1
8を測定定盤12上の所定の位置に固定した構成の方が
よい場合もある。
【0057】次に本発明の第2実施形態について説明す
る。なお、前記第1実施形態と基本的に同一の部位につ
いては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0058】図4には、本発明の第2実施形態に係る曲
率半径測定装置としてのタイヤクラウン半径測定装置4
0の正面図が示されている。図4に示されるように、タ
イヤクラウン半径測定装置40では、ガイド手段を構成
する補助継手42及び補助継手44を備えている。
【0059】これらの補助継手42、44は、互いに対
向した正面視L字状の棒状の部材である。これらの補助
継手42、44の各々は、一方の端部(下端部)が、ス
ライド接触子16、18の互い相反する側の側面16
B、18Bに一体に固定されており、スライド接触子1
6、18と共に互いに接離する方向へ移動可能である。
【0060】さらに、これらの補助継手42、44の他
方の端部(上端部)には、補助継手42、44と共にガ
イド手段を構成するコロ46、48が回転可能に軸支さ
れている。
【0061】本タイヤクラウン半径測定装置40では、
タイヤ26を図4の紙面手前側から奥行き側へ移動させ
てタイヤ26を所定の位置にセットする。
【0062】ここで、タイヤ26を移動させる際には、
先ず、タイヤ26の軸方向両側面26B、26Cとコロ
46、48とが互いに接触する。この状態では、タイヤ
26の側面26B、26Cに接触したコロ46、48を
介してタイヤ26が補助継手42、44に保持され、更
に、タイヤ26の移動に伴ってコロ46、48が回転
し、これによってタイヤ26が所定の位置まで円滑に案
内される。
【0063】さらに、この状態では、タイヤ26の側面
26B、26Cによってコロ46、48が互いに離間す
る方向へ押圧され、側面26Bと側面26Cとの間の長
さに対応して補助継手42、44が互いに離間する方向
へ移動され、更に、これに伴ってスライド接触子16、
18が互いに離間する方向へスライド移動される。
【0064】次いで、タイヤ26が所定の位置に達した
状態では、スライド接触子16、18の上端部16A、
18Aがタイヤ26のクラウン部26Aの軸方向両端部
近傍に位置し、更に、スライド接触子16、18及び可
変接触子20の各上端部16A、18A、20Aがクラ
ウン部26Aと接触してタイヤ26のクラウン半径が測
定される。
【0065】このため、本タイヤクラウン半径測定装置
40では、前記第1実施形態に係るタイヤクラウン半径
測定装置10と同様の効果が得られるのみならず、クラ
ウン半径測定時にはスライド接触子16、18の上端部
16A、18Aがタイヤ26のクラウン部26Aの軸方
向両端部近傍に位置するため、複数のタイヤ26や異な
るサイズのタイヤ26を測定する場合でも常に同一の条
件で測定できる。
【0066】また、タイヤ26を移動させる場合には、
コロ46、48を介して補助継手42、44がタイヤ2
6を保持すると共に、コロ46、48が回転してタイヤ
26を円滑に案内するため、作業性の向上を図ることが
できる。
【0067】なお、本第2実施形態では、ガイド手段と
して補助継手42、44及びコロ46、48を適用した
構成であったが、ガイド手段の構成はこれに限るもので
はない。例えば、コロ46、48に代えて外側へ張り出
した曲面が互いに対向するように配置された橇状の案内
部材を補助継手42、44の上端部に設けた構成として
もよく、また、小型のローラコンベアやベルトコンベア
等を補助継手42、44或いはスライド接触子16、1
8に設けた構成としてもよい。
【0068】また、上記の各実施形態では、測定結果を
単にデジタル表示部24に表示するだけの構成であった
が、例えば、図5に示されるタイヤクラウン半径測定装
置60の如く、演算回路36によって算出した算出結果
(クラウン半径)を記憶する記憶手段としての記憶素子
62を設けると共に、記憶素子62から個々の算出結果
を取り出して、平均値、標準偏差、分散等の様々な統計
計算を行う統計計算手段としての統計計算回路64を設
け、更に必要に応じて演算回路36によって算出した算
出結果(クラウン半径)及び統計計算回路64によって
算出した統計結果を印字して出力するプリンタ66を設
けた構成としてもよい。この場合では、タイヤ26のク
ラウン半径に関する諸々の統計結果を得ることができる
ため、統計的手法に則った工程管理が容易にでき、製品
品質の向上を図ることができる。しかも、測定者が測定
結果等を転記する必要がなく、より作業性を向上でき
る。
【0069】さらに、上述した各タイヤクラウン半径測
定装置10、40、60にタイヤ26のクラウン半径が
製品規格に適合しているか否かを判定し、タイヤ26が
製品規格に適合していない場合には、警報等を発して外
部(測定者)へ知らせる判定手段を設けた構成としても
よい。この場合では、製品規格外のタイヤ26の流出を
防止でき、しかも、タイヤクラウン半径測定工程の自動
化を容易に図ることができる。
【0070】また、上記各実施の形態では、本発明に係
る曲率半径測定装置をタイヤ26のクラウン半径を測定
するためのタイヤクラウン半径測定装置10、40、6
0として説明したが、タイヤクラウン半径測定装置1
0、40、60と同様の構成の装置でタイヤ26以外の
円弧状被測定体の曲率半径を測定してもよい。この場合
であっても、上述した効果を損なうことがない。
【0071】
【発明の効果】以上説明した如く、請求項1記載の曲率
半径測定装置では、円弧状被測定体の外側表面と一対の
接触子の各上端部及び可変接触子の先端部との接触状態
における各接触子の上端部間の中間部と各上端部までの
距離と可変接触子の変位量とから円弧状被測定体の外側
表面の曲率半径を算出する構成としたため、円弧状被測
定体の外側表面の曲率半径を容易に、しかも精度よく測
定できる。また、円弧状被測定体の外側表面を各接触子
及び可変接触子に接触させるだけ測定が可能であるため
測定結果の個人差がなく、しかも、測定結果は表示手段
によって表示されるため、常に一定の測定結果を得るこ
とができる。さらに、円弧状被測定体の外側表面を各接
触子及び可変接触子に接触させるだけ即時測定結果を得
ることができるため、測定時間を短縮でき、測定効率及
び作業性の向上を図ることができるという優れた効果を
有する。
【0072】請求項2記載の曲率半径測定装置では、請
求項1記載の曲率半径測定装置において、一対の接触子
が互いに接離する方向へ移動可能とされており、更に各
接触子の移動量を検出可能としているため、円弧状被測
定体の外側表面の曲率の大小に拘わらず、適切に曲率半
径を測定できるという優れた効果を有する。
【0073】請求項3記載の曲率半径測定装置では、請
求項1又は請求項2記載の曲率半径測定装置において、
円弧状被測定体がガイド手段によって保持された状態で
ガイド手段に案内されて移動するため、円弧状被測定体
を円滑に所定の位置に移動でき、作業効率を向上できる
という優れた効果を有する。
【0074】請求項4記載の曲率半径測定装置では、請
求項1、請求項2又は請求項3記載の曲率半径測定装置
において、記憶手段が曲率半径の算出結果を記憶すると
共に、記憶した算出結果を統計計算手段が取り込んで統
計計算し、更にプリンタがこれらの算出結果及び統計計
算結果を印字して外部へ出力するため、統計的手法に則
った工程管理が容易となり、安定した製品品質を得るこ
とができる。また、これらの結果の転記等を行う必要が
なく、作業効率の向上を図ることができ、しかも、これ
らの結果の読み違い等を防止できるという優れた効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る曲率半径測定装置
の正面図で、タイヤのクラウン半径測定時の状態を示す
正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る曲率半径測定装置
の内部構造を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る曲率半径測定装置
の初期状態を示す正面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る曲率半径測定装置
の正面図で、タイヤのクラウン半径測定時の状態を示す
正面図である。
【図5】本発明の第1及び第2実施形態に係る曲率半径
測定装置の変形例の内部構造を示す断面図である。
【図6】ゲージを用いた従来のタイヤのクラウン半径の
測定方法を示す図である。
【符号の説明】
10 タイヤクラウン半径測定装置(曲率半径測定
装置) 12A 上面(基準面) 16 スライド接触子(接触子) 16A 上端部 18 スライド接触子(接触子) 18A 上端部 20 可変接触子 20A 上端部(先端部) 24 デジタル表示部(表示手段) 26 タイヤ(円弧状被測定体) 26A クラウン部(外側表面) 30 バネ式変位計(変位計) 40 タイヤクラウン半径測定装置(曲率半径測定
装置) 42 補助継手(ガイド手段) 44 補助継手(ガイド手段) 46 コロ(ガイド手段) 48 コロ(ガイド手段) 60 タイヤクラウン半径測定装置(曲率半径測定
装置) 62 記憶素子(記憶手段) 64 統計計算回路(統計計算手段) 66 プリンタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々の上端部が基準面から互いに等しい
    高さに位置した状態で前記基準面上に互いに対向配置さ
    れ、円弧状被測定体の外側表面の曲率半径を測定する場
    合には前記各上端部が前記外側表面と接触する一対の接
    触子と、 前記一対の接触子の間の中央に配置されると共に、初期
    状態では先端部が前記各接触子の上端部と対向し、前記
    円弧状被測定体の外側表面と前記接触子との接触状態で
    は前記外側表面の曲率に応じて前記円弧状被測定体に押
    圧されて前記基準面方向へ変位する可変接触子を有し、
    前記可変接触子の前記基準面方向の変位量を測定する変
    位計と、 前記接触状態での前記各接触子の上端部間の中央部から
    前記各上端部までの距離をL、前記変位計によって測定
    した前記可変接触子の変位量をC、前記円弧状被測定体
    の外側表面の曲率半径をRとしたときに、R=(L2
    2 )/2Cの計算式に基づいて前記曲率半径を算出す
    る演算手段と、 前記演算手段によって算出された前記曲率半径の数値を
    表示する表示手段と、 を備える曲率半径測定装置。
  2. 【請求項2】 前記一対の接触子は前記中央部を中心に
    互いに接離移動可能に設けられ、前記接触状態では前記
    円弧状被測定体に押圧されて互いに離間する方向へ移動
    すると共に、前記接触状態での前記接触子の移動量を検
    出可能としたことを特徴とする請求項1記載の曲率半径
    測定装置。
  3. 【請求項3】 前記一対の接触子の少なくとも一方に設
    けられ、前記円弧状被測定体の外側表面と前記一対の接
    触子との接触状態では前記外側表面に接触して前記円弧
    状被測定体を保持すると共に前記円弧状被測定体を案内
    するガイド手段を備えることを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載の曲率半径測定装置。
  4. 【請求項4】 前記演算手段によって算出した曲率半径
    の算出結果を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段が記憶した前記算出結果を取り込んで統計
    計算する統計計算手段と、 前記算出結果及び前記統計計算手段によって算出された
    計算結果を印字して外部へ出力するプリンタと、 を備えることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求
    項3記載の曲率半径測定装置。
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