JP2000140663A - ローラミル - Google Patents
ローラミルInfo
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- JP2000140663A JP2000140663A JP10317532A JP31753298A JP2000140663A JP 2000140663 A JP2000140663 A JP 2000140663A JP 10317532 A JP10317532 A JP 10317532A JP 31753298 A JP31753298 A JP 31753298A JP 2000140663 A JP2000140663 A JP 2000140663A
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- water
- roller
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 固体燃料又は固体原料を粉砕するローラミル
において、粉砕ローラの振動を抑制するための、水噴霧
またはエアーブローの工夫された構造。 【解決手段】 複数の粉砕ローラ5と、粉砕ローラに対
向する粉砕レース19を円周方向に設けた回転テーブル
3と、を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕し、被粉砕
物の乾燥及び搬送に熱風6を用いるローラミルであっ
て、熱風の供給流路に水供給系路32と水噴霧用ノズル
38を設けて熱風中に噴霧状17に散水すること。熱風
を回転テーブルの外周近傍に設けられたスロートベーン
9を通して回転テーブル外周から吹き上がらせ、スロー
トベーンの間隙部に水噴霧用ノズル38を設けること。
また、ローラミルの運転条件、前記粉層の盛り上がり状
態、又は粉層の性状、にそれぞれ対応して、粉層へのエ
アブロー装置のノズルの出口端と粉砕レース面との間の
距離を可変にすること。
において、粉砕ローラの振動を抑制するための、水噴霧
またはエアーブローの工夫された構造。 【解決手段】 複数の粉砕ローラ5と、粉砕ローラに対
向する粉砕レース19を円周方向に設けた回転テーブル
3と、を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕し、被粉砕
物の乾燥及び搬送に熱風6を用いるローラミルであっ
て、熱風の供給流路に水供給系路32と水噴霧用ノズル
38を設けて熱風中に噴霧状17に散水すること。熱風
を回転テーブルの外周近傍に設けられたスロートベーン
9を通して回転テーブル外周から吹き上がらせ、スロー
トベーンの間隙部に水噴霧用ノズル38を設けること。
また、ローラミルの運転条件、前記粉層の盛り上がり状
態、又は粉層の性状、にそれぞれ対応して、粉層へのエ
アブロー装置のノズルの出口端と粉砕レース面との間の
距離を可変にすること。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭等の固体燃料
や他の固体燃料を微粉砕するローラミルに係わり、特
に、水噴射により搬送用熱風の状態を制御してローラミ
ルを安定に運転するための技術、振動を防止するために
ローラミル粉砕部の粉層に注水する技術、数多くの種類
の石炭種使用に対応して自励振動の発生を抑制するため
のローラミル粉砕部へのエアブロー技術、に関するもの
である。
や他の固体燃料を微粉砕するローラミルに係わり、特
に、水噴射により搬送用熱風の状態を制御してローラミ
ルを安定に運転するための技術、振動を防止するために
ローラミル粉砕部の粉層に注水する技術、数多くの種類
の石炭種使用に対応して自励振動の発生を抑制するため
のローラミル粉砕部へのエアブロー技術、に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】石炭焚ボイラでは、低公害燃焼(低NO
x、低灰中未燃分)や広域負荷運用が行われ、それにと
もない微粉炭機(ミル)も高い粉砕性能や信頼性が要求
されている。
x、低灰中未燃分)や広域負荷運用が行われ、それにと
もない微粉炭機(ミル)も高い粉砕性能や信頼性が要求
されている。
【0003】石炭、セメント原料あるいは新素材原料な
どの塊状物を細かく粉砕するミルのひとつのタイプとし
て、最近では、回転するテーブルと複数個のタイヤ型ロ
ーラで粉砕を行う竪型のローラミルが広く用いられてお
り、特に日本国内では、代表機種としての地位を固めて
いる。
どの塊状物を細かく粉砕するミルのひとつのタイプとし
て、最近では、回転するテーブルと複数個のタイヤ型ロ
ーラで粉砕を行う竪型のローラミルが広く用いられてお
り、特に日本国内では、代表機種としての地位を固めて
いる。
【0004】ここでは、図33に示すように、ローラミ
ルの一般的な構成を述べる。この種のミルは、円筒型を
したハウジング7の下部にあってモータで駆動され減速
機を介して低速で回転する略円台状の回転テーブル3
と、その回転テーブル3の外周部の上面において円周方
向へ等分する位置へ油圧あるいはスプリング等で荷重を
付与されて回転する複数個の粉砕ローラ5を備えてい
る。
ルの一般的な構成を述べる。この種のミルは、円筒型を
したハウジング7の下部にあってモータで駆動され減速
機を介して低速で回転する略円台状の回転テーブル3
と、その回転テーブル3の外周部の上面において円周方
向へ等分する位置へ油圧あるいはスプリング等で荷重を
付与されて回転する複数個の粉砕ローラ5を備えてい
る。
【0005】原料供給管(センターシュート)2より、
回転テーブル3の中央へ供給された原料は、回転テーブ
ル3上において遠心力によりうず巻状の軌跡を描いて回
転テーブル3の外周へ移動し、回転テーブルの粉砕レー
スと粉砕ローラ5の間にかみ込まれて粉砕される。ハウ
ジング7の下部には、ダクトを通して熱風(1次空気)
6が導かれており、この熱風(1次空気)6が回転テー
ブル3とハウジング7の間にあるエアスロートのスロー
トベーン9の間を通して吹き上っている。
回転テーブル3の中央へ供給された原料は、回転テーブ
ル3上において遠心力によりうず巻状の軌跡を描いて回
転テーブル3の外周へ移動し、回転テーブルの粉砕レー
スと粉砕ローラ5の間にかみ込まれて粉砕される。ハウ
ジング7の下部には、ダクトを通して熱風(1次空気)
6が導かれており、この熱風(1次空気)6が回転テー
ブル3とハウジング7の間にあるエアスロートのスロー
トベーン9の間を通して吹き上っている。
【0006】粉砕後の微粒体は、エアスロートから吹き
上る熱風(1次空気)6によって、ハウジング7内を上
昇しながら乾燥される。ハウジング7の上方へ輸送され
た粉粒体は、粗いものから重力により落下し(1次分
級)、粉砕部で再粉砕される。この1次分級部を貫通し
たやや細かな粉粒体は、ハウジング7の上部に設けた固
定式分級機(サイクロンセパレータ)あるいは回転式分
級機(ロータリーセパレータ)8でさらに分級される。
所定の粒径より小さな微粉は、気流により搬送され、ボ
イラでは微粉炭バーナへと送られる。分級機を貫通しな
かった所定粒径以上の粗粉は、回転テーブル3の上へ動
力により落下し、ミル内へ供給されたばかりの原料とと
もに再度粉砕される。このようにして、ミル内では粉砕
と分級が繰り返され、製品微粉が作り出されていく。
上る熱風(1次空気)6によって、ハウジング7内を上
昇しながら乾燥される。ハウジング7の上方へ輸送され
た粉粒体は、粗いものから重力により落下し(1次分
級)、粉砕部で再粉砕される。この1次分級部を貫通し
たやや細かな粉粒体は、ハウジング7の上部に設けた固
定式分級機(サイクロンセパレータ)あるいは回転式分
級機(ロータリーセパレータ)8でさらに分級される。
所定の粒径より小さな微粉は、気流により搬送され、ボ
イラでは微粉炭バーナへと送られる。分級機を貫通しな
かった所定粒径以上の粗粉は、回転テーブル3の上へ動
力により落下し、ミル内へ供給されたばかりの原料とと
もに再度粉砕される。このようにして、ミル内では粉砕
と分級が繰り返され、製品微粉が作り出されていく。
【0007】ローラミルを低負荷で運用する場合や、負
荷減少あるいは停止操作をする際に問題となるのはミル
の振動である。この振動現象は、炭層とローラのすべり
に起因する一種の摩擦振動であり、振動のタイプとして
は自励振動である。ふつうの石炭では、低負荷運用時
(ミル内において石炭ホールドアップの少ない条件)に
この振動が激しくなることが多いが、石炭種によっては
かなりの高負荷時にも発生することがある。一方、図4
0に示すように、ミル停止過程では、負荷減少の過程に
おいても、また、給炭機停止後においても激しい自励振
動が発生し易い。
荷減少あるいは停止操作をする際に問題となるのはミル
の振動である。この振動現象は、炭層とローラのすべり
に起因する一種の摩擦振動であり、振動のタイプとして
は自励振動である。ふつうの石炭では、低負荷運用時
(ミル内において石炭ホールドアップの少ない条件)に
この振動が激しくなることが多いが、石炭種によっては
かなりの高負荷時にも発生することがある。一方、図4
0に示すように、ミル停止過程では、負荷減少の過程に
おいても、また、給炭機停止後においても激しい自励振
動が発生し易い。
【0008】また、石炭種によってはかなりの高負荷時
にも発生することがある。ローラミルの粉砕部における
状態が自励振動を起こす条件に近いとき、粉砕レース下
の圧縮粉層の粒度は細かく、また圧縮粉層は薄い。この
ような状態になると、粉砕ローラのかみ込み部に盛り上
るようにたまる原料の粉層が生じる。この盛り上り粉層
は空隙率が高いために脆弱であり、粉砕ローラが横ずれ
するように外側へ滑ったりするために、粉砕ローラの軌
道がなかなか安定しない。粉砕ローラ1が外側へ滑るの
がきっかけとなり、上下方向への自励振動へと発達す
る。
にも発生することがある。ローラミルの粉砕部における
状態が自励振動を起こす条件に近いとき、粉砕レース下
の圧縮粉層の粒度は細かく、また圧縮粉層は薄い。この
ような状態になると、粉砕ローラのかみ込み部に盛り上
るようにたまる原料の粉層が生じる。この盛り上り粉層
は空隙率が高いために脆弱であり、粉砕ローラが横ずれ
するように外側へ滑ったりするために、粉砕ローラの軌
道がなかなか安定しない。粉砕ローラ1が外側へ滑るの
がきっかけとなり、上下方向への自励振動へと発達す
る。
【0009】そして、粉砕ローラ5が激しく自励振動す
る場合には、図34に示すように、粉砕ローラ5が外側
へずれるように横すべりする(α)。このとき、回転テ
ーブル3の回転方向の動きに関して、粉砕ローラ5と粉
砕レース19の接触点が、正常な位置からは、回転テー
ブル3の回転方向に対して逆らうように上流側へずれる
ような問題が生じる。このような状態になると、粉砕ロ
ーラ5は3個ともほぼ同時に、あるいはひとつの粉砕ロ
ーラ5の横すべり(図34の(α))がきっかけとな
り、順次他の2つの粉砕ローラが追従するように大きな
加速度で外側へ横ずれし、次いで図35のように上下振
動する。
る場合には、図34に示すように、粉砕ローラ5が外側
へずれるように横すべりする(α)。このとき、回転テ
ーブル3の回転方向の動きに関して、粉砕ローラ5と粉
砕レース19の接触点が、正常な位置からは、回転テー
ブル3の回転方向に対して逆らうように上流側へずれる
ような問題が生じる。このような状態になると、粉砕ロ
ーラ5は3個ともほぼ同時に、あるいはひとつの粉砕ロ
ーラ5の横すべり(図34の(α))がきっかけとな
り、順次他の2つの粉砕ローラが追従するように大きな
加速度で外側へ横ずれし、次いで図35のように上下振
動する。
【0010】このような自励振動の防止策に、粉砕部に
対する注水(散水)と、一次空気(熱風)の温度を下げ
る方法がある。また、微粉を取り除いて自励振動を防止
するための他の方法として、空気噴流を吹きつける方法
(エアブロー法)があり、多くの先行技術が提案されて
いる。空気噴流を吹きつける方法は、ローラミルの異常
振動の防止のみならず、ミル停止時における残炭パージ
にも生かされる。このエアブローに関する先行技術の例
としては、特公昭58−57976号公報、実開昭60
−79548号公報、特公平6−73636号公報、特
公平6−85880号公報、実開昭63−149242
号公報、実開平05−60532号公報、実開平05−
95651号公報、特開平06−246179号公報、
等が挙げられる。
対する注水(散水)と、一次空気(熱風)の温度を下げ
る方法がある。また、微粉を取り除いて自励振動を防止
するための他の方法として、空気噴流を吹きつける方法
(エアブロー法)があり、多くの先行技術が提案されて
いる。空気噴流を吹きつける方法は、ローラミルの異常
振動の防止のみならず、ミル停止時における残炭パージ
にも生かされる。このエアブローに関する先行技術の例
としては、特公昭58−57976号公報、実開昭60
−79548号公報、特公平6−73636号公報、特
公平6−85880号公報、実開昭63−149242
号公報、実開平05−60532号公報、実開平05−
95651号公報、特開平06−246179号公報、
等が挙げられる。
【0011】ローラミルの自励振動は、低負荷一定の運
用条件下のみならずミルの停止過程に発生しやすい。ま
ず、減負荷過程で自励振動が発生し、次いで、給炭機停
止後に自励振動が起こる。この給炭機停止後に生じる自
励振動の後には、粉砕レース上の粉層が少なくなるので
強制振動が発生する。この強制振動は、振幅レベルが急
増するような自己増幅的な性質は無いものの、振幅はや
はり高い、という問題がある。上記したローラミルの停
止過程における振動はいずれもエアブロー法により軽減
が可能である。
用条件下のみならずミルの停止過程に発生しやすい。ま
ず、減負荷過程で自励振動が発生し、次いで、給炭機停
止後に自励振動が起こる。この給炭機停止後に生じる自
励振動の後には、粉砕レース上の粉層が少なくなるので
強制振動が発生する。この強制振動は、振幅レベルが急
増するような自己増幅的な性質は無いものの、振幅はや
はり高い、という問題がある。上記したローラミルの停
止過程における振動はいずれもエアブロー法により軽減
が可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】回転テーブルの外周か
ら吹き込む一次空気(熱風)の温度は、ダクトに設けた
ダンパの開・閉により、冷空気と混じり合って決まる
が、設定温度に達するまでの応答が遅い。すなわち、温
度設定後に所定の温度に達するまで時間を要する。これ
は、ダンパの開閉速度やダクトの熱容量等に起因する。
設定前・後の温度差が大きいほど、長い時間を費やすこ
とになる。ミルが自励振動しているとき、このような従
来式の方法により温度を下げようとしても、即効性が無
いために自励振動が消滅するまでに時間がかかる。
ら吹き込む一次空気(熱風)の温度は、ダクトに設けた
ダンパの開・閉により、冷空気と混じり合って決まる
が、設定温度に達するまでの応答が遅い。すなわち、温
度設定後に所定の温度に達するまで時間を要する。これ
は、ダンパの開閉速度やダクトの熱容量等に起因する。
設定前・後の温度差が大きいほど、長い時間を費やすこ
とになる。ミルが自励振動しているとき、このような従
来式の方法により温度を下げようとしても、即効性が無
いために自励振動が消滅するまでに時間がかかる。
【0013】また、回転テーブル上の粉層の上方から散
水する従来技術では、粉層の上方部が湿るものの、粉層
全体に水分が浸透し、十分に混合するまでに時間を要す
る。したがって、自励振動時に注水を行っても、注水開
始から自励振動が消滅するまでの応答性は必ずしも良く
ない。また、回転テーブル上の粉層では、上方に粗い粒
子があり、底部すなわち粉砕レース面に近い部位には細
かな粒子が沈んでいる。これは、粗い粒子群の間を微粉
がすり抜けて沈下するためである。粉砕ローラにすべり
を起こさせ自励振動発生のきっかけになるのは、底層部
の微粉であるにもかかわらず、粉層の上部のみの水で濡
れたのでは、注水された水が有効に作用することにはな
らない。これが、従来技術において、注水開始から振動
消滅までの応答性が劣る原因である。
水する従来技術では、粉層の上方部が湿るものの、粉層
全体に水分が浸透し、十分に混合するまでに時間を要す
る。したがって、自励振動時に注水を行っても、注水開
始から自励振動が消滅するまでの応答性は必ずしも良く
ない。また、回転テーブル上の粉層では、上方に粗い粒
子があり、底部すなわち粉砕レース面に近い部位には細
かな粒子が沈んでいる。これは、粗い粒子群の間を微粉
がすり抜けて沈下するためである。粉砕ローラにすべり
を起こさせ自励振動発生のきっかけになるのは、底層部
の微粉であるにもかかわらず、粉層の上部のみの水で濡
れたのでは、注水された水が有効に作用することにはな
らない。これが、従来技術において、注水開始から振動
消滅までの応答性が劣る原因である。
【0014】一方、注水による手段のひとつには、図3
6に示すような先行技術の一例(特公平6−85881
号公報)がある。この従来技術によると、回転テーブル
14上の粉砕部に水を噴射する方法がある。また、図3
7は給炭機(コールフィーダ)35における水噴霧34
を示すものである。図38は原料供給管(センターシュ
ート)2に水噴霧34する技術を描いたものである。図
39に示すように、水だけではなく、二流体噴霧(水滴
と気流の混合噴流)する技術もある。
6に示すような先行技術の一例(特公平6−85881
号公報)がある。この従来技術によると、回転テーブル
14上の粉砕部に水を噴射する方法がある。また、図3
7は給炭機(コールフィーダ)35における水噴霧34
を示すものである。図38は原料供給管(センターシュ
ート)2に水噴霧34する技術を描いたものである。図
39に示すように、水だけではなく、二流体噴霧(水滴
と気流の混合噴流)する技術もある。
【0015】ここにおいて、図36の従来技術では、セ
ンサ17で検知した振動レベルに応じてバルブ16の開
度を調整し、水供給量を変化させることにしている。し
かしながら、この技術における問題はノズル21の先端
の位置にある。このノズル位置であれば、ノズル21か
ら噴出する水は炭層(本図では炭層を省略した)の上部
に降り注ぐか、あるいは高負荷運用時のようにミル内石
炭ホールドアップの多い時にはノズル21の開口先端が
炭層の上部に接触したり埋もれる状態となる。
ンサ17で検知した振動レベルに応じてバルブ16の開
度を調整し、水供給量を変化させることにしている。し
かしながら、この技術における問題はノズル21の先端
の位置にある。このノズル位置であれば、ノズル21か
ら噴出する水は炭層(本図では炭層を省略した)の上部
に降り注ぐか、あるいは高負荷運用時のようにミル内石
炭ホールドアップの多い時にはノズル21の開口先端が
炭層の上部に接触したり埋もれる状態となる。
【0016】仮に、水が炭層の上表面に注がれれば、濡
れた上部の炭層は粉砕ローラ13に直接かみ込まれず、
かみ込まれるまでに時間を要し、供給された水が効率良
く使用されない。一方、ノズル21の先端が炭層に接触
したり炭層に埋もれたりすれば、ノズル21が閉塞する
という問題が生じる。ノズル21が閉塞していれば、振
動発生時に注水による機能を発揮できず、自励振動の増
幅をゆるしてしまう。
れた上部の炭層は粉砕ローラ13に直接かみ込まれず、
かみ込まれるまでに時間を要し、供給された水が効率良
く使用されない。一方、ノズル21の先端が炭層に接触
したり炭層に埋もれたりすれば、ノズル21が閉塞する
という問題が生じる。ノズル21が閉塞していれば、振
動発生時に注水による機能を発揮できず、自励振動の増
幅をゆるしてしまう。
【0017】以上説明した従来技術における注水法は、
給炭機停止後には適用することができない。前述したよ
うに、図40に示したように、給炭機停止後にも激しい
自励振動が発生する。給炭機停止後に注水を行えば、回
転テーブル上の残炭が過度に湿り、回転テーブルによる
遠心力や空気流によっても流れにくくなり、完全に除去
できないまま、残炭として停止したミル内に放置され
る。ミル停止中に放置されたこの残炭は乾燥するが、次
のミル起動時には、ミル内に熱風が吹き込まれるため発
火や、時には爆発を起こす危険がある。
給炭機停止後には適用することができない。前述したよ
うに、図40に示したように、給炭機停止後にも激しい
自励振動が発生する。給炭機停止後に注水を行えば、回
転テーブル上の残炭が過度に湿り、回転テーブルによる
遠心力や空気流によっても流れにくくなり、完全に除去
できないまま、残炭として停止したミル内に放置され
る。ミル停止中に放置されたこの残炭は乾燥するが、次
のミル起動時には、ミル内に熱風が吹き込まれるため発
火や、時には爆発を起こす危険がある。
【0018】また、エアブローは、粉砕ローラのかみ込
み部に盛り上り、自励振動発生のきっかけとなる微粉層
に空気噴流を吹きつけ、微粉層を除去し、自励振動を抑
制しようとするものである。この盛り上る粉層はいつも
同じではなく、ミルの運用条件によって変化する。一
方、ミルの運用条件が同じであっても、この盛り上り粉
層の挙動は、使用する石炭種によっても異なる。例え
ば、粉砕性の劣る石炭を使用した時の盛り上り層は、石
炭粒子が粗く、また盛り上りかたも大きくなる。
み部に盛り上り、自励振動発生のきっかけとなる微粉層
に空気噴流を吹きつけ、微粉層を除去し、自励振動を抑
制しようとするものである。この盛り上る粉層はいつも
同じではなく、ミルの運用条件によって変化する。一
方、ミルの運用条件が同じであっても、この盛り上り粉
層の挙動は、使用する石炭種によっても異なる。例え
ば、粉砕性の劣る石炭を使用した時の盛り上り層は、石
炭粒子が粗く、また盛り上りかたも大きくなる。
【0019】このような盛り上り層に空気噴流を吹きつ
けても、石炭種の影響を受けて盛り上りの状態が異なる
ため、振動抑制の効果が全く異なってくる場合がある。
水分の多い石炭では、空気噴流が作用した場合、その盛
り上り層は、水分の少ない石炭で乾燥した盛り上り層の
場合に比べると流動しにくい。また、盛り上り層の粒度
分布によっても、同じエアブローで、うまく流動して除
去されたり、あるいは流動しにくかったりする。さら
に、粒子の比重が大きな石炭種の場合は、同じ空気噴流
が衝突したとしても、粒子は飛散しにくい。
けても、石炭種の影響を受けて盛り上りの状態が異なる
ため、振動抑制の効果が全く異なってくる場合がある。
水分の多い石炭では、空気噴流が作用した場合、その盛
り上り層は、水分の少ない石炭で乾燥した盛り上り層の
場合に比べると流動しにくい。また、盛り上り層の粒度
分布によっても、同じエアブローで、うまく流動して除
去されたり、あるいは流動しにくかったりする。さら
に、粒子の比重が大きな石炭種の場合は、同じ空気噴流
が衝突したとしても、粒子は飛散しにくい。
【0020】空気噴流の力による盛り上り層の流動状態
は、粉砕性・水分・粒子の密度のような物性や、盛り上
り粉層の粒度分布(これにも石炭の物性が係わる)の影
響を強く受ける。したがって、空気噴流やノズル−粉層
間のスタンドオフ距離などが同じ条件でエアブローして
も、石炭種によっては、自励振動抑制に効果的な場合
と、そうでない場合、又は自励振動が増幅して逆効果に
なる場合すらある。
は、粉砕性・水分・粒子の密度のような物性や、盛り上
り粉層の粒度分布(これにも石炭の物性が係わる)の影
響を強く受ける。したがって、空気噴流やノズル−粉層
間のスタンドオフ距離などが同じ条件でエアブローして
も、石炭種によっては、自励振動抑制に効果的な場合
と、そうでない場合、又は自励振動が増幅して逆効果に
なる場合すらある。
【0021】本発明の目的は、上記した問題を解決し、
振動消滅に関して速効性があり、しかも使用した水を有
効に使用できる新しい注水装置を提供することにある。
振動消滅に関して速効性があり、しかも使用した水を有
効に使用できる新しい注水装置を提供することにある。
【0022】本発明の他の目的は、上記した問題を解決
するべく、性状の異なる数多くの石炭を使用しても、確
実に自励振動を抑制できるエアブロー装置を提供するこ
とにある。
するべく、性状の異なる数多くの石炭を使用しても、確
実に自励振動を抑制できるエアブロー装置を提供するこ
とにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0024】複数の粉砕ローラと、前記粉砕ローラに対
向する粉砕レースを円周方向に設けた回転テーブルと、
を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕し、被粉砕物の乾
燥及び搬送に熱風を用いるローラミルであって、前記熱
風の供給流路に水供給系路と水噴霧用ノズルを設け、前
記熱風中に噴霧状に散水するローラミル。
向する粉砕レースを円周方向に設けた回転テーブルと、
を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕し、被粉砕物の乾
燥及び搬送に熱風を用いるローラミルであって、前記熱
風の供給流路に水供給系路と水噴霧用ノズルを設け、前
記熱風中に噴霧状に散水するローラミル。
【0025】また、複数の粉砕ローラと、前記粉砕ロー
ラに対向する粉砕レースを円周方向に設けた回転テーブ
ルと、を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕するローラ
ミルであって、下端を開口させた筒状又は円錐状又は箱
状の空洞体を、その下端を前記粉砕レースの間で隙間を
設けて、前記粉砕ローラのかみ込み部に設置し、前記空
洞体の上部にノズルを設けて下方へ水を噴霧し、前記空
洞体の下方を通過する前記固体燃料又は固体原料の粉層
を湿らせるローラミル。
ラに対向する粉砕レースを円周方向に設けた回転テーブ
ルと、を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕するローラ
ミルであって、下端を開口させた筒状又は円錐状又は箱
状の空洞体を、その下端を前記粉砕レースの間で隙間を
設けて、前記粉砕ローラのかみ込み部に設置し、前記空
洞体の上部にノズルを設けて下方へ水を噴霧し、前記空
洞体の下方を通過する前記固体燃料又は固体原料の粉層
を湿らせるローラミル。
【0026】また、複数の粉砕ローラと、前記粉砕ロー
ラに対向する粉砕レースを円周方向に設けた回転テーブ
ルと、を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕するローラ
ミルであって、前記回転テーブル上の前記粉砕ローラの
かみ込み側における前記固体燃料又は固体原料の粉層に
対して空気噴流を吹き付けるエアブロー装置を備え、前
記固体燃料又は固体原料の供給量を含むローラミルの運
転条件、前記粉層の盛り上がり状態、又は前記粉層の粉
砕性を含む粉層性状、にそれぞれ対応して、前記エアブ
ロー装置のノズルの出口端と前記粉砕レース面との間の
距離を可変にするローラミル。
ラに対向する粉砕レースを円周方向に設けた回転テーブ
ルと、を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕するローラ
ミルであって、前記回転テーブル上の前記粉砕ローラの
かみ込み側における前記固体燃料又は固体原料の粉層に
対して空気噴流を吹き付けるエアブロー装置を備え、前
記固体燃料又は固体原料の供給量を含むローラミルの運
転条件、前記粉層の盛り上がり状態、又は前記粉層の粉
砕性を含む粉層性状、にそれぞれ対応して、前記エアブ
ロー装置のノズルの出口端と前記粉砕レース面との間の
距離を可変にするローラミル。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係るローラミ
ルの粉砕装置について、図面を用いて以下説明する。図
1〜図3に、本発明の第1の実施形態に係る水噴射装置
を搭載したローラミルの構造を示す。本発明の第1の実
施形態の特徴は、具体的な水噴射構造にあるのでこれを
中心に述べる。ローラミルとしての他の機能は、図33
に示した従来技術の内容とほぼ同様である。図1はロー
ラミルの縦方向断面図であり、図2は一次空気に水を噴
射する具体的構造を示し、図3は水噴射の他の具体的構
造を示す図である。
ルの粉砕装置について、図面を用いて以下説明する。図
1〜図3に、本発明の第1の実施形態に係る水噴射装置
を搭載したローラミルの構造を示す。本発明の第1の実
施形態の特徴は、具体的な水噴射構造にあるのでこれを
中心に述べる。ローラミルとしての他の機能は、図33
に示した従来技術の内容とほぼ同様である。図1はロー
ラミルの縦方向断面図であり、図2は一次空気に水を噴
射する具体的構造を示し、図3は水噴射の他の具体的構
造を示す図である。
【0028】図1及び図2に示す構成例は、回転テーブ
ル3の外周で熱風(一次空気)6を吹き込むスロートベ
ーン9の間にノズル38を設け、このノズル38から水
11を噴霧流17として吹き込むものである。図1に示
すように、水11は、注水ヘッダ32を水供給管とし
て、スロートベーン9の下部に供給される。
ル3の外周で熱風(一次空気)6を吹き込むスロートベ
ーン9の間にノズル38を設け、このノズル38から水
11を噴霧流17として吹き込むものである。図1に示
すように、水11は、注水ヘッダ32を水供給管とし
て、スロートベーン9の下部に供給される。
【0029】次に、図2に示すように、粉砕ローラ5の
かみ込み側では、注水ヘッダ32からノズル38へ向け
て延設する管があり、それらの先端にノズル38が取り
付けられている。ノズル38の位置は、スロートベーン
9のほぼ中央であり、このノズル38から水11が噴射
され、噴霧流17として粉砕ローラ5のかみ込み側へ吹
き込まれて、ミル内気流の温度を下げると同時に粉層の
湿分を確保する。
かみ込み側では、注水ヘッダ32からノズル38へ向け
て延設する管があり、それらの先端にノズル38が取り
付けられている。ノズル38の位置は、スロートベーン
9のほぼ中央であり、このノズル38から水11が噴射
され、噴霧流17として粉砕ローラ5のかみ込み側へ吹
き込まれて、ミル内気流の温度を下げると同時に粉層の
湿分を確保する。
【0030】図2に示すように、粉砕ローラ5の微粉生
成側では、水噴霧の吹き込みは行わない。各粉砕ローラ
5に対し3本のノズル38を設けてあるので、3個の粉
砕ローラ5を搭載するローラミルでは、合計9本のノズ
ルが設置されている。この水11の温度は、注水ヘッダ
32が熱風(一次空気)6にさらされるために、常温よ
りはやや高めである。
成側では、水噴霧の吹き込みは行わない。各粉砕ローラ
5に対し3本のノズル38を設けてあるので、3個の粉
砕ローラ5を搭載するローラミルでは、合計9本のノズ
ルが設置されている。この水11の温度は、注水ヘッダ
32が熱風(一次空気)6にさらされるために、常温よ
りはやや高めである。
【0031】熱風(一次空気)6は、熱風(一次空気)
ダクト37を通じて、ミルのウィンドボックス39に供
給されているが、図3の例は、この熱風(一次空気)ダ
クト37の内部にノズル38を設け、熱風(一次空気)
中に、水11の噴霧流17を吹き込むものである。水1
1は、注水ヘッダ32を通じて、熱風(一次空気)ダク
ト37まで導かれる。
ダクト37を通じて、ミルのウィンドボックス39に供
給されているが、図3の例は、この熱風(一次空気)ダ
クト37の内部にノズル38を設け、熱風(一次空気)
中に、水11の噴霧流17を吹き込むものである。水1
1は、注水ヘッダ32を通じて、熱風(一次空気)ダク
ト37まで導かれる。
【0032】水11を微粒化して噴霧流にするノズル
(アトマイザ)は種々のタイプのものがあるが、ここで
は、図4に断面構造を示す圧力旋回式のノズル(アトマ
イザ)を用いた。水11は、圧力式アトマイザ10の中
心から供給され、これが旋回供給孔14から分割されて
旋回室13に送られて、強い旋回力を与えられたあと、
噴出孔12から噴出する。水は旋回する水膜15となっ
て拡がり、水膜15は無数の水滴16へと分裂する。こ
のようにして、噴霧流17が作り出される。圧力式のア
トマイザでも、このように旋回を付与するタイプは微粒
化が良好であるので、熱風中での蒸発も速く、本実施形
態へ適用するのに好都合である。
(アトマイザ)は種々のタイプのものがあるが、ここで
は、図4に断面構造を示す圧力旋回式のノズル(アトマ
イザ)を用いた。水11は、圧力式アトマイザ10の中
心から供給され、これが旋回供給孔14から分割されて
旋回室13に送られて、強い旋回力を与えられたあと、
噴出孔12から噴出する。水は旋回する水膜15となっ
て拡がり、水膜15は無数の水滴16へと分裂する。こ
のようにして、噴霧流17が作り出される。圧力式のア
トマイザでも、このように旋回を付与するタイプは微粒
化が良好であるので、熱風中での蒸発も速く、本実施形
態へ適用するのに好都合である。
【0033】本発明の第1の実施形態に係るローラミル
においては、図1に示すような構成の粉砕部により原料
が粉砕される。ハウジング6の下部には、熱風(一次空
気)6が供給されており、この熱風(一次空気)6はス
ロートベーン9を通して回転テーブル3の外周から吹き
上がる。粉砕されて生じた粉粒体は、この熱風(一次空
気)6によって、ハウジング7の内部を、上方へ輸送さ
れる。このとき同時に乾燥も行われる。
においては、図1に示すような構成の粉砕部により原料
が粉砕される。ハウジング6の下部には、熱風(一次空
気)6が供給されており、この熱風(一次空気)6はス
ロートベーン9を通して回転テーブル3の外周から吹き
上がる。粉砕されて生じた粉粒体は、この熱風(一次空
気)6によって、ハウジング7の内部を、上方へ輸送さ
れる。このとき同時に乾燥も行われる。
【0034】ハウジング6の上方へ輸送された粉粒体の
中で粗いものは重力により落下し(一次分級)、粉砕部
で再粉砕される。この一次分級部を貫通したやや細かな
粉粒体は、ハウジング7の上部に内装されている回転分
級機(ロータリーセパレータ)8により遠心分級(二次
分級)される。ここで所定の粒径より小さな微粉は、気
流により搬送されて、石炭焚ボイラでは微粉炭燃焼用バ
ーナへと送られる。回転分級機(ロータリーセパレー
タ)8を貫通しなかった比較的粗い粒子群は、回転テー
ブル3の上へ落下し、一次分級によって戻る原料及びミ
ル内へ新しく供給されたばかりの原料と混合して再粉砕
される。このようにして、ミル内では粉砕が繰り返され
て、必要な粒度を満足する製品として微粉が製造されて
いく。
中で粗いものは重力により落下し(一次分級)、粉砕部
で再粉砕される。この一次分級部を貫通したやや細かな
粉粒体は、ハウジング7の上部に内装されている回転分
級機(ロータリーセパレータ)8により遠心分級(二次
分級)される。ここで所定の粒径より小さな微粉は、気
流により搬送されて、石炭焚ボイラでは微粉炭燃焼用バ
ーナへと送られる。回転分級機(ロータリーセパレー
タ)8を貫通しなかった比較的粗い粒子群は、回転テー
ブル3の上へ落下し、一次分級によって戻る原料及びミ
ル内へ新しく供給されたばかりの原料と混合して再粉砕
される。このようにして、ミル内では粉砕が繰り返され
て、必要な粒度を満足する製品として微粉が製造されて
いく。
【0035】図5は、熱風で一次空気中に噴霧状に散水
した本実施形態と、無対策の場合とにおける振動レベル
を比較したものである。振動のレベルは振幅δocで評価
するが、無対策時における振幅δoc*で割ることにより
無次元化して表わした。無対策の場合はミル出口におけ
る温度は約75°Cであるのに対し、本実施形態の場合
にはミル出口温度が71°Cに低下している。
した本実施形態と、無対策の場合とにおける振動レベル
を比較したものである。振動のレベルは振幅δocで評価
するが、無対策時における振幅δoc*で割ることにより
無次元化して表わした。無対策の場合はミル出口におけ
る温度は約75°Cであるのに対し、本実施形態の場合
にはミル出口温度が71°Cに低下している。
【0036】無対策時には、ミル内で石炭が乾燥するた
め、粉砕ローラの転動が不安定になるので、自励振動が
発生し易く、振幅のレベルも高い。これに対し、本実施
形態を実施した場合には、3割近くまで振幅が低減して
おり、実質的に自励振動が消滅していることが分かる。
め、粉砕ローラの転動が不安定になるので、自励振動が
発生し易く、振幅のレベルも高い。これに対し、本実施
形態を実施した場合には、3割近くまで振幅が低減して
おり、実質的に自励振動が消滅していることが分かる。
【0037】図6は、ミルの運用域の全給炭負荷帯にお
ける振動抑制効果を、給炭量Qcに対する振幅δocの変
化としてまとめたものである。横軸の給炭量Qcは、定
格給炭量Qc*で割ることにより無次元化している。一
方、縦軸の振幅δocは、粉砕ローラが粉砕レース上でメ
タルコンタクト状態で回転する空回転時の振幅δoc*で
割ることにより無次元化した。この結果から、全運用負
荷域において大幅に振動減少効果がみられ、低負荷〜中
負荷域で自励振動の抑制効果が顕著であることが分か
る。
ける振動抑制効果を、給炭量Qcに対する振幅δocの変
化としてまとめたものである。横軸の給炭量Qcは、定
格給炭量Qc*で割ることにより無次元化している。一
方、縦軸の振幅δocは、粉砕ローラが粉砕レース上でメ
タルコンタクト状態で回転する空回転時の振幅δoc*で
割ることにより無次元化した。この結果から、全運用負
荷域において大幅に振動減少効果がみられ、低負荷〜中
負荷域で自励振動の抑制効果が顕著であることが分か
る。
【0038】次に、本実施形態の特徴である振動抑制の
応答性について述べる。図7は、対策としての動作を開
始してから自励振動が消滅するまでに要する時間tを、
本発明と従来技術において比較したものである。ここで
従来技術とは、ある設定温度まで下げるためにダンパ開
閉調整により冷空気を熱風に混入させる場合であり、自
励振動が消滅するのに要する時間をt*とする。このよ
うな従来技術では、ダクトやミルの熱容量のために、長
い時間がかかる。
応答性について述べる。図7は、対策としての動作を開
始してから自励振動が消滅するまでに要する時間tを、
本発明と従来技術において比較したものである。ここで
従来技術とは、ある設定温度まで下げるためにダンパ開
閉調整により冷空気を熱風に混入させる場合であり、自
励振動が消滅するのに要する時間をt*とする。このよ
うな従来技術では、ダクトやミルの熱容量のために、長
い時間がかかる。
【0039】これに対して本実施形態では、従来技術に
比べて17%まで時間が短縮されており、防振の応答性
がきわめて良いことが、この結果により実証された。
比べて17%まで時間が短縮されており、防振の応答性
がきわめて良いことが、この結果により実証された。
【0040】次に、ミル停止過程における振動抑制効果
について述べる。図8は、ミル停止操作の前半における
減負荷過程(図40の)で本実施形態を実施すること
による防振効果を、無対策時と比較したものである。振
幅δoc1は、無対策時における振幅δoc1 *で割ることに
より無次元化した。本発明の実施形態の場合には、著し
く振動抑制効果が生じていることが分かる。そして、従
来技術になる冷空気混入による温度降下法は、ミル停止
の指令と同時に開始しても、前述したように応答が遅
く、設定温度まで到達し切らないうちに、自励振動が発
生してしまう。
について述べる。図8は、ミル停止操作の前半における
減負荷過程(図40の)で本実施形態を実施すること
による防振効果を、無対策時と比較したものである。振
幅δoc1は、無対策時における振幅δoc1 *で割ることに
より無次元化した。本発明の実施形態の場合には、著し
く振動抑制効果が生じていることが分かる。そして、従
来技術になる冷空気混入による温度降下法は、ミル停止
の指令と同時に開始しても、前述したように応答が遅
く、設定温度まで到達し切らないうちに、自励振動が発
生してしまう。
【0041】図9は、ミル操作のうちの後半、給炭機停
止後における振幅δoc2を、本発明と従来技術において
比較したものである。通常の場合、前述したように、給
炭機が停止したあとでは回転テーブル上の粉層には散水
できない(給炭機停止後に注水を行えば、回転テーブル
上の残炭が過度に湿り、回転テーブルによる遠心力や空
気流によっても流れにくくなり、完全に除去できないま
ま、残炭として停止したミル内に放置される)。しかし
ながら、本発明の場合は、一次空気である熱風中に水を
噴霧するので、給炭機停止後も実行可能である。図9で
は、無対策(注水無し)の場合における給炭機停止後の
振幅δoc2 *で割ることにより無次元化しているが、本実
施形態を実施すれば、無対策時に比べて半分以下のレベ
ルまで振動が軽減されていることが分かる。
止後における振幅δoc2を、本発明と従来技術において
比較したものである。通常の場合、前述したように、給
炭機が停止したあとでは回転テーブル上の粉層には散水
できない(給炭機停止後に注水を行えば、回転テーブル
上の残炭が過度に湿り、回転テーブルによる遠心力や空
気流によっても流れにくくなり、完全に除去できないま
ま、残炭として停止したミル内に放置される)。しかし
ながら、本発明の場合は、一次空気である熱風中に水を
噴霧するので、給炭機停止後も実行可能である。図9で
は、無対策(注水無し)の場合における給炭機停止後の
振幅δoc2 *で割ることにより無次元化しているが、本実
施形態を実施すれば、無対策時に比べて半分以下のレベ
ルまで振動が軽減されていることが分かる。
【0042】また、実験結果によると、水の流量を、粉
砕処理する原料量の0.03%以上8%未満(重量割
合)にすることによって、振動抑制に効果的であること
が判った。
砕処理する原料量の0.03%以上8%未満(重量割
合)にすることによって、振動抑制に効果的であること
が判った。
【0043】以上説明した実施形態では、図4に示すよ
うな圧力式アトマイザを用いたものである。この圧力式
アトマイザは、水滴がやや粗いという難点がある。言い
換えれば、水滴を細かくするためには高圧噴射する必要
があるし、そのため噴出孔を小さくすれば噴出孔がつま
り易くなる。
うな圧力式アトマイザを用いたものである。この圧力式
アトマイザは、水滴がやや粗いという難点がある。言い
換えれば、水滴を細かくするためには高圧噴射する必要
があるし、そのため噴出孔を小さくすれば噴出孔がつま
り易くなる。
【0044】これに対し、本発明の第1の実施形態の他
の構成例では、低圧噴射でも微粒化の良好な二流体アト
マイザを適用することが可能である。図39は、二流体
アトマイザの一例を軸方向断面図として描いたものであ
る。
の構成例では、低圧噴射でも微粒化の良好な二流体アト
マイザを適用することが可能である。図39は、二流体
アトマイザの一例を軸方向断面図として描いたものであ
る。
【0045】この例は、数多い二流体アトマイザの中で
も、圧力損失が少なくて済むタイプである。同軸二重管
の構造になっており、中心の水供給管12から水が供給
される。その周囲の気体流路22からは気流19が供給
され、気体加速流路23で加速され、水柱21を引きち
ぎるようにして微粒化する。噴出孔20からは、細かな
水滴と気流から成る噴霧流が生成される。図3に示した
圧力式アトマイザよりも噴出流速は大きく、水滴径は小
さい。水滴が小さいので蒸発が速く、熱風をすみやかに
冷却して制御の応答性を高めることができるが、気流1
9の供給源すなわち圧縮空気製造設備が必要である。
も、圧力損失が少なくて済むタイプである。同軸二重管
の構造になっており、中心の水供給管12から水が供給
される。その周囲の気体流路22からは気流19が供給
され、気体加速流路23で加速され、水柱21を引きち
ぎるようにして微粒化する。噴出孔20からは、細かな
水滴と気流から成る噴霧流が生成される。図3に示した
圧力式アトマイザよりも噴出流速は大きく、水滴径は小
さい。水滴が小さいので蒸発が速く、熱風をすみやかに
冷却して制御の応答性を高めることができるが、気流1
9の供給源すなわち圧縮空気製造設備が必要である。
【0046】次に、本発明の第2の実施形態に係る水噴
射装置を搭載したローラミルの構造を、図10〜図14
を用いて以下説明する。本発明の第2の実施形態の特徴
は、粉砕部における水供給の構成にあるので、まずこれ
を中心に述べる。その他のローラミルとしての機能は、
図33に示した従来技術の内容とほぼ同じである。
射装置を搭載したローラミルの構造を、図10〜図14
を用いて以下説明する。本発明の第2の実施形態の特徴
は、粉砕部における水供給の構成にあるので、まずこれ
を中心に述べる。その他のローラミルとしての機能は、
図33に示した従来技術の内容とほぼ同じである。
【0047】図10はローラミルの縦方向断面図であ
り、図11と図12はともに粉砕部の側方(ミルハウジ
ングから中心方向を視る)から見た粉砕部の構造図であ
り、図13は上方から見た構造図である。図14は粉砕
部における粉層の挙動を模式的に表した図である。
り、図11と図12はともに粉砕部の側方(ミルハウジ
ングから中心方向を視る)から見た粉砕部の構造図であ
り、図13は上方から見た構造図である。図14は粉砕
部における粉層の挙動を模式的に表した図である。
【0048】本発明の第2の実施形態においては、粉砕
ローラ5の原料かみ込み側に、上下端が開口する空洞型
の筒状体20(図11)あるいは円錐体24(図12)
を設ける。図10と図13に示すように、これらの筒状
体20等は、棒状のサポート25によりハウジング7か
ら懸架支持されている。筒状体20あるいは円錐体24
の上方開口部には、ノズル21が設けられており、この
ノズル21から下方へ向けて水噴霧22が噴射される。
ローラ5の原料かみ込み側に、上下端が開口する空洞型
の筒状体20(図11)あるいは円錐体24(図12)
を設ける。図10と図13に示すように、これらの筒状
体20等は、棒状のサポート25によりハウジング7か
ら懸架支持されている。筒状体20あるいは円錐体24
の上方開口部には、ノズル21が設けられており、この
ノズル21から下方へ向けて水噴霧22が噴射される。
【0049】水27は、水供給管26により、ハウジン
グ7の内部へ供給される。ノズル21の位置は、粉砕ロ
ーラ(5)の回転中心5aよりも下方に設置する。筒状
体20や円錐体24の下端では、粉砕レース11との間
を原料粉層4の一部が通過する。原料粉層4の下方部は
一般に微粉が多く沈降しているので、下端開口部には微
粉が選択的に流入するようになる(図11のイ)。水噴
霧22は、この微粉の上に降り注ぐので、微粉層は湿る
(図11のロ)。そして、この湿った微粉層が粉砕ロー
ラ5の下方へ流入し、粉砕ローラ5によって、粗い粒子
とともにかみ込まれる。筒状体20や円錐体24の下端
開口部と粉砕レース間の距離は80mm以上200mm
以下の範囲から選択して設定する。
グ7の内部へ供給される。ノズル21の位置は、粉砕ロ
ーラ(5)の回転中心5aよりも下方に設置する。筒状
体20や円錐体24の下端では、粉砕レース11との間
を原料粉層4の一部が通過する。原料粉層4の下方部は
一般に微粉が多く沈降しているので、下端開口部には微
粉が選択的に流入するようになる(図11のイ)。水噴
霧22は、この微粉の上に降り注ぐので、微粉層は湿る
(図11のロ)。そして、この湿った微粉層が粉砕ロー
ラ5の下方へ流入し、粉砕ローラ5によって、粗い粒子
とともにかみ込まれる。筒状体20や円錐体24の下端
開口部と粉砕レース間の距離は80mm以上200mm
以下の範囲から選択して設定する。
【0050】筒状体20の内径(直径)及び円錐体24
の下端開口径(直径)は、粉砕ローラの幅よりもやや小
さく設定する。一方、円錐体24における円錐体の両振
りひろがり角度θs(図12)は7°以上40°以下、
より望ましくは、円錐形空洞体におけるひろがり角度
(両振り)を16°以上28°以下の範囲に設定する
(略20°程度に設定)。このようにすれば、円錐体2
4の内壁に、水噴霧22の水滴が付着しないので、水が
無駄無く使用されることになる。
の下端開口径(直径)は、粉砕ローラの幅よりもやや小
さく設定する。一方、円錐体24における円錐体の両振
りひろがり角度θs(図12)は7°以上40°以下、
より望ましくは、円錐形空洞体におけるひろがり角度
(両振り)を16°以上28°以下の範囲に設定する
(略20°程度に設定)。このようにすれば、円錐体2
4の内壁に、水噴霧22の水滴が付着しないので、水が
無駄無く使用されることになる。
【0051】このような構成によれば、前述したような
先行技術における問題点、すなわち、供給した水が炭層
の上部表面のみを濡らし粉砕ローラになかなかかみ込ま
れなかったり、あるいは注水用のノズルが炭層に接触し
たり埋もれたりして閉塞を起こすといったトラブルは解
決され、少量の水でも効率良く使用されるので、防振効
果も拡大する。
先行技術における問題点、すなわち、供給した水が炭層
の上部表面のみを濡らし粉砕ローラになかなかかみ込ま
れなかったり、あるいは注水用のノズルが炭層に接触し
たり埋もれたりして閉塞を起こすといったトラブルは解
決され、少量の水でも効率良く使用されるので、防振効
果も拡大する。
【0052】本発明の第2の実施形態に係るローラミル
においては、図10に示すような構成の粉砕部により原
料が粉砕される。ハウジング7の下部には、熱風(一次
空気)6が供給されており、この熱風(一次空気)6は
スロートベーン9を通して回転テーブル3の外周から吹
き上がる。粉砕されて生じた粉粒体は、この熱風(一次
空気)6によって、ハウジング6の内部を上方へと輸送
される。このとき同時に乾燥も行われる。
においては、図10に示すような構成の粉砕部により原
料が粉砕される。ハウジング7の下部には、熱風(一次
空気)6が供給されており、この熱風(一次空気)6は
スロートベーン9を通して回転テーブル3の外周から吹
き上がる。粉砕されて生じた粉粒体は、この熱風(一次
空気)6によって、ハウジング6の内部を上方へと輸送
される。このとき同時に乾燥も行われる。
【0053】ハウジング7の上方へ輸送された粉粒体の
中で粗いものは重力により落下し(一次分級)、粉砕部
で再粉砕される。この一次分級部を貫通したやや細かな
粉粒体は、ハウジング6の上部に内装されている回転分
級機(ロータリーセパレータ)8により遠心分級(二次
分級)される。ここで、所定の粒径より小さな微粉は、
気流により搬送されて、石炭焚ボイラでは微粉炭燃焼用
バーナへと送られる。回転分級機(ロータリーセパレー
タ)8を貫通しなかった比較的粗い粒子群は、回転テー
ブル3の上へ落下し、一次分級により戻る原料及びミル
内へ新しく供給されたばかりの粉砕原料1と混合して再
粉砕される。このようにして、ミル内では粉砕が繰り返
されて、必要な粒度を満足する製品としての微粉が製造
されていく。
中で粗いものは重力により落下し(一次分級)、粉砕部
で再粉砕される。この一次分級部を貫通したやや細かな
粉粒体は、ハウジング6の上部に内装されている回転分
級機(ロータリーセパレータ)8により遠心分級(二次
分級)される。ここで、所定の粒径より小さな微粉は、
気流により搬送されて、石炭焚ボイラでは微粉炭燃焼用
バーナへと送られる。回転分級機(ロータリーセパレー
タ)8を貫通しなかった比較的粗い粒子群は、回転テー
ブル3の上へ落下し、一次分級により戻る原料及びミル
内へ新しく供給されたばかりの粉砕原料1と混合して再
粉砕される。このようにして、ミル内では粉砕が繰り返
されて、必要な粒度を満足する製品としての微粉が製造
されていく。
【0054】図14は、本発明の第2の実施形態を実施
したローラミルにおける粉砕部の挙動を模式的に描いた
ものである。粉砕ローラ5のかみ込み部における両端開
口の円錐体24の頂部のノズル24から水噴霧される
(22)。この水噴霧22は、回転テーブル3の外周か
ら吹き上げられる熱風(一次空気)にあおられることな
く、ほぼ全量が、円錐体24の下端開口部の原料粉層4
に降り注ぐ。水噴霧22は、略円錐体であるが、本実施
形態に係る円錐体24も下方ほど広がる形状であるの
で、水滴は円錐体24の内壁にはほとんど付着しない。
したローラミルにおける粉砕部の挙動を模式的に描いた
ものである。粉砕ローラ5のかみ込み部における両端開
口の円錐体24の頂部のノズル24から水噴霧される
(22)。この水噴霧22は、回転テーブル3の外周か
ら吹き上げられる熱風(一次空気)にあおられることな
く、ほぼ全量が、円錐体24の下端開口部の原料粉層4
に降り注ぐ。水噴霧22は、略円錐体であるが、本実施
形態に係る円錐体24も下方ほど広がる形状であるの
で、水滴は円錐体24の内壁にはほとんど付着しない。
【0055】原料粉層4の底部は微粉が多く、粉砕ロー
ラ5がかみ込むと自励振動を起こし易いが、本実施形態
ではこの微粉底層が選択的に水噴霧22によって湿潤化
する。湿った微粉層は、粉砕ローラ5によってかみ込ま
れ、粉砕ローラ5の下部へ流入する(ハ)。微粉とはい
え湿っているため、この炭層は崩れにくく、粉砕ローラ
の転動は安定である。したがって、粉砕ローラは、湿っ
た微粉のみならず、原炭のような粗い粒子までも活発に
かみ込むようになる。
ラ5がかみ込むと自励振動を起こし易いが、本実施形態
ではこの微粉底層が選択的に水噴霧22によって湿潤化
する。湿った微粉層は、粉砕ローラ5によってかみ込ま
れ、粉砕ローラ5の下部へ流入する(ハ)。微粉とはい
え湿っているため、この炭層は崩れにくく、粉砕ローラ
の転動は安定である。したがって、粉砕ローラは、湿っ
た微粉のみならず、原炭のような粗い粒子までも活発に
かみ込むようになる。
【0056】湿ったことによって炭層が強化されるとい
うことは、炭層の内部摩擦角φを求めるモデル実験から
知ることができる。図15は、石炭層が保有する全水分
に対する炭層の内部摩擦角φの変化をまとめたものであ
る。縦軸のφは、石炭の表面水分=0の場合の内部摩擦
角φ*で割ることにより無次元化して表した。石炭層が
乾いており、石炭粒子の表面に水分が無い場合には、内
部摩擦角φは小さい。
うことは、炭層の内部摩擦角φを求めるモデル実験から
知ることができる。図15は、石炭層が保有する全水分
に対する炭層の内部摩擦角φの変化をまとめたものであ
る。縦軸のφは、石炭の表面水分=0の場合の内部摩擦
角φ*で割ることにより無次元化して表した。石炭層が
乾いており、石炭粒子の表面に水分が無い場合には、内
部摩擦角φは小さい。
【0057】グラフ中に挿図として示したように石炭粒
子の表面にわずかに水分が付着すると、この水分がバイ
ンダーのようになって、石炭粒子同士が吸引しあうよう
になるため、石炭層全体が強くなり崩れにくくなる。一
方、水分が増えすぎると、石炭粒子が水の中で動くかの
ようにふるまうようになるので、炭層の内部摩擦角φは
低下する。本実施形態は、わずかな水分を炭層に添加
し、粉砕ローラが直接かみ込み微粉底層を強固にするこ
とをねらったものである。
子の表面にわずかに水分が付着すると、この水分がバイ
ンダーのようになって、石炭粒子同士が吸引しあうよう
になるため、石炭層全体が強くなり崩れにくくなる。一
方、水分が増えすぎると、石炭粒子が水の中で動くかの
ようにふるまうようになるので、炭層の内部摩擦角φは
低下する。本実施形態は、わずかな水分を炭層に添加
し、粉砕ローラが直接かみ込み微粉底層を強固にするこ
とをねらったものである。
【0058】図16は、全給炭負荷域における振動抑制
効果を無対策時と比較してまとめたものである。横軸の
給炭量Qcは、定格給炭量Qc*で割ることにより無次
元化した。一方、縦軸の振幅δocは、粉砕ローラと粉砕
レースがメタルタッチする空回転時の振幅δoc*で割る
ことにより無次元化した。この結果から、本発明を実施
すれば著しく振動が軽減されていることが分かる。特に
中負荷〜低負荷帯における振動抑制効果が著しい。これ
は、実質的に自励振動が消滅したことを示唆している。
効果を無対策時と比較してまとめたものである。横軸の
給炭量Qcは、定格給炭量Qc*で割ることにより無次
元化した。一方、縦軸の振幅δocは、粉砕ローラと粉砕
レースがメタルタッチする空回転時の振幅δoc*で割る
ことにより無次元化した。この結果から、本発明を実施
すれば著しく振動が軽減されていることが分かる。特に
中負荷〜低負荷帯における振動抑制効果が著しい。これ
は、実質的に自励振動が消滅したことを示唆している。
【0059】図17は、本発明の第2の実施形態に係る
注水の効果を、ミル停止過程の振幅δocのレベルに着目
して、無対策時(注水無し)及び従来技術になる注水の
場合(炭層の上方から散水)とを比較したものである。
この振幅δocは、無対策時におけるミル停止過程の振幅
δoc*で割ることにより無次元化して表した。
注水の効果を、ミル停止過程の振幅δocのレベルに着目
して、無対策時(注水無し)及び従来技術になる注水の
場合(炭層の上方から散水)とを比較したものである。
この振幅δocは、無対策時におけるミル停止過程の振幅
δoc*で割ることにより無次元化して表した。
【0060】従来技術になる注水の場合でも、無対策時
に比べると振幅のレベルは半分以下まで低減している
が、本実施形態ではさらに防振効果が大きく振幅レベル
は1/10近くまで著しく低下していることが分かる。
この結果は、注水法による違いが振動抑制効果に及ぼす
影響を明確にしたものといえる。
に比べると振幅のレベルは半分以下まで低減している
が、本実施形態ではさらに防振効果が大きく振幅レベル
は1/10近くまで著しく低下していることが分かる。
この結果は、注水法による違いが振動抑制効果に及ぼす
影響を明確にしたものといえる。
【0061】次に、注水量Qwに関して、従来技術に係
る注水と本実施形態に係る注水の場合を比較する。結果
を図18に示す。縦軸の注水量Qwは、従来技術による
注水量Qw*で割ることにより無次元化した。本実施形
態の場合は、水噴霧が円筒体あるいは円錐体で保護され
ているため水滴群が一次空気にあおられないこと、また
振動発生に直接かかわる微粉底層に選択的に水噴霧する
ために、少量の水でも防振効果が十分に生じる。図18
の結果が明瞭に示しているように、本実施形態によれば
従来技術に係る注水に比べて約半分の注水量で十分であ
ることが分かる。注水量の低減は、ボイラ効率の低下を
防ぐという効果につながる。
る注水と本実施形態に係る注水の場合を比較する。結果
を図18に示す。縦軸の注水量Qwは、従来技術による
注水量Qw*で割ることにより無次元化した。本実施形
態の場合は、水噴霧が円筒体あるいは円錐体で保護され
ているため水滴群が一次空気にあおられないこと、また
振動発生に直接かかわる微粉底層に選択的に水噴霧する
ために、少量の水でも防振効果が十分に生じる。図18
の結果が明瞭に示しているように、本実施形態によれば
従来技術に係る注水に比べて約半分の注水量で十分であ
ることが分かる。注水量の低減は、ボイラ効率の低下を
防ぐという効果につながる。
【0062】図19は、本発明の第2の実施形態の他の
構成例である注水装置を、粉砕部の横方向から見た図で
ある。粉砕ローラ5のかみ込み側において、粉砕ローラ
5へ向けて傾斜し、下端が粉砕レース11に対して開口
する下端開口傾斜体23を設ける。この下端開口傾斜体
23の頂上部にはノズル21が設けられていて、これか
ら下方に向けて水噴霧22が噴射される。水噴霧22
は、下端開口部傾斜体23の下端と粉砕レース11の間
を通過する炭層に降りかかり、炭層を湿らせる。湿った
炭層は、即座に粉砕ローラ5にかみ込まれる。
構成例である注水装置を、粉砕部の横方向から見た図で
ある。粉砕ローラ5のかみ込み側において、粉砕ローラ
5へ向けて傾斜し、下端が粉砕レース11に対して開口
する下端開口傾斜体23を設ける。この下端開口傾斜体
23の頂上部にはノズル21が設けられていて、これか
ら下方に向けて水噴霧22が噴射される。水噴霧22
は、下端開口部傾斜体23の下端と粉砕レース11の間
を通過する炭層に降りかかり、炭層を湿らせる。湿った
炭層は、即座に粉砕ローラ5にかみ込まれる。
【0063】この方法によっても、先に述べた第2の実
施形態と同様に、粉砕ローラ5は湿った炭層のみを選択
的にかみ込むことができるようになる。したがって、自
励振動の発生は確実に防げるし、従来技術のように注水
した水が無駄にならないので、注水量を減らすことも可
能である。
施形態と同様に、粉砕ローラ5は湿った炭層のみを選択
的にかみ込むことができるようになる。したがって、自
励振動の発生は確実に防げるし、従来技術のように注水
した水が無駄にならないので、注水量を減らすことも可
能である。
【0064】一方、水噴霧22は、下端開口傾斜体23
によって周囲からおおわれているので、スロートから吹
き上がる熱風(一次空気)にあおられることが無いの
で、全部が炭層に当たることになる。したがって、この
作用によっても、従来技術に比べて、注水量を減らせる
ことになる。
によって周囲からおおわれているので、スロートから吹
き上がる熱風(一次空気)にあおられることが無いの
で、全部が炭層に当たることになる。したがって、この
作用によっても、従来技術に比べて、注水量を減らせる
ことになる。
【0065】下端開口傾斜体の下方を通過しなかった炭
層は、回転テーブル3の中心側へ戻されて再び他の粉砕
ローラ5のかみ込み部へ向かうか、あるいは熱風(一次
空気)が吹き出すスロート部へ向かい熱風により吹き上
げられて分級され、粗い粒子は回転テーブル上に落下
し、再び粉砕ローラ5のかみ込み部へ流入する。
層は、回転テーブル3の中心側へ戻されて再び他の粉砕
ローラ5のかみ込み部へ向かうか、あるいは熱風(一次
空気)が吹き出すスロート部へ向かい熱風により吹き上
げられて分級され、粗い粒子は回転テーブル上に落下
し、再び粉砕ローラ5のかみ込み部へ流入する。
【0066】更に、次に、本発明の第3の実施形態に係
るエアブロー装置を搭載したローラミルの構造を、図2
0〜図23を用いて以下説明する。第3の実施形態の特
徴は、粉砕部の粉層に対するエアブロー装置にあるの
で、これを中心に述べる。他のローラミルとしての機能
は、図33に示した従来技術の内容と同様である。図2
0はエアブロー装置を用いたローラミルの全体構造を示
し、図21と図22はともに、エアブロー装置の詳細図
であり、その配置を示した図である。また、図23には
エアブロー用ノズルの駆動装置を示す。
るエアブロー装置を搭載したローラミルの構造を、図2
0〜図23を用いて以下説明する。第3の実施形態の特
徴は、粉砕部の粉層に対するエアブロー装置にあるの
で、これを中心に述べる。他のローラミルとしての機能
は、図33に示した従来技術の内容と同様である。図2
0はエアブロー装置を用いたローラミルの全体構造を示
し、図21と図22はともに、エアブロー装置の詳細図
であり、その配置を示した図である。また、図23には
エアブロー用ノズルの駆動装置を示す。
【0067】図20に示すように、本発明の第3の実施
形態に係るローラミルにおいては、回転テーブル3上
に、空気噴流を吹きつけるエアブロー用ノズル13が設
けられている。このエアブロー用ノズル13は、ベロー
ズ16を介して、エアシリンダ18に装着されており、
エアシリンダ駆動用空気19の作用によって、ミルが運
転中であっても、エアブロー用ノズル13と粉砕レース
間のスタンドオフ距離Xsを自由に変化させることがで
きるようになっている。
形態に係るローラミルにおいては、回転テーブル3上
に、空気噴流を吹きつけるエアブロー用ノズル13が設
けられている。このエアブロー用ノズル13は、ベロー
ズ16を介して、エアシリンダ18に装着されており、
エアシリンダ駆動用空気19の作用によって、ミルが運
転中であっても、エアブロー用ノズル13と粉砕レース
間のスタンドオフ距離Xsを自由に変化させることがで
きるようになっている。
【0068】エアブロー用ノズル13の駆動装置全体
は、図23に示すように、プロテクトカバー24に覆わ
れており、また駆動用装置の下部にもプロテクトカバー
24’が設けられているので、石炭粒子による摩耗を防
止できるようになっている。
は、図23に示すように、プロテクトカバー24に覆わ
れており、また駆動用装置の下部にもプロテクトカバー
24’が設けられているので、石炭粒子による摩耗を防
止できるようになっている。
【0069】図21は、エアブロー用ノズル13の出口
端を粉砕レース11に近づけた場合、すなわちスタンド
オフ距離Xsを短くした場合である。このようにエアブ
ロー用ノズル13を粉砕レース11に近づけるのは、後
述するが粉砕性の劣る石炭等を利用する場合が一例であ
る。
端を粉砕レース11に近づけた場合、すなわちスタンド
オフ距離Xsを短くした場合である。このようにエアブ
ロー用ノズル13を粉砕レース11に近づけるのは、後
述するが粉砕性の劣る石炭等を利用する場合が一例であ
る。
【0070】一方、図22は、エアブロー用ノズル13
を粉砕レース11から離して、スタンドオフ距離Xsを
長くしたケースである。このようなノズルの設定は、例
えば粉砕性がきわめて良好な石炭を粉砕処理する場合に
好都合である。ここで、衝突角度θ(ノズルの中心軸2
6と粉砕レース11のなす角度)は約60°である。
を粉砕レース11から離して、スタンドオフ距離Xsを
長くしたケースである。このようなノズルの設定は、例
えば粉砕性がきわめて良好な石炭を粉砕処理する場合に
好都合である。ここで、衝突角度θ(ノズルの中心軸2
6と粉砕レース11のなす角度)は約60°である。
【0071】図23はエアブロー用ノズル13の駆動部
の構造を示すものである。エアブロー用ノズル13はノ
ズルヘッド17に取り付けられている。このノズルヘッ
ド17には、エア供給管14が接続しており、圧縮空気
が供給される。ノズルヘッド17は、伸縮自在のベロー
ズ16を介してエアシリンダ18に装着されている。エ
アシリンダ18は、エアシリンダ駆動用空気19によ
り、前・後に自在に動くので、エアブロー用ノズル13
の位置を調整できる。
の構造を示すものである。エアブロー用ノズル13はノ
ズルヘッド17に取り付けられている。このノズルヘッ
ド17には、エア供給管14が接続しており、圧縮空気
が供給される。ノズルヘッド17は、伸縮自在のベロー
ズ16を介してエアシリンダ18に装着されている。エ
アシリンダ18は、エアシリンダ駆動用空気19によ
り、前・後に自在に動くので、エアブロー用ノズル13
の位置を調整できる。
【0072】本実施形態は、エアブロー用ノズル13と
粉砕レース11との間のスタンドオフ距離Xsを最短5
0mm、一方最長は700mmとするので、エアシリン
ダ18のストロークは長尺であり、800mmぐらいと
している。以上のエアブロー用ノズル13の駆動部は、
プロテクトカバー24及び24’により保護されてい
る。
粉砕レース11との間のスタンドオフ距離Xsを最短5
0mm、一方最長は700mmとするので、エアシリン
ダ18のストロークは長尺であり、800mmぐらいと
している。以上のエアブロー用ノズル13の駆動部は、
プロテクトカバー24及び24’により保護されてい
る。
【0073】本実施形態に係るミルにおいては、図20
に示すような構成の粉砕部により原料が粉砕される。こ
のローラミルにおける粉砕ローラ5及び粉砕レース11
の断面形状は略円弧形である。粉砕ローラ5のシャフト
は背後からローラブラケット28により支えられる。ロ
ーラブラケット28には、ローラピボツト29を介して
加圧フレーム30から粉砕荷重31が伝達される。ハウ
ジング7の下部には、熱風(一次空気)6が供給されて
おり、この熱風(一次空気)6はスロートベーン9を通
して回転テーブル3の外周から吹き上る。
に示すような構成の粉砕部により原料が粉砕される。こ
のローラミルにおける粉砕ローラ5及び粉砕レース11
の断面形状は略円弧形である。粉砕ローラ5のシャフト
は背後からローラブラケット28により支えられる。ロ
ーラブラケット28には、ローラピボツト29を介して
加圧フレーム30から粉砕荷重31が伝達される。ハウ
ジング7の下部には、熱風(一次空気)6が供給されて
おり、この熱風(一次空気)6はスロートベーン9を通
して回転テーブル3の外周から吹き上る。
【0074】粉砕されて生じた粉粒体は、この熱風(一
次空気)6によって、ハウジング7の内部を、上方へ輸
送される。このとき同時に乾燥も行われる。ハウジング
7の上方へ輸送された粉粒体の中で粗いものは重力によ
り落下し(一次分級)、粉砕部で再粉砕される。この一
次分級部を貫通したやや細かな粉粒体は、ハウジング7
の上部に内装されている回転分級機(ロータリーセパレ
ータ)8で遠心分級(二次分級)される。
次空気)6によって、ハウジング7の内部を、上方へ輸
送される。このとき同時に乾燥も行われる。ハウジング
7の上方へ輸送された粉粒体の中で粗いものは重力によ
り落下し(一次分級)、粉砕部で再粉砕される。この一
次分級部を貫通したやや細かな粉粒体は、ハウジング7
の上部に内装されている回転分級機(ロータリーセパレ
ータ)8で遠心分級(二次分級)される。
【0075】ここで所定の粒径より小さな微粉は、気流
により搬送されて、石炭焚ボイラでは微粉炭燃焼用バー
ナへと送られる。回転分級機(ロータリーセパレータ)
8を貫通しなかった比較的粗い粒子群は、回転テーブル
3の上へ落下し、一次分級の作用で戻る原料及びミル内
へ新しく供給されたばかりの原料と混合して再粉砕され
る。このようにして、ミル内では粉砕が繰り返されて、
必要な粒度を満足する製品としての微粉が製造されてい
く。
により搬送されて、石炭焚ボイラでは微粉炭燃焼用バー
ナへと送られる。回転分級機(ロータリーセパレータ)
8を貫通しなかった比較的粗い粒子群は、回転テーブル
3の上へ落下し、一次分級の作用で戻る原料及びミル内
へ新しく供給されたばかりの原料と混合して再粉砕され
る。このようにして、ミル内では粉砕が繰り返されて、
必要な粒度を満足する製品としての微粉が製造されてい
く。
【0076】図24は、粉砕ローラ5が自励振動を始め
る条件が揃ったときの状態を模式的に描いたものであ
る。粉砕ローラ5のかみ込み側には原料粉層4が盛り上
る(4’)。一般に原料粉層4において、微粉は沈降す
るので(粗い粒子の間をすり抜けるため)上層は粗粒で
あり(4a)、一方底層は微粉が多くなる(4b)。粉
砕ローラ5には、粉砕レース11における下層の微粉4
bが選択的に流入しやすくなる(b)。粉砕ローラ5に
かみ込まれなかった微粉は、盛り上り粉層4’内を循環
するので、盛り上り粉層4’は次第に増大する。
る条件が揃ったときの状態を模式的に描いたものであ
る。粉砕ローラ5のかみ込み側には原料粉層4が盛り上
る(4’)。一般に原料粉層4において、微粉は沈降す
るので(粗い粒子の間をすり抜けるため)上層は粗粒で
あり(4a)、一方底層は微粉が多くなる(4b)。粉
砕ローラ5には、粉砕レース11における下層の微粉4
bが選択的に流入しやすくなる(b)。粉砕ローラ5に
かみ込まれなかった微粉は、盛り上り粉層4’内を循環
するので、盛り上り粉層4’は次第に増大する。
【0077】図25は、粉砕ローラ5の上下方向振動
(β)の挙動を模式的に描いたものである。粉砕ローラ
5は下層の微粉4bをかみ込もうとするが、この微粉層
は不安定であるため、粉砕ローラ5は滑り、結果的にこ
の滑りが自励振動発生のきっかけになるわけである。粉
砕ローラ5の自励振動を防止するには、盛り上り粉層
4’を崩し、さらに、微粉層を除去する、という対策が
必要である。本実施形態においては、これらをエアブロ
ー法により達成する。
(β)の挙動を模式的に描いたものである。粉砕ローラ
5は下層の微粉4bをかみ込もうとするが、この微粉層
は不安定であるため、粉砕ローラ5は滑り、結果的にこ
の滑りが自励振動発生のきっかけになるわけである。粉
砕ローラ5の自励振動を防止するには、盛り上り粉層
4’を崩し、さらに、微粉層を除去する、という対策が
必要である。本実施形態においては、これらをエアブロ
ー法により達成する。
【0078】粉砕性(Grindability)の良
好な石炭を粉砕処理する場合、粉砕ローラ5のかみ込み
部に生じる盛り上り粉層、すなわちエアブロー前の原料
粉層4’は小さい。図26は、このような粉砕ローラ5
のかみ込み部の粉層に対し、スタンドオフ距離Xsを長
くとり、エアブロー用ノズル5を粉砕レース11から離
して、空気噴流を衝突させたときの挙動を模式的に描い
たものである。噴流は広がって衝突するし、また原料粉
層4’の粒度も細かいため、気流の作用で粉層は広い領
域にわたって激しく乱されてくぼむように変形する(図
26の28参照)。
好な石炭を粉砕処理する場合、粉砕ローラ5のかみ込み
部に生じる盛り上り粉層、すなわちエアブロー前の原料
粉層4’は小さい。図26は、このような粉砕ローラ5
のかみ込み部の粉層に対し、スタンドオフ距離Xsを長
くとり、エアブロー用ノズル5を粉砕レース11から離
して、空気噴流を衝突させたときの挙動を模式的に描い
たものである。噴流は広がって衝突するし、また原料粉
層4’の粒度も細かいため、気流の作用で粉層は広い領
域にわたって激しく乱されてくぼむように変形する(図
26の28参照)。
【0079】一方、粉層中の微粉も、気流の跳ね返り噴
流とともに搬送されて粉砕部から除去される(c)。以
上のような作用により自励振動の発生要因が取り除かれ
る。
流とともに搬送されて粉砕部から除去される(c)。以
上のような作用により自励振動の発生要因が取り除かれ
る。
【0080】難粉砕性の石炭のような原料の場合、粉砕
ローラのかみ込み部の盛り上りは大きく、粒子も一般に
粗く、下層の微粉を除去するのは容易ではない。このよ
うな場合は、エアブロー用ノズルを近づけて、スタンド
オフ距離Xsを短くし、空気噴流の衝突エネルギーを局
部的に集中させる。
ローラのかみ込み部の盛り上りは大きく、粒子も一般に
粗く、下層の微粉を除去するのは容易ではない。このよ
うな場合は、エアブロー用ノズルを近づけて、スタンド
オフ距離Xsを短くし、空気噴流の衝突エネルギーを局
部的に集中させる。
【0081】図27は、スタンドオフ距離Xsを短くし
た場合における空気噴流時の粉層の挙動を模式的に描い
たものである。エアブロー前の粉層4’は大きく、しか
も粒子は粗い。スタンドオフ距離Xsを短くしているの
で、空気噴流は、粉層中に貫入するように進み、粉層に
は、広がりが小さいが深いくぼみ変形が生じる(図26
の27参照)。このくぼみ変形27の先端には粉層が多
いので、ここで粉層が、跳ね返り噴流の作用によって除
去される(c)。粉砕ローラ5のかみ込み部で盛り上っ
た粉層は、エアブローの作用で激しく乱され攪拌され、
微粉も飛び出し易くなる。
た場合における空気噴流時の粉層の挙動を模式的に描い
たものである。エアブロー前の粉層4’は大きく、しか
も粒子は粗い。スタンドオフ距離Xsを短くしているの
で、空気噴流は、粉層中に貫入するように進み、粉層に
は、広がりが小さいが深いくぼみ変形が生じる(図26
の27参照)。このくぼみ変形27の先端には粉層が多
いので、ここで粉層が、跳ね返り噴流の作用によって除
去される(c)。粉砕ローラ5のかみ込み部で盛り上っ
た粉層は、エアブローの作用で激しく乱され攪拌され、
微粉も飛び出し易くなる。
【0082】以上のような作用によって、実際に生じた
振動抑制効果について述べる。図28は、A炭種に対し
てスタンドオフ距離Xsを大きくしてエアブロー用ノズ
ルを設定し、振動抑制効果を、無対策時やスタンドオフ
距離Xsを長くした場合とを比較したものである。横軸
の給炭量Qcは、定格給炭量で割ることにより無次元化
した。一方、縦軸の振幅δocは、粉砕ローラと粉砕レー
スがメタルタッチする空回転時の振幅δoc*で割ること
により無次元化した。スタンドオフ距離Xsが小さな場
合、中負荷〜低負荷域で振動δocが高まっているが、X
sを大きくした場合には、ほぼ全負荷域において、問題
となるような振動の振幅はみられない。
振動抑制効果について述べる。図28は、A炭種に対し
てスタンドオフ距離Xsを大きくしてエアブロー用ノズ
ルを設定し、振動抑制効果を、無対策時やスタンドオフ
距離Xsを長くした場合とを比較したものである。横軸
の給炭量Qcは、定格給炭量で割ることにより無次元化
した。一方、縦軸の振幅δocは、粉砕ローラと粉砕レー
スがメタルタッチする空回転時の振幅δoc*で割ること
により無次元化した。スタンドオフ距離Xsが小さな場
合、中負荷〜低負荷域で振動δocが高まっているが、X
sを大きくした場合には、ほぼ全負荷域において、問題
となるような振動の振幅はみられない。
【0083】次に、図29は、B炭種を対象として、ス
タンドオフ距離Xsを短くした場合の振動抑制効果であ
る。スタンドオフ距離を長く設定したままでは、給炭量
Qc/Qc*≒0.35の条件で振幅が増大し、自励振
動が発生しているものの、本実施形態にしたがいスタン
ドオフ距離を短くすると、大幅に振幅を低減できること
が分かる。
タンドオフ距離Xsを短くした場合の振動抑制効果であ
る。スタンドオフ距離を長く設定したままでは、給炭量
Qc/Qc*≒0.35の条件で振幅が増大し、自励振
動が発生しているものの、本実施形態にしたがいスタン
ドオフ距離を短くすると、大幅に振幅を低減できること
が分かる。
【0084】以上により、ミルが一定負荷で運用される
際において、エアブロー用ノズルのスタンドオフ距離を
調整することで、炭種が変っても振動を軽減できる効果
が実証された。
際において、エアブロー用ノズルのスタンドオフ距離を
調整することで、炭種が変っても振動を軽減できる効果
が実証された。
【0085】次に、ミル停止過程における振動抑制効果
を、無対策時(エアブロー無しの場合)とを比較する。
図30は、給炭量を減少させる過程に際し、スタンドオ
フ距離Xsを短く設定した場合における振幅δocを調べ
た結果である。振幅δocは、無対策時の減負荷過程にお
ける振幅δoc1 *で割ることにより無次元化した。本実施
形態の実施によって、振幅レベルが1/3近くまで低下
しており、大幅に振動が軽減されていることが分かる。
を、無対策時(エアブロー無しの場合)とを比較する。
図30は、給炭量を減少させる過程に際し、スタンドオ
フ距離Xsを短く設定した場合における振幅δocを調べ
た結果である。振幅δocは、無対策時の減負荷過程にお
ける振幅δoc1 *で割ることにより無次元化した。本実施
形態の実施によって、振幅レベルが1/3近くまで低下
しており、大幅に振動が軽減されていることが分かる。
【0086】次に、図31に、給炭機停止からミル内が
空になりミルが停止するまでの過程に発生する自励振動
に対して、本実施形態を適用した場合の結果である。こ
の条件では、回転テーブル上の残炭も少なく、また粒子
も細かいので、ノズルを離してスタンドオフ距離を長く
設定した。無対策時に比べると、1/5以下にまで振幅
が急減しており、実質的に自励振動は発生しなかったと
見なして良い程度である。
空になりミルが停止するまでの過程に発生する自励振動
に対して、本実施形態を適用した場合の結果である。こ
の条件では、回転テーブル上の残炭も少なく、また粒子
も細かいので、ノズルを離してスタンドオフ距離を長く
設定した。無対策時に比べると、1/5以下にまで振幅
が急減しており、実質的に自励振動は発生しなかったと
見なして良い程度である。
【0087】以上から、本発明の第3の実施形態を実施
することにより、自励振動を封殺する効果のあることが
実証された。
することにより、自励振動を封殺する効果のあることが
実証された。
【0088】以上の説明では、本発明の第3の実施形態
を、図20に示すようにローラやレースの粉砕面の断面
形状が略円弧形であるローラミルに適用した構成例につ
いて述べたが、本実施形態は、他のタイプのローラミル
へ直接適用することが可能である。
を、図20に示すようにローラやレースの粉砕面の断面
形状が略円弧形であるローラミルに適用した構成例につ
いて述べたが、本実施形態は、他のタイプのローラミル
へ直接適用することが可能である。
【0089】図32は、断面形状が台形であるロール2
0を備えるローラミルに対し、本実施形態を適用した構
成例を示すものである。エアブロー用ノズル13は、空
気19により駆動するエアシリンダ18に取り付けら
れ、この側部にエア供給管が接続し、圧縮空気15が供
給されるようになっている。エアブロー用ノズル13と
ノズルヘッド17は、収縮するベローズ16が位置の変
化分を吸収するようになっている。このエアブロー装置
は、全体がプロテクトカバー24に囲われており、石炭
粒子の衝突による損耗を防げるようになっている。この
プロテクトカバー24は消耗品であり、ミルを停止する
定期検査時等に交換する。
0を備えるローラミルに対し、本実施形態を適用した構
成例を示すものである。エアブロー用ノズル13は、空
気19により駆動するエアシリンダ18に取り付けら
れ、この側部にエア供給管が接続し、圧縮空気15が供
給されるようになっている。エアブロー用ノズル13と
ノズルヘッド17は、収縮するベローズ16が位置の変
化分を吸収するようになっている。このエアブロー装置
は、全体がプロテクトカバー24に囲われており、石炭
粒子の衝突による損耗を防げるようになっている。この
プロテクトカバー24は消耗品であり、ミルを停止する
定期検査時等に交換する。
【0090】このローラミルに対する構成例において
も、生じる効果は、先に述べた図20のローラミルに生
まれる効果と同じである。
も、生じる効果は、先に述べた図20のローラミルに生
まれる効果と同じである。
【0091】また、以上の説明では、前記エアブロー装
置のノズルを空気圧駆動装置により位置決めするとした
が、この駆動装置に代えて油圧駆動装置により位置決め
するようにしてもよい。以上説明したように、本発明の
第1の実施形態は、次に示すような構成例、機能並びに
作用を奏するものを含むものである。
置のノズルを空気圧駆動装置により位置決めするとした
が、この駆動装置に代えて油圧駆動装置により位置決め
するようにしてもよい。以上説明したように、本発明の
第1の実施形態は、次に示すような構成例、機能並びに
作用を奏するものを含むものである。
【0092】自励振動が発生した場合、あるいは自励振
動発生の兆候がみられた場合、ミルハウジングと一次空
気ダクトの接続部付近において、熱風である一次空気中
に冷水をアトマイザから噴霧し、熱風を冷却する。これ
により、一次空気の温度を下げて、ミル内を循環する石
炭粒子群の過度の乾燥を防ぎ、適度に湿った状態とし、
回転テーブル上の炭層を安定化させて、自励振動を消滅
させる。
動発生の兆候がみられた場合、ミルハウジングと一次空
気ダクトの接続部付近において、熱風である一次空気中
に冷水をアトマイザから噴霧し、熱風を冷却する。これ
により、一次空気の温度を下げて、ミル内を循環する石
炭粒子群の過度の乾燥を防ぎ、適度に湿った状態とし、
回転テーブル上の炭層を安定化させて、自励振動を消滅
させる。
【0093】他の構成例は、回転テーブルの側部にある
スロートの下部において、一次空気である熱風中に冷水
を噴霧する。このようにして、一次空気の温度を適切に
降下させて、上述の構成例と同様の自励振動抑制効果を
得る。このようにすれば、きわめて応答性良く一次空気
の温度を下げて、自励振動を沈静化することが可能にな
る。
スロートの下部において、一次空気である熱風中に冷水
を噴霧する。このようにして、一次空気の温度を適切に
降下させて、上述の構成例と同様の自励振動抑制効果を
得る。このようにすれば、きわめて応答性良く一次空気
の温度を下げて、自励振動を沈静化することが可能にな
る。
【0094】粉砕原料を冷却する先行技術には、特公平
7−64603号公報に記載された技術がある。この技
術は、加熱したセメントクリンカを水あるいは水・エチ
レングリコールの混合物により冷却するものであり、熱
衝撃によるローラの破壊や、振動を防止するためのもの
である。しかし、冷却はセメントクリンカに直接注水し
て冷却するものであって、熱風の温度を水噴霧により制
御しようとする本実施形態とは基本的に異なるものであ
る。
7−64603号公報に記載された技術がある。この技
術は、加熱したセメントクリンカを水あるいは水・エチ
レングリコールの混合物により冷却するものであり、熱
衝撃によるローラの破壊や、振動を防止するためのもの
である。しかし、冷却はセメントクリンカに直接注水し
て冷却するものであって、熱風の温度を水噴霧により制
御しようとする本実施形態とは基本的に異なるものであ
る。
【0095】そして、熱風である一次空気中に噴霧され
た冷水の噴霧水滴は蒸発し、これにより熱風の温度が迅
速に降下する。これによって、ミル内にある石炭粒子の
過度の乾燥が防止され、回転テーブル上の炭層は安定で
崩れにくくなり、自励振動の発生が防止される。発達し
た自励振動が生じている際中に本実施形態になる手法を
実施すると、自励振動はきわめてすみやかに消滅する。
た冷水の噴霧水滴は蒸発し、これにより熱風の温度が迅
速に降下する。これによって、ミル内にある石炭粒子の
過度の乾燥が防止され、回転テーブル上の炭層は安定で
崩れにくくなり、自励振動の発生が防止される。発達し
た自励振動が生じている際中に本実施形態になる手法を
実施すると、自励振動はきわめてすみやかに消滅する。
【0096】従来からある注水装置は、回転テーブル上
の炭層に直接注水するため、原炭の供給が無くなる給炭
機停止〜ミル停止の期間は、激しい自励振動が生じるタ
イミングであるにもかかわらず、実施することができな
かった。回転テーブル上の炭層が濡れ過ぎると、流動性
が悪くなり、ミル停止後も残炭としてミル内にとどま
り、再起動時に発火トラブルを起こすからである。ま
た、回転テーブルの金属も直接濡れると、水素脆化腐食
を起こす。
の炭層に直接注水するため、原炭の供給が無くなる給炭
機停止〜ミル停止の期間は、激しい自励振動が生じるタ
イミングであるにもかかわらず、実施することができな
かった。回転テーブル上の炭層が濡れ過ぎると、流動性
が悪くなり、ミル停止後も残炭としてミル内にとどま
り、再起動時に発火トラブルを起こすからである。ま
た、回転テーブルの金属も直接濡れると、水素脆化腐食
を起こす。
【0097】これに対して、本実施形態によれば、一次
空気の温度を下げるだけなので、残炭が回転テーブル上
で固まったり、構成する材料が腐食破壊を起こすといっ
たトラブルは全く発生しない。したがって、本発明は、
給炭機停止〜ミル停止の過程へも、直接適用することが
できる。
空気の温度を下げるだけなので、残炭が回転テーブル上
で固まったり、構成する材料が腐食破壊を起こすといっ
たトラブルは全く発生しない。したがって、本発明は、
給炭機停止〜ミル停止の過程へも、直接適用することが
できる。
【0098】また、本発明の第2の実施形態は、次に示
すような構成例、機能並びに作用を奏するものを含むも
のである。
すような構成例、機能並びに作用を奏するものを含むも
のである。
【0099】粉砕ローラのかみ込み部に、上方入口部が
堰体状に開口し、下端出口部が粉砕レース面からは少し
離れてレース面に開口するダクト型あるいは円筒型の上
下両端開口の箱型部材を設置する。粉砕ローラに流入す
る粉層は、この部材の下方部を流れて粉砕ローラにかみ
込まれる。この上下両端開口箱型部材の底部を通過する
原料が粉砕ローラにかみ込まれる原料であり、この原料
の粉層へ向けて、上記した箱型部材の上方から散水す
る。ローラにかみ込まれる粉層のみがほぼ選択的に湿る
ようになるので、最も少量の水でローラの転動が安定化
し、最も効果的に自励振動が消滅する。
堰体状に開口し、下端出口部が粉砕レース面からは少し
離れてレース面に開口するダクト型あるいは円筒型の上
下両端開口の箱型部材を設置する。粉砕ローラに流入す
る粉層は、この部材の下方部を流れて粉砕ローラにかみ
込まれる。この上下両端開口箱型部材の底部を通過する
原料が粉砕ローラにかみ込まれる原料であり、この原料
の粉層へ向けて、上記した箱型部材の上方から散水す
る。ローラにかみ込まれる粉層のみがほぼ選択的に湿る
ようになるので、最も少量の水でローラの転動が安定化
し、最も効果的に自励振動が消滅する。
【0100】本実施形態に係るこの箱型部材の底部を通
過しない粉層は、箱型部材が無い場合には粉砕ローラの
かみ込み部に盛り上がるように堆積し、粉砕ローラにう
まくかみ込まれないばかりか、粉砕ローラの自励振動発
生のきっかけとなる。本実施形態において、箱体の両側
へ流出する「余分」な粉層は、回転テーブルの中央へ戻
されて再び流入したり、あるいは一次空気(熱風)が吹
き込まれるスロートの方へ運ばれ、上方へ搬送されて分
級される。
過しない粉層は、箱型部材が無い場合には粉砕ローラの
かみ込み部に盛り上がるように堆積し、粉砕ローラにう
まくかみ込まれないばかりか、粉砕ローラの自励振動発
生のきっかけとなる。本実施形態において、箱体の両側
へ流出する「余分」な粉層は、回転テーブルの中央へ戻
されて再び流入したり、あるいは一次空気(熱風)が吹
き込まれるスロートの方へ運ばれ、上方へ搬送されて分
級される。
【0101】散水用のノズルは、上記箱体の上部に設け
られているので、粉体とは接触せず、粒子の混入による
閉塞や粒子との接触摩擦による損耗といった問題も生じ
ない。
られているので、粉体とは接触せず、粒子の混入による
閉塞や粒子との接触摩擦による損耗といった問題も生じ
ない。
【0102】上記したような構成を採用すれば、粉砕ロ
ーラのかみ込み部にある炭層の底部、すなわち粉砕レー
ス面近くにあり、自励振動のきっかけになる微粉層の部
分が選択的に湿るようになる。このようにして、微粉層
は湿ることで安定化し、崩れにくくなるために、粉砕ロ
ーラは滑らず、結果的に自励振動は抑制されるようにな
る。
ーラのかみ込み部にある炭層の底部、すなわち粉砕レー
ス面近くにあり、自励振動のきっかけになる微粉層の部
分が選択的に湿るようになる。このようにして、微粉層
は湿ることで安定化し、崩れにくくなるために、粉砕ロ
ーラは滑らず、結果的に自励振動は抑制されるようにな
る。
【0103】また、乾燥している微粉層は粉砕ローラか
らはじかれ易く、通常は粉砕が進まないが、本実施形態
のように、この微粉層を優先的に湿らせるような手法を
用いれば、崩れにくく微粉層は粉砕ローラから強い圧縮
力を受けて粉砕される。すなわち、微粉層を構成する粒
子は、さらに粉砕されて細かくなる。このようにして、
本実施形態を適用すれば、ローラミルの粉砕能力も高ま
る。本実施形態は、粉砕能力の向上と、防振を両立させ
る技術である。
らはじかれ易く、通常は粉砕が進まないが、本実施形態
のように、この微粉層を優先的に湿らせるような手法を
用いれば、崩れにくく微粉層は粉砕ローラから強い圧縮
力を受けて粉砕される。すなわち、微粉層を構成する粒
子は、さらに粉砕されて細かくなる。このようにして、
本実施形態を適用すれば、ローラミルの粉砕能力も高ま
る。本実施形態は、粉砕能力の向上と、防振を両立させ
る技術である。
【0104】また、本発明の第3の実施形態は、次に示
すような構成例、機能並びに作用を奏するものを含むも
のである。
すような構成例、機能並びに作用を奏するものを含むも
のである。
【0105】エアブロー用のノズルを、圧縮空気で駆動
する空気圧シリンダに取り付け、ノズルの先端と空気噴
流の衝突点間のスタンドオフ距離を、自在に変更できる
ようにし、使用炭種やミルの運用条件に応じて、このス
タンドオフ距離を変化させる。エアブロー用ノズルと空
気圧シリンダの接合部は軟体のジャバラ(ベローズ)タ
イプとし、その外周に、外表面に溶射やCVD等で硬質
物質をコーティングした保護スリーブを設ける。このコ
ーティング被膜は、粉砕部における粉層粒子の接触によ
る摩耗を防止するためのものである。
する空気圧シリンダに取り付け、ノズルの先端と空気噴
流の衝突点間のスタンドオフ距離を、自在に変更できる
ようにし、使用炭種やミルの運用条件に応じて、このス
タンドオフ距離を変化させる。エアブロー用ノズルと空
気圧シリンダの接合部は軟体のジャバラ(ベローズ)タ
イプとし、その外周に、外表面に溶射やCVD等で硬質
物質をコーティングした保護スリーブを設ける。このコ
ーティング被膜は、粉砕部における粉層粒子の接触によ
る摩耗を防止するためのものである。
【0106】炭種に応じて、粉砕ローラのかみ込み部に
盛り上る粉層の状態は異なる。例えば、粉砕性の悪い石
炭であれば、粉層は粗く、また盛り上り層も大きい。し
たがって、このような粉層に対してはエアブロー用ノズ
ルを接近させ、エアジェットの集中的なエネルギーを衝
突させて、粉層を崩し、粉層の内部に沈んでいる微粉ま
でも除くようにする。
盛り上る粉層の状態は異なる。例えば、粉砕性の悪い石
炭であれば、粉層は粗く、また盛り上り層も大きい。し
たがって、このような粉層に対してはエアブロー用ノズ
ルを接近させ、エアジェットの集中的なエネルギーを衝
突させて、粉層を崩し、粉層の内部に沈んでいる微粉ま
でも除くようにする。
【0107】一方、粉砕性の良い石炭の場合には、粉砕
ローラのかみ込み部に生じる粉層の粒子は細かく粉層自
体も小さい。このような場合には、ノズルを離してスタ
ンドオフ距離を大きくし、粉層全体に空気噴流のエネル
ギーが分散して及ぶようにする。微小粒子群であれば、
このような空気噴流の衝突であっても舞い上り飛散し、
粉砕ローラのかみ込み部から除去される。
ローラのかみ込み部に生じる粉層の粒子は細かく粉層自
体も小さい。このような場合には、ノズルを離してスタ
ンドオフ距離を大きくし、粉層全体に空気噴流のエネル
ギーが分散して及ぶようにする。微小粒子群であれば、
このような空気噴流の衝突であっても舞い上り飛散し、
粉砕ローラのかみ込み部から除去される。
【0108】ここまでは、石炭種の変化に対応させてス
タンドオフ距離を変化させる手法について述べたが、同
様の手法は給炭量の変化に対しても適用することができ
る。すなわち、給炭量の多い場合にはスタンドオフ距離
を短くしてエアブロー用ノズルを粉砕レース面に近づ
け、一方、給炭量の少ない場合にはエアブロー用ノズル
を炭層から離す。
タンドオフ距離を変化させる手法について述べたが、同
様の手法は給炭量の変化に対しても適用することができ
る。すなわち、給炭量の多い場合にはスタンドオフ距離
を短くしてエアブロー用ノズルを粉砕レース面に近づ
け、一方、給炭量の少ない場合にはエアブロー用ノズル
を炭層から離す。
【0109】本実施形態においては、ノズルから空気噴
流を噴出させたままノズルを動かして、スタンドオフ距
離を調整できるようにする。このようにすれば、例えば
ある炭種で防振効果が乏しかった場合、ノズルのスタン
ドオフ距離を動かして調整し、最適な条件を迅速に見出
すことも可能である。
流を噴出させたままノズルを動かして、スタンドオフ距
離を調整できるようにする。このようにすれば、例えば
ある炭種で防振効果が乏しかった場合、ノズルのスタン
ドオフ距離を動かして調整し、最適な条件を迅速に見出
すことも可能である。
【0110】上記した本実施形態に係る手法と同様の作
用は、ノズルを固定したままでも空気流量を増加又は減
少させることによっても実現できる。すなわち、ノズル
を近づけることは、空気流量を増やすことによっても衝
突速度が上昇することに相当する。しかしながら、エア
ブロー用の空気流量を増やすことは、バーナ部における
微粉炭濃度を下げ、また微粉炭の流速を上げることにな
るので、火炎の安定保持やNOx低減の観点からは好ま
しいとはいえない。これが本実施形態に係る「ノズルの
スタンドオフ距離変化」を採用する理由である。
用は、ノズルを固定したままでも空気流量を増加又は減
少させることによっても実現できる。すなわち、ノズル
を近づけることは、空気流量を増やすことによっても衝
突速度が上昇することに相当する。しかしながら、エア
ブロー用の空気流量を増やすことは、バーナ部における
微粉炭濃度を下げ、また微粉炭の流速を上げることにな
るので、火炎の安定保持やNOx低減の観点からは好ま
しいとはいえない。これが本実施形態に係る「ノズルの
スタンドオフ距離変化」を採用する理由である。
【0111】同じノズルから同一条件で空気噴流を噴出
する場合、スタンドオフ距離が異なれば、噴流の衝突状
態、言い換えれば噴流の衝突によって生じる粉層の挙動
も大きく異なってくる。
する場合、スタンドオフ距離が異なれば、噴流の衝突状
態、言い換えれば噴流の衝突によって生じる粉層の挙動
も大きく異なってくる。
【0112】ノズルを近づければ、噴流が拡散しない状
態で衝突するために、エネルギーが集中した噴流が粉層
に衝突する。粉層は深くえぐられるように変形するが、
この粉層中に粗い粒子が多い場合、エネルギー集中型の
噴流衝突が効果的である。粗い粒子が強制的に除去され
るために、粗い粉層の内部に深く沈んでいてローラの自
励振動発生のきっかけになっている微小粒子をうまく除
去できるようになる。微小粒子が取り除かれれば、粉砕
ローラのかみ込み部における粉層の容量は小さく粒子は
粗くなって、結果的に自励振動は消滅する。
態で衝突するために、エネルギーが集中した噴流が粉層
に衝突する。粉層は深くえぐられるように変形するが、
この粉層中に粗い粒子が多い場合、エネルギー集中型の
噴流衝突が効果的である。粗い粒子が強制的に除去され
るために、粗い粉層の内部に深く沈んでいてローラの自
励振動発生のきっかけになっている微小粒子をうまく除
去できるようになる。微小粒子が取り除かれれば、粉砕
ローラのかみ込み部における粉層の容量は小さく粒子は
粗くなって、結果的に自励振動は消滅する。
【0113】一方、粉砕ローラのかみ込み部に生じる粉
層が細かな場合、上記したようにノズルを近づけても
(スタンドオフ距離を短くしても)、粉層に小さな穴が
掘られるのみであり、自励振動防止に対してはあまり有
効ではない。
層が細かな場合、上記したようにノズルを近づけても
(スタンドオフ距離を短くしても)、粉層に小さな穴が
掘られるのみであり、自励振動防止に対してはあまり有
効ではない。
【0114】このような細かな粉層に対しては、ノズル
を離して(スタンドオフ距離を長くして)、広い領域に
対して噴流の衝突エネルギーが分散するようにする。こ
の挙動は、細かな粒子は噴流の衝突速度が小さくても除
去されるということにより説明できる。このようにし
て、自励振動発生のきっかけとなる微小な粒子は粉層か
ら除去される。以上のような、ノズルを離してエネルギ
ー分散型の衝突噴流を用いる方法は、先に述べた粗い粉
層に対してはあまり有効に作用しない。
を離して(スタンドオフ距離を長くして)、広い領域に
対して噴流の衝突エネルギーが分散するようにする。こ
の挙動は、細かな粒子は噴流の衝突速度が小さくても除
去されるということにより説明できる。このようにし
て、自励振動発生のきっかけとなる微小な粒子は粉層か
ら除去される。以上のような、ノズルを離してエネルギ
ー分散型の衝突噴流を用いる方法は、先に述べた粗い粉
層に対してはあまり有効に作用しない。
【0115】スタンドオフ距離を短くしてノズルを粉層
に近づける場合、ノズルは粉砕部における炭層に長時間
接触するようになる。このような衝突において、ノズル
を保護して耐久性を増すために、ノズルの外周には、耐
摩耗用の保護スリーブ(短い管体)を設けている。この
スリーブの外面には、溶射やCVD法により、硬質物を
成膜しているので、耐久性が著しく高まる。
に近づける場合、ノズルは粉砕部における炭層に長時間
接触するようになる。このような衝突において、ノズル
を保護して耐久性を増すために、ノズルの外周には、耐
摩耗用の保護スリーブ(短い管体)を設けている。この
スリーブの外面には、溶射やCVD法により、硬質物を
成膜しているので、耐久性が著しく高まる。
【0116】
【発明の効果】本発明の第1の実施形態によれば、次の
ような効果を奏することができる。 (1)ミル内の気流温度がきわめて応答性良く変化す
る。したがって、振動発生時において迅速に振動を消滅
させることができる。自励振動消滅までの応答時間は、
従来技術になる一次空気温度低下時に比べて、1/10
以下にすることができる。
ような効果を奏することができる。 (1)ミル内の気流温度がきわめて応答性良く変化す
る。したがって、振動発生時において迅速に振動を消滅
させることができる。自励振動消滅までの応答時間は、
従来技術になる一次空気温度低下時に比べて、1/10
以下にすることができる。
【0117】(2)少量の熱風(一次空気)内注水によ
り、自励振動を確実に軽減することができる。
り、自励振動を確実に軽減することができる。
【0118】(3)粉層に直接注水する方法に比べる
と、粉砕ローラの転動軌道を安定に保つことができる。
したがって、油圧機器等の荷重系・減速機・電動機(モ
ータ)等の軸駆動系に悪影響を与えない。
と、粉砕ローラの転動軌道を安定に保つことができる。
したがって、油圧機器等の荷重系・減速機・電動機(モ
ータ)等の軸駆動系に悪影響を与えない。
【0119】(4)同じ注水であっても粉砕部への注水
は給炭機停止後に実施できないが、本発明によれば、給
炭機停止後からミル停止まで続けることができる。した
がって、ミル停止操作の全運用域で自励振動を抑制でき
る。
は給炭機停止後に実施できないが、本発明によれば、給
炭機停止後からミル停止まで続けることができる。した
がって、ミル停止操作の全運用域で自励振動を抑制でき
る。
【0120】(5)低負荷あるいは高負荷の定常運用時
において、及びミル停止過程のどのような運用条件下に
おいても、自励振動を起こすことなく、ミルを安定に操
業できるようになる。
において、及びミル停止過程のどのような運用条件下に
おいても、自励振動を起こすことなく、ミルを安定に操
業できるようになる。
【0121】(6)分級機回転数や荷重油圧の減少とい
った粉砕能力を抑制するような運用上の制限が撤廃され
る。これによって、ミルの粉砕能力は向上し、ミル出口
における製品微粉炭の粒度が細かくなり、また、エアス
ロートからの落下炭量が減少する。
った粉砕能力を抑制するような運用上の制限が撤廃され
る。これによって、ミルの粉砕能力は向上し、ミル出口
における製品微粉炭の粒度が細かくなり、また、エアス
ロートからの落下炭量が減少する。
【0122】(7)振動を起こし易い石炭でも静粛な安
定運用が可能になるし、燃料比の高い比較的難燃性の石
炭については微細粒度にすることが可能なので、使用石
炭種の幅が拡大する。
定運用が可能になるし、燃料比の高い比較的難燃性の石
炭については微細粒度にすることが可能なので、使用石
炭種の幅が拡大する。
【0123】(8)上記(2)とも関連し、燃焼特性が
向上するので、排ガス中の窒素酸化物(NOx)や灰中
未燃分が減少する。したがって、脱硝装置におけるアン
モニア使用量を減らすことができる。
向上するので、排ガス中の窒素酸化物(NOx)や灰中
未燃分が減少する。したがって、脱硝装置におけるアン
モニア使用量を減らすことができる。
【0124】(9)自励振動を防止できることで、ミル
自体や周辺機の信頼性が向上する。
自体や周辺機の信頼性が向上する。
【0125】(10)ミルの炭層上に散水する場合に比
べて、飛散粒子によるノズル閉塞の問題が無い。
べて、飛散粒子によるノズル閉塞の問題が無い。
【0126】また、本発明の第2の実施形態によれば、
次のような効果を奏することができる。 (1)確実に自励振動を抑制できる。
次のような効果を奏することができる。 (1)確実に自励振動を抑制できる。
【0127】(2)自励振動に注水する際、きわめて応
答よく振動が消滅する。これは、かみ込み部の粉層の底
部微粉層に注水するためである。振動消滅までの応答時
間は、粉層の上部から散水する方法に比べるとおよそ2
/3である。
答よく振動が消滅する。これは、かみ込み部の粉層の底
部微粉層に注水するためである。振動消滅までの応答時
間は、粉層の上部から散水する方法に比べるとおよそ2
/3である。
【0128】(3)上記(2)とも関連するが、微粉層
でもかみ込みが進み、微粉粒度も向上する。
でもかみ込みが進み、微粉粒度も向上する。
【0129】(4)少量の水で、振動抑制効果を出すこ
とができる。粉層の上方から散水する方法に比べると、
1/2〜1/3の水量まで減らすことができる。
とができる。粉層の上方から散水する方法に比べると、
1/2〜1/3の水量まで減らすことができる。
【0130】(5)注水開始時あるいは注水停止直後で
も、粉砕ローラの転動軌道が安定に保たれる。したがっ
て、油圧機器等の荷重系・減速機・電動機(モータ)等
の軸駆動系に悪影響を与えない。
も、粉砕ローラの転動軌道が安定に保たれる。したがっ
て、油圧機器等の荷重系・減速機・電動機(モータ)等
の軸駆動系に悪影響を与えない。
【0131】(6)低負荷運用時あるいは高負荷の定常
運用時において、及びミル停止過程のどのような運用条
件下においても、自励振動を起こすことなく、ミルを安
定に操業できるようになる。
運用時において、及びミル停止過程のどのような運用条
件下においても、自励振動を起こすことなく、ミルを安
定に操業できるようになる。
【0132】(7)分級機回転数や荷重油圧の減少とい
った粉砕能力を抑制するような運用上の制限が撤廃され
る。これによって、ミルの粉砕能力は向上し、ミル出口
における製品微粉炭の粒度が細かくなり、また、エアス
ロートからの落下炭量が減少する。
った粉砕能力を抑制するような運用上の制限が撤廃され
る。これによって、ミルの粉砕能力は向上し、ミル出口
における製品微粉炭の粒度が細かくなり、また、エアス
ロートからの落下炭量が減少する。
【0133】(8)振動を起こし易い石炭でも静粛な運
用が可能になるし、燃焼比の高い比較的難燃性の石炭に
ついて微細な粒度にすることが可能なので、使用石炭種
の幅が拡大する。
用が可能になるし、燃焼比の高い比較的難燃性の石炭に
ついて微細な粒度にすることが可能なので、使用石炭種
の幅が拡大する。
【0134】(9)上記効果(2)とも関連し、燃焼特
性が向上するので、排ガス中の窒素酸化物(NOx)や
灰中未燃分が減少する。したがって、脱硝装置における
アンモニア使用量を減らすことができる。
性が向上するので、排ガス中の窒素酸化物(NOx)や
灰中未燃分が減少する。したがって、脱硝装置における
アンモニア使用量を減らすことができる。
【0135】(10)自励振動を防止できることで、ミ
ル自体や周辺機の信頼性が向上する。
ル自体や周辺機の信頼性が向上する。
【0136】(11)ミル内の粉砕部にたまる残炭を効
果的に除去できるので、ミル停止後においてミル内石炭
の自然発火や爆発といったトラブルを確実に防ぐことが
できる。
果的に除去できるので、ミル停止後においてミル内石炭
の自然発火や爆発といったトラブルを確実に防ぐことが
できる。
【0137】また、本発明の第3の実施形態によれば、
次のような効果を奏することができる。 (1)粉砕性、流動性や水分の異なる数多くの石炭種利
用に対して、エアブローにより確実に自励振動を抑制で
きる。
次のような効果を奏することができる。 (1)粉砕性、流動性や水分の異なる数多くの石炭種利
用に対して、エアブローにより確実に自励振動を抑制で
きる。
【0138】(2)従来技術に比べておよそ3/4の少
量のエアブロー用空気で、自励振動を確実に軽減するこ
とができる。
量のエアブロー用空気で、自励振動を確実に軽減するこ
とができる。
【0139】(3)エアブロー時あるいはエアブロー直
後でも、粉砕ローラの転動挙動が安定に保たれる。した
がって、油圧機器等の荷重系・減速機・電動機(モー
タ)等の軸駆動系に悪影響を与えない。
後でも、粉砕ローラの転動挙動が安定に保たれる。した
がって、油圧機器等の荷重系・減速機・電動機(モー
タ)等の軸駆動系に悪影響を与えない。
【0140】(4)ローラのかみ込み部における分級
(微粉の除去)が良好に行われるので、ミル出口におけ
る微粉の粒度が細かくなる。
(微粉の除去)が良好に行われるので、ミル出口におけ
る微粉の粒度が細かくなる。
【0141】(5)低負荷あるいは高負荷の定常運用時
において、及びミル停止過程のどのような条件下におい
ても、自励振動を起こすことなく、ミルを安定に操業で
きるようになる。
において、及びミル停止過程のどのような条件下におい
ても、自励振動を起こすことなく、ミルを安定に操業で
きるようになる。
【0142】(6)分級機回転数や荷重油圧の減少とい
った粉砕能力を抑制するような運用上の制限が撤廃され
る。これによって、ミルの粉砕能力は向上し、ミル出口
における製品微粉炭の粒度が細かくなり、また、エアス
ロートからの落下炭種が減少する。
った粉砕能力を抑制するような運用上の制限が撤廃され
る。これによって、ミルの粉砕能力は向上し、ミル出口
における製品微粉炭の粒度が細かくなり、また、エアス
ロートからの落下炭種が減少する。
【0143】(7)振動を起こし易い石炭でも静粛な運
用が可能になるし、燃料比の高い比較的難燃性の石炭に
ついては、微細粒度にすることが可能なので、使用石炭
種の幅が拡大する。
用が可能になるし、燃料比の高い比較的難燃性の石炭に
ついては、微細粒度にすることが可能なので、使用石炭
種の幅が拡大する。
【0144】(8)上記効果2)とも関連し、燃焼特性
が向上するので、排ガス中の窒素酸化物(NOx)や灰
中未燃分が減少する。したがって、脱硝装置におけるア
ンモニア使用量を減らすことができる。
が向上するので、排ガス中の窒素酸化物(NOx)や灰
中未燃分が減少する。したがって、脱硝装置におけるア
ンモニア使用量を減らすことができる。
【0145】(9)自励振動を防止できることで、ミル
自体や周辺機の信頼性が向上する。
自体や周辺機の信頼性が向上する。
【0146】(10)ミル内の粉砕部にたまる残炭を効
果的に除去できるので、ミル停止後において、ミル内石
炭の自然発火や爆発といったトラブルを確実に防ぐこと
ができる。
果的に除去できるので、ミル停止後において、ミル内石
炭の自然発火や爆発といったトラブルを確実に防ぐこと
ができる。
【図1】本発明の第1の実施形態に係る水噴射装置を搭
載したローラミルの構造を示す図である。
載したローラミルの構造を示す図である。
【図2】第1の実施形態での、一次空気に水を噴射する
具体的構造を示す図である。
具体的構造を示す図である。
【図3】水噴射の他の具体的構造を示す図である。
【図4】水噴射ノズルである圧力式アトマイザの構造
と、水膜並びに噴霧流の関係を示す図である。
と、水膜並びに噴霧流の関係を示す図である。
【図5】熱風で一次空気中に噴霧状に散水した本実施形
態と、無対策の場合とにおける振動レベルを比較したも
のである。
態と、無対策の場合とにおける振動レベルを比較したも
のである。
【図6】ミルの全給炭負荷帯における振動抑制効果につ
いて、第1の実施形態と無対策時とを比較した図であ
る。
いて、第1の実施形態と無対策時とを比較した図であ
る。
【図7】自励振動の消滅時間について、第1の実施形態
と従来技術とを比較した図である。
と従来技術とを比較した図である。
【図8】ミルの減負荷過程における振動振幅について、
第1の実施形態と無対策時とを比較した図である。
第1の実施形態と無対策時とを比較した図である。
【図9】給炭機停止後における振動振幅について、第1
の実施形態と無対策時とを比較した図である。
の実施形態と無対策時とを比較した図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る水噴霧装置を
備えたローラミルの構造を示す図である。
備えたローラミルの構造を示す図である。
【図11】筒状体を用いて水噴霧を行う構造を示した図
である。
である。
【図12】円錐体を用いて水噴霧を行う構造を示した図
である。
である。
【図13】図13を上から見た構造図である。
【図14】粉砕部における粉層の挙動を模式的に表した
図である。
図である。
【図15】炭層の内部摩擦角と水分の関係を表した図で
ある。
ある。
【図16】ミルの全給炭負荷帯における振動抑制効果に
ついて、第2の実施形態と無対策時とを比較した図であ
る。
ついて、第2の実施形態と無対策時とを比較した図であ
る。
【図17】ミル停止過程の振動振幅の観点において、第
2の実施形態での注水の場合と従来技術での注水の場合
と無対策時とを比較した図である。
2の実施形態での注水の場合と従来技術での注水の場合
と無対策時とを比較した図である。
【図18】注水量の観点において、第2の実施形態での
注水の場合と従来技術での注水の場合とを比較した図で
ある。
注水の場合と従来技術での注水の場合とを比較した図で
ある。
【図19】第2の実施形態に係る注水装置の他の構成例
を示す図である。
を示す図である。
【図20】本発明の第3の実施形態に係るエアブロー装
置を備えたローラミルの構造を示す図である。
置を備えたローラミルの構造を示す図である。
【図21】エアブロー用ノズルのスタンドオフ距離を短
くした場合の構造図である。
くした場合の構造図である。
【図22】エアブロー用ノズルのスタンドオフ距離を長
くした場合の構造図である。
くした場合の構造図である。
【図23】エアブロー用ノズルを駆動するための構造図
である。
である。
【図24】粉砕ローラが自励振動を始める条件が揃った
状態の粉層の模式図である。
状態の粉層の模式図である。
【図25】粉砕ローラの上下方向振動の挙動を模式的に
示した図である。
示した図である。
【図26】スタンドオフ距離を長くした場合における空
気噴流時の粉層の挙動を描いた図である。
気噴流時の粉層の挙動を描いた図である。
【図27】スタンドオフ距離を短くした場合における空
気噴流時の粉層の挙動を描いた図である。
気噴流時の粉層の挙動を描いた図である。
【図28】A炭種における振動抑制効果について、第3
の実施形態のスタンドオフ距離を長くした場合と、無対
策時並びにスタンドオフ距離が短い場合と、を比較した
図である。
の実施形態のスタンドオフ距離を長くした場合と、無対
策時並びにスタンドオフ距離が短い場合と、を比較した
図である。
【図29】B炭種における振動抑制効果について、第3
の実施形態のスタンドオフ距離を短くした場合と、無対
策時並びにスタンドオフ距離が長い場合と、を比較した
図である。
の実施形態のスタンドオフ距離を短くした場合と、無対
策時並びにスタンドオフ距離が長い場合と、を比較した
図である。
【図30】ミルの減負荷過程における振動振幅につい
て、第3の実施形態と無対策時とを比較した図である。
て、第3の実施形態と無対策時とを比較した図である。
【図31】給炭機停止後における振動振幅について、第
3の実施形態と無対策時とを比較した図である。
3の実施形態と無対策時とを比較した図である。
【図32】台形の断面形状であるロールを備えたローラ
ミルに第3の実施形態を採用した図である。
ミルに第3の実施形態を採用した図である。
【図33】ローラミルにおける従来の基本的構造を示す
図である。
図である。
【図34】従来技術における粉砕ローラの横滑りを表す
図である。
図である。
【図35】従来技術における粉砕ローラの上下振動を表
す図である。
す図である。
【図36】回転テーブル上に注水して振動を抑制する従
来技術を示す図である。
来技術を示す図である。
【図37】給炭機に水噴霧を行う従来技術を示す図であ
る。
る。
【図38】原料供給管に水噴霧を行う従来技術を示す図
である。
である。
【図39】従来技術である二流体式アトマイザを示す図
である。
である。
【図40】自励振動の発生の態様を示す図である。
1 粉砕原料(図1〜図3) 2 原料供給管(センターシュート)(図1〜図3) 3 回転テーブル(図1〜図3) 4 原料粉層(図1〜図3) 5 粉砕ローラ(図1〜図3) 6 熱風(一次空気)(図1〜図3) 7 ハウジング(図1〜図3) 8 回転分級機(図1〜図3) 9 スロートベーン(図1〜図3) 11 水(図1〜図3) 17 噴霧流(図1〜図3) 18 粉砕リング(図1〜図3) 19 粉砕レース(図1〜図3) 32 注水ヘッダ(図1〜図3) 38 ノズル(図1〜図3)
フロントページの続き (72)発明者 廻 信康 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 金本 浩明 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 村上 英治 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 三井 秀雄 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 佐古田 光太郎 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 長谷川 忠 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 大野 幸紀 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 4D063 EE03 EE12 EE21 GA05 GA06 GA07 GA08 GC19 GC21 GC32 GD01 GD11 GD22 GD24
Claims (15)
- 【請求項1】 複数の粉砕ローラと、前記粉砕ローラに
対向する粉砕レースを円周方向に設けた回転テーブル
と、を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕し、被粉砕物
の乾燥及び搬送に熱風を用いるローラミルであって、 前記熱風の供給流路に水供給系路と水噴霧用ノズルを設
け、前記熱風中に噴霧状に散水することを特徴とするロ
ーラミル。 - 【請求項2】 請求項1に記載のローラミルにおいて、 前記熱風を、前記回転テーブルの外周近傍に設けられた
スロートベーンを通して前記回転テーブル外周から吹き
上がらせ、 前記スロートベーンの間隙部に前記水噴霧用ノズルを設
けることを特徴とするローラミル。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のローラミルにお
いて、 前記水噴霧用ノズルが圧力噴射式であることを特徴とす
るローラミル。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載のローラミルにお
いて、 前記水噴霧用ノズルが気流の作用で水を微粒化する二流
体式であることを特徴とするローラミル。 - 【請求項5】 請求項1又は2に記載のローラミルにお
いて、 固体燃料又は固体原料の供給量減少指令時から給炭機停
止までの減負荷過程の期間、及び給炭機停止からミル停
止までの期間に亘って、前記ノズルから水噴射すること
を特徴とするローラミル。 - 【請求項6】 複数の粉砕ローラと、前記粉砕ローラに
対向する粉砕レースを円周方向に設けた回転テーブル
と、を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕するローラミ
ルであって、 下端を開口させた筒状又は円錐状又は箱状の空洞体を、
その下端を前記粉砕レースの間で隙間を設けて、前記粉
砕ローラのかみ込み部に設置し、 前記空洞体の上部にノズルを設けて下方へ水を噴霧し、
前記空洞体の下方を通過する前記固体燃料又は固体原料
の粉層を湿らせることを特徴とするローラミル。 - 【請求項7】 請求項6に記載のローラミルにおいて、 前記ノズルの位置を粉砕ローラの回転中心より下方のレ
ベルに設定することを特徴とするローラミル。 - 【請求項8】 請求項6に記載のローラミルにおいて、 前記空洞体の下端開口の直径を、粉砕ローラの幅よりも
小さくすることを特徴とするローラミル。 - 【請求項9】 請求項6に記載のローラミルにおいて、 前記空洞体の下方開口端と前記粉砕レースの間の距離を
80mm以上200mm以下の範囲に設定することを特
徴とするローラミル。 - 【請求項10】 請求項6に記載のローラミルにおい
て、 前記円錐状空洞体における両振りひろがり角度を、7°
以上40°以下の範囲で設定することを特徴とするロー
ラミル。 - 【請求項11】 複数の粉砕ローラと、前記粉砕ローラ
に対向する粉砕レースを円周方向に設けた回転テーブル
と、を備えて固体燃料又は固体原料を粉砕するローラミ
ルであって、 前記回転テーブル上の前記粉砕ローラのかみ込み側にお
ける前記固体燃料又は固体原料の粉層に対して空気噴流
を吹き付けるエアブロー装置を備え、 前記固体燃料又は固体原料の供給量を含むローラミルの
運転条件、前記粉層の盛り上がり状態、又は前記粉層の
粉砕性を含む粉層性状、にそれぞれ対応して、前記エア
ブロー装置のノズルの出口端と前記粉砕レース面との間
の距離を可変にすることを特徴とするローラミル。 - 【請求項12】 請求項11に記載のローラミルにおい
て、 前記エアブロー装置のノズルを空気圧駆動装置又は油圧
駆動装置により位置決めすることを特徴とするローラミ
ル。 - 【請求項13】 請求項11又は12に記載のローラミ
ルにおいて、 前記ノズルの出口端と前記粉砕レース面との間の距離
を、最短50mmから最長700mmの範囲内で可変に
することを特徴とするローラミル。 - 【請求項14】 請求項11に記載のローラミルにおい
て、 前記粉砕性に対応して、難粉砕性の場合には前記ノズル
出口端を前記粉砕レース面へ近づけ、良粉砕性の場合に
は前記ノズル出口端を前記粉砕レース面から遠ざけるこ
とを特徴とするローラミル。 - 【請求項15】 請求項11に記載のローラミルにおい
て、 前記供給量に対応して、前記供給量が多い場合には前記
ノズル出口端を前記粉砕レース面へ近づけ、前記供給量
が少ない場合には前記ノズル出口端を前記粉砕レース面
から遠ざけることを特徴とするローラミル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10317532A JP2000140663A (ja) | 1998-11-09 | 1998-11-09 | ローラミル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10317532A JP2000140663A (ja) | 1998-11-09 | 1998-11-09 | ローラミル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000140663A true JP2000140663A (ja) | 2000-05-23 |
Family
ID=18089312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10317532A Pending JP2000140663A (ja) | 1998-11-09 | 1998-11-09 | ローラミル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000140663A (ja) |
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-
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