ロックンロールの衝動を高音質HQDファイルでお送りします!
日本語詞によるロックロールの可能性を追求する。彼らの高音質ライブ音源を発売。録音からミックス、マスタリングまでをオトトイで行い、24bit/48KHzのHQD音源で送るこのライブ・アルバムは、2009年12月26日に新代田feverにて行われた"ロックンロールアニマルツアー"ファイナル・ワンマンの模様を鮮明に記録。会場の熱気と息づかい、そしてロックンロールの衝動までも収録したのツアー・ファイナル・ワンマン・ライヴを、高音質のHQDファイルでどうぞ!
タイトル : 大ワンマン2009〜2009.12.26@新代田FEVER
アーティスト : マーガレットズロース
vocal、guitar : 平井正也
bass、chorus : 岡野大輔drums、chorus : 粕谷裕一
recorded by 高橋健太郎、溝口紘美
mixed by 高橋健太郎
<トラックリスト>
1. 遊びの王様
2. オクターブ上で
3. こんなふうにやってます
4. べいびー
5. 斜陽
6. あたらしい絵
7. 世界は変わる
8. 眠り男
9. 東京
10. マジックバス
11. たんたんたん
12. マーガレットズロースのロックンロール
"ロックンロールアニマルツアー"ファイナル・ワンマン 2009.12.26@新代田FEVER
日本語って、こんなにも強く美しく聴こえるのか。マーガレットズロースのライヴを初めて見た時にそう思った。風景をあるままに、感情をそのままに、何も加えず何も削らず、全てをそのままに歌うだけでこんなに優しい歌が生まれるのかと驚いた。
2009年の彼らのライヴ納めは12月26日新代田FEVERにて、「ロックンロールアニマルツアー」のファイナル、久しぶりのワンマン・ライヴだった。ライヴ前の独特の高揚感がフロア内に充満し、一曲目の一音目でそれがはじけ飛ぶ。彼らの無邪気さが全面に出たロックンロール・ナンバー「遊びの王様」だ。「楽しんでやる事で間違いなんてある訳ないだろ」その通り! この夜を最強に楽しもう。その勢いに続き「オクターブ上で」「こんな風にやっています」と明るい曲調に真っすぐな歌詞が乗ったマガズロらしい曲が続く。こういう曲が嘘くさく聴こえないのは、平井正也の声に切実さや素直さがしっかりと含まれているからだろう。
「今日は色んな面白い事が世界中である中で、今夜ここである事が一番面白いと思って来てくれて、本当にありがとう」
最初のMCで平井が息を切らせながら言う。ああ、今日は彼らにとってものすごく特別な日なんだ。しかし、あれ? 彼らのライヴを見る度に同じ事を思っている気がするぞ? いや、ここに嘘は無い。彼らにとっては、全てのライヴが毎回大切なのだろう。けれどやはり、ツアーの最終日で久々のワンマンであるこの日は、彼らにとって、特別感極まるものがあったと思う。次に続く二曲中ずっと総立ちしていた私の鳥肌がそれを語っていた。
マガズロ史上最強に甘いラヴ・ソング「べいびー」。この曲を初めて聴いた時、街で見かける恋人達の、彼女を見る彼の果てしなく優しい目の理由がわかった気がした。しっとりと重みのある優しさに満ちた空間が完成した中で、次に「斜陽」の演奏が始まる。弱くて強く、温かく切ない。まさに斜陽を見ている時の様に、昔を懐かしみ、今を考え、先を祈る気持ちが一気に胸にこみ上げてくる名曲だ。この曲を聴く度に音に温度がある事を確認する。
その感情的な空気をひきずったまま純粋さが突き刺さる様な「あたらしい絵」が続き、さっきまで三曲からガラっと変わり明るい曲調の「空飛ぶ円盤」「夜空」の二曲が続いた。そして彼らのイベント・タイトルにもなっている「世界は変わる」が始まる。愛や平和のためではなく目の前にいる大切な人のために、ロックンロールで世界を変えたい。大きくてぼんやりとしたものよりも、近くにある確かなものの為に彼らは奏でる。マーガレットズロースを語る上では欠かせない曲だろう。
そして、上京を経験している者としてはたまらない「東京」「マジックバス」の流れが続いた。「東京」の眩しさや虚しさではなく、この街に寄り添って生きる風景を歌った曲だ。「今日という日は特別な日では無くても、忘れちゃうと特別な気がするのかな」このあっけなさが、生活をより一層美しく愛おしく思わせる。そして、「マジックバス」は夜行バスという移動中の切なさを、感情を入れずに行動を描写する事で引き出している。夜行バスは乗る人の数だけストーリーを詰め込んで、東京とどこかの街を往復し続けている。そう思わせるセンチメンタルな曲。
最後は「たんたんたん」「ロックンロールをよろしく」と、またアップ・テンポな曲に戻る。色々しんみりしちゃったけど、最後は笑って終わろうというのか!? という訳ではない。残念ながら今回は収録されなかったけれど、「ロックンロールをよろしく」の後の二回目のアンコールで、彼らは中島みゆきの「ファイト! 」を三人でボーカルを回しながら歌った。この曲を歌う彼らの静かにこみ上げてくる迫力が忘れられない。そんな歌詞だったのかと、そういう事を彼女はあの時伝えようとしていたのかと、その時初めて知った。言葉は声に出して初めて力を持つ。マーガレットズロースのライヴへ行くとそう思わずにはいられない。だからどうか、彼らの音源だけで満足しないで欲しい。彼らのライヴを体験して、それで世界は変わらなくとも、あなたの世界は変わるかもしれないのだから。(text by 水嶋美和)
マーガレットズロース PROFILE
結成以来、日本語ロックの王道を歩んできた3ピース・ロック・バンド。2000年より順調に4枚のアルバムをリリースした後、2006年4月には自主レーベル・オッフォン・レコードを設立し、5thアルバム「DODODO」をリリースする。「DODODO」のレコ発ツアーでは10ヶ所のワンマン・ライブを含む全国ツアーも敢行し各地で大反響を得るなど、ライブ・バンドとしての評価も高い。早川義夫、遠藤賢司、友部正人、バンバンバザール、知久寿焼ら、自らリスペクトするミュージシャンとの共演を重ね、幅広いジャンルの客層から支持を受けている。
平井正也(ボーカル、ギター)
岡野大輔(ベース、コーラス)
粕谷裕一(ドラム、コーラス)
マーガレットズロース Discography
雛菊とみつばち
それまで5年間活動した曲目のベストともいえる。ライナー・ノートは渡辺勝。プロデューサー原の手腕により、公園や荒川土手で録音するという前例のない手法を採用し、粗削りだがこの1stアルバムをベスト・アルバムに挙げる人も多い。
DODODO
今までの一発録音とは違い、ダブ・アレンジやホーン・セクションなどを重ねたりする他、平井以外に岡野と粕谷がそれぞれ作曲しボーカルも務めた意欲作。
ぼーっとして夕暮れ
「DODODO」の実験をさらに押進めマーガレットズロースの音を完成させた傑作ミニ・アルバム。高田渡「自転車にのって」のカバーでマーガレットズロース的レゲエ・ミュージックを確立したといえる。本作でダブやレゲエに満足したマーガレットズロースはロックンロールに向かっている。
マーガレットズロースのロックンロール
「クラッシュってきっとこんなバンドだったんじゃないかな」
マーガレットズロースのロックンロールをライブで聴いた峯田和伸(銀杏ボーイズ)は興奮交じりにそういった。マーガレットズロースが今回たどり着いたのはなんでもないロックンロール。余分な音を省きジャンルにとらわれることのない、ただ衝動的なロックンロールが詰まったアルバム。オトトイではアルバム購入者に、未発表弾き語り音源「東京」をプレゼント!