ヘリコプターとは、
- ローターと呼ばれる翼を回転させて飛ぶ航空機で、回転翼機の一種である。
ヘリコプター(英:Helicopter)、略称はヘリ(heli)、ヘリコ(helico)。 - ゲーム「GUITARFREAKS10thMIX&drummania9thMIX」の楽曲名
本稿では1.について解説する。
概要
名称は古典ギリシャ語の ἕλιξ(helix 「螺旋状の」) と πτερόν (pteron 「翼」)を組み合わせたもの。英語圏ではヘリやヘリコの他にもチョッパー(chopper 「鉈を振り回す者」)やヘロー(helo)、コプター(copter)、(ウィーリー)バード((whirly)bird 「(翼をぐるぐる回す)飛行体」などと呼ぶこともある。
竹トンボ宜しく「翼を回転させて空気の流れを作りだし、揚力を得る」というのがヘリコプターが空を飛ぶ基本的な原理である。つまり普通の飛行機と同じ原理。勘違いされやすいのだが、扇風機のように空気を下に噴出する反作用で飛んでいるわけではない(もちろん多少の寄与はあるだろうが)。
風が弱い日に凧揚げをする時、凧糸を持って走った経験はないだろうか。
ヘリコプターの場合は翼を回転させることで、風がなくとも凧と同じように翼に空気を受けて飛んでいけるわけである。
上でぐるぐる回っているプロペラは「ローター」「回転翼」と呼ばれる。
安定して飛行できる形になったのは1930年のナチス・ドイツだが、現代の基本形であるテールローターのある形は1939年。ロシアから米国に亡命したシコルスキーさんが発明した。(現在は航空機メーカーの名前となっている)
特性
操縦の基本は飛行機と同じで、翼の角度や形状、回転数などを変えることで行う。ただし飛行機のように機体そのものを動かさなくても揚力を得られるため、垂直移動や水平移動、ホバリング、真横や後ろ向きに飛ぶといった曲芸的な駆動が可能となっており(故に中国語圏では直昇機と呼ばれている)、滑走路が設置できず飛行時も障害物の多い山間部等でも運用が可能である。このように、空港・飛行場が無くてもヘリポート若しくはそれに類する空き地が有れば離着陸出来るのが一番の特長である。
欠点は後述のように飛行速度に原理的な限界があることと、固定翼機(いわゆる普通の飛行機)に比べ燃費が悪いこと。このため、飛行可能な範囲は比較的狭い。
反作用・技術的限界
タケコプターのようにメインローター1個だけでは機体が反作用で逆回転してしまう。そのため、テールローターと呼ばれる横向きのローターを尾部に取り付けたり、ローターを二重にして逆に回転させたり、あるいは圧縮空気を横向きに噴射するなどしてヘリコプターは機体の逆回転を防いでいる。テールローターで逆回転を打ち消すとはいえ、飛行中は常に機体が少しずつ回転しよう(横を向こう)とするため、操縦操作によって常に相殺する必要がある。
二重反転ローターは全高が高くなってしまうものの効率が良く、主にロシアで生産されている。
最高速度には限界があり、高速で飛行すると周りの空気に対して翼が音速近くで運動することになり、空気が翼について来られず揚力を失ってしまう。この限界速度(約400km/h)を突破するため様々な研究がなされている→複合ヘリコプター
用途
主な用途としては、救急搬送、航空救難、捜索監視、犯人追跡、災害救助、消火活動、気象観測、空中撮影、観光遊覧飛行、旅客、貨物、お金持ちの自家用車代わり、楽器などがある。ラジコンヘリやロボットヘリなども多く開発されており、農薬の散布やスネ夫の趣味などに使われている。意外と我々にも身近な存在である。
軍用用途と特色
特性を生かし、対地攻撃(航空支援)、対戦車攻撃、偵察、着弾観測、対潜哨戒機(および対潜攻撃)、兵員輸送機、物資輸送機などに幅広く使われる。これらの複数の用途を併せ持ったものもある。
どこでも降りられるメリットを生かし、艦船から「艦載機」として運用される例もある。(ただし構造的に少し複雑なため項目参照)
ただし近年は携帯式の地対空ミサイルの発達によって、正規軍相手に戦場でのんびり飛んでいると良い的になるといった問題も指摘されている。相手が民兵だからと甘く見て高価・高性能なヘリコプターが携帯式のロケットランチャーで撃墜された例もあるため、決して万能ではない。(モガディシュの戦闘)
もちろん超低空での飛行、ホバリング中や離着陸時は通常の小火器でも良い的になりうる。
日本の海上自衛隊は潜水艦狩りに異様な執念を燃やしており、対潜ヘリコプターとそれを運用する艦艇を多数保有している。
軍用としては第二次世界大戦末期には一応完成・運用していた記録があるものの、その後の朝鮮戦争でも大規模には運用していなかった。大規模に活用されたのはベトナム戦争が初めて。
その他・トリビア
- CAPCOMのゲームに登場するとエンディングで主人公が乗るものを除けば90%くらいの確率で墜落する事でも知られる。→安心と信頼のカプコン製ヘリ
- 大型輸送ヘリコプターにおいては、12.7t(CH-47)~16t(CH-53E)の貨物、または55名の兵士を輸送可能。世界一大きなヘリコプターはロシア製のMi-26。20t以上の貨物または80名(最大150名)の兵士を輸送可能。
- 実は飛行中は回転翼が先端が上に反りあがった形(緩いV字型)で回転している。(コーニング)
- ヘリコプター(回転翼機)に対し、普通の飛行機は「固定翼機」と区別される場合もある。
- 自動車のように後方確認用・足元確認用のミラーが設置されているものもある。
- 降着装置(脚部)は車輪式もあるが、スキー板を履いたような脚部は「スキッド」と呼ぶ。
- 長距離の洋上飛行や戦闘でのエンジントラブルを考慮し、2発以上のエンジンを積んでいるものも多い。(双発)
- どこにでも降りられて便利そうだが、離着陸時に猛烈な風が吹き荒れ大迷惑のため緊急時を除き届け出が必要。平坦なビルの屋上も着陸できそうだが、あらかじめ機体重量に対応した設計でないと乗った途端に損傷・沈み込んで大事故となる場合がある。(航空救難など、強度不足を超低空飛行という神業で乗り切るケースもある)もちろんヘリポート自体の荷重限界を超えれたものは着陸できない。
関連動画
航空機たるもの、曲芸飛行の一つや二つ…。ドイツ製ヘリ、Bo 105のちょっぴり奇妙な曲芸飛行。
左:国産偵察ヘリコプター川崎重工製OH-1「ニンジャ」もちょっぴり飛び方がおかしい曲芸飛行を披露。
右:
ヘリコプター弦楽四重奏曲 (カールハインツ・シュトックハウゼン)
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関連項目
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