CH-53Kとは、シコルスキー・エアクラフト社が開発中の3発エンジンの重輸送ヘリコプターである。愛称はキングスタリオン。
概要
現在アメリカ海兵隊で使用されているCH-53E輸送ヘリコプターの近代改修機である。
約200機調達し8個の航空隊と1個の訓練飛行隊、1個の予備役飛行隊を編成する計画になっている。[1]
就役の暁には西側最大のヘリコプターとなる。なお同規模のヘリコプターにはロシアのMi-6(1957年初飛行)がある。実際にはちょっと大きいよ
アメリカ海兵隊はCH-53Eの後継機の検討を2003年頃から開始、2005年頃にはHLR(ヘビーリフト代替)計画という名前になった。同年10月にEMD(技術製造開発)を行なうことが決定、HLRに対してCH-53Kの名称が与えられた。2012年に地上試験機が完成して地上試験を開始した。飛行試験機は4機発注され、1号機は2014年に完成し、2015年に初飛行している。元々の計画では、2012年12月にLRIP(低率初期生産)に入る予定だった。[2]
2022年4月に、米海兵隊が初期作戦能力(IOC)獲得を宣言、同年12月にフルレート生産が認可されている。[3]
特徴
基本的なスタイルはCH-53Eと同様の3発エンジンの重輸送ヘリコプターであるが、いたるところに最新技術が詰め込まれており、ほぼ別物とまでなっている。
機体構造
全面的に刷新されている。
- 機体の全長・全幅が拡大。
- 機体はこれまでの全金属製から複合材性へと変更。これにより耐腐食性、整備性の向上が期待されている。
- サイドスポンソンも大型化し、燃料搭載量が増大している。
- 装甲に関しても新世代の軽量装甲が採用され生存性が向上している。
- 機体は衝撃吸収構造とされ墜落時の生存性を高めている。
- 兵員座席についても衝撃吸収構造となっている。
- 機体各部にセンサーを設置。統合された防御装置を搭載。
- 積載能力が向上。463Lパレット×2、或いはハンヴィーが直接搭載できる貨物スペースが確保されている。
- 機体下部のカーゴフックは3か所(前型と変わらず)。吊り下げ能力は3倍に増強。
- 搭載物の統合化された荷役管理システムの採用による乗員ワークロードの低減。
駆動系
こちらも全面的に刷新されている。
- エンジンはGE38-1B(出力: 7,500軸馬力!)×3となり従来の7割増しとなり、燃費も20%改善している。また部品点数も削減している。
- トランスミッションも新型に更新されている。
- 第4世代複合素材性ローターブレードの採用。
- 新型ローターヘッドの採用。
- 尾部テイルローターの設計を刷新。
アヴィオニクス
こちらも全面的に(ry
- 操縦系統に関してはFBW化されている。
- またコクピットに関してもグラスコクピット化されている。
- ロックウェル・コリンズ社製のアビオニクス管理システムを搭載。飛行制御を統合化。
- これらにより乗員のワークロードが低減されている。
- 機首のFLIR(赤外線前方監視装置)が得た画像は、パイロットのHMD(ヘルメット装着表示装置)に表示することが出来る。また飛行経路の表示も可能。これにより夜間作戦能力が向上。
要するに・・・
全部変えました! そこ、新規開発じゃねーかとか言わない。予算が厳しいんだ。
スペック
- 全長(胴体のみ):30.2m
- 高さ:8.46m
- 主回転翼直径:24.1m
- エンジン:GE38-1B(7,500shp×3)
- 最大離陸重量:33.6t(予定)
- 速度(巡航):170ノット(315km/h)
- 上昇率(海面上):664m/m
- 上昇限度:14,400ft
- 航続距離:841km
- 乗員:5名
- 武装:GAU-21×3t
- 戦闘行動半径:110nm (CH-53Eの約3倍)
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- 軍用機の一覧
- ヘリコプター
- アメリカ
- シコルスキー
- CH-53E(原型機)
- MH-53(上記の機体の派生型)
- Mi-6(同規模のヘリコプター。ロシア製。最大離陸重量41t)
- Mi-26(世界最大のヘリコプター。ロシア製。最大離陸重量56t)
脚注
- *http:https://flyteam.jp/news/article/56208
- *「CH-53Kキングスタリオン」石川潤一 軍事研究 2017年1月号
- *シコルスキー、米海軍がCH-53Kフルレート生産認可 2023.1.5
- 2
- 0pt