there
「there」とは、話者から離れた場所・存在・時間上のある一点のことを意味する英語表現である。
「there」とは・「there」の意味を詳しく解説
「there」は、副詞あるいは代名詞として用いられる英単語である。場所・時間などの一点を指して、そこ(に、の)・あそこ(に)・あちら(に)・ほら・あれ、などと訳す。また、「there is(are)」という構文において、ものなどの存在を表す代名詞となる。「there」の発音・読み方
日本語では「ゼア」あるいは「デア」が、「there」の発音に近い。ただし「ゼ」の音は「ze」ではない。もちろん「デ」の部分の発音も「de」とは異なる。あくまでも発音記号エズを使った有声音である点には注意が必要だ。なお、エズの音は、舌先を上の前歯で軽く当て、舌と歯との隙間から空気を押し出すようにして発生する。「there」の語源・由来
ゲルマン祖語における「tha(それ)」が語源であるとされている。「r」を語尾に付けた「thar」となることで副詞として用いられてきた。古期英語では「ther」と変化し、その後、現代の「there」になったと考えられている。「there」と「their」の違い
「there」と「their」は品詞・意味において異なる。「there」は時・場所表す副詞、あるいは存在を意味する代名詞である。対して「their」とは「they」の所有格である所有代名詞だ。「彼らの(もの)」「それら」と訳され、誰のモノであるかを指す。双方とも「それ」と訳されることがあるが、その意味合いは大きく異なる語である。「there」を含む英熟語・英語表現
there isとは
「There is」という使い方をすることで、「there」は形式的な主語となる。この場合の意味は単にモノが存在することを指す。例えば「There is an apple」なら「りんごが(1つ)ある」、「There is a pen」なら「ペンが(1本)ある」と訳す。
ただし「there is」には新情報をこれから伝えるという導入のニュアンスがあるため、既存の情報については使わない。あくまで、その会話のなかにおける新情報についてのみ用いられる。例えば、定冠詞「the」が付く名詞や固有名詞と「there is」はセットで使わない。「the」が付く名詞は、話者・聞き手ともに既知の情報であるからだ。また、固有名詞や所有格とも一緒に「there is」は使わない。これらもやはり既知の情報であるからだ。
そのため、「There is the cat in the garden.」「There is Tom in the house.」「There is your book on the table.」といった使い方は、すべて不自然な表現となる。それぞれ「The cat is in the garden.」「Tom is in the house.」「Your book is on the table.」などと表現すべきであろう。
Is thereとは
主語が単数名詞の際に「〇〇 is there」とすることで、「○○が(そこに)いる」「○○が存在する」といった意味になる。例えば「Tom is there.(トムがいる。)」のように使う。「there is」の疑問形と混合しやすいので注意が必要だ。
Are thereとは
主語が複数名詞の際に「〇〇 are there」と表現すると、「○○がある(存在する)」となる。また慣用的に「どうだ?」「いる?」「そうなの?」と訳される場合もある。
Over thereとは
「Over there」は、ある一点の時点や地点からみて、「あちらに(向こうに)」「あちらでは(そちらでは)」と訳す。1917年に発表されたアメリカの軍歌のタイトルでもある。
On thereとは
「その上に」「そこに」と訳す。場所を示す名詞として「there」を使う場合、前置詞onが必要となることがある。例えば「I put the book on there.(私は本をそこに置いた。)」のような場合である。
Hello thereとは
「おはよう」「こんにちは」と訳す挨拶表現。このように表現することで、カジュアルで親しみやすいニュアンスをもった挨拶になる。
「there構文」とは
英語では、存在そのものの実在が示す場合に、「there is」「there are」と表現する。これを「there構文」あるいは「存在文」と呼ぶ。「there構文」では存在が重視されるため「there」が持つ場所を指し示す意味合いは限りなく失われる。そのため、訳す際には「〇〇がある」と存在だけを示すようにする。「there」を含むその他の用語の解説
thereforeとは
それゆえに・従って・それによって、などと訳す英語単語の副詞である。「I think, therefore I am. (われ思う, ゆえにわれあり)」のように使う。この語は格式ばった文語的なイメージが強い。口語や軽い表現をしたい場合には「so」を用いた方がよいだろう。
「there」の使い方・例文
・There are zombies in the mall.(モールにはゾンビがいます。)・Is there any drink?(飲み物はありますか?)
・There comes the bus.(バスが来る。)
・There the bus comes.(ほら、バスが来るよ。)
・Get out from there!(そこから出ていけ!
There
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 02:26 UTC 版)
存在を表すthere 構文では、文頭のthere は「そこに」という具体的意味を失って、存在文を示す標識となっている。(例: "There are six cars there." - 「そこには6台の車両がある」このように「そこに」の意味を表すには文末にもうひとつthereを必要とする)これは、主語の右方移動に伴い項位置に現れた虚辞とも解釈される。同じような存在文における虚辞としてはフランス語の "il y a ..." のil y、イタリア語の"c'è(=ce + è) ..." のce、ドイツ語の"es gibt ..."のesなどがある。
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「there」の例文・使い方・用例・文例
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