ガバナンス
英語:governance
「ガバナンス」とは、英語で「統治・統制」を意味する言葉で日本語では「企業や組織を健全に運営するために管理または監視すること」を意味する表現である。企業におけるガバナンスは特に「コーポレートガバナンス」「企業統治」「企業ガバナンス」などと呼ばれる。
コーポレートガバナンス(企業統治)は、企業内でコンプライアンス(法的・倫理的な規範)に背くような事案を発生させないように管理体制を構築して適切に監督する取り組みであり、組織経営におけるリスクを抑えるための取り組みである。
ガバナンスを強化することで、企業内部で行われる不正な行為を未然に防いだり、万が一発生した際の被害を最小限に抑えたりすることができる。企業の利益や経営陣への忖度を介入させず、公正な判断を下すために、社外に監査役を置くなどしてガバナンスを強化している企業も多い。
日本金融庁や東京証券取引所などによってガバナンスコードが策定され、企業はこれを指針としてガバナンス体制を構築する。
ガバナンスが強化されることで、企業の信頼度が上がるので、取引先など利害関係者の利益を守ることができる。結果的に、収益が拡大したりグローバルな競争力を得ることができるなど、中長期的な成長を見込める。
教育の分野では、大学をはじめとする高等教育機関における運営・意思決定を指す意味で用いられ、「大学ガバナンス」のように呼ばれる。大学運営のあり方や体制をどうするか、という脈絡、要するに「コーポレートガバナンス」に近い意味合いで用いられる語といえる。
ガバナンスと似た言葉に「ガバメント」がある。ガバメントは「政治」や「政府」を意味する。ガバナンス(governance)もガバメント(government)も、共に動詞 govern を語根に持つ関連表現である。
「ガバナンス」とは、英語で「統治・統制」を意味する言葉で日本語では「企業や組織を健全に運営するために管理または監視すること」を意味する表現である。企業におけるガバナンスは特に「コーポレートガバナンス」「企業統治」「企業ガバナンス」などと呼ばれる。
コーポレートガバナンス(企業統治)は、企業内でコンプライアンス(法的・倫理的な規範)に背くような事案を発生させないように管理体制を構築して適切に監督する取り組みであり、組織経営におけるリスクを抑えるための取り組みである。
ガバナンスを強化することで、企業内部で行われる不正な行為を未然に防いだり、万が一発生した際の被害を最小限に抑えたりすることができる。企業の利益や経営陣への忖度を介入させず、公正な判断を下すために、社外に監査役を置くなどしてガバナンスを強化している企業も多い。
日本金融庁や東京証券取引所などによってガバナンスコードが策定され、企業はこれを指針としてガバナンス体制を構築する。
ガバナンスが強化されることで、企業の信頼度が上がるので、取引先など利害関係者の利益を守ることができる。結果的に、収益が拡大したりグローバルな競争力を得ることができるなど、中長期的な成長を見込める。
教育の分野では、大学をはじめとする高等教育機関における運営・意思決定を指す意味で用いられ、「大学ガバナンス」のように呼ばれる。大学運営のあり方や体制をどうするか、という脈絡、要するに「コーポレートガバナンス」に近い意味合いで用いられる語といえる。
ガバナンスと似た言葉に「ガバメント」がある。ガバメントは「政治」や「政府」を意味する。ガバナンス(governance)もガバメント(government)も、共に動詞 govern を語根に持つ関連表現である。
ガバナンス
英語:governance
ガバナンスとは、組織や社会において、意思決定や資源の配分、権限の行使、責任の所在などを適切に管理・調整する仕組みやプロセスである。企業ガバナンスやITガバナンスなど、様々な分野で用いられる概念であり、効率的かつ透明性のある運営を目指すことが重要である。
企業ガバナンスは、企業の経営陣や取締役会、株主などの関係者間での意思決定プロセスや情報開示のあり方を整備し、企業価値の向上やリスク管理を図るための枠組みである。適切な企業ガバナンスが実践されることで、経営陣の監督機能が強化され、企業の持続的な成長が期待される。
ITガバナンスは、情報技術(IT)の活用や運用に関する意思決定や責任の所在を明確にし、IT投資の効果を最大化するための枠組みである。ITガバナンスの実践により、企業のIT戦略がビジネス戦略と連携し、ITリスクの管理やコンプライアンスが適切に行われることが求められる。
また、環境・社会・ガバナンス(ESG)という概念も存在し、企業の持続可能性を評価する際に重要視される。ESGは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもので、企業が環境や社会問題に対して責任を持ち、適切なガバナンスを実践することが、長期的な企業価値の向上につながるとされる。
ガバナンスとは、組織や社会において、意思決定や資源の配分、権限の行使、責任の所在などを適切に管理・調整する仕組みやプロセスである。企業ガバナンスやITガバナンスなど、様々な分野で用いられる概念であり、効率的かつ透明性のある運営を目指すことが重要である。
企業ガバナンスは、企業の経営陣や取締役会、株主などの関係者間での意思決定プロセスや情報開示のあり方を整備し、企業価値の向上やリスク管理を図るための枠組みである。適切な企業ガバナンスが実践されることで、経営陣の監督機能が強化され、企業の持続的な成長が期待される。
ITガバナンスは、情報技術(IT)の活用や運用に関する意思決定や責任の所在を明確にし、IT投資の効果を最大化するための枠組みである。ITガバナンスの実践により、企業のIT戦略がビジネス戦略と連携し、ITリスクの管理やコンプライアンスが適切に行われることが求められる。
また、環境・社会・ガバナンス(ESG)という概念も存在し、企業の持続可能性を評価する際に重要視される。ESGは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもので、企業が環境や社会問題に対して責任を持ち、適切なガバナンスを実践することが、長期的な企業価値の向上につながるとされる。
governance
別表記:ガバナンス
「governance」とは、「統治」や「支配」「管理」といった統治機構が公正かつ効果的に機能して社会や経済の発展を促進するためのプロセスや実践を意味する英語表現である。
「corporate governance」とは、企業における意思決定や統治に関するプロセスのことである。企業がどのような目的で管理されているのか、誰が権力と説明責任を持ち、誰が決定を下すかを特定し、株主やステークホルダーの信頼を獲得して企業価値の向上を図る。また、リスクの低減や社会的責任の履行の側面もある。具体的な、「corporate governance」の実施としては取締役会の独立性や責任、報酬制度の透明性、株主の権利や意見表明機会の保護、内部監査、リスクマネジメント、企業の情報公開などがあげられる。
・The company's governance structure was overhauled to improve transparency and accountability. (企業のガバナンス構造は、透明性と説明責任の向上を図るために見直された)
・The government is committed to promoting good governance practices in the public sector. (政府は公共部門での良好なガバナンスの実践を推進することを約束している)
・The international community is closely monitoring the country's governance amid concerns of corruption and human rights abuses. (国際社会は、汚職や人権侵害の懸念がある中で、その国のガバナンスを注視している)
・The company's board of directors has a responsibility to ensure effective governance and oversee the management team. (企業の取締役会は、効果的なガバナンスを確保し、経営陣を監督する責任がある)
・The NGO advocates for improved governance and increased transparency in the allocation of foreign aid. (そのNGOは、外国援助の配分において改善されたガバナンスと増加した透明性を提唱している)
・The regulatory body is responsible for overseeing governance and compliance in the financial sector. (規制当局は、金融部門におけるガバナンスとコンプライアンスの監督を担当している)
・Effective governance requires transparency, accountability, and a commitment to ethical standards. (効果的なガバナンスには、透明性、説明責任、倫理基準へのコミットメントが必要である)
・The international organization aims to promote good governance practices and combat corruption in developing countries. (その国際機関は、発展途上国における良好なガバナンスの実践を促進し、汚職と戦うことを目指している)
「governance」とは、「統治」や「支配」「管理」といった統治機構が公正かつ効果的に機能して社会や経済の発展を促進するためのプロセスや実践を意味する英語表現である。
「governance」とは「governance」の意味
「governance」とは、統治、管理、支配、運営、適用などの意味で用いられる名詞である。組織や社会の管理や指導、統治に関するプロセス、構造、慣行、および価値観を指す単語である。また、法律や制度、規則、慣習、および組織内部の手順などの意味で用いられることもある。ビジネスにおいて、「governance」は企業や組織が適切に運営されるように管理・監督するための枠組みやプロセスを意味する。具体的には、組織の意思決定プロセス、リスク管理、コンプライアンス、財務管理、組織の構造や監査などが含まれる。「governance」の発音・読み方
「governance」の発音は、カタカナ語では「ガバナンス」である。発音記号では「gʌvərnəns」と表記されるため、カタカナにすると「 ガァヴァナァンス」という発音になる。「governance」の語源・由来
「governance」の語源は、舵を取るという意味のラテン語の「guberno」である。ラテン語の「guberno」から、統治という意味の古期フランス語「governement」、統治という意味の中期英語「governement」を経由し、「governance」になった。また、知事という意味の英語の「governor」も同じ語源である。「governance」と「government」の違い
「governance」と「government」は、どちらも統治という意味で用いられる単語である。しかし、同じようであっても意味は少し違う。「governance」は、広範囲にわたる管理や指導、統治に関するプロセス、構造、慣行、および価値観を指し、政府、企業、非営利団体など、あらゆる種類の組織における意思決定やリーダーシップ、管理、監督、コントロールなどのプロセスが含まれる。一方、「government」は、政府そのものを意味する。国や地域を統治するために権力を持ち、法律や規制、税金などを通じて社会全体を統制することを指す。つまり、「governance」は、広範囲にわたる管理や指導に関する概念を指し、「government」は、国家の統治機関や政府を指すという点が異なる。「governance」を含む英熟語・英語表現
「corporate governance」とは
「corporate governance」とは、企業における意思決定や統治に関するプロセスのことである。企業がどのような目的で管理されているのか、誰が権力と説明責任を持ち、誰が決定を下すかを特定し、株主やステークホルダーの信頼を獲得して企業価値の向上を図る。また、リスクの低減や社会的責任の履行の側面もある。具体的な、「corporate governance」の実施としては取締役会の独立性や責任、報酬制度の透明性、株主の権利や意見表明機会の保護、内部監査、リスクマネジメント、企業の情報公開などがあげられる。
「governance」の使い方・例文
・Good governance is critical to building a strong and prosperous society. (良好なガバナンスは、強く繁栄する社会を築く上で不可欠である)・The company's governance structure was overhauled to improve transparency and accountability. (企業のガバナンス構造は、透明性と説明責任の向上を図るために見直された)
・The government is committed to promoting good governance practices in the public sector. (政府は公共部門での良好なガバナンスの実践を推進することを約束している)
・The international community is closely monitoring the country's governance amid concerns of corruption and human rights abuses. (国際社会は、汚職や人権侵害の懸念がある中で、その国のガバナンスを注視している)
・The company's board of directors has a responsibility to ensure effective governance and oversee the management team. (企業の取締役会は、効果的なガバナンスを確保し、経営陣を監督する責任がある)
・The NGO advocates for improved governance and increased transparency in the allocation of foreign aid. (そのNGOは、外国援助の配分において改善されたガバナンスと増加した透明性を提唱している)
・The regulatory body is responsible for overseeing governance and compliance in the financial sector. (規制当局は、金融部門におけるガバナンスとコンプライアンスの監督を担当している)
・Effective governance requires transparency, accountability, and a commitment to ethical standards. (効果的なガバナンスには、透明性、説明責任、倫理基準へのコミットメントが必要である)
・The international organization aims to promote good governance practices and combat corruption in developing countries. (その国際機関は、発展途上国における良好なガバナンスの実践を促進し、汚職と戦うことを目指している)
ガバナンス
英語:governance
ガバナンスがなぜ必要かというと、企業内で発生するトラブルを、未然に防がなければならないからである。企業内での不祥事は、企業の社会的信用を大幅に下げてしまう。また、金銭面の不祥事が発生すると、企業の経営に打撃を与えかねない。そうした不祥事によって、倒産に追い込まれた企業は数多くある。そのようなことにならないために、ガバナンスとして統治や管理を行い、トラブルの予防をすることが重要である。
ガバナンスの具体例としては、企業内でのルール作成や、監視機関の設置などが代表的である。そうして、経営陣や従業員など、企業に所属する人が一定の規律に従うことで、問題の発生自体を抑えられる。万が一、問題が発生してしまったとしても、監視機関がしっかり機能していれば、早い段階で発見し、速やかな対処が可能だ。
ガバナンスに近い意味の言葉としては、コンプライアンスが挙げられる。ただ、具体的な意味や、使用する場面は異なる。コンプライアンスとは、法令順守のことであり、法律だけでなく倫理や道徳も守るという意味の言葉だ。企業が事業を継続するためには、コンプライアンスが欠かせない。コンプライアンスを疎かにすると、社会からの企業イメージが低下する。その結果、事業が失敗する恐れがある。そして、コンプライアンス、法令順守は、企業内の統治や管理の末に実現できる。つまり、コンプライアンスは、ガバナンスの目標のひとつと言える。コンプライアンスを意識した上で、ガバナンスを作り上げることで、健全な企業運営ができる。
また、内部統制という言葉も、ガバナンスに近い意味である。内部統制とは、健全な事業を行うことを目的とした、企業内の体制だ。ガバナンスのひとつである、企業内のルール作成が、代表的な内部統制である。ガバナンスでは、統治と管理をするために、企業内の体制を整えることも重要である。したがって、内部統制はガバナンスの一部と言える。
ガバナンスが効いていないとは、統治や管理ができていないということである。基本的には、ルールや監視体制など、何らかのガバナンスが存在している状況で使用する言葉だ。そのガバナンスに当たるものが、十分に機能していないことを、ガバナンスが効いていないと表現する。また、ガバナンスの内容が状況に合っておらず、機能していない場合に使用することも多い。
ガバナンスの欠如とは、必要なガバナンスがないことを指す言葉だ。何らかのガバナンスが設けられていたとしても、それが求められている基準を満たしていない場合、ガバナンスが欠如した状態となる。また、そもそもガバナンス自体が存在しないことを、ガバナンスの欠如と表現することもある。さらに、何らかの問題が発生した際に、ガバナンスの欠如が理由として挙げられることも珍しくはない。
ガバナンスが弱いとは、統治や管理が不十分であるということだ。ルールや監視体制があるにも関わらず、それがあまり効果を発揮していない場合、ガバナンスが弱い状態となる。ガバナンスが弱いと、組織内での秩序を保つことが難しくなる。その結果、不祥事が発生したり、組織が分断したりする恐れがある。最悪の場合は、組織が崩壊することもあり得る。
コーポレートガバナンスとは、企業統治のことである。全般的な統治や管理を意味するガバナンスを、企業の統治や管理に限定した形だ。日本では、ガバナンスという言葉を、企業内の統治や管理を指すために使用することが非常に多い。よって、コーポレートガバナンスが、ガバナンスとほぼ同義のものとして扱われることも珍しくはない。ビジネスシーンでは、コーポレートガバナンスを、ガバナンスと省略する場合も多い。
企業経営を続けるには、法令順守が必須である。また、社会的な信用を得なければならない。そのために、コーポレートガバナンスが必要となる。また、株式会社で、利益を出すために、経営陣を管理するシステムを指す場合もある。株式会社は、あくまでも出資者である株主のものという考えの上に成り立っている。社長を始めとする経営陣は、利益を出し、株主に還元しなければならない。その利益還元を安定して行うために、コーポレートガバナンスが必要とされる。
ガバナンス強化とは、支配や管理体制を強くするということである。ガバナンスが弱く、組織内での秩序が保たれていない場合に、ガバナンス強化が必要となる。具体的には、ルールの改変や罰則の強化、監視を行う人員の増加などがガバナンス強化に当たる。組織を取り巻く環境や、組織を構成する人員は、常に移り変わるものである。そのため、同じガバナンスがいつまでも通用するとは限らない。よって、状況に合わせて、ガバナンス強化を行わなければならない。適切なガバナンス強化を行うと、組織の健全化や事業の成功に繋がる。
攻めのガバナンスとは、ビジネスシーンで、コーポレートガバナンスのひとつとして使われる用語である。経営陣に対して、迅速かつ果断な意思決定を促すことを指す。その目的は、事業をより発展させ、企業の価値を高めることである。そして、攻めのガバメントで管理を行う側は、経営陣がリスクを始めとする情報を全て提示すること、十分な議論を行うこと、経営陣の意思決定が合理的であることを重視する。それらの条件を満たしていた場合、利益損失など好ましくない結果となったとしても、経営陣の責任は問わないのが攻めのガバナンスの考え方である。
守りのガバナンスとは、組織内でのトラブルを未然に防ぐためのガバナンスである。組織内で問題を起こそうという気をなくす、ガバナンスとは、問題が起こらないよう、統治や管理をすることが主な目的である。そのため、守りのガバナンスは、ガバナンス本来の形と言える。したがって、ガバナンスの基本となるルールや監視機構の設立は、守りのガバナンスということだ。
地域ガバナンスとは、比較的小規模な、地域で行う統治や管理のことである。ローカルガバナンスとも呼ばれ、地域に関係する人が統治と管理に携わる。地域ガバナンスには、有志によるコミュニティが行う統治や管理、市町村単位で暗黙の了解となっているルールなど、様々な形がある。場合によっては、自治体が地域ガバナンスの主導となることもある。
グローバルガバナンスとは、世界規模の統治や管理のことである。世界中で起こる問題の中には、規模が大きなものがある。地球温暖化などの環境問題、国際的に発生するテロなどが代表的だ。そういった問題は、ひとつの国のガバナンスでは、対処や予防が不可能である。そのため、国境を越える規模で統治や管理を行う、グローバルガバナンスが必要となる。
「ガバナンス」とは・「ガバナンス」の意味
ガバナンスは、「統治」「支配」「管理」を意味する言葉だ。政治的な支配や企業による管理を意味する英単語、「governance」をカタカナで表記した形である。統治や管理であれば、政府が主体となるものの他、特定のコミュティのような小規模なものもガバナンスに該当する。また、コンピュータシステム内で、プログラムやデータを管理することも、ガバナンスと呼ばれる。ただ、多くの場合、主にビジネス用語として、企業内での統治や管理を指すために使用される。ガバナンスがなぜ必要かというと、企業内で発生するトラブルを、未然に防がなければならないからである。企業内での不祥事は、企業の社会的信用を大幅に下げてしまう。また、金銭面の不祥事が発生すると、企業の経営に打撃を与えかねない。そうした不祥事によって、倒産に追い込まれた企業は数多くある。そのようなことにならないために、ガバナンスとして統治や管理を行い、トラブルの予防をすることが重要である。
ガバナンスの具体例としては、企業内でのルール作成や、監視機関の設置などが代表的である。そうして、経営陣や従業員など、企業に所属する人が一定の規律に従うことで、問題の発生自体を抑えられる。万が一、問題が発生してしまったとしても、監視機関がしっかり機能していれば、早い段階で発見し、速やかな対処が可能だ。
ガバナンスに近い意味の言葉としては、コンプライアンスが挙げられる。ただ、具体的な意味や、使用する場面は異なる。コンプライアンスとは、法令順守のことであり、法律だけでなく倫理や道徳も守るという意味の言葉だ。企業が事業を継続するためには、コンプライアンスが欠かせない。コンプライアンスを疎かにすると、社会からの企業イメージが低下する。その結果、事業が失敗する恐れがある。そして、コンプライアンス、法令順守は、企業内の統治や管理の末に実現できる。つまり、コンプライアンスは、ガバナンスの目標のひとつと言える。コンプライアンスを意識した上で、ガバナンスを作り上げることで、健全な企業運営ができる。
また、内部統制という言葉も、ガバナンスに近い意味である。内部統制とは、健全な事業を行うことを目的とした、企業内の体制だ。ガバナンスのひとつである、企業内のルール作成が、代表的な内部統制である。ガバナンスでは、統治と管理をするために、企業内の体制を整えることも重要である。したがって、内部統制はガバナンスの一部と言える。
「ガバナンス」の熟語・言い回し
ガバナンスが効いていないとは
ガバナンスが効いていないとは、統治や管理ができていないということである。基本的には、ルールや監視体制など、何らかのガバナンスが存在している状況で使用する言葉だ。そのガバナンスに当たるものが、十分に機能していないことを、ガバナンスが効いていないと表現する。また、ガバナンスの内容が状況に合っておらず、機能していない場合に使用することも多い。
ガバナンスの欠如とは
ガバナンスの欠如とは、必要なガバナンスがないことを指す言葉だ。何らかのガバナンスが設けられていたとしても、それが求められている基準を満たしていない場合、ガバナンスが欠如した状態となる。また、そもそもガバナンス自体が存在しないことを、ガバナンスの欠如と表現することもある。さらに、何らかの問題が発生した際に、ガバナンスの欠如が理由として挙げられることも珍しくはない。
ガバナンスが弱いとは
ガバナンスが弱いとは、統治や管理が不十分であるということだ。ルールや監視体制があるにも関わらず、それがあまり効果を発揮していない場合、ガバナンスが弱い状態となる。ガバナンスが弱いと、組織内での秩序を保つことが難しくなる。その結果、不祥事が発生したり、組織が分断したりする恐れがある。最悪の場合は、組織が崩壊することもあり得る。
コーポレートガバナンスとは
コーポレートガバナンスとは、企業統治のことである。全般的な統治や管理を意味するガバナンスを、企業の統治や管理に限定した形だ。日本では、ガバナンスという言葉を、企業内の統治や管理を指すために使用することが非常に多い。よって、コーポレートガバナンスが、ガバナンスとほぼ同義のものとして扱われることも珍しくはない。ビジネスシーンでは、コーポレートガバナンスを、ガバナンスと省略する場合も多い。
企業経営を続けるには、法令順守が必須である。また、社会的な信用を得なければならない。そのために、コーポレートガバナンスが必要となる。また、株式会社で、利益を出すために、経営陣を管理するシステムを指す場合もある。株式会社は、あくまでも出資者である株主のものという考えの上に成り立っている。社長を始めとする経営陣は、利益を出し、株主に還元しなければならない。その利益還元を安定して行うために、コーポレートガバナンスが必要とされる。
ガバナンス強化とは
ガバナンス強化とは、支配や管理体制を強くするということである。ガバナンスが弱く、組織内での秩序が保たれていない場合に、ガバナンス強化が必要となる。具体的には、ルールの改変や罰則の強化、監視を行う人員の増加などがガバナンス強化に当たる。組織を取り巻く環境や、組織を構成する人員は、常に移り変わるものである。そのため、同じガバナンスがいつまでも通用するとは限らない。よって、状況に合わせて、ガバナンス強化を行わなければならない。適切なガバナンス強化を行うと、組織の健全化や事業の成功に繋がる。
攻めのガバナンスとは
攻めのガバナンスとは、ビジネスシーンで、コーポレートガバナンスのひとつとして使われる用語である。経営陣に対して、迅速かつ果断な意思決定を促すことを指す。その目的は、事業をより発展させ、企業の価値を高めることである。そして、攻めのガバメントで管理を行う側は、経営陣がリスクを始めとする情報を全て提示すること、十分な議論を行うこと、経営陣の意思決定が合理的であることを重視する。それらの条件を満たしていた場合、利益損失など好ましくない結果となったとしても、経営陣の責任は問わないのが攻めのガバナンスの考え方である。
守りのガバナンスとは
守りのガバナンスとは、組織内でのトラブルを未然に防ぐためのガバナンスである。組織内で問題を起こそうという気をなくす、ガバナンスとは、問題が起こらないよう、統治や管理をすることが主な目的である。そのため、守りのガバナンスは、ガバナンス本来の形と言える。したがって、ガバナンスの基本となるルールや監視機構の設立は、守りのガバナンスということだ。
地域ガバナンスとは
地域ガバナンスとは、比較的小規模な、地域で行う統治や管理のことである。ローカルガバナンスとも呼ばれ、地域に関係する人が統治と管理に携わる。地域ガバナンスには、有志によるコミュニティが行う統治や管理、市町村単位で暗黙の了解となっているルールなど、様々な形がある。場合によっては、自治体が地域ガバナンスの主導となることもある。
グローバルガバナンスとは
グローバルガバナンスとは、世界規模の統治や管理のことである。世界中で起こる問題の中には、規模が大きなものがある。地球温暖化などの環境問題、国際的に発生するテロなどが代表的だ。そういった問題は、ひとつの国のガバナンスでは、対処や予防が不可能である。そのため、国境を越える規模で統治や管理を行う、グローバルガバナンスが必要となる。
ガバナンス
英語:governance
「治めること」「統治すること」という意味で用いられる英語由来の外来語。「コーポレートガバナンス」(企業統治)のような語として用いられるのが主な使い方といえる。
政府や企業などの組織において、内部を統制する仕組みを指す言葉。派生した言葉としては「コーポレート・ガバナンス」があり、企業における不正行為や経営陣の暴走を防ぐために、業務内容や会計などを監視することを意味する。また、コーポレート・ガバナンスから派生した言葉で、企業のIT活用を、経営陣や取締役会などが監視することを「ITガバナンス」と表現する。
ガバナンス(governance)は主に「統治」「管理」「支配」などと和訳される。少なからず「権力ある地位にある者が組織をうまく取り仕切り良好な状態を保つ」という意味合いを含む。ただし、上から下への一方的に支配というニュアンスよりは、組織や社会に所属する当事者たちが意思決定に携わる「自治」のニュアンスが強い。コーポレートガバナンスという語もこの意味合いを前提とする使い方がされているといえる。
ガバナンスはガバメント(government)と対比される概念として扱われる。ガバメントは行政組織によって行われる統治という意味合いが色濃い。
「治めること」「統治すること」という意味で用いられる英語由来の外来語。「コーポレートガバナンス」(企業統治)のような語として用いられるのが主な使い方といえる。
政府や企業などの組織において、内部を統制する仕組みを指す言葉。派生した言葉としては「コーポレート・ガバナンス」があり、企業における不正行為や経営陣の暴走を防ぐために、業務内容や会計などを監視することを意味する。また、コーポレート・ガバナンスから派生した言葉で、企業のIT活用を、経営陣や取締役会などが監視することを「ITガバナンス」と表現する。
ガバナンス(governance)は主に「統治」「管理」「支配」などと和訳される。少なからず「権力ある地位にある者が組織をうまく取り仕切り良好な状態を保つ」という意味合いを含む。ただし、上から下への一方的に支配というニュアンスよりは、組織や社会に所属する当事者たちが意思決定に携わる「自治」のニュアンスが強い。コーポレートガバナンスという語もこの意味合いを前提とする使い方がされているといえる。
ガバナンスはガバメント(government)と対比される概念として扱われる。ガバメントは行政組織によって行われる統治という意味合いが色濃い。
ガバナンス governance
全体 ★☆☆☆ 60歳以上 ★☆☆☆
言い換え語
- もちろんG8にとって一番重要なことは「援助」ではなくアフリカの良き
ガバナンス を前提とした「自立と自発的向上力」であることには間違いがない。 コーポレートガバナンス の再構築は,わが国の現状において,実際的にもますます重要な課題となっている。
意味説明
- 1990年代半ばから,よく使われるようになった語。社会,企業,国家,国際社会などについて,組織が自らをうまく統治することについて言われる。
- 2000年代には企業不祥事が相次いだこともあり,企業が自らの組織をうまく統治していく仕組みを指す,「コーポレートガバナンス」の形で用いられることが特に多く,単に「ガバナンス」という形でこれを指す場合も多い。
- 文脈によっては「統治能力」と言い換えることが適切になる場合がある。
複合語例
- governanceのページへのリンク