と‐ほ【杜甫】
杜甫
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杜 甫(と ほ、簡体字: 杜 甫; 拼音: Dù Fǔ; ウェード式: Tu⁴ Fu³、712年(先天元年) - 770年(大暦5年)は、中国盛唐の詩人。字は子美。号は少陵野老、別号は杜陵野老、または杜陵布衣。「杜少陵」「杜工部(検校工部員外郎)」「杜拾遺(左拾遺)」とも呼ばれる。杜預の末裔。律詩の表現を大成させた。幼少の頃から詩文の才能があり、李白と並ぶ中国文学史上最高の詩人として、李白の「詩仙」に対して、「詩聖」[1]と呼ばれている。また晩唐期の詩人の杜牧の「小杜」に対し「老杜」「大杜」と呼ばれることもある。
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杜甫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 20:57 UTC 版)
杜甫が最晩年、戦乱で荒廃した長江流域をさすらう中で岳陽を訪れ、768年(大暦3年)の暮れに詠んだのが、この極めて精錬度の高い五言律詩『登岳陽樓』(岳陽楼に登る)である。 登岳陽樓昔聞洞庭水 昔聞く 洞庭の水 昔から洞庭湖の素晴らしい景色を話には聞いていたが 今上岳陽樓 今上る 岳陽楼 いままさに岳陽楼に登っている 呉楚東南坼 呉楚(ごそ) 東南に坼(さ)け 呉と楚は、この湖によって東と南に引き裂かれ 乾坤日夜浮 乾坤(けんこん) 日夜浮かぶ 天と地が、果て無く広がる水面に日夜浮かんでいる 親朋無一字 親朋(しんほう) 一字無く 家族や友人から一通の便りも無く 老病有孤舟 老病 孤舟(こしゅう)有り 老いて病気がちな我が身には、一艘の舟だけが頼りだ 戎馬關山北 戎馬(じゅうば) 関山の北 関山の北では、戦乱が続いている 憑軒涕泗流 軒(けん)に憑(よ)って涕泗(ていし)流る 軒にもたれて故郷を思うと、涙が流れてくるばかりだ 『唐詩選』にも収められたこの詩に対する賞賛は数多く、かねてより古今の絶唱と称される。例えば宋の唐庚(中国語版)は『唐子西文録』で「子美の詩は四十字のみ。気象閎放、涵蓄深遠にして、殆ど洞庭と雄を争ふ。いはゆる富めるかな言や、といふ者なり。〔李〕太白、〔韓〕退之の輩、率(おおむ)ね大篇を為(つく)るも、終に逮(およ)ばざるなり」と絶賛している。
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