呼子の大綱引きとは? わかりやすく解説

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呼子の大綱引き

名称: 呼子の大綱引き
ふりがな よぶこのおおつなひき
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 呼子大綱振興
選択年月日 2003.02.20(平成15.02.20)
都道府県(列記): 佐賀県
市区町村(列記): 唐津市
代表都道府県 佐賀県
備考
解説文: 呼子の大綱引きは、佐賀県東松浦郡呼子町【ひがしまつうらぐんよぶこちょう呼子伝承される行事である。呼子は東、西、南を低い丘陵囲まれ、北は玄界灘面して天然良港となっている。古代から大陸渡航拠点として知られ近世に入ると廻船停泊地として、また沿岸捕鯨基地として栄えた。現在でも漁業水産加工業等が生業活動中心となっており、近年はこれに加えて観光にも力点置かれている。
 呼子の大綱引きは六月第一土・日曜日行われているが、本来は旧暦五月五日六日行われてた行事である。呼子集落サキカタ(浜組)とウラカタ(岡組)に分かれて綱を引き合い豊凶を占う行事で、サキカタ勝てば豊漁ウラカタ勝てば豊作になるといわれている。サキカタ先方町【さきかたまち】、海士町【あままち】、釣町【つりまち】、小倉町【こくらまち】、西中町【にしなかまち】、中町【なかまち】、ウラカタは宮ノ町【みやんちょう】、天満町てんまちょう】、松浦町まつうらちょう】、川端町かわばたちょう】、愛宕町あたごちょう】、殿ノ浦【とののうら】の各町で、綱を引き合うときにサキカタウラカタ人数平等にならなくてもよいことになっている初日にはミト(綱の中心部になる部分)を作る作業が行われ、二日目大綱引きが行われる。
 ミト作りは、初日早朝から、呼子氏神である三神社鎮座する宮ノ町の人たち中心になって行われる。この作業天満町の人たちも一緒に行うことになっているが、ここしばらくは宮ノ町だけで行われている。準備等の段取りは宮ノ町の区長材料【むしろ】等は呼子大綱振興会が用意し作業はワカシュウカタが行う。夕方でかかって、綱のつなぎ目中央にくるようにして長さメートル、高さ一二センチメートルほどの大きさミト作る大綱引きでは、これに綱をつなぎたして、全体長さ四〇メートルほどの綱を完成させる大綱直径一四センチメートル一本長さ一〇メートルほどのもの四本ミト中央にしてつなぎ合わせたのであるそれぞれの綱は両端形状違い、輪になっている方をメジメ、まっすぐな方をオジメ呼びオジメをメジメに通して結んで一本の綱にする。
 二日目は、大綱引きが三神社の前を中心にして行われる綱引き先立って午前中ワカシュウ銅鑼たたきながら町まわりをする。ワカシュウは、適度な長さ切った竹の先に五色の布を付けたジャ呼ばれる采配持ち銅鑼たたきながらそれぞれの町内回り寄付もらった家や、初節供迎えた家に立ち寄って酒肴接待を受けながら徐々に三神社前に向かう。午後三神社前にミトが来るように道路上置かれ大綱に短い引き綱をかけ、サキカタウラカタ分かれて引き合うミトの上にはジャ持ったワカシュウ頭などが乗り綱引き指揮をする。綱引きは三回行われ、二回勝った方が勝ちとなる。
 大綱長さ四〇メートルほどもあり、道路曲がりくねっているので、曲がり角にボングイと呼ばれる棒を立てて大綱が家に触れないような工夫なされている。ボングイには大綱引きの最中摩擦熱大綱がすり切れたりしないように時々かけられる
 大綱引きが終わるとすぐに宮ノ町がミト解体片付け行い、綱は参加町全部巻き取り呼子の町への入り口近くにある倉庫にしまう。
 また、大綱引きの前日までに、ワカシュウが各町内回って寄付集めるが、そのときには初節供迎えた家には必ず行くものだといわれている。初節供の家には小さな半纏はんてん】と酒、ジャ持っていくが、このとき持っていくジャ大綱引きのときの町まわりや、ミトの上乗って用いジャとは異なり五色の布の代わりに色紙いろがみ】を付けたのである
 盆に行われる綱引きが多い九州北部において数少ない5月節供綱引き行事として注目される


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