務め
「務め」とは、その人が果たさなければならない事柄を行うこと・雇われて働くことを意味する表現。
「務め」とは・「務め」の意味
「務め」とは「つとめ」と読み、その人が果たさなければならない責任がある事柄・役目を行うこと、雇われて働くことを意味する言葉である。任務や義務、勤務を引き受けて仕事をすること以外に、ある人のために尽くすという意味もある。また、仏道の修行を行うことや、僧侶が日課として行う勤行(ごんぎょう)も「務め」という。そのほか、懲役に服する「服役」を「務め」という場合もあり、多くの場合「お務め」と接頭辞の「お」をつけて使用する。修行や服役の場合、「お勤め(おつとめ)」とも書く。「つとめ」と読む言葉には、「務め」以外に「努め」「勉め」「勤め」があり、混同されやすい。「努め」「勉め」には、何かに努力することや励むこと、無理をして行うことなどの意味がある。「勤め」は、仕える・奉公するという意味のほかに、「務め」と同じ「雇われて勤務する・仏道の修行をする・勤行する・服役する」といった意味を持つ。なお、漢文における「務め」には、「努め」と同じく「努力する」という意味があるため注意が必要である。努力という意味で使用される「務め」は、『論語』学而篇の第2章に出てくる「君子務本」という言葉が有名だ。「君子は本(もと)を務む(つとむ)」と読みくだして、「立派な人物は、物事の根本となる人としてのあり方を身につけようと努力する」と解釈される。
「務め」の熟語・言い回し
「務め」の熟語・言い回しには、以下のようなものがある。務めたとは
「務めた」とは、動詞「務める」の連用形である「務め」に、助動詞「た」がついた言い回しである。助動詞「た」には、過去・完了・存続・確認の働きがあるが、一般的に「務めた」という場合は、「過去に雇われて勤務した・役目を行った」という過去の意味や、「勤務や役目を担って、終わらせた」という完了の意味を表す。
務めを果たすとは
「務めを果たす」とは、その人が行わなければならない責任のある事柄・役目・勤務などを成し遂げることを表現する言い回しだ。仕事などを最後まで完全に行った場合や、成功した場合にのみ使用され、途中でやめた場合や、失敗した場合には使用されない。
お務めとは
「お務め」とは、「務め」に接頭辞「お」をつけて丁寧にした言い回しだ。勤務先を意味する「お勤め先・お務め先」や、懲役刑を受刑することを意味する「お務め」などがある。ドラマや映画などで、服役を終えた仲間を出迎える際の「お務めご苦労様です」という使用例が多くみられる。
務めを終えるとは
「務めを終える」とは、自分の役目や任務、義務を無事にやり終えることをいう。1日の勤務時間や、一時的に担う役目だけでなく、長期間の勤務や雇用関係を無事に終わらせた場合、定年退職をした場合にも使用可能だ。
務めを全うするとは
「務めを全うする」とは、自らに与えられた役目・任務・義務・課せられた事柄を、やり残すことなく完全に終わらせるという意味の言い回しである。
務めていくとは
「務めていく」とは、引き受けた役割・役目・任務などを、これから始めて続ける、またはすでに行っていてこれからも引き続き行う、遂行し続けるという意味の熟語だ。
「務め」の使い方・例文
「務め」の使い方・例文としては、さまざまなものが挙げられる。たとえば、「夫婦の離婚調停では、弁護士が代理人を務めた」、「今回の公演で主役を務める俳優を紹介する」、「私は現在、企業の監査役という役目を務めている」、「これからも彼の相棒を務めていく」などの使い方が可能だ。何らかの役職や責任を「務め」と表現する場合、「社長という務めを全うできたのは、社員が支えてくれたおかげだ」、「プロジェクトの成功という結果を出して、自分の務めを果たす」、「子どもたちに義務教育を受けさせることは、大人の務めだ」といった例文がある。勤務や服役、勤行を「お務め」という場合は、「今日も無事に1日の務めを終えた」、「3年のお務め、ご苦労様でした」、「僧侶は、朝夕の務めを欠かさないものだ」などの使い方が可能だ。
つとめ【勤め/務め】
務め
務め
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 03:10 UTC 版)
彼女たちの務めは、火床と家庭をつかさどる女神ウェスタに捧げられた聖なる炎を絶やさないことである。彼女たちはまた、聖なる泉から水を汲み、典礼に用いる酒食を用意し、寺院の聖所におかれた聖具を管理する。ウェスタの聖火を絶やさぬことで、そこから家政にもちいる炎をともす彼女たちは、ローマ人の宗教観にあって彼らの「代理母」となった。この聖なる火は、帝国においては帝室の炎ともみなされた。 ウェスタの処女たちは、様々な人々の聖約や意志をまもり続けるという職務も持っている。そこにはカエサルやマルクス・アントニウスといった人物も含まれていた。また彼女たちはパラディウムも含めたいくつかの聖具の保護や、ひろく神への供物とされていたモラ・サルサという麦と塩をまぜた特別な粉をつくってもいた。
※この「務め」の解説は、「ウェスタの処女」の解説の一部です。
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「務め」の例文・使い方・用例・文例
- 議長を務める
- 教師として,生徒たちが自分の夢を達成する手助けをするのが私の務めだ
- 銀行で働き,バレーボールチームのコーチを務めるかたわら,彼女はベストセラーとなった小説を書いた
- 果たすべき務め,本務
- 議長席についている;議長を務めている
- 私の留守中は彼が代理を務めることになります
- 自分の務めを果たす
- 自己の務めを怠る
- その役を務める人がだれもいません
- 彼はときに自分の務めを怠ることがある
- パーティーの主人役を務める
- 仲介役を務める
- 彼がその視察団の通訳を務めます
- 彼は会議で同時通訳を務めた
- 私は自分の務めを果たしているだけだ
- 審判を務める
- フラワーショーの審査員を務める
- 必要なときにはあなたの代理を務める準備はできている
- 会議の主催者を務める
- 彼の父親の役目を務めた
務めと同じ種類の言葉
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