自然環境保全基礎調査
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湿地調査
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調査時期 | 成果物一覧 |
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第5回調査 平成5,6年度 |
湿地調査報告書(平成7年) 湿地調査 調査対象一覧 |
湿地は水と陸の接点であること、生産力に富むこと等から多様な動植物の生息・生育地となると共に、その特有の環境から湿地特有の動植物を育んでおり、生物多様性の保全の上で極めて重要な生態系である。
しかしながら、湿地はその分布、概要等が十分把握されておらず、保全が不十分なまま他の土地利用に転換されつつある。この為、湿地の分布とその概要、生物相等について総合的に把握し、保全の基礎資料とする調査が実施された。
2.調査の内容と方法
調査は、
- a.水分が飽和状態に達しているか、あるいはこれに近い土壌に成立した植生地
- b.常時あるいは定期的(年に1度以上)に冠水する植生地及びこれと一体となった開水面、自然裸地
- c.常時湛水している水域(深さ6m以浅)及びその周辺の植生地
のいずれかの特性を持つ土地のうち、
- 1.陸域に位置すること
- 2.面積が原則として1ha以上であること
- 3.原則として自然に成立したものであること
の3要件を全て満たす湿地を対象に実施された。
調査の内容は次のとおりである。
①湿地概況調査
我が国の湿地の分布状況、面積、属性の概要、保護と利用の現状等を明らかにする為に実施された。この調査は湿地分布調査と湿地概要調査とからなり、後者においては基礎的項目、自然的項目、保護・利用状況の項目の3項目について調査がなされた。
②湿地詳細調査
貴重な動植物の生息・生育地として特に重要な湿地等について、周辺部の影響等をモニタリングする為に実施された。この調査はさらに、選定湿地の概要補足調査、植物調査、動物調査、水文調査、水質調査から構成される。
3.調査結果
今回調査で報告された湿地は2,196箇所。それぞれの湿地で湿地概要調査が行われ、湿地に関する基本的情報である、位置、面積や水質、その湿地の主な動植物の生息・生育情報等が集められた。さらに、報告された湿地の中で、動植物の生息・生育地として特に重要な湿地、地域の景観を代表する湿地でその特徴が典型的なもの等、一定の基準を満たした湿地231箇所において湿地詳細調査が行なわれ、動植物相や水文、水質に関して詳細な調査が行なわれた。
全国の湿地分布の報告状況は地方別に北海道261件(全体の9%)、東北639件(29%)、関東261件(12%)、甲信越・中部483件(22%)、近畿149件(7%)、中国・四国198件(9%)、九州・沖縄273件(12%)であった。