自然環境保全基礎調査
総合とりまとめ | 総合とりまとめ |
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植物 | 動植物分布調査 | 植生調査 | 特定植物群落調査 | 巨樹・巨木林調査 | 植物目録の作成 |
動物 | 動植物分布調査 | 動物分布図集 | 身近な生きもの調査 | 過去における鳥獣分布調査 | 哺乳類の分布調査 | 特定哺乳類生息状況調査 | 両生類・爬虫類の分布調査 | 昆虫類の分布調査 | 鳥類の分布調査 | 陸生及び淡水貝類の分布調査 | 淡水魚類の分布調査 |
地形地質 | 表土改変状況調査 | 自然景観資源調査 |
すぐれた自然調査 | すぐれた自然調査 |
河川湖沼 | 陸水域自然度調査 | 河川調査 | 湖沼調査 | 湿地調査 |
海域 | 海域自然度調査 | すぐれた自然調査 | 海岸調査 | 藻場調査 | 干潟調査 | サンゴ礁 | 海域生物調査 | 海域環境調査 | 海の生きもの調査 | 海辺調査 | 海棲動物調査 | 沿岸調査 |
生態系 | 環境寄与度調査 | 生態系総合モニタリング調査 | 生態系多様性地域調査 |
種 | 種の多様性調査 |
遺伝子 | 遺伝的多様性調査 |
生態系多様性地域調査
調査時期 | 成果物一覧 |
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平成6年度 |
生態系多様性地域調査(上信越高原国立公園池の平・湯の丸地区)
生態系多様性地域調査(足摺宇和海海域) |
平成6~7年度 |
生態系多様性地域調査(奄美諸島地区)報告書
生態系多様性地域調査(渡島半島)報告書 生態系多様性地域調査(遠音別岳原生自然環境保全地域) 生態系多様性地域調査(ルシャ・テッパンベツ)報告書 |
平成8~10年度 |
生態系多様性地域調査(白山地域)報告書(平成8年度)
生態系多様性地域調査(白山地区)報告書(平成9年度) 生態系多様性地域調査(白山地区)報告書(平成10年) |
平成10~11年度 |
生態系多様性地域調査(対馬沿岸地域)報告書(平成10年)
対馬沿岸地域基本情報図帳 生態系多様性地域調査(対馬沿岸地域)報告書(平成11年) 対馬沿岸地域自然環境図帳 |
平成11~12年度 | 生態系多様性地域調査(乗鞍岳地域)報告書 |
平成12~14年度 | 生態系多様性地域調査(大蓮華山地域)報告書 |
平成13~14年度 | 生態系多様性地域調査(富士北麓地域)報告書 |
平成14~15年度 | 生態系多様性地域調査(湿原生態系調査)報告書-北海道 夏鳥調査- |
生態系多様性地域調査は、保全すべき重要な生態系が成立している地域について、現地調査等により生態系の構成要素及びその構造を総合的に把握し、生物多様性の保全上重要な地域の保全指針を作成するうえで必要な基礎資料を得ることを目的とした。
2.調査の内容と方法
本調査においては、わが国の様々な自然条件の違いに応じて成立している生態系の中から、多くの構成要素を有する生態系(森林、草地、水辺等の多様な環境を含む生態系、多くの種を有する生態系)、固有のもしくは脅威にさらされた種を多く有する生態系、原生地域等の代表的な生態系を選定し、各地域において以下の項目について調査を行った。
(1) 生態系の構成要素の把握
- ア.種リストの作成
- イ.各野生動植物種の詳細な分布の把握
- ウ.指標性を有する動物等の個体数の計測、推定
- エ.その他
(2) 生態系の構造把握
- ア.植物群落(種組成、群落構造)の把握(植生図の作成)
- イ.指標性を有する動物の個体群動態の把握
- ウ.植生現存量、植生生産量の把握
- エ.気象、地形等無機的環境の把握
- オ.その他
3.調査結果
■生態系多様性地域調査(奄美諸島地区)報告書
- ①生息環境調査:調査対象種の生息環境に関する調査として、地形、気候、植生など、自然環境の概要、人口・産業・土地利用など、人為活動の現況と時代的推移、また特に森林の状況を、主として既存資料・文献に基づいてまとめた。
- ②重要種分布調査:アマミノクロウサギ、ケナガネズミ、アマミトゲネズミ、ワタセジネズミ、オリイジネズミ、リュウキュウイノシシに着目して、分布状況に関する調査を行った。
- ③アマミノクロウサギ生息密度分布及び行動調査:アマミノクロウサギを対象に、生息密度の分布状況、森林環境との関連に関する調査を行った。
- ④アマミトゲネズミ生息確認調査:アマミトゲネズミを対象として、生息確認調査を行った。
- ⑤マングース生息状況調査:人為的外来種のうち、とくに影響の懸念されるマングースについて、文献などにより分布、生態などに関する既存知見のとりまとめを行った。
- ⑥保全対策の検討:上記調査結果を踏まえ、対象地域における生息環境保全管理をはじめとする希少種の保全対策に関する検討を行った。
■生態系多様性地域調査(ルシャ・テッパンベツ地区)報告書
- ①植物調査:植物相の調査、ギャップの動態・萌芽特性の調査、針広混交林の林分構造の調査を実施した。
- ②動物調査:小型哺乳類、大型哺乳類、鳥類、大型猛禽類について、現地調査により調査を実施した。
- ③景観・地形調査:ラジコンヘリコプターにより航空撮影を行い、調査地域全体の把握、景観写真の収集を行った。
■生態系多様性地域調査(白山地域)報告書
- ①生物種目録・分布図:文献調査及び現地調査によって、生物種の種目録を作成するとともにその一部について分布図を作成した。
- ②特定動植物種の生息・生育環境調査:本地域を代表する生態系の構成種について、環境利用や生息密度等についての実態把握調査を行った。
- ③植生変遷史:高山帯の代表的平坦地において、ほぼ1万年前以降に堆積した泥炭層に含まれる花粉化石を分析し、植生の変遷史を調べ、高山帯の成り立ちについて考察した。
- ④自然環境調査:周氷河地形の形態・分布を明らかにし、代表的なものについて地中温度・移動量等を測定し、形成過程を調べた。また、代表的地点において、植物の生育環境を考察するため、温度・土壌水分・雪圧等を継続的に測定した。
■生態系多様性地域調査(対馬沿岸地域)報告書
- ①対馬沿岸地域の自然環境に関する基本情報図を作成して生態系区分を行い(5区分)、それをもとに自然環境図を作成した。
- ②基本情報図の中から多様な動植物が生育・生息する地域の条件を表していると推定されるデータを抽出し、これらを重ね合わせて特に多様性、自然性の高い地域(4地域)を抽出した。
- ③対馬沿岸地域の代表的な9地域を標本地域として選定した。
- ④「場所―生物」の結びつき及び生物の生育・生息場所の空間的配置を明らかにすることで、地域の「生物多様性」「生態系」の把握を行った。
■生態系多様性地域調査(乗鞍岳地域)報告書
- ①生物種目録・分布図:文献調査によって、乗鞍岳を構成する主要な生物(哺乳類・繁殖鳥類・昆虫類-鱗翅目・維管束植物・植物群落)について生物種目録を作成し、一部の生物については分布図を作成した。
- ②特定動植物の生育・生息状況調査:乗鞍岳を代表する動植物としてライチョウの生息状況(生息範囲、繁殖状況等)、ハイマツの生育状況(分布範囲、個体の状態等)の実態把握を現地調査により行った。
- ③自然環境調査:生物の生育・生息環境として乗鞍岳における気候環境、地形環境について調査を行った。
生態系多様性地域調査( 大蓮華山地域)報告書
- ①動植物相調査:現地調査、標本調査、及び文献調査により、高等植物、キノコ類、哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、昆虫類について、生物種目録を作成し、一部の生物については分布図を作成した。
- ②特定動物種の生息調査:大蓮華山を代表するライチョウ及びタカネヒカゲについて、繁殖状況や生息範囲の把握を行った。
- ③地形・地質調査:生物の分布と地形・地質の関係を明らかにすることを目的として、本地域の特徴的な地形・地質の分布等の調査を行った。
■生態系多様性地域調査(富士北麓地域)報告書
- ①生物相調査:植物(維管束植物、蘚苔類)、菌類、脊椎動物、昆虫類、土壌動物について、現地調査を実施した。
- ②生態的環境特性:富士山を特徴づける高山・亜高山、火山地形、二次草原の3タイプにおいて、生物種の出現状況から各地点の環境特性を考察した。
- ③特定動植物種の生息環境調査:上記3タイプにおいて、特に環境の指標性を有すると思われる種を選び、その生育・生息状況から生態的特性を考察した。
■生態系多様性地域調査(湿原生態系調査)報告書-北海道 夏鳥調査-
北海道の主要な湿原において湿原生態系を構成する生物のうち、夏鳥を指標種として、自然環境及び社会環境を調査を実施した。
- ①夏鳥調査:アンケート調査、既存文献調査、情報収集及び現地調査により、夏鳥の生息状況及び繁殖状況等について調査を実施した。
- ②生息環境調査:現地調査等を実施した調査ルート沿いの過去と現在の生息環境を植生図、空中写真、リモートセンシングを用いて把握するとともに、現地での植生調査を実施した。