JPH11264409A - 動圧流体軸受装置及び電動機 - Google Patents
動圧流体軸受装置及び電動機Info
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- JPH11264409A JPH11264409A JP10087909A JP8790998A JPH11264409A JP H11264409 A JPH11264409 A JP H11264409A JP 10087909 A JP10087909 A JP 10087909A JP 8790998 A JP8790998 A JP 8790998A JP H11264409 A JPH11264409 A JP H11264409A
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- F16C17/00—Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
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Abstract
みに潤滑液不足が生じて装置が短寿命化することを防
ぐ。スラスト軸受部に保持された潤滑液が回転スリーブ
体の回転時にラジアル軸受部へ過剰に移動してスラスト
軸受部を潤滑する潤滑液の量が過少になることを防ぐ。 【解決手段】 固定スラスト板12bの下側内周側部1
2b1における180度中心角を隔てた2箇所に、径方
向の連絡突条部34を設ける。連絡突条部34の内端面
と固定軸部材12aの外周面との間にスリット部36を
有する。連絡突条部34とスラスト溝部20の下側面と
の間に径方向の連絡路37を有する。連絡路37に潤滑
油44が表面張力により保持され、固定軸部材12aと
スリーブ部18a1との間隙に保持された潤滑油44の
上端部と下スラスト軸受部42に保持された潤滑油44
の内周部が連続する。
Description
たスラスト部を有してなる固定軸体に対し回転スリーブ
体が潤滑液を介し回転自在に支持されてなる動圧流体軸
受装置及びその動圧流体軸受装置を備えた電動機、特
に、スラスト軸受部及びラジアル軸受部の一方のみにつ
いて潤滑液不足が生じて装置が短寿命化するという不都
合の発生が防がれると共に、スラスト軸受部に保持され
た潤滑液がラジアル軸受部へ過剰に移動してスラスト軸
受部を潤滑する潤滑液の量が過少になることが防がれる
動圧流体軸受装置及びその動圧流体軸受装置を備えた電
動機に関する。
は、軸部aから張り出したスラスト板部bを有する上下
方向の固定軸体cに対しロータとしての回転スリーブ体
dが潤滑油e(潤滑液)を介し回転自在に支持された動
圧流体軸受装置を備えたハードディスク駆動用のスピン
ドルモータ(電動機)の従来例についての断面図であ
る。
に固定されており、上端部(先端部)は、ハードディス
ク駆動装置の蓋体等に固定される。回転スリーブ体dの
スリーブ部d1は、固定軸体cの軸部aのうちスラスト
板部bよりも基端側の部分にスリーブ嵌合し、環状のス
ラスト溝部gは、径方向内方に開口し、スラスト板部b
に外嵌している。
たスピンドルモータにおいて、スラスト板部bとスラス
ト溝部gの間隙に形成されるスラスト軸受部kの潤滑油
eと、スリーブ部d1と軸部aの間隙に形成されるラジ
アル軸受部iの潤滑油eとが連続している場合に、回転
スリーブ体dの回転時に、公差、組立、熱変形等の要因
により、ラジアル軸受部iの潤滑油eが下向き(基端向
き)に移動すると、それに連続するスラスト軸受部kの
潤滑油eも共に移動するので、移動量が大きくなればス
ラスト軸受部kの潤滑油eが不足することとなり、回転
精度が低下したり、軸受装置、すなわちスピンドルモー
タが短寿命化するという不都合が発生する。
スト溝部gの基端側の面との間隙のうち内周部に環状の
気体部分mを有し、スラスト軸受部kの潤滑油eとラジ
アル軸受部iの潤滑油eとが分離している場合、何れか
一方の軸受部に蒸発や衝撃による脱落等により潤滑油e
が減少すると、その一方のみの軸受部に生じた潤滑油不
足により回転精度が低下したり、軸受装置全体、すなわ
ちスピンドルモータ全体が短寿命化するという不都合が
発生する。
差、組立、熱変形等の要因により、ラジアル軸受部iの
潤滑油eが上向き(先端向き)に移動し過ぎると、ラジ
アル軸受部iの潤滑油eが不足することが生じ得る。
ラスト溝部gとスラスト板部bの間隙の外周部付近に気
泡が溜まり易く、然もその気泡は外部へ解放され難い。
このような気泡は、熱により膨張して潤滑油eを外部へ
漏出させる原因ともなる。
問題点に鑑み行われたものであって、その第1の目的
は、スラスト軸受部及びラジアル軸受部の一方のみにつ
いて潤滑液不足が生じて装置が短寿命化するという不都
合の発生が防がれると共に、スラスト軸受部に保持され
た潤滑液が回転スリーブ体の回転時にラジアル軸受部へ
過剰に移動してスラスト軸受部を潤滑する潤滑液の量が
過少になることが防がれる動圧流体軸受装置及び電動機
を提供することにある。
時における先端向きの潤滑液移動圧力によるラジアル軸
受部の潤滑液の先端側への移動量が抑えられ、ラジアル
軸受部の潤滑液不足が防がれる動圧流体軸受装置及び電
動機を提供することにある。
ト板部の間隙の外周部付近の気泡を外部へ解放すること
ができる動圧流体軸受装置及び電動機を提供することに
ある。
軸受装置は、軸部とその軸部から径方向外方へ張り出し
たスラスト部とを有してなる固定軸体に対し、前記軸部
のうちスラスト部よりも基端側の部分にスリーブ嵌合し
たスリーブ部と、前記スラスト部の基端側の面に軸心方
向基端側において相対する回転スラスト面とを有してな
る回転スリーブ体が、前記固定軸体と回転スリーブ体と
の間隙に充填された潤滑液を介し、主に軸部とスリーブ
部が相対するラジアル軸受部及び回転スラスト面とスラ
スト部が相対するスラスト軸受部において、回転自在に
支持されてなる動圧流体軸受装置であって、前記スラス
ト部の基端側の面と回転スラスト面が相対する部分に有
する基端側スラスト軸受部の内周側に、スラスト部の基
端側の面と回転スラスト面との軸心方向間隙が前記基端
側スラスト軸受部よりも大きい基端側軸心方向間隙拡大
部を有し、その基端側軸心方向間隙拡大部の一部に、潤
滑液が表面張力により保持され得る程度に軸心方向間隙
が狭く、保持された潤滑液が、基端側スラスト軸受部に
保持された潤滑液の内周部と、軸部とスリーブ部の間隙
に保持された潤滑液の先端部との間に連続し得る連絡路
を有し、前記基端側軸心方向間隙拡大部の前記連絡路以
外の部分のうち少なくとも内周部が気体部分であり、そ
の気体部分と外部とを連通する呼吸孔を固定軸体内に有
し、ラジアル軸受部に保持されて先端側が基端側軸心方
向間隙拡大部に臨む潤滑液が基端向きに移動した場合に
連絡路による潤滑液の連続が途切れることを特徴とする
(請求項1)。
一体に形成されたものであってもよく、別体の部品を結
合してなるものであってもよい。
それぞれ動圧発生用の溝部を有することが望ましい。
基端側ラジアル軸受部に別れている場合は先端側ラジア
ル軸受部)は、公差範囲程度でやや先端寄りに潤滑液の
動圧が高くなるアンバランスを生じするよう設計するこ
とができる。
各種潤滑油を用いることができる。
周部は、潤滑液をスラスト部の基端側の面と回転スラス
ト面の軸心方向間隙が、両者間に潤滑液を表面張力によ
り保持し得ない程度に大きいことが好ましい。
大部の一部に、スラスト部の基端側の面及び回転スラス
ト面の一方の面又は両方の面に、好ましくはスラスト部
の基端側の面に、軸心方向に突起して両面の軸心方向間
隙を基端側軸心方向間隙拡大部の他の部分よりも狭くす
る、ほぼ径方向に連続する突起部(例えばほぼ径方向の
突条部)を形成することにより設けることができる。こ
の突起部を前記一方の面に設けて他方の面との間を連絡
路とすることができるほか、前記両方の面に軸心方向に
相対する突起部を設けて両突起部の間を連結路とするこ
ともできる。基端側スラスト軸受部から径方向内方に向
かう連絡路は1つでもよく2以上でもよい。
の内周部と、軸部とスリーブ部の間隙に保持された潤滑
液の先端部との間が、連絡路に保持された潤滑液により
連続する。基端側スラスト軸受部とラジアル軸受部の何
れかにおいて蒸発や衝撃による脱落等により潤滑液が減
少した場合、潤滑液が減少した軸受部に対し他方の軸受
部から、連絡路を介して潤滑液が補給される。そのた
め、一方の軸受部のみについて潤滑液不足が生じて装置
が短寿命化するという不都合の発生が防がれる。
熱変形等の要因により、軸部とスリーブ部の間隙に保持
されて先端側が基端側軸心方向間隙拡大部に臨む潤滑液
に基端向きに移動する圧力が発生し、その潤滑液が基端
向きに移動することがあり得る。その場合、基端向き移
動圧力が限度を超えると、連絡路における潤滑液に対す
る遠心力や表面張力等とも作用し合って、基端側スラス
ト軸受部に保持された潤滑液の内周部と、軸部とスリー
ブ部の間隙に保持された潤滑液の先端部との間の、連絡
路による潤滑液の連続が途切れることとなる。それによ
り、基端側スラスト軸受部に保持された潤滑液がラジア
ル軸受部へ過剰に移動して基端側スラスト軸受部を潤滑
する潤滑液の量が過少になることが防がれる。また、こ
のように潤滑液が途切れて先端側からラジアル軸受部に
気体が導入されれば、それにより基端向きの潤滑液移動
圧力が減少してバランスするようになるので、潤滑液の
基端側への移動が抑えられる。
持された潤滑液に対する基端向き移動圧力が回転中に又
は回転停止により解消されれば、基端側スラスト軸受部
に保持された潤滑液の内周部と、軸部とスリーブ部の間
隙に保持された潤滑液の先端部との間の、連絡路による
潤滑液の連続が回復し得る。
大又は縮小に伴い、呼吸孔を通じて気体の移動が生じ
る。
塞した状態で呼吸孔内に表面張力(毛細管現象)により
保持されることが防がれる程度に大きい横断面サイズで
あるものとすることが好ましい。この場合、呼吸孔の内
部を閉塞した状態で潤滑液が表面張力により呼吸孔内に
保持されることが防がれるので、呼吸孔を通じた気体の
移動が確実性高く行われ、また潤滑液に混入した気泡等
の呼吸孔を通ずる外部への解放が確実性高く行われ得
る。
周面におけるスリーブ部の先端部に相対する位置の上記
連絡路が存在しない周方向部分に、径方向外方開口の周
方向の先端側円弧状溝部を有するものとすることができ
る。
面との間に形成される周方向の円弧状径方向間隙拡大部
に、ラジアル軸受部に保持された潤滑液の先端側界面が
表面張力により位置し、その周方向部分において、ラジ
アル軸受部に保持された潤滑液がスラスト部の基端側の
面と回転スラスト面との間隙に流入することが防がれ
る。
熱変形等の要因により、軸部とスリーブ部の間隙に保持
されて先端側が基端側軸心方向間隙拡大部に臨む潤滑液
に基端向きに移動する圧力が発生し、その基端向き移動
圧力が限度を超えることにより連絡路による潤滑液の連
続が途切れた場合に、前記の周方向の円弧状径方向間隙
拡大部を通じて先端側からラジアル軸受部に気体が導入
され易いので、潤滑液の基端側への移動がより確実に抑
えられる。
部(例えば環状のスラスト板部)に外嵌する径方向内方
開口の環状のスラスト溝部を回転スリーブ体が有し、ス
ラスト溝部の基端側の面及び先端側の面をそれぞれ回転
スラスト面とし、スラスト部の先端側の面と先端側の回
転スラスト面が相対する部分と、スラスト部の基端側の
面と基端側の回転スラスト面が相対する部分の両方にス
ラスト軸受部を有するものとすることができる。その場
合、先端側スラスト軸受部と基端側スラスト軸受部の潤
滑液は、スラスト部の外周とスラスト溝部の外周の間の
潤滑液を介して連続するものとすることができる。ま
た、先端側スラスト軸受部の径方向内方に、潤滑液の先
端界面を有し、この先端界面が径方向内方を向き、ラジ
アル軸受部の基端側に、潤滑液の基端界面を有し、この
基端界面が基端側に向くものとすることができ、このと
きは、固定軸体の両端部を固定し得るものとすることが
できる。
他、種々の機械器具に利用することができる。 (1-1) (1) の動圧流体軸受装置は、基端側軸心方向間
隙拡大部が、径方向内方に向かって軸心方向間隙が漸次
拡大するものであり、この基端側軸心方向間隙拡大部
に、基端側スラスト軸受部に保持された潤滑液の径方向
内方の界面が位置するものとすることができる(請求項
2)。
置する潤滑液が表面張力により径方向外方すなわち基端
側スラスト軸受部側へ確実性高く引き寄せられ、基端側
軸心方向間隙拡大部において潤滑液が基端側スラスト軸
受部と内周側とに分離することが防がれる。 (2) (1) 又は(1-1) の動圧流体軸受装置は、上記連絡
路が、スラスト部の基端側の面に設けられて基端向きに
突起する、ほぼ径方向に連続する突起部と、回転スラス
ト面の間に形成され、その突起部の径方向内端部に、周
方向両方及び軸心方向基端向きに開口し、潤滑液を表面
張力により保持し得るスリット部を有するものとするこ
とが好ましい(請求項3)。
口に向かって漸次拡大する楔形状とすることができる。
熱変形等の要因により、軸部とスリーブ部の間隙に保持
されて先端側が基端側軸心方向間隙拡大部に臨む潤滑液
に基端向きに移動する圧力が発生し、その潤滑液が基端
向きに移動する場合に、基端側スラスト軸受部に保持さ
れた潤滑液の内周部と、軸部とスリーブ部の間隙に保持
された潤滑液の先端部との間の、連絡路による潤滑液の
連続の途切れが、スリット部において開始し易い。その
ため、基端側スラスト軸受部に保持された潤滑液がラジ
アル軸受部へ過剰に移動して基端側スラスト軸受部を潤
滑する潤滑液の量が過少になることがより確実に防がれ
る。 (3) (1) 、(1-1) 又は(2) の動圧流体軸受装置は、ラ
ジアル軸受部として、先端側がスラスト部の基端側の面
と回転スラスト面との間隙に近接した先端側ラジアル軸
受部と、その先端側ラジアル軸受部よりも基端側に位置
する基端側ラジアル軸受部を有し、前記先端側ラジアル
軸受部と基端側ラジアル軸受部の間に、軸部の外周面と
スリーブ部の内周面との径方向間隙が両ラジアル軸受部
よりも大きい中間径方向間隙拡大部を有し、その中間径
方向間隙拡大部は、前記先端側ラジアル軸受部から基端
側に向かって漸次径方向間隙が拡大する第1間隙拡大部
と、前記基端側ラジアル軸受部から先端側に向かって漸
次径方向間隙が拡大する第2間隙拡大部を有し、先端側
ラジアル軸受部に保持された潤滑液の基端側の界面を前
記第1間隙拡大部に有すると共に、基端側ラジアル軸受
部に保持された潤滑液の先端側の界面を前記第2間隙拡
大部に有し、中間径方向間隙拡大部における第1間隙拡
大部と第2間隙拡大部の中間部付近と外部とを、少なく
とも回転スリーブ体の回転時に連通する通気孔を前記固
定軸体内に備えるものとすることができる。
大部と第2間隙拡大部は、必ずしも隣接していることを
要しない。例えば第1間隙拡大部と第2間隙拡大部の間
に径方向間隙が一定である部分を有していてもよい。
大部及び第2間隙拡大部は、それぞれ軸部の外周面が基
端側及び先端側に向かって漸次縮径することにより漸次
径方向間隙が拡大するものとすることが好ましい。
滑液が貯留される。先端側ラジアル軸受部若しくはスラ
スト軸受部において、又は基端側ラジアル軸受部におい
て、蒸発や衝撃による脱落等により潤滑液が減少した場
合に、第1間隙拡大部に貯留された潤滑液は先端側ラジ
アル軸受部に、第2間隙拡大部に貯留された潤滑液は基
端側ラジアル軸受部に、それぞれ補給される。潤滑液の
補給に伴い、通気孔を通じて中間径方向間隙拡大部に気
体が導入される。
度上昇や気圧低下等による気泡の膨張分等は、通気孔を
通じ外部に解放され得る。
を閉塞した状態で通気孔内に表面張力(毛細管現象)に
より保持されることが防がれる横断面サイズであるもの
とすることが好ましい。この場合、通気孔の内部を閉塞
した状態で潤滑液が表面張力により通気孔内に保持され
ることが防がれるので、気体の導入は確実性高く行わ
れ、潤滑液に混入した気泡等は、通気孔を通じて確実性
高く外部に解放され得る。
くは外部への開口の数はそれぞれ1又は2 以上とするこ
とができる。 (3-1) (3) の動圧流体軸受装置は、基端側ラジアル軸
受部の基端側に、軸部とスリーブ部の間の径方向間隙が
基端側に向かって漸次拡大する基端径方向間隙拡大部を
有し、この基端径方向間隙拡大部に、基端側ラジアル軸
受部に保持された潤滑液の非回転時の基端界面が位置す
るものとすることができ、更に、この基端界面を回転ス
リーブ体の回転に伴い先端側へ引き込む界面引込機構を
備え、上記通気孔の外部開口が、基端側ラジアル軸受部
と基端径方向間隙拡大部の境界部付近に位置して、非回
転時には潤滑液中に開口し、回転スリーブ体の回転時に
は外気に通じるものとすることが好ましい。
回転スリーブ体との間隙に充填された潤滑液に遠心力が
作用する。そのため、非回転時においては基端径方向間
隙拡大部に基端界面が位置するように表面張力により保
持されていた潤滑液が、前記遠心力の作用によって更に
基端側へ滲出若しくは漏出することにより、或いは衝撃
により脱落することにより散逸し易い状態となる。とこ
ろが、界面引込機構によって、回転スリーブ体の回転に
伴い、潤滑液の基端界面が非回転時の位置から先端側へ
引き込まれるので、遠心力の作用による潤滑液の滲出又
は漏出による散逸、或いは衝撃により脱落することによ
る散逸が生じ難くなる。
部に動圧発生溝部を設け、回転スリーブ体の回転に伴い
その動圧発生溝部によって潤滑液に発生する動圧が、そ
の基端側ラジアル軸受部における先端側寄りに偏って高
くなるものとすることができる。そのためには、その動
圧発生溝部を例えば基端側ラジアル軸受部における軸心
方向先端寄りに偏心させた構造を採用し得る。なお、動
圧発生溝部の動圧発生溝としては、例えばヘリングボー
ン溝等を用いることができる。また、動圧発生溝部は、
軸部及びスリーブ部の何れか又は両方に設けることがで
きる。
る第1間隙拡大部と第2間隙拡大部の中間部付近に位置
する通気孔の外部開口は、基端側ラジアル軸受部と基端
径方向間隙拡大部の境界部付近に位置し、回転スリーブ
体の回転時には、界面引込機構により基端界面が基端側
ラジアル軸受部の側に引き込まれ、前記外部開口は外気
に開口する。
軸受部に保持された潤滑液が、通気孔内面を経て通気孔
の外部開口へ滲み出ようとすることがあった場合、回転
スリーブ体の回転時には界面引込機構により基端側ラジ
アル軸受部の側に引き込まれ、非回転時には、通気孔の
外部開口が潤滑液中に開口するので、何れにせよ潤滑液
が更に外部へ滲出することが防がれる。 (3-2) (3) 又は(3-1) の動圧流体軸受装置は、軸部の
外周面における先端側ラジアル軸受部の基端側と第1間
隙拡大部との境界部付近に、径方向外方開口の周方向の
基端側円弧状溝部を有し、その基端側円弧状溝部と外部
とを、少なくとも回転スリーブ体の回転時に連通する通
気孔を、前記固定軸体内に備えるものとすることが好ま
しい(請求項4)。
するものであってよい。通気孔の好ましい横断面サイズ
は(3) に記された通りである。
部の基端側と第1間隙拡大部との境界部付近に有する周
方向の基端側円弧状溝部と外部とが、少なくとも回転ス
リーブ体の回転時に通気孔により連通する。そのため、
回転スリーブ体の回転時に、先端側ラジアル軸受部にお
いて、公差、組立、熱変形等の要因により、先端向きに
潤滑液が移動する圧力が発生し、その潤滑液が先端向き
に移動する場合に、通気孔及び基端側円弧状溝部を通じ
て先端側ラジアル軸受部内に基端側から気体が導入され
る。この気体は、潤滑液の移動量が比較的に小さい段階
で先端側ラジアル軸受部内部に導入され、それにより先
端向きの潤滑液移動圧力が減少してバランスするように
なるので、潤滑液の先端側への移動量が比較的に小さく
抑えられる。 (4) (1) 、(1-1) 、(2) 、(3) 又は(3-1) の動圧流体
軸受装置は、スラスト部に外嵌する径方向内方開口の環
状のスラスト溝部を回転スリーブ体が有し、そのスラス
ト溝部の基端側の面及び先端側の面をそれぞれ回転スラ
スト面とし、スラスト部の先端側の面と先端側の回転ス
ラスト面が相対する部分と、スラスト部の基端側の面と
基端側の回転スラスト面が相対する部分の両方にスラス
ト軸受部を有し、先端側スラスト軸受部と基端側スラス
ト軸受部の潤滑液は、スラスト部の外周端面とスラスト
溝部の外周部の間の部分を介して連続し、先端側及び基
端側の各スラスト軸受部に、各スラスト軸受部における
潤滑液が回転スリーブ体の回転に伴い内周側から外周側
へ移動する圧力分布を生じさせる動圧発生機構を有し、
先端側スラスト軸受部の径方向内方に潤滑液の先端界面
を有し、スラスト部の外周端面、並びにスラスト部の先
端側の面及び基端側の面のうち先端側及び基端側のスラ
スト軸受部の内周側の部分において、それぞれスラスト
溝部とスラスト部の間隙に充填された潤滑液内に開口す
る潤滑液循環路をスラスト部内に有するものとすること
ができる(請求項5)。
スラスト軸受部にそれぞれ動圧発生溝部を設け、回転ス
リーブ体の回転に伴いその動圧発生溝部によって潤滑液
に発生する動圧が、その先端側及び基端側のスラスト軸
受部における外周側に偏って高くなるものとすることが
できる。そのためには、例えば動圧発生溝部の動圧発生
溝としてヘリングボーン溝を用いた場合、その動圧発生
溝部の中心をスラスト軸受部における外周側に偏心させ
た構造を採用し得る。また動圧発生溝部は、スラスト部
及びスラスト溝部の何れか又は両方に設けることができ
る。
軸受部における潤滑液は、内周側から外周側へ移動し、
次いで、スラスト部の外周端面からスラスト部内の潤滑
液循環路を経て、スラスト部の先端側の面及び基端側の
面のうち先端側及び基端側のスラスト軸受部の内周側の
部分に流れて循環する。このように潤滑液が循環するこ
とにより、スラスト溝部とスラスト部の間隙に充填され
た潤滑液内の気泡、特にスラスト軸受部の外周側の気泡
が、先端側スラスト軸受部の径方向内方に位置する潤滑
液の界面から外気に解放される。
ができる。
口の周方向の導入溝部を有し、潤滑液循環路の開口部が
その導入溝部内に位置するものとすることが好ましい。
潤滑液が気泡を伴って潤滑液循環路の開口部に導入され
やすくするためである。導入溝部は、全周にわたるもの
とすることができるが、周方向に部分的に有するもので
あってもよい。 (5) 本発明の電動機は、上記(1) 、(2) 、(3) 、(3-
1) 又は(4) の動圧流体軸受装置を備え、回転スリーブ
体がロータとして回転するものである(請求項6)。
等の磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、C
D−R、CD−RW、DVD等の光ディスクを始めとす
る記録媒体、特に円盤状記録媒体を駆動するためのスピ
ンドルモータの他、種々の電動機として用いることがで
きる。
図3を参照しつつ説明する。
の、動圧流体軸受装置を備えたハードディスク駆動用の
スピンドルモータ(電動機)の断面図、図2は、そのス
ピンドルモータの動圧流体軸受装置における回転スラス
ト板の下方斜視図、図3は、図1における回転スラスト
板の右側部付近の拡大図である。但し、図1における回
転スラスト板及びその周辺部は、図2におけるI−O−
I線に対応する。
定軸体12の下端部(基端部)が嵌合固定されることに
より、固定軸体12が立設固定されている。基盤10の
上側における固定軸体12の外周側には、ステータコイ
ル14が巻回されたステータコア16を保持する保持体
13が固定されている。
2a(軸部)と、その固定軸部材12aの上部に同軸状
に外嵌固定された環状板状の固定スラスト板12b(ス
ラスト板部)とを有してなる。固定軸体12には、ロー
タハブ18aと回転スラスト板18bからなる回転スリ
ーブ体18が外嵌されている。
ードディスクが外嵌保持される。ロータハブ18aのほ
ぼ下半部は、内周側のスリーブ部18a1と外周側のロ
ータマグネット保持部18a2の二重管状をなす。スリ
ーブ部18a1は、固定軸部材12aのうち固定スラス
ト板12bと基盤10との間の部分にスリーブ嵌合して
いる。スリーブ部18a1の上方の内径は、上方(先端
側)に向かって、中内径部18a3及び大内径部18a
4へと順次拡径されている。この大内径部18a4の下
端部に回転スラスト板18bが内嵌固定されることによ
り、中内径部18a3の内周側に径方向内方開口の環状
のスラスト溝部20が形成され、このスラスト溝部20
が固定スラスト板12bに外嵌している。大内径部18
a4における回転スラスト板18bの上側には、環状板
状のシール部材22が内嵌固定されている。
定軸部材12aの上端部をハードディスク駆動装置の蓋
体(図示せず)等に固定することができるので、回転ス
リーブ体18の安定的な回転を実現することができる。
部18a2には、強磁性材料製の円筒状ロータヨーク2
4が内嵌固定され、その円筒状ロータヨーク24に円筒
状のロータマグネット26が内嵌固定され、ステータコ
ア16と径方向空隙を隔てて相対している。ロータは、
回転スリーブ体18と円筒状ロータヨーク24とロータ
マグネット26からなる。
部18a1の下端部に相対する部分は、下方に向かって
テーパ状に縮径し、これにより、スリーブ部18a1の
内周面との間の間隙が下方に向かって漸次拡大する下端
(基端)径方向間隙拡大部28が形成されている。スリ
ーブ部18a1の内周面の下端部には撥油剤の塗布等の
撥油処理が施されている。
は、内方に向かって上向きに傾斜し、固定スラスト板1
2bの上面との間に、漸次間隙が拡大する上側(先端
側)軸心方向間隙拡大部29が形成されている。上側軸
心方向間隙拡大部29の内周側には、固定軸部材12a
の外周面及びそれに相対する回転スラスト板18bの内
周面の環状凹部によって更に軸心方向及び径方向に間隙
が拡大された環状空間部31が形成されている。その環
状空間部31の上方において回転スラスト板18bの内
周面及びそれと径方向の比較的狭い空隙を隔てて相対す
る固定軸部材12aの外周面には、撥油剤の塗布等の撥
油処理が施されている。
8bの間に径方向内方開口の環状の潤滑油捕捉溝30が
形成され、シール部材22の内周面及びそれと径方向の
比較的狭い空隙(例えば50μm)を隔てて相対する固
定軸部材12aの外周面には、撥油剤の塗布等の撥油処
理が施されている。
b1は、内方に向かって上向きに傾斜し、スラスト溝部
20の下側面との間に、漸次間隙が拡大する下側(基端
側)軸心方向間隙拡大部32が形成されている。
b1における180度中心角を隔てた2箇所に、それぞ
れ径方向の連絡突条部34を有する。連絡突条部34の
下面は、固定スラスト板12bの下側外周側部12b2
と平行であり、周方向の両側面は上方に向かってやや拡
開する。連絡突条部34の内端面は、下側内周側部12
b1の内周縁から下方に向かって径方向外方に傾斜する
ことにより、固定軸部材12aの外周面との間に、径方
向間隙が下方に向かって漸次拡大して楔形状をなすスリ
ット部36を有する。連絡突条部34とスラスト溝部2
0の下側面との間に、径方向の連絡路37が形成されて
いる。
それぞれ動圧発生用のへリングボーン溝部38(へリン
グボーン溝以外の動圧発生用溝を用いることもでき
る。)が設けられ、それぞれスラスト溝部20の上側面
(回転スラスト板18bの下面)及びスラスト溝部20
の下側面との間に上(先端側)スラスト軸受部40及び
下(基端側)スラスト軸受部42が構成されている。
隙の必要箇所に潤滑油44が充填されている。スラスト
溝部20と固定スラスト板12bの間隙に充填された潤
滑油44の上側界面及び下側界面は、それぞれ上側軸心
方向間隙拡大部29及び下側軸心方向間隙拡大部32に
おいて径方向内方を向く。下側軸心方向間隙拡大部32
は、内方に向かって漸次間隙が拡大するので、下側軸心
方向間隙拡大部32に位置する潤滑油44が表面張力に
より径方向外方すなわち下スラスト軸受部42側へ確実
性高く引き寄せられ、下側軸心方向間隙拡大部32にお
いて潤滑油44が下スラスト軸受部42と内周側とに分
離することが防がれる。
ち連絡路37以外の部分は気体部分46である。連絡路
37、すなわち連絡突条部34とスラスト溝部20の下
側面との間には、潤滑油44が表面張力により保持さ
れ、これによって、固定軸部材12aとスリーブ部18
a1との間隙に保持された潤滑油44の上端部と、下ス
ラスト軸受部42に保持された潤滑油44の内周部が連
続する。
心が上スラスト軸受部40及び下スラスト軸受部42に
おける外周側に偏心するように設けられ、上下スラスト
軸受部40・42における潤滑油44が回転スリーブ体
18の回転に伴い内周側から外周側へ移動する圧力分布
を生じる。
絡突条部34と90度中心角を隔てた2箇所に、固定軸
部材12aの外周面との間に呼吸孔48を形成する軸心
方向溝48aを有する。呼吸孔48は、気体部分46と
外部とを、環状空間部31並びに固定軸部材12aの外
周面と回転スラスト板18bの内周面及びシール部材2
2の内周面との間隙を介して連通する。
固定スラスト板12bの上側の面及び下側の面のうち上
下スラスト軸受部40・42の内周側の部分において、
それぞれスラスト溝部20と固定スラスト板12bの間
隙に充填された潤滑油44内に開口する潤滑油循環路5
0を固定スラスト板12b内に有する。固定スラスト板
12bの外周端面には、全周にわたる径方向外方開口の
断面弓形状の導入溝部52を有し、潤滑油循環路50の
開口部がその導入溝部52内に位置する。
ラスト軸受部40・42における潤滑油44は、内周側
から外周側へ移動し、次いで、固定スラスト板12bの
外周端面から固定スラスト板12b内の潤滑油循環路5
0を経て、固定スラスト板12bの上側の面及び下側の
面のうち上下スラスト軸受部40・42の内周側の部分
に流れて循環する。このように潤滑油44が循環するこ
とにより、スラスト溝部20と固定スラスト板12bの
間隙に充填された潤滑油44内の気泡、特に上下スラス
ト軸受部40・42の外周側の気泡が、上スラスト軸受
部40の径方向内方に位置する潤滑油44の界面から外
気に解放される。
部には、それぞれ動圧発生用のへリングボーン溝部54
・55(へリングボーン溝以外の動圧発生用溝を用いる
こともできる。)が設けられ、固定軸部材12aの外周
面との間でそれぞれ上ラジアル軸受部56及び下ラジア
ル軸受部58が構成されている。そのうち下ラジアル軸
受部58の動圧発生用のへリングボーン溝部55は、下
端径方向間隙拡大部28の上部に達しており、回転スリ
ーブ体18の回転に伴いそのへリングボーン溝部55に
より潤滑油44に発生する動圧の軸心方向における中心
が、その下ラジアル軸受部58の軸心方向における中心
よりも上寄りになるよう設けられている。スリーブ部1
8a1の内周面と固定軸部材12aの外周面との間隙
は、上下ラジアル軸受部56・58において通常数μm
である。
a1に相対する部分の上端部のうち、呼吸孔48を中心
とした周方向の4分の1円周部分(連絡路37が存在し
ない周方向部分)に、断面略V字形状に径方向外方に開
口する周方向の上側円弧状溝部59を有する。上側円弧
状溝部59は、環状凹部60の深さよりも浅く形成され
ている。
上下ラジアル軸受部56・58の間に、径方向外方開口
の断面弓形状の環状凹部60を有する。その環状凹部6
0と固定軸部材12aの外周面との間に、中間径方向間
隙拡大部62が形成される。中間径方向間隙拡大部62
は、上ラジアル軸受部56から下方に向かって漸次径方
向間隙が拡大する上間隙拡大部(第1間隙拡大部)がそ
の上半部を構成し、下ラジアル軸受部58から上方に向
かって漸次径方向間隙が拡大する下間隙拡大部(第2間
隙拡大部)が下半部を構成する。
6に保持された潤滑油44の下端側の界面を有し、下間
隙拡大部に、下ラジアル軸受部58に保持された潤滑油
44の上端側の界面を有する。
の内周面との間に形成される周方向の円弧状径方向間隙
拡大部に、上ラジアル軸受部56に保持された潤滑油4
4のうち上側円弧状溝部59に対応する周方向部分の上
端側界面が、表面張力により位置し、その周方向部分に
おいて、上ラジアル軸受部56に保持された潤滑油44
が下側軸心方向間隙拡大部32に流入することが防がれ
る。
潤滑油44の下端側界面は、下端径方向間隙拡大部28
に位置する。
アル軸受部56の下端側と中間径方向間隙拡大部62の
上間隙拡大部との境界部付近に、断面略V字形状に径方
向外方に開口する4分の1円周にわたる周方向の下側円
弧状溝部63を有する。下側円弧状溝部63は、環状凹
部60の深さよりも浅く形成されている。
下ラジアル軸受部58と下端径方向間隙拡大部28の境
界部付近に位置する通気孔64を有する。通気孔64の
第1内部開口64bは、中間径方向間隙拡大部62にお
ける上間隙拡大部と下間隙拡大部の中間部付近に開口す
る。通気孔64の第2内部開口64cは、下側円弧状溝
部63に開口する。
アル軸受部58に保持された潤滑油44の下端側界面
は、下ラジアル軸受部58のへリングボーン溝部55に
より、下端径方向間隙拡大部28の上部又は更に上方に
引き込まれ、通気孔64の外部開口64aは外気に開口
する。
拡大部及び下間隙拡大部には潤滑油44が貯留される。
上ラジアル軸受部56又は下ラジアル軸受部58におい
て、蒸発や衝撃による脱落等により潤滑油44が減少し
た場合に、中間径方向間隙拡大部62の上間隙拡大部に
貯留された潤滑油44は先端側ラジアル軸受部に、中間
径方向間隙拡大部62の下間隙拡大部に貯留された潤滑
油44は基端側ラジアル軸受部に、それぞれ補給され
る。潤滑油44の補給に伴い、通気孔64を通じて中間
径方向間隙拡大部62に外気が導入される。
44の内周部と、固定軸部材12aとスリーブ部18a
1の間隙に保持された潤滑油44の先端部との間が、連
絡路37に保持された潤滑油44により連続する。下ス
ラスト軸受部42と上ラジアル軸受部56の何れかにお
いて蒸発や衝撃による脱落等により潤滑油44が減少し
た場合、潤滑油44が減少した軸受部に対し他方の軸受
部から、連絡路37を介して潤滑油44が補給される。
そのため、一方の軸受部のみについて潤滑油不足が生じ
て装置が短寿命化するという不都合の発生が防がれる。
やや上方寄りに潤滑油44の動圧が高くなるアンバラン
スを生じするよう設計されている。
立、熱変形等の要因により、上ラジアル軸受部56に保
持されて上端側が下側軸心方向間隙拡大部32に臨む潤
滑油44に下向きに移動する圧力が発生し、その潤滑油
44が下向きに移動することがあり得る。その場合、下
向き移動圧力が限度を超えると、連絡路37における潤
滑油44に対する遠心力や表面張力等とも作用し合っ
て、下スラスト軸受部42に保持された潤滑油44の内
周部と、固定軸部材12aとスリーブ部18a1の間隙
に保持された潤滑油44の先端部との間の、連絡路37
による潤滑油44の連続が途切れることとなる。スリッ
ト部36は、このような潤滑油44の連続の途切れを開
始し易くするものである。
れることにより、下スラスト軸受部42に保持された潤
滑油44が上ラジアル軸受部56へ過剰に移動して下ス
ラスト軸受部42を潤滑する潤滑油44の量が過少にな
ることが確実性高く防がれる。また、このように潤滑油
44が途切れて上端側から上ラジアル軸受部56に空気
等の気体が導入されれば、それにより下向きの潤滑油移
動圧力が減少してバランスするようになるので、潤滑油
44の下側への移動が抑えられる。この際、上側円弧状
溝部59を通じて上端側から上ラジアル軸受部56に気
体が導入され易いので、潤滑油44の下方への移動がよ
り確実に抑えられる。
部18a1の間隙に保持された潤滑油44に対する下向
き移動圧力が回転中に又は回転停止により解消されれ
ば、下スラスト軸受部42に保持された潤滑油44の内
周部と、固定軸部材12aとスリーブ部18a1の間隙
に保持された潤滑油44の先端部との間の、連絡路37
による潤滑油44の連続が回復し得る。
部分の拡大又は縮小に伴い、呼吸孔48を通じて空気等
の気体の移動が生じる。
ラジアル軸受部56において、公差、組立、熱変形等の
要因により、上向きに潤滑油44が移動する圧力が発生
し、その潤滑油44が上向きに移動する場合に、通気孔
64及び下側円弧状溝部63を通じて上ラジアル軸受部
56内に下端側から気体が導入される。この気体は、潤
滑油44の上方移動量が比較的に小さい段階で上ラジア
ル軸受部56内部に導入され、それにより上向きの潤滑
油移動圧力が減少してバランスするようになるので、潤
滑油44の上方への移動量が比較的に小さく抑えられ
る。
固定軸体12と回転スリーブ体18の間隙に充填された
潤滑油44に遠心力が作用する。そのため、非回転時に
おいては下端径方向間隙拡大部28に下端界面が位置す
るように表面張力により保持されていた潤滑油44が、
遠心力の作用によって更に下方へ滲出若しくは漏出する
ことにより、或いは衝撃により脱落することにより散逸
し易い状態となるが、下ラジアル軸受部58に保持され
た潤滑油44の下端側界面は、下ラジアル軸受部58の
へリングボーン溝部55により、下端径方向間隙拡大部
28の上部又は更に上方に引き込まれるので、遠心力の
作用による潤滑油44の滲出又は漏出による散逸、或い
は衝撃により脱落することによる散逸が生じ難くなる。
おける上下位置関係は、単に図に基づいた説明の便宜の
ためのものであって、実際の使用状態等を限定するもの
ではない。
よれば、基端側スラスト軸受部及びラジアル軸受部の一
方のみについて潤滑液不足が生じて装置が短寿命化する
という不都合の発生が防がれると共に、基端側スラスト
軸受部に保持された潤滑液がラジアル軸受部へ過剰に移
動して基端側スラスト軸受部を潤滑する潤滑液の量が過
少になることが防がれる。
えた電動機によれば、先端側ラジアル軸受部の潤滑液の
先端側への移動量が比較的に小さく抑えられる。
えた電動機によれば、スラスト溝部とスラスト部の間隙
に充填された潤滑液内の気泡が外気に解放される。
いての断面図である。
大図である。
来例についての断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】軸部とその軸部から径方向外方へ張り出し
たスラスト部とを有してなる固定軸体に対し、前記軸部
のうちスラスト部よりも基端側の部分にスリーブ嵌合し
たスリーブ部と、前記スラスト部の基端側の面に軸心方
向基端側において相対する回転スラスト面とを有してな
る回転スリーブ体が、前記固定軸体と回転スリーブ体と
の間隙に充填された潤滑液を介し、主に軸部とスリーブ
部が相対するラジアル軸受部及び回転スラスト面とスラ
スト部が相対するスラスト軸受部において、回転自在に
支持されてなる動圧流体軸受装置であって、前記スラス
ト部の基端側の面と回転スラスト面が相対する部分に有
する基端側スラスト軸受部の内周側に、スラスト部の基
端側の面と回転スラスト面との軸心方向間隙が前記基端
側スラスト軸受部よりも大きい基端側軸心方向間隙拡大
部を有し、その基端側軸心方向間隙拡大部の一部に、潤
滑液が表面張力により保持され得る程度に軸心方向間隙
が狭く、保持された潤滑液が、基端側スラスト軸受部に
保持された潤滑液の内周部と、軸部とスリーブ部の間隙
に保持された潤滑液の先端部との間に連続し得る連絡路
を有し、前記基端側軸心方向間隙拡大部の前記連絡路以
外の部分のうち少なくとも内周部が気体部分であり、そ
の気体部分と外部とを連通する呼吸孔を固定軸体内に有
し、ラジアル軸受部に保持されて先端側が基端側軸心方
向間隙拡大部に臨む潤滑液が基端向きに移動した場合に
連絡路による潤滑液の連続が途切れることを特徴とする
動圧流体軸受装置。 - 【請求項2】基端側軸心方向間隙拡大部が、径方向内方
に向かって軸心方向間隙が漸次拡大するものであり、こ
の基端側軸心方向間隙拡大部に、基端側スラスト軸受部
に保持された潤滑液の径方向内方の界面が位置する請求
項1記載の動圧流体軸受装置。 - 【請求項3】上記連絡路が、スラスト部の基端側の面に
設けられて基端向きに突起する、ほぼ径方向に連続する
突起部と、回転スラスト面の間に形成され、その突起部
の径方向内端部に、周方向両方及び軸心方向基端向きに
開口し、潤滑液を表面張力により保持し得るスリット部
を有する請求項1又は2記載の動圧流体軸受装置。 - 【請求項4】ラジアル軸受部として、先端側がスラスト
部の基端側の面と回転スラスト面との間隙に近接した先
端側ラジアル軸受部と、その先端側ラジアル軸受部より
も基端側に位置する基端側ラジアル軸受部を有し、前記
先端側ラジアル軸受部と基端側ラジアル軸受部の間に、
軸部の外周面とスリーブ部の内周面との径方向間隙が両
ラジアル軸受部よりも大きい中間径方向間隙拡大部を有
し、その中間径方向間隙拡大部は、前記先端側ラジアル
軸受部から基端側に向かって漸次径方向間隙が拡大する
第1間隙拡大部と、前記基端側ラジアル軸受部から先端
側に向かって漸次径方向間隙が拡大する第2間隙拡大部
を有し、先端側ラジアル軸受部に保持された潤滑液の基
端側の界面を前記第1間隙拡大部に有すると共に、基端
側ラジアル軸受部に保持された潤滑液の先端側の界面を
前記第2間隙拡大部に有し、中間径方向間隙拡大部にお
ける第1間隙拡大部と第2間隙拡大部の中間部付近と外
部とを、少なくとも回転スリーブ体の回転時に連通する
通気孔を前記固定軸体内に備え、軸部の外周面における
先端側ラジアル軸受部の基端側と第1間隙拡大部との境
界部付近に、径方向外方開口の周方向の基端側円弧状溝
部を有し、その基端側円弧状溝部と外部とを、少なくと
も回転スリーブ体の回転時に連通する通気孔を、前記固
定軸体内に備える請求項1、2又は3記載の動圧流体軸
受装置。 - 【請求項5】スラスト部に外嵌する径方向内方開口の環
状のスラスト溝部を回転スリーブ体が有し、そのスラス
ト溝部の基端側の面及び先端側の面をそれぞれ回転スラ
スト面とし、スラスト部の先端側の面と先端側の回転ス
ラスト面が相対する部分と、スラスト部の基端側の面と
基端側の回転スラスト面が相対する部分の両方にスラス
ト軸受部を有し、先端側スラスト軸受部と基端側スラス
ト軸受部の潤滑液は、スラスト部の外周端面とスラスト
溝部の外周部の間の部分を介して連続し、先端側及び基
端側の各スラスト軸受部に、各スラスト軸受部における
潤滑液が回転スリーブ体の回転に伴い内周側から外周側
へ移動する圧力分布を生じさせる動圧発生機構を有し、
先端側スラスト軸受部の径方向内方に潤滑液の先端界面
を有し、スラスト部の外周端面、並びにスラスト部の先
端側の面及び基端側の面のうち先端側及び基端側のスラ
スト軸受部の内周側の部分において、それぞれスラスト
溝部とスラスト部の間隙に充填された潤滑液内に開口す
る潤滑液循環路をスラスト部内に有する請求項1、2、
3又は4記載の動圧流体軸受装置。 - 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5記載の動圧流
体軸受装置を備え、回転スリーブ体がロータとして回転
する電動機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08790998A JP3549389B2 (ja) | 1998-03-16 | 1998-03-16 | 動圧流体軸受装置及び電動機 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11264409A true JPH11264409A (ja) | 1999-09-28 |
JP3549389B2 JP3549389B2 (ja) | 2004-08-04 |
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Cited By (5)
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JP2001020945A (ja) * | 1999-07-05 | 2001-01-23 | Koyo Seiko Co Ltd | 動圧軸受 |
WO2005078295A1 (ja) * | 2004-02-18 | 2005-08-25 | Seiko Instruments Inc. | 流体動圧軸受、モータおよび記録媒体駆動装置 |
DE102009035124A1 (de) * | 2009-07-29 | 2011-02-03 | Minebea Co., Ltd. | Fluiddynamisches Lagersystem |
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US8908320B2 (en) | 2012-08-06 | 2014-12-09 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Spindle motor having lower thrust member with fitting protrusion and hard disk drive including the same |
-
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- 1998-03-16 JP JP08790998A patent/JP3549389B2/ja not_active Expired - Fee Related
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