JPH07253783A - 電子楽器用鍵盤装置 - Google Patents
電子楽器用鍵盤装置Info
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- JPH07253783A JPH07253783A JP6046049A JP4604994A JPH07253783A JP H07253783 A JPH07253783 A JP H07253783A JP 6046049 A JP6046049 A JP 6046049A JP 4604994 A JP4604994 A JP 4604994A JP H07253783 A JPH07253783 A JP H07253783A
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Abstract
触が得られるようにし、弱いタッチでも適度な反力が得
られ、これにより演奏者の意志を正確に反映できる精度
のよいタッチ感触を得られるようにし、かつ強いタッチ
でも反力が大きくなりすぎないようにして強弱いかなる
演奏でも良好なタッチ感触を実現させ速くて軽く遅くて
重い快適な演奏感覚が得られる電子楽器用鍵盤装置を提
供する。 【構成】鍵支持部材2と、押離鍵操作により上記鍵支持
部材2に対し変位移動する多数の鍵3と、該鍵3を非押
鍵位置方向に付勢する復鍵手段6と、上記鍵の押離鍵動
作に連動するダッシュポット手段23、24、25と、
上記ダッシュポット手段の粘性抵抗を実質的に押鍵速度
に応じて変化させる手段31、33、42、43とを具
備する。
Description
し、特に押鍵時に適正な押圧タッチ感を得るための鍵タ
ッチ感触機構の改良に関するものである。
にピアノタッチ感触を電子鍵盤楽器に実現させようとし
て様々な機構が考えられてきた。その1つの機構が、特
開昭63−240592に開示されている。この公知技
術の特徴は、ダッシュポットを用いた押鍵対応流体ダン
パ手段であって、流体室と外部との連通バイアス路を押
鍵ストロークに対応して、即ち押鍵位置(変位量)に対
応して開閉する構成である。
来技術の構成では押鍵速度に対応したタッチ感触が考慮
されていないので、自然楽器に近い感触の良好なタッチ
感触は得られない。即ち、弱いタッチ強いタッチともに
良好なタッチ感触が得られ弱いタッチでも適度な反力が
得られ、また強いタッチでもあまり大きくない反力に留
められるような快適な演奏感覚で演奏でき、これにより
演奏者の意志を忠実に反映できるような良好なタッチ感
触をもつ鍵盤楽器は実現されていない。
のかについて考察する。良好な演奏操作性を得るための
タッチ感触調整機構を構成するためには、タッチ感に関
連する各種パラメータを選定して容易に確実に鍵盤の押
圧タッチを変化させる必要がある。これらの要素を解析
するにあたっては、鍵の静的タッチ感触および動的タッ
チ感触を総合した論理的な力学的考察が必要である。こ
こで、静的タッチ感触とは、押鍵ストロークの途中で停
止したときあるいは鍵を非常にゆっくり押圧したときに
鍵からの反力により指が受ける感触であり、動的タッチ
感触とは、打鍵強さ(速さ)に応じて指に受ける反力が
異なるタッチ感触であって、鍵およびハンマーの慣性モ
ーメントが大きい程打鍵強さによる反力が大きくなり、
さらにこれに加えて鍵およびハンマーの移動時に発生す
る非移動体に対する粘性が大きい程打鍵強さによる反力
が大きくなる。
感を総合した押鍵タッチ感触について図11を用いて以
下に考察する。図11の模式図に関し、粘性係数Kvの
流体とバネ定数Ksの弾性体を含む系に運動の第2法則
を適用した一般式では、指の力(F)と鍵の変位(x)
の関係を式1のように表すことができる。
S(x) ここで、 F:鍵(M)を押す指の力 x:鍵(M)の変移量 m:鍵(M)の質量 d2x/dt2:鍵(M)の変位加速度 kV:ダッシュポット(D)における粘性係数 dx/dt:鍵(M)の変位速度 kS:スプリング(S)のばね定数 である。この式1は、ばね(S)と係合し、ダッシュポ
ット(D)の流体中を外力(F)を受けて移動する質量
(m)を有する物体(M)の運動方程式で、右辺第1項
は慣性項、第2項は粘性項そして第3項は弾性項であ
る。
(m,kV,kS)を変化させると指で押す力が変り鍵か
らの反力が変化することがわかる。また別な見方をすれ
ば上記パラメータm、Kv、Ksが一定値をとるもにで
あっても、物体(鍵)mに働く加速度、物体(鍵)mが
もつ速度、物体(鍵)mが移動中の位置によって、物体
(鍵)mから指に受ける反力が時々刻々変化するという
ことを式1から読取れる。またより具体的な意味で上記
パラメータを構成する要素を具体的な鍵盤装置に対応さ
せると、 (1)mとして (a)鍵に装着する錘の質量 (2)kVとして (b)ダッシュポットの流体による摩擦抵抗力 (c)鍵ガイド摺動部や鍵支点摺動部のグリスの粘性抵
抗力 (d)鍵ガイドおよび鍵支点に対する押圧力による摩擦
抵抗力 (3)kSとして (e)鍵のスイッチ接点の板ばねまたはゴム膜等による
復帰力 (f)鍵の復帰用ばねのばね定数 (4)さらにxに関与する幾何学的構成要素として (g)錘の装着位置、ばね係止部の位置、スイッチの位
置、鍵ガイドの位置、支点の位置等がある。さらに図1
1の模式図においてこれらを組み合わせた効果を利用す
ることも可能である。
設けられた複雑なアクション機構の中で、大なり小なり
前記慣性項、粘性項および弾性項を含む式1の全ての項
を満足するような運動をさせているといえる。
近似したタッチ感触を得るために、この式1のうち特に
右辺第2項の速度の項(粘性項)に着目したものであ
る。しかしながら一般的には、この速度項に関し、粘性
を考慮してある特定の場合には良好なタッチ感触が得ら
れるが、全体的に総合して良好なタッチ感触を得ること
はきわめて困難である。例えば、前述の従来技術である
特開昭63−240592に開示された構成の場合、弱
いタッチ強いタッチに係わらず、あるストローク位置で
急激に反力を弱めて脱進感を得るものであり、弱いタッ
チのときにも所定位置を越えると極端に軽いタッチ(反
力)になってしまうため、弱いタッチ(押す力)による
微妙な楽音制御ができない。つまり演奏意志を的確に反
映することができなくなり、例えば演奏者がmpの強さ
のつもりで弾いてもpの強さの音で演奏されたり、ある
いはその逆にpの強さで弾いてもmpの強さの音が出て
くるという演奏上の不具合が起こる。即ち、質量ゼロに
近い鍵盤(例えばホロスコープで映した鍵盤)で曲を感
情をこめて弾けと言われても困難を極めることが容易に
想像される。
程、ある程度鍵からの反力が必要であり、弱いタッチの
ときにそれなりに反力を感じさせるような感触が良好な
タッチ感触といえる。しかしながら、弱いタッチに対し
必要以上に反力を与えると、強いタッチのときに前述の
式1における第1項の慣性項と第2項の粘性項(速度
項)の両方が作用して、反力が極端に大きくなりすぎ、
例えば質量を増して反力を与えると強いタッチのとき第
1項の質量mおよび加速度(d2x/dt2)がともに大
きくなり、また第2項の速度(dx/dt)も大きくな
るため、ffやfff等の強いタッチのときに反力が大
きすぎて円滑な演奏ができなくなり、指が痛んだり疲労
が蓄積され演奏感覚も低下する。
れたものであって、前記式1の右辺第2項に係わる粘性
抵抗力をダッシュポットを用いて積極的に適用するとと
もに、弱いタッチ強いタッチともに良好なタッチ感触が
得られるようにし、弱いタッチでも適度な反力が得ら
れ、これにより演奏者の意志を忠実に反映できる精度の
よいタッチ感触を得られるようにし、かつ強いタッチで
も反力が大きくなりすぎないようにして強弱いかなる演
奏でも良好なタッチ感触を実現させ速くて軽く遅くて重
い快適な演奏感覚が得られる電子楽器用鍵盤装置の提供
を目的とする。
め、この発明に係る電子楽器用鍵盤装置は、鍵支持部材
と、押離鍵操作により上記鍵支持部材に対し変位移動す
る多数の鍵と、該鍵を非押鍵位置方向に付勢する復鍵手
段と、上記鍵の押離鍵動作に連動するダッシュポット手
段と、上記ダッシュポット手段の粘性抵抗を実質的に押
鍵速度に応じて変化させる反力抵抗変化手段とを具備し
たことを特徴としている。
材と、押離鍵操作により上記鍵支持部材に対し変位移動
する多数の鍵と、該鍵を非押鍵位置方向に付勢する復鍵
手段と、上記鍵の押離鍵動作に連動するダッシュポット
手段と、上記ダッシュポット手段の粘性抵抗を実質的に
不連続に押鍵速度に応じて変化させる反力抵抗変化手段
とを具備し、この反力抵抗変化手段は押鍵速度が速いと
きに該抵抗が軽くなるようにしている。
置は、鍵支持部材と、押離鍵操作により上記鍵支持部材
に対し変位移動する多数の鍵と、該鍵を非押鍵位置方向
に付勢する復鍵手段と、上記鍵の押離鍵動作に連動する
ダッシュポット手段と、上記ダッシュポット手段に設け
た弁と、上記弁の開閉状態を検出するセンサー手段と、
上記センサー手段の検出出力に応じて楽音を制御する手
段とを具備したことを特徴としている。
材と、押離鍵操作により上記鍵支持部材に対し変位移動
する多数の鍵と、該鍵を非押鍵位置方向に付勢する復鍵
手段と、上記鍵の押離鍵動作に連動するダッシュポット
手段と、上記ダッシュポット手段に設けた弁と、上記弁
の開閉状態を検出するセンサー手段とを具備し、このセ
ンサー手段にて弁の開閉を検出した際、タッチ感触の不
連続点を得るとともにこの不連続点を境にして楽音制御
を異ならせるようにしている。
いときには、例えばダッシュポットの小孔径に対応した
ほぼ一定の粘性抵抗が反力として付与される。押鍵速度
が速くなるとこの粘性抵抗が変る。この場合所定の速度
以上になると不連続的に粘性抵抗が変化する。好ましい
実施例では、押鍵速度がある速度以上になると粘性抵抗
が急に小さくなり反力が軽くなる。即ち、例えばメゾピ
アノ(mp)やピアノ(p)のようなゆっくりした弱い
押鍵操作のときにはダッシュポットに固有の所定の粘性
抵抗が重い反力として付与され、フォルテ(f)やフォ
ルテッシモ(ff)のようなある速度以上の速さで強く
押鍵操作するとダッシュポットの粘性抵抗が弱まり軽い
反力となる。
ッシュポットに弁が設けられこの弁の開閉が検出され
る。弁の開閉に応じて各種楽音が制御される。この場
合、弁の開閉によりダッシュポットの粘性抵抗が不連続
に変化する。即ち、弁が開くと実質上ダッシュポット固
有の小孔径が増加したことになり粘性抵抗が小さくな
る。従って、押鍵速度がある速度以下の弱い押鍵操作で
はダッシュポット固有の小孔径に対応した重い反力が付
与され、この反力を越えて強く速い押鍵操作になると弁
が開いて粘性抵抗が弱められ軽い反力となる。このよう
な押鍵速度(押鍵強さ)を検出してこれに応じて楽音を
制御すればタッチ感触に対応して演奏者の意志を的確に
反映したマンマシンインターフェイスの良好な楽音制御
が図られる。
鍵盤装置においては、ダッシュポットを用いてその流体
の粘性抵抗力を押鍵速度に応じて変化させるように構成
している。これにより、以下に説明する図12に示すよ
うに粘性摩擦係数が小さい場合と大きい場合とでは異な
るヒステリシスを生じ生じさせることができるととも
に、押鍵速度に応じてダッシュポットの流体抵抗力が変
化してゆっくりした押鍵操作のときには重く感じ、速い
押鍵操作のときには軽く感じるようなタッチ感触が実現
される。しかも押鍵操作による演奏は、図12に示すよ
うなヒステリシス曲線の立ち上がり位置、曲線の勾配お
よび曲線で囲まれた面積等に影響されるため、ヒステリ
シス曲線の形状は鍵盤の演奏タッチ感触を多様に特徴付
けることを可能にする。
よる押鍵反力のヒステリシスのグラフである。(a)
(b)はそれぞれ粘性摩擦を異ならせたグラフであり、
(a)は粘性による摩擦係数が小さい場合を示し、
(b)は粘性による摩擦係数が大きい場合を示す。この
粘性による摩擦係数は、ダッシュポットの小孔の径を変
えることによりピストン駆動時の流体摩擦係数を変化さ
せることができる。
バネ材等の反力による鍵の動き始めに要する力(バイア
スα)を考慮したグラフであり、(c)は例えばキース
ケーリングした高音側の軽いタッチのグラフであり、
(d)は低音側の重いタッチのグラフである。
図である。楽器本体を構成する棚板1上にスチール材料
等からなる鍵フレーム(鍵支持部材)2が固定される。
この鍵フレーム2に対し鍵(この例では白鍵)3がその
後端部4に装着した支点部材5を介して回動可能に取付
けられる。この鍵3の後端部4と鍵フレーム2との間に
は、押鍵操作後に鍵3を非押鍵位置に戻すための圧縮コ
イルバネからなる鍵復帰バネ6が装着される。この鍵復
帰バネ6としては、圧縮コイルバネに限らず例えば帯状
の平板バネを上下どちらかに幾分湾曲させた状態で装着
して用いてもよい。平板バネを用いた場合には、押鍵ス
トローク範囲内に平板バネの座屈位置を設定することに
より押鍵途中でバネ定数を変化させることができる。7
は鍵復帰バネ6の取付け用および確認用の孔である。
防止シート8が固定される。鍵3を演奏者側に引抜くよ
うな力をかけたとき、この鍵脱落防止シート8の自由端
部が鍵後端部4の脱落防止部材当接部に当接し鍵3が前
方に抜け落ちることを防止する。保守点検あるいは鍵そ
の他の部品を交換する場合には、この鍵脱落防止シート
8の先端を上から押圧して撓ませることによって、鍵後
端部との係合を外し鍵後端部4を演奏者側に引きながら
持上げるようにすると容易に分解することができる。
側にスイッチ回路あるいは制御回路等を形成したプリン
ト基板9が固定される。このプリント基板9上に各鍵に
対応してキースイッチ10が搭載されている。このキー
スイッチ10は弾性材料からなる同心円の2メイク式の
スイッチであり、鍵フレーム2に設けた孔201を通し
て鍵フレーム2の上面側に突出し、鍵3の内面側に一体
的に形成したアクチュエータ11により駆動される。押
鍵動作により鍵3が押し下げられると、アクチュエータ
11がキースイッチ10を押圧変形させて同心円の2つ
の接点を順番に閉じキーオン信号および押鍵速度信号を
発信する。このキースイッチ10の弾性力は鍵3の復帰
力として作用させることもできる。
鍵に対応して垂直上方に折曲げられてキーガイド芯材1
2が形成される。この芯材12に樹脂材料がアウトサー
ト成形により外装されキーガイド13を構成する。キー
ガイド13は各鍵3の前端部の内側に挿入され、その両
側(図面に直角方向の両側面)が各鍵3の両側の内壁面
14に摺接して、押鍵時に鍵3が支点部材5を介して上
下に回転運動する際、鍵3を上下方向にガイドして鍵3
の横振れやねじれを防止する。
の芯材12の途中から前方に突出片15が切り起こされ
て形成される。 この突出片15の下面および上面にそ
れぞれフェルト材からなる上限ストッパ16および下限
ストッパ17が設けられる。上限ストッパ16に対して
鍵3の前端部下側に突出して一体形成した係止片18の
上面が当接する。図はこの係止片18の上面が上限スト
ッパ16に当接している状態を示し、鍵3の非押鍵位
置、即ち、押鍵ストロークの上限位置を示している。
先端部下面19が当接する。図示した状態から押鍵動作
により鍵3が押下げられると押鍵ストロークの最下位置
で鍵3の先端部下面19が下限ストッパ17に当接して
押鍵動作が停止する。20は隣接する黒鍵(図示しな
い)のキーガイドであり、また21は黒鍵用の下限スト
ッパである。
めストッパ部22を介して位置合わせされたダンパユニ
ット23がねじ止め固定される。このダンパユニット2
3は、第1ダッシュポット24と第2ダッシュポット2
5により構成される。これらの第1および第2ダッシュ
ポット24、25はそれぞれ支持フレーム26に装着さ
れる。第1ダッシュポット24は第2ダッシュポット2
5よりも幾分下がった位置に装着されるように第1ダッ
シュポット24の装着位置と第2ダッシュポット25の
装着位置の間の支持フレーム26に段差が設けられてい
る。これは、ダンパユニット23を効率良く作用させる
ためなるべく鍵3の自由端部側に配置ししかも隣接する
黒鍵のキーガイド部の被ガイド片(図示しない)との係
合を避けるためである。即ち、黒鍵用ダッシュポット2
41(図2参照)は白鍵用のそれよりも鍵支点側に配設
し、かつ白鍵用ダッシュポットより低く設けることがで
きるように段差を設けている。
と押鍵動作に連動してこのシリンダ27内を摺動運動す
るピストン28からなる。ピストン28と一体のピスト
ンロッド29の先端は、鍵3の内面側に一体に形成され
たアクチュエータ70の下端部で屈曲する連結フック3
0とリンク結合される。この連結フック30の先端は例
えばテーパ状に形成され、ピストンロッド29の先端に
設けた孔(図示しない)に挿入され鍵3の押鍵動作に応
じて鍵3の上下運動をピストン28に伝達する。なお、
シリンダ27内は空間であり(即ち空気が充填され)、
ダッシュポットの特性は主としてこの空気の粘性抵抗と
後述の小孔の径により定まる。しかしながら、水あるい
はその他適当な粘性係数を有する液体をシリンダ内に収
容しこれらの液体の適当な回収機構を設けて各種粘性特
性を有するダッシュポットを構成してもよい。
に装着される。シリンダ27の底面にはピストン駆動時
に内部の流体(空気)を逃すための小孔32が形成され
る。この小孔32はピストン28に形成してもよい。い
ずれの場合にも、小孔32を通過する流体の抵抗力によ
る通常のダッシュポットとしての機能を果すように構成
される。また、ピストン28とシリンダ27との間の摺
接面およびシリンダ27と外筒容器31との間の摺接面
には摺動運動を円滑に行わせるためにグリスが塗布され
る。このようなグリスは、後述の第2ダッシュポットに
ついても同様に塗布される。
摩擦抵抗に関し、後述のように、ゆっくりした動作の場
合には、小孔32の径やシリンダ27の下方に設けた圧
縮コイルバネ35の作用等とあいまって、シリンダ27
と外筒容器31との間の摺接面に比べ、ピストン28と
シリンダ27との間の摺接面の摩擦抵抗を小さくして、
ピストン28がシリンダ27内を摺動する力をシリンダ
27が外筒容器31内を摺動する力よりも小さな力と
し、かつ速い動作の場合にはシリンダ27と外筒容器3
1との間の摺接面に比べ、ピストン28とシリンダ27
との間の摺接面の摩擦抵抗を大きくしてシリンダ27が
外筒容器31内を摺動する力をピストン28がシリンダ
27内を摺動する力よりも小さな力となるように小孔3
2の面積を設定する。即ち、遅い打鍵時には、小孔32
から流体が単位時間内に流出する流出量が小さく、これ
を前式(1)の粘性項(速度項)に対応させると、速度
が小のため、この項の値は限りなく0である。また、加
速度項も加速度が動き始め(終り)のみ少し表れるのみ
である。従って、大部分がバネ定数項(距離項)に左右
され、打鍵ストロークに対応して増加するバネ力に支配
された系のタッチ感触となる。この場合にあっても、バ
ネ6は、打鍵ストローク増加に従って垂直分力が減少す
るので、反力としてのKs(図11のように垂直にバネ
を作用させた式(1)のksとは異なる)は仮想的に距
離に対し若干減少するか同一化をキープする。
項がある所定の速度を有するため、第2項と第3項がタ
ッチ感触の系に影響を与えるものとなる。さらにもっと
強打鍵すれば、第1、第2、第3項も考慮された系とな
る。
鍵のときにはピストン28がシリンダ27内を摺動し、
速い打鍵のときにはピストン28がシリンダ内をわづか
ながら摺動しつつシリンダ27が外筒容器31内を主に
摺動させることができる。
を支持する支持フレーム26の下側にはシーソーレバー
33が支点軸部34を中心に回転可能に設けられる。こ
のシーソーレバー33の第1ダッシュポット24の下側
にはレバー33を介してシリンダ27を非押鍵状態(初
期状態)にするための圧縮コイルバネ35が装着され
る。第1ダッシュポット24のシリンダ27は回動ピン
36を介してシーソーレバー33に対し回転可能に取付
けられる。このようなシーソーレバー33は底板37上
に取付けられた支持台341を介して支持フレーム26
とともに楽器本体の棚板1上に固定される。
ッシュポット24と同様に空気あるいはその他適当な粘
性係数を有する流体を充填したシリンダ38とこのシリ
ンダ38内を摺動するピストン39とにより構成され
る。シリンダ38(またはピストン39)にはピストン
駆動時に内部の流体を逃すための小孔40が形成され
る。この小孔40は第1ダッシュポット24の小孔32
と同様に通常のダッシュポットのダンパ作用を行うため
のものである。
底面に開口41が設けられ、この開口41に対応してシ
ーソーレバー33にアクチュエータ42が設けられる。
また開口41にはアクチュエータ42により開閉駆動さ
れる弁43が設けられる。また、ピストン39のピスト
ンロッド44の先端には孔(図示しない)が形成され、
この孔に、前述の第1ダッシュポット24の場合と同様
に、鍵3の内面側に一体形成されたアクチュエータ71
の下端部で屈曲する連結フック45が挿入される。これ
により、鍵3と第2ダッシュポット25のピストン39
が上下方向の運動を相互に伝達可能に連結される。
ンパユニット23を組み立てこれを棚板1にネジで固定
する。この時ダンパユニット23の第1および第2ダッ
シュポット24、25の各ピストン28、39のロッド
29、44は、それぞれのシリンダ27、38内に装着
された図示しない弱いコイルバネ(タッチ感触にほとん
ど影響を与えない組み立て用のコイルバネ)により上方
に突出している。このようにピストンロッド29、44
を上方に突出させておくことにより、ユニットを組込ん
だときにロッドの先端が自動的に鍵フレームの上面に突
出する。これにより以下のように鍵盤ユニットを組込む
ときにアクチュエータ70、71の先端がピストンロッ
ド29、44と自動的に連結される。次に複数の鍵を組
込んだ鍵盤ユニットを組み立て、この鍵盤ユニットを棚
板上で位置決めストッパ22に当たるまで滑らせ、スト
ッパ22に当たったところで位置を固定する。このとき
各鍵3側のアクチュエータ70、71の先端の連結フッ
ク30、45が、各ダッシュポット24、25のピスト
ンロッド29、44の先端の孔(図示しない)に自動的
に嵌入して連結される。
明する。図1に示す鍵3の非押鍵位置から鍵3の前端自
由端部を指で押圧操作して押鍵動作を開始すると、鍵後
端部の支点部材5を中心に鍵3が回動して鍵3が押し下
げられる。これに連動して、鍵3の内面に設けたアクチ
ュエータ70、71がそれぞれ連結フック30、45を
介して結合されたダンパユニット23の第1、第2ダッ
シュポット24、25のピストン28、39を押し下げ
る。
動作の場合について説明する。この場合には、第1ダッ
シュポット24において、前述のように圧縮コイルバネ
35や小孔32の作用等により、ピストン28とシリン
ダ27との間の初期摩擦抵抗がシリンダ27と外筒容器
31との間の初期摩擦抵抗より小さいため、即ち、動き
始めに要する力がピストン28の方がシリンダ27より
小さいため、外筒容器31内でシリンダ27は静止した
まま、このシリンダ27内でピストン28が押し下げら
れる。従って、この第1ダッシュポット24は、シリン
ダ27内を摺動下降するピストン28により小孔32を
通過する流体の抵抗力による反力を鍵3に付与する。こ
のとき同様に、第2ダッシュポット25においては、シ
リンダ38内でピストン39が下降し、小孔40を通し
て流体が通過しその抵抗力による反力を鍵3に付与す
る。従って、このようにゆっくりとした押鍵動作の場合
には、第1ダッシュポット24および第2ダッシュポッ
ト25の両方がそれぞれ小孔32、40を通過する流体
の抵抗力による緩衝作用を行い、その反力を鍵3に付与
するため、演奏者の指に対して比較的大きな力が反力と
して加わり、ゆっくりした重い感じのタッチ感触とな
る。
ると、第1ダッシュポット24において、ピストン28
の押し下げ速さが小孔32を通過することができる流体
量を越えるため、流体の通過抵抗が大きくなりすぎてピ
ストン28はシリンダ27内を下降することができず、
鍵の押圧力がシリンダ27に対し作用する。このため、
シリンダ27が外筒容器31内で押し下げられ圧縮バネ
35に抗してシーソーレバー33を回転軸部34を介し
て反時計廻りに回転させる。これにより、シーソーレバ
ー33に設けたアクチュエータ42が上昇して第2ダッ
シュポット25のシリンダ38の底面に設けた孔41を
介して弁43を押し開く。このため、第2ダッシュポッ
ト25のシリンダ38内の流体は孔41を通して一気に
外部に流出し、小孔40によるダンパ作用がなくなる。
場合には、第2ダッシュポット25がダッシュポットと
しての流体摩擦による緩衝作用を行わず鍵3に対し反力
を付与しなくなるため、演奏者の指に対する反力が小さ
くなり、速くて軽いタッチ感触となる。
開く押鍵速度は、第1ダッシュポット24の小孔32の
大きさ、流体の粘性係数、ピストン28やシリンダ27
の摺動抵抗力あるいは圧縮バネ35の強さ等を変えるこ
とにより調整可能である。
分の詳細図であり、(A)はダンパユニット23の上面
図、(B)はダッシュポットの小孔によるキースケーリ
ングの説明図である。WKは白鍵を表し、BKは黒鍵を
表している。第1、第2ダッシュポット24、25を支
持するフレームを樹脂成形する場合には、図2(A)に
示すように、成形時のひけ防止および材料の節約のため
に各ダッシュポット周辺部に孔46が形成される。
シュポットのシリンダ27に形成する小孔32を、低音
側では小さく、高音側では大きくなるように形成してお
く。これにより、鍵動時のダッシュポットの緩衝力が低
音部で大きく高音部で小さくなり、低音側では重いタッ
チ、高音側では軽いタッチの押鍵タッチ感触が得られる
ようにキースケーリングすることができる。
43(図1)が開くタイミングを各鍵ごとに(または複
数の鍵域ごとに)異ならせてキースケーリングしてもよ
い。即ち、高音側の鍵程ゆっくりした速度で弁43が開
くように小孔の径とともに弁43材料の強さや形状ある
いはアクチュエータの作動位置等を鍵ごとに変えてキー
スケーリングしてもよい。
特性のグラフである。横軸は押鍵ストローク(X)を表
し、縦軸は指が鍵から受ける反力(F)を表す。縦軸の
Pは鍵復帰バネ6によるプリテンションの力を示す。C
V0は復帰バネの反力のみを考慮した場合のグラフであ
り、CV1はキースイッチ等による反力を考慮したグラ
フである。CV2は、非常に弱い力(例えばピアニッシ
シモpppの強さ)で押鍵操作したときの反力であり、
CV3はこの場合にキースイッチの反力を考慮したグラ
フである。点線のCV4は、例えばピアニッシモppの
強さで押鍵操作したときの反力である。このCV4の押
鍵強さ(速度)のときにダンパユニットの第2ダッシュ
ポットの弁が開くように設定しておく。このように設定
した場合には、このCV4よりも強いタッチで押鍵する
と、例えばCV8(例えばmfの強さ)やさらに強いC
V9(例えばfの強さ)のように、最初は大きな反力が
急激に発生するが、ただちに前述の説明のように、第2
ダッシュポットの弁が開いてこのダッシュポットの反力
がなくなるため、指に対する反力が急激に低下しCV4
で示される設定反力以下になる。
の押鍵強さをさらに高くして、点線のCV7で示す例え
ばmpの強さに設定した場合には、前記CV4の設定反
力より強いタッチ、例えばCV6(例えばpの強さのタ
ッチ)で表される押鍵強さ(速度)で演奏してもCV7
の強さ以下であれば、第2ダッシュポットの弁は開かな
いため、反力が急激に変化することなく第1および第2
の2つのダッシュポットから指に対し反力が付与され
る。なお、CV5はキースイッチの反力を考慮しないカ
ーブである。この場合、CV7よりも強いタッチで押鍵
すると、例えば前記CV8やCV9で示す場合と同様に
第2ダッシュポットの弁が開いて反力が急激に低下す
る。
明のダンパユニットを用いた場合、ピストンが所定の有
効行程ストロークに達した後は、ダッシュポットによる
反力はなくなり、タッチ強さに関係なく復帰バネによる
反力のみとなる。従って、長い音符を弾く場合に、指に
受ける反力が復帰バネのみの力になるため指が疲れるこ
とがない。
で押鍵した場合、押鍵始めに、鍵からの反力が急増した
後急激に減少するため、トラッカータッチのような歯切
れのよいタッチ感が得られる。これにより、押鍵の実感
を演奏者に充分満足させ弾きごたえ感のある鍵タッチを
実現するとともに、このクリック感の後は押鍵タッチが
軽くなるため、強い打鍵や連続強打鍵の演奏をしても指
に対する痛みや疲労がなく、極めて快適な演奏を達成す
ることができる。
置の第2ダッシュポット25の弁部分の構成詳細図であ
る。(A)は組み立て状態の断面図、(B)は弁自体の
斜視図で(A)図の弁43を裏面側からみた図、(C)
はシリンダ低部の斜視図、(D)はセンサーの回路図で
ある。なお、(A)図は(B)図および(C)図におけ
るA−A断面およびB−B断面を含む組み立て状態の断
面図である。
2ダッシュポット25に設けた弁43の開閉状態を検出
するセンサーを設け、このセンサー出力を楽音制御に用
いた点が特徴であり、その他の構成および作用効果は基
本的に前述の実施例と同様である。
示すように、弁取付け用の孔52が形成される。この孔
52に(B)図に示す弁43の突起47が圧入して装着
される。(C)図のシリンダ38に装着する場合には、
弁43を(B)図の状態から上下反転させてその突起4
7をシリンダ38の孔52内に挿入して取付ける。弁4
3の中央部分は弁の撓み剛性を小さくして弁が開きやす
いようにするために薄肉部50が形成される。この薄肉
部50には、光が反射しやすいように白色の塗料が塗ら
れている。また、弁43の直径方向に関し弁取付け用の
突起47の反対側には弁を開閉動作させるための被駆動
部51が形成される。この被駆動部51に対し、シーソ
ーレバー33の先端に形成したアクチュエータ42が当
接して弁43を押し開く。弁43の底部48にはこのア
クチュエータ42が挿通する孔72が形成される。
53が弁43の薄肉部50に対向する位置に設けられ
る。このフォトセンサー53は、発光素子(LED)5
4と受光素子(フォトトランジスタ)55とにより構成
され(D図参照)、発光素子54からの光が弁43の底
面(薄肉部50)で反射され、この反射光が受光素子5
5で検出される。この受光素子55の検出光量により弁
43の開閉あるいは開度が検出される(後述)。
トセンサーを組込んだ楽音制御回路のブロック図であ
る。56は鍵盤回路であり、押圧された鍵を検出するス
キャン回路58、2メイク式スイッチの第1接点群と第
2接点群からなるキースイッチ回路59およびその出力
回路60を含んでいる。鍵盤回路56はさらに前記ダン
パユニットの弁のためのスキャン回路61と弁の開閉を
検出するためのフォトリフレクタ(フォトカプラ)回路
群からなるセンサー回路62およびその出力回路63と
を含んでいる。このような鍵盤回路56は、音色や各種
効果を設定するスイッチ群からなる楽音設定回路64と
ともに、バスライン75を介してROM,RAM,CP
Uからなるマイクロコンピュータ回路57に接続され
る。バスライン75にはさらに楽音信号発生回路58が
接続されこの楽音信号発生回路58にスピーカ(SP)
が接続されている。
図8を参照して以下にさらに詳しく説明する。図6は、
上記鍵盤回路56に含まれるダンパユニットの弁の開閉
検出回路部分の具体例の一構成例を示す詳細回路図であ
る。また図7は、そのセンサー回路62の構成説明図で
あり、図8は図6の回路におけるスキャン信号波形およ
びセンサー回路の出力の例を示す図である。
ラインに接続された第1デマルチプレクサ76および6
本の縦のラインに接続された第2デマルチプレクサ77
とにより構成される。各ラインはマトリクス状に接続さ
れその各交点は、それぞれ各鍵のフォトセンサー53
(図4参照)の発光素子54に連結している。スキャン
回路61は、このような発光素子(LED)群からなる
発光センサー素子回路(発光素子群)62aに連結す
る。
子(フォトトランジスタ)55群により受光センサー素
子回路62bが構成され、出力回路63に接続される。
このような発光センサー素子回路(発光素子群)62a
と受光センサー素子回路(受光素子群)62bとにより
センサー回路62が構成される(図7参照)。このマト
リクス回路からなる発光センサー素子回路62aおよび
受光センサー素子回路62bの15本の横のラインは共
通の電源供給ラインである。
ャン回路61の第1デマルチプレクサ76の各出力端子
に接続し、発光素子群62aの6本の縦のラインをそれ
ぞれダイオードDsを介してスキャン回路62bの第2
デマルチプレクサ77の各出力端子に接続している。
ンは、それぞれ出力回路63の出力抵抗R1、R2、・
・・R6を介して接地するとともに、マルチプレクサ7
8の各入力端子に接続される。これらの第1および第2
のデマルチプレクサ76、77およびマルチプレクサ7
8は、それぞれマイクロコンピュータ回路57からの各
ビットが時間的にカウントアップするスキャン制御信号
SC1、SC2、SC3によって各タイミングを異なら
せて制御され、第1デマルチプレクサ76は図8(a)
に示すような所定のパルス幅のハイレベルの電圧をその
パルス幅だけタイミングをずらせて15本の共通の横の
ラインに順次印加していく。
(b)に示すようなパルス幅の短いローレベルのパルス
信号を、そのパルス幅だけタイミングをずらせて発光素
子群62aの6本の縦のラインに順次印加し、アノード
側が抵抗を介して共通の横のラインに接続された6個の
発光素子54のカソード側を順次ローレベルにして点灯
させる。
クサ77と同じタイミングで、受光素子群62(b)の
6本の縦のライン中の第2デマルチプレクサ77によっ
てローレベルにされるラインに対応するラインの出力信
号を選択して出力し、抵抗R7を介してマイクロコンピ
ュータ回路57に弁開検出信号Svとして取込ませる。
けた弁開検出用フォトセンサー53の発光素子54がス
キャン回路61によって点灯されると、その射出光が図
4の弁43の薄肉部50で反射され、その反射光がフォ
トトランジスタ55によって受光される。反射光がフォ
トトランジスタ55に受光されると、その光量に応じた
光電流が出力回路に対応するラインの抵抗(R1〜R6
のいずれか、抵抗値はすべて同じ)に流れ、この抵抗に
よって電圧が発生する。
グ信号であり、この電圧信号をマルチプレクサ78によ
って検出して順次出力する。例えば、演奏者があるとき
に、図8(c)に示すように、左手の小指でC3、中指
でE3、親指でG3の各鍵を押鍵し、右手の人差し指で
C5の鍵を押鍵していたとすると、マイクロコンピュー
タ回路57には同図(c)のようなタイミングで各鍵の
弁43の開度に応じたレベルの異なる弁開検出信号V
1、V2、V3およびV4が取込まれる。
クロコンピュータ回路57により予め設定された各種楽
音(音色、音高、リバーブ深さ、パン、その他各種効
果)が制御され楽音信号が形成される。この楽音信号に
基づいて楽音信号発生回路58において電子音が作成さ
れスピーカを通して放音される。なお、上記実施例の回
路では、弁43の開度をアナログ的に検出したが、弁の
オンオフ状態のみを検出する回路構成としてもよい。弁
が開いたことを検出することにより、その鍵が所定設定
値以上の速さ(強さ)で押鍵されたことを検出すること
ができる。このようなオンオフ検出によっても、後述の
ように各種楽音制御が可能になる。
を備えた鍵盤装置の楽音発生と楽音制御の一例を示すキ
ーオンイベント処理のフローチャートである。まず、制
御すべき楽音パラメータやその基準値等の各種初期設定
が行われる(ステップS1)。次に、図5、図6におけ
る回路構成にて理解できるように、鍵スイッチ並びにフ
ォトセンサ(フォトリフレクタ)および音色効果設定ス
イッチ等の各種スイッチのスキャン信号をマイクロコン
ピュータ57からバスライン75を介して鍵盤側および
音色等のパネル回路にたえず送出する。即ち、ステップ
S2において、スキャン信号発生処理を行い、スイッチ
およびセンサの数だけ毎回インクリメントする信号を発
生し、各種スイッチ、センサのうち、どのスイッチ、ど
のセンサからのデータであるかをステップS3、ステッ
プS5、ステップS9で判別する。
いては、鍵盤回路56におけるスキャン回路等が省略さ
れている。ステップS3において、キースイッチイベン
ト情報であるかが判別され、キースイッチイベント情報
であればステップS4に進み、2メイク式キースイッチ
の第1接点がオン中の各鍵の第2接点がオン時の時間と
前回の第1接点オン時の時間との差をレジスタKTに取
込み鍵速度を検出する。このレジスタKTの値をテーブ
ル変換して鍵データと鍵速度データとしてこれらのデー
タを楽音信号発生回路に送り出す。続いてフローはステ
ップS5に進む。
ベント情報でないと判別された場合にも、フローはステ
ップS5に進み、与えられた情報が弁開検出情報かどう
かが判別される。即ち、CPUに入力された信号が図5
のフォトリフレクタ群からなるセンサー回路62からの
信号かどうかが判別される。ステップS5において、弁
開イベント情報を検出すると(押鍵速度が所定の設定値
以上であることを意味する)、ステップS6に進みキー
スイッチの第2接点がオンイベントありかあるいはオン
中かどうかが判別される。
の状態とは、押鍵動作がある程度以上の強いタッチで行
われたことが弁開検出センサーにより検出された場合
(ステップS5がYESの場合)に、この速い押鍵動作
がこの時点ですでにキースイッチの第2接点がオンにな
ることにより2つの接点(第1および第2接点)がオン
になる時間差に基づいて検出されていることを示してい
る。この場合には、フローはステップS8に進み前記ス
テップS5で識別した弁開検出情報を楽音制御信号とし
て楽音信号発生回路に送り出す。これにより、楽音信号
発生回路において、キースイッチから得られた鍵データ
および実際の押鍵速度データ(キースイッチによるデー
タ)ととともに弁開検出センサーから得られた弁開デー
タに基づいて楽音を制御し、押鍵操作された鍵の電子楽
音を作成する。
断された場合、即ち第2接点がオン中ではなかったと判
断された場合、これは押鍵動作がある程度以上の強いタ
ッチで行われた場合(ステップS5がYESの場合)で
あって、この速い押鍵動作がまだキースイッチの第2接
点をオンにしていない状態、即ちキースイッチによる押
鍵速度データがまだ得られていない状態を示している。
この場合にはステップS7に進み、キースイッチの第1
接点からの情報もしくは第2ダッシュポットからの情報
による鍵データと予め設定した所定の速度以上のプリセ
ット速度データを楽音信号発生回路に送り出す。即ち、
キースイッチの第2接点が閉じるより前にダッシュポッ
トの弁が開くような速い押鍵速度に対応した速度値をプ
リセット速度データとして予めROM等に格納してお
き、強いタッチの(速い)押鍵操作のときに、この打鍵
をキースイッチの第1第2の2つの接点により検出する
前に弁開センサーにより検出して、予め記憶してある上
記プリセット速度データを楽音信号発生回路に送り出
す。
より強いタッチの打鍵を実際に検出する前にこの強い打
鍵に対応したプリセット速度データを楽音信号発生回路
に送ることにより、いわゆる「つっこみ発音」が可能と
なる。このつっこみ発音とは、自然楽器のピアノにおい
て、ffやfff等の強いタッチの打鍵時に、ハンマー
が鍵よりも速く動き鍵とハンマーの連結が外れてハンマ
ーが鍵に先行し、鍵のストロークにおける通常の発音位
置よりも前の位置でハンマーが弦に当たって音を発する
押鍵動作のことをいう。従来の電子鍵盤楽器において
は、2メイク式のキースイッチのみにより強い打鍵時の
押鍵速度を検出する構成であり、この2メイク式のキー
スイッチは鍵のストローク変位による位置検出制御であ
るため、このようなつっこみ発音はできない。
ては、鍵のストロークが通常発音位置に達するよりも前
に音を出すことができるため、即ち、第2接点オン信号
により速度を検出する前に音を出すことができるため、
つっこみ発音が可能になる。さらに上記第2ダッシュポ
ットの弁開検出信号に基づいて、音色、音量、効果その
他各種楽音を制御することができるため、自然楽器のピ
アノに極めて近い演奏表現あるいは自然楽器のピアノ以
上に幅広い演奏表現が可能になる。
っこみ発音を行わないように、所定の設定値以下の遅い
押鍵速度においては速度データとしてプリセット速度デ
ータを用いずに必ずキースイッチからの速度データによ
り制御するように回路を構成してもよい。
リセット速度データを楽音信号発生回路に送出すると、
前記のステップS6で第2接点がオン中の場合と同様に
ステップS8に進み、前記ステップS5で識別した弁開
検出情報を楽音制御信号として楽音信号発生回路に送り
出す。これにより、楽音信号発生回路において、キース
イッチから得られた鍵データおよびプリセット速度デー
タととともに弁開検出センサーから得られた弁開データ
に基づいて楽音を制御し、押鍵操作された鍵の電子楽音
を作成する。
音色や各種楽音効果のスイッチがオンにされたかどうか
が判別される。スイッチオンであればそのスイッチ情報
を楽音信号発生回路に送出して、各種音色、効果の設定
を行う(ステップS10)。この設定を行った後、ある
いはステップS9でスイッチオンイベントがなかった場
合には再び上記ステップS2に戻り、前述のフロー(ス
テップS2〜S8)を繰り返す。
の具体的制御対象は、例えば、 (1)接点時間差スイッチ(2メイク式キースイッチ)
により制御される鍵の音量レベルを弁開検出時にさらに
上げる。 (2)接点時間差スイッチにより制御される鍵の音色を
弁開が検出された時に明るくする。 (3)接点時間差スイッチにより制御されるリバーブ深
さを弁開検出時にさらに深くする。また、リバーブ効果
がスイッチオフになっていた場合には、これをオンにす
る。 等が制御対象となる。
するためには、図10に示すように、音源回路において
用いるフィルター回路の周波数特性を、弁開検出センサ
ーにより弁が開いたことを検出したときに、フィルタリ
ングの周波数位置が高周波数側に移るようにシフトさせ
る。図10において、横軸は周波数、縦軸は出力レベル
を表し、(A)図はハイパスフィルターのフィルター周
波数特性のシフトを示し、(B)図および(C)図はそ
れぞれバンドパスフィルターおよびローパスフィルター
の周波数特性のシフト状態を示している。このように、
弁開時にフィルター特性を変化させることにより、例え
ば強い打鍵時に音色を明るくするように楽音制御するこ
とができる。
的に検出する場合には、フォトリフレクター(図4のセ
ンサー53)と弁43の反射面(薄肉部50)との間の
距離を適当に(例えば1.5mm程度)離すことによ
り、反射光量をアナログ的に検出しこれを弁開度に対応
させることができる。この場合、受光素子側は、フォト
トランジスタの特性あるいは抵抗との組合せ回路の構成
により、反射光量が減少するに従って(即ち弁が開くに
従って)、出力レベルを大きくすることもできるし逆に
小さくすることもできる。
オン時の制御のみを行うものであり、この場合、楽音信
号発生回路のEG(包絡線データ発生回路)としてキー
オフ処理不要な減衰系のものが採用される。なお、図9
のフローチャートで、ステップS3とステップS4との
間にキーオフ処理のフローを追加して持続系の音も発音
可能としてもよい。
は、ダッシュポットを用いて、その流体の粘性抵抗力を
実質的に押鍵速度に応じて変化させる手段を設けたた
め、弱いタッチ強いタッチともに良好なタッチ感触が得
られるようになり、弱いタッチでも適度な反力が得ら
れ、これにより演奏者の意志を正確に反映できる精度の
よいタッチ感触を得られるようになり、かつ強いタッチ
でも反力が大きくなりすぎず、強弱いかなる演奏でも良
好なタッチ感触を実現でき、速くて軽く遅くて重い快適
な演奏感覚で電子楽器を演奏することができる。
の構成を示す縦断面図である。
パユニット部分の上面図およびダッシュポットのシリン
ダの小孔によるキースケーリングの説明図である。
を説明するための押鍵反力を示すグラフである。
の構成を説明するための図であり、(A)は組み立て状
態の断面図、(B)は弁の斜視図、(C)はシリンダ底
部の斜視図、(D)は弁開状態を検出するためのフォト
センサーの回路図である。
音制御手段の構成を示すブロック図である。
ダッシュポットの弁開検出用のセンサー部の具体的構成
例を示す回路図である。
るフォトリフレクタの構成説明図である。
ルス波形およびフォトリフレクタ群からの出力波形の一
例を示す波形説明図である。
御作用を示すフローチャートである。
に、音色を明るくするためのフィルター特性シフトの説
明図であり、(A)(B)(C)はそれぞれハイパスフ
ィルター、バンドパスフィルター、およびローパスフィ
ルターの特性を示すグラフである。
力の原理を説明するための模式図である。
押鍵操作1サイクルのヒステリシスをグラフで示す説明
図である。
ドの芯材 13:樹脂アウトサート成形材からなるキーガイド 14:鍵自由端部の内壁面 16:上限ストッパ 17:下限ストッパ 18:上限ストッパ用の鍵側に設けた当接用係止片 23:ダンパユニット 24:第1ダッシュポット 25:第2ダッシュポット 26:第1、第2ダッシュポット24、25を支持する
支持フレーム 27:第1ダッシュポット24のシリンダ 28:第1ダッシュポット24のピストン 29:第1ダッシュポット24のピストンロッド 30:第1ダッシュポット24の連結フック 31:第1ダッシュポット24が装着される外筒容器 32:第1ダッシュポット24の小孔 33:シーソーレバー 35:圧縮コイルスプリング 38:第2ダッシュポット25のシリンダ 39:第2ダッシュポット25のピストン 40:第2ダッシュポット25の小孔 41:孔 42:弁駆動用のアクチュエータ 43:弁 44:第2ダッシュポット25のピストンロッド 45:第2ダッシュポット25の連結フック 53:弁開検出用フォトリフレクター 54:発光素子(LED) 55:受光素子(フォトトランジスタ)
Claims (2)
- 【請求項1】 鍵支持部材と、 押離鍵操作により上記鍵支持部材に対し変位移動する多
数の鍵と、 該鍵を非押鍵位置方向に付勢する復鍵手段と、 上記鍵の押離鍵動作に連動するダッシュポット手段と、 上記ダッシュポット手段の粘性抵抗を実質的に押鍵速度
に応じて変化させる反力抵抗変化手段とを具備したこと
を特徴とする電子楽器用鍵盤装置。 - 【請求項2】 鍵支持部材と、 押離鍵操作により上記鍵支持部材に対し変位移動する多
数の鍵と、 該鍵を非押鍵位置方向に付勢する復鍵手段と、 上記鍵の押離鍵動作に連動するダッシュポット手段と、 上記ダッシュポット手段に設けた弁と、 上記弁の開閉状態を検出するセンサー手段と、 上記センサー手段の検出出力に応じて楽音を制御する手
段と、 を具備したことを特徴とする電子楽器用鍵盤装置。
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JP04604994A JP3555115B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 電子楽器用鍵盤装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016080720A (ja) * | 2014-10-09 | 2016-05-16 | ヤマハ株式会社 | 鍵盤装置 |
CN108305604A (zh) * | 2018-01-30 | 2018-07-20 | 浙江省公众信息产业有限公司 | 音乐可视化方法、装置及计算机可读存储介质 |
CN109478396A (zh) * | 2016-07-22 | 2019-03-15 | 雅马哈株式会社 | 键盘装置 |
-
1994
- 1994-03-16 JP JP04604994A patent/JP3555115B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN109478396B (zh) * | 2016-07-22 | 2023-12-08 | 雅马哈株式会社 | 键盘装置 |
CN108305604A (zh) * | 2018-01-30 | 2018-07-20 | 浙江省公众信息产业有限公司 | 音乐可视化方法、装置及计算机可读存储介质 |
CN108305604B (zh) * | 2018-01-30 | 2020-11-24 | 浙江省公众信息产业有限公司 | 音乐可视化方法、装置及计算机可读存储介质 |
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