JP2016080720A - 鍵盤装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の鍵ユニットの前後方向の寸法を小さくする。
【解決手段】 鍵盤装置は、複数の白鍵21,31又は複数の黒鍵41を、それらの各後端にて長尺状の連結部23,33,43でそれぞれ連結して一体的に形成した第1乃至第3鍵ユニット20,30,40を備え、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40の連結部23,33,43を鍵フレーム10の上段壁13上にこの順に載置して組み付ける。上段壁13及び連結部23,33には、貫通孔13a,23a,33aが設けられている。連結部43の下面には、下端部に係止用爪44aを有する下方に延設されたフック部44が設けられている。フック部44は、連結部43の幅内に納められている。フック部44を貫通孔33a,23a,13aを貫通させて、係止用爪44aを用いて、連結部23,33,43を上段壁13上に固定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複数の白鍵又は複数の黒鍵をそれぞれ有する複数の鍵ユニットを鍵フレームに組付けて構成した鍵盤装置に関する。
従来から、複数の白鍵又は複数の黒鍵をそれぞれ有し、複数の白鍵及び黒鍵の後端を白鍵及び黒鍵の配列方向に延設された長尺状の連結部でそれぞれ連結して一体的に形成した複数の鍵ユニットを備え、鍵フレームへの組付け状態における連結部の高さを鍵ユニットごとに異ならせておき、複数の鍵ユニットの連結部をそれぞれ鍵フレーム上に重ねて載置して複数の鍵ユニットを鍵フレームに組付けるようにした鍵盤装置はよく知られている。この鍵盤装置においては、例えば、下記特許文献1に示されているように、連結部の後端面に各組ごとに白鍵及び黒鍵の配列方向の位置を異ならせて後端面から後側に突出させるとともに下方に延設させて、下端部に前方に突出させた係止用爪を有するフック部を設けるようにしている。そして、複数の鍵ユニットの連結部を鍵フレームの後端部の上面に重ねて載置するとともに、各鍵ユニットのフック部の係止用爪を鍵フレームの下面にそれぞれ係止させて、複数の鍵ユニットを鍵フレーム上に組付けるようにしている。
実開平3−100893号公報
しかし、上記従来の鍵盤装置においては、フック部が連結部の後端面から後方に突出しているために、各鍵ユニットの後端部の前後方向の長さが長くなり、鍵ユニットの前後方向の寸法が大きくなるという問題があった。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、複数の鍵ユニットの前後方向の寸法を小さくするようにした鍵盤装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明の特徴は、複数の白鍵(21,31)又は複数の黒鍵(41)をそれぞれ有し、複数の白鍵又は複数の黒鍵の後端を白鍵及び黒鍵の配列方向に延設された長尺状の連結部(23,33,43)でそれぞれ連結して一体的に形成した複数の鍵ユニット(20,30,40)を備え、鍵フレーム(10,13)への組付け状態における複数の鍵ユニットの連結部の高さを鍵ユニットごとに異ならせておき、複数の鍵ユニットの連結部をそれぞれ鍵フレーム上に重ねて載置して複数の鍵ユニットを鍵フレームに組付けるようにした鍵盤装置において、複数の鍵ユニットのうちの一つの鍵ユニットの連結部に、上下方向に延設されて端部に係止用爪(44a,34a,35a)を設けた、前記一つの鍵ユニットの連結部の幅内に収まるフック部(44,34,35)を設け、複数の鍵ユニットのうちの前記一つの鍵ユニット以外の他の鍵ユニットの連結部に、フック部に対応する位置にて上下に貫通する貫通孔(23a,33a,43a)を設け、かつ鍵フレームに、フック部に対応する位置にて上下に貫通する貫通孔(13a)を設け、フック部を、前記他の鍵ユニットの連結部に設けた貫通孔及び鍵フレームに設けた貫通孔に貫通させて、係止用爪を用いて複数の鍵ユニットの連結部を鍵フレーム上に固定するようにしたことにある。
この場合、例えば、前記一つの鍵ユニットは、複数の鍵ユニットのうちの鍵フレームへの組付け状態にて連結部が最上段に位置する鍵ユニット(40)であり、フック部(43)は、前記一つの鍵ユニットの連結部の下面から下方に突出し、係止用爪(43a)は、フック部の下端部にて水平方向に突出し、フック部を前記他の鍵ユニットの連結部に設けた貫通孔及び鍵フレームに設けた貫通孔に上方から貫通させて、係止用爪を鍵フレームの下面に係止させるようにするとよい。
また、前記一つの鍵ユニットは、複数の鍵ユニットのうちの鍵フレームへの組付け状態にて連結部が最上段よりも下方に位置する鍵ユニット(30)であり、フック部は、前記一つの鍵ユニットの連結部の下面から下方に突出するとともに、下端部に水平方向に突出させた第1係止用爪(34a)を設けた第1フック部(34)と、前記一つの鍵ユニットの連結部の上面から上方に突出するとともに、上端部に水平方向に突出させた第2係止用爪(35a)を設けた第2フック部(35)とからなり、第1フック部を鍵フレームに設けた貫通孔に上方から貫通させ、又は前記一つの鍵ユニットの連結部よりも下方に位置する前記他の鍵ユニットの連結部に設けた貫通孔及び鍵フレームに設けた貫通孔に上方から貫通させて、第1係止用爪を鍵フレームの下面に係止させ、かつ第2フック部を、前記一つの鍵ユニットの連結部よりも上方に位置する前記他の鍵ユニットの連結部に設けた貫通孔に下方から貫通させて、第2係止用爪を最上段に位置する連結部の上面に係止させるようにしてもよい。
複数の鍵ユニットは、例えば、複数の白鍵(21)を有する第1鍵ユニット(20)と、第1鍵ユニットとは異なる複数の白鍵(31)を有する第2鍵ユニット(30)と、複数の黒鍵(41)を有する第3鍵ユニット(40)とからなる1オクターブ当たり3つの鍵ユニットである。
上記のように構成した鍵盤装置においては、一つの鍵ユニットの連結部に設けたフック部を、他の鍵ユニットの連結部に設けた貫通孔及び鍵フレームに設けた貫通孔に貫通させて、係止用爪を用いて複数の鍵ユニットの連結部を鍵フレーム上に固定するだけで、複数の鍵ユニットは鍵フレームに組付けられる。したがって、本発明の特徴によれば、複数の鍵ユニットを簡単に鍵フレームに組付けることができる。また、複数の鍵ユニットを鍵フレームに組付けるためのフック部は、連結部の幅内に収まるように構成されているので、複数の鍵ユニットの後端部の幅を小さくでき、鍵ユニットの前後方向の寸法を小さくすることができる。これによれば、鍵ユニットの製造コストを下げることができるとともに、この鍵ユニットの前後方向の寸法を小さくしたことによるスペースを鍵盤装置における他の構造及び部品のために有効に利用できるようになる。
また、本発明の他の特徴は、前記一つの鍵ユニットの連結部に、係止用爪と上下方向において対向する貫通孔(43a,33a)を設けたことにある。この本発明の他の特徴においては、フック部を有する鍵ユニットを一体的に形成する際には、鍵ユニットの連結部には係止用爪と上下方向において対向する貫通孔が設けられているので、複雑な金型を用いることなく、上下一対の金型を用いるだけで、フック部を有する鍵ユニットを簡単に一体成型できる。なお、金型を用いて成形したフック部を切欠いて係止用爪を形成することも可能である。この場合には、切欠き時に連結部に屈曲が生じて、隣接した白鍵及び黒鍵の高さ、白鍵及び黒鍵間の隙間にばらつきが生じることもあるが、この本発明の他の特徴によれば、前記ばらつきの問題も生じない。
また、本発明の他の特徴は、フック部の側面に端部に向かって幅狭となる勾配を設け、 前記他の鍵ユニットの連結部の貫通孔のフック部の側面に対向する幅を、前記他の鍵ユニットの連結部の貫通孔に対向するフック部の側面の幅よりも大きくし、かつ鍵フレームの貫通孔のフック部の側面に対向する幅を、鍵フレームの貫通孔に対向するフック部の側面の幅よりも大きくし、かつ前記他の鍵ユニットの連結部の貫通孔及び鍵フレームの貫通孔のフック部の側面に対向する幅を、フック部の端部に近づくほど小さくしたことにある。これによれば、フック部の側面と、連結部及び鍵フレームに設けた貫通孔の間の隙間がフック部の端部に近づくほど小さくなり、複数の鍵ユニットを鍵フレームに組付ける際に、フック部がガイド機能を発揮して、複数の鍵ユニットの鍵フレームへの組付けが簡単かつ良好に行われる。
本発明の一実施形態に係る1オクターブ分の鍵を含む鍵盤装置の概略斜視図である。 図1の鍵盤装置の平面図である。 図1の鍵盤装置の正面図である。 図2のA−A線に沿って見た鍵盤装置の拡大端面図である。 図2のB部の拡大図である。 (A)は図1乃至図4の第1鍵ユニットの平面図であり、(B)は前記第1鍵ユニットの正面図であり、(C)は前記第1鍵ユニットの側面図である。 (A)は図1乃至図4の第2鍵ユニットの平面図であり、(B)は前記第2鍵ユニットの正面図であり、(C)は前記第2鍵ユニットの側面図である。 (A)は図1乃至図4の第3鍵ユニットの平面図であり、(B)は前記第3鍵ユニットの正面図であり、(C)は前記第3鍵ユニットの側面図である。 第1乃至第3鍵ユニットの鍵フレームに対する組付けを説明するための鍵盤装置の分解斜視図である。 前記実施形態の変形例に係る鍵盤装置の前記図4に対応する端面図である。 前記実施形態の他の変形例に係る鍵盤装置の前記図4に対応する端面図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態に係る1オクターブ分の鍵を含む鍵盤装置の概略斜視図であり、図2は前記鍵盤装置の平面図であり、図3は前記鍵盤装置の正面図である。図4は、図2のA−A線に沿って見た鍵盤装置の拡大端面図であり、図5は図2のB部の拡大図である。なお、本明細書においては、演奏者側(図1の左下側及び図2の下側)を鍵盤装置の前方とし、演奏者と反対側(図1の右上側及び図2の上側)を鍵盤装置の後方とする。そして、演奏者の左右方向(図1の左上から右下方向及び図2の左右方向)を鍵盤装置の左右方向とする。
鍵盤装置は、鍵盤の下方にて、鍵盤楽器内に固定された鍵フレーム10を有する。鍵フレーム10は、前方にて左右及び前後方向に水平に延設された平板状の下段壁11と、下段壁11の後端にて上方に立設された平板状の立面壁12と、立面壁12の上端にて後方に所定幅だけ水平に延設されるとともに左右方向に長尺状かつ平板状の上段壁13とを備えている。これらの下段壁11、立面壁12及び上段壁13は、金属、樹脂などにより一体的に形成されている。上段壁13には、適宜箇所にて、詳しくは後述する上面から下面に連通する直方体形状の貫通孔13aが、その前後の内面を上段壁13の前後両端面に平行にして形成されている。上段壁13上には、樹脂によりそれぞれ一体成形した第1乃至第3鍵ユニット20,30,40がその後端部にて載置されている。また、上段壁13の適宜箇所には、図示しない固定用ねじを螺合させて第1乃至第3鍵ユニット20,30,40を堅固に固定するために、内周面に雌ねじを形成した上面から下面に連通する円形のねじ孔13bも設けられている。なお、これに代えて、ねじ孔13bとしては内面に雌ねじを有しない単なる円柱状の孔が利用され、円柱状の孔にタップネジを螺合させるセルフタップねじ方式により、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40を上段壁13に堅固に固定するようにしてもよい。
まず、第1鍵ユニット20について、図6(A)の平面図、図6(B)の正面図及び図6(C)の側面図を用いて説明する。第1鍵ユニット20は、音名C,E,G,Bにそれぞれ対応して互いに隣接していない4つの白鍵21を有する。白鍵21は、上壁、前壁、側壁及び後壁からなり、内部を下方に開口させた方形状の空間を形成している。ただし、この上壁、前壁、側壁及び後壁の板厚による内側面を示す破線は、図4、図10及び図11以外の図面においては省略されている。上壁及び側壁には、黒鍵41のスペースを確保するために段部が設けられている。白鍵21の前後方向の中央位置より若干だけ前方の下面には、垂直下方に突出して下端面を鍵フレーム10の下段壁11の上面に対向させた突出部21aが設けられている。この突出部21aは、白鍵21の押鍵時に、下段壁11の上面に設けた図示しないガイド部材により白鍵21の下方への変位をガイドする部分として機能する。
これらの4つの白鍵21の後壁は、ヒンジ22を介して連結部23にそれぞれ接続されている。ヒンジ22及び連結部23は、白鍵21と一体成形されている。ヒンジ22は、白鍵21の後端部の横幅に等しい横幅を有し、上下方向に弾性変形し易いように薄肉で方形かつ平板状に構成されていて、その前端を白鍵21の後壁に接続させて後方に延設されている。なお、ヒンジ22の横幅は、必ずしも白鍵21の後端部の横幅に等しくなくてもよく、白鍵21の後端部の横幅よりも狭くてもよいし、後述する隣接した白鍵31及び黒鍵41のヒンジ32,42と重ならない程度に白鍵21の後端部の横幅よりも広くてもよい。この点に関しては、白鍵31及び黒鍵41のヒンジ32,42に関しても同様である。ヒンジ22は、その下面を白鍵21の後壁の下端よりも若干だけ上方に位置させ、その上面を白鍵21の後壁の上端よりも下方に位置させている。そして、ヒンジ22は白鍵21の押鍵時に弾性変形して、白鍵21の前端部の下方への変位を許容し、白鍵21の離鍵時には弾性力や図示しない他部材(接点ゴム等のばね成分)の復帰力により白鍵21の前端部を上方へ変位させて白鍵21を離鍵位置に復帰させる。
連結部23は、縦断面を長方形状にして横方向に長尺状の部材であり、前面にてヒンジ22の後端を接続させている。連結部23は変形し難いように比較的厚く構成されており、その上下方向の厚さはヒンジの上下方向の厚さに比べて大きい。また、連結部23の前後幅は、鍵フレーム10の上段壁13の前後幅に等しい。連結部23は、その下面を白鍵21の下面と同じ高さに位置させるとともにヒンジ22の下面よりも下方に位置させ、かつその上面を白鍵21の上面よりも下方に位置させるとともにヒンジ22の上面よりも若干だけ上方に位置させている。連結部23には、適宜箇所(本実施形態では左右方向ほぼ中央位置)にて、上面から下面に連通する直方体形状の貫通孔23aが、その前後の内面を連結部23の前後両端面と平行にして形成されている。また、連結部23の前記ねじ孔13bに対応する箇所には、前記固定用ねじを貫通させるための上面から下面に連通する円形の貫通孔23bも設けられている。なお、鍵フレーム10に組付けた状態における第1鍵ユニット20に関する上下方向の位置及び貫通孔23aの寸法については詳しく後述する。
次に、第2鍵ユニット30について、図7(A)の平面図、図7(B)の正面図及び図7(C)の側面図を用いて説明する。第2鍵ユニット30は、音名D,F,Aにそれぞれ対応して互いに隣接していない3つの白鍵31を有する。白鍵31も、上壁、前壁、側壁及び後壁からなり、内部を下方に開口させた方形状の空間を形成している。白鍵31の前後方向の長さ及び高さは白鍵21の場合と同じである。ただし、上壁及び側壁に設けた黒鍵41のスペースを確保するために段部は白鍵21の場合とは異なる。白鍵31の下面にも、白鍵21の突出部21aと同一の形状及び機能を有する突出部31aが設けられている。
これらの3つの白鍵31の後壁は、ヒンジ32を介して連結部33にそれぞれ接続されている。ヒンジ32及び連結部33もヒンジ22及び連結部23とそれぞれ同様に構成され、連結部33は、上面から下面に連通する直方体形状の貫通孔33aを、その前後の内面を連結部33の前後両端面と平行にして有するとともに、貫通孔23bと同様な貫通孔33bを有する。ヒンジ32及び連結部33の上下方向の厚さは、ヒンジ22及び連結部23の上下方向の厚さとそれぞれ同じである。ただし、この場合には、ヒンジ32は、その下面を白鍵31の下面よりも上方に位置させ、その上面を白鍵31の上面よりも若干だけ下方に位置させている。また、連結部33は、その下面を白鍵31の下面よりも上方に位置させるとともにヒンジ32の下面と同一高さに位置させ、かつその上面を白鍵31の上面よりも若干だけ上方に位置させるとともにヒンジ32の上面よりも上方に位置させている。なお、鍵フレーム10に組付けた状態における第2鍵ユニット30に関する上下方向の位置及び貫通孔33aの寸法については詳しく後述する。
次に、第3鍵ユニット40について、図8(A)の平面図、図8(B)の正面図及び図8(C)の側面図を用いて説明する。 第3鍵ユニット20は、音名C#,D#,F#,G#,A#にそれぞれ対応して互いに隣接していない5つの黒鍵41を有する。黒鍵41も、上壁、前壁、側壁及び後壁からなり、内部を下方に開口させた方形状の空間を形成している。ただし、黒鍵41の前後方向の長さは白鍵21,31の前後方向の長さよりも短く、黒鍵41の高さは白鍵21,31の高さよりも高い。また、黒鍵41の前壁は、下方に向かって前方に位置するように傾斜している。黒鍵41の下面にも、白鍵21,31の突出部21a,31aと同一の形状及び機能を有する突出部41aが設けられているが、黒鍵41の突出部41aは白鍵21,31の突出部21a,31aよりも若干後方に位置する。
これらの5つの黒鍵41の後壁は、ヒンジ42を介して連結部43にそれぞれ接続されている。ヒンジ42及び連結部43もヒンジ22,32及び連結部23,33とそれぞれ同様に構成され、連結部43は、上面から下面に連通する直方体形状の貫通孔43aを、その前後の内面を連結部43の前後両端面と平行にして有するとともに、貫通孔23bと同様な貫通孔43bを有する。ヒンジ42及び連結部43の上下方向の厚さも、ヒンジ22,32及び連結部23,33の上下方向の厚さとそれぞれ同じである。ただし、ヒンジ42は、その下面を黒鍵41の下面よりも上方に位置させ、かつその上面を黒鍵41の上面よりも下方に位置させている。また、連結部は、その下面を黒鍵41の下面よりも上方に位置させるとともにヒンジ42の下面と同一高さに位置させ、その上面を黒鍵41の上面よりも若干だけ下方に位置させるとともに、ヒンジ42の上面よりも上方に位置させている。なお、鍵フレーム10に組付けた状態における第3鍵ユニット40に関する上下方向の位置及び貫通孔43aの寸法については詳しく後述する。
また、連結部43の下面には、連結部43の左右方向の中央位置かつ連結部43の後端面から前方に離れた貫通孔43aの後ろの外側から下方に突出したフック部44が設けられている。フック部44は、第2鍵ユニット30の貫通孔33a、第1鍵ユニット20の貫通孔23a及び鍵フレーム10の貫通孔13aを上方から下方へ貫通させて、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40を鍵フレーム10に組付ける部材である。フック部44は、その横断面形状を左右方向に長尺状の長方形とし、その左右両側面を下方に向かうに従って幅狭とし、その正面視を台形状としている。フック部44の前面は、貫通孔43aの後側の内面と同一の垂直平面上にある。なお、フック部44の前面は、必ずしも貫通孔43aの後側の内面と同一の垂直平面上になくてもよい。このフック部44の前後方向の厚さは薄く、フック部44は、前後方向に弾性変形するように構成されていて、下端を前後方向に変位可能としている。
フック部44の前面の下端部には、縦断面形状を3角形とする前方に突出させた係止用爪44aが設けられている。係止用爪44aは、フック部44を、第2鍵ユニット30の貫通孔33a、第1鍵ユニット20の貫通孔23a及び鍵フレーム10の貫通孔13aを上方から下方へ貫通させた状態で、鍵フレーム10の上段壁13の下面に係止されて、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40を鍵フレーム10に組付けるものである。連結部43の下面から係止用爪44aの上面までの長さは、鍵フレーム10の上段壁13の厚さと、第1鍵ユニット20の連結部23の厚さと、第2鍵ユニット30の連結部33の厚さとの合計長さに等しい。係止用爪44aのフック部44の前面よりも前方に突出した上面は水平である。また、係止用爪44aの前後方向の幅は貫通孔43aの前後方向幅よりも小さい、すなわち係止用爪44aは貫通孔43aの一部と上下方向において対向する。なお、係止用爪44aの寸法についてはさらに詳しく後述する。
このように構成した第1乃至第3鍵ユニット20,30,40の鍵フレーム10への組付け工程及び組付け後の鍵盤装置の全体構成について、前記図1乃至図5に加えて図9を用いて説明する。第1乃至第3鍵ユニット20,30,40の鍵フレーム10への組付けにおいては、図9に示すように、鍵フレーム10の上段壁13上に、前後方向及び左右方向の位置を合わせながら、第1鍵ユニット20の連結部23、第2鍵ユニット30の連結部33及び第3鍵ユニット40の連結部43を順次重ねていく。第3鍵ユニット40の連結部43を第2鍵ユニット30の連結部33上に載せる際には、フック部44を第2鍵ユニット30の貫通孔33a、第1鍵ユニット20の貫通孔23a及び鍵フレーム10の貫通孔13aに下方へ侵入させていく。このとき、フック部44の下部は後方に変形しながら下方へ侵入していく。
フック部44を下方へさらに侵入させると、フック部44の下端部に設けた係止用爪44aの前端の突起が鍵フレーム10の貫通孔13aの前端下面を乗り越えて、係止用爪44aの上面が貫通孔13aの前端部近傍の上段壁13の下面に当接して係止される。この状態が、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40の鍵フレーム10への組付け状態であり、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40は鍵フレーム10に固定される。この組付け状態では、特に図4に示すように、第1鍵ユニット20の連結部23の下面が鍵フレーム10の上段壁13の上面に当接し、第2鍵ユニット30の連結部33の下面が第1鍵ユニット20の連結部23の上面に当接し、かつ第3鍵ユニット40の連結部43の下面が第2鍵ユニット30の連結部33の上面に当接する。そして、前記説明した第1乃至第3鍵ユニット10,20,30のヒンジ22,32,42及び連結部23,33,43の上下方向の位置の設定により、白鍵21,31及び黒鍵41、並びにヒンジ22,32,42は水平に保たれるとともに、白鍵21,31の上面の高さは同じとなり、黒鍵41の上面は白鍵21,31の上面よりも上方に位置する。
次に、鍵フレーム10の貫通孔13a、第1鍵ユニット20の貫通孔23a、第2鍵ユニット30の貫通孔33a及び第3鍵ユニット40のフック部44の寸法について具体的に説明しておく。特に、図5に示すように、貫通孔13a、貫通孔23a及び貫通孔33aは、その前後方向の幅を同じにして、所定距離ずつこの順に前方に位置する。なお、貫通孔23a及び貫通孔33aの前後方向の幅は、必ずしも同じでなくてもよい。フック部44の下方に延びた延設部の前面すなわち貫通孔43aの後面からの係止用爪44aの前方への突出長さは貫通孔13a,23a,33aの前後方向のずらし量である前記所定距離の約3倍であり、係止用爪44aの前端は貫通孔33aの前面とほぼ一致する。したがって、フック部44の下方に延びた延設部の前面は、貫通孔13aの前面との間に前記所定距離だけ隙間を空け、貫通孔23aの前面との間に前記所定距離の2倍だけ隙間を空け、かつ貫通孔33aの前面との間に前記所定距離の3倍だけ隙間を空けている。そして、係止用爪44aの上面は、貫通孔13aの前側の上段壁13の下面に前後方向に前記所定距離の2倍の距離に渡って当接している。なお、これらのフック部44の前面と貫通孔13a,23a,33aとの隙間の距離及び係止用爪44aの上面と上段壁13の下面との当接距離は、前記例示に代えて種々に変更できる。
また、特に図3に示すように、貫通孔13a、貫通孔23a及び貫通孔33aは、それらの左右方向の中心位置を同じにして、その左右方向の幅を所定距離ずつ大きくしている。第3鍵ユニット40に設けた貫通孔43aの左右方向の中心位置は貫通孔13a、貫通孔23a及び貫通孔33aの左右方向の中心位置と同じであるが、貫通孔43aの左右方向の幅は貫通孔33aの左右方向の幅よりも大きい。貫通孔43aの後面と前面を一致させているフック部44の下方への延設部は、貫通孔13a,23a,33a,43aの左右方向の中心に対して左右方向に対称に形成されている。そして、フック部44は、その上端の左右方向の幅を貫通孔33aよりも若干小さくし、かつその下端の左右方向の幅を貫通孔13aより小さくするようにフック部44の左右側面に傾斜をもたせて、前述のように正面視で台形状に形成されている。この下方へ向かうに従って小さくなるフック部44の左右方向の幅においては、貫通孔33aと対向する位置の最大幅が貫通孔33aの左右方向の幅よりも小さく、貫通孔23aと対向する位置の最大幅が貫通孔23aの左右方向の幅よりも小さく、かつ貫通孔13aと対向する位置の最大幅が貫通孔13aの左右方向の幅よりも小さい。しかし、これらの最大幅を、貫通孔33a,23a,13aの左右方向の幅に近く設定するとよい。
したがって、フック部44を貫通孔33a,23a,13a内に上方から侵入させて貫通させることができる。また、この侵入時には、フック部44が貫通孔33a,23a,13aと共働してガイド機能を果たすので、第3鍵ユニット30の鍵フレーム10に対する組付けが簡単に行われるとともに、第1乃至第3鍵ユニット10,20,30の鍵フレーム10に対する左右方向の位置決めを良好にする。特に、前記最大幅を、貫通孔33a,23a,13aの左右方向の幅に近づけるほど、前記位置決め精度が良好となる。
このようにして第1乃至第3鍵ユニット20,30,40を鍵フレーム10に組付けたのち、図示しない固定用ねじを、第3鍵ユニット40、第2鍵ユニット30及び第1鍵ユニット20の連結部43,33,23に設けた貫通孔43b,33b,23bにこの順に上方から貫通させて、鍵フレーム10の上段壁13に設けたねじ孔13bに螺合させる。これにより、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40が鍵フレーム10に堅固に固定されて、鍵盤装置が完成する。
上記のように構成した実施形態においては、第3鍵ユニット40の連結部43に設けたフック部44を、第2及び第1鍵ユニット30,20の連結部33,23に設けた貫通孔33a,23a及び鍵フレーム10の上段壁13に設けた貫通孔13aに上方から貫通させた後、上段壁13の下面にフック部44に設けた係止用爪44aを係止させるだけで、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40は鍵フレーム10に組付けられる。したがって、上記実施形態によれば、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40を簡単に鍵フレーム10に組付けることができる。また、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40を鍵フレーム10に組付けるためのフック部44は、連結部43の前後方向の幅内に収まるように構成されているので、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40の後端部の幅を小さくできて、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40の前後方向の寸法を小さくすることができる。その結果、上記実施形態によれば、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40の製造コストを下げることができるとともに、この第1乃至第3鍵ユニット20,30,40の前後方向の寸法を小さくしたことによるスペースを鍵盤装置における他の構造及び部品のために有効に利用できるようになる。
また、上記実施形態においては、フック部44を有する第3鍵ユニット40の連結部43に、係止用爪44aと上下方向において対向する貫通孔43aを設けた。したがって、第3鍵ユニット40を一体的に形成する際には、複雑な金型を用いることなく、上下一対の金型を用いるだけで、第3鍵ユニット40を簡単に一体成型できる。また、上記実施形態においては、フック部44の左右側面に下方に向かって幅狭となる勾配を設け、第2鍵ユニット30の連結部33に設けた貫通孔33aの左右方向の幅、第1鍵ユニット20の連結部23に設けた貫通孔23aの左右方向の幅、及び鍵フレーム10の上段壁13に設けた貫通孔13aの左右方向の幅を、フック部44の貫通孔33a,23a,13aに対向する左右側面よりも大きく、かつこの順に小さくなるようにした。すなわち、貫通孔33a,23a,13aのフック部44の側面に対向する幅を、フック部44の端部に近づくほど小さくした。そして、フック部44の側面と、貫通孔33a,23a,13aの間の隙間がなるべく小さくなるようにした。第1乃至第3鍵ユニット10,20,30を鍵フレーム10に組付ける際に、フック部44がガイド機能を発揮するので、第1乃至第3鍵ユニット10,20,30を鍵フレーム10に簡単かつ良好に組付けることができる。
なお、本発明に係る鍵盤装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。
上記実施形態では、第3鍵ユニット40の連結部43に設けた貫通孔43aの後側にフック部44を設けるとともに、フック部44の前面の下端部に前方に突出した係止用爪44aを設けて、フック部44を貫通孔33a,23a,13aを貫通させた後に、係止用爪44aを鍵フレーム10の上段壁13の下面に貫通孔13aの前方にて係止させるようにした。しかし、これに代えて、第3鍵ユニット40の連結部43に設けた貫通孔43aの前側にフック部44を設けるとともに、フック部44の後面の下端部に後方に突出した係止用爪44aを設けて、フック部44を貫通孔33a,23a,13aを貫通させた後に、係止用爪44aを鍵フレーム10の上段壁13の下面に貫通孔13aの後方にて係止させるようにしてもよい。
具体的には、図4に対応させた図10の端面図に示すように、第3鍵ユニット40の連結部43の下面に、連結部43の左右方向の中央位置かつ連結部43の前端面から後方に離れた貫通孔43aの手前外側から下方に突出したフック部44が設けられている。フック部44は、上記実施形態の場合と同様に、第2鍵ユニット30の貫通孔33a、第1鍵ユニット20の貫通孔23a及び鍵フレーム10の貫通孔13aを上方から下方へ貫通している。ただし、この変形例においては、フック部44の後面が、貫通孔43aの前側の内面と同一の垂直平面上にある。なお、フック部44の後面は、必ずしも貫通孔43aの前側の内面と同一の垂直平面上になくてもよい。フック部44の後面の下端部には、縦断面形状を3角形とするとともに上面を平面とする後方に突出させた係止用爪44aが設けられている。係止用爪44aの前後方向の幅は、この変形例においても、貫通孔43aの前後方向幅よりも小さい、すなわち係止用爪44aは貫通孔43aの一部と上下方向において対向する。そして、この変形例においては、係止用爪44aの上面は、貫通孔13aの後方位置にて上段壁13の下面に当接して係止され、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40が鍵フレーム10に組付けられる。
また、この変形例においても、鍵フレーム10の上段壁13及び第1乃至第3鍵ユニット20,30、40の連結部23,33,43には、上記実施形態の場合と同様な直方体状の貫通孔13a,23a,33a,43aが設けられている。ただし、この変形例においては、貫通孔13a,23a,33aは所定距離ずつこの順に前方に位置し、貫通孔43aは、フック部44の後方に位置する。そして、フック部44の下方に延びた延設部の後面は、貫通孔13aの後面との間に前記所定距離だけ隙間を空け、貫通孔23aの後面との間に前記所定距離の2倍だけ隙間を空け、かつ貫通孔33aの後面との間に前記所定距離の3倍だけ隙間を空けている。そして、係止用爪44aの上面は、貫通孔13aの後側の上段壁13の下面に前後方向に前記所定距離の2倍の距離に渡って当接している。なお、これらのフック部44の後面と貫通孔13a,23a,33aとの隙間の距離及び係止用爪44aの上面と上段壁13の下面との当接距離は、前記例示に代えて種々に変更できる。他の構成は、上記実施形態と同じであるので、上記実施形態と同一符号を付してその説明を省略する。
そして、この変形例においては、係止用爪44aが上記実施形態とは逆向きであるが、係止用爪44aを含むフック部44、貫通孔13aを有する上段壁13、及び貫通孔23a,33a,43aを有する連結部23,33,43は上記実施形態の場合と同様に機能する。したがって、この変形例においても、上記実施形態と同様な効果が得られる。
上記実施形態及び変形例においては、鍵フレーム10の上段壁13、第1及び第2鍵ユニット20,30の連結部23,33にそれぞれ設けた貫通孔13a,23a,33aを直方体形状に構成して、それらの前後内面及び左右内側面を垂直に延設されるようにした。しかし、これに代えて、前記前後内面及び左右内側面を下方に向かうに従って内側に傾斜させて、貫通孔13a,23a,33aの内部空間が下方に向かうに従って幅狭となるようにしてもよい。特に、貫通孔33a,23a,13aの左右幅をこの順に短くしたうえで、貫通孔33a,23a,13aの各左右内側面を下方に向かうに従って内側に傾斜させることにより、フック部44を貫通孔33a,23a,13aに上方から侵入させ易くなり、フック部44の貫通孔33a,23a,13aと共働したガイド機能がより良好となる。
また、上記実施形態においては、フック部44の前側面と貫通孔33a,23a,13aの前側内面との間には若干の隙間が設けられるようにした。また、上記変形例においては、フック部44の後側面と貫通孔33a,23a,13aの後側内面との間には若干の隙間が設けられるようにした。しかし、これらに代えて、前記隙間をなくすようにしてもよい。すなわち、上記実施形態において、フック部44の前側面と貫通孔33a,23a,13aの前側内面とが当接するようにしてもよい。また、上記変形例において、フック部44の後側面と貫通孔33a,23a,13aの後側内面とが当接するようにしてもよい。
また、上記実施形態及び変形例においては、鍵フレーム10の上段壁13の上面、第1及び第2鍵ユニット20,30の連結部23,33の上面及び下面、並びに第3鍵ユニット40の連結部43の下面を平坦に構成した。しかし、これに代えて、第1乃至第3鍵ユニット20,30,40の連結部23,33,43を鍵フレーム13の上段壁13上に載置する際の位置決めを容易にするために、前記上段壁13の上面、前記連結部23,33の上面及び下面、並びに前記連結部43の下面に位置決め用の凹部、凸部、切り込みなどを設けるようにしておいてもよい。
また、上記実施形態及び変形例においては、鍵フレーム10の上段壁13に、第1鍵ユニット20の連結部23、第2鍵ユニット30の連結部33及び第3鍵ユニット40の連結部43を、この順に上方へ載置するようにした。しかし、この連結部23,33,43の載置の順は、いかなる組み合わせであってもよい。この場合、連結部23,33,43の載置の順に従って、連結部23,33,43の上下位置を上記実施形態及び変形例の場合と異ならせる必要がある。例えば、第1鍵ユニット20の連結部23の高さと第2鍵ユニット30の連結部33の高さとを逆にし、鍵フレーム10の上段壁13に、第2鍵ユニット30の連結部33、第1鍵ユニット20の連結部23及び第3鍵ユニット40の連結部43を、この順に上方へ載置するようにするようにしてもよい。この場合、連結部23及び連結部33に上記貫通孔33a,23aと同様な貫通孔を設けるようにする。
さらに、上記実施形態及び変形例においては、最上段にある第3鍵ユニット40の連結部43にフック部44を設けた。しかし、中段にある第2鍵ユニット30にフック部を設けて、鍵フレーム10の上段壁13上に第1、第2及び第3鍵ユニット20,30,40を組付けるようにしてもよい。
具体的には、図4に対応させた図11の端面図に示すように、第2鍵ユニット30の連結部33の下面及び上面に、連結部33の左右方向の中央位置かつ連結部33の後端面から前方に離れた貫通孔33aの後外側から、下方及び上方にそれぞれ延設させた第1フック部34及び第2フック部35が設けられている。第1フック部34は、第1鍵ユニット20の貫通孔23a及び鍵フレーム10の貫通孔13aを上方から下方へ貫通している。第1フック部34の前面の下端部には、縦断面形状を3角形とするとともに上面を平面とする前方に突出させた第1係止用爪34aが設けられている。第2フック部35は、第3鍵ユニット24の貫通孔43aを下方から上方へ貫通している。第2フック部35の前面の上端部には、縦断面形状を3角形とするとともに下面を平面とする前方に突出させた係止用爪35aが設けられている。第1及び第2フック部34,35の前面は、貫通孔33aの後側の内面と同一の垂直平面上にある。なお、この場合も、第1及び第2フック部34,35の前面は、必ずしも貫通孔33aの後側の内面と同一の垂直平面上になくてもよい。第1及び第2係止用爪34a,35aの前後方向の幅は、貫通孔33aの前後方向幅よりも小さい、すなわち第1及び第2係止用爪34a,35aは貫通孔33aの一部と上下方向において対向する。そして、この変形例においては、第1係止用爪34aの上面は、貫通孔13aの前方位置にて上段壁13の下面に当接して係止され、第2及び第3鍵ユニット20,30が鍵フレーム10に組付けられる。第2係止用爪35aの下面は、貫通孔43aの前方位置にて連結部43の上面に当接して係止され、第3鍵ユニット40が第1及び第2鍵ユニット20,30並びに鍵フレーム10に組付けられる。
また、この変形例においても、鍵フレーム10の上段壁13及び第1乃至第3鍵ユニット20,30、40の連結部23,33,43には、直方体状の貫通孔13a,23a,33a,43aが設けられている。貫通孔13a,23a,33aはこの順に後方に位置するとともに、貫通孔43aは貫通孔33aの後方に位置し、貫通孔33aは第1及び第2フック部34,35の前方に位置する。そして、第1フック部34の下方に延びた延設部の前面は、貫通孔13aの前面との間に所定距離だけ隙間を空け、貫通孔23aの前面との間に前記所定距離よりも大きな距離の隙間を空けている。第2フック部35の下方に延びた延設部の前面は、貫通孔43aの前面との間に所定距離だけ隙間を空けている。そして、第1係止用爪34aの上面は貫通孔13aの前側の上段壁13の下面に前後方向に所定距離に渡って当接し、第2係止用爪35aの下面は貫通孔43aの前側の連結部43の上面に前後方向に所定距離に渡って当接している。
また、この変形例においても、フック部34の左右側面に先端に向かって幅狭となる勾配を設け、第1鍵ユニット20の連結部23に設けた貫通孔23aの左右方向の幅及び鍵フレーム10の上段壁13に設けた貫通孔13aの左右方向の幅を、フック部34の貫通孔23a,13aに対向する左右方向の最大幅よりも大きく、かつこの順に小さくなるようにした。すなわち、貫通孔23a,13aのフック部34の側面に対向する幅を、フック部44の端部に近づくほど小さくした。そして、フック部34の側面と、貫通孔23a,13aの間の隙間がなるべく小さくなるようにした。また、フック部35の左右側面に先端に向かって幅狭となる勾配を設け、第3鍵ユニット40の連結部43に設けた貫通孔43aの左右方向の幅を、フック部35の貫通孔43aに対向する左右方向の最大幅よりも大きくした。他の構成は、上記実施形態と同じであるので、上記実施形態と同一符号を付してその説明を省略する。
そして、この変形例においては、第1フック部34を貫通孔23a,13aにこの順に貫通させた後、第1係止用爪34aを上段壁13の下面に係止させて、第1及び第2鍵ユニット20,30を上段壁13上に固定する。その後、貫通孔43aに第2フック部35を貫通させた後、第2係止用爪35aを連結部43の上面に係止させて、第3鍵ユニット40を第2鍵ユニット30上に固定する。第1及び第2係止用爪34a,35aを含む第1及び第2フック部34,35、貫通孔13aを有する上段壁13、及び貫通孔23a,43aを有する連結部23,43は上記実施形態の場合と同様に機能する。したがって、この変形例においても、上記実施形態と同様な効果が得られる。
なお、前記変形例では、第2鍵ユニット30に第1及び第2フック部34,35を設けるようにしたが、これに代えて、第1鍵ユニット20に前記変形例と同様な第1及び第2係止用爪を有する第1及び第2フック部を設けるようにしてもよい。この場合、第1フック部は、鍵フレーム10の貫通孔13aを上方から下方へ貫通して、第1係止用爪が上段壁13の下面に係止される。第2フック部は、第2及び第3鍵ユニット30,40の貫通孔33a,43aを下方から上方へ貫通して、第2係止用爪が連結部43の上面に係止される。
また、上記実施形態の変形例(図10参照)のように、第2鍵ユニット30の連結部33の貫通孔33aの前側に第1及び第2フック部33,34を設けたり、第1鍵ユニット20の連結部23の貫通孔23aの前側に第1及び第2フック部33,34と同種の第1及び第2フック部を設けたりしてもよい。また、上記実施形態の変形として説明した貫通孔13a,23a,33aの形状及び大きさに関しても、この変形例にも適用される。さらに、この変形例においても、第1鍵ユニット20の連結部23、第2鍵ユニット30の連結部33及び第3鍵ユニット40の連結部43の鍵フレーム10の上段壁13上への載置の順に関しては、いかなる組み合わせであってもよい。
10…鍵フレーム、13…上段壁、10,20,30…鍵ユニット、21,31…白鍵、41…黒鍵、23,33,43…連結部、13a,23a,33a,43a…貫通孔、34,35,44…フック部、34a,35a,44a…係止用爪

Claims (5)

  1. 複数の白鍵又は複数の黒鍵をそれぞれ有し、前記複数の白鍵又は複数の黒鍵の後端を白鍵及び黒鍵の配列方向に延設された長尺状の連結部でそれぞれ連結して一体的に形成した複数の鍵ユニットを備え、鍵フレームへの組付け状態における前記複数の鍵ユニットの連結部の高さを鍵ユニットごとに異ならせておき、前記複数の鍵ユニットの連結部をそれぞれ前記鍵フレーム上に重ねて載置して前記複数の鍵ユニットを前記鍵フレームに組付けるようにした鍵盤装置において、
    前記複数の鍵ユニットのうちの一つの鍵ユニットの連結部に、上下方向に延設されて端部に係止用爪を設けた、前記一つの鍵ユニットの連結部の幅内に収まるフック部を設け、
    前記複数の鍵ユニットのうちの前記一つの鍵ユニット以外の他の鍵ユニットの連結部に、前記フック部に対応する位置にて上下に貫通する貫通孔を設け、かつ
    前記鍵フレームに、前記フック部に対応する位置にて上下に貫通する貫通孔を設け、
    前記フック部を、前記他の鍵ユニットの連結部に設けた貫通孔及び前記鍵フレームに設けた貫通孔に貫通させて、前記係止用爪を用いて前記複数の鍵ユニットの連結部を前記鍵フレーム上に固定するようにしたことを特徴とする鍵盤装置。
  2. 前記一つの鍵ユニットは、前記複数の鍵ユニットのうちの前記鍵フレームへの組付け状態にて連結部が最上段に位置する鍵ユニットであり、
    前記フック部は、前記一つの鍵ユニットの連結部の下面から下方に突出し、
    前記係止用爪は、前記フック部の下端部にて水平方向に突出し、
    前記フック部を前記他の鍵ユニットの連結部に設けた貫通孔及び前記鍵フレームに設けた貫通孔に上方から貫通させて、前記係止用爪を前記鍵フレームの下面に係止させるようにした請求項1に記載の鍵盤装置。
  3. 前記一つの鍵ユニットは、前記複数の鍵ユニットのうちの前記鍵フレームへの組付け状態にて連結部が最上段よりも下方に位置する鍵ユニットであり、
    前記フック部は、前記一つの鍵ユニットの連結部の下面から下方に突出するとともに、下端部に水平方向に突出させた第1係止用爪を設けた第1フック部と、前記一つの鍵ユニットの連結部の上面から上方に突出するとともに、上端部に水平方向に突出させた第2係止用爪を設けた第2フック部とからなり、
    前記第1フック部を前記鍵フレームに設けた貫通孔に上方から貫通させ、又は前記一つの鍵ユニットの連結部よりも下方に位置する前記他の鍵ユニットの連結部に設けた貫通孔及び前記鍵フレームに設けた貫通孔に上方から貫通させて、前記第1係止用爪を前記鍵フレームの下面に係止させ、かつ前記第2フック部を、前記一つの鍵ユニットの連結部よりも上方に位置する前記他の鍵ユニットの連結部に設けた貫通孔に下方から貫通させて、前記第2係止用爪を最上段に位置する連結部の上面に係止させるようにした請求項1に記載の鍵盤装置。
  4. 前記一つの鍵ユニットの連結部に、前記係止用爪と上下方向において対向する貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載の鍵盤装置。
  5. 前記フック部の側面に端部に向かって幅狭となる勾配を設け、
    前記他の鍵ユニットの連結部の貫通孔の前記フック部の側面に対向する幅を、前記他の鍵ユニットの連結部の貫通孔に対向する前記フック部の側面の幅よりも大きくし、
    前記鍵フレームの貫通孔の前記フック部の側面に対向する幅を、前記鍵フレームの貫通孔に対向する前記フック部の側面の幅よりも大きくし、かつ
    前記他の鍵ユニットの連結部の貫通孔及び前記鍵フレームの貫通孔の前記フック部の側面に対向する幅を、前記フック部の端部に近づくほど小さくしたことを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載の鍵盤装置。
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