JPH0646021B2 - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置

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JPH0646021B2
JPH0646021B2 JP59091595A JP9159584A JPH0646021B2 JP H0646021 B2 JPH0646021 B2 JP H0646021B2 JP 59091595 A JP59091595 A JP 59091595A JP 9159584 A JP9159584 A JP 9159584A JP H0646021 B2 JPH0646021 B2 JP H0646021B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は内燃機関の点火時期制御装置に関し、特に運転
状態の変化に応じて選択される点火時期データマップを
備えた点火時期制御装置に関する。
[従来技術] 近年、自動車用等における内燃機関の効率的制御として
マイクロコンピュータ等の電子制御機器が用いられてい
る。
上記制御の内に、点火式内燃機関の場合、点火時期の制
御がある。これは内燃機関の回転数、負荷等に応じて最
適の点火時期が設定される制御である。
従来、燃焼用混合気の空燃比を理論空燃比に制御するよ
うな電子制御装置(EFI)にては点火時期データマッ
プを1つ有し、負荷と回転数とに応じてマップの中から
最適の点火時期を読み出し、必要に応じて補正して用い
ていた。
しかし近年、センサや制御装置の性能向上にともなっ
て、燃費の節約を目的とした、理論空燃比より燃料が稀
薄な領域の混合気燃焼制御(以下リーンA/F制御とい
う)が検討されてきた。上記リーンA/F制御は、定常
状態ではリーン領域の燃焼であるが、出力を要する場合
は理論空燃比、時により、それ以上燃料の濃い制御をも
伴うものである。そのため、機関状態により空燃比の変
化が大きく、要求される最適点火時期はとても1つのマ
ップでは実現困難であり、更に補正によっても不足であ
るので、この状態ではもたつき、息つき、サージショッ
ク等の運転性の不良、更にノッキングや燃費の悪化をも
たらす。リーンA/F制御での燃焼を安定させるスワー
ル処理を行なった場合には更に点火時期選択が複雑とな
り、より大きな問題を生じる。又、リーンA/F制御ほ
どではないが前記した理論空燃比での制御においても生
じる問題であった。
そこでマップを複数設け、各状態に対応させようとした
ところ、点火時期の条件が複合しているため、単なる条
件判断ではマップの選択自体が最適に行なわれず、又最
適なものを選択しようとすれば処理が複雑となって長時
間を要し、高回転数時には、処理が追付けない可能性が
あった。
[発明の目的] そこで本発明においては、点火時期のデータマップを複
数設けるとともに、その最適の選択をなして、良好な内
燃機関の点火時期制御を行なうことを目的とする。
[発明の構成] 第1の発明の構成は第1図に示すごとく、 内燃機関M1の運転状態検出手段M2と、 該運転状態検出手段M2により検出された運転状態に基
づき内燃機関M1に供給される燃焼用混合気の空燃比を
設定するとともに、燃料供給手段M3を制御して、上記
設定された空燃比に対応した量の燃料を内燃機関M1に
供給する燃料供給制御手段M4とを備えた空燃比制御装
置M5を有する内燃機関の点火時期制御装置において、 内燃機関M1の運転状態に対応して設定された複数の点
火時期データマップを記憶する記憶手段M6と、 内燃機関M1の運転状態に応じて上記記憶手段M6から
所定の優先順位で該当する点火時期データマップを選択
するデータマップ選択手段M7と、 前記運転状態検出手段M2により検出された内燃機関M
1の運転状態に応じて上記データマップ選択手段M7に
より選択された点火時期データマップに基づき点火時期
を求め、該点火時期にて点火する点火制御手段M8とを
備え、 前記データマップ選択手段M7が、 優先順位の最も低い点火時期データマップから優先順位
の最も高い点火時期データマップへと、それぞれのデー
タマップについて選択すべき運転条件にあるか否かを順
次判定してゆき、選択すべきと判定される毎にデータマ
ップの選択を更新し、最終的に選択された点火時期デー
タマップを、前記点火制御手段M8に与えるよう構成さ
れたことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置を要
旨とする。
第2の発明の構成は第2図の示すごとく、内燃機関M11
の運転状態検出手段M12と、 該運転状態検出手段M12により検出された運転状態に基
づき内燃機関M11に供給される燃焼用混合機の空燃比を
設定するとともに、燃料供給手段M13を制御して、上記
設定された空燃比に対応した量の燃料を内燃機関M11に
供給する燃料供給制御手段M14とを備えた空燃比制御装
置M15を有する内燃機関の点火制御装置において、 内燃機関M11の運転状態に対応して設定された複数の点
火時期データマップを記憶す記憶手段M16と、 内燃機関M11の運転状態に応じて、上記記憶手段M16か
ら所定の優先順位で該当す点火時期データマップを選択
するとともに該データマップに基づき点火時期を求める
データ選択手段M17と、 上記データ選択手段M17において求められた点火時期に
て点火する点火制御手段M18とを備え、 前記データ選択手段M17が、 優先順位の最も低い点火時期データマップから優先順位
の最も高い点火時期データマップへと、それぞれのデー
タマップについて選択すべき運転条件にあるか否かを順
次判定してゆき、選択すべきと判定される毎に該当する
点火時期データマップに基づき運転状態に応じて点火時
期を求め、最後に求められた点火時期を、前記点火制御
手段M18に与えるよう構成されたことを特徴とする内燃
機関の点火時期制御装置を要旨とする。
各々上述のごとく構成することにより、内燃機関の運転
状態に好適な点火時期が迅速に実現でき、運転性、エミ
ッション、燃費に秀れた制御が可能となる。
しかも、データマップ選択手段M8(又はデータ選択手
段M18)によるデータマップの選択の条件として、優先
順位の低い方から高い方へと順次判定してゆき、最終的
に選択されたデータマップから求められる点火時期(又
は最後に演算された点火時期)に基づいて点火時期制御
する構成を採用したので、この判定処理を実施している
最中に運転状態が変化したときに、以下の様な作用・効
果を奏する。
運転状態が変化した場合、変化後の運転状態に対応して
点火時期を制御することが望まれる。従って、変化後の
運転状態に対して最も優先順位の高いデータマップが選
択されている必要がある。
ここで、仮に優先順位が高い方から順番にA,B,Cと
三つのデータマップがあり、変化前の運転状態に対する
最適なデータマップがBで、変化後の運転状態に対する
最適データマップがAであったとする。
本願発明によれば、まずCを選択するか否か、次にBを
選択するか否か、最後にAを選択するか否かを判断して
いく。従って、どのタイミングで運転状態が変化して
も、変化後の運転状態について最適なデータマップAが
選択される。
これに対し、本願とは全く反対に、A→B→Cの順番に
判断していき、Bの選択をするか否かを判断した後に運
転状態が変化したとすると、Aを選択するか否かの判定
は既に終わっているため、結局Bが選択されたままとな
ってしまう。
この様に、どの順番に判定をしていくかによって、結果
が全く異なり、常に最適なデータマップを選択するため
にはきわめて重要な構成である。
また、いずれかのデータマップが選択された時点で判定
を止めてしまうとすると、運転状態の変化には全く対応
できないことになってしまう。
又、優先順位は、例えばデータマップと対応している運
転状態に基づく各種制御状態等を考慮して、その制御量
の大小にて優先順位に対応して決定される。
例えば、上記制御量として空燃比を採用し、優先順位を
運転状態に応じて制御される空燃比の順で設定し、空燃
比が小さい運転状態ほど優先させるよう構成すれば、自
動車の内燃機関においてはノッキング防止、燃費性、運
転性上好ましい。
上記空燃比を決定する運転状態とは、例えばスロットバ
ルブ開度、吸気管圧力(吸気圧)、内燃機関温度(冷却
水温度)、外気温度(吸気温)、空燃比フィードバック
制御の有無等が該当する。上記運転状態の内から選ばれ
た1つまたは2つ以上の運転状態と点火時期データマッ
プとを対応させ、運転状態が満足されたマップの内、空
燃比が最も小さくなる運転状態に対応するマップが、実
際に点火時期を制御するマップとして用いられることに
なる。
この他、優先順位を決定するものとして、前記制御量の
他、暖機中か否かを内燃機関温度でとらえ、この運転状
態と優先順位とを対応させてもよい。これは内燃機関が
暖機中であると燃焼が不安定であり、運転性の問題を生
じやすいため、その点を考慮した暖機用の点火時期デー
タマップを優先させることとなる。
次に本発明の実施例を図面とともに説明する。
[実施例] 第3図は第1発明及び第2発明の両方が適用される点火
時期制御装置の構成例を表わしている。ここにおいて1
は内燃機関、2は内燃機関1の燃焼室に空気を流入させ
る吸気管、3は燃焼室から排気を排出させる排気管を示
す。
4は内燃機関1のクランク軸に連動して回転し、イグナ
イタ5から供給される高電圧の各気筒の点火プラグ6に
分配するディストリビュータである。
前記した吸気管2の吸入空気取入れ部分には、空気中の
塵等を除去するエアクリーナ21、更に下流に吸気温つ
まり外気温を検出する吸気温センサ22、図示しないア
クセルペダルと連動し、該アクセルペダルの踏込み量に
て吸入空気量(吸気量)を調節するスロットルバルブ2
3、該スロットルバルブ23の開度を検出するスロット
ルセンサ24が設けられている。スロットルセンサ24
は第4図に示すごとく、スロットルバルブ23の全閉状
態を示すアイドルスイッチ(Id1)、全開状態を示す
全開スイッチ(VL)及びその中間状態を示すリーンス
イッチ(LS)を備え、Id1は所定開度以下でオンと
なり、VL,LSは各々の所定開度以上でオンとなり、
オン・オフ信号を出力する。
更に下流の吸気管2のサージタンク2a部分には吸気管
2内の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧センサ25、シ
リンダヘッド1aの吸気ポート1b近傍には図示しない
燃料タンクから供給される燃料を燃焼室に噴射供給する
燃料噴射弁26、吸気ポート1bにはスワールの有無を
調整するスワールコントロールバルブ27が設けられて
いる。
上記スワールコントロールバルブ27はスワールコント
ロールバルブ駆動装置28により駆動される。該駆動装
置28はサージタンク2aの負圧をチェックバルブ28
aを介して取込み、電気信号により負圧回路と大気開放
とを切り替える負圧切替バルブ28bにより、ダイヤフ
ラムで2つに区切られた空室を有するアクチュエータ2
8cの該ダイヤフラムを駆動し、ダイヤフラムに付設さ
れたロツド28bの突出量を調節し、該ロツドに連結さ
れたスワールコントロールバルブ27の開度を調節する
ように構成されている。
第5図は上記スワールコントロールバルブ27の構成お
よび作用を説明する概略説明図である。ここで1cは前
記吸気ポート1bの内周面を表わしている。該内周面1
c内の吸入空気の流通路は内周面1cの一方向から突出
した仕切り板1dにより、2本の通路1e、1fに分割
されている。スワールコントロールバルブ27は、上記
2本の通路1e、1fの内、一方の通路1e側に配置さ
れている。
スワールコントロールバルブ27は平板状の弁部27
a、レバー27b、連結部27cを備える。該連結部
は、前記アクチュエータ28cのロッド28dに回動自
在に連結されており、スワールコントロールバルブ駆動
装置28の作動によりロッド28dの突出量が変動する
のに応じて、レバー27bを介して、通路1e中に突出
している弁部27aを回転させる。
スワール効果を要しないような内燃機関の運転状態、例
えば高負荷においては、弁部27aの回転角は弁部27
aの板面が通路1eを流れる吸入空気の流動に最も障害
とならないように、流動方向と平行状態に設定されてい
る。このため両通路1e,1f共に、同程度に吸入空気
を流通させる。一方、スワール効果を期待するような運
転状態、例えば定常状態においては、弁部27aの板面
を、流動方向と垂直な方向になるような弁部27aの回
転角を設定することにより、吸入空気の流動を主に一方
の通路1fのみに制限し、吸気弁29と吸気ポート出口
との間から吹出す吸入空気の流れを偏流として、内燃機
関1のシリンダ内にてスワールを引き起させる。
次に第3図に戻り、排気管3の上流側から、まずリーン
センサ31が設置された排気中の酸素濃度を検出してい
る。該リーンセンサ31は限界電流型酸素センサであ
り、そこには冷間始動時、酸素濃度の検出を迅速に安定
化させるためのヒータが内蔵されている。32は排気浄
化装置であり、備えられている触媒によって一酸化炭素
(CO),未燃炭化水素(HC),窒素酸化物(NO
x)の浄化がなされている。さらに下流の33は排気温
センサであり、排気の温度を検出している。
又、内燃機関1のシリンダブロックには、冷却水の温度
を検出する水温センサ40が設けられている。
次に50は各種センサ等から信号を入力すると共に各種
装置等を制御する信号を出力する電子制御回路(EC
U)である。
電子制御回路50は、予め定められたプログラムに従っ
てデータの入力や演算および制御を行なう中央処理ユニ
ット(CPU)51、制御プログラム等を予め記憶して
おく読み出し専用のメモリ(ROM)52、データ等の
自由に書き込み・読み出し可能な一時記憶メモリ(RA
M)53、内燃機関1の運転状態を検出する種々のセン
サ群より信号を入力する入力ポート54、イグナイタ5
や燃料噴射弁26、負圧切替バルブ28b、リーンセン
サ31のヒータ等へ制御信号を出力する出力ポート5
5、CPU51、ROM52等上記各素子を相互に接続
するデータバス56、キースイッチ57を介してバッテ
リ58に接続されて電子制御回路50全体に安定化され
た電圧を供給する電源回路59、等を備えている。入力
ポート54は、回転数センサ4a、気筒判別センサ4
b、スロットルセンサ24からのパルス等の信号を入力
するパルス入力部54aと、吸気温センサ22、吸気圧
センサ25、リーンセンサ31、排気温センサ33、水
温センサ40からの各検出値に応じたアナログ信号を入
力するアナログ入力部54bとを有している。一方、内
燃機関1の図示しないクランク角度を回転数センサ4a
からの信号によって検出し、これに同期してイグナイタ
5を駆動する信号と、燃料噴射量に応じて定まる燃料噴
射時間だけ燃料噴射弁26を開弁する噴射弁の数だけの
制御信号と、リーンセンサ31において限界電流から酸
素濃度を検出するためにリーンセンサ31に印加される
定電圧信号と、リーンセンサ31を所定温度以上に昇温
させるヒータに印加される電力信号と、負圧切替バルブ
28bを開閉する制御信号とが出力ポート55を開して
出力されている。燃料噴射弁26の上記制御信号によっ
て燃料噴射弁26は制御・開弁され、図示しない燃料圧
送ポンプより燃料供給を受けて、吸気管2内部への燃料
噴射が行なわれるよう構成されている。
次に電子制御回路50が行なう処理を表わす第6図のフ
ローチャートに依拠して、内燃機関の点火時期制御装置
が行なう第1発明の制御例について説明する。キースイ
ッチ57が閉成され内燃機関1が始動した後、気筒数に
対応したクランク角毎に回転数センサ4aから入力され
るパルスによって本制御ルーチンは起動される。例えば
6気筒の内燃機関であれば、120゜毎に起動される。
ここでマップ選択ルーチンにおける信号を説明する。第
6図(イ)のマップ選択ルーチンにおけるステップ11
0のθ(BSE)は暖機後通常のリーンの空燃比、つま
り機関冷却水温が所定温度(80℃)以上で、リーンA
/Fでの空燃比フィードバック制御が実行されており、
リーンスイッチ(LS)がオフ状態(スロットルバルブ
23が全閉と全開との中間に位置する所定開度未満)
で、吸気温が所定値以上で、かつスワールコントロール
バルブ27が閉状態である場合の内燃機関の運転状態に
おいて最も良好な燃費、排気特性を有するように設定さ
れた機関回転数(NE)と吸気圧(PM)とをパラメー
タとする点火時期進角値の2次元マップ、ステップ12
0のF/Bは空燃比フィードバック制御、ステップ13
0のTHWは内燃機関の冷却水温、ステップ140のθ
(OPN)は暖機後F/Bオープン時、つまりF/Bを
実行していない時において前記θ(BSE)と同様に良
好な特性を有するように設定されたNEとPMとをパラ
メータとする点火時期進角値の2次元マップ、ステップ
150のXLSCNはスロットルセンサ24のリーンス
イッチ(LS)がオンした時点から、LSオフ後吸気圧
が所定量低下するまでセット(XLSCN=1)されて
いるフラグ、ステップ160のXCLDは吸気温センサ
22の検出結果から低外気温時の、点火時期によるヒー
タ性能向上要求の際にセット(XCLD=1)されるフ
ラグ、ステップ170のθ(LS)はXLSCN=1又
はXCLD=1の状態において、要求特性に的確に応ず
るよう設定されたNEとPMとをパラメータとする点火
時期進角値の2次元マップ、ステップ190のθ(W
P)は暖機中の空燃比に対応して良好な特性を有するよ
うに設定されたNEとPMとをパラメータとする点火時
期進角値の2次元マップ、ステップ200のXSCVF
は暖気管内の負圧に基づくスワールコントロールバルブ
27の閉状態から吸気管内の負圧の低下(気圧の上昇)
によるチェックバルブ28aからの漏れ現象によりスワ
ールコントロールバルブ27が開状態に至った時にセッ
ト(XSCVF=1)される漏れ検出フラグ、ステップ
210のθ(VL2)はスワールコントロールバルブ2
7が開状態(XSCVF=1)に対応して良好な特性を
有するように設定されたNEとPMとをパラメータとす
る点火時期進角値の2次元マップ、ステップ220のX
VLCNは、全開スイッチ(VL)がオンされた時にセ
ット(XVLCN=1)されVLオフ後に大気圧と吸気
圧との差がスワールコントロールバルブ27を閉状態に
至らせた際にリセットされるフラグ、ステップ230の
XVLは全開スイッチ(VL)がオン時にセット(XV
L=1)され、オフ時にリセット(XVL=0)される
フラグ、ステップ240のθ(VL2)はXVLCN=
1でかつXVL=0のときに対応して設定されるマップ
であり、上記ステップ210のマップと同一内容のマッ
プ、ステップ250のθ(VL1)はXVL=1の時、
つまり全開スイッチオンに対応して良好な特性を有する
よう設置されたNEとPMとをパラメータとする点火時
期進角値の2次元マップを表わす。
まず、第6図(イ)のマップ選択ルーチンの処理が開始
されると、ステップ110にてθ(BSE)が選択され
る。この選択処理は読み出すマップのメモリの先頭番地
を記憶しているRAM53上の場所に、θ(BSE)の
先頭番地を書込むことによりなされる。以後、他のマッ
プが選択された場合も、同様にすでに記憶している場所
に該当マップの先頭番地を書込む処理がなされる。
次いで、ステップ120にて空燃比のフィードバックが
実行されているか否かが判定される。F/Bが実行中で
あれば、「NO」と判定され、処理はステップ150に
移る。F/Bがオープン状態であれば「YES」と判定
されて、次にステップ130が実行され、冷却水温(T
HW)が80℃以上か否かが判定される。80℃未満で
あれば「NO」と判定され、処理はステップ150へ移
るが、80℃以上であれば「YES」と判定されて、次
にステップ140が実行される。
このようにF/Bオープン状態でかつ冷却水温が80℃
以上の場合に、θ(BSE)の選択をθ(OPN)の選
択に書き替える処理が実行される。
次にステップ150にてはXLSCNがセットされてい
るか否かが判定される。セットされていなければステッ
プ160に処理が移り、セットされていれば、ステップ
170に処理が移る。又、ステップ160にてはXLC
Dがセットされているか否かが判定されて、セットされ
ていなければステップ180に処理が移り、セットされ
ていれば、ステップ170に処理が移る。ステップ17
0ではθ(LS)が選択される。
このように、リーンスイッチ(LS)のオン時からLS
オフ後の吸気圧低下に至る間の状態(XLSCN=
1)、又はヒータ性能向上の要求状態(XCLD=1)
であれば、前回選ばれたθ(BSF)又はθ(OPN)
に替わって、θ(LS)が選択されることになる。
次にステップ180にては冷却水温(THW)が0℃を
越え、かつ80℃未満の状態にあるか否かが判定され
る。判定が「YES」であれば、ステップ190が実行
され、「NO」であればステップ200が実行される。
このように内燃機関の冷間時、前回選ばれたθ(BS
E)、θ(OPN)又はθ(LS)に替わってθ(W
P)が選択されることになる。
次にステップ200にてXSCVFがセットされている
か否かが判定される。チェックバルブ28aからの漏れ
現象により、スワールコントロールバルブ27が開状態
となっている場合にはXSCVF=1であるので「YE
S」と判定され、次いでステップ210の処理が実行さ
れる。スワールコントロールバルブ27が閉状態であれ
ばXSCVF=0であるので「NO」と判定され、次い
でステップ220の処理が実行される。ステップ210
にてはθ(VL2)が選択される。
このようにスワールコントロールバルブ27が開状態の
時、前回選ばれたθ(BSE)、θ(OPN)、θ(L
S)又はθ(WP)に替わってθ(VL2)が選択され
ることになる。
次にステップ220にてXVLCNがセットされている
か否かが判定され、スロットルセンサ24の全開スイッ
チ(VL)がオンされた時からVLオフ後大気圧と吸気
圧との差により、スワールコントロールバルブ27が閉
状態になるまでの状態の場合、XVLCN=1であるの
で「YES」と判定され、次いでステップ230が実行
される。上記状態でなく(XVLCN=0)「NO」と
判定されると、本ルーチンの処理は終了し、他のルーチ
ンの処理が開始される。次にステップ230にてはXV
Lがセットされているか否かが判定される。全開スイッ
チ(VL)がオフ(XVL=0)であれば、「NO」と
判定されて、次いでステップ240が実行されて、θ
(VL2)が選択される。一方、VLがオン(XVL=
1)であれば、「YES」と判定されて、次いでステッ
プ250が実行されて、θ(VL1)が選択される。
このようにスワールコントロールバルブ27が開状態に
おいて、全開スイッチ(VL)がオフの時にはθ(VL
2)が選択され、VLがオンの時にはθ(VL1)が選
択される。ステップ240にて、ステップ210と同様
にθ(VL2)が選択されるのは、スワールコントロー
ルバルブ27が負圧の漏れとは関係ない状況下におい
て、ここではVLオフ後の負圧の低い状態では、スワー
ルコントロールバルブ27が開状態であるので、θ(V
L2)がVSVF=1の時と同様に選択されるのであ
る。又、XVL=1の時は最優先にθ(VL1)が選択
されることになる。
以上のように、本実施例においてなされる処理は最初θ
(BSE)を点火時期のマップとして選択した後、運転
状態が該当するたびにマップを取替えてゆく。即ち後に
選択される程、優先的に選択されることになる。上記全
マップは次のような式により優先順位が定まる。
θ(VL1)>θ(VL2)>θ(WP)>θ(LS)
>θ(OPN)>θ(BSE) 上記優先順位は発明者の研究から生じた次なる知見に基
づくものである。
θ(VL1)はスロットル全開時でA/Fは理論空燃比
よりリッチとなり、内燃機関の出力性能及びノッキング
等のダメージよりも最も優先される必要がある。θ(V
L2)はスワールコントロールバルブ27の開状態でA
/Fは理論空燃比とされ、θ(WP),θ(LS),θ
(OPN),θ(BSE)よりもA/Fがリッチである
のでノッキングの点から優先される。θ(WP)は、暖
機中の点火時期を表わし、暖機中は暖機後の他の場合
[θ(LS),θ(OPN),θ(BSE)]よりも燃
焼が不安定のためドラビリの問題をひき越しやすいので
優先させる必要がある。次にθ(LS)はθ(OP
N),θ(BSE)よりもA/Fがリッチであるため点
火時期進角値マップの値は上記2つ[θ(OPN),θ
(BSE)]よりも遅角側の値を取っており、θ(OP
N)やθ(BSE)ではノッキング上の問題の発生が考
えられるため優先させる必要がある。θ(OPN)は、
オープンループ時の方がF/B時よりA/Fがリッチな
ためθ(BSE)より遅角側の進角値をとっている。こ
のためノッキング及び燃費上θ(OPN)をθ(BS
E)より優先させる必要がある。
上記条件はθ(WP)とθ(LS),θ(OPN)及び
θ(BSE)との比較を除いて、主に空燃比に関係する
優先順位である。より空燃比が低い、つまりよりリッチ
である運転状態に対応して選択される点火時期のマップ
が優先されることとなり、マップ選択ルーチの処理の後
方に位置することとなる。
上述したごとく、マップが選択された後、該マップに基
づき、吸気圧(PM)と機関回転数(NE)とに応じ
て、点火時期データが読み出され、次いで該点火時期デ
ータに基づいて、点火制御が行なわれる。
この点火時期の読出の処理を第6図(ロ)の進角値
(θ)読出ルーチンのフローチャートに、点火制御の処
理を第6図(ハ)の点火制御ルーチンに示す。
上記θ読出ルーチン及び点火制御ルーチは6気筒の内燃
機関の場合、クランク軸の120゜毎の割込ルーチンで
ある。
第6図(ロ)においては、ステップ310の実行によ
り、既にマップ選択ルーチンにて選択されている現運転
状態に最適なマップに基づき進角値を読み出す。
次に第6図(ハ)にて、スエップ410にて上記進角値
から、点火角度を算出し、次いで機関回転数から点火時
期を算出する処理がなされる。次に、ステップ420に
て点火までの時間が点火用タイマーにセットされる。こ
うして本ルーチの処理をおえ、タイマーにより時間とな
れば点火がなされる。
本実施例は上述したごとく構成されているので、如何な
る運転状態下でも間違いなく適切な点火進角のマップが
迅速に選択でき、ノッキング防止、燃費向上、エミッシ
ョン向上、暖機性能向上等の、各目的に応じた内燃機関
の運転を無駄なく円滑に実行できるものである。
上記した第1発明の第1実施例は3つの点火進角のマッ
プを用い運転状態の大部分の領域に対応して好適な点火
時期を実現するものであるが、次に述べる第2発明の角
実施例のごとく、更に少ないマップにて制御することも
できる。
第7図(イ),(ロ),(ハ)のフローチャートに第2
発明の第1実施例の制御を示す。これらのフローチャー
トの処理は電子制御回路50の一連の処理として繰返し
行なわれている。他の構成は第1発明の第1実施例と同
じである。第7図(イ)は点火進角θを求めるルーチン
であり、クランク軸の回転120゜毎に行なわれる。ま
ずステップ610にて吸気圧PMと機関回転数NEとか
らθ(BSE)に基づいて進角値θを読み出し、RAM
53中の所定の番地に記憶させる。次いで全開スイッチ
(VL)がオンしているか否かが判定される。ここでV
Lがオンであれば、PM,NEの値を用いて今度はθ
(VL1)に基づいて進角値θを読み出し、前記所定の
番地に上記θ(BSE)から求められたθの代りに記憶
される。又、VLがオフであれば、そのまま本ルーチを
終了するので、θはθ(BSE)より求められたθのま
まである。ここでは先にθ(BSE)を用い、運転状態
によってθ(VL1)を用いることによりθ(VL1)
を優先させている。
第7図は、空燃比制御ルーチンであり、ステップ640
にてVLオンと判定されれば、次にステップ650が実
行され、空燃比A/Fはリッチ側へ制御される。一方、
VLオフと判定されれば次にステップ660が実行さ
れ、空燃比A/Fはリーン側へ制御される。
第7図(ハ)はスワールコントロールバルブ27の開閉
を制御するスワール制御ルーチンであり、ステップ67
0にてVLがオンか否かが判定され、VLオンであれば
「YES」と判定されて、次いでステップ680にてス
ワールコントロールバルブ駆動装置28を制御し、スワ
ールコントロールバルブ27を開くか又は開状態に保持
する。一方、VLがオフで「NO」と判定されると、ス
テップ690が実行されスワールコントロールバルブ2
7を閉じるか又は閉状態に保持する。スワールコントロ
ールバルブ27が閉状態にあればスワール効果を生ず
る。このようにVLオフ時にA/Fが大きくなるため、
点火時期を進める必要があるとともに、スワール効果に
より混合気の燃焼速度が速くなるため点火時期を遅らせ
なくてはならない。このような状況下でVLオン・オフ
各々、独自の進角値マップが必要となる。
本実施例にては上述のごとく構成することにより、状況
に応じて適切なる点火時期を迅速に選択することができ
る。このため、高負荷運転(VLオン)時に、スワール
処理を停止し、A/Fも理論空燃比よりもリッチ側の値
をとるように出力性能を得ても、VLオンとオフ時とで
各々点火時期の精密な制御を行なっているためノッキン
グ等の不都合が発生することがない。又、高地での高負
荷運転においても、過進角によるノッキング発生を防止
することができる。
次に第2発明の第2実施例について第8図(イ),
(ロ),(ハ)に基づいて説明する。第8図(イ)は進
角値θ計算ルーチンであり、所定クランク角毎に実行さ
れる。このルーチンは第2発明の第1実施例と異なり第
1発明の第1実施例で述べたフラグXLSCNのセッ
ト、リセットに従ってマップを選択している。他の構成
は第2発明の第1実施例と同様である。まずステップ7
10にて、θ(BSE)に基づきPMとNEとに応じて
θが求められる。次いでステップ720にてXLSCN
がセット(XSCN=1)されていれば「YES」と判
定され、θ(BSE)の替わりにθ(LS)に基づきP
MとNEとからθが新たに求められる。一方、XLSC
N=0でリセットされていた場合は、「NO」と判定さ
れθはそのままで本ルーチンを終える。
次に、第8図(ロ)は空燃比制御ルーチンであり、所定
クランク角毎に実行される。まず、ステップ740に
て、PMとNEとよりKLEANが算出される。KLE
ANとはリーン補正係数と呼ばれ、内燃機関が定常状態
で理論空燃比より燃料の稀薄な空燃比へ混合気を制御す
る場合に用いられる基本燃料噴射量に対する補正係数で
あり、KLEAN<1.0の時、空燃比がリーンとな
り、KLEAN=1.0の時、理論空燃比に制御され
る。
次いでステップ750にて前記と同一のフラグXLSC
Nがセットされているか否かが判定される。XLSCN
=0で「NO」と判定されると、このまま本ルーチンの
処理が終了する。KLEANはステップ740で設定さ
れたままである。
一方、XLSCN=1で「YES」と判定されると、次
にステップ760が実行されてKLEANが所定値C1
以上か否かが判定される。もしKLEANがC1以上で
「YES」ならば、このまま本ルーチンの処理を終了す
る。しかし、KLEANがC1未満であれば、次のステ
ップ770にてKLEANに上記C1の値が設定され
て、処理を終了する。つまり、XLSCN=1の時KL
EANの値をC1以上に設定する処理を行なっている。
上述の処理動作を第8図(ハ)のタイムチャートに示
す。ここにおいて、スロットルバルブ23が開度を増し
続けることにより、時点tm1にて、スロットルセンサ2
4のリーンスイッチLSがオンした場合、XLSCNが
セットされる。続いて、スロットルバルブ23が閉じは
じめ、時点tm2でリーンスイッチLSがオフとなても、
その時点から一定圧(P)低下するまで、XLSCNは
セットされたままであり、P分低下したあと、時点tm3
で、リセットされる。
本実施例は上述のごとく構成されていることにより、リ
ーンスイッチLSオン・オフ前後で空燃比の変化に基づ
き、点火時期進角値のマップを切替えることにより、適
切な点火時期を迅速に選択することができ、ノッキング
が防止でき、運転性が向上する。
次に第9図(イ),(ロ),(ハ),(ニ)に基づい
て、第2発明の第3実施例を説明する。他の構成は第2
発明第1実施例と同様である。
第9図(イ)は進角値θ計算ルーチンを表わす。まずス
テップ800にてPM、NEに応じ、θ(BSE)に基
づいて進角値θが求められる。次にステップ810にて
空燃比のフィードバック制御(F/B)がオープン状態
にあるか否かが判定される。F/B中であれば「NO」
と判定されて本ルーチンの処理を終了する。F/Bオー
プンであれば「YES」と判定され、次にステップ82
0が実行される。ステップ820にては冷却水温(TH
W)が80℃以上か否かが判定される。80℃未満であ
れば「NO」と判定され、本ルーチンの処理を終了す
る。80℃以上であれば「YES」と判定されて、次に
ステップ830にて、PM、NEよりθ(OPN)に基
づいて進角値θが求められ、前記ステップ800にて求
められた進角値θが書き替えられる。
次に第9図(ロ)に空燃比制御ルーチンの処理を示す。
まずステップ840にて、第9図(ハ)のグラフに示す
ごとく、PM,NEに応じて前述したと同様のリーン補
正係数(KLEAN)の算出が行なわれる。ただし第9
図(ハ)のグラフはNEが一定状態の場合のグラフであ
る。次にステップ850にて、空燃比フィードバック制
御(F/B)がオープン状態か否か、次いでステップ8
60にて冷却水温(THW)が80℃以上か否かが判定
され、ステップ850及びステップ860の両者とも
「YES」であれば、次にステップ870が実行され、
どちらか一方でも「NO」と判定されれば、本ルーチの
処理を終了する。ステップ870にてはKLEANが所
定値C2以上か否かが判定され、C2以上であれば本ル
ーチンの処理を終了し、C2未満であれば、次のステッ
プ880の実行にてKLEANはC2に設定される。
このようにして、暖機後のF/Bオープン時には、KL
EANの下限値はC2以上に設定される処理がなされ
る。
上述した制御においては、F/B実行時とF/Bオープ
ン時とにおける点火時期と軸トルクとの関係は第9図
(ニ)のごとくなる。そこでグラフF1はF/Bオープ
ン時を、グラフF2はF/B実行時を表わす。各々MB
T1、MBT2が、ノックを生ぜず、NOxも高くな
く、軸トルクも高い最適点火時期として選択されてい
る。N1,N2は各々のノック限界を表わす。
本実施例は暖機後における空燃比F/Bの有無に基づ
き、点火時期の進角値のマップを選択することにより、
運転状態に対応して、最適な点火時期を選択でき、運転
性やエミッションの向上を図ることができる。
次に第10図(イ),(ロ),(ハ),(ニ)に基づい
て第2発明の第4実施例を説明する。本実施例は、とく
に理論空燃比より燃料の薄い空燃比にて燃焼を行なう内
燃機関において、暖機中の空燃比と暖機後の空燃比との
違いによる燃焼性等への影響が大であることを考慮し
て、最適な点火時期の進角値のマップを運転状態に応じ
て選択する装置の処理例を示す。他の構成は第2発明の
第1実施例と同様である。第10図(イ)はクランク軸
の所定回転毎に実施され、点火時期進角値θを算出する
ルーチンを表わす。まずステップ910にてPM,NE
に応じてθ(BSE)に基づきθが求められる。次いで
ステップ920にて冷却水温THWが所定温度T0を越
え、かつ所定温度T1未満であるか否かを判定する。こ
こでT0<THW<T1の範囲にTHWがある場合、
「YES」と判定されて、次にステップ930が実行さ
れ、θ(WP)に基づきPM、NEに応じて進角値θが
求められる。一方、THWがTHW≦T0又はTHW≧
T1の場合には、ステップ920にて「NO」と判定さ
れ、本ルーチンの処理は終了する。
第10図(ロ)はクランク軸の所定回転角毎に実施さ
れ、KLEANを求める空燃比制御ルーチンを表わす。
まずステップ940にてPM,NEに応じてKLEAN
が求められる。次いでステップ950にてTHWが所定
温度T2以上でかつ所定温度T1未満(T2≦THW<
T1)であるか否かが判定される。ここでT0<T2<
T1の関係がある。THWがT2≦THW<T1でなけ
れば「NO」と判定されて、本ルーチンでの処理を終了
する。一方、THWが上記条件を満足すれば、「YE
S」と判定されて、次にステップ960が実行され、K
LEANが所定値C4以上か否かが判定される。KLE
AN≧C4であれば本ルーチンの処理をおえ、KLEA
N<C4であれば、次にステップ970を実行し、KL
EANにC4の値を設定する。
このように処理されることにより、暖機中においてはK
LEANはC4を下限として設定し、それ以上の空燃比
には設定しないよう処理される。各温度領域での下限値
の一例を表わすグラフを第10図(ハ)に示す。
又、上述した制御においては暖機中と暖機後とにおける
点火時期と軸トルクとの関係は第10図(ニ)のごとく
になる。ここでグラフF3は暖機中を、グラフF4は暖
機後を表わす。各々MBT3、MBT4が、ノックを生
ぜず、NOxも低く、軸トルクも高い最適点火時期とし
て選択されている。N3,N4は各々のノック限界を表
わす。
上記のごとく本実施例では、暖機中の(T0<THW<
T1)、特にT2<THW<T1においては、暖機後
(THW≧T1)と同様にリーン側での制御を行ってい
るが、暖機中での運転性から空燃比を変える。これに伴
って点火時期の進角値のマップを適切なものに設定して
いるので、リーン領域では点火時期の影響の大きい暖機
中のノッキング、もたつき又は加速ショック等を防止で
きる。
以上第1発明の第1実施例及び第2発明の第1〜第4実
施例について説明したが、上記第1発明の第1実施例
中、マップ選択ルーチ[第6図(イ)]のステップ11
0、140、170、190、210、240及び25
0の処理を、マツプ選択処理を加えてPM,NEに応じ
て、進角値θを読み出す処理を行うように変更して進角
値読出ルーチン[第6図(ロ)]の処理と兼用すれば、
第2発明の実施例として構成される。この実施例は第1
発明の第1実施例と同様な効果が得られる。
一方、第2発明の第1〜第4実施例中、ステップ61
0、630、710、730、800、830、91
0、930の各マップからの進角値読出ルーチンを、単
に各マップの選択とし、各実施例毎に第1発明第1実施
例の進角値読出ルーチン[第6図(ロ)]に該当するル
ーチンを設ければ、各実施例を第1発明の実施例として
構成できる。この実施例も第2発明の第1〜第4実施例
と同様な効果が得られる。
尚、各発明の各実施例において、回転角センサ4a、気
筒判別センサ4b、吸気温センサ22、スロットルセン
サ24、吸気圧センサ25、リーンセンサ31、排気温
センサ33、水温センサ40が運転状態検出手段M2、
M12に該当し、燃料噴射弁26が燃料供給手段M3,
M13に該当し、電子制御回路50が燃料供給制御手段
M4,M14、記憶手段M6,M16、データマップ選
択手段M7、データ選択手段M17及び点火制御手段M
8、M18に該当する。
又、第1発明において、第6図(イ)のマップ選択ルー
チンの処理がデータマップ選択手段M7の処理に該当
し、第6図(ロ)の進角値読出ルーチンと第6図(ハ)
の点火制御ルーチとの処理が点火制御手段M8の処理に
該当する。
第2発明において第7図(イ)、第8図(イ)、第9図
(イ)及び第10図(イ)の進角値(θ)読出ルーチン
の処理がデータ選択手段M17の処理に該当し、第7図
(ロ)、第8図(ロ)、第9図(ロ)及び第10図
(ロ)の空燃比制御ルーチンの処理が燃料供給制御手段
M4,M14の処理に該当する。
又、各発明において前記した指示部は電子制御回路50
のRAM53の所定番地に該当し、第1〜第5設定部は
ROM52中に記憶されている該当するプログラムに基
づいて各処理を行なうCPU51に該当する。
以上、各発明の各実施例について説明したが両発明はこ
れらに限らず、その要旨を変更しない範囲で各種態様を
とることが可能である。
[発明の効果] 第1本発明及び第2発明は運転状態に対応して設定され
た点火時期データマップを運転状態に応じて所定の優先
順位で選択して用いることにより、各運転状態及び要求
に応じた最適の点火時期を設定することが可能となるも
のである。このように最適の点火時期が選択されること
により、運転性、エミッション、内燃機関の耐久性を向
上させることができる。
特に、運転状態が変化した場合、変化後の運転状態に対
応して最適な点火時期制御を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1発明の構成図、第2図は第2発明の構成
図、第3図は各発明の適用される点火時期制御装置の概
略構成を含むブロック図、第4図はスロットルセンサの
各種スイッチの動作を示すグラフ、第5図はスワールコ
ントロールバルブの動作を示す説明図、第6図(イ)は
第1発明の第1実施例のマップ選択ルーチンの処理を示
すフローチャート、第6図(ロ)は同じく進角値読出ル
ーチンの処理を示すフローチャート、第6図(ハ)は同
じく点火制御ルーチンの処理を示すフローチャート、第
7図(イ)は第2発明第1実施例の進角値読出ルーチン
の処理を示すフローチャート、第7図(ロ)は同じく空
燃比制御ルーチンの処理を示すフローチャート、第7図
(ハ)は同じくスワール制御ルーチンの処理を示すフロ
ーチャート、第8図(イ)は第2発明第2実施例の進角
値読出ルーチンの処理を示すフローチャート、第8図
(ロ)は同じく空燃比制御ルーチンの処理を示すフロー
チャート、第8図(ハ)は同じくPM,LS,XLSC
N及び進角値マップの動作の時間変化を示すグラフ、第
9図(イ)は第2発明第3実施例の進角値読出ルーチン
の処理を示すフローチャート、第9図(ロ)は同じく空
燃比制御ルーチンの処理を示すフローチャート、第9図
(ハ)は同じくNE一定状態におけるPMとKLEAN
との関係を示すグラフ、第9図(ニ)は同じくF/B有
無による点火時期と軸トルクとの関係を示すグラフ、第
10図(イ)は第2発明第4実施例の進角値読出ルーチ
ンの処理を示すフローチャート、第10図(ロ)は同じ
く空燃比制御ルーチンの処理を示すフローチャート、第
10図(ハ)は同じく冷却水温とKLEAN下限値との
関係を示すグラフ、第10図(ニ)は同じく暖機前後に
おける点火時期と軸トルクとの関係を示すグラフであ
る。 M1、M11、1……内燃機関 M2、M12……運転状態検出手段 M3、M13……燃料供給手段 M4、M14……燃料供給制御手段 M5、M15……空燃比制御装置 M6、M16……記憶手段 M7……データマップ選択手段 M17……データ選択手段 M8、M18……点火制御手段 4……ディストリビュータ 4a……回転数センサ 5……イグナイタ、6……点火プラグ 23……スロットルバルブ 24……スロットルセンサ 25……吸気圧センサ、26……燃料噴射弁 27……スワールコントロールバルブ 28……スワールコントロールバルブ駆動装置 31……リーンセンサ、50……電子制御回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の運転状態検出手段と、 該運転状態検出手段により検出された運転状態に基づき
    内燃機関に供給される燃焼用混合気の空燃比を設定する
    とともに、燃料供給手段を制御して、上記設定された空
    燃比に対応した量の燃料を内燃機関に供給する燃料供給
    制御手段とを備えた空燃比制御装置を有する内燃機関の
    点火時期制御装置において、 内燃機関の運転状態に対応して設定された複数の点火時
    期データマップを記憶する記憶手段と、 内燃機関の運転状態に応じて上記記憶手段から所定の優
    先順位で該当する点火時期データマップを選択するデー
    タマップ選択手段と、 前記運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転
    状態に応じて上記データマップ選択手段により選択され
    た点火時期データマップに基づき点火時期を求め、該点
    火時期にて点火する点火制御手段とを備え、 前記データマップ選択手段が、 優先順位の最も低い点火時期データマップから優先順位
    の最も高い点火時期データマップへと、それぞれのデー
    タマップについて選択すべき運転条件にあるか否かを順
    次判定してゆき、選択すべきと判定される毎にデータマ
    ップの選択を更新し、最終的に選択された点火時期デー
    タマップを、前記点火制御手段に与えるよう構成された
    ことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 【請求項2】内燃機関の運転状態検出手段と、 該運転状態検出手段により検出された運転状態に基づき
    内燃機関に供給される燃焼用混合気の空燃比を設定する
    とともに、燃料供給手段を制御して、上記設定された空
    燃比に対応した量の燃料を内燃機関に供給する燃料供給
    制御手段とを備えた空燃比制御装置を有する内燃機関の
    点火時期制御装置において、 内燃機関の運転状態に対応して設定された複数の点火時
    期データマップを記憶する記憶手段と、 内燃機関の運転状態に応じて、上記記憶手段から所定の
    優先順位で該当する点火時期データマップを選択すると
    ともに該データマップに基づき点火時期を求めるデータ
    選択手段と、 上記データ選択手段において求められた点火時期にて点
    火する点火制御手段とを備え、 前記データ選択手段が、 優先順位の最も低い点火時期データマップから優先順位
    の最も高い点火時期データマップへと、それぞれのデー
    タマップについて選択すべき運転条件にあるか否かを順
    次判定してゆき、選択すべきと判定される毎に該当する
    点火時期データマップに基づき運転状態に応じて点火時
    期を求め、最後に求められた点火時期を、前記点火制御
    手段に与えるよう構成されたことを特徴とする内燃機関
    の点火時期制御装置。
JP59091595A 1984-05-07 1984-05-07 内燃機関の点火時期制御装置 Expired - Lifetime JPH0646021B2 (ja)

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DE8585105425T DE3584735D1 (de) 1984-05-07 1985-05-03 Zuendzeitpunktregelungsgeraet fuer eine funkengezuendete brennkraftmaschine.
EP85105425A EP0163955B1 (en) 1984-05-07 1985-05-03 An apparatus for controlling an ignition timing in a spark ignition internal combustion engine
US06/730,582 US4725955A (en) 1984-05-07 1985-05-06 Apparatus for controlling ignition timing in an internal combustion engine

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