JPH057766A - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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JPH057766A
JPH057766A JP19340091A JP19340091A JPH057766A JP H057766 A JPH057766 A JP H057766A JP 19340091 A JP19340091 A JP 19340091A JP 19340091 A JP19340091 A JP 19340091A JP H057766 A JPH057766 A JP H057766A
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JP
Japan
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emulsion
added
oil
essential oil
mixed solution
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JP19340091A
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English (en)
Inventor
Takahiro Nakano
隆裕 中野
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Nihon Junyaku Co Ltd
Original Assignee
Nihon Junyaku Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 経時安定性に優れた植物精油を芯物質とする
マイクロカプセルを、簡単かつ容易に、しかも経済的に
製造する。 【構成】 アラビアゴムとショ糖脂肪酸エステルと水と
を混和して得たスラリーに、植物精油を加えて撹拌によ
りエマルジョンを形成する。得たエマルジョンに低温に
維持したひまし油と無水エタノールからなる混合溶液を
添加し、さらにこの混合溶液中に所定量の無水エタノー
ルを添加し、以下常法によって植物精油を芯物質とする
マイクロカプセルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ハッカ油などの天然
若しくは合成の植物精油を芯物質としたマイクロカプセ
ルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは、ミクロン単位の微
細な容器(カプセル)内に各種の物質を封じ込めたもの
で、カプセルを破壊することによって内部の芯物質を放
出したり、封じ込めた芯物質をカプセルを通してゆるや
かに放出するなどの多岐に亘る利用ができるため、多く
の有用性を持つものである。
【0003】かゝるマイクロカプセルにおいて、液状の
芯物質を封じ込めたマイクロカプセルの製造法は、大別
すると、コアセルベーション法とエマルジョンの界面で
の沈澱による界面沈澱法が知られている。コアセルベー
ション法は、高分子溶液が環境の変化(他物質の添加
等)によって濃度の大きい相と、小さい相とに相分離す
る現象を利用するもので、水溶性高分子を使用するた
め、水に不溶な油類や粉体などを容易にマイクロカプセ
ル化することができ、特に有利であるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の発明者は、
はっか油などの植物精油等を芯物質としたマイクロカプ
セルを得る目的で、油類のマイクロカプセル化に有利と
されているコアセルベーション法によるマイクロカプセ
ル化を試みた。しかしながら、公知のコアセルベーショ
ン法では、経済的に有利な状態でマイクロカプセルを得
ることがきわめて困難で、一応マイクロカプセルが得ら
れてもマイクロカプセル自体が相互に凝集した崩壊し易
い状態のマイクロカプセルしか得ることができないなど
実用化に多くの問題があった。
【0005】かゝる現状に鑑み、発明者は従来油類のマ
イクロカプセル化にはあまり有利でないとされている界
面沈澱法によって、植物精油等を芯物質とするマイクロ
カプセルを鋭意研究した結果、経時安定性に優れた植物
精油を芯物質とするマイクロカプセルを経済的に得るこ
とができるこの発明のマイクロカプセルの製造方法を完
成させたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のマイクロカプ
セルの製造方法は、被膜物質であるアラビアゴムと、シ
ョ糖脂肪酸エステルからなる界面活性剤とを、水と共に
混和してスラリーを調製し、得たスラリーに植物精油か
らなる芯物質を添加して撹拌によってエマルジョンを形
成させると共に、このエマルジョンにひまし油と無水エ
タノールの混合溶液を加えて液を低温状態に維持しなが
ら、この混合溶液中にさらに無水エタノールを添加し、
撹拌によってマイクロカプセル化した沈澱物を生成さ
せ、この沈澱物を乾燥して植物精油を芯物質とするマイ
クロカプセルを得ることを特徴とするものである。
【0007】この発明において、マイクロカプセルの芯
物質を構成する植物精油は、ハッカ油、オレンジ油、レ
モングラス油、ラベンダー油等の天然物から得られる香
料、その他に有用な植物精油およびこれら天然の植物精
油に含有される成分を合成することによって得られる精
油類である。
【0008】被膜物質であるアラビアゴムと、ショ糖脂
肪酸エステルからなる界面活性剤とを、水と共に混和し
てスラリーを調製し、得たスラリーに植物精油からなる
芯物質を添加して撹拌によって形成するエマルジョン
は、液温を35℃以下、より好ましくは0〜20℃に保
持して行うもので、液温が35℃以上の場合には、植物
精油が揮散するおそれがあるので好ましくない。
【0009】前記エマルジョンにひまし油と無水エタノ
ールを加えて撹拌によってマイクロカプセルの沈澱物を
生成させる場合の液温は、35℃以下、好ましくは0〜
20℃に保持するもので、この液温が35℃を超える場
合には生成した被膜形成物質であるアラビヤゴムが軟化
状態となって所定のカプセルを形成することができない
か、もしくはカプセルが形成されてもその壁膜が破れ易
くなって所期のマイクロカプセルを得ることができな
い。一方、液温がマイナスの場合は、カプセルの形成に
はさほど支障がないが、溶液自体が凝固する傾向がある
ので、好ましくない。
【0010】界面活性剤であるショ糖脂肪酸エステル
は、HLB(hydrophilelipophile
balance)が8〜15のものを選択して使用す
ることが好ましく、この範囲を逸脱したものはカプセル
化の進行が困難となる。
【0011】エマルジョンにひまし油と無水エタノール
の混合溶液を加えた混合溶液に添加する無水エタノール
は、前記混合溶液の3倍量以上、より好ましくは3〜5
倍量で、添加量が3倍量以下の場合には、均一な分散が
できず好ましくない。
【0012】
【作用】この発明のマイクロカプセルの製造方法は、界
面沈澱法によるものである。一般的な界面沈澱法による
マイクロカプセルの製造方法は、Wを水、Oを油とした
場合に、〔(W/O)/W〕タイプの複合エマルジョン
を用いる水中での界面沈澱法と、〔(O/W)/O〕タ
イプの複合エマルジョンを用いる油中での界面沈澱法と
がある。この発明は、後者の〔(O/W)/O〕タイプ
の方法を採用しているもので、芯物質となる植物精油を
溶解状態で含む油相(O)と、被膜形成能を有する被膜
物質を溶解した水相(W)とによって水中油型、すなわ
ち、(O/W)タイプのエマルジョンを生成させ、この
エマルジョンをカプセル化媒体である他の油系溶液
(O)に分散させて〔(O/W)/O〕タイプの複合エ
マルジョンを生成するもので、かゝる〔(O/W)/
O〕タイプの複合エマルジョンからマイクロカプセルを
生成させるものである。
【0013】この場合、被膜物質としてアラビアゴムを
用い、HLBが8〜15のショ糖脂肪酸エステルを界面
活性剤として使用し、また、前記他の油系溶液としてひ
まし油を用いてエマルジョンとし、無水エタノールの存
在下でこのエマルジョンからマイクロカプセルを沈澱と
して生成させるものである。かゝる沈澱生成操作を液温
20℃以下の低温で実施することによって、最終的に得
られたマイクロカプセルは、カプセル同士が付着凝集す
ることなく、確実な被膜形成された植物精油を核とする
マイクロカプセルを得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示してこの発明の
マイクロカプセルの製造方法によってハッカ油を芯物質
としたマイクロカプセルの製造例を詳細に説明する。
【0015】実施例1 アラビアゴム50g、HLB11のショ糖脂肪酸エステ
ル5gおよび水40gをホモミキサーにかけて約10,
000rpmで撹拌して均一なスラリー状の混合物を形
成し、これを温度10℃以下に冷却した。この混合物
に、ハッカ油25gを加えて均一て分散乳化状態になる
までホモミキサーで撹拌して乳化液を生成した。さら
に、150gのひまし油と、125gの無水エタノール
とを混合して液温を5℃とした混合溶液を、前記の乳化
液中に添加し、ホモミキサーで均一な分散液になるまで
撹拌したのち、その中に1リットルの無水エタノールを
加えてホモミキサーで約5分間撹拌した。得られた液を
デカンテーション法により上澄み液を除去し、沈澱物を
濾別して生成したカプセルを取り出した。このカプセル
を減圧乾燥して溶媒を完全に除去し、粉末状のマイクロ
カプセル約90gを得た。かくして得られたマイクロカ
プセルは、ハッカ油を芯物質とし、アラビアゴムを被膜
物質として該被膜物質が相互付着することなく集合した
多芯単被膜カプセルで、徐放性を有し、かつ経時安定性
が良好なものであった。
【0016】実施例2 アラビアゴム50g、HLB13のショ糖脂肪酸エステ
ル5gおよび水40gをホモミキサーにかけて約10,
000rpmで撹拌して均一なスラリー状の混合物を形
成し、これを温度10℃以下に冷却した。この混合物
に、ハッカ油25gを加えて均一て分散乳化状態になる
までホモミキサーで撹拌して乳化液を生成した。さら
に、150gのひまし油と、125gの無水エタノール
とを温度5℃まで冷却した混合溶液を、前記の乳化液中
に添加して、ホモミキサーで均一な分散液になるまで撹
拌したのち、その中に1リットルの無水エタノールを加
えてホモミキサーで約5分間撹拌した。得られた液をデ
カンテーション法により上澄み液を除去し、沈澱物を濾
別して生成したカプセルを取り出した。このカプセルを
減圧乾燥して溶媒を完全に除去し、粉末状のマイクロカ
プセル約80gを得た。かくして得られたマイクロカプ
セルは、ハッカ油を芯物質とし、アラビアゴムを被膜物
質として該被膜物質が相互付着することなく集合した多
芯単被膜カプセルで、徐放性を有し、かつ経時安定性が
良好なものであった。
【0017】比較例1 コアセルベーション法によって、以下のとおりハッカ油
のマイクロカプセル化を実施した。まず、ゼリー強度が
202gの4%ゼラチン水溶液10gと、10%アラビ
アゴム水溶液1gおよびハッカ油5gを混合し、この混
合液を撹拌して温度45℃に加温させた。温度42℃お
いて、この混合液に3%Na2 SO4 水溶液3gを添加
した後、液温を36℃まで低下させて同温度の温水50
gを添加した。さらに、この液の液温を9℃まで冷却し
て、10%ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)
1.5gを添加して、カプセルの生成を確認し、液温を
徐々に室温まで戻した。この操作によってハッカ油を芯
物質とし、ゼラチンを被膜物質としたマイクロカプセル
が生成したが、得られたマイクロカプセルを濾過して液
相から分離しようとすると、マイクロカプセル自体同士
が凝集してしまい、室温で放置することによってカプセ
ルが崩壊して目的とする粉体状のマイクロカプセルを得
ることができなかった。
【0018】
【発明の効果】この発明のマイクロカプセルの製造方法
は、アラビアゴムを皮膜物質とすると共にショ糖脂肪酸
エステルを界面活性剤として水に混和してスラリーを調
整し、得たスラリーに植物精油からなる芯物質を添加、
攪拌してエマルジョンを形成したのち、このエマルジョ
ンにひまし油と無水エタノールからなる混合溶液を加え
て低温に維持し、さらにこの低温の混合溶液に所定量の
無水エタノールを添加することによって、植物精油を芯
物質とするマイクロカプセルを簡単かつ容易に、しかも
経済的に製造することができる。とくに、混合溶液の液
温をコントロールすることによって、強固な被膜構造の
マイクロカプセルを容易に得ることができる点で優れた
ものである。
【0019】この発明の方法によって得たマイクロカプ
セルは、経時安定性に優れていると共に、カプセルの破
壊によって内部の植物精油を放出したり、あるいはカプ
セルを通じて植物精油を徐放したりすることができるの
で、植物精油の持つ有用性を拡大することできるもので
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被膜物質であるアラビアゴムと、ショ糖
    脂肪酸エステルからなる界面活性剤とを、水と共に混和
    してスラリーを調製し、得たスラリーに植物精油からな
    る芯物質を添加して撹拌によってエマルジョンを形成さ
    せると共に、このエマルジョンにひまし油と無水エタノ
    ールの混合溶液を加えて液を低温状態に維持しながら、
    この混合溶液中にさらに無水エタノールを添加し、撹拌
    によってマイクロカプセル化した沈澱物を生成させ、こ
    の沈澱物を乾燥して植物精油を芯物質とするマイクロカ
    プセルを得ることを特徴とするマイクロカプセルの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記エマルジョンの形成は、液温を35
    ℃以下に保持して行うことを特徴とする請求項1記載の
    マイクロカプセルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ひまし油と無水エタノールの混合溶
    液は、液温が35℃以下であることを特徴とする請求項
    1記載のマイクロカプセルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ショ糖脂肪酸エステルからなる界面
    活性剤は、HLBが8〜15のものであることを特徴と
    する請求項1記載のマイクロカプセル製造方法。
  5. 【請求項5】 前記混合溶液に添加する無水エタノール
    は、混合溶液の3〜5倍量であることを特徴とする請求
    項1記載のマイクロカプセル製造方法。
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