JPH0537909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のダツシユパネル構造、特に
ダツシユパネルの補強構造に関するものである。

（従来の技術） 車室前面部を構成するダツシユパネルは、車両
衝突時における車室内乗員の保護の観点から、あ
るいはブレーキ用真空倍力装置等のシヤーシ部品
の取付強度確保等のため、できるだけ剛性を高く
することが望ましい。

このため従来、実開昭58−28073号に開示され
ているように、ダツシユパネルに、該ダツシユパ
ネルとで閉断面を形成するレインフオースメント
を取り付けてダツシユパネルの剛性向上を図る工
夫がなされている。

（考案が解決しようとする問題点） 車両衝突時における車室内乗員の保護のみなら
ずブレーキ真空倍力装置等のシヤーシ部品の取付
強度確保をも考慮したダツシユパネルの剛性向上
を図るためには、単に、レインフオースメントを
左右１対のフロントサイドフレーム後端部のダツ
シユパネルへの各接合位置まで延びるように設け
てこれら各接合位置においてダツシユパネルに接
合するだけでは足りず、レインフオースメントを
設けることによつてシヤーシ部品のダツシユパネ
ルへの取付部位に応じた高い支持剛性をダツシユ
パネルに付与する必要がある。そして、そのため
には、レインフオースメントの配設位置および形
状をかなり複雑なものとする必要がある。しかし
ながら、単一の部材でこのような複雑な形状にレ
インフオースメントを形成することは、製造面お
よびコスト面から困難である。

本考案は、このような事情に鑑みなされたもの
であつて、車両衝突時における車室内乗員の保護
のみならずブレーキ真空倍力装置等のシヤーシ部
品の取付強度確保をも考慮したダツシユパネルの
剛性向上を図ることができる自動車のダツシユパ
ネル構造を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案による自動車のダツシユパネル構造は、
レインフオースメントを２つに分割して構成し、
そのうちの一方を、ダツシユパネル形成されたシ
ヤーシ部品取付孔を囲む部分においてダツシユパ
ネルに接合して、該ダツシユパネルとでシヤーシ
部品取付孔を囲む閉断面を形成させるようにする
ことにより、製造容易にかつ低コストでシヤーシ
部品のダツシユパネルへの取付部位に応じた高い
支持剛性をダツシユパネルに付与することができ
るようにしもつて上記目的達成を図るようにした
ものである。すなわち、車室前面部を構成するダ
ツシユパネルと、車体前後方向に延設され、後端
部が前記ダツシユパネルに接合された左右１対の
フロントサイドフレームと、前記フロントサイド
フレームのうちの一方と前記ダツシユパネルとの
接合部分および前記ダツシユパネルに形成された
シヤーシ部品取付孔を囲む部分において前記ダツ
シユパネルに接合されて、該ダツシユパネルとで
前記シヤーシ部品取付孔を囲む閉断面を形成する
第１レインフオースメントと、前記フロントサイ
ドフレームのうちの他方と前記ダツシユパネルと
の接合部分において前記ダツシユパネルに接合さ
れるとともに前記第１レインフオースメントに接
合されて、これらダツシユパネルおよび第１レイ
ンフオースメントとで閉断面を形成する第２レイ
ンフオースメントとを備えてなることを特徴とす
るものである。

上記「第１レインフオースメント」および「第
２レインフオースメント」は、ダツシユパネルの
前後いずれの面に取り付けてもよい。

（作用） 上記構成に示すように、レインフオースメント
が２つに分割して構成されており、そのうちの一
方が、ダツシユパネル形成されたシヤーシ部品取
付孔を囲む部分においてダツシユパネルに接合さ
れて、該ダツシユパネルとでシヤーシ部品取付孔
を囲む閉断面を形成するようになつているので、
製造容易にかつ低コストで、シヤーシ部品のダツ
シユパネルへの取付部位に応じた高い支持剛性を
ダツシユパネルに付与することができる。

（考案の効果） したがつて、本考案によれば、車両衝突時にお
ける車室内乗員の保護のみならずブレーキ真空倍
力装置等のシヤーシ部品の取付強度確保をも考慮
したダツシユパネルの剛性向上を図ることができ
る。

（実施例） 以下添付図面を参照しながら本考案の実施例に
ついて詳述する。

第１図は、本考案による自動車のダツシユパネ
ル構造の一実施例を示す正面図であつて第２図の
−線矢視図である。

第２図に示すように、車室１の前面部にはダツ
シユパネル２が車幅方向に延設されていて、ダツ
シユパネル２の左右両端部には、車体前後方向に
延設された閉断面状の１対のフロントサイドフレ
ーム３および４の後端部がそれぞれ接合されてい
る。

第１図に示すように、各フロントサイドフレー
ム３および４の後端部は、その一部が、ダツシユ
パネル２に接合された連結フレーム５および６と
で閉断面を維持しながら延長されてサイドシル７
および８にそれぞれ接合されている。このため、
フロントサイドフレーム３，４には十分な強度が
付与され、したがつて、ダツシユパネル２のフロ
ントサイドフレーム３，４との接合部分２ａ，２
ｂも十分な強度が得られることとなる。

ダツシユパネル２の後面、すなわち車室内側の
面には、第１レインフオースメント９および第２
レインフオースメント１０が接合されている。第
１レインフオースメント９は、そのダツシユパネ
ル２への接合部分の一部が上記接合部分２ａに位
置し、第２レインフオースメント１０は、そのダ
ツシユパネル２への接合部分の一部が上記接合部
分２ｂに位置するようになつている。これら第１
および第２レインフオースメント９，１０は、そ
れぞれダツシユパネル２とで閉断面を形成するよ
うにしてダツシユパネル２への接合がなされてい
る。

第１レインフオースメント９には、ステアリン
グシヤフトの貫通孔１１および第３図に示すよう
にブレーキ用真空倍力装置１２の貫通孔１３が形
成されているため、第１レインフオースメント９
がダツシユパネル２で形成する閉断面は上記両貫
通孔１１，１３を迂回するようにして逆Ｕ字形に
形成されている。これにより、ダツシユパネル２
のブレーキ用真空倍力装置１２に対する支持剛性
を確保するようになつている。一方、第２レイン
フオースメント１０がダツシユパネル２とで形成
する閉断面は水平方向に延びている。

第１および第２レインフオースメント９，１０
は、第２レインフオースメント１０を下にして互
いに接合されている。この接合部分は、第４図に
示すように、第１レインフオースメント９とダツ
シユパネル２とにより形成される閉断面と、第２
レインフオースメント１０とダツシユパネル２と
により形成される閉断面とが連続するように形成
されている。したがつて、ダツシユパネル２は、
第１および第２レインフオースメント９，１０に
より左右のフロントサイドフレーム３，４間を閉
断面構造により補強されることとなり、剛性が大
幅に向上する。

以上詳述したように、本実施例に示すダツシユ
パネル構造は、第１レインフオースメント９によ
り、ダツシユパネル２に取り付けられるブレーキ
用真空倍力装置１２に対するダツシユパネル２の
支持剛性をその取付部位（第１図における４つの
取付孔１４の位置）に応じて十分に確保すること
ができ、さらに、この第１レインフオースメント
９およびこれに接合された第２レインフオースメ
ント１０により、左右１対のフロントサイドフレ
ーム３，４と強度的に連続する閉断面がダツシユ
パネル２に形成されることとなるため、ブレーキ
用真空倍力装置１２に対する支持剛性が一層向上
し、また車両衝突時における車室内乗員の安全性
も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による自動車のダツシユパネル
構造を示す正面図であつて第２図の−線矢視
図、第２図は該構造が採用されている車体を示す
斜視図、第３図は第１図の−線断面図、第４
図は第１図の−線断面図である。 １……車室、２……ダツシユパネル、３，４…
…フロントサイドフレーム、９……第１レインフ
オースメント、１０……第２レインフオースメン
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室前面部を構成するダツシユパネルと、車体
   前後方向に延設され、後端部が前記ダツシユパネ
   ルに接合された左右１対のフロントサイドフレー
   ムと、前記フロントサイドフレームのうちの一方
   と前記ダツシユパネルとの接合部分および前記ダ
   ツシユパネルに形成されたシヤーシ部品取付孔を
   囲む部分において前記ダツシユパネルに接合され
   て、該ダツシユパネルとで前記シヤーシ部品取付
   孔を囲む閉断面を形成する第１レインフオースメ
   ントと、前記フロントサイドフレームのうちの他
   方と前記ダツシユパネルとの接合部分において前
   記ダツシユパネルに接合されるとともに前記第１
   レインフオースメントに接合されて、これらダツ
   シユパネルおよび第１レインフオースメントとで
   閉断面を形成する第２レインフオースメントとを
   備えてなることを特徴とする自動車のダツシユパ
   ネル構造。