JPH05194261A - トロンビンのウイルス不含濃縮物の製造方法 - Google Patents
トロンビンのウイルス不含濃縮物の製造方法Info
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Abstract
ンビン複合体のパスツール処理溶液から簡単に取得する
方法、およびその濃縮物の医薬としての使用方法に関す
る。 【構成】 陰イオン交換体で精製されウイルス失活に付
されたプロトロンビン複合体の溶液に、カルシウムと難
溶性塩または可溶性コンプレックスを形成する陰イオン
を有する可溶性塩を少くとも0.5モル/リットルの濃
度で添加し、そしてその溶液を触媒量のトロンビンで処
理することより成る。
Description
ール処理溶液から簡単にトロンビンのウイルス不含調製
物を製造することを可能にする方法に関する。
組織トロンボプラスチンおよびCaイオンの添加により
トロンビンに変えることより成るいくつかのトロンビン
取得方法が記載されている。
物をトロンビンに変える方法も知られている。この変化
は、その混合物中にプロトロンビン複合体のすべての因
子が十分な量で存在している場合に起きるにすぎない。
陰イオン交換体で精製されたプロトロンビン複合体は、
オートプロトロンビンC(FX)を添加すれば塩により
活性化することができる。F VIIの存在も不可欠であ
る。
イルス起原(例えば肝炎、エイズ、BSE)の病原体が
伝達される危険があるため、かかるタンパク質を含有す
る濃縮物の製造に際しては病原体を失活させる手順が要
求される。
多くのトロンビン製造法が知られている。トロンビン水
性溶液中のウイルスを失活させる方法も知られている
(DE 38 09 991)。
378 798はプロトロンビン複合体を陰イオン交換
体に結合しそしてCaイオン、組織トロンボプラスチン
または活性化FXで活性化する方法を記載している。プ
ロトロンビン複合体の活性化に組織トロンボプラスチン
を用いる方法にはすべて、後者が後で除去され得ず生産
物汚染源となるという欠点がある。
えばクエン酸ナトリウムによる活性化には、プロトロン
ビン複合体が組織タンパク質で付加的に汚染されないと
いう利点がある。しかしながら、DEAE交換体で精製
されたプロトロンビン濃縮物は、活性化FXまたは組織
トロンボプラスチンを添加せずしてはトロンビンにまで
活性化できない。さらに、プロトロンビンに比べ不安定
な酵素トロンビンが厳しいウイルス失活方法に晒される
ことなく、そして構造変化の結果としてもともとの特性
を失うことのないようにウイルス失活を行うことはプロ
トロンビン複合体に対してさえも有利であろう。
精製されそしてパスツール処理されたプロトロンビン複
合体は、カルシウムと難溶性塩または可溶性コンプレッ
クスを形成する可溶性塩を少なくとも0.5モル/リッ
トルの濃度で添加することにより、その混合物が触媒量
のトロンビンを含んでいる場合には、トロンビンに活性
化され得ることを見出した(表1、b)欄)。前記塩を
添加しない場合には、同量のトロンビンはプロトロンビ
ンを十分に活性化しない(表2、c)欄)。
れウイルス失活に付されたプロトロンビン複合体の溶液
に、カルシウムと難溶性塩または可溶性コンプレックス
を形成する陰イオンを有する可溶性塩を少くとも0.5
モル/リットルの濃度で添加し、そしてその溶液を触媒
量のトロンビンで処理することより成るトロンビンの精
製ウイルス不含調製物の製造方法に関する。
ものであってよい。そうでなければ、トロンビンを添加
する。触媒量のトロンビンとは、0単位/mlよりは大き
くそして200単位/mlまでの、好ましくは10〜50
単位/mlのトロンビンを意味する。プロトロンビン複合
体は動物血漿から取得したものであってよい。
され、そして例えばEP 0 137428の方法により
60℃で10時間パスツール処理されたプロトロンビン
複合体が用いられる。しかしながら、パスツール処理に
代えて、ウイルスを他のいずれかの適切な方法により失
活させることもできる。
酸、クエン酸、リン酸またはシュウ酸陰イオン、特にク
エン酸陰イオンを用いるのが好ましい。相当する塩、好
ましくはアルカリ金属またはアンモニウム塩を0.5モ
ル/リットルから特定の飽和限界までの濃度で用いる。
プロトロンビン複合体を用いる、あるいはトロンビンで
0℃〜50℃、好ましくは28℃で、2〜100時間、
好ましくは5〜20時間処理することから成る。
またはフィブリノーゲンに基づく組織接着剤に用いるこ
とのできるトロンビンの天然高度精製ウイルス不含調製
物を簡単に製造することができる。
ロトロンビン濃縮物を20U/mlのヒトトロンビンおよ
び4g(25%重/容)のクエン酸三ナトリウムと混合
し、そしてその塩が溶解したところで28℃でインキュ
ベートした。得られたトロンビン活性を様々な時点で測
定し(表1b)、そして活性化終了時にクエン酸塩を透
析により除去し、そして安定化させ、所要の活性に調整
後トロンビンを凍結乾燥した。
ロトロンビン濃縮物を20U/mlのヒトトロンビンおよ
び4.5gのクエン酸三ナトリウムと混合し、そしてそ
の塩が溶解したところで37℃でインキュベートした。
得られたトロンビン活性を様々な時点で測定した(表1
c)。
トロンビン濃縮物を20U/mlのヒトトロンビン/mlと
混合し、そしてカルシウム結合性陰イオンを有する塩を
添加せずに37℃でインキュベートした。様々な時点で
得られたトロンビン活性を表2、c欄に示す。
ロトロンビン濃縮物をトロンビンを添加せずに2.5g
のクエン酸三ナトリウムと混合し、そしてその塩が溶解
したところで28℃でインキュベートした。様々な時点
でサンプルを取りそしてトロンビン活性を測定した(表
2、b欄)。
ール処理プロトロンビン濃縮物を10U/mlのウシトロ
ンビンおよび5gのクエン酸三ナトリウムと混合しそし
て28℃でインキュベートした。様々な時点で得られた
トロンビン活性を測定した(表2、a欄)。
プロトロンビン濃縮物を15U/mlのトロンビンおよび
125gのクエン酸三ナトリウムと混合した。その塩が
室温で溶解した後、その溶液を4℃でインキュベートし
た。様々な時点でサンプルを取り、そしてトロンビン活
性を測定した(表1、a欄)。
Claims (10)
- 【請求項1】 陰イオン交換体で精製されウイルス失活
に付されたプロトロンビン複合体の溶液に、カルシウム
と難溶性塩または可溶性コンプレックスを形成する陰イ
オンを有する可溶性塩を少くとも0.5モル/リットル
の濃度で添加し、そしてその溶液を触媒量のトロンビン
で処理することより成る精製されそしてウイルス不含の
トロンビンの調製物の製造方法。 - 【請求項2】 トロンビンが0単位/mlよりは高く20
0単位/mlまでの、好ましくは10〜50単位/mlの濃
度で用いられる請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 動物血漿からのプロトロンビン複合体が
用いられる請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 ヒト血漿からのプロトロンビン複合体が
用いられる請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 トロンビンによる処理が0℃〜50℃、
好ましくは28℃で行われる請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 DEAEイオン交換体で精製されたプロ
トロンビン複合体が用いられる請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 カルシウム結合性陰イオンが硫酸、クエ
ン酸、リン酸またはシュウ酸陰イオンである請求項1記
載の方法。 - 【請求項8】 塩が0.5モル/リットルから特定の飽
和限界までの濃度で用いられる請求項1記載の方法。 - 【請求項9】 触媒量のトロンビンが、プロトロンビン
複合体の精製および/またはウイルス失活手順の間に生
成する請求項1記載の方法。 - 【請求項10】 請求項1〜8の少くとも一つに記載の
方法により製造されたトロンビン調製物の止血剤として
の、またはフィブリノーゲンに基づく組織接着剤への使
用方法。
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