JP6896958B2 - ステアリングコラムの支持構造 - Google Patents

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本発明は、ステアリングコラムを支持するための車体支持構造に関する。
特許文献1には、ステアリングコラムの支持構造の一例が開示されている。当該支持構造は、車幅方向に延び、かつステアリングコラムが支持されるステアリングサポートメンバと、ステアリングサポートメンバと車両前方部材とに接合された連結部材とを備える。ステアリングサポートメンバは、円形鋼管からなる。連結部材は、ステアリングサポートメンバと車両前方部材とに接合された第1のリーンフォースメントと、第1のリーンフォースメントよりも車両下方に位置し、かつ第1のリーンフォースメントに接合された第2のリーンフォースメントとを含む。第1のリーンフォースメントおよび第2のリーンフォースメントには、これらを車両上下方向に変形し得る脆弱部が設けられている。
特許文献1に開示されている支持構造によれば、車両衝突時において車両前方から衝撃荷重が連結部材に作用すると、車幅方向から視て脆弱部を支点として連結部がZ字状に折れ曲がり変形する(特許文献1の図4参照)。これにより、衝撃荷重に伴うエネルギーが吸収されるため、乗員に対する安全性が向上する。しかし、ステアリングコラムは、円形鋼管からなるステアリングサポートメンバに直接支持される構成であるため、ステアリングコラムに作用する振動が乗員の負担になることが懸念される。このため、当該支持構造においては、ステアリングコラムの支持剛性の向上が望まれる。
特開2014−218121号公報
本発明は、上述の事情に鑑み、衝撃吸収性能を確保しつつ、ステアリングコラムの支持剛性の向上を図ることが可能なステアリングコラムの支持構造を提供することをその課題とする。
本発明によれば、車幅方向に延び、かつ前記車幅方向の両端が車両側方部材に連結されたメインメンバと、前記メインメンバから車両前方かつ斜め下方に向けて延び、かつステアリングコラムが吊り下げ支持される前方ブラケットを含むとともに、前記前方ブラケットが前記メインメンバに接合されたステアリングサポートと、前記メインメンバから車両前方に向けて延びる部分を含み、かつ前記メインメンバおよび前記前方ブラケットの双方に接合された主部、および前記主部の前端につながり、かつ車両前方部材に連結された突き当て部を有する上部ブレースと、前記前方ブラケットの前端から前記突き当て部に向けて延び、かつ前記前方ブラケットの前記前端、および前記突き当て部の双方に接合された下部ブレースと、を備え、前記車幅方向に沿って視て、前記前方ブラケット、前記主部、前記突き当て部および前記下部ブレースは、箱形状をなし、前記主部には、前記主部を車両上下方向に変形し得る脆弱部が設けられていることを特徴とするステアリングコラムの支持構造が提供される。
本発明の実施において好ましくは、車両上下方向に沿って視て、前記主部の前記車幅方向の外縁間寸法は、前記メインメンバから前記突き当て部に向けて徐々に小であり、前記主部は、車両上方に向けて凸状であり、前記下部ブレースは、前記主部に向けて凸状である。
本発明にかかるステアリングコラムの支持構造によれば、衝撃吸収性能を確保しつつ、ステアリングコラムの支持剛性の向上を図ることが可能となる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の一実施形態にかかるステアリングコラムの支持構造の斜視図である。 図1に示すステアリングコラムの支持構造の平面図である。 図1に示すステアリングコラムの支持構造の断面図である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。
本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について、添付図面に基づいて説明する。
図1〜図4に基づき、本発明の一実施形態にかかるステアリングコラムの支持構造(以下「支持構造A」という。)について説明する。支持構造Aは、メインメンバ10、ステアリングサポート20、上部ブレース30および下部ブレース40を備える。
ここで、説明の便宜上、これらの図において示されるuprを車両上方向、dwを車両下方向、frを車両前方向、rrを車両後方向、rhを車両右方向、lhを車両左方向とする。なお、以下の説明で、特記なく上下を用いる場合は、車両上下方向の上下を指すものとし、特記なく左右を用いる場合は、車両左右方向(車幅方向)の左右を指すものとする。特記なく前後を用いる場合は、車両前後方向の前後を指す。
メインメンバ10は、図1および図2に示すように、車幅方向に延びている。メインメンバ10の車幅方向の両端は、車両側方部材(図示略)に連結されている。支持構造Aが示す例においては、当該車両側方部材は、一対のフロントピラーである。メインメンバ10は、曲げ剛性が比較的大の部材である。支持構造Aが示す例においては、メインメンバ10の主要部は、円形鋼管からなる。
ステアリングサポート20は、図1および図3に示すように、メインメンバ10に接合されるとともに、ステアリングコラム50を吊り下げ支持している。ステアリングサポート20は、前方ブラケット21、中間ブラケット22および一対の後方ブラケット23を含む。
図3に示すように、前方ブラケット21は、車両前方かつ斜め下方に向けて延びている。前方ブラケット21は、メインメンバ10に接合されている。図1および図4に示すように、前方ブラケット21は、主板211、一対の側板212および一対の前方締結部材213を有する。主板211は、メインメンバ10よりも車両下方に位置する。支持構造Aが示す例においては、隅肉溶接により主板211の後端がメインメンバ10に接合されている。一対の側板212は、主板211の車幅方向の両端から上部ブレース30に向けて起立している。主板211および一対の側板212により、前方ブラケット21が延びる方向に対する横断面はコ字状をなしている。主板211には、突条211Aが形成されている。突条211Aは、主板211から主部31に向けて突出し、かつ前方ブラケット21が延びる方向に沿って形成されている。一対の前方締結部材213は、主板211の前端に、かつ互いに車幅方向に離間して配置されている。図3に示すように、一対の前方締結部材213の下端は、ステアリングコラム50に締結されている。これにより、ステアリングコラム50は、一対の前方締結部材213を介して前方ブラケット21に吊り下げ支持されている。前方締結部材213は、たとえばウェルドボルトである。
図1〜図3に示すように、中間ブラケット22は、メインメンバ10に対して前方ブラケット21とは反対側に位置し、かつメインメンバ10に接合されている。中間ブラケット22は、車幅方向に延びている。中間ブラケット22の車幅方向に対する横断面はコ字状またはU字状をなしている。支持構造Aが示す例においては、隅肉溶接により中間ブラケット22がメインメンバ10に接合されている。
図1〜図3に示すように、一対の後方ブラケット23は、中間ブラケット22から車両後方に向けて突出し、かつ中間ブラケット22に接合されている。一対の後方ブラケット23は、車幅方向において互いに離間している。支持構造Aが示す例においては、隅肉溶接により一対の後方ブラケット23が中間ブラケット22に接合されている。一対の後方ブラケット23の各々は、後方締結部材231を有する。後方締結部材231は、後方ブラケット23の後端に配置されている。一対の後方締結部材231の下端は、ステアリングコラム50に締結されている。これにより、ステアリングコラム50は、一対の後方締結部材231を介して一対の後方ブラケット23に吊り下げ支持されている。一対の後方締結部材231は、たとえばウェルドボルトである。
上部ブレース30は、図1〜図3に示すように、車両上方からメインメンバ10およびステアリングサポート20に覆い被さっている。上部ブレース30は、主部31、突き当て部32および一対の連結部33を有する。
図1〜図3に示すように、主部31は、メインメンバ10から車両前方に向けて延びる部分を含む。主部31は、メインメンバ10、前方ブラケット21の一対の側板212、および中間ブラケット22に接合されている。支持構造Aが示す例においては、隅肉溶接により主部31がこれらに接合されている。図2に示すように、車両上下方向に沿って視て、主部31の車幅方向の外縁間寸法b1,b2は、メインメンバ10から突き当て部32に向けて徐々に小(b1>b2)である。これにより、車両上下方向に視て、主部31の外縁は三角形状をなしている。図3に示すように、主部31は、車両上方に向けて凸状である。図1および図3に示すように、主部31には、前記主部を車両上下方向に変形し得る脆弱部311が設けられている。突き当て部32に衝撃荷重Fが作用した時、主部31は、脆弱部311が支点となって車両上下方向に折れ曲がり変形する。支持構造Aが示す例においては、脆弱部311は、車両上方に向けて凹む切欠きである。
図1〜図3に示すように、突き当て部32は、主部31の前端につながっている。突き当て部32は、主部31から車両下方に向けて垂れ下がっている。図3に示すように、突き当て部32は、車両前方部材60に連結されている。支持構造Aが示す例においては、車両前方部材60はダッシュパネルである。突き当て部32には、車両前後方向に貫通する連結穴321が設けられている。連結穴321には、突き当て部32を車両前方部材60に連結するための締結部材(ボルトなど)が挿通される。
図1〜図3に示すように、一対の連結部33は、主部31の後端から車両後方に向けて延びている。一対の連結部33は、車幅方向において互いに離間している。一対の連結部33は、一対の後方ブラケット23に接合されている。支持構造Aが示す例においては、隅肉溶接により一対の連結部33が一対の後方ブラケット23に接合されている。
下部ブレース40は、図1および図3に示すように、前方ブラケット21の前端から上部ブレース30の突き当て部32に向けて延びている。下部ブレース40は、車幅方向において互いに離間した一対の舌部41を有する。一対の舌部41は、下部ブレース40の車幅方向の両端から車両上方に向けて起立している。一対の舌部41の各々は、車両前後方向において互いに離間した2つの部分を含む。これらの部分のうち、車両前方に位置する一方の部分は、突き当て部32に接合されている。車両後方に位置する他方の部分は、上部ブレース30の主部31に接合されている。支持構造Aが示す例においては、隅肉溶接により一対の舌部41がこれらに接合されている。下部ブレース40の後端は、前方ブラケット21(主板211および一対の側板212)の前端に接合されている。支持構造Aが示す例においては、隅肉溶接により下部ブレース40が前方ブラケット21に接合されている。図3に示すように、下部ブレース40は、主部31に向けて凸状である。下部ブレース40の曲率半径は、上部ブレース30の主部31の曲率半径よりも大である。なお、下部ブレース40にも主部31と同様の脆弱部311を設けてもよい。
図3に示すように、車幅方向に沿って視て、前方ブラケット21、上部ブレース30の主部31、上部ブレース30の突き当て部32、および下部ブレース40は、箱形状をなしている。
次に、支持構造Aに作用効果について説明する。
支持構造Aにおいては、ステアリングコラム50が吊り下げ支持される前方ブラケット21は、メインメンバ10に接合されている。上部ブレース30は、主部31および突き当て部32を有する。主部31は、メインメンバ10および前方ブラケット21の双方に接合されている。突き当て部32は、車両前方部材60に連結されている。下部ブレース40は、前方ブラケット21の前端、および突き当て部32の双方に接合されている。車幅方向から視て、前方ブラケット21、主部31、突き当て部32および下部ブレース40は、箱形状をなしている(以下「箱形構造」という。)。当該箱形構造は、車両上下方向回りにおける曲げ、および車幅方向回りにおけるねじれの双方に対して、比較的高い剛性を有する。ステアリングコラム50は、当該箱形構造により吊り下げ支持された構成となる。これにより、ステアリングコラム50の支持剛性の向上が図られるため、ステアリングコラム50に作用する振動が低減される。
また、支持構造Aにおいては、上部ブレース30の主部31には、主部31を車両上下方向に変形し得る脆弱部311が設けられている。これにより、図3に示すように、上部ブレース30の突き当て部32に衝撃荷重Fが作用した時、脆弱部311を支点として主部31が車両上下方向に折れ曲がり変形するため、主部31により衝撃荷重Fに伴うエネルギーが吸収される。なお、下部ブレース40にも主部31と同様の脆弱部311を設けることにより、衝撃荷重Fに伴うエネルギー吸収効果がさらに高まる。したがって、支持構造Aによれば、衝撃吸収性能を確保しつつ、ステアリングコラム50の支持剛性の向上を図ることが可能となる。
図2に示すように、車両上下方向に沿って視て、上部ブレース30の主部31の外縁間寸法b1,b2は、メインメンバ10から突き当て部32に向けて徐々に小である。これにより、図3に示す衝撃荷重Fが突き当て部32に作用したとき、主部31により大きな応力が集中するため、主部31が折れ曲がり変形しやすくなる。また、図3に示すように、主部31は、車両上方に向けて凸状である。あわせて、下部ブレース40は、主部31に向けて凸状である。これにより、主部31が車両上方に向けて折れ曲がり変形しやすくなる。したがって、支持構造Aの衝撃吸収性能をより向上させることができる。さらに、下部ブレース40の曲率半径が主部31の曲率半径よりも大であることが、主部31がより車両上方に向けて折り曲がり変形しやすくなる。
本発明は、先述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A:支持構造
10:メインメンバ
20:ステアリングサポート
21:前方ブラケット
211:主板
211A:突条
212:側板
213:前方締結部材
22:中間ブラケット
23:後方ブラケット
231:後方締結部材
30:上部ブレース
31:主部
311:脆弱部
32:突き当て部
321:連結穴
33:連結部
40:下部ブレース
41:舌部
50:ステアリングコラム
60:車両前方部材
b1,b2:外縁間寸法
F:衝撃荷重

Claims (2)

  1. 車幅方向に延び、かつ前記車幅方向の両端が車両側方部材に連結されたメインメンバと、
    前記メインメンバから車両前方かつ斜め下方に向けて延び、かつステアリングコラム吊り下げ支持する前方ブラケットを含むとともに、前記前方ブラケットが前記メインメンバに接合されたステアリングサポートと、
    前記メインメンバから車両前方に向けて延びる部分を含み、かつ前記メインメンバおよび前記前方ブラケットの双方に接合された主部、および前記主部の前端につながり、かつ車両前方部材に連結された突き当て部を有する上部ブレースと、
    前記前方ブラケットの前端から前記突き当て部に向けて延び、かつ前記前方ブラケットの前記前端、および前記突き当て部の双方に接合された下部ブレースと、を備え、
    前記車幅方向に沿って視て、前記前方ブラケット、前記主部、前記突き当て部および前記下部ブレースは、箱形状をなし、
    前記主部には、前記主部を車両上下方向に変形し得る脆弱部が設けられており、
    車両上下方向に沿って視て、前記主部の前記車幅方向の外縁間寸法は、前記メインメンバから前記突き当て部に向けて徐々に小であり、
    前記主部は、車両上方に向けて凸状であり、
    前記下部ブレースは、前記主部に向けて凸状である、ステアリングコラムの支持構造。
  2. 車幅方向に延び、かつ前記車幅方向の両端が車両側方部材に連結されたメインメンバと、
    前記メインメンバに接合され、かつ前記メインメンバから車両前方かつ斜め下方に向けて延びる前方ブラケットと、前記前方ブラケットおよび前記メインメンバよりも車両後方に離れて位置する後方ブラケットと、を含むとともに、前記前方ブラケットおよび前記後方ブラケットがステアリングコラムを吊り下げ支持するステアリングサポートと、
    前記メインメンバおよび前記ステアリングサポートよりも車両上方に位置し、かつ前記メインメンバを跨いで車両前後方向に延びるとともに、前記メインメンバ、前記前方ブラケットおよび前記後方ブラケットに接合された上部ブレースと、
    前記前方ブラケットの前端から前記上部ブレースの前端に向けて延び、かつ前記上部ブレースおよび前記前方ブラケットに接合された下部ブレースと、を備え、
    前記上部ブレースの前端には、車両前方部材に連結された突き当て部が設けられ、
    前記下部ブレースは、前記突き当て部、および前記前方ブラケットの前端に接合されており、
    前記上部ブレースには、前記メインメンバと前記突き当て部との間に位置し、かつ前記上部ブレースを車両上下方向に変形し得る脆弱部が設けられている、ステアリングコラムの支持構造。
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