以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明の実施の一形態に係る情報配信装置が適用される情報配信システムは、図1に示すように構成される。
図1において、この情報配信システムは、ビーコンシステムであって、基本的に、例えば、施設の所定の場所に設置されるビーコン機器10(情報配信装置)と、ビーコン機器10から放送されるビーコン情報(配信情報)を受信することのできる携帯通信端末器20(通信端末機器:例えば、スマートフォン)とから構成されている。ビーコン機器10は、例えば、図2に示すように、CPU等で構成される制御ユニット11と、BLE通信ユニット12と、記憶ユニット13とを有している。BLE通信ユニット12は、制御ユニット11の制御のもと、BLE(ブルートゥース・ロー・エナジー)の規格に従って近距離無線通信を行う。ビーコン機器10側のBLE通信ユニット12は、特に、ペリフェラル側機器(スレーブ側機器)として機能し、アドバタイジングにおいてビーコン情報を放送する。また、記憶ユニット13は、制御ユニット13での処理に必要な情報や、当該処理の結果得られた情報等を記憶する。
携帯通信端末器20は、例えば、図3に示すように構成される。図3において、携帯通信端末器20は、CPU等で構成される制御ユニット21、移動体通信ユニット22、無線LAN通信ユニット23、BLE通信ユニット24、表示部25、操作部26及び記憶部27を有している。制御ユニット21は、記憶部27に保存されたプログラム(アプリケーションを含む)を実行し、操作部26での操作に従って、移動体通信ユニット22、無線LAN通信ユニット23及びBLE通信ユニット24それぞれの動作制御を行う。記憶部27は、制御ユニット21が実行する前記プログラムのほか、制御ユニット21での処理に利用される各種情報、制御ユニット21での処理により得られた各種情報等を格納する。表示部25は、制御ユニット21での制御のもと、各種情報を表示する。移動体通信ユニット22は、制御ユニット21での制御のもと、移動体通信網を介して他の通信端末(電話通信端末等)と音声やデータの送受を行なったり、各種情報機器(PC、サーバ等)とデータ通信を行なったりする。無線LAN通信ユニット23は、制御ユニット21の制御のもと、無線LANを介して各種情報機器とデータ通信を行う。BLE通信ユニット24は、制御ユニット21での制御のもと、BLEの規格に従って他のBLE機器と近距離無線通信を行う。携帯通信端末器20側のBLE通信ユニット24は、特に、セントラル側機器(マスター機器)として機能し、ビーコン機器10から前記アドバタイジングにおいて放送される配信データ(ビーコン情報)を受信することができる。
ビーコン機器10は、BLEの規格に規定されるように、セントラル側機器に対するアドバタイジングにおいて、図4に示すアドバタイズ信号を放送発信することができる。アドバタイズ信号には、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の応答を許容する種類の応答許容型アドバタイズ信号、具体的には、ADV_IND及びADV_SCAN_INDと、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の応答を許容しない種類の応答非許容型アドバタイズ信号、具体的には、ADV_DIRECT_IND及びADV_NONCONN_INDとの2種類の信号がある。図5に示すように、ビーコン機器10(BLE通信ユニット12:図2参照)が応答許容型アドバタイズ信号、例えば、ADV_INDを放送発信すると、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に存在して前記ADV_INDを受信した携帯通信端末器20(BLE通信ユニット24:図3参照)は、ビーコン機器10に宛ててスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)を送信する。そして、そのスキャン・リクエスト信号を受信したビーコン機器10(BLE通信ユニット12)は、更に、スキャン・レスポンス信号(SCAN_RSP)を携帯通信端末器20に宛てて送信する。
なお、ビーコン機器10が応答非許容型アドバタイズ信号、例えば、ADV_NONCONN_INDを放送発信する場合、携帯通信端末器20は、その応答非許容型アドバタイズ信号を受信しても、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)等の応答信号をビーコン機器10に宛てて送信することはない。
前記アドバタイズで送信し得る各信号は、例えば、図6に示すように、ヘッダとペイロードとで構成されている。ヘッダは、信号が、ADV_IND、ADV_DIRECT_IND、ADV_NONCONN_IND、SCAN_REQ、SCAN_RSP、CONNECT_REQ、ADV_SCAN_INDのいずれであるかを示すPUDタイプ(例えば、4ビット)の情報が含まれている。また、ペイロード、例えば、ADV_SCAN_IND(応答許容型アドバタイズ信号)のペイロードは、図7Aに示すように、発信元となるビーコン機器10のアドレスと配信データとを含み、その応答となるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)のペイロードは、図7Bに示すように、その発信元となる携帯通信端末器20のアドレスとその宛先となるビーコン機器10のアドレスとを含む。また、携帯通信端末器20からのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)に応答してビーコン機器10から携帯通信端末器20に宛てて送信されるスキャン・レスポンス信号(SCAN_RSP)のペイロードは、図7Cに示すように、その送信元となるビーコン機器10のアドレスと配信データとを含む。
このように、アドバタイズにおいて応答許容型アドバタイズ信号(例えば、ADV_SCAN_IND)を放送発信する場合、ビーコン機器10は、当該応答許容型アドバタイズ信号(図7A参照)と、スキャン・レスポンス信号(SCAN_RSP:図7C参照)とによって携帯通信端末器20に情報(配信データ)を配信することができる。
上述したような情報配信システムにおいて、ビーコン機器10(制御ユニット11)は、例えば、図8に示す手順に従って、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期、即ち、配信データの発信周期の切り替え制御(第1の制御)を行う。
図8において、制御ユニット11は、ビーコン機器10のアドレス及び配信データを含む応答許容型アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND:図7A参照)をBLE通信ユニット12からBLEの規格に規定されるアドバタイジングにおいて5秒(s)周期(第2の頻度)で放送発信させる(S11:アドバタイズ信号発信制御手段)。これにより、BLE通信ユニット12からアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が5秒周期で放送発信される。この状態で、制御ユニット11は、前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の応答であるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)をBLE通信ユニット11が受信するか否かを繰り返し判定する(S12:応答受信態様判定手段)。
ここで、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に、BLE通信ユニット24が有効に機能する状態(アクティブ・スキャンの状態)の携帯通信端末器20が進入し、その携帯通信端末器20(BLE通信ユニット24)がビーコン機器10から放送発信されるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信すると、携帯通信端末器20は、その応答として、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ:図7B参照)をビーコン機器10(ビーコン機器10のアドレス)に宛てて送信する。更に、携帯通信端末器20は、前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に含まれる配信データを利用することができる。
前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を5秒周期で放送発信しているビーコン機器10において、制御ユニット11は、前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の応答であるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12により受信されたと判定すると、即ち、BLE通信ユニット12でのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信が1回あったことを受信態様として判定すると(S12でYES)、追加的な配信データを含むスキャン・レスポンス信号(SCAN_RSP:図7C参照)がBLE通信ユニット12から携帯通信端末器20(携帯通信端末器20のアドレス)に宛てて送信させる。
なお、ビーコン機器10からの前記スキャン・レスポンス信号(SCAN_RSP)を受信した携帯通信端末器20は、それに含まれる追加的な配信データも利用することができる。
そして、制御ユニット11は、前記配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を発信頻度がより高くなる100ミリ秒(ms)周期に変更し、BLE通信ユニット12から前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を100ミリ秒周期で放送発信させる(S13:発信頻度増加処理手段:第1の発信頻度変更手段:処理手段)。このような制御ユニット11の処理により、例えば、図9に示すように、ビーコン機器10は、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を5秒周期で放送発信している状態で、BLE通信ユニット12でのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信が1回あったことを当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様として判定すると、より高い発信頻度となる100ミリ秒周期で配信データを含む前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を放送発信するようになる。
以後、前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が100ミリ秒周期(第1の頻度)で放送発信しているビーコン機器10において、制御ユニット11は、10分(min)タイマをスタートさせ(S14)、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12により受信されたか否かを判定する(S15:応答受信態様判定手段)。スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されていないと判定したとき(S15でNO)、制御ユニット11は、10分タイマがタイムアップしたかどうかを判定し(S16)、タイムアップしていなければ(S16でNO)、再度、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されたか否かを判定する(S15)。このように、制御ユニット11は、10分タイマがタイムアップしたかどうかを確認しつつ(S16)、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されたか否か(S15)を繰り返し判定する。その過程で、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されたと判定されると(S15でYES)、制御ユニット11は、10分タイマをリスタートさせる(S17)。以後、制御ユニット11は、同様に、10分タイマのタイムアップの確認(S16)を行いつつ、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12により受信されたか否かの判定(S15)を繰り返し行う。そして、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信される(S15でYES)毎に、制御ユニット11は、10分タイマをリスタートさせる(S17)。
上記の過程で、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されることなく10分タイマがタイムアップすると、即ち、10分間継続してスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)してないことが、当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様として判定された場合(S16でYES)、制御ユニット11は、前記配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を発信頻度がより低くなる5秒周期に変更し、BLE通信ユニット12から前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を5秒周期で放送発信させる(S11:発信頻度減少処理手段:第1の発信頻度変更処理手段:処理手段)。このような制御ユニット11の処理により、例えば、図10に示すように、ビーコン機器10は、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を100ミリ秒周期で放送発信している状態で、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)信号の受信が継続して10分間無いことを当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様として判定すると、より低い発信頻度となる5秒周期で配信データを含む前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を放送発信するようになる。
以後、前述したのと同様に、制御ユニット11は、BLE通信ユニット12でのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様(1回の受信があったという受信態様、及び10分間受信が無かったという受信態様:S12、S16)に応じて、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)をBLE通信ユニット12から放送発信させる発信周期(頻度)を、100ミリ秒周期(高い頻度)と、5秒周期(低い頻度)との間で切り替える(S13、S11)。
放送したアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に応答するスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)を受信するということは、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信した携帯通信端末器20が存在したことを意味する。従って、上述したような制御ユニット11によるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期の切り替え制御処理により、10分間継続してスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)のBLE通信ユニット12での受信が無い場合、即ち、10分間継続してアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に含まれる配信データを受信するような携帯通信端末器20が存在しない状況では、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期が低い発信頻度である5秒周期になり、1回でもスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信があれば、即ち、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に含まれる配信データを受信するような携帯通信端末器20が存在する状況では、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期が高い発信頻度である100ミリ秒周期になる。これにより、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の放送発信に必要な電力を極力節約しつつ、より効率的に情報の配信を行うことができるようになる。
なお、前述した例では、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の1回の受信で、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を高い発信頻度である100ミリ秒周期に切り替え、また、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が継続して10分間受信されなかったときに、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を低い発信頻度である5秒周期に切り替えているが、発信周期(発信頻度)を切り替えるためのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様の条件は、これに限定されず、種々決めることができる。また、切り替えられるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期も、前述した100ミリ秒周期と5秒周期に限定されず、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の放送発信に必要な電力の節約、及び情報配信の効率等を考慮して種々決めることができる。
制御ユニット11は、図8に示す手順に代えて、図11に示す手順に従ってアドバタイズ信号の発信切り替えに係る処理を行うことができる。
図11において、制御ユニット11は、前述した例と同様に、応答許容型のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)をBLE通信ユニット12から5秒周期で放送発信させた状態で(S21:アドバタイズ信号発信制御手段)、その応答であるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12にて受信されたか否かを繰り返し判定している(S22:応答受信態様判定手段)。ここで、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されると(S22でYES)、即ち、ビーコン機器10(BLE通信ユニット12)から放送発信された配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信した携帯通信端末器20が存在すると、制御ユニット11は、前記応答許容型のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に代えて、前記配信データを含み、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の応答を許容しない種類の応答非許容型のアドバタイズ信号、例えば、アドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)を、前記5秒の周期より高い発信頻度となる100ミリ秒周期でBLE通信ユニット12から放送発信させる(S23:アドバタイズ信号変更処理手段・発信頻度変更処理手段)。なお、アドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)のペイロードの構造は、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)のもの(図7A参照)と基本的に同じである。
このような制御ユニット11の処理により、例えば、図12に示すように、ビーコン機器10は、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を5秒周期で放送発信している状態で、BLE通信ユニット12でのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信が1回あったことを当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様として判定すると、前記応答許容型のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に代えて、配信データを含み、応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)を、より高い発信頻度となる100ミリ秒周期で放送発信する。
その後、このように応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)が100ミリ秒周期でBLE通信ユニット12から放送発信されている状況において、制御ユニット11は、10分タイマをスタートさせ(S24)、その10分タイマがタイムアップしたか否かを繰り返し判定する(S25)。そして、10分タイマがタイムアップすると(S25でYES)、制御ユニット11は、応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)から応答許容型のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に戻して、配信データを含めたこのアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を、元の低い発信頻度の5秒周期でBLE通信ユニット12から放送発信させる(S21:アドバタイズ信号復帰処理手段・発信頻度復帰処理手段)。
このような制御ユニット11の処理により、例えば、図13に示すように、ビーコン機器10は、配信データを含む応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)を10分間継続して高い発信頻度となる100ミリ秒周期で放送発信すると、自動的に、前記応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)から応答許容型のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に復帰させ、配信データを含む前記応答許容型のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)をより低い発信頻度となる5秒周期で放送発信するようになる。
以後、前述したのと同様に、制御ユニット11は、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を低い発信頻度の5秒周期でBLE通信ユニット12に放送発信させた(S21)状態で、BLE通信ユニット12にてスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信される毎に、応答許容型の前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)から応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)に変えて、配信データを含めたそのアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)をBLE通信ユニット12から10分間にわたって高い発信頻度の100ミリ秒周期で放送発信させる(S23〜S25)。
上述したような制御ユニット11による配信データの配信に用いられるアドバタイズ信号の切り替え制御処理によれば、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が低い発信頻度である5秒周期で繰り返し放送発信されている状態において、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)のBLE通信ユニット12での受信が1回あって、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信する携帯通信端末20の存在が確認された場合、応答許容型であるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に代えて、配信データを含む応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_INN)が放送発信されるようになる。従って、配信データを受信する携帯通信端末器20が存在する状況であると判定された場合には、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の応答を待つことなく、応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)を用いて効率的に配信データを配信することができる。また、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の待ち動作、受信動作等が省かれる分、省電力化を図ることができる。
また、上述したように、配信データを受信する携帯通信端末器20が存在する状況であると判定された場合には、応答許容型のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に代えて応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)を用いて配信データが配信されるとともに、その応答非応答型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)が前記応答許容型のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の放送発信の発信頻度(5秒周期)より高い頻度の発信周期(100ミリ秒周期)で放送発信されるので、更に、効率的に配信データの配信を行うことができる。
そして、いつまでも応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)を発信し続けることではなく、そのアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)が10分間継続して放送発信されると、自動的に、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)によって受信されたことが確認できる応答許容型のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に復帰され、そのアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が放送発信されるようになるので、配信データが実際に携帯通信端末器20によって受信されたかが判らない状況で当該配信データが配信され続けてしまうことを防止することができる。
なお、アドバタイズ信号を切り替えるためのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様の条件は、これに限定されず、種々決めることができ、また、切り替えられるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期も、前述した100ミリ秒周期と5秒周期に限定されず、情報配信の効率等を考慮して種々決めることができる。また、放送発信すべきアドバタイズ信号を応答非許容型のアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)から自動的に応答許容型のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に復帰させるまでの時間は、10分間に限定されず、適宜設定することができる。
また、前述した例では、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様(1回の受信、10分間継続して受信されない)に応じて、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_INDまたはADV_NONCONN_IND)の発信周期を切り替えるものであったが、その発信周期を、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_INND)の発信とアドバタイズ信号(ADV_NONCONN_IND)の発信とで、切り替えなくてもよい。
ビーコン機器10(制御ユニット11)は、例えば、図14に示す手順に従って、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期、即ち、配信データの発信周期の切り替え制御(第2の制御)を行うことができる。この例では、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信する相手(携帯通信端末器)に応じて、当該アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期が切り替え制御される。
ビーコン機器10では、例えば、必ず配信データを入手することを望むユーザの携帯通信端末器20を特定するアドレス(識別情報)を登録したリストが記憶ユニット13(図2参照)に記憶されている。
図14において、制御ユニット11は、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)をBLE通信ユニット12から低い発信頻度となる5秒周期で放送発信させた状態で(S31)、その応答であるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12で受信されたか否か(S32)を繰り返し判定する(S32)。ここで、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されると(S32でYES)、即ち、ビーコン機器(BLE通信ユニット12)から放送発信された配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信した携帯通信端末器20が存在すると、制御ユニット11は、更に、受信されたスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ:図7B参照)に含まれる、当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の発信元である携帯通信端末器20のアドレス(識別情報)が、記憶ユニット13に記憶された前記リストに登録されているか否かを判定する(S33)。登録されていない場合(S33でNO)、制御ユニット11は、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の5秒周期での放送発信を維持させつつ、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されたか否かを判定する(S32)。
このように、受信されるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の発信元のアドレスが前記リストに登録されていない場合(S33でNO)には、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の5秒周期での放送発信が維持される。そして、その状態において、受信されたスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の発信元のアドレスが前記リストに登録されていると(S33でYES:応答送信元判定手段)、即ち、前記リストに登録されたアドレスにて特定される携帯通信端末器20によって配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が受信されている状況では、制御ユニット11は、前記配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を発信頻度がより高い100m秒周期に変更し、BLE通信ユニット12から前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を100ミリ秒周期で放送発信させる(S34:第2の発信頻度変更処理手段)。
そして、制御ユニット11は、10分タイマをスタートさせ(S35)、前記リストに登録されたアドレスにて特定される携帯通信端末器20からスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)を受信したと判定する(S36でYES)毎に、前記10分タイマをリスタートさせて(S37)、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を高い発信頻度の100ミリ秒周期でBLE通信ユニット12から放送発信する状態を維持させる。ここで、前記リストに登録されたアドレスにて特定される携帯通信端末器20からのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されない状態(S36でNO)が10分間継続すると(S38でNO)、即ち、前記リストに登録されたアドレスにて特定される携帯通信端末器20によって配信データが10分間継続して受信されていない状況であると、制御ユニット11は、前記配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を発信頻度がより低い5秒周期に変更し、BLE通信ユニット12から前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を5秒周期で放送発信させる(S31:第2の発信頻度変更処理手段)。
以後、同様に、前記リストに登録されたアドレスで特定される携帯通信端末器20からスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)信号を受信すると(S32YES、S33YES)、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を高い発信頻度の100ミリ秒周期で放送配信し(S34)、該アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が100ミリ秒周期で放送配信されている状況において、前記リストに登録されたアドレスにて特定される携帯通信端末20から10分間継続して前記スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)を受信しない状況(S35〜S38)では、前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が低い発信頻度の5秒周期で放送配信される。
上述したような制御ユニット11によるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期の切り替え制御処理により、リストに登録されたアドレスで特定される、例えば、必ず配信データを入手することを望むユーザの携帯通信端末器20からのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12で受信されている場合には、即ち、そのように配信データを入手することを望むユーザの携帯通信端末器20が配信データを受信している状況では、当該配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が高い発信頻度の100ミリ秒周期で放送発信される。一方、前記リストに登録されていないアドレスで特定される携帯通信端末からのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12で受信されている場合、あるいは、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が全く受信されない場合には、前記配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が低い発信頻度の5秒周期で放送発信される。
従って、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に、必ず配信データを入手することを望むユーザの携帯通信端末器20が存在する場合には、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信頻度が高くなって(例えば、100ミリ秒周期)、そのアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に含まれる配信データがより確実に携帯通信端末20にて受信できるようになる。一方、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に、必ず配信データを入手することを望むかどうか不明なユーザの携帯通信端末器20が存在する場合、あるいは、全く携帯通信端末器20が存在しない状況では、消費電力を抑えた低い発信頻度の5秒周期でアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が放送発信される。その結果、省電力化を図りつつ、より効率的に情報の配信が可能になる。
ビーコン機器10では、例えば、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に異常に長く滞在して、放送発信されるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を異常に長い時間受信している携帯通信端末を特定するアドレスを登録したリストを記憶ユニット13に記憶させおくことができる。そのような携帯通信端末器のアドレスは、例えば、図15に示す手順に従ってリストに登録される。
図15において、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が、例えば、比較的発信頻度が高い100ミリ秒周期で放送発信されている状態で、制御ユニット11は、前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に対する同じアドレス(例えば、AA:BB:CC)で特定される携帯通信端末器からの応答であるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が、例えば、10秒間で1回以上の頻度で受信されるか否かを判定する(S41)。前記スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がそのような頻度で受信されない場合(S41でNO)、制御ユニット11は、1時間タイマをリセットして(S42)、再度、同じ携帯通信端末器からのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が、前記頻度にて受信されるか否かを判定する(S41)。
このように、制御ユニット11は、10秒間で1回以上の頻度では同じ携帯通信端末器からのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されないことを確認する(S41でNO)毎に、1時間タイマをリセットする(S42)ことを繰り返す。その過程で、同じ携帯通信端末器からのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が10秒間で1回以上の頻度で受信されると(S41でYES)、制御ユニット11は、前記1時間タイマを、経過時間分、例えば、10秒間分をカウントアップさせ(S43)、その1時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S44)。以後、1時間タイマがタイムアウトしない状況において、10秒間で1回以上の頻度で同じ携帯通信端末器からのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)を受信する(S41でYES)毎に、制御ユニット11は、1時間タイマを経過時間分カウントアップする(S43)一方、10秒間で1以上の頻度で同じ携帯端末器からのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)を受信できない場合(S41でNO)、前記1時間タイマをリセットする(S42)。上記の処理の過程において、前記1時間タイマがタイムアップすると(S44でYES)、制御ユニット11は、前記スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の送信元である携帯通信端末器を特定するアドレス(識別情報)を記憶ユニット13に記憶されたリストに登録する(S45)。
上記のようにして、例えば、図17に示すように、ビーコン機器10のBLE通信可能領域に異常に長く滞在して、例えば、1時間連続的に滞在して、100ミリ秒周期でビーコン機器10から放送発信されるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信し、それに応答してスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)を送信し続ける携帯通信端末器を特定するアドレス(例えば、AA:BB:CC:識別情報)がリストに登録される。
上記のようにして携帯通信端末器のアドレスが登録されたリストを用いて、制御ユニット11は、例えば、図16に示す手順に従って、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期、即ち、配信データの発信周期の切り替え制御(第3の制御)を行うことができる。この例でも、図14に示す手順に従ったアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期の制御と同様に、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信する相手(携帯通信端末器)に応じて、当該アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期が切り替え制御される。
前述した図14に示す手順では、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信された際に、そのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の送信元である携帯通信端末器を特定するアドレスがリストに登録されている場合に、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を高い発信頻度の周期(例えば、100ミリ秒周期)に切り替えるものであったが、図16に示す手順では、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信された際に、そのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の送信元である携帯通信端末器を特定するアドレスがリストに登録されていない場合に、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を高い発信頻度の周期(例えば、100ミリ秒周期)に切り替えるものである。
図16において、図14に示す手順と同様に、BLE通信ユニット12にて配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が低い発信頻度の5秒周期で放送発信されている状態(S31)で、制御ユニット11は、その応答としてスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されると(S32でYES)、そのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の送信元の携帯通信端末器20を特定するアドレスがリストに登録されているか否かを判定する(S33a)。前記送信元の携帯端末通信器20のアドレスが前記リストに登録されていなければ(S33aでNO)、制御ユニット11は、図14に示す手順と同様に、前記配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を発信頻度がより高い100m秒周期に変更し、BLE通信ユニット12から前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を100ミリ秒周期で放送発信させる(S34:第2の発信頻度変更処理手段)。
そして、制御ユニット11は、10分タイマをスタートさせ(S35)、アドレスが前記リストに登録されていないと判定された前記携帯通信端末器20から継続的にスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信される状況では、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を高い発信頻度の100ミリ秒周期でBLE通信ユニット12から放送発信する状態を維持させる(S36、S37、S38)。一方、アドレスが前記リストに登録されていないと判定された前記携帯通信端末器20からのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されない状態(S36でNO)が10分間継続すると(SでNO)、制御ユニット11は、前記配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を発信頻度がより低い5秒周期に変更し、BLE通信ユニット12から前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を5秒周期で放送発信させる(S31:第2の発信頻度変更処理手段)。
そして、BLE通信ユニット11で受信されるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信された際に(S32でYES)、その送信元の携帯通信端末を特定するアドレスが前記リストに登録されていると(S33aでYES)、制御ユニット11は、前記配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が低い発信頻度の5秒周期で放送発信される状態を維持させる。
上述したように、図16に示す手順に従った配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期の切り替え制御によれば、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の送信元の携帯通信端末器20のアドレスがリストに登録されていない場合、前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が高い発信頻度の100ミリ秒周期で放送発信される。一方、図17に示すように、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の送信元の携帯通信端末器20のアドレス(例えば、AA:BB:CC)がリストに登録されている場合、前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が低い発信頻度の5秒周期で放送発信される。
前記リストに登録されているアドレスは、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に異常に長く滞在して、放送発信されるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を異常に長い時間受信している携帯通信端末器を特定している。即ち、リストに登録されたアドレスで特定される携帯通信端末器は、本来の配信データを受信するためにビーコン機器10のBLE通信可能エリアに滞在するものではない、と見なし得る。従って、図16に示す手順に従った配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期の切り替え制御によれば、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に配信データを受信する携帯通信端末器が滞在している状態であっても、その携帯通信端末器のアドレスがリストに登録されて、当該携帯通信端末器が本来の配信データを受信するためにビーコン機器10のBLE通信可能エリアに滞在するものではない、と見なし得る場合には、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)は、高い発信頻度ではなく、低い発信頻度の5秒周期で放送発信される。その結果、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の放送発信に係る電力消費の無駄を極力抑えることができる。
ビーコン機器10の制御ユニット11は、図18に示す手順に従って、照明灯、センサ類等の外部機器のオン・オフ制御を行うことができる。この場合、外部機器の動作の影響を受ける領域(例えば、照明領域、センサの感知領域等)とビーコン機器10のBLE通信可能エリアとがオーバーラップしている。
図18において、外部機器がオフ状態(S51)で、制御ユニット11は、BLE通信ユニット12にアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を所定の周期、例えば、100ミリ秒周期で放送発信させる(S52)。このようにしてBLE通信ユニット12からアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が100ミリ秒周期で繰り返し放送発信されている状態で、制御ユニット11は、前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の応答となるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12により受信されたか否かを繰り返し判定している(S53)。ここで、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に進入して、そのビーコン機器10(BLE通信ユニット12)から放送発信される前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信した携帯通信端末器20から送信されるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12にて受信されたことを当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様として判定すると(S53でYES)、制御ユニット11は、前記外部機器をオンさせる(S54:動作制御手段)。
その後、制御ユニット11は、1分タイマをスタートさせ(S55)、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されたか否かを判定する(S56)。ここで、1つのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されたことを当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様として判定すると(S56でYES)、即ち、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に携帯通信端末機器20が存在していると、制御ユニット11は、1分タイマをリスタートさせる(S57)。そして、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されている(S56でYES)間、1分タイマが繰り返しリスタートされる(S57)。このように、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されている間、即ち、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に携帯通信端末機器20が存在している状態で、外部機器はオン状態が維持される。一方、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12により受信されない(S56でNO)状態が1分間継続すると(S58でYES)、制御ユニット11は、前記外部機器をオフさせる(S51:動作制御手段)。以後、前述したのと同様の手順に従って、制御ユニット11は、外部機器のオン・オフの動作制御を行う。
上述したような外部機器のオン・オフの動作制御により、図19に示すように、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に携帯通信端末器20が存在して、100ミリ周期で放送発信されるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に応答してスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されると、外部機器がオンされる。一方、100ミリ秒周期で放送発信される前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に応答したスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が1分間継続して受信されない、即ち、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に携帯通信端末機器20が存在しない状態が継続して1分間継続すると、前記外部機器がオフされる。
上述したような照明灯やセンサ等の外部機器のオン・オフの動作制御によれば、その外部機器の動作の影響を受ける領域内に携帯通信端末機器20を所持した人が存在すれば、前記外部機器がオンされ、そのような領域内に携帯通信端末機器を所持した人が存在しなければ、前記外部機器がオフされる。従って、外部機器の省電力化を図ることができる。
ビーコン機器10の制御ユニット11は、図20に示す手順に従って、外部センサのオン・オフの動作制御及び該外部センサでの検出値の配信制御を行うことができる。
図20において、外部センサのパワーがオフされた状態(S61)で、制御ユニット11は、BLE通信ユニット12にアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を所定の周期、例えば、100ミリ秒周期で放送発信させる(S62)。このようにしてBLE通信ユニット12からアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が100ミリ秒周期で繰り返し放送発信されている状態で、制御ユニット11は、前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の応答となるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12により受信されたか否かを繰り返し判定している(S63)。ここで、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に進入して、そのビーコン機器10(BLE通信ユニット12)から放送発信される前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信した携帯通信端末器20から送信されるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12にて受信されたことを当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様として判定すると(S53でYES)、制御ユニット11は、前記外部センサのパワーをオンさせる(S64:動作制御手段)。
そして、制御ユニット11は、外部センサから出力される検出信号が表す値(以下、検出値という)を取得し(S65)、その検出値をアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)のペイロード(図6及び図7A参照)における所定の位置に設定する(S66)。これにより、前記外部センサから出力される検出値を配信データとして含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)が前記100ミリ秒周期で繰り返し放送発信される。そして、ビーコン機器10のBLE通信可能エリアに存在して前記アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)受信する携帯通信端末器20は、前記検出値を利用することができる。
その後、制御ユニット11は、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されたか否かを判定する(S67)。ここで、1つのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されたことを当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様として判定すると(S67でYES)、即ち、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に携帯通信端末機器20が存在していると、制御ユニット11は、1分タイマをリスタートさせる(S68)。そして、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信されている(S56でYES)間、1分タイマのリスタート(S68)、外部センサからの検出値取得(S65)、前記検出値のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)への設定(S66)が繰り返し実行される。それにより、100ミリ秒周期で放送発信されるアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に含まれる検出値が更新される。一方、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12により受信されない(S56でNO)状態が1分間継続すると(S69でYES)、制御ユニット11は、前記外部センサのパワーをオフさせる(S61:動作制御手段)。以後、前述したのと同様の手順に従って、制御ユニット11は、外部センサのパワーのオン・オフの動作制御及びアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に含まれる検出値の更新が行われる。
上述したような外部センサのパワーのオン・オフ制御によれば、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に携帯通信端末器20が存在している状況では、外部センサのパワーがオンされ、その外部センサの検出信号に基づいた検出値がアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に含められて、携帯通信端末機器20に配信される。一方、ビーコン機器10のBLE通信可能エリア内に携帯通信端末器20が存在しない状況では、外部センサのパワーがオフされ、その外部センサの検出信号に基づいた検出値のアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を利用した配信は行われない。従って、外部センサの省電力化を図るとともに、外部センサの検出信号に基づいた検出値を効率的に配信することができる。
なお、上述した各例では、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の受信態様に応じて何らかの処理を行うものであったが、本発明はそれに限定されない。その受信態様を表す情報を単に提示する、あるいは、所定の通信ネットワークを介してサーバ等の上位装置に提供するようにしてもよい。この受信態様に基づいて、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)、即ち、それに含まれる配信データが携帯通信端末器20に受信されている状況を判断することができるようになる。
また、前記スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)のBLE通信ユニット12での受信態様は、前述したものに限定されない。
制御ユニット11は、例えば、BLE通信ユニット12で受信されるスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を、当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様として判定する(受信強度判定手段)ことができる。このスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信強度は、そのスキャン・リクエスト信号を発信する携帯通信端末器20のビーコン機器10からの距離に対応し得る。従って、その受信強度(受信形態)から、配信データがビーコン機器10からどのくらいの距離範囲に存在する携帯通信端末によって受信されているかを確認することができる。制御ユニット11は、その受信強度(受信態様)に応じて、例えば、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に含めるべき配信データの内容を変える、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を変える等の処理を行うことができる(処理手段)。
制御ユニット11は、例えば、BLE通信ユニット12にてスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)が受信される回数を、当該スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様として判定する(応答回数判定手段)ことができる。この場合、その回数(受信回数)により、ビーコン機器10から配信される配信データがどの程度の量の携帯通信端末器によって受信されているかを確認することができる。制御ユニット11は、そのスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の回数(受信態様)に応じて、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信周期を変える等の処理を行うことができる(処理手段)。
制御ユニット11は、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)のBLE通信ユニット12での受信態様、例えば、前述したスキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信強度に応じて、あるいは、前述したスキャン・リクエスト信号に含まれる識別情報にて特定される通信端末機器から当該スキャン・リクエスト信号が受信されたか否かに応じて、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)に含めるべき配信データの内容を変えること(配信情報変更手段)ができる。
更に、制御ユニット11は、例えば、前記スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信態様、例えば、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)の受信の有無に応じて、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)の発信強度を変える(発信強度変更処理手段)ことができる。例えば、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12にて受信されない状況、即ち、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信する携帯通信端末器20が存在しない場合、制御ユニット11は、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を比較的低い発信強度で放送発信し、スキャン・リクエスト信号(SCAN_REQ)がBLE通信ユニット12にて少なとも1回受信された状況、即ち、配信データを含むアドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を受信する携帯通信端末器20が存在する場合、制御ユニット11は、アドバタイズ信号(ADV_SCAN_IND)を比較的高い発信強度で放送発信する。このような制御によれば、省電力化を図りつつ、確実に配信データを携帯通信端末器20に配信することができる。