JP6570477B2 - 結像光学系、投写型表示装置、および撮像装置 - Google Patents

結像光学系、投写型表示装置、および撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、特に、液晶表示素子やDMD(Digital Micromirror Device:登録商標)等のライトバルブを搭載した投写型表示装置に用いられるのに好適な結像光学系、この結像光学系を備えた投写型表示装置、および、この結像光学系を備えた撮像装置に関するものである。
近年、液晶表示素子やDMDなどのライトバルブを搭載した投写型表示装置(プロジェクタともいう)が広く普及し、かつ高性能化してきている。
近年では、ライトバルブの性能向上を受けて、ライトバルブと組み合わされる結像光学系には、ライトバルブの解像度に見合った良好な収差補正が求められている。また、投写型表示装置を用いて大ホールや展示会等で大画面に投写する場面や、より短い投写距離でより大きな画面サイズが求められる場面が増加していることから、より広角な結像光学系が要望されるようになっている。さらに、拡大像は歪みが目立つことから歪みの少ない像を投写可能な結像光学系が求められている。
このような要望に応えるべく、複数枚のレンズからなる縮小側光学系で中間像を形成し、複数枚のレンズからなる拡大側光学系で再結像させる結像光学系が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2006−523318号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光学系は、Fナンバーが十分小さいものではない。より高輝度な投写型表示装置を実現するためにFナンバーが小さい結像光学系が求められている。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、Fナンバーが小さく、良好な光学性能を有する結像光学系、この結像光学系を備えた投写型表示装置、および、この結像光学系を備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明の結像光学系は、縮小側共役面上の画像表示面に表示された画像を、拡大側共役面上に拡大像として投写可能な結像光学系であって、拡大側から順に、複数のレンズにより構成された第1光学系と、複数のレンズにより構成され全体として負の屈折力を有する第2光学系とから実質的になり、第2光学系は、画像表示面上の画像を中間像として結像させ、第1光学系は、中間像を拡大側共役面上に結像させ、第2光学系は、拡大側から順に、全体として正の屈折力を有する前群と、後群とから実質的になり、後群は、自身の拡大側焦点位置が自身の最も拡大側のレンズ面より拡大側に位置するレンズ群のうち、含まれるレンズ枚数が最大となるレンズ群であり、下記条件式(1)〜(3)、および(5)全てを満足することを特徴とする。
4<|fG2a/f|<9 (1)
1<|f2/Imφ|<8 (2)
0.7<|f/f1|<1.1 (3)
18<Bf×Imφ/f <100 (5)
ただし、
fG2a:前群の焦点距離
f:全系の焦点距離
f2:第2光学系の焦点距離
Imφ:縮小側における有効像円直径
f1:第1光学系の焦点距離
Bf:空気換算距離での全系のバックフォーカス
本発明の結像光学系においては、下記条件式(1−1)〜(3−1)、および(5−1)のうちの少なくとも1つを満足することが好ましい。
4<|fG2a/f|<8 (1−1)
1.5<|f2/Imφ|<8 (2−1)
0.7<|f/f1|<1.05 (3−1)
20<Bf×Imφ/f <100 (5−1)
本発明の結像光学系においては、下記条件式(4)を満足することが好ましく、下記条件式(4−1)を満足することがより好ましい。
3<TLG2/Imφ<8 (4)
3<TLG2/Imφ<7 (4−1)
ただし、
TLG2:光軸上における第2光学系の最も拡大側の面から最も縮小側の面までの距離
Imφ:縮小側における有効像円直径
本発明の結像光学系の第2光学系の最も拡大側のレンズは正レンズであることが好ましい。そのようにした場合、下記条件式(6)を満足することが好ましく、下記条件式(6−1)を満足することがより好ましい。
1.55<Nd2a<2.2 (6)
1.60<Nd2a<2.2 (6−1)
ただし、
Nd2a:第2光学系の最も拡大側のレンズのd線に関する屈折率
本発明の結像光学系においては、下記条件式(7)を満足することが好ましく、下記条件式(7−1)を満足することがより好ましい。
0.05<Dmin/f1<10 (7)
0.05<Dmin/f1<5 (7−1)
ただし、
Dmin:光軸上における中間像と中間像に最も近いレンズ面との距離
f1:第1光学系の焦点距離
本発明の投写型表示装置は、光源と、この光源からの光が入射するライトバルブと、このライトバルブにより光変調された光による光学像をスクリーン上に投写する結像光学系としての上記の本発明の結像光学系とを備えたものである。
本発明の撮像装置は、本発明の結像光学系を備えたものである。
なお、本発明の結像光学系が投写型表示装置に適用される場合は、上記「拡大側」は、被投写側(スクリーン側)を意味し、縮小投写する場合も便宜的にスクリーン側を拡大側と称するものとする。一方、上記「縮小側」は、原画像表示領域側(ライトバルブ側)を意味し、縮小投写する場合も便宜的にライトバルブ側を縮小側と称するものとする。
また、「バックフォーカス」については、拡大側をフロント側と考え、縮小側をバック側と考えるものとする。
なお、上記「〜から実質的になり」とは、構成要素として挙げたもの以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、およびパワーを有さない反射部材、絞り、マスク、カバーガラス、フィルタ等のレンズ以外の光学要素等を含んでもよいことを意図するものである。
なお、上記「前群」および「後群」は、必ずしも複数のレンズから構成されるものだけでなく、1枚のレンズのみで構成されるものも含むものとする。上記レンズ群の屈折力の符号、および上記レンズの屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。上記条件式はd線(波長587.6nm)に関するものである。
本発明によれば、拡大側から順に、第1光学系と、第2光学系とからなり、第2光学系により中間像を結像させる光学系において、第2光学系の構成を好適に設定し、所定の条件式を満足するように構成しているため、Fナンバーが小さく、良好な光学性能を有する結像光学系、この結像光学系を備えた投写型表示装置、および、この結像光学系を備えた撮像装置を提供することができる。
本発明の実施例1の結像光学系の構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例2の結像光学系の構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例3の結像光学系の構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例1の結像光学系の各収差図である。 本発明の実施例2の結像光学系の各収差図である。 本発明の実施例3の結像光学系の各収差図である。 本発明の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。 本発明の別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る撮像装置の前側の斜視図である。 図10に示す撮像装置の背面側の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる結像光学系の構成を示す断面図である。図1に示す構成例は、後述の実施例1に対応している。図1においては、左側が拡大側、右側が縮小側である。また、図1では軸上光束wa、中間画角の光束wb、および最大画角の光束wcも合わせて示している。
この結像光学系は、縮小側共役面上に配置された画像表示面Simに表示された画像を、拡大側共役面上に拡大像として投写可能なものである。具体的には、この結像光学系が投写型表示装置に搭載された際には、ライトバルブの画像表示面Simに表示された画像をスクリーン上へ拡大像として投写可能である。画像表示面Simの位置が縮小側共役面の位置に対応し、スクリーンの位置が拡大側共役面の位置に対応する。なお、図1では、投写型表示装置に搭載される場合を想定して、色合成部または照明光分離部に用いられるフィルタやプリズム等を想定した平行平面を有する光学部材PPと、光学部材PPの縮小側の面に位置するライトバルブの画像表示面Simも合わせて図示している。投写型表示装置においては、画像表示面Simで画像情報を与えられた光束が、光学部材PPを介して、この結像光学系に入射され、この結像光学系により不図示のスクリーン上に投写される。
なお、図1では、光学部材PPの縮小側の面の位置と画像表示面Simの位置とが一致した例を示しているが、必ずしもこれに限定されない。また、図1では図の簡略化のために1枚の画像表示面Simのみを示しているが、投写型表示装置において、光源からの光束を色分離光学系により3原色に分離し、各原色用に3つのライトバルブを配設して、フルカラー画像を表示できるように構成してもよい。
この結像光学系では、光軸Zに沿って拡大側から順に、複数のレンズにより構成された第1光学系G1と、複数のレンズにより構成され全体として負の屈折力を有する第2光学系G2とから実質的になる。図1の例では、第1光学系G1は、拡大側から順に、レンズL1a〜L1kの11枚のレンズからなり、第2光学系G2は、拡大側から順に、レンズL2a〜L2iの9枚のレンズからなる。しかし、第1光学系G1および第2光学系G2は、図1に示す例と異なる枚数のレンズで構成することも可能である。
第2光学系G2は、画像表示面上の画像を中間像MIとして結像させ、第1光学系G1は、中間像MIを拡大側共役面上に結像させるように構成されている。第2光学系G2はリレー光学系として機能するものである。なお、図1では中間像MIは光軸近傍のみを点線で示している。
中間像を結ばない光学系のみで構成された結像光学系は、焦点距離を短くして広角化をしようとすると、どうしても拡大側のレンズが大きくなりすぎてしまうが、本実施形態のように中間結像させる方式の結像光学系では、第1光学系G1のバックフォーカスを短縮できるので、第1光学系G1の拡大側のレンズ径を小さくすることが可能であり、焦点距離を短くして広角化するのに適している。
第2光学系G2は、全体として負の屈折力を有するように構成される。これにより、第1光学系G1の拡大側のレンズ径を小さくすることが可能である。
また、第2光学系G2は、拡大側から順に、全体として正の屈折力を有する前群G2aと、後群G2bとから実質的になる。後群G2bは、最も縮小側のレンズを含む第2光学系G2内のレンズ群であり、自身の拡大側焦点位置が自身の最も拡大側のレンズ面より拡大側に位置するレンズ群のうち、含まれるレンズ枚数が最大となるレンズ群である。第2光学系G2の中で、最も縮小側のレンズを含み、自身の拡大側焦点位置が自身の最も拡大側のレンズ面より拡大側に位置するという条件に適合するレンズ群が複数存在する場合がある。例えば図1の例では、レンズL2iのみからなるレンズ群、レンズL2h〜L2iからなるレンズ群、レンズL2f〜L2iからなるレンズ群が、この条件に適合する。これら3つのレンズ群のうち、含まれるレンズ枚数が最大となるレンズ群は、レンズL2f〜L2iからなるレンズ群である。したがって図1の例の後群G2bは、レンズL2f〜L2iの4枚のレンズからなるレンズ群となる。そして、前群G2aは、レンズL2a〜L2eの5枚のレンズからなるレンズ群となる。
上記のように後群G2bを規定して第2光学系G2において前群G2aと後群G2bを群分けすると、軸外光束の主光線が光軸Zと交わる位置は前群G2aと後群G2bの間、またはその付近に位置することになる。第2光学系G2の縮小側がテレセントリックに構成されている場合は、前群G2aと後群G2bの間、またはその付近に瞳位置が配置されることになる。
この結像光学系は、下記条件式(1)〜(3)全てを満足するように構成される。
4<|fG2a/f|<9 (1)
1<|f2/Imφ|<8 (2)
0.7<|f/f1|<1.1 (3)
ただし、
fG2a:前群の焦点距離
f:全系の焦点距離
f2:第2光学系の焦点距離
Imφ:縮小側における有効像円直径
f1:第1光学系の焦点距離
条件式(1)の下限以下とならないようにすることで、第2光学系G2のリレー倍率が小さくなりすぎるのを防ぐことができ、結果として第1光学系G1での収差補正が容易となる。仮に、第2光学系G2のリレー倍率が小さくなりすぎると、系全体の投写倍率を確保するためには第1光学系G1での拡大倍率をより大きくしなければならなくなり、そうすると第2光学系G2から中間像MIまでに発生する色収差が第1光学系G1で拡大されてしまうため、第1光学系G1での収差補正が困難になる。また、条件式(1)の下限以下とならないようにすることで、リレー倍率を適切に収めながら画角を確保することが容易となる。
前群G2aが全体として正の屈折力を有し、条件式(1)の上限以上とならないようにすることで、前群G2aの光軸方向の長さを抑えることができ、第2光学系G2の光軸方向の長さが長くなりすぎるのを防ぐことができる。また、条件式(1)の上限以上とならないようにすることで、小さなFナンバーを確保しながら、前群G2aのレンズ径の大径化を抑えることができる。さらに、条件式(1)の上限以上とならないようにすることで、第2光学系G2の適切な長さのバックフォーカスを実現しながら、リレー倍率が小さくなりすぎるのを防ぐことができる、あるいは容易に画角を確保することができる。
条件式(1)に関する効果を高めるためには下記条件式(1−1)を満足することが好ましく、下記条件式(1−2)を満足することがより好ましい。
4<|fG2a/f|<8 (1−1)
5.5<|fG2a/f|<8 (1−2)
条件式(2)の下限以下とならないようにすることで、第1光学系G1内の縮小側のレンズの屈折力が強くなりすぎないようにすることができ、像面湾曲の補正が容易となる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることで、第2光学系G2の拡大側のレンズ径より、第1光学系G1の縮小側のレンズ径を小さくできるので、Fナンバーが小さく、広角のレンズ系となるよう構成しても全体のレンズ径を小さくすることが容易となる。
条件式(2)に関する効果を高めるためには下記条件式(2−1)を満足することが好ましく、下記条件式(2−2)を満足することがより好ましい。
1.5<|f2/Imφ|<8 (2−1)
1.9<|f2/Imφ|<7.5 (2−2)
条件式(3)の下限以下とならないようにすることで、第1光学系G1の拡大倍率を低く抑えることができるので、倍率色収差等の収差を所定量に補正することが容易となる。条件式(3)の上限以上とならないようにすることで、第2光学系G2の拡大側のレンズ径より、第1光学系G1の縮小側のレンズ径を小さくできるので、Fナンバーが小さく広角のレンズ系となるよう構成しても全体のレンズ径を小さくすることが容易となる。
条件式(3)に関する効果を高めるためには下記条件式(3−1)を満足することが好ましく、下記条件式(3−2)を満足することがより好ましい。
0.7<|f/f1|<1.05 (3−1)
0.75<|f/f1|<1.05 (3−2)
また、この結像光学系は下記条件式(4)を満足することが好ましい。
3<TLG2/Imφ<8 (4)
ただし、
TLG2:光軸上における第2光学系の最も拡大側の面から最も縮小側の面までの距離
Imφ:縮小側における有効像円直径
条件式(4)の下限以下とならないようにすることで、第2光学系G2の球面収差および軸上色収差の補正が容易となる。条件式(4)の上限以上とならないようにすることで、レンズ系全体の全長を抑えることが容易となる。
条件式(4)に関する効果を高めるためには下記条件式(4−1)を満足することが好ましく、下記条件式(4−2)を満足することがより好ましい。
3<TLG2/Imφ<7 (4−1)
3.3<TLG2/Imφ<6.5 (4−2)
また、この結像光学系は下記条件式(5)を満足することが好ましい。
18<Bf×Imφ/f<100 (5)
ただし、
Bf:空気換算距離での全系のバックフォーカス
Imφ:縮小側における有効像円直径
f:全系の焦点距離
条件式(5)の下限以下とならないようにすることで、必要な長さの全系のバックフォーカスを確保することができる。条件式(5)の上限以上とならないようにすることで、レンズ系全体の全長を抑えることが容易となる。
条件式(5)に関する効果を高めるためには下記条件式(5−1)を満足することが好ましく、下記条件式(5−2)を満足することがより好ましい。
20<Bf×Imφ/f<100 (5−1)
28<Bf×Imφ/f<100 (5−2)
第2光学系G2の最も拡大側のレンズは正レンズであることが好ましい。このようにした場合は第2光学系G2のレンズ外径を小さくすることができる。
第2光学系G2の最も拡大側のレンズは正レンズの場合は、下記条件式(6)を満足することが好ましい。
1.55<Nd2a<2.2 (6)
ただし、
Nd2a:第2光学系の最も拡大側のレンズのd線に関する屈折率
条件式(6)の下限以下とならないようにすることで、像面湾曲の補正が容易となる。条件式(6)の上限以上とならないようにすることで、透過率およびコストの点で有利となる。
条件式(6)に関する効果を高めるためには下記条件式(6−1)を満足することが好ましく、下記条件式(6−2)を満足することがより好ましい。
1.60<Nd2a<2.2 (6−1)
1.65<Nd2a<2.2 (6−2)
なお、この結像光学系の全レンズのd線に関する屈折率は2.2より小さいことが好ましい。
また、この結像光学系は下記条件式(7)を満足することが好ましい。
0.05<Dmin/f1<10 (7)
ただし、
Dmin:光軸上における中間像と中間像に最も近いレンズ面との距離
f1:第1光学系の焦点距離
条件式(7)の下限以下とならないようにすることで、レンズの傷およびレンズに付着した塵が目立ちにくくなり良好な画像の取得に貢献できる。条件式(7)の上限以上とならないようにすることで、レンズ系全体の全長を抑えることに有利となる。
条件式(7)に関する効果を高めるためには下記条件式(7−1)を満足することが好ましい。
0.05<Dmin/f1<5 (7−1)
上述した好ましい構成および可能な構成は、任意の組合せが可能であり、要求される仕様に応じて適宜選択的に採用されることが好ましい。本実施形態によれば、小さなFナンバーを有し、良好な光学性能を有する結像光学系を実現することが可能である。この結像光学系は、3.0以下のFナンバーを有することが好ましく、2.5以下のFナンバーを有することがより好ましい。
次に、本発明の結像光学系の数値実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1の結像光学系のレンズ構成は図1に示したものであり、その図示方法は上述したとおりであるので、ここでは重複説明を省略する。実施例1の結像光学系は、拡大側から順に、第1光学系G1と、全体として負の屈折力を有する第2光学系G2とからなる。第2光学系G2は、拡大側から順に、全体として正の屈折力を有する前群G2aと、後群G2bとからなる。第2光学系が画像表示面上の画像を中間像として結像させ、第1光学系G1がこの中間像を拡大側共役面上に結像させる。以上が基本構成である。
第1光学系G1は、拡大側から順に、レンズL1a〜L1kの11枚のレンズからなり、第2光学系G2の前群G2aは、拡大側から順に、レンズL2a〜L2eの5枚のレンズからなり、第2光学系G2の後群G2bは、拡大側から順に、レンズL2f〜L2iの4枚のレンズからなる。
実施例1の結像光学系の基本レンズデータを表1に、各種データを表2に、非球面係数を表3に示す。表1のSiの欄には最も拡大側の構成要素の拡大側の面を1番目として縮小側に向かうに従い順次増加するように構成要素の面に面番号を付した場合のi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示し、Riの欄にはi番目の面の曲率半径を示し、Diの欄にはi番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔を示す。表1のNdjの欄には最も拡大側の構成要素を1番目として縮小側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の構成要素のd線(波長587.6nm)に関する屈折率を示し、νdjの欄にはj番目の構成要素のd線基準のアッベ数を示す。ここで、曲率半径の符号は、拡大側に凸面を向けた面形状のものを正とし、縮小側に凸面を向けた面形状のものを負としている。表1には光学部材PPも合わせて示している。
表2に、全系の焦点距離の絶対値|f|、投写距離(光軸上における拡大側共役面から最も拡大側のレンズ面までの距離)ProD、拡大倍率β、FナンバーFNo.、および最大全画角2ωの値をd線基準で示す。2ωの欄の(°)は単位が度であることを意味する。投写距離が表2に示す値のとき、縮小側共役面の位置は光学部材PPの縮小側の面の位置と一致している。
表1では、非球面の面番号には*印を付しており、非球面の曲率半径の欄には近軸の曲率半径の数値を記載している。表3に、実施例1の各非球面の非球面係数を示す。表3の非球面係数の数値の「E−n」(n:整数)は「×10−n」を意味する。非球面係数は、下式で表される非球面式における各係数KA、Am(m=3、4、5、…16、あるいはm=4、6、8、10)の値である。
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に
下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からのレンズ面までの距離)
C:近軸曲率
KA、Am:非球面係数
各表のデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmmを用いているが、光学系は比例拡大または比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。また、以下に示す各表では所定の桁でまるめた数値を記載している。
図4に左から順に、投写距離が表2に示す値のときの実施例1の結像光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差(ディストーション)、および倍率色収差(倍率の色収差)の各収差図を示す。球面収差図では、d線(波長587.6nm)、C線(波長656.3nm)、およびF線(波長486.1nm)に関する収差をそれぞれ実線、長破線、および短破線で示す。非点収差図では、サジタル方向のd線に関する収差を実線で示し、タンジェンシャル方向のd線に関する収差を短破線で示す。歪曲収差図ではd線に関する収差を実線で示す。倍率色収差図では、C線、およびF線に関する収差をそれぞれ長破線、および短破線で示す。球面収差図のFNo.はFナンバーを意味し、その他の収差図のωは半画角を意味する。
上記の実施例1の説明で述べた各データの記号、意味、および記載方法は、特に断りがない限り以下の実施例のものについても同様であるので、以下では重複説明を省略する。
[実施例2]
実施例2の結像光学系のレンズ構成と光路の断面図を図2に示す。実施例2の結像光学系の基本構成は実施例1のものと同様である。第1光学系G1は、拡大側から順に、レンズL1a〜L1kの11枚のレンズからなり、第2光学系G2の前群G2aは、拡大側から順に、レンズL2a〜L2cの3枚のレンズからなり、第2光学系G2の後群G2bは、拡大側から順に、レンズL2d〜L2iの6枚のレンズからなる。実施例2の結像光学系の基本レンズデータを表4に、各種データを表5に、非球面係数を表6に示す。投写距離が表5に示す値のとき、縮小側共役面の位置は光学部材PPの縮小側の面の位置と一致している。投写距離が表5に示す値のときの実施例2の結像光学系の各収差図を図5に示す。
[実施例3]
実施例3の結像光学系のレンズ構成と光路の断面図を図3に示す。実施例3の結像光学系の基本構成は実施例1のものと同様である。第1光学系G1は、拡大側から順に、レンズL1a〜L1jの10枚のレンズからなり、第2光学系G2の前群G2aは、拡大側から順に、レンズL2a〜L2cの3枚のレンズからなり、第2光学系G2の後群G2bは、拡大側から順に、レンズL2d〜L2iの6枚のレンズからなる。実施例3の結像光学系の基本レンズデータを表7に、各種データを表8に、非球面係数を表9に示す。投写距離が表8に示す値のとき、縮小側共役面の位置は光学部材PPの縮小側の面の位置と一致している。投写距離が表8に示す値のときの実施例3の結像光学系の各収差図を図6に示す。
表10に実施例1〜3の結像光学系の条件式(1)〜(7)の対応値とこれら対応値に関連する値を示す。表10では、中間像MIの拡大側直前のレンズ面から中間像MIまでの光軸上の距離をDmin1、中間像MIから中間像MIの縮小側直後のレンズ面までの光軸上の距離をDmin2としている。表10に示す値はd線を基準とするものである。
以上のデータからわかるように、実施例1〜3の結像光学系は、Fナンバーが1.89〜2.11の範囲にあり小さなFナンバーを有し、全画角が120°以上あり広角に構成され、各収差が良好に補正されて、高い光学性能が実現されている。
次に、本発明の実施形態に係る投写型表示装置について説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。図7に示す投写型表示装置100は、本発明の実施形態に係る結像光学系10と、光源15と、各色光に対応したライトバルブとしての透過型表示素子11a〜11cと、色分解のためのダイクロイックミラー12、13と、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム14と、コンデンサレンズ16a〜16cと、光路を偏向するための全反射ミラー18a〜18cとを有する。なお、図7では、結像光学系10は概略的に図示している。また、光源15とダイクロイックミラー12の間にはインテグレーターが配されているが、図7ではその図示を省略している。
光源15からの白色光は、ダイクロイックミラー12、13で3つの色光光束(G光、B光、R光)に分解された後、それぞれコンデンサレンズ16a〜16cを経て各色光光束にそれぞれ対応する透過型表示素子11a〜11cに入射して光変調され、クロスダイクロイックプリズム14により色合成された後、結像光学系10に入射する。結像光学系10は、透過型表示素子11a〜11cにより光変調された光による光学像をスクリーン105上に投写する。
図8は、本発明の別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。図8に示す投写型表示装置200は、本発明の実施形態に係る結像光学系210と、光源215と、各色光に対応したライトバルブとしてのDMD素子21a〜21cと、色分解および色合成のためのTIR(Total Internal Reflection)プリズム24a〜24cと、照明光と投写光を分離する偏光分離プリズム25とを有する。なお、図8では結像光学系210を概略的に図示している。また、光源215と偏光分離プリズム25の間にはインテグレーターが配されているが、図8ではその図示を省略している。
光源215からの白色光は、偏光分離プリズム25内部の反射面で反射された後、TIRプリズム24a〜24cにより3つの色光光束(G光、B光、R光)に分解される。分解後の各色光光束はそれぞれ対応するDMD素子21a〜21cに入射して光変調され、再びTIRプリズム24a〜24cを逆向きに進行して色合成された後、偏光分離プリズム25を透過して、結像光学系210に入射する。結像光学系210は、DMD素子21a〜21cにより光変調された光による光学像をスクリーン205上に投写する。
図9は、本発明のさらに別の実施形態に係る投写型表示装置の概略構成図である。図9に示す投写型表示装置300は、本発明の実施形態に係る結像光学系310と、光源315と、各色光に対応したライトバルブとしての反射型表示素子31a〜31cと、色分離のためのダイクロイックミラー32、33と、色合成のためのクロスダイクロイックプリズム34と、光路偏向のための全反射ミラー38と、偏光分離プリズム35a〜35cとを有する。なお、図9では、結像光学系310は概略的に図示している。また、光源315とダイクロイックミラー32の間にはインテグレーターが配されているが、図9ではその図示を省略している。
光源315からの白色光はダイクロイックミラー32、33により3つの色光光束(G光、B光、R光)に分解される。分解後の各色光光束はそれぞれ偏光分離プリズム35a〜35cを経て、各色光光束それぞれに対応する反射型表示素子31a〜31cに入射して光変調され、クロスダイクロイックプリズム34により色合成された後、結像光学系310に入射する。結像光学系310は、反射型表示素子31a〜31cにより光変調された光による光学像をスクリーン305上に投写する。
図10、図11は、本発明の一実施形態に係る撮像装置であるカメラ400の外観図である。図10は、カメラ400を前側から見た斜視図を示し、図11は、カメラ400を背面側から見た斜視図を示す。カメラ400は、交換レンズ48が取り外し自在に装着される、レフレックスファインダーを持たない一眼形式のデジタルカメラである。交換レンズ48は、本発明の実施形態にかかる光学系である結像光学系49を鏡筒内に収納したものである。
このカメラ400はカメラボディ41を備え、カメラボディ41の上面にはシャッターボタン42と電源ボタン43とが設けられている。またカメラボディ41の背面には、操作部44、45と表示部46とが設けられている。表示部46は、撮像された画像や、撮像される前の画角内にある画像を表示するためのものである。
カメラボディ41の前面中央部には、撮影対象からの光が入射する撮影開口が設けられ、その撮影開口に対応する位置にマウント47が設けられ、マウント47を介して交換レンズ48がカメラボディ41に装着されるようになっている。
カメラボディ41内には、交換レンズ48によって形成された被写体像に応じた撮像信号を出力するCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子(不図示)、その撮像素子から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路、およびその生成された画像を記録するための記録媒体などが設けられている。このカメラ400では、シャッターボタン42を押すことにより静止画または動画の撮影が可能であり、この撮影で得られた画像データが上記記録媒体に記録される。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、および非球面係数等は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
また、本発明の投写型表示装置も、上記構成のものに限られるものではなく、例えば、用いられるライトバルブおよび光束分離または光束合成に用いられる光学部材は、上記構成に限定されず、種々の態様の変更が可能である。
また、本発明の撮像装置も、上記構成のものに限られるものではなく、例えば、一眼レフ形式のカメラ、フィルムカメラ、およびビデオカメラなどに適用することも可能である。
10、49、210、310 結像光学系
11a〜11c 透過型表示素子
12、13、32、33 ダイクロイックミラー
14、34 クロスダイクロイックプリズム
15、215、315 光源
16a〜16c コンデンサレンズ
18a〜18c、38 全反射ミラー
21a〜21c DMD素子
24a〜24c TIRプリズム
25、35a〜35c 偏光分離プリズム
31a〜31c 反射型表示素子
41 カメラボディ
42 シャッターボタン
43 電源ボタン
44、45 操作部
46 表示部
47 マウント
48 交換レンズ
100、200、300 投写型表示装置
105、205、305 スクリーン
400 カメラ
G1 第1光学系
G2 第2光学系
G2a 前群
G2b 後群
L1a〜L1k、L2a〜L2i レンズ
MI 中間像
PP 光学部材
Sim 画像表示面
wa 軸上光束
wb 中間画角の光束
wc 最大画角の光束
Z 光軸

Claims (14)

  1. 縮小側共役面上の画像表示面に表示された画像を、拡大側共役面上に拡大像として投写可能な結像光学系であって、
    拡大側から順に、複数のレンズにより構成された第1光学系と、複数のレンズにより構成され全体として負の屈折力を有する第2光学系とから実質的になり、
    前記第2光学系は、前記画像表示面上の画像を中間像として結像させ、
    前記第1光学系は、前記中間像を前記拡大側共役面上に結像させ、
    前記第2光学系は、拡大側から順に、全体として正の屈折力を有する前群と、後群とから実質的になり、
    前記後群は、自身の拡大側焦点位置が自身の最も拡大側のレンズ面より拡大側に位置するレンズ群のうち、含まれるレンズ枚数が最大となるレンズ群であり、
    下記条件式(1)〜(3)、および(5)全てを満足することを特徴とする結像光学系。
    4<|fG2a/f|<9 (1)
    1<|f2/Imφ|<8 (2)
    0.7<|f/f1|<1.1 (3)
    18<Bf×Imφ/f <100 (5)
    ただし、
    fG2a:前記前群の焦点距離
    f:全系の焦点距離
    f2:前記第2光学系の焦点距離
    Imφ:縮小側における有効像円直径
    f1:前記第1光学系の焦点距離
    Bf:空気換算距離での全系のバックフォーカス
  2. 下記条件式(4)を満足する請求項1記載の結像光学系。
    3<TLG2/Imφ<8 (4)
    ただし、
    TLG2:光軸上における前記第2光学系の最も拡大側の面から最も縮小側の面までの距離
  3. 前記第2光学系の最も拡大側のレンズは正レンズである請求項1または2記載の結像光学系。
  4. 下記条件式(6)を満足する請求項記載の結像光学系。
    1.55<Nd2a<2.2 (6)
    ただし、
    Nd2a:前記第2光学系の最も拡大側のレンズのd線に関する屈折率
  5. 下記条件式(7)を満足する請求項1からのいずれか1項記載の結像光学系。
    0.05<Dmin/f1<10 (7)
    ただし、
    Dmin:光軸上における前記中間像と該中間像に最も近いレンズ面との距離
  6. 下記条件式(1−1)を満足する請求項1記載の結像光学系。
    4<|fG2a/f|<8 (1−1)
  7. 下記条件式(2−1)を満足する請求項1記載の結像光学系。
    1.5<|f2/Imφ|<8 (2−1)
  8. 下記条件式(3−1)を満足する請求項1記載の結像光学系。
    0.7<|f/f1|<1.05 (3−1)
  9. 下記条件式(4−1)を満足する請求項2記載の結像光学系。
    3<TLG2/Imφ<7 (4−1)
  10. 下記条件式(5−1)を満足する請求項記載の結像光学系。
    20<Bf×Imφ/f<100 (5−1)
  11. 下記条件式(6−1)を満足する請求項記載の結像光学系。
    1.60<Nd2a<2.2 (6−1)
  12. 下記条件式(7−1)を満足する請求項記載の結像光学系。
    0.05<Dmin/f1<5 (7−1)
  13. 光源と、該光源からの光が入射するライトバルブと、該ライトバルブにより光変調された光による光学像をスクリーン上に投写する結像光学系としての請求項1から12のいずれか1項記載の結像光学系とを備えたことを特徴とする投写型表示装置。
  14. 請求項1から12のいずれか1項記載の結像光学系を備えた撮像装置。
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