JP6344172B2 - 新規共重合体、水性インク、及びインクカートリッジ - Google Patents
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Description
また、特許文献4には、少なくとも水、有機溶媒、高分子化合物を含むインクジェットインクにおいて、該インク、又は該インクに含まれる水の一部を蒸発させた後のインクに含まれる高分子化合物が、0℃〜100℃の範囲でUCST型相分離を示すインクジェットインクが提案されている。
更に、特許文献6には、側鎖に配置された複数の親水性セグメントと、pHの値により親疎水が変わる複数のpH応答性セグメントとを有するpH応答性ポリマーを用いて、pHの変化によりインクのレオロジーを変化させる方法が提案されている。
しかし、上記従来のインクでは、ビーディング(まだら)を発生させることなく、種々の記録媒体に高速で画像を形成することは困難であった。
(1)「一般式(1)および(2)で表される構造単位を有することを特徴とする共重合体。
即ち、本発明の共重合体を、水性インクのバインダー樹脂として用いると、種々の被印刷媒体に対し、印字速度が高速であっても解像度と鮮明度の高い画像が得られる。
また、本発明の共重合体を顔料の分散樹脂として用いると、安定で分散性の高い顔料分散体が得られる。
また、本発明の共重合体を用いた水性インクは、普通紙に記録した場合でも高い画像濃度が得られる。また、保存安定性に優れ、高速印字においてもビーディング(まだら)が発生しない。
(2)「前記一般式(1)及び(2)で表される構造単位の比が、一般式(1):(2)=1:1〜5:1であることを特徴とする前記(1)に記載の共重合体。」
(3)「前記一般式(2)で表される構造単位のL1及びL2が、炭素数2〜12のアルキレン基であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の共重合体。」
(4)「少なくとも水、色材、及び共重合体を含有する水性インクにおいて、前記共重合体が前記(1)乃至(3)のいずれか1に記載のものであることを特徴とする水性インク。」
(5)「少なくとも水、色材、及び共重合体を含有する水性インクにおいて、前記共重合体が下記一般式(3)及び(4)で表される化合物由来の構造単位を含むものであることを特徴とする前記(4)に記載の水性インク。
(7)「少なくとも1種の水溶性有機溶剤及び/又は界面活性剤を含有することを特徴とする前記(5)又は(6)に記載の水性インク。」
(8)「前記(5)乃至(7)のいずれかに記載の水性インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。」
L1、L2は同じであっても異なっていてもよいが、共重合体の取得(合成)を簡単確実にするためには同じであることが好ましく、また例えば、共重合体における構造の均一性を失なわせる(例えば共重合体の結晶性を喪失させ非晶質性を増す)場合には、L1、L2を違えることができる。
しかし、L1、L2が異なる場合には例えば、そのようなモノマーを最初に取得するための反応を細心の注意を払って2段階で行い、かつ途中で、一段目の反応後に残存する未反応カルボン酸及びヒドロキシ化合物の除去(これは比較的簡単)と共に、ジエステル(前記細心の注意にも拘わらず少量は生成)を2段目の反応前に、目的物モノエステルから分離除去するという煩わしい操作が必要になる。
L1又はL2を介して末端に存在するビフェニル基は、水性インク(以下、インクということもある)中の色材である顔料とのπ−πスタッキングにより、優れた顔料吸着力を有するため、印刷時に被印刷媒体上で顔料と接触させることにより、被印媒体表面で顔料が速やかに凝集し、ビーディング(まだら)を防止することができる。
上記一般式(1)、及び特に(2)から理解されるように、一般式(2)における「Lを介して垂下する末端ビフェニル基」、一般式(1)における「側鎖カルボキシル基」は、主鎖から垂下するペンダント(側鎖基)であってよい。しかし、当然、一部が主鎖以外の構造に含まれる場合を除外するものではない。例えば、分枝構造を生成する副次的ラジカル重合反応を完全に排除するのが困難であることはよく知られている事実である。
また、顔料を水に分散した顔料分散体を調製する際に、本発明の共重合体を用いると、共重合体の側鎖の末端にビフェニル基が存在するため、顔料表面に吸着し易くなり、安定で分散性の高い分散体が得られる。ビーディング(まだら)を防止するためには、被印刷媒体表面での顔料凝集速度の点で、本発明の共重合体を添加剤として用いることが好ましいが、顔料を分散する分散材として併用することもできる。
本発明の共重合体は、前記一般式(1)及び(2)で表される構造単位以外に、その他の重合性モノマーからなる構造単位を有することができる。
前記その他の重合性モノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性の疎水性モノマー、重合性の親水性モノマー、重合性界面活性剤などが挙げられる。
前記重合性界面活性剤は、ラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を分子内に少なくとも1つ以上有するアニオン性又は非イオン性の界面活性剤である。
前記連鎖移動剤の例としては、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、チオフェノール、ドデシルメルカプタン、1−ドデカンチオール、チオグリセロール、などが挙げられる。
前記顔料には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用或いはカラー用の無機顔料や有機顔料などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
黒色用の顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)等の金属類、酸化チタン等の金属酸化物類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が15〜40nm、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150mL/100g、揮発分が0.5〜10%、pHが2〜9を有するものが好ましい。
これらの顔料のうち、特に、水と親和性のよいものが好ましく用いられる。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料、などが挙げられる。
前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
イエロー用の顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、などが挙げられる。
マゼンタ用の顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19、などが挙げられる。
シアン用の顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その例としては、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:34、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー66;C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60、などが挙げられる。
なお、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレッド19、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
また、得られる画像の発色性の点から、自己分散顔料を用いてもよく、アニオン性自己分散顔料が好ましい。アニオン性自己分散顔料とは、顔料表面に直接又は他の原子団を介してアニオン性官能基を導入することにより分散安定化させた顔料をいう。
分散安定化させる前の顔料としては、例えば国際公開第2009/014242号公報に列挙されているような、従来公知の様々な顔料を用いることができる。
なお、アニオン性官能基とは、pH7.0において半数以上の水素イオンが解離する官能基をいう。アニオン性官能基の具体例としては、カルボキシル基、スルホ基、及びホスホン酸基等を挙げることができる。中でも、得られる画像の光学濃度を高める点から、カルボキシル基又はホスホン酸基が好ましい。
顔料の表面にアニオン性官能基を導入する方法としては、例えば、カーボンブラックを酸化処理する方法が挙げられる。
酸化処理方法の具体例としては、次亜塩素酸塩、オゾン水、過酸化水素、亜塩素酸塩、又は硝酸等により処理する方法や、特許第3808504号公報、特表2009−515007号公報、及び特表2009−506196号公報に記載されているようなジアゾニウム塩を用いる表面処理方法が挙げられる。
また、表面に親水性の官能基が導入された市販の顔料としては、例えば、CW−1、CW−2、CW−3(以上、オリヱント化学工業社製);CAB−O−JET200、CAB−O−JET300、CAB−O−JET400(キャボット社製)等が挙げられる。
顔料の水性インク中の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
具体的には、酸性染料及び食用染料として、C.I.アシッドブラツク1、2、7、24、26、94、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142、C.I.アシッドブルー9、29、45、92、249、C.I.アシッドレッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289、C.I.フードブラック1、2、C.I.フードイエロー3、4、C.I.フードレッド7、9、14、直接性染料として、C.I.ダイレクトブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、(168)、171、C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144、C.I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202、C.I.ダイレクトレッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227、C.I.ダイレクトオレンジ26、29、62、102、塩基性染料として、C.I.ベーシックブラック2、8、C.I.ベーシックイエロー1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、64、65、67、70、73、77、87、91、C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155、C.I.ベーシックレッド2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112、反応性染料として、C.I.リアクティブブラック3、4、7、11、12、17、C.I.リアクティブイエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67、C.I.リアクティブブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95、C.I.リアクティブレッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97等が挙げられる。
前記水溶性有機溶剤としては特に制限はなく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、イソプロピリデングリセロール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、普通紙におけるカール防止の点から、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、イソプロピリデングリセロール、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミドが好ましい。
また、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンが、水分蒸発による吐出不良を防止する上で優れている。
上記以外の水溶性有機溶剤としては、脂肪族ジオールとして、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどを用いることができる。
界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、表面張力を30mN/m以下に下げることが可能な点から、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤が好ましい。
前記ノニオン系フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、下記一般式(5)で表されるフッ素系界面活性剤がより好ましい。
CF3CF2(CF2CF2)m−CF2CF2(CF2CF2)nH・・・一般式(5)
(式中、mは0〜10、nは0〜40)
前記アニオン系フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられる。
これらのフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3などが挙げられる。
これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、及びオムノバ社製のポリフォックスPF−151Nが特に好ましい。
シリコーン系界面活性剤の市販品は、例えば、ビックケミー社、信越化学工業社、東レ・ダウコーニング・シリコーン社、日本エマルジョン社、共栄社化学社などから容易に入手できる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、などが挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などが挙げられる。前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、などが挙げられる。前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物、などが挙げられる。前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、などが挙げられる。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
水性インクの25℃での粘度は、3〜20mPa・sが好ましい。粘度が3mPa・s以上であると、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。また、20mPa・s以下とすることにより、インクの吐出性を確保できる。
前記粘度は、例えば、粘度計(RE80L、東機産業社製)を用いて、25℃で測定することができる。
前記容器には特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適である。
インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。図1は、インクカートリッジの一例を示す図であり、図2は、図1のインクカートリッジのケース(外装)も含めた図である。インクカートリッジ200は、インクをインク注入口242からインク袋241内に充填し、排気した後、該インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給する。インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
また、実施例及び比較例で得られた共重合体の分子量は次のようにして求めた。
GPC(Gel Permeation Chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
濃度0.5質量%の共重合体を1mL注入し、上記の条件で測定した共重合体の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して共重合体の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwを算出した。
78.5g(461mmol)の2−フェニルフェノール(東京化成社製)を600mLのメチルエチルケトン(関東化学社製)に溶解し、191g(1.38mol)の炭酸カリウム(関東化学社製)及び100g(553mmol)の6−ブロモ−1−ヘキサノール(東京化成社製)を加え、8時間還流した。室温まで冷却した後、ろ過し、溶媒を留去した。残留物を塩化メチレン(純正化学社製)に溶解し、水で洗浄した。単離した有機相を硫酸マグネシウム(関東化学社製)で乾燥し、溶媒を留去した。残留物を、溶離液として塩化メチレン(同上)/メタノール(関東化学社製)(体積比99/1)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、105.3gの6−(2−フェニル−フェノキシ)ヘキサン−1−オールを得た。
6−ブロモ−1−ヘキサノールに代えて、2−ブロモエタノール(東京化成社製)を用いた点以外は、合成例1と同様にしてマレイン酸誘導体(II)を得た。
6−ブロモ−1−ヘキサノールに代えて、12−ブロモ−1−ドデカノール(東京化成社製)を用いた点以外は、合成例1と同様にしてマレイン酸誘導体(III)を得た。
メタクリル酸(Aldrich社製)、及び合成例1で合成したマレイン酸誘導体(I)を用いて、合成例1と同様にして共重合体4(重量平均分子量(Mw):8600、数平均分子量(Mn):3100)を得て、合成例1と同様にして、共重合体4の水溶液を調製した。
アクリル酸(同上)、及び合成例1で合成したマレイン酸誘導体(I)を用いて、合成例1と同様(但し、一般式(1)のためのアクリル酸:一般式(2)のためのマレイン酸誘導体(I)のモル比=3:1)にして共重合体5(重量平均分子量(Mw):7500、数平均分子量(Mn):3000)を得て、合成例1と同様にして、共重合体5の水溶液を調製した。
アクリル酸(同上)、及び合成例1で合成したマレイン酸誘導体(I)を用いて、合成例1と同様(但し、一般式(1)のためのアクリル酸:一般式(2)のためのマレイン酸誘導体(I)のモル比=5:1)にして共重合体6(重量平均分子量(Mw):7800、数平均分子量(Mn):3200)を得て、合成例1と同様にして、共重合体6の水溶液を調製した。
アクリル酸(同上)、及び合成例1で合成したマレイン酸誘導体(I)を用いて、合成例1と同様(但し、一般式(1)のためのアクリル酸:一般式(2)のためのマレイン酸誘導体(I)のモル比=6:1)にして、共重合体7(重量平均分子量(Mw):7600、数平均分子量(Mn):2900)を得て、合成例1と同様にして、共重合体7の水溶液を調製した。
合成例1で合成した共重合体1を用いて、共重合体の濃度が23.8重量%、且つpHが8.0となるように、2.00gの共重合体1を水酸化ナトリウム水溶液(関東化学社製)に溶解して、共重合体8の水溶液を調製した
メタクリル酸(同上)、及び合成例3で合成したマレイン酸誘導体(III)を用いて、合成例1と同様(但し、一般式(1)のためのメタクリル酸:一般式(2)のためのマレイン酸誘導体(I)のモル比=10:1)にして、共重合体9(重量平均分子量(Mw):7200、数平均分子量(Mn):2600)を得て、合成例8と同様にして、共重合体9の水溶液を調製した。
2−フェニルフェノール代えて、3−フェニルフェノール(東京化成社製)を用いた点以外は、合成例1と同様にしてマレイン酸誘導体(IV)を得た。
2−フェニルフェノール代えて、4−フェニルフェノール(東京化成社製)を用いた点以外は、合成例1と同様にしてマレイン酸誘導体(V)を得た。
8.69g(14.0mmol)のマレイン酸誘導体(I)を1.01g(14.0mmol)のアクリル酸(同上)に溶解し、10.0gのイオン交換水、0.30gのアクアロンKH−10(第一工業製薬社製のアニオン性ラジカル反応性界面活性剤)、及び0.10gの過硫酸アンモニウム(東京化成社製)を加え、ホモミキサーでプレエマルジョンを形成した。次いで、10.0gのイオン交換水に0.2gのアクアロンKH−10を加え、アルゴン気流下で80℃まで加熱した後、プレエマルジョンのうち10%を加え、30分間初期重合させた。次いで、残りのプレエマルジョンを2時間かけて滴下しながら重合させた後、更に80℃で2時間重合させた。冷却後、ろ過し、アンモニア水(関東化学社製)で中和して、固形分濃度30%の共重合体12(重量平均分子量(Mw):17000、数平均分子量(Mn):9600)を得た。
9.31g(15.0mmol)のマレイン酸誘導体(I)を3.87g(45.0mmol)のメタクリル酸(同上)に溶解し、13.0gのイオン交換水、0.40gのアクアロンKH−10(第一工業製薬社製のアニオン性ラジカル反応性界面活性剤)、及び0.13gの過硫酸アンモニウムを加え、ホモミキサーでプレエマルジョンを形成した。次いで、10.0gのイオン交換水に0.2gのアクアロンKH−10(同上)を加え、アルゴン気流下で80℃まで加熱した後、プレエマルジョンのうち10%を加え、30分間初期重合させた。次いで、残りのプレエマルジョンを2時間かけて滴下しながら重合させた後、更に80℃で2時間重合させた。冷却後、ろ過し、アンモニア水(同上)で中和して、固形分濃度30重量%の共重合体13(重量平均分子量(Mw):17000、数平均分子量(Mn):9200)を得た。
上記合成例1〜13の共重合体の構造を纏めて表1に示す。
5.00g(50.0mmol)の無水マレイン酸(東京化成社製)、及び10.7g(105mmol)の1−ヘキサノール(東京化成社製)を、20mLの乾燥メチルエチルケトン(同上)に溶解し、12時間還流した後、室温まで冷却し、溶媒を留去した。残留物を20mLの脱水塩化メチレン(同上)に溶解し、11.1g(110mmol)のテトラエチルアミン(東京化成社製)、及び0.610g(5.00mmol)の4−ジメチルアミノピリジン(東京化成社製)を加えた。得られた溶液をアルゴン気流下室温で撹拌しながら、20.6g(60.0mmol)の2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物(同上)を加え、室温で24時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(同上)を加えた。塩化メチレン(同上)で抽出し、水で洗浄した後、単離した有機相を硫酸マグネシウム(同上)で乾燥し、溶媒を留去した。残留物を、溶離液として塩化メチレン(同上)/メタノール(同上)(体積比99.5/0.5〜99/1)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、5.80gのマレイン酸誘導体(VI)を得た。
合成例13におけるマレイン酸誘導体(I)をマレイン酸誘導体(VI)に代えた点以外は同様にして固形分濃度30重量%の比較共重合体2(重量平均分子量(Mw):14000、数平均分子量(Mn):9000)を得た。
(顔料分散体1の調製)
合成例1で調製した84.0部の共重合体1の水溶液に、16.0部のカーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)を加えて12時間攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、95.0部の顔料分散体1(顔料固形分濃度:16%)を得た。
45.0部の顔料分散体1の水性液、10.0部の1,3−ブタンジオール、10.0部のグリセリン、10.0部の3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、1.0部のゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分40質量%)、及び24.0部のイオン交換水を混合し、1時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の水性インク1を得た。
実施例21の顔料分散体1の調製における共重合体1の水溶液の代わりに、共重合体2の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体2を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体2を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク2を得た。
実施例21の顔料分散体1の調製におけるカーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)の代わりに、ピグメントブルー15:3(大日精化社製、クロモファインブルー シアン顔料)を用い、且つ固形分濃度を20.0%にする点以外は同様にして、顔料分散体3を得た。
実施例21の顔料分散体1の調製におけるカーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)の代わりに、ピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02 マゼンタ顔料)を用い、且つ固形分濃度を20.0%にする点以外は同様にして、顔料分散体4を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体4を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク4を得た。
実施例21の顔料分散体1の調製におけるカーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)の代わりに、ピグメントイエロー(大日精化社製、ファーストイエロー531 イエロー顔料)を用い、且つ固形分濃度を20.0%にする点以外は同様にして、顔料分散体5を得た。
次に、実施例23のインクの作製における顔料分散体3の代わりに、顔料分散体5を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク5を得た。
実施例21の顔料分散体1の調製における共重合体1の水溶液の代わりに、共重合体3の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体6を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体6を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク6を得た。
実施例21の顔料分散体1の調製における共重合体1の水溶液の代わりに、共重合体4の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体7を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体7を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク7を得た。
実施例21の顔料分散体1の調製における共重合体1の水溶液の代わりに、共重合体5の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体8を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体8を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク8を得た。
実施例21の顔料分散体1の調製における共重合体1の水溶液の代わりに、共重合体6の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体9を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体9を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク9を得た。
実施例21の顔料分散体の調製における共重合体1の水溶液の代わりに、共重合体7の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体10を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体10を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク10を得た。
実施例21の顔料分散体の調製における共重合体1の水溶液の代わりに、共重合体8の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体11を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体11を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク11を得た。
実施例21の顔料分散体の調製における共重合体1の水溶液の代わりに、共重合体9の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体12を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体12を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク12を得た。
実施例21の顔料分散体の調製における共重合体1の水溶液の代わりに、共重合体10の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体13を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体13を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク13を得た。
実施例21の顔料分散体の調製における共重合体1の水溶液の代わりに、共重合体11の水溶液を用いた点以外は同様にして、顔料分散体14を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、顔料分散体14を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク14を得た。
下記の材料を混合し、30分間攪拌して水溶液1を調製した。
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.00部
・グリセロール 10.00部
・3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド 15.00部
・3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド 15.00部
・2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸 0.05部
・2,4,7,9−テトラメチル−4,7−デカンジオール 0.50部
・ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤) 0.25部
・ジエタノールアミン 0.01部
・イオン交換水 12.93部
下記の材料を混合し、30分間攪拌して水溶液2を調製した。
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.00部
・グリセロール 10.00部
・3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド 20.00部
・3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド 20.00部
・2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸 0.05部
・2,4,7,9−テトラメチル−4,7−デカンジオール 0.50部
・ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤) 0.25部
・ジエタノールアミン 0.01部
・イオン交換水 17.93部
次に22.50部の顔料分散体16を水溶液2に加えて30分間攪拌し、更に6.67部の共重合体13(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の水性インク16を得た。
実施例35と同様にして水溶液1を調製した。
次いで、60℃に加熱した150gのイオン交換水に4.50gのスルファニル酸を加え、8000rpmで10分間混合した。この混合物に、1.80gの亜硝酸ナトリウムを15gのイオン交換水に溶解した溶液を加えた後、直ちに20gのマゼンタ顔料PR122(Sun Chemical社製)を加え、8500rpmで1時間混合した。更に、4.5gのスルファニル酸を15gのイオン交換水に溶解した溶液を加え、8500rpm、65℃で3時間混合した。得られた反応混合物を200nmのメッシュでろ過し、水で洗浄した後、得られたマゼンタ顔料を水に分散した。遠心分離により粗大粒子を除去し、固形分濃度が20.0%となるように水を加えて、スルファニル酸で表面処理したマゼンタ顔料分散体17を得た。
次に37.50部の顔料分散体16を水溶液1に加えて30分間攪拌し、更に6.67部の共重合体13(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の水性インク17を得た。
実施例36と同様にして水溶液2を調製し、22.50部の実施例23で調製したシアン顔料分散体3(固形分20.0%)を加えて30分間攪拌した後、6.67部の共重合体13(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の水性インク18を得た。
実施例21の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、比較共重合体1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体1を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、比較顔料分散体1を用いた点以外は同様にして、比較水性インク1を得た。
実施例23の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、比較共重合体1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体2を得た。
次に、実施例23のインクの作製における顔料分散体3の代わりに、比較顔料分散体2を用いた点以外は同様にして、比較水性インク2を得た。
実施例24の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、比較共重合体1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体3を得た。
次に、実施例24のインクの作製における顔料分散体4の代わりに、比較顔料分散体3を用いた点以外は同様にして、比較水性インク3を得た。
実施例25の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、比較共重合体1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体4を得た。
次に、実施例25のインクの作製における顔料分散体5の代わりに、比較顔料分散体4を用いた点以外は同様にして、比較水性インク4を得た。
実施例36と同様にして水溶液2を調製し、22.50部の実施例36で調製したシアン顔料の顔料分散体15(固形分20.0%)を加えて30分間攪拌した後、6.67部の比較共重合体2(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、比較水性インク5を得た。
実施例37と同様にして水溶液1を調製し、37.50部の実施例37で調製したマゼンタ顔料の顔料分散体17(固形分20.0%)を加えて30分間攪拌した後、6.67部の比較共重合体2(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、比較水性インク6を得た。
実施例38のインク調製におけるシアン顔料分散体3の代わりに、比較顔料分散体2(すなわち、比較共重合体1を含有する分散体)を用い、且つこれに加える共重合体として実施例38における共重合体13の代わりに、比較共重合体2を用いる点以外は同様にして、比較水性インク7を得た。
上記実施例及び比較例で作製した各水性インクの特性を下記の方法により評価した。
結果を纏めて表2に示す。
23℃、50%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー社製、IPSiO GX5000)に各インクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)で作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを、普通紙1(XEROX4200、XEROX社製)、及び普通紙2(MyPaper、リコー社製)に打ち出し、印字面の前記記号部を、X−Rite938(エックスライト社製)により測色し、下記の基準で評価した。
印字モードは、プリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」に改変したモードを使用した。
なお、上記JIS X 0208(1997),2223は、外形が正四方形であって、記号全面がインクにより塗りつぶされている記号である。
〔評価基準〕
A:1.25以上
B:1.20以上、1.25未満
C:1.10以上、1.20未満
D:1.10未満
E:顔料がゲル化してインク中に分散できず、印字できない。
各インクをインクカートリッジに充填して70℃で1週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記の基準で評価した。
粘度の変化率(%)=(保存後のインクの粘度/保存前のインクの粘度)×100
粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業社製)を使用し、25℃における粘度を、50回転で測定した。
〔評価基準〕
A:粘度の変化率が±5%以内
B:粘度の変化率が±5%を超え、±8%以内
C:粘度の変化率が±8%を超え、±10%以内
D:粘度の変化率が±10%を超え、±30%以内
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
記録媒体として、印刷用紙LumiArt Gloss 90GSM(登録商標)(Stora Enso社製)を用い、印字モードを「光沢紙−はやい」モードとする点以外は、前記画像濃度評価の場合と同様にしてJIS X 0208(1997),2223の一般記号を印字し、下記の基準で評価した。
〔評価基準〕
A:ビーディングが全く発生しないか、又は画像全体の10%未満にビーディン
グが発生する。
B:画像全体の10%以上、20%未満にビーディングが発生する。
C:画像全体の20%以上、40%未満にビーディングが発生する。
D:画像全体の40%以上、90%未満にビーディングが発生する。
E:画像全体の90%以上にビーディングが発生する。
F:顔料がゲル化してインク中に分散できず印字できない。
241 インク収容部
242 インク注入口
243 インク排出口
244 ケース(外装)
Claims (8)
- 前記一般式(1)及び(2)で表される構造単位の比が、一般式(1):(2)=1:1〜5:1であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
- 前記一般式(2)で表される構造単位のL1及びL2が、炭素数2〜12のアルキレン基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の共重合体。
- 少なくとも水、色材、及び共重合体を含有する水性インクにおいて、前記共重合体が請求項1乃至3のいずれか1に記載のものであることを特徴とする水性インク。
- 前記色材が顔料であることを特徴とする請求項5に記載の水性インク。
- 少なくとも1種の水溶性有機溶剤及び/又は界面活性剤を含有することを特徴とする請求項5又は6に記載の水性インク。
- 請求項5乃至7のいずれかに記載の水性インクを容器中に収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
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