JP6333028B2 - 記憶装置及び半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明の一態様は半導体装置に関する。例えば本発明の一態様は、記憶装置と、当該記憶装置を用いた半導体装置に関する。
新たな半導体として、酸化物半導体と呼ばれる、半導体特性を示す金属酸化物に注目が集まっている。酸化物半導体を用いたトランジスタの開発は日々進められおり、例えば、下記の特許文献1では、当該トランジスタを非導通状態とすることで浮遊状態となるノードに、データを保持する記憶素子の構成について開示されている。
特開2011−171702号公報
ところで、低消費電力であることと、高速動作が可能であることとは、記憶装置などの半導体装置の性能を評価する上で共に重要なポイントである。しかし、記憶装置の低消費電力化を図るために電源電圧を小さくすると、トランジスタのオン電流が小さくなるので、記憶装置の動作速度も低くなってしまう。すなわち、消費電力の低減と動作速度の向上とはトレードオフの関係にあり、動作速度を考慮すると、低消費電力化のためだけに、単純に電源電圧を小さくすることはできない。
また、nチャネル型のトランジスタを介して記憶装置のメモリセル内部のノードに与えられるハイレベルの電位は、当該トランジスタの閾値電圧分降下する。よって、消費電力を低減するために記憶装置の電源電圧を小さくすると、メモリセル内部のノードにおける電位が低くなりすぎて、メモリセルから出力される信号の論理レベルが変化するため、データの信頼性が低下しやすい。
上述したような技術的背景のもと、本発明の一態様は、動作速度の低減を抑えつつ、低消費電力化を実現できる記憶装置の提供を、課題の一つとする。或いは、本発明の一態様は、記憶装置の正常な動作を確保しつつ、低消費電力化を実現できる記憶装置の提供を、課題の一つとする。また、本発明の一態様は、動作速度の低減を抑えつつ、低消費電力化を実現できる半導体装置の提供を、課題の一つとする。或いは、本発明の一態様は、半導体装置の正常な動作を確保しつつ、低消費電力化を実現できる半導体装置の提供を、課題の一つとする。
本発明の一態様では、第1トランジスタを介してノードに電荷を蓄積させることで、記憶装置へのデータの書き込みを行う。また、第2トランジスタにより、第1トランジスタが有するゲートへの、第1信号の供給が制御される。第1信号の電位により、第1トランジスタにおける導通状態または非導通状態が選択される。
また、本発明の一態様では、記憶装置へのデータの書き込みを行う際に、電流供給能力の低い論理素子に、データを含む第2信号の電位を入力し、当該論理素子から出力される電位を第1トランジスタのソース及びドレインの一方に供給するものとする。上記構成により、データを含む第2信号が、第1電位から上記第1電位よりも低い第2電位に変化したときに、第1トランジスタのソース及びドレインの一方を、第2電位から、第2電位よりも低い第3電位に変化させた後、第3電位から第1電位に変化させることができる。
そして、記憶装置へのデータの書き込みを行う際に、第2電位に、第2トランジスタの閾値電圧を加算した値よりも高い電位を、第2トランジスタのゲートに供給した状態とする。第2トランジスタのゲートに上記電位が供給された上記状態において、第1トランジスタのソース及びドレインの一方が、第2電位から第3電位に下降するとき、第2トランジスタは導通状態であるので、第2トランジスタを介して第1トランジスタのゲートに第1信号の電位が供給される。また、第2トランジスタのゲートに上記電位が供給された上記状態において、第1トランジスタのソース及びドレインの一方が、第3電位から第1電位に上昇するとき、第2トランジスタは導通状態から非導通状態となるため、第1トランジスタのゲートは浮遊状態となる。そして、第1トランジスタのソースとゲートの間に形成される容量Csにより、第1トランジスタのソース及びドレインの一方が第3電位から第1電位に上昇するのに伴い、第1トランジスタのゲートの電位も上昇する。
よって、第1信号の電位がハイレベルである場合において、当該電位に対し、第2トランジスタの閾値電圧分、第1トランジスタのゲートの電位が降下していたとしても、上記動作により第1トランジスタのゲートの電位を上昇させることができるので、第1トランジスタの導通状態を確保することができる。したがって、本発明の一態様に係る記憶装置では、記憶装置に供給する電源電圧が小さくなったとしても、上記ノードへのデータの書き込みを高速に行うことができ、データの書き込みの際に上記ノードに供給される電位が、第1トランジスタの閾値電圧によって降下するのを防ぐことができる。
具体的に、本発明の一態様に係る記憶装置は、第1トランジスタと、上記第1トランジスタが有するゲートへの、第1信号の供給を制御する第2トランジスタと、入力される第2信号が、第1電位から上記第1電位よりも低い第2電位に変化すると、上記第1トランジスタのソース及びドレインの一方を、第2電位から上記第2電位よりも低い第3電位に変化させた後、第3電位から第1電位に変化させる論理素子と、上記第1トランジスタのソース及びドレインの他方を浮遊状態にする機能を有する半導体素子と、を有する。
上記第1トランジスタは、チャネル形成領域をシリコン膜またはシリコン基板に有するトランジスタに比べて、オフ電流が小さいものとする。シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体膜に、チャネル形成領域を有するトランジスタは、通常のシリコンやゲルマニウムなどの半導体にチャネル形成領域を有するトランジスタに比べて、オフ電流を極めて小さくすることができるので、第1トランジスタに用いるのに適している。シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度をシリコンよりも低くできる半導体としては、例えば、シリコンの2倍以上の大きなバンドギャップを有する、酸化物半導体、炭化シリコン、窒化ガリウムなどが挙げられる。
上記構成により、第1トランジスタが非導通状態のとき、上記ノードは他の電極や配線との間における絶縁性が極めて高い浮遊状態になる。そのため、データを含む信号の電位が上記ノードにおいて保持される。
本発明の一態様により、動作速度の低減を抑えつつ、低消費電力化を実現できる記憶装置を提供することができる。或いは、本発明の一態様により、記憶装置の正常な動作を確保しつつ、低消費電力化を実現できる記憶装置を提供することができる。また、本発明の一態様により、動作速度の低減を抑えつつ、低消費電力化を実現できる半導体装置を提供することができる。或いは、本発明の一態様により、半導体装置の正常な動作を確保しつつ、低消費電力化を実現できる半導体装置を提供することができる。
記憶装置の構成を示す図。 記憶装置の動作を示す図。 記憶装置のタイミングチャート。 記憶装置の構成を示す図。 セルアレイの構成を示す図。 セルアレイのタイミングチャート。 PLDの構成を示す図。 論理ブロックの構成を示す図。 PLDの構造の一部を示す図と、スイッチ回路の構成を示す図。 PLD全体の構成を示す図。 セルの断面図。 電子機器の図。 計算により得られた電位の波形を示す図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本発明の一態様の半導体装置は、マイクロプロセッサ、画像処理回路、半導体表示装置用のコントローラ、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロコントローラ、2次電池などのバッテリーの制御回路または保護回路などの、半導体素子を用いた各種半導体集積回路をその範疇に含む。また、本発明の一態様の半導体装置は、上記半導体集積回路を用いたRFタグ、半導体表示装置などの各種装置を、その範疇に含む。半導体表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、電子ペーパー、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等や、半導体素子を駆動回路に有しているその他の半導体表示装置が、その範疇に含まれる。
〈記憶装置の構成例1〉
まず、本発明の一態様に係る記憶装置の構成例について説明する。図1に、本発明の一態様に係る記憶装置10の構成を例示する。
本発明の一態様に係る記憶装置10は、トランジスタ11と、トランジスタ12と、論理素子13とを少なくとも有する組を、単数または複数有する。図1では、上記組をメモリセル14とし、単数のメモリセル14を有する記憶装置10の構成例を図示している。
また、図1に示す記憶装置10は、メモリセル14から出力される電位が供給される半導体素子16を有する。半導体素子16から出力された電位は、配線17に与えられる。なお、図1では、半導体素子16がメモリセル14に含まれないものとして、記憶装置10の構成を例示しているが、半導体素子16はメモリセル14に含まれていても良い。
トランジスタ11は、メモリセル14内のノードND1とノードND3との電気的な接続を、ノードND2の電位に従って制御する機能を有する。具体的に、トランジスタ11は、ソース及びドレインの一方がノードND1に相当し、ソース及びドレインの他方がノードND3に相当し、ゲートがノードND2に相当する。ノードND1には、論理素子13から出力される、データを含む信号の電位が供給される。当該電位がトランジスタ11を介してノードND3に供給されることで、当該電位に対応する電荷がノードND3に蓄積され、メモリセル14へのデータの書き込みが行われる。
図1では、メモリセル14が、ノードND3に接続された容量素子15を有する場合を例示しており、容量素子15によりノードND3の電位が保持される。
なお、本明細書において接続とは電気的な接続を意味しており、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能な状態に相当する。従って、接続している状態とは、直接接続している状態を必ずしも指すわけではなく、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能であるように、配線、抵抗、ダイオード、トランジスタなどの回路素子を介して電気的に接続している状態も、その範疇に含む。
また、トランジスタのソースとは、活性層として機能する半導体膜の一部であるソース領域、或いは上記半導体膜に電気的に接続されたソース電極を意味する。同様に、トランジスタのドレインとは、活性層として機能する半導体膜の一部であるドレイン領域、或いは上記半導体膜に電気的に接続されたドレイン電極を意味する。また、ゲートはゲート電極を意味する。
トランジスタが有するソースとドレインは、トランジスタの導電型及び各端子に与えられる電位の高低によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がソースと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がソースと呼ばれる。本明細書では、便宜上、ソースとドレインとが固定されているものと仮定して、トランジスタの接続関係を説明する場合があるが、実際には上記電位の関係に従ってソースとドレインの呼び方が入れ替わる。
そして、本発明の一態様では、トランジスタ11のオフ電流は著しく小さいものとする。シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体膜に、チャネル形成領域が形成されるトランジスタは、通常のシリコンやゲルマニウムなどの半導体にチャネル形成領域を有するトランジスタに比べて、オフ電流を著しく小さくすることが可能である。よって、上記トランジスタはトランジスタ11として用いるのに好適である。このような半導体としては、例えば、シリコンの2倍以上の大きなバンドギャップを有する、酸化物半導体、窒化ガリウムなどが挙げられる。
トランジスタ11のオフ電流が著しく小さいことにより、トランジスタ11が非導通状態のとき、トランジスタ11のソース及びドレインの他方は他の電極や配線との間における絶縁性が極めて高い浮遊状態になる。そのため、ノードND3に保持されている電荷がリークするのを防ぐことができ、データを含む信号の電位がノードND3において保持される。
なお、特に断りがない限り、本明細書でオフ電流とは、遮断領域においてトランジスタのソースとドレイン間に流れる電流を意味する。
トランジスタ12は、トランジスタ11が有するゲート、すなわちノードND2への、配線WLからの信号の供給を制御する機能を有する。よって、上記信号の電位により、トランジスタ11における導通状態または非導通状態が選択される。具体的に、トランジスタ12は、ソース及びドレインの一方が、上記信号が供給される配線WLに接続されており、ソース及びドレインの他方が、トランジスタ11のゲートに接続されており、ゲートが配線VLに接続されている。
半導体素子16は、トランジスタ11のソース及びドレインの他方、すなわちノードND3を、浮遊状態にする機能を有する。具体的に、半導体素子16として、トランジスタ、容量素子などを用いることができる。例えば、半導体素子16としてトランジスタが用いられる場合、当該トランジスタのゲートが、ノードND3に接続される。例えば、半導体素子16として容量素子が用いられる場合、当該容量素子が有する一対の電極のうち、一方の電極がノードND3に接続される。
論理素子13は、データを含む信号が入力されると、当該信号の電位の極性を反転させて、トランジスタ11のソース及びドレインの一方、すなわちノードND1に供給する機能を有する。例えば、論理素子13としてインバータなどを用いることができる。そして、論理素子13は電流供給能力が低いものが望ましい。具体的には、論理素子13に入力される信号が、第1電位から上記第1電位よりも低い第2電位に変化したときに、ノードND1を第2電位から、第2電位よりも低い第3電位に変化させた後、第3電位から第1電位に変化させる程度に、電流供給能力が低いことが望ましい。
具体的に、論理素子13の入力端子は配線DLに接続されており、論理素子13の出力端子は、トランジスタ11のソース及びドレインの一方、すなわちノードND1に接続されている。
〈記憶装置の動作例〉
次いで、図1に示した記憶装置10の、動作の一例について説明する。図2に、図1に示した記憶装置10の動作の一例を、模式的に示す。ただし、図2では、半導体素子16としてnチャネル型のトランジスタ16tを用い、トランジスタ16tのゲートにノードND3が接続されている場合を例示している。そして、図2では、トランジスタ16tのソース及びドレインは、一方が、配線17の一例である配線17aに、他方が配線17の一例である配線17bに、接続されている場合を例示している。また、図3に、配線WL、配線DL、ノードND1、ノードND2、及びノードND3における電位のタイミングチャートを一例として示す。
まず、図2(A)に示すように、期間t1において、配線WLにハイレベルの電位(VDD)が供給される。また、配線VLには、ローレベルの電位(例えば接地電位であるGND)にトランジスタ12の閾値電圧を加算した値よりも高いハイレベルの電位(例えばVDD)が供給される。よって、トランジスタ12は導通状態にあるので、トランジスタ11のゲート、すなわちノードND2には、ハイレベルの電位(VDD)から、トランジスタ12の閾値電圧Vthを差し引いた電位(VDD−Vth)が、トランジスタ12を介して供給される。
そして、配線DLにはハイレベルの電位(VDD)が供給されるため、トランジスタ11のソース及びドレインの一方、すなわちノードND1には、論理素子13によりローレベルの電位(GND)が供給される。そのため、ノードND3には、ローレベルの電位(GND)がトランジスタ11を介して与えられる。よって、期間t1では、トランジスタ16tを非導通状態にし、配線17aと配線17bとを電気的に分離した状態にできる。
次いで、図2(B)に示すように、期間t2の始めにおいて、配線DLに供給される電位は、ハイレベルの電位(VDD)からローレベルの電位(GND)まで低下する。論理素子13は電流供給能力が低いので、配線DLに供給される電位が低下するのに伴い、論理素子13の入力端子と出力端子の間に存在する容量によって、ノードND1の電位も低下する。図2(B)及び図3では、ノードND1の電位が、ローレベルの電位(GND)から、さらに低いローレベルの電位(−VDD)まで低下する場合を例示している。
また、期間t2では、配線WLにハイレベルの電位(VDD)が供給され、配線VLにハイレベルの電位(VDD)が供給された状態が維持される。よって、期間t2の始めにおいて、トランジスタ12は導通状態にあるため、トランジスタ11のゲート、すなわちノードND2には、電位(VDD−Vth)が供給された状態が維持される。
次いで、期間t2では、図2(B)に示すように、論理素子13により、ノードND1の電位が、ローレベルの電位(−VDD)からハイレベルの電位(VDD)まで上昇する。そして、トランジスタ11のソースとゲートの間に形成される容量Csにより、ノードND1の電位の上昇に伴い、トランジスタ11のゲート、すなわちノードND2の電位も上昇を開始する。そのため、ノードND2に接続された、トランジスタ12のソース及びドレインの他方が、電位(VDD−Vth)よりも高くなり、トランジスタ12は非導通状態となる。よって、トランジスタ11のゲート、すなわちノードND2は、浮遊状態となる。
そして、ノードND2が浮遊状態となった後も、ノードND2の電位は上昇を続ける。理想的にノードND2の電位は、電位(VDD−Vth)に、ローレベルの電位(−VDD)とハイレベルの電位(VDD)の差分に相当する電圧が加算されることで得られる電位(3VDD−Vth)にまで、上昇する。すなわち、本発明の一態様では、期間t1の終了時には、トランジスタ11のゲートの電位がハイレベルの電位(VDD)からトランジスタ12の閾値電圧Vthだけ降下していたとしても、期間t2では、トランジスタ11のゲートの電位を上記動作により上昇させることができる。よって、本発明の一態様に係る記憶装置10では、記憶装置10に供給する電源電圧が小さくなり、電位(VDD)と電位(GND)との電位差が小さくなったとしても、データの書き込みの際に上記ノードND1に供給される電位(VDD)が、トランジスタ11の閾値電圧によって降下するのを防ぎつつ、ノードND3に電位(VDD)を供給することができ、なおかつ、上記ノードND3へのデータの書き込みを高速に行うことができる。
そして、期間t2では、ノードND3にハイレベルの電位(VDD)が供給されるので、トランジスタ16tは導通状態となり、配線17aと配線17bとは電気的に接続される。
なお、図2(B)及び図3では、期間t2において、配線DLに供給される電位を、ハイレベルの電位(VDD)からローレベルの電位(GND)まで低下させ、ノードND3に論理値”1”に対応するハイレベルの電位(VDD)を供給する場合を例示している。しかし、本発明の一態様では、期間t2において、配線DLに供給される電位を、ハイレベルの電位(VDD)のままとし、ノードND3に論理値”0”に対応するローレベルの電位(GND)を供給させることも可能である。
次いで、期間t3において、配線WLにローレベルの電位(GND)が供給される。また、配線VLには、ハイレベルの電位(例えばVDD)が供給される。よって、トランジスタ12は導通状態にあるので、トランジスタ12を介してトランジスタ11のゲート、すなわちノードND2には、ローレベルの電位(GND)が供給される。そのため、トランジスタ11は非導通状態となり、ノードND3では期間t2において供給された電位(VDD)が保持される。よって、トランジスタ16tは導通状態を維持し、配線17aと配線17bとは電気的に接続された状態が維持される。
また、期間t3では、配線DLにハイレベルの電位(VDD)が供給される場合を例示しているので、ノードND1は電位(GND)となる。
〈論理素子の構成例〉
次いで、論理素子13としてインバータを用いた記憶装置10の構成を、図4(A)に例示する。
図4(A)に示す記憶装置10が有する論理素子13は、pチャネル型のトランジスタ18と、nチャネル型のトランジスタ19とを有する。トランジスタ18とトランジスタ19のゲートは共に配線DLに接続されている。トランジスタ18のソース及びドレインの一方は、ハイレベルの電位が供給される配線20に接続されており、トランジスタ19のソース及びドレインの一方は、ローレベルの電位が供給される配線21に接続されている。トランジスタ18のソース及びドレインの他方と、トランジスタ19のソース及びドレインの他方とは、トランジスタ11のソース及びドレインの一方、すなわちノードND1に接続されている。
また、論理素子13としてインバータを用いた記憶装置10の、別の構成例を、図4(B)に示す。図4(B)に示す記憶装置10は、図4(A)に示した記憶装置10にインバータ22が追加された構成を有する。具体的に、図4(B)に示す記憶装置10では、配線WLが配線DLに接続されており、配線DLがインバータ22の入力端子と、トランジスタ12のソース及びドレインの一方とに接続されている。なお、図4(B)では、配線WLの図示を省略し、配線DLのみ図示している。そして、インバータ22の出力端子は、論理素子13の入力端子(ノードND4として図示する)に接続されている。
なお、図4(A)及び図4(B)において、データの保持期間が長くなると、半導体素子16に、ハイレベルの電位とローレベルの電位の間の電位が、長期間与えられる場合も生じ得る。よって、例えば、半導体素子16としてインバータを用いる場合、当該インバータを構成するトランジスタのチャネル長を大きくし、上記インバータにより消費される電力を下げることが望ましい。
なお、本発明の一態様に係る記憶装置10では、論理素子13に入力される信号が、第1電位から上記第1電位よりも低い第2電位に変化したときに、ノードND1を第2電位から、第2電位よりも低い第3電位に変化させた後、第3電位から第1電位に変化させる程度に、論理素子13の電流供給能力が低いことが望ましい。具体的に、図4(A)及び図4(B)の場合、トランジスタ18及びトランジスタ19は、そのチャネル長が長いことが望ましい。具体的なチャネル長の長さについて、以下に説明する。ただし、以下の説明では、説明を分かりやすくするために、トランジスタ18のソースが配線20に接続され、トランジスタ19のソースが配線21に接続され、トランジスタ18のドレイン及びトランジスタ19のドレインが、ノードND1に接続されているものと仮定する。
図4(B)に示す記憶装置10において、論理素子13の入力端子、すなわちノードND4の電位が、ハイレベルの電位(VDD)からローレベルの電位(例えば接地電位であるGND)に低下する過渡期において、論理素子13が有するトランジスタ18とトランジスタ19とには、共にチャネル形成領域が形成される。なお、チャネル形成領域とは、トランジスタに含まれる半導体膜または半導体基板のうち、ゲート電極と重なる領域であり、なおかつ、ソース電極またはソース領域と、ドレイン領域またはドレイン電極とに挟まれる領域を意味する。そして、ゲート電極とチャネル形成領域の間の容量のうち、半分をゲート電極とソース領域の間の容量Cs、残りの半分をゲート電極とドレイン領域の容量Cdと仮定すると、容量Cs及び容量Cdは以下の式1で表される。ただし、トランジスタ19のチャネル長とチャネル幅をそれぞれLiとWnとし、トランジスタ18のチャネル長とチャネル幅をそれぞれLiとWpとし、比例定数をaとする。
トランジスタ18のソースに接続されている配線20と、トランジスタ19のソースに接続されている配線21には、共に固定の電位が与えられている。そして、トランジスタ11のチャネル形成領域の抵抗が大きいこと、さらに、論理素子13の入力端子の電位が、ハイレベルの電位(VDD)からローレベルの電位(GND)に低下する際にトランジスタ12が非導通状態であることから、トランジスタ18のドレイン及びトランジスタ19のドレインはフローティングの状態にあるとみなすことができる。
インバータ22の出力端子から論理素子13の入力端子に供給されるシンク電流をIsとすると、論理素子13の容量Csはシンク電流Isにより充電されることから、論理素子13の入力端子における電位の立ち下がりの時定数τiは、以下の式2で表される。
インバータ22が有する各トランジスタのチャネル長とチャネル幅を、それぞれLとWとする。通常、上記チャネル長Lとチャネル幅Wは、プロセスで規定される最小のサイズが採用される。また、論理素子13のトランジスタ19のチャネル幅Wnは、上記チャネル幅Wと等しいと仮定する。トランジスタ18のチャネル幅Wpは、nチャネル型であるトランジスタ19とpチャネル型であるトランジスタ18の移動度の差を考慮し、トランジスタ19と同じドレイン電流が流れるように調整されているものとする。
そして、論理素子13の入力端子が、ハイレベルの電位(VDD)からローレベルの電位(GND)に低下する際に、ノードND1が電位(−VDD)まで低下すると仮定すると、論理素子13では、トランジスタ18及びトランジスタ19に共に電流Iiが流れる。上記電流Iiは、以下の式3で表すことができる。
そして、論理素子13のトランジスタ18及びトランジスタ19に共に流れる電流Iiにより、論理素子13の容量Cdが充電されるので、ノードND1における電位の立ち上がりの時定数τoは、以下の式4で表される。
本発明の一態様において、論理素子13の電流供給能力は低いことが望ましく、そのためには、時定数τoが時定数τiより大きいという条件を満たすことが望ましい。すなわち、上記条件を満たすためには、式2と式4から、以下の式5を満たす必要がある。
式5から、以下の式6が導き出される。
従って、本発明の一態様では、論理素子13が有するトランジスタのチャネル長Liが、インバータ22が有するトランジスタのチャネル長Lの2倍より大きいことが望ましい。
また、図4(A)の場合、配線DLの寄生抵抗をRp、寄生容量をCpとすると、論理素子13の入力端子における電位の立ち下がりの時定数τiは、以下の式7で表される。
そして、図4(A)の場合、ノードND1における電位の立ち上がりの時定数τoは、図4(B)の場合と同様に、式4で表される。そして、時定数τoが時定数τiより大きいという条件を満たすためには、以下の式8を満たす必要がある。
式8から、以下の式9が導き出される。
したがって、図4(A)の場合、論理素子13が有するトランジスタのチャネル長Lは、他のトランジスタのチャネル長Lに比べて、式9を満たす程度に十分に大きくすることが望ましい。
次いで、図4(B)に示した記憶装置10の、計算により得られた各配線及びノードの電位の波形を、図13に示す。計算は、ローレベルの電位を0V、ハイレベルの電位を1Vとして行った。
配線DLの電位が0Vから1Vに上昇すると、インバータである論理素子13の入力端子、すなわちノードND4の電位は、1Vから0Vに低下した。電流供給能力が十分に高いインバータの場合は、入力端子に0Vが供給されると、出力端子から1Vを出力するが、論理素子13は電流供給能力が低い。そのため、ノードND4の電位が下がると、論理素子13の入力端子と出力端子の間に存在する容量により、ノードND1の電位は、0Vから−1V近くまで一旦低下した後、時間をかけて1Vまで上昇した。
また、配線DLの電位が0Vから1Vに上昇するのに伴い、ノードND2の電位も上昇を開始した。そして、トランジスタ12のゲート電圧が閾値電圧に近づくと、トランジスタ12のドレイン電流が小さくなり、ノードND2の電位は1Vに達することなく、0.6V乃至0.7V程度となると上昇を停止した。そして、ノードND2の電位が上記電位に達した後、ノードND1の電位が0Vから−1V近くにまで低下する際に、ノードND2の電位はトランジスタ11の容量Csにより低下しそうになるが、ノードND2にはトランジスタ12を介して配線DLから1Vが供給されるので、ノードND2の電位はほとんど低下しなかった。
次いで、ノードND1の電位が−1V近くから1Vに上昇する際、トランジスタ12は非導通状態となるため、ノードND2の電位は、トランジスタ11の容量Csにより2Vを超える程度にまで上昇した。そして、ノードND2の電位が十分高くなったので、トランジスタ11の閾値電圧分だけノードND3の電位が低下するということなく、ノードND3に所望の電位1Vを書き込めたことが確認された。
もし、論理素子13の電流供給能力が十分に高く、ノードND1の電位が0Vから一旦低下することなく1Vに上昇するのであれば、ノードND2の電位は、トランジスタ11の容量Csによって1Vを超える程度まで上昇することはあっても2Vを超える高さまでは上昇しない。一方、本発明の一態様では、論理素子13の出力端子における電位が一旦低下してから上昇するために、ノードND2の電位、すなわちトランジスタ11のゲートの電位を、論理素子13の電流供給能力が十分に大きい場合よりも高くすることができる。従って、電源電位の数を増加させることなく、メモリセル14のノードND3に所望の電位を書き込むことが可能となる。
〈記憶装置の構成例2〉
次いで、複数のメモリセルを有する記憶装置の構成と、その駆動方法の一例について説明する。
図5は、メモリセル14を複数有するセルアレイ30の、回路図の一例である。ただし、図5では、図1とは異なり、半導体素子16がメモリセル14に含まれる場合を例示しており、なおかつ、半導体素子16としてトランジスタ16tを用いる場合を例示している。
図5に示すセルアレイ30では、複数の配線WL、複数の配線DL、複数の配線VL、複数の配線CL、複数の配線SLなどの各種配線が設けられており、駆動回路からの信号又は電位が、これら配線を介して各メモリセル14に供給される。
なお、上記配線の数は、メモリセル14の数及び配置によって決めることができる。具体的に、図5に示すセルアレイ30の場合、y行×x列(x、yは2以上の自然数)のメモリセル14がマトリクス状に接続されており、複数の配線WLに相当する配線WL1乃至配線WLyと、複数の配線DLに相当する配線DL1乃至配線DLxと、複数の配線VLに相当する配線VL1乃至配線VLyと、複数の配線CLに相当する配線CL1乃至配線CLyと、複数の配線SLに相当する配線SL1乃至配線SLyとが、セルアレイ30内に配置されている場合を例示している。
そして、各メモリセル14では、論理素子13の入力端子が配線DLの一つに接続され、論理素子13の出力端子がトランジスタ11のソース及びドレインの一方に接続されている。トランジスタ12は、ゲートが配線VLの一つに接続され、ソース及びドレインの一方が配線WLに接続され、ソース及びドレインの他方がトランジスタ11のゲートに接続されている。トランジスタ11のソース及びドレインの他方は、トランジスタ16tのゲートと、容量素子15が有する一方の電極とに、接続されている。容量素子15が有する他方の電極は、配線CLの一つに接続されている。トランジスタ16tは、ソース及びドレインの一方が配線DLの一つに接続されており、ソース及びドレインの他方が配線SLの一つに接続されている。
図5では、トランジスタ11及びトランジスタ12がnチャネル型であり、トランジスタ16tがpチャネル型である場合を例示している。また、配線DLと配線SLとは、一方が、図1に示す配線17の一例である配線17aに相当し、他方が、図1に示す配線17の一例である配線17bに相当する。
次いで、図5に示すセルアレイ30の動作について、図6のタイミングチャートを用いて説明する。なお、図6では、1行1列目のメモリセル14と、1行x列目のメモリセル14と、y行1列目のメモリセル14と、y行x列目のメモリセル14とにおいて、データの書き込み、保持、読み出しを行う場合を例に挙げている。
また、図6では、ローレベルの電位として接地電位(GND)を用いる場合を例示している。
まず、期間T1において、1行目のメモリセル14が有する、配線WL1及び配線CL1の選択を行う。具体的に図6では、配線WL1にハイレベルの電位(VDD)が供給され、それ以外の配線WL2乃至配線WLyには、ローレベルの電位(GND)が供給される。また、配線SL及び配線VLには、電位(VDD)が供給されている。よって、1行目のメモリセル14が有するトランジスタ11が、選択的に導通状態になる。また、配線CL1には電位(GND)が供給され、他の配線CL2乃至配線CLyには電位(VDD)が供給される。
そして、配線WL1及び配線CL1が選択されている期間において、配線DL1及び配線DLxに、データを含む信号の電位が供給される。配線DL1及び配線DLxに供給される電位のレベルは、データの内容によって当然異なる。図6では、配線DL1に電位(GND)が供給され、配線DLxに電位(VDD)が供給されている場合を例示する。配線DL1及び配線DLxに供給される電位は、論理素子13によってその極性が反転させられた後、導通状態のトランジスタ11を介して、トランジスタ16tのゲート、すなわちノードND3に供給される。そして、供給される電位に従って、ノードND3に蓄積される電荷量が制御されることで、1行1列目のメモリセル14と、1行x列目のメモリセル14へのデータの書き込みが行われる。
なお、論理素子13は電流供給能力が低いので、期間T1において配線DL1に供給される電位が低下するのに伴い、論理素子13が有する容量によって、配線DL1及び配線WL1に接続されたメモリセル14の、ノードND1の電位も低下する。そして、トランジスタ11のソースとゲートの間に形成される容量Csにより、ノードND1の電位の上昇に伴い、トランジスタ11のゲート、すなわちノードND2の電位も上昇を開始する。そのため、ノードND2に接続された、トランジスタ12のソース及びドレインの他方が、電位(VDD−Vth)よりも高くなり、トランジスタ12は非導通状態となる。よって、トランジスタ11のゲート、すなわちノードND2は、浮遊状態となる。そして、ノードND2が浮遊状態となった後も、ノードND2の電位は上昇を続け、理想的には、電位(VDD−Vth)に、ローレベルの電位(−VDD)とハイレベルの電位(VDD)の差分に相当する電圧が加算されることで得られる電位(3VDD−Vth)にまで、上昇させることができる。よって、データの書き込みの際に上記ノードND1に供給される電位(VDD)が、トランジスタ11の閾値電圧によって降下するのを防ぎつつ、ノードND3に電位(VDD)を供給することができ、なおかつ、上記ノードND3へのデータの書き込みを高速に行うことができる。
次いで、配線WL1に電位(GND)が供給され、1行目のメモリセル14が有するトランジスタ11が、非導通状態になる。また、配線CL1に電位(VDD)が供給され、それに伴いノードND3の電位が上昇することで、ノードND3に書き込まれたデータに関わらず、トランジスタ16tは非導通状態となる。
次いで、期間T2において、y行目のメモリセル14が有する、配線WLy及び配線CLyの選択を行う。具体的に図6では、配線WLyに電位(VDD)が供給され、それ以外の配線WL1乃至配線WL(y−1)には、電位(GND)が供給される。また、配線SL及び配線VLには、電位(VDD)が供給されている。よって、y行目のメモリセル14が有するトランジスタ11が、選択的に導通状態になる。また、配線CLyには電位(GND)が供給され、他の配線CL1乃至配線CL(y−1)には電位(VDD)が供給される。
そして、配線WLy及び配線CLyが選択されている期間において、配線DL1及び配線DLxに、データを含む信号の電位が供給される。図6では、配線DL1に電位(VDD)が供給され、配線DLxに電位(GND)が供給されている場合を例示する。配線DL1及び配線DLxに供給される電位は、論理素子13によってその極性が反転させられた後、導通状態のトランジスタ11を介して、トランジスタ16tのゲート、すなわちノードND3に供給される。そして、供給される電位に従って、ノードND3に蓄積される電荷量が制御されることで、y行1列目のメモリセル14と、y行x列目のメモリセル14へのデータの書き込みが行われる。
なお、期間T1における配線DL1及び配線WL1に接続されたメモリセル14の場合と同様に、期間T2では、配線DLx及び配線WLyに接続されたメモリセル14において、トランジスタ11のゲート、すなわちノードND2を、理想的には電位(3VDD−Vth)にまで、上昇させることができる。よって、データの書き込みの際に上記ノードND1に供給される電位(VDD)が、トランジスタ11の閾値電圧によって降下するのを防ぎつつ、ノードND3に電位(VDD)を供給することができ、なおかつ、上記ノードND3へのデータの書き込みを高速に行うことができる。
また、メモリセル14に誤ったデータが書き込まれるのを防ぐために、配線WL及び配線CLの選択期間が終了した後に、配線DLへのデータを含む信号の供給を、終了させることが望ましい。
次いで、配線WLyに電位(GND)が供給され、y行目のメモリセル14が有するトランジスタ11が、非導通状態になる。また、配線CLyに電位(VDD)が供給され、それに伴いノードND3の電位が上昇することで、ノードND3に書き込まれたデータに関わらず、トランジスタ16tは非導通状態となる。
本発明の一態様では、上述したように、トランジスタ11のオフ電流が著しく小さい。トランジスタ11のオフ電流が小さいと、ノードND3に蓄積された電荷はリークしづらくなるため、長い期間に渡ってデータの保持を行うことができる。
次いで、期間T3に示すように、1行目のメモリセル14が有する、配線CL1の選択を行う。具体的に図6では、配線CL1に電位(GND)が供給され、他の配線CL2乃至配線CLyにハイレベルの電位(VDD)が供給される。また、期間T3では、全ての配線WLは、電位(GND)が供給されることで非選択の状態になっている。そして、配線CL1の選択が行われている期間において、配線SL及び配線VLには、電位(VDD)が供給されている。
トランジスタ16tのソースとドレイン間の抵抗は、ノードND3に蓄積された電荷量に依存する。よって、配線DL1及び配線DLxには、ノードND3に蓄積された電荷量に応じた電位が供給される。そして、上記電位から電荷量の違いを読み取ることにより、1行1列目のメモリセル14と、1行x列目のメモリセル14から、データを読み出すことができる。
次いで、期間T4に示すように、y行目のメモリセル14が有する、配線CLyの選択を行う。具体的に図6では、配線CLyに電位(GND)が供給され、他の配線CL1乃至配線CL(y−1)にハイレベルの電位(VDD)が供給される。また、期間T4では、全ての配線WLは、電位(GND)が供給されることで非選択の状態になっている。そして、配線CLyの選択が行われている期間において、配線SL及び配線VLには、電位(VDD)が供給されている。
トランジスタ16tのソースとドレイン間の抵抗は、ノードND3に蓄積された電荷量に依存する。よって、配線DL1及び配線DLxには、ノードND3に蓄積された電荷量に応じた電位が供給される。そして、上記電位から電荷量の違いを読み取ることにより、y行1列目のメモリセル14と、y行x列目のメモリセル14から、データを読み出すことができる。
なお、各配線DLの先には読み出し回路が接続されており、読み出し回路の出力信号が、セルアレイ30から実際に読み出されたデータを含んでいる。
〈半導体装置の構成例〉
半導体装置の一つであるプログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)は、適当な規模の論理ブロック(プログラマブルロジックエレメント)で論理回路が構成されており、各論理ブロックの機能や、論理ブロック間の接続構造を、製造後において変更(コンフィギュレーション)できることを特徴とする。具体的に、上記PLDは、複数の論理ブロックと、論理ブロック間の接続を制御する配線リソースとを有する。各論理ブロックの機能と、配線リソースにより構成される論理ブロック間の接続構造とは、コンフィギュレーションデータにより定義され、上記コンフィギュレーションデータは、各論理ブロックが有する記憶装置、または配線リソースが有する記憶装置に格納される。
図1に示した記憶装置10が有する半導体素子16としてスイッチを用い、半導体素子16により複数の論理ブロック41間の電気的な接続が制御される、PLDの構成例を図7に示す。
図7では、記憶装置10に保持されているデータに従って、導通状態または非導通状態が選択されるスイッチとしての機能を有するトランジスタなどの半導体素子16と、半導体素子16により互いの電気的な接続が制御される論理ブロック41−1及び論理ブロック41−2が図示されている。論理ブロック41−1及び論理ブロック41−2は、複数の論理ブロック(LB)41の一例に相当する。
具体的に、半導体素子16がデータに従って導通状態になると、論理ブロック41−1と論理ブロック41−2とは電気的に接続され、半導体素子16がデータに従って非導通状態になると、論理ブロック41−1と論理ブロック41−2とは電気的に分離される。
よって、記憶装置10に保持されているコンフィギュレーションデータに従って、論理ブロック41−1と論理ブロック41−2の電気的な接続を制御することができる。
なお、記憶装置10におけるコンフィギュレーションデータの消失を事前に検出するために、検出用の記憶装置10をPLDに設けるようにしても良い。検出用の記憶装置10は、例えば、図4(B)に示す記憶装置10において、半導体素子16にインバータを用いた構成とすることができる。ノードND3に接続された容量素子15やその他の寄生容量を含めた容量値は、検出用の記憶装置10の方が、コンフィギュレーションメモリとして用いる記憶装置10よりも、小さくなるように設定しておくことが望ましい。そして、コンフィギュレーションが終了した後、検出用の記憶装置10において、配線DLの電位をハイレベルにして、ノードND3にハイレベルの電位を書き込む。そして、ノードND3の電位が、インバータである半導体素子16のしきい値電位よりも下がれば、半導体素子16から出力される電位はローレベルからハイレベルに変化するため、当該電位の変化を検出することで、コンフィギュレーションデータが消失するタイミングを見定めることができる。上記構成により、コンフィギュレーションデータが消失する前に、PLDにて使用中のデータを退避させた上でクロック信号及び電源電圧の供給を停止する、或いは、外部メモリにコンフィギュレーションデータの再書き込みを要求することができる。また、PLDの電源をオフにした後、再び電源をオンにする際に、インバータである半導体素子16から出力される電位がハイレベルであれば、PLDは外部メモリにコンフィギュレーションデータの再書き込みを要求することができる。
次いで、図8(A)に、論理ブロック(LB)41の一形態を例示する。図8(A)に示す論理ブロック41は、LUT(ルックアップテーブル)42と、フリップフロップ43と、記憶装置10と、を有する。LUT42は、記憶装置10が有するコンフィギュレーションデータに従って、行われる論理演算が定義される。具体的にLUT42は、入力端子44に与えられた複数の入力信号の入力値に対する、一の出力値が定まる。そして、LUT42からは、上記出力値を含む信号が出力される。フリップフロップ43は、LUT42から出力される信号を保持し、クロック信号CLKに同期して当該信号に対応した出力信号を、第1出力端子45及び第2出力端子46から出力する。
なお、論理ブロック41がさらにマルチプレクサ回路を有し、当該マルチプレクサ回路によって、LUT42からの出力信号がフリップフロップ43を経由するか否かを選択できるようにしても良い。
また、コンフィギュレーションデータによって、フリップフロップ43の種類を定義できる構成にしても良い。具体的には、コンフィギュレーションデータによって、フリップフロップ43がD型フリップフロップ、T型フリップフロップ、JK型フリップフロップ、またはRS型フリップフロップのいずれかの機能を有するようにしても良い。
また、図8(B)に、論理ブロック41の別の一形態を例示する。図8(B)に示す論理ブロック41は、図8(A)に示した論理ブロック41に、AND回路47が追加された構成を有している。AND回路47には、フリップフロップ43からの信号が、正論理の入力として与えられ、信号INITが負論理の入力として与えられている。上記構成により、論理ブロック41からの出力信号が供給される配線の電位を初期化することができる。よって、論理ブロック41間で大量の電流が流れることを未然に防ぎ、PLDの破損が引き起こされるのを防ぐことができる。
また、図8(C)に、論理ブロック41の別の一形態を例示する。図8(C)に示す論理ブロック41は、図8(A)に示した論理ブロック41に、マルチプレクサ48が追加された構成を有している。また、図8(C)に示す論理ブロック41は、記憶装置10a及び記憶装置10bで示される二つの記憶装置10を有する。LUT42は、記憶装置10aが有するコンフィギュレーションデータに従って、行われる論理演算が定義される。また、マルチプレクサ48は、LUT42からの出力信号と、フリップフロップ43からの出力信号とが入力されている。そして、マルチプレクサ48は、記憶装置10bに格納されているコンフィギュレーションデータに従って、上記2つの出力信号のいずれか一方を選択し、出力する機能を有する。マルチプレクサ48からの出力信号は、第1出力端子45及び第2出力端子46から出力される。
図9(A)にPLD40の構造の一部を、一例として模式的に示す。図9(A)に示すPLD40は、複数の論理ブロック(LB)41と、複数の論理ブロック41のいずれかに接続された配線群121と、配線群121を構成する配線どうしの接続を制御するスイッチ回路122とを有する。配線群121及びスイッチ回路122が、配線リソース123に相当する。スイッチ回路122によって制御される配線どうしの接続構造は、記憶装置10が有するコンフィギュレーションデータによって定められる。
図9(B)に、スイッチ回路122の構成例を示す。図9(B)に示すスイッチ回路122は、配線群121に含まれる配線125と配線126の接続構造を制御する機能を有する。具体的に、スイッチ回路122は、トランジスタ127乃至トランジスタ132を有する。トランジスタ127乃至トランジスタ132は、記憶装置10が有する半導体素子16に相当する。よって、スイッチ回路122と記憶装置10は、トランジスタ127乃至トランジスタ132を共有していると言える。トランジスタ127乃至トランジスタ132は、複数の記憶装置10のノードND3に、それぞれ接続されている。そして、トランジスタ127乃至トランジスタ132の導通状態または非導通状態の選択(スイッチング)は、記憶装置10のノードND3に保持されているデータにより定まる。
トランジスタ127は、配線125におけるPointAと、配線126におけるPointCの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ128は、配線125におけるPointBと、配線126におけるPointCの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ129は、配線125におけるPointAと、配線126におけるPointDの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ130は、配線125におけるPointBと、配線126におけるPointDの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ131は、配線125におけるPointAとPointBの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ132は、配線126におけるPointCとPointDの電気的な接続を制御する機能を有する。
また、スイッチ回路122は、配線群121と、PLD40の出力端子124の、電気的な接続を制御する機能を有する。
図10に、PLD40全体の構成を一例として示す。図10では、PLD40に、I/Oエレメント140、PLL(phase lock loop)141、RAM142、乗算器143が設けられている。I/Oエレメント140は、PLD40の外部回路からの信号の入力、または外部回路への信号の出力を制御する、インターフェースとしての機能を有する。PLL141は、信号CKを生成する機能を有する。RAM142は、論理演算に用いられるデータを格納する機能を有する。乗算器143は、乗算専用の論理回路に相当する。PLD40に乗算を行う機能が含まれていれば、乗算器143は必ずしも設ける必要はない。
〈セルの断面構造の例〉
図11に、図4(A)に示した記憶装置10が有する、トランジスタ11、トランジスタ12、トランジスタ18、トランジスタ19、及び容量素子15の断面構造を、一例として示す。
図11では、SOI(Silicon On Insulator)基板に、pチャネル型のトランジスタ18、nチャネル型のトランジスタ19、nチャネル型のトランジスタ12が形成され、酸化物半導体膜を用いたトランジスタ11が、トランジスタ18、トランジスタ19、及びトランジスタ12上に形成されている場合を例示している。トランジスタ18、トランジスタ19、及びトランジスタ12は、非晶質、微結晶、多結晶または単結晶である、シリコン又はゲルマニウムなどの薄膜の半導体膜を用いていても良い。或いは、トランジスタ18、トランジスタ19、及びトランジスタ12は、酸化物半導体膜を用いていても良い。全てのトランジスタが酸化物半導体膜を用いている場合、トランジスタ18、トランジスタ19、及びトランジスタ12上にトランジスタ11が積層されていなくとも良く、同一の絶縁表面上に全てのトランジスタが形成されていても良い。また、トランジスタ18、トランジスタ19、及びトランジスタ12は、単結晶のシリコン基板に形成されていても良い。ただし、ノードND1に負の極性を有する電位が供給されたときにラッチアップが生じるのを防ぐために、本発明の一態様では、絶縁表面上に設けられた薄膜の半導体膜を用いて、トランジスタ18、トランジスタ19、及びトランジスタ12を形成することが望ましい。
なお、薄膜のシリコンを用いてトランジスタ18、トランジスタ19、及びトランジスタ12を形成する場合、プラズマCVD法などの気相成長法若しくはスパッタリング法で作製された非晶質シリコン、非晶質シリコンをレーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコンなどを用いても良い。
図11では、絶縁膜401が形成された基板400上に、トランジスタ18、トランジスタ19、及びトランジスタ12が形成されている。
基板400として使用することができる素材に大きな制限はないが、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。例えば、基板400には、フュージョン法やフロート法で作製されるガラス基板、石英基板、半導体基板、セラミック基板等を用いることができる。ガラス基板としては、後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以上のものを用いると良い。
本実施の形態では、単結晶シリコンの半導体基板を基板400として用いることが望ましい。単結晶の半導体基板はガラス基板よりも表面の平坦性が高い。よって、基板のうねりに起因して絶縁膜や導電膜などの膜厚がばらつくのを防ぐことができるため、トランジスタなどの半導体素子を微細化しても半導体素子の電気的特性を均一にすることができる。
具体的に、トランジスタ18は、絶縁膜401上に、結晶性を有する半導体膜402と、半導体膜402上のゲート絶縁膜403と、ゲート絶縁膜403を間に挟んで半導体膜402と重なる位置に設けられたゲート電極404とを有する。そして、半導体膜402は、チャネル形成領域として機能する第1の領域405と、p型の導電型を有し、ソースまたはドレインとして機能する、第2の領域406及び第2の領域407とを有する。第2の領域406及び第2の領域407は、第1の領域405を間に挟んでいる。
具体的に、トランジスタ19は、絶縁膜401上に、結晶性を有する半導体膜408と、半導体膜408上のゲート絶縁膜409と、ゲート絶縁膜409を間に挟んで半導体膜408と重なる位置に設けられたゲート電極410とを有する。そして、半導体膜408は、チャネル形成領域として機能する第1の領域411と、n型の導電型を有し、ソースまたはドレインとして機能する、第2の領域412及び第2の領域413とを有する。第2の領域412及び第2の領域413は、第1の領域411を間に挟んでいる。
具体的に、トランジスタ12は、絶縁膜401上に、結晶性を有する半導体膜414と、半導体膜414上のゲート絶縁膜415と、ゲート絶縁膜415を間に挟んで半導体膜414と重なる位置に設けられたゲート電極416とを有する。そして、半導体膜414は、チャネル形成領域として機能する第1の領域417と、n型の導電型を有し、ソースまたはドレインとして機能する、第2の領域418及び第2の領域419とを有する。第2の領域418及び第2の領域419は、第1の領域417を間に挟んでいる。
トランジスタ18、トランジスタ19、及びトランジスタ12上には、絶縁膜420が設けられている。絶縁膜420には開口部が形成されており、上記開口部において、第2の領域406に接続された配線423と、第2の領域407及び第2の領域412に接続された配線424と、第2の領域413に接続された配線425と、第2の領域418に接続された配線426と、第2の領域419に接続された配線427とが、絶縁膜420上に形成されている。
配線423乃至配線427上には、絶縁膜430が形成されている。そして、絶縁膜430上には、トランジスタ11と、容量素子15と、配線445が形成されている。
トランジスタ11は、絶縁膜430上に、酸化物半導体を含む半導体膜431と、半導体膜431上の、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜432及び導電膜433と、半導体膜431、導電膜432及び導電膜433上のゲート絶縁膜434と、導電膜432と導電膜433の間において、ゲート絶縁膜434を間に挟んで半導体膜431と重なっているゲート電極435と、を有する。
そして、導電膜432は、絶縁膜430に設けられた開口部において、配線424に接続されている。また、配線445は、絶縁膜430に設けられた開口部において、配線426に接続されている。
また、ゲート絶縁膜434上において導電膜433と重なる位置に、導電膜436が設けられている。ゲート絶縁膜434を間に挟んで導電膜433及び導電膜436が重なっている部分が、容量素子15として機能する。
なお、図11では、容量素子15がトランジスタ11と共に絶縁膜430上に設けられている場合を例示しているが、容量素子15は、トランジスタ18、トランジスタ19、及びトランジスタ12と共に、絶縁膜430の下に設けられていても良い。
トランジスタ11及び容量素子15上には、絶縁膜441及び絶縁膜442が、順に積層するように設けられている。絶縁膜441は、絶縁膜442から放出された水素が半導体膜431に侵入するのを防ぐ機能を有する、窒化珪素などを用いた絶縁膜であることが望ましい。
絶縁膜441、絶縁膜442、及びゲート絶縁膜434には開口部が設けられており、上記開口部においてゲート電極435及び配線445に接続される導電膜443が、絶縁膜442上に設けられている。
なお、図11において、トランジスタ11は、ゲート電極435を半導体膜431の片側において少なくとも有していれば良いが、半導体膜431を間に挟んで存在する一対のゲート電極を有していても良い。
トランジスタ11が、半導体膜431を間に挟んで存在する一対のゲート電極を有している場合、一方のゲート電極には導通状態または非導通状態を制御するための信号が与えられ、他方のゲート電極は、電位が他から与えられている状態であっても良い。この場合、一対のゲート電極に、同じ高さの電位が与えられていても良いし、他方のゲート電極にのみ接地電位などの固定の電位が与えられていても良い。他方のゲート電極に与える電位の高さを制御することで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。
また、図11では、トランジスタ11が、一のゲート電極435に対応した一のチャネル形成領域を有する、シングルゲート構造である場合を例示している。しかし、トランジスタ11は、電気的に接続された複数のゲート電極を有することで、一の活性層にチャネル形成領域を複数有する、マルチゲート構造であっても良い。
〈半導体膜について〉
なお、電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物が低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体(purified Oxide Semiconductor)は、i型(真性半導体)又はi型に限りなく近い。そのため、高純度化された酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタは、オフ電流が著しく小さく、信頼性が高い。
具体的に、高純度化された酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタのオフ電流が小さいことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。この場合、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流は、100zA/μm以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流の測定を行った。当該測定では、高純度化された酸化物半導体膜を上記トランジスタのチャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジスタのオフ電流を測定した。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の電圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに小さいオフ電流が得られることが分かった。従って、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタに比べて著しく小さい。
なお、半導体膜として酸化物半導体膜を用いる場合、酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてジルコニウム(Zr)を含むことが好ましい。
酸化物半導体の中でもIn−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物などは、炭化シリコン、窒化ガリウム、または酸化ガリウムとは異なり、スパッタリング法や湿式法により電気的特性の優れたトランジスタを作製することが可能であり、量産性に優れるといった利点がある。また、炭化シリコン、窒化ガリウム、または酸化ガリウムとは異なり、上記In−Ga−Zn系酸化物は、ガラス基板上に、電気的特性の優れたトランジスタを作製することが可能である。また、基板の大型化にも対応が可能である。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素を含んでいてもよい。In−Ga−Zn系酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高い。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)あるいはIn:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)の原子比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
例えば、In−Sn−Zn系酸化物では比較的容易に高い移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn系酸化物でも、バルク内欠陥密度を低減することにより移動度を上げることができる。
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
酸化物半導体膜は、単結晶酸化物半導体膜と非単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、多結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜などをいう。
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶成分を有さない酸化物半導体膜である。微小領域においても結晶部を有さず、膜全体が完全な非晶質構造の酸化物半導体膜が典型である。
微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の大きさの微結晶(ナノ結晶ともいう。)を含む。従って、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも原子配列の規則性が高い。そのため、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。
CAAC−OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つであり、ほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。CAAC−OS膜は、微結晶酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。以下、CAAC−OS膜について詳細な説明を行う。
CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって観察すると、結晶部同士の明確な境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
CAAC−OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
一方、CAAC−OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有していることがわかる。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。InGaZnOの単結晶酸化物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAAC−OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気的特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
〈電子機器の例〉
本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る記憶装置または半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図12に示す。
図12(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5001、筐体5002、表示部5003、表示部5004、マイクロホン5005、スピーカー5006、操作キー5007、スタイラス5008等を有する。なお、図12(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5003と表示部5004とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図12(B)は携帯情報端末であり、第1筐体5601、第2筐体5602、第1表示部5603、第2表示部5604、接続部5605、操作キー5606等を有する。第1表示部5603は第1筐体5601に設けられており、第2表示部5604は第2筐体5602に設けられている。そして、第1筐体5601と第2筐体5602とは、接続部5605により接続されており、第1筐体5601と第2筐体5602の間の角度は、接続部5605により変更が可能である。第1表示部5603における映像を、接続部5605における第1筐体5601と第2筐体5602との間の角度に従って、切り替える構成としても良い。また、第1表示部5603及び第2表示部5604の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
図12(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する。
図12(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体5301、冷蔵室用扉5302、冷凍室用扉5303等を有する。
図12(E)はビデオカメラであり、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部5803、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。操作キー5804及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐体5802に設けられている。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続部5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、接続部5806により変更が可能である。表示部5803における映像を、接続部5806における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
図12(F)は普通自動車であり、車体5101、車輪5102、ダッシュボード5103、ライト5104等を有する。
10 記憶装置
10a 記憶装置
10b 記憶装置
11 トランジスタ
12 トランジスタ
13 論理素子
14 メモリセル
15 容量素子
16 半導体素子
16t トランジスタ
17 配線
17a 配線
17b 配線
18 トランジスタ
19 トランジスタ
20 配線
21 配線
22 インバータ
30 セルアレイ
40 PLD
41 論理ブロック
41−1 論理ブロック
41−2 論理ブロック
42 LUT
43 フリップフロップ
44 入力端子
45 出力端子
46 出力端子
47 AND回路
48 マルチプレクサ
121 配線群
122 スイッチ回路
123 配線リソース
124 出力端子
125 配線
126 配線
127 トランジスタ
128 トランジスタ
129 トランジスタ
130 トランジスタ
131 トランジスタ
132 トランジスタ
140 I/Oエレメント
141 PLL
142 RAM
143 乗算器
400 基板
401 絶縁膜
402 半導体膜
403 ゲート絶縁膜
404 ゲート電極
405 第1の領域
406 第2の領域
407 第2の領域
408 半導体膜
409 ゲート絶縁膜
410 ゲート電極
411 第1の領域
412 第2の領域
413 第2の領域
414 半導体膜
415 ゲート絶縁膜
416 ゲート電極
417 第1の領域
418 第2の領域
419 第2の領域
420 絶縁膜
423 配線
424 配線
425 配線
426 配線
427 配線
430 絶縁膜
431 半導体膜
432 導電膜
433 導電膜
434 ゲート絶縁膜
435 ゲート電極
436 導電膜
441 絶縁膜
442 絶縁膜
443 導電膜
445 配線
5001 筐体
5002 筐体
5003 表示部
5004 表示部
5005 マイクロホン
5006 スピーカー
5007 操作キー
5008 スタイラス
5101 車体
5102 車輪
5103 ダッシュボード
5104 ライト
5301 筐体
5302 冷蔵室用扉
5303 冷凍室用扉
5401 筐体
5402 表示部
5403 キーボード
5404 ポインティングデバイス
5601 筐体
5602 筐体
5603 表示部
5604 表示部
5605 接続部
5606 操作キー
5801 筐体
5802 筐体
5803 表示部
5804 操作キー
5805 レンズ
5806 接続部

Claims (8)

  1. 第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第1の信号が入力される論理素子と、半導体素子と、を有し、
    前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタのゲートへの第2の信号の供給を制御する機能を有し、
    前記論理素子は、前記第1の信号が第1の電位から第2の電位に変化すると、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方を前記第2の電位から第3の電位に変化させた後、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方を前記第3の電位から前記第1の電位に変化させる機能を有し、
    前記半導体素子は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方を浮遊状態にする機能を有し、
    前記第2の電位は、前記第1の電位よりも低く、
    前記第3の電位は、前記第2の電位よりも低い記憶装置。
  2. 第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第1のインバータと、第2のインバータと、半導体素子と、を有し、
    前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタのゲートへの第1の信号の供給を制御する機能を有し、
    前記第1のインバータは、前記第1の信号が入力されると第2の信号を生成する機能を有し、
    前記第のインバータは、前記第2の信号の電位が入力されると第3の信号を生成する機能を有し、
    前記第3の信号の電位は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方に供給され、
    前記半導体素子は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方を浮遊状態にする機能を有し、
    前記第1のインバータは、nチャネル型である第3のトランジスタを有し、
    前記第2のインバータは、nチャネル型である第4のトランジスタを有し、
    前記第4のトランジスタのチャネル長は、前記第3のトランジスタのチャネル長の2倍より大きい記憶装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1のトランジスタは、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有する記憶装置。
  4. 請求項3において、
    前記酸化物半導体膜は、In、Ga、及びZnを含む記憶装置。
  5. 記憶装置を備えた論理ブロックを有し、
    前記記憶装置は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第1の信号が入力される論理素子と、を有し、
    前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタのゲートへの第2の信号の供給を制御する機能を有し、
    前記論理素子は、前記第1の信号が第1の電位から第2の電位に変化すると、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方を前記第2の電位から第3の電位に変化させた後、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方を前記第3の電位から前記第1の電位に変化させる機能を有し、
    前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第3のトランジスタのゲートに電気的に接続されており、
    前記第2の電位は、前記第1の電位よりも低く、
    前記第3の電位は、前記第2の電位よりも低く、
    前記論理ブロックは、前記第3のトランジスタにより、入力される信号の論理レベルと出力される信号の論理レベルとの関係が定められる半導体装置。
  6. 記憶装置と、複数の論理ブロックと、を有し、
    前記記憶装置は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第1の信号が入力される論理素子と、を有し、
    前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタのゲートへの第2の信号の供給を制御する機能を有し、
    前記論理素子は、前記第1の信号が第1の電位から第2の電位に変化すると、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方を前記第2の電位から第3の電位に変化させた後、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方を前記第3の電位から前記第1の電位に変化させる機能を有し、
    前記第1のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第3のトランジスタのゲートに電気的に接続されており、
    前記第2の電位は、前記第1の電位よりも低く、
    前記第3の電位は、前記第2の電位よりも低く、
    前記複数の論理ブロックは、前記第3のトランジスタにより互いの電気的な接続が制御される半導体装置。
  7. 請求項5または請求項6において、
    前記第1のトランジスタは、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有する半導体装置。
  8. 請求項7において、
    前記酸化物半導体膜は、In、Ga、及びZnを含む半導体装置。
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