JP6155878B2 - 光学レンズ装置及び照明器具 - Google Patents
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Description
しかしながら、この光学レンズ装置は、厚みが厚くなる上に、道路の幅方向の両側縁からの光が道路外に照射されることになり、照射効率が悪くなってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、光学レンズ装置の厚みを抑えつつ、横長に配光可能な光学レンズ装置を提供することを目的とする。
上述の構成において、前記前側の縁部及び前記後側の縁部はそれぞれ、左右方向の中央部から端部に向かうにつれ前方に湾曲し、左右方向の線に対して傾斜して形成されていてもよい。
また、本発明の照明器具は、上述の光学レンズ装置を備えることを特徴とする。
図1は、本実施形態に係る道路灯を下方からみた斜視図である。図2は図1の道路灯を下カバー体及びグローブを省略して示す斜視図である。図3は図2の道路灯をレンズ体を省略して示す斜視図である。図4は図3の道路灯を押さえ板及び発光素子モジュールを省略して示す斜視図である。
道路灯1は、図1に示すように、アーム型の支柱5の先端部3に器具本体10を支持したものである。アーム型の支柱5は、路肩等の道路脇の地面に立設された柱であり、柱の途中から曲がって先端部3が水平方向に水平、或いは所定角度傾いて延びている。
器具本体10は、背面10B(すなわち一端11A近傍の外側面)にアーム用挿入孔15が設けられている。アーム型の支柱5に支持する際には、当該支柱5の先端部3が器具本体10の背面10Bからアーム用挿入孔15に挿入される。
ベースケース体20は、器具本体10の六面の外側面のうち、底面10A、背面10B、天面10C、正面側、及び左右側の外側面10D、10E、10Fを構成する。下カバー体21は、底面10Aの一部から背面10Bの一部を構成する。
クランプユニット26は、器具本体10のアーム用挿入孔15から挿入された支柱5の先端部3に挿入されて取り付けられる支柱取付具である。電源80は、光源ユニット25に電源を供給して光源ユニット25の点灯を制御する制御装置である。
COB型LED35は、多数のLEDをLED基板34の上に密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状の発光部35Aを形成したチップオンボード(COB)構造の発光デバイスである。この面状の発光部35Aは、この面に略垂直な方向(以下、単に直下方向と言う。)に光軸F(図6及び図7参照)を有し、この光軸Fが器具本体10の底面10Aを指向する姿勢で器具本体10の中に配置される。COB型LED35は、多数のLEDが密集配置されていることから大光量で高輝度な灯具が得られる。LED基板34は、COB型LED35の発熱を裏面に効率良く伝えるために、高熱伝導性を有する例えばセラミック等で形成されている。
押さえ板50は、モジュール基板36あるいはCOB型LED35が剥がれた場合に、COB型LED35の落下を防止するための部材であり、ベースケース体20に一体に形成されたボス42(図4参照)に固定されている。
台座面40は、ベースケース体20の天井面20Aに一体に形成されており、高熱伝導性を有するLED基板34を通じてCOB型LED35の発熱が伝えられる。台座面40の熱は、ベースケース体20の天井面20Aに伝へられ、当該ベースケース体20の天面10Cから外部に放熱され、これにより、COB型LED35の光源温度が発光動作に適切な温度に維持される。なお、COB型LED35に代えて、他の構造のLED、或いは有機EL等の他の発光素子を用いても良いことは勿論である。
上記包囲壁41のうちクランプ取付室27Bに面する箇所は仕切28によって構成されており、この仕切28には、電源線引込孔(不図示)が開口している。この電源線引込孔を通じて電源80から延びる電源線(不図示)が光源室27Aからクランプ取付室27Bに引き込まれる。このとき電源線引込孔をシールするために、この電源線引込孔にブッシング孔(不図示)を嵌合し、このブッシングに電源線を通して配線される。ブッシングを通された電源線は、端子台70に接続される。
図5は、光源ユニット25を示す図であり、図5(A)は底面図、図5(B)は左側面図、図5(C)は背面図である。図6は図5のVI−VI断面図であり、図7は図5のVII−VII断面図である。図8は、図5(A)の光源ユニット25を一のレンズ体39を省略して示す図である。図9は、押さえ板50を示す図であり、図9(A)は底面図、図9(B)は図9(A)のS1−S1断面図、図9(C)は図9(A)のS2−S2断面図である。なお、図5(A)及び図9(A)の底面図は道路灯1の底面側に相当する。
押さえ板50は、図6に示すように、COB型LED35間は、モジュール基板36と隙間δを空けて配置されている。また、周壁53には、LED基板34の表面に取り付けた配線W1(図8)を押さえ板50の裏面側に通す配線孔55が形成されており、配線孔55を通された配線W1は押さえ板50の裏面側の隙間δを通ってコネクタ38に接続される。コネクタ38と電源80とは電源線W2(図2)によって接続されている。
このように構成されたCOB型LED35においては、出射角度が光軸Fに対して大きい光は、蛍光体層の光路長が長くなるため、蛍光体の蛍光色に偏り、照射面である路面に色むらが生じる。
そこで、光軸Fに対して出射角度がより大きく蛍光色により偏った光は傾斜面56で拡散反射させ、残りの光は後述するレンズ体39の全反射面68,69で反射させるようにしている。これにより、傾斜面56を小さくできるとともに、詳細な光学設計が可能となる。
このように押さえ板50を構成することで、シミュレーションの結果においても、押さえ板50が無い場合には器具効率が87%であるのに対し、押さえ板50を設けた場合には器具効率が約91%となっており、押さえ板50によって器具効率が向上している。
図10は、レンズ体39及びCOB型LED35を示す図であり、図10(A)は底面図、図10(B)は左側面図、図10(C)は正面図である。図11は、図10のレンズ体39を示す背面図である。図12は、光源ユニット25を図10のXII−XII断面で示す図である。図13は、光源ユニット25を図10のXIII−XIII断面で示す図である。図14は、図10のXIV−XIV断面図である。図15は、道路の幅と出射角度との関係を示す説明図である。図16は、屈折部60Aの水平角度を示す図であり、図16(A)は図10のA−A断面図、図16(B)は図10のB−B断面図、図16(C)は図10のC−C断面図、図16(D)は図10のD−D断面図、図16(E)は図10のE−E断面図を示す。なお、図10(A)の底面図は道路灯1の底面側に相当する。
そこで、光学レンズ60を、屈折部60Aの両側に全反射体部60B,60Cを設けて形成し、屈折部60Aは発光部35Aと所定距離G(図12参照)だけ離間させ、全反射体部60B,60Cは屈折部60Aよりも発光部35A側に近づけている。これにより、光学レンズ60を屈折部60Aのみで形成する場合に比べ、光学レンズ60を小型化できるととともに、光学レンズ60の温度上昇も抑制できる。
屈折部60Aの入射面61Aは、図11に示すように、中心線C上の中央入射部(頂面部)63Aと、中央入射部63Aの左右両側に位置する複数(本実施形態では、左右に2つずつ)の側方入射部(側面部)63Bとを備えて構成されている。各側方入射部63Bは、中心線Cに略沿って延びる段部であり、図12に示すように、断面視で波状に延在しており、入射面61Aは段付きのレンズ形状に形成されている。入射面61Aを段付きのレンズ形状にすることで、屈折部60Aが発光部35Aから離れる方向に薄くなり、発光部35Aから屈折部60Aの入射面61Aまでの距離が大きくなるので、屈折部60Aの熱損傷を防止できる。また、入射面61Aを段付きのレンズ形状にしたことで屈折部60Aの肉厚を薄くすることができ、レンズ体39を容易かつ安価に製造できる。
そこで、図11に示すように、発光部35Aの直下の中央入射部63Aを、平面視で発光部35A(より詳細にはLEDの実装面)の幅J以上の幅とし、本実施形態では、発光部35Aの幅Jと略同一の幅に形成するとともに、設計意図通りの面に形成している。これにより、COB型LED35の強い光は設計意図通りの中央入射部63Aに入射できるので、光学レンズ60を薄肉にしたまま、照度むらのない設計通りの配光を実現できる。
なお、本実施形態では、各側方入射部63Bは、発光部35Aからの最遠部が基準ラインNになるように形成されているが、最遠部が基準ラインN上に位置しなくともよい。
側方入射部63Bの左右両側の端部(光学レンズ60の底面)64は、押さえ板50側に突出する凸形状に形成されている。これにより、出射面62で全反射された光や押さえ板50で反射された光等の端部64から出射する光、あるいは、端部64に入射する光が意図しないスポット状の照射部を作り出すことを防止でき、その結果、路面での照度むらを防止できる。
屈折部60Aの出射面62Aは、中央部で前後に延出する中央出射部65Aと、中央出射部65Aの左右両側に位置する側方出射部65B,65Bとを備えて構成されている。左右方向において、中央出射部65Aは凹形状に形成されるとともに、側方出射部65B,65Bは凸形状に形成されている。
屈折部60Aは、前側の縁部66の光軸Fからの距離L1が後側の縁部67の光軸Fからの距離L2よりも長くなるように設けられており、前後方向(道路の幅方向)の中心が光軸Fと一致しない、いわゆる軸ずらしに配置されている。これにより、屈折部60Aに入射した光の多くを前方に向けて照射できるので、前方向において横長配光にできる。
また、後側の全反射面69は、前側の全反射面68よりも下側に張り出しているため、後方に向かう光を前側により多く反射できるので、光取り出し効率を向上できる。
そこで、屈折部60Aは、図16に示すように、発光部35Aの中心を基準とした各断面において、断面の形状が異なっており、詳述すると、各断面の入射面61Aの縁部66,67を繋いだ線Mの角度が異なっている。発光部35Aの直下における線Mは、図16(A)に示すように、前側を上方に傾斜させて前方に配光し、光軸Fに対する角度が大きくなるにつれて、図16(B)乃至図16(E)に示すように、前側を下方に傾斜させて横乃至後方に配光するようになっている。これにより、道路に合わせて横長に配光できるので、照明率を高くすることができる。また、後方に照射できるので、オーバーハング設置に対応できる。さらに、線Mの角度を変更することで、詳細な光学設計が可能となる。
例えば、上述の実施形態では、押さえ板50を設けていたが、押さえ板50は省略してもよい。この場合、全反射体部60B,60Cの入射側の頂点P1,Q1は、頂点P1,Q1から近い側の発光部35Aの縁部から出射される直接光K4を入射可能なように、発光部35Aからの高さH1,H2が設定すればよい。
35 COB型LED(発光素子)
35A 発光部
39 レンズ体(光学レンズ装置)
60 光学レンズ
60A 屈折部
61A 入射面
63A 中央入射部(頂面部)
63B 側方入射部(側面部)
F 境界
R 幅
Claims (4)
- 発光素子の直下を横断する屈折部を有し、当該屈折部の、前記発光素子と対向する入射面が、断面視で前記発光素子の幅以上の幅で湾曲して前後方向に延在する頂面部と、この頂面部の両側に断面視で波状に湾曲して延在する複数の側面部とを備え、
前記入射面の前側の縁部と後側の縁部を前後方向に繋いだ線が、発光素子の直下では前側が上方に傾斜し、発光素子の光軸に対する角度が大きくなるにつれて前側が下方に傾斜することを特徴とする光学レンズ装置。 - 前記各側面部の境界が、平面視で前記頂面部を挟んで対称に湾曲することを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ装置。
- 前記前側の縁部及び前記後側の縁部はそれぞれ、左右方向の中央部から端部に向かうにつれ前方に湾曲し、左右方向の線に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学レンズ装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の光学レンズ装置を備えることを特徴とする照明器具。
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