JP5703893B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、高圧ポンプに関する。
従来、内燃機関に供給する燃料を加圧する高圧ポンプが知られている。高圧ポンプは、内燃機関のシリンダヘッドなどに取り付けられる。高圧ポンプの備えるプランジャは、内燃機関の駆動軸と共に回転するカムシャフトによって駆動され、軸方向に往復移動する。プランジャの往復移動により、燃料入口に連通する供給通路から加圧室に燃料が吸入され、加圧される。加圧室で加圧された燃料は吐出通路から吐出される。
特許文献1の高圧ポンプは、プランジャの加圧室と反対側に、プランジャの軸方向の往復移動により容積が変化する副加圧室(特許文献1では「補償室94」)が設けられている。プランジャが下死点から上死点へ移行するとき、副加圧室の容積が増加し、供給通路に設けられた燃料室から副加圧室に燃料が吸入される。一方、プランジャが上死点から下死点へ移行するとき、副加圧室の容積が減少し、副加圧室から燃料室に燃料が排出される。これにより、高圧ポンプの吸入行程で供給通路から加圧室に吸入される燃料、及び高圧ポンプの調量行程で加圧室から供給通路に排出される燃料により生じる燃圧脈動が低減される。
特許文献2の高圧ポンプは、樹脂材から形成されたDas Verbindungsteil32(以下「結合部品」という)を備えている。結合部品は、シリンダとプランジャとの隙間から燃料が漏れることを防ぐための燃料シール、及び、Kraftstofffuhrungsteils30(以下「ハウジング」という)と内燃機関とを接続する部品を一体に構成したものである。結合部品は、内燃機関と当接し、内燃機関とハウジングとの間に隙間を形成している(特許文献2の明細書の段落「0039」、「0044」、「0045」及び図7参照)。一般に、樹脂は金属よりも熱伝達係数が小さい。このため、内燃機関の熱が結合部品によって、ハウジングへ伝熱することが抑制される。
特表2008−525713号公報 独国特許10322599A1号明細書
しかしながら、特許文献1では、高圧ポンプの設置される内燃機関と副加圧室とが板厚の薄い燃料シール(特許文献1では「ストッパエレメント60」)によって隔てられている。このため、内燃機関が高速回転し、かつ、内燃機関への燃料供給が停止されたフューエルカットの場合、高温になった内燃機関の熱が燃料シール及びハウジングを経由し、副加圧室の燃料に伝熱する。また、高温になったエンジンオイルが燃料シールにかかると、エンジンオイルの熱が燃料シールを経由し、副加圧室の燃料に伝熱する。
ところで、内燃機関がフューエルカットされている場合、副加圧室と燃料室とを燃料が循環し、副加圧室の燃料に伝熱した熱量が高圧ポンプから排出されない。このため、特許文献1では、高圧ポンプ内の燃料温度が上昇することに伴い、燃料の飽和蒸気圧が下がり、燃料中にベーパが発生することが懸念される。このベーパが供給通路内で一定の体積を占めると、供給通路から加圧室に燃料が吸入されなくなり、ベーパロックが生じる。このため、フューエルカット後に高圧ポンプから燃料が吐出されなくなるおそれがある。
一方、特許文献2では、樹脂材からなる結合部品がクリープ変形を生じると、プランジャの往復運動によりハウジングが振動し、結合部品と内燃機関との間に設けられたシール部材82、又は結合部品とハウジングとの間に設けられたシール部材78等が異常摩耗するおそれがある。さらに、結合部品がクリープ変形を生じると、結合部品を締着フランジ66によって内燃機関に接続するねじ67の軸力が低下し、高圧ポンプが内燃機関から脱落するおそれがある。
また、引用文献2の図6、図8及び図9では、結合部材と種々の金属部品とを圧入により組み付けている。しかし、一般に樹脂の熱膨張係数は金属の熱膨張係数よりも大きいので、樹脂からなる結合部材と金属部品とを圧入により組み付けることは困難である。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、燃料の温度上昇を抑制可能な高圧ポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明によると、内燃機関に燃料を供給する燃料供給系統に設けられる高圧ポンプは、プランジャ、ハウジング、フランジ、吸入弁部、吐出弁部、燃料シール及びオイルシールを備える。
ハウジングは、プランジャにより燃料が加圧される加圧室を有する。
シリンダは、ハウジング内でプランジャを軸方向に往復移動可能に収容する。
ハウジングの内燃機関側に設けられるフランジは、内燃機関の高圧ポンプ取付箇所にハウジングを取り付け可能である。
加圧室に燃料を供給する供給通路に設けられる吸入弁部は、供給通路を開閉する。
加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出通路に設けられる吐出弁部は、吐出通路を開閉する。
略筒状に形成された燃料シールは、軸方向の一方の側がハウジングに接続され、他方の側がプランジャの加圧室と反対側の径外方向の外壁に摺接し、シリンダとプランジャとの隙間に連通すると共に連通路を経由して供給通路に連通する副加圧室を形成する。
略筒状に形成されたオイルシールは、軸方向の一方の側がフランジに接続され、他方の側が燃料シールよりも加圧室と反対側でプランジャの径外方向の外壁に摺接する。
高圧ポンプは、オイルシールと燃料シールとの間に、内燃機関の熱が副加圧室に伝熱することを抑制可能な筒状の第1断熱空間を有する。
高圧ポンプがフランジによって内燃機関に取り付けられた際、内燃機関のオイルがオイルシールにかかる。また、内燃機関の熱がオイルシールに伝熱する。ここで、空気の熱伝達係数は金属の熱伝達係数に比べかなり小さい。このため、第1断熱空間に例えば空気等を封入すれば、オイルシールから副加圧室への伝熱が第1断熱空間によって抑制可能となる。これにより、副加圧室から供給通路へ流れる燃料の温度上昇が抑制され、供給通路のベーパの発生を抑制可能になる。したがって、高圧ポンプのベーパロックを抑制することができる。
なお、シリンダとプランジャとは一体で形成されていても、別体で形成されていてもよい。
さらに、高圧ポンプは、フランジとハウジングとの間に、内燃機関の熱がフランジから副加圧室に伝熱することを抑制可能な筒状の第2断熱空間を有する。第1断熱空間と第2断熱空間とは全周に亘り軸方向に連通している。
高圧ポンプがフランジによって内燃機関に取り付けられた際、内燃機関の熱はフランジに伝熱する。しかし、副加圧室とフランジとは、第1断熱空間及び第2断熱空間によって離間しているので、フランジから副加圧室への伝熱が抑制される。
請求項に記載の発明によると、プランジャは、加圧室側に設けられる大径部、及び大径部の加圧室と反対側で大径部よりも外径が小さく形成され、燃料シールの他方の側が液密に摺接する小径部を有する。副加圧室は、その副加圧室と供給通路とを連通する連通路を経由し、供給通路の燃料をプランジャの往復移動によって吸入及び排出する。
これにより、加圧室から供給通路に燃料が排出されるとき、供給通路から副加圧室に燃料が吸入される。また、供給通路から加圧室に燃料が吸入されるとき、副加圧室から供給通路に燃料が排出される。したがって、供給通路に生じる燃圧脈動が低減される。ところで、供給通路と副加圧室とを燃料が循環すると、副加圧室の燃料温度が上昇した場合、供給通路の燃料温度が上昇することになる。しかし、第1断熱空間及び第2断熱空間により、内燃機関から副加圧室への伝熱が抑制されるので、高圧ポンプは供給通路の燃料温度の上昇を抑制することができる。
請求項に記載の発明によると、燃料シールとシリンダとの間に、プランジャの小径部が挿通される挿通孔を有するプランジャストッパを備える。
プランジャストッパにより、燃料シールを固定することができ、異常摩耗等の懸念を抑制できるため、副加圧室への燃料の吸入、排出を高効率に行うことができる。
また、高圧ポンプの組み付け後にプランジャが脱落することを防止でき、内燃機関への組み付け性を向上可能である。
請求項に記載の発明によると、シリンダは、加圧室と反対側で加圧室側の内径よりも内径が大きく形成された拡径部を有する。副加圧室は、拡径部の内壁とプランジャとの間に形成される。
これにより、副加圧室を簡素な構成で形成することができる。
請求項に記載の発明によると、燃料シールは、軸方向の一方の側がシリンダの拡径部の径外方向の外壁に接続される。
これにより、燃料シールとシリンダとを接続するときに生じるシリンダのひずみ等がプランジャとシリンダとの隙間の精度に影響することを抑制することができる。
請求項に記載の発明によると、燃料シールは、軸方向の一方の側が拡径部よりも加圧室側のシリンダの径外方向の外壁に接続される。
これにより、燃料シールは、シリンダのうちで拡径部よりも肉厚の厚い部分に接続される。このため、燃料シールとシリンダとを接続するときに生じるシリンダのひずみ等を抑制することができる。
請求項に記載の発明によると、シリンダは、燃料シールが接続する個所の径内方向の内壁に、径外方向へ凹む環状溝を有する。
これにより、燃料シールとシリンダとを接続するときに生じるシリンダのひずみ等を環状溝により吸収することができる。
さらに、プランジャとシリンダとの摺接による温度上昇を、環状溝の燃料によって抑制することができる。
請求項に記載の発明によると、高圧ポンプは、ハウジングとフランジとを接続し、径方向内側に第2断熱空間を形成する環状のハウジングカバーを備える。
これにより、第2断熱空間を形成する際のハウジングの切削加工による材料の損失を少なくすることが可能になる。したがって、ハウジングの製造コストを低減することが可能である。
請求項に記載の発明によると、燃料シールは、燃料シールエレメント及び燃料シール外環を有する。
環状の燃料シールエレメントは、シリンダの加圧室と反対側の径外方向の外壁に摺接し、プランジャ周囲の燃料油膜の厚さを規制する。
環状の燃料シール外環は、軸方向の一方の側がハウジングに接続され、他方の側が燃料シールエレメントを保持する。
請求項10に記載の発明によると、供給通路には、加圧室に吸入される燃料及び加圧室から排出される燃料による燃圧脈動を低減する第1燃料室が設けられる。燃料シール外環は、一方の側がハウジング、ハウジングカバー又はフランジに液密に接続され、シリンダの径方向外側に第1燃料室に連通する第2燃料室を形成する。
第1燃料室に連通する第2燃料室を形成することで、燃料を溜める容積が大きくなるので、供給通路に生じる燃圧脈動を低減することができる。
請求項11に記載の発明によると、燃料シール外環は、シリンダの径方向の外壁に当接し、シリンダと燃料シールエレメントとを同軸にする。
これにより、燃料シールエレメントは、プランジャ周囲の燃料油膜の厚さを確実に規制することができる。
請求項12に記載の発明によると、燃料シール外環は、径外方向に凸状に形成された通路部を有する。通路部とシリンダとの間を通り、副加圧室と第2燃料室との間を燃料が流通可能である。
これにより、簡素な構成で副加圧室と第2燃料室との間に流路を形成することができる。
請求項13に記載の発明によると、燃料シール外環は、第1燃料シール外環と、第2燃料シール外環とからなる。
第1燃料シール外環は、燃料シールエレメントを係止する。
第2燃料シール外環は、軸方向の一方の側がハウジングに接続され、他方の側が第1燃料シール外環に接続される。
これにより、燃料シール外環を有底筒状、かつ、軸方向に長く形成することが可能になる。したがって、第2燃料室の容積を大きく、かつ、第2燃料室を容易に形成することができる。
請求項14に記載の発明によると、オイルシールは、オイルシールエレメント及びオイルシール外環を有する。
環状のオイルシールエレメントは、燃料シールよりも加圧室と反対側でプランジャの径外方向の外壁に摺接し、プランジャ周囲のオイルの油膜の厚さを規制する。
環状のオイルシール外環は、軸方向の一方の側がフランジに接続され、他方の側がオイルシールエレメントを保持する。
請求項15に記載の発明によると、オイルシール外環は、保持部と樹脂パイプとからなる。
保持部は、オイルシールエレメントを保持する。
樹脂パイプは、軸方向の一方の側がフランジに接続され、他方の側が保持部に接続される。
これにより、オイルシール外環を有底筒状、かつ、軸方向に長く形成することが可能になる。したがって、シリンダをフランジよりも加圧室と反対側に長くすることが可能になる。よって、シリンダの内壁とプランジャの外壁によるシール長を長くすることが可能になるので、高圧ポンプの吐出効率を高めることができる。
請求項16に記載の発明によると、オイルシール外環は、その内壁及び外壁に断熱処理加工が施される。
これにより、内燃機関から副加圧室への伝熱をオイルシール外環の断熱処理加工によって抑制することができる。
請求項17に記載の発明によると、第1断熱空間の内壁及び第2断熱空間の内壁に断熱処理加工が施される。
これにより、内燃機関から副加圧室への伝熱を、第1断熱空間の内壁及び第2断熱空間の内壁の断熱処理加工によって抑制することができる。
請求項18に記載の発明によると、連通路は、吸入弁部に形成され供給通路の一部を構成する燃料溜りと副加圧室とを連通する。
これにより、副加圧室の燃料が第1燃料室を経由して燃料溜りに流れる構成と比較して、第1燃料室と吸入弁部とを連通する供給通路の流量を副加圧室の容積分少なくすることが可能になる。このため、供給通路の内径を小さくし、高圧ポンプの体格を小さくすることができる。
請求項19に記載の発明によると、高圧ポンプは、第2断熱空間に設けられ、供給通路と副加圧室とを接続する燃料パイプを備える。
これにより、供給通路と副加圧室とを簡素な構成で接続することができる。
本発明の第1実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの要部断面図。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプが設けられた内燃機関の燃料供給系統の模式図。 図1のIV−IV線断面図。 図1のV−V線断面図。 本発明の第2実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第3実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第4実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第5実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第6実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第7実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第8実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第9実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第10実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第11実施形態による高圧ポンプの要部断面図。 本発明の第12実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第13実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第13実施形態による高圧ポンプの要部断面図。 本発明の第13実施形態による高圧ポンプの備えるプランジャストッパの斜視図。 本発明の第14実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第15実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第16実施形態による高圧ポンプの断面図。 図22のXXIII−XXIII線断面図。 本発明の第17実施形態による高圧ポンプの断面図。 図24のXXV−XXV線断面図。 本発明の第18実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第19実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第20実施形態による高圧ポンプの断面図。 図28のXXIX−XXIX線断面図。 本発明の第21実施形態による高圧ポンプの断面図。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプが設けられた内燃機関の燃料供給系統を図3に示す。燃料供給系統1は、燃料タンク2、低圧ポンプ3、高圧ポンプ10及びデリバリパイプ4等を備えている。燃料タンク2から低圧ポンプ3によって汲み上げられた燃料は、低圧燃料配管101を通り、高圧ポンプ10に供給される。高圧ポンプ10は、内燃機関のシリンダヘッドなどに取り付けられる。高圧ポンプ10は、加圧室121の容積を可変するプランジャ13を備えている。プランジャ13は、タペット9を介してカムシャフト7に当接している。カムシャフト7は、内燃機関の運転に連動して回転する。プランジャは、カムシャフト7のカムプロフィールに沿って軸方向に往復移動する。これにより、加圧室121の容積が変化し、燃料が吸入、調量、加圧される。高圧ポンプ10で加圧された燃料は、デリバリパイプ4へ圧送される。デリバリパイプ4に貯留された高圧燃料は、デリバリパイプ4に接続するインジェクタ6により図示しない内燃機関の気筒内に噴射される。
高圧ポンプ10の構成について説明する。
高圧ポンプ10は、図1に示すように、ハウジング11、プランジャ13、フランジ40、ダンパ装置5、吸入弁部30、電磁駆動部70及び吐出弁部90などを備えている。
ハウジング11内には、円筒状のシリンダ14が設けられている。シリンダ14には、プランジャ13が軸方向に往復移動可能に収容されている。プランジャ13は、一端がシリンダ14の軸方向の一方に形成された加圧室121に臨むように設けられている。プランジャ13の他端には、スプリング座18が取り付けられている。スプリング座18とフランジ40との間に、スプリング19が設けられている。このスプリング19の軸方向に伸びる力により、スプリング座18はカムシャフト7側へ付勢される。プランジャ13は、カムシャフト7のカムプロフィールに沿って軸方向に往復移動し、加圧室121の容積を可変する。
プランジャ13は、加圧室121側に設けられる大径部133と、大径部133の加圧室121と反対側で大径部133よりも外径が小さく形成された小径部131を有している。小径部131と大径部133との接続部分に段差面132が形成される。
シリンダ14は、加圧室121と反対側に拡径部141を有する。拡径部141は、その内径がシリンダ14の加圧室121側の内径よりも大きく形成されている。プランジャ13は、軸方向に往復移動するとき、段差面132が拡径部141の径内側に位置する。これにより、プランジャ13の往復移動によって、拡径部141の内壁とプランジャ13との間に形成される副加圧室122の容積が可変する。
図1及び図2に示すように、シリンダ14の加圧室121と反対側に略筒状の燃料シール50が設けられている。燃料シール50は、燃料シールエレメント51と燃料シール外環52とを有する。
燃料シールエレメント51は、環状に形成された内周のテフロンリング53(「テフロン」は登録商標)と、外周のOリング54とからなる。燃料シールエレメント51は、プランジャ13の小径部131の外壁と液密に摺接する。燃料シールエレメント51は、小径部131周囲の燃料油膜の厚さを規制し、プランジャ13の摺動によるエンジン側への燃料のリークを抑制する。
燃料シール外環52は、環状に形成され、軸方向の一方の側がシリンダ14の拡径部141の径方向の外壁に接続され、他方の側が燃料シールエレメント51を保持する。
燃料シール50は、シリンダ14の拡径部141、プランジャ13の外壁、及び後述するプランジャストッパ80と共に、副加圧室122を形成する。副加圧室122は、プランジャ13の摺動及び冷却のためにシリンダ14とプランジャ13との間に設けられた数μmの隙間に連通している。また、副加圧室122は、連通路としての燃料パイプ17を経由し、供給通路100に設けられた第1燃料室110に連通している。
プランジャストッパ80は、環状に形成され、燃料シールエレメント51とシリンダ14との間に設けられる。図5に示すように、プランジャストッパ80は、円環状の基部81と、複数の突出部82とを有する。基部81に設けられた挿通孔83に、プランジャ13の小径部131が挿通される。複数の突出部82は、基部81から軸方向シリンダ14側に延びている。各突出部82と突出部82との間に溝路84が放射状に形成される。突出部82の軸方向加圧室121側の端面は、シリンダ14に当接する。溝路84の径外側を燃料シール外環52が覆っている。
図4に示すように、シリンダ14の拡径部141は、周方向の一部に切欠部142を有している。また、燃料シール外環52もまた、拡径部141の切欠部142と同じ位置に切欠部521を有している。燃料シール外環52の切欠部に連通路としての燃料パイプ17が設けられる。図1に示すように、燃料パイプ17は、副加圧室122とハウジング11に形成された連通路としての戻り通路106とを接続する。戻り通路106は、供給通路100に設けられた第1燃料室110に連通している。
ハウジング11は、内燃機関200側に、シリンダ14の軸と略平行に延びる環状のハウジングカバー112を有している。ハウジング11とハウジングカバー112とは一体で形成されている。ハウジングカバー112の内燃機関200側にフランジ40が設けられている。フランジ40は、内燃機関200に設けられた高圧ポンプ取付箇所の穴201に挿入される筒部41と、この筒部41の軸方向ハウジング11側から径外方向に延びる取付部42とを有する。ハウジングカバー112は、フランジ40の取付部42から加圧室121側に突出する筒状の嵌合部43の外壁に固定される。
フランジ40の筒部41の径方向の外壁に設けられた溝にOリング44が嵌め込まれている。Oリング44は、内燃機関200の高圧ポンプ取付箇所の穴201から外気側へエンジンオイルが漏れることを防止する。
フランジ40の取付部42に設けられたねじ孔45に図示しないねじが差し込まれ、そのねじが内燃機関200に螺着されることで、高圧ポンプ10は内燃機関200に取り付けられる。
フランジ40は、筒部41の径内方向の内壁から径内方向に環状に延びるスプリング係止部46を有する。スプリング係止部46は、プランジャ13をカムシャフト7側に付勢するスプリング19の一端を係止している。
なお、フランジ40は、嵌合部43と取付部42との間に第1段部47を有し、取付部42とスプリング係止部46との間に第2段部48を有している。
図1及び図2に示すように、燃料シール50よりも加圧室121と反対側に略筒状のオイルシール60が設けられている。オイルシール60は、オイルシールエレメント61とオイルシール外環62とを有する。
オイルシールエレメント61は、プランジャ13の小径部131の外壁と摺接する。オイルシールエレメント61は、小径部131周囲のオイル油膜の厚さを規制し、エンジンオイルがハウジング11内へ浸入することを抑制する。
オイルシール外環62は、環状に形成され、軸方向の一方の側がフランジ40のスプリング係止部46の径内方向の内壁に接続され、他方の側がオイルシールエレメント61を保持する。
オイルシール60と燃料シール50との間に、筒状の第1断熱空間140が形成される。また、フランジ40とハウジング11との間に、筒状の第2断熱空間150が形成される。第1断熱空間140と第2断熱空間150とは全周に亘り軸方向に連通している。これにより、オイルシール60と燃料シール50とは、第1断熱空間140によって離間している。フランジ40と燃料シール50とは、第1断熱空間140及び第2断熱空間150によって離間している。
第1断熱空間140と第2断熱空間150には、例えば空気が封入されている。このため、第1断熱空間140は、内燃機関200の熱がオイルシール60を経由して副加圧室122内の燃料に伝熱することを抑制可能である。また、第2断熱空間150は、内燃機関200の熱がフランジ40を経由して副加圧室122内の燃料に伝熱することを抑制可能である。
次に、ダンパ装置5について説明する。
図1に示すように、ハウジング11には、シリンダ14の反対側に、シリンダ14側に凹むダンパハウジング111が設けられている。ダンパハウジング111は、ハウジング11の外側に開口している。このダンパハウジング111の開口を蓋部材12が塞いでいる。ダンパハウジング111と蓋部材12との間に、第1燃料室110が形成される。
第1燃料室110は、燃料パイプ17及び戻り通路106を通じて副加圧室122と連通している。また、第1燃料室110は、供給通路100を通じて加圧室121と連通している。また、第1燃料室110は、図示しない通路を通じて図示しない燃料入口と連通している。
プランジャ13の往復移動により供給通路100から加圧室121側へ吸入される燃料、及び、加圧室121から供給通路100側へ排出された燃料により供給通路100に燃圧脈動が生じる。
第1燃料室110には、パルセーションダンパ210が収容されている。
パルセーションダンパ210は、2枚の金属ダイアフラム、カバー部材211から構成され、内部に所定圧の気体が密封されている。パルセーションダンパ210は、2枚の金属ダイアフラムが第1燃料室110の圧力変化に応じて弾性変形することで、第1燃料室110の燃圧脈動を低減する。
カバー部材211は、2枚の金属ダイアフラムが互いに離れる方向への変位を規制し、金属ダイアフラムの応力振幅を低減する。カバー部材211から径外方向へ延びる複数個の取付部212は、ダンパハウジング111の内壁に接続されている。これにより、パルセーションダンパ210が第1燃料室110に設置される。
続いて、吸入弁部30について説明する。
吸入弁部30は加圧室121の径外方向に設けられている。吸入弁部30に形成される供給通路100を燃料溜り101と称する。
弁ボディ31は、燃料溜り101の加圧室121側に収容されている。弁ボディ31の内側にテーパ状の弁座34が形成されている。
吸入弁35は弁座34の加圧室121側に配置されている。吸入弁35は、弁ボディ31に設けられた孔の内壁に案内されて往復移動する。吸入弁35の弁座34側に形成された弁シートは、弁ボディ31の弁座34に着座および離座可能である。
吸入弁35の加圧室121側にストッパ39が固定されている。このストッパ39は、吸入弁35の開弁方向(図1の右方向)への移動を規制する。ストッパ39の内側と吸入弁35との間には第1スプリング21が設けられている。第1スプリング21は、吸入弁35を弁座34に着座させる方向、すなわち閉弁方向へ付勢している。
ストッパ39には、ストッパ39の軸に対して傾斜する傾斜通路104が周方向に複数形成されている。
次に電磁駆動部70について説明する。
電磁駆動部70は、コイル71、固定コア72、可動コア73、接続部材75などから構成される。
接続部材75は磁性体からなり、吸入弁部30の燃料溜り101を塞いでいる。接続部材75は、固定コア72及びコネクタ77を保持している。
接続部材75の加圧室121と反対側に磁性体からなる固定コア72が設けられている。固定コア72と接続部材75との間の磁気的な短絡を非磁性体からなる筒部材79が防止している。
固定コア72の径方向外側に樹脂製のスプール78が設けられている。スプール78の径外側にコイル71が巻回されている。
可動コア73は磁性体からなり、接続部材75の固定コア72側に設けられた収容室に軸方向に往復移動可能に収容されている。
接続部材75の中央に設けられた孔の内壁には、ガイド筒が取り付けられている。
ニードル38は略円筒状に形成され、ガイド筒の内壁に案内されて往復移動する。ニードル38は、一方の端部が可動コア73と一体に組み付けられ、他方の端部が吸入弁35の電磁駆動部70側の端面に当接するように設置されている。
固定コア72と可動コア73との間に第2スプリング22が設けられている。この第2スプリング22は、ストッパ39側の第1スプリング21が吸入弁35を閉弁方向に付勢する力よりも強い力で、可動コア73を吸入弁35側へ付勢している。
コイル71に通電していないとき、可動コア73は固定コア72に吸引されず、第2スプリング22の弾性力により互いに離れている。このため、可動コア73と一体のニードル38が吸入弁35側へ移動し、ニードル38の端面が吸入弁35を押圧することで吸入弁35が開弁する。
コイル71に通電されると、固定コア72、可動コア73、接続部材75などによって形成された磁気回路に磁束が流れ、可動コア73は固定コア72に吸引される。可動コア73と一体のニードル38が固定コア72側へ移動し、ニードル38は吸入弁35に対する押圧力を解除する。そのため第1スプリング21の弾性力によって、吸入弁35は閉弁することが可能となる。
次に吐出弁部90について説明する。
加圧室121と燃料出口91とを吐出通路114が連通している。
吐出弁92は、有底筒状に形成され、吐出通路114に往復移動可能に収容されている。吐出弁92は、吐出通路114に内壁に形成された弁座95に着座することで吐出通路114を閉塞し、弁座95から離座することで吐出通路114を開放する。
吐出弁92の燃料出口91側に筒状の規制部材93が設けられている。規制部材93は、吐出弁92の燃料出口91側への移動を規制する。
スプリング94は、一端が規制部材93に当接し、他端が吐出弁92に当接している。スプリング94は、吐出弁92を弁座95側へ付勢している。規制部材93の設置位置によって、スプリング94のばね荷重を設定し、吐出弁92の開弁圧を調整することができる。
加圧室121の燃料の圧力が上昇し、加圧室121側の燃料から吐出弁92が受ける力がスプリング94のばね力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも大きくなると、吐出弁92は弁座95から離座する。これにより、加圧室121から吐出通路114を通り、燃料出口91から燃料が吐出される。
一方、加圧室121の燃料の圧力が低下し、加圧室121側の燃料から吐出弁92が受ける力がスプリング94のばね力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも小さくなると、吐出弁92は弁座95に着座する。これにより、弁座95の下流側の燃料が加圧室121へ逆流することが防止される。
次に、高圧ポンプ10の作動について説明する。
(1)吸入行程
カムシャフト7の回転により、プランジャ13が上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室121の容積が増加し、燃料が減圧される。吐出弁92は弁座95に着座し、吐出通路114を閉塞する。
一方、吸入弁35は、加圧室121と供給通路100との差圧により、第1スプリング21の付勢力に抗して加圧室121側へ移動し、開弁状態となる。このとき、コイル71への通電は停止されているので、可動コア73とニードル38は第2スプリング22の付勢力により加圧室121側へ移動する。したがって、ニードル38と吸入弁35とが当接し、吸入弁35は開弁状態を維持する。これにより、第1燃料室110から供給通路100を経由し、加圧室121に燃料が吸入される。
吸入行程では、プランジャ13の下降により、副加圧室122の容積が減少する。したがって、副加圧室122の燃料は、燃料パイプ17及び戻り通路106を経由し、第1燃料室110へ送り出される。
ここで、大径部133と段差面132との断面積比は概ね1:0.6である。したがって、加圧室121の容積の増加分と副加圧室122の容積の減少分の比も1:0.6となる。よって、加圧室121が吸入する燃料の約60%が副加圧室122から供給され、残りの約40%が燃料入口から吸入される。これにより、加圧室121への燃料の吸入効率が向上するとともに、燃圧脈動が低減される。
(2)調量行程
カムシャフト7の回転により、プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室121の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル71への通電が停止されているので、第2スプリング22の付勢力によりニードル38と吸入弁35は開弁位置にある。これにより、供給通路100は開放された状態が維持される。このため、一度加圧室121に吸入された低圧燃料が供給通路100を経由し、第1燃料室110へ戻される。したがって、加圧室121の圧力は上昇しない。
調量行程では、プランジャ13の上昇により、副加圧室122の容積が増大する。したがって、第1燃料室110の燃料は、戻り通路106及び燃料パイプ17を経由し、副加圧室122へ流入する。
このとき、加圧室121から第1燃料室110側へ排出される低圧燃料の容積の約60%が、第1燃料室110から副加圧室122に吸入される。これにより、燃圧脈動の約60%が低減される。
(3)加圧行程
プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇する途中の所定の時刻に、コイル71へ通電される。するとコイル71に発生する磁界により、固定コア72と可動コア73との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が第2スプリング22の弾性力と第1スプリング21の弾性力との差よりも大きくなると、可動コア73とニードル38は固定コア72側(図1の左方向)へ移動する。これにより、吸入弁35に対するニードル38の押圧力が解除される。吸入弁35は、第1スプリング21の弾性力、及び加圧室121から第1燃料室110側へ排出される低圧燃料の流れによって生ずる力により、弁座34側へ移動する。したがって、吸入弁35は弁座34に着座し、供給通路100が閉塞される。
吸入弁35が弁座34に着座した時から、加圧室121の燃料圧力は、プランジャ13の上死点に向かう上昇と共に高くなる。加圧室121の燃料圧力が吐出弁92に作用する力が、吐出通路114の燃料圧力が吐出弁92に作用する力およびスプリング94の付勢力よりも大きくなると、吐出弁92が開弁する。これにより、加圧室121で加圧された高圧燃料は吐出通路114を経由して燃料出口91から吐出する。
なお、加圧行程の途中でコイル71への通電が停止される。加圧室121の燃料圧力が吸入弁35に作用する力は、第2スプリング22の付勢力より大きいので、吸入弁35は閉弁状態を維持する。
高圧ポンプ10は、(1)から(3)の行程を繰り返し、内燃機関200に必要な量の燃料を加圧して吐出する。
コイル71へ通電するタイミングを早くすれば、調量行程の時間が短くなると共に、加圧行程の時間が長くなる。これにより、加圧室121から供給通路100へ戻される燃料が少なくなり、吐出通路114から吐出される燃料が多くなる。
一方、コイル71へ通電するタイミングを遅くすれば、調量行程の時間が長くなると共に、吐出行程の時間が短くなる。これにより、加圧室121から供給通路100へ戻される燃料が多くなり、吐出通路114から吐出される燃料が少なくなる。
このように、コイル71へ通電するタイミングを制御することで、高圧ポンプ10から吐出される燃料の量を内燃機関200が必要とする量に制御することができる。
本実施形態では、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、オイルシール60と燃料シール50が第1断熱空間140によって離間している。第1断熱空間140には例えば空気が封入されている。このため、内燃機関200のオイルがオイルシール60にかかり、オイルシール60に伝熱した場合、オイルシール60から副加圧室122への伝熱が第1断熱空間140によって抑制される。
また、本実施形態では、フランジ40と燃料シール50とが第2断熱空間150によって離間している。第2断熱空間150にも例えば空気が封入されている。第2燃料空間と第1燃料空間とは、全周に亘り軸方向に連通している。このため、内燃機関200からフランジ40に伝熱した場合、フランジ40から副加圧室122への伝熱が第1断熱空間140及び第2断熱空間150によって抑制される。このため、副加圧室122から第1燃料室110へ流れる燃料の温度上昇が抑制され、第1燃料室110を含む供給通路100のベーパの発生を抑制可能になる。したがって、高圧ポンプ10がベーパロックすることを抑制することができる。
(2)本実施形態では、加圧室121から第1燃料室110に燃料が排出されるとき、第1燃料室110から副加圧室122に燃料が吸入される。また、第1燃料室110から加圧室121に燃料が吸入されるとき、副加圧室122から第1燃料室110に燃料が排出される。したがって、第1燃料室110に生じる燃圧脈動が低減される。ところで、第1燃料室110と副加圧室122とを燃料が循環すると、副加圧室122の燃料温度が上昇した場合、それに伴って第1燃料室110の燃料温度が上昇することになる。しかし、第1断熱空間140及び第2断熱空間150により、内燃機関200から副加圧室122への伝熱が抑制されるので、第1燃料室110の燃料温度の上昇を抑制することができる。よって、高圧ポンプ10がベーパロックすることを抑制することができる。
(3)本実施形態では、シリンダ14は、副加圧室122を形成する拡径部141を有する。そして、燃料シール外環52は、軸方向の一方の側が拡径部141の径方向の外壁に接続されている。このため、燃料シール50とシリンダ14とを接続するときに生じるシリンダ14のひずみ等がプランジャ13とシリンダ14との隙間の精度に影響することを抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による高圧ポンプを図6に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、燃料シール外環52の軸方向の一方の側が拡径部141よりも加圧室121側のシリンダ14の径方向の外壁に接続される。燃料シール50は、シリンダ14のうちで拡径部141よりも肉厚の厚い部分に接続される。このため、燃料シール50とシリンダ14とを接続するときに生じるシリンダ14のひずみ等を抑制することができる。したがって、プランジャ13とシリンダ14との隙間の精度を維持することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による高圧ポンプを図7に示す。本実施形態では、オイルシール外環62は、軸方向の一方の側から径外方向に延びる縁部63を有している。縁部63は、スプリング19とスプリング係止部46とに挟まれ、スプリング19の弾性力によってスプリング係止部46に押し付けられている。
本実施形態では、簡素な構成でオイルシール外環62をフランジ40に取り付けることができる。また、スプリング係止部46の内径とオイルシール外環62の外径との加工精度が要求されないので、製造コストを低減することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による高圧ポンプを図8に示す。本実施形態では、シリンダ14、燃料シール外環52、及びオイルシール外環62が、フランジ40のスプリング係止部46よりもカムシャフト7側に延びている。また、第1、第2実施形態と比較して、プランジャ13の大径部133が軸方向に長くなり、小径部131が軸方向に短くなっている。これにより、シリンダ内壁とプランジャ外壁によるシール長を長くすることが可能になる。したがって、加圧室121から副加圧室122にリークする燃料が少なくなるので、高圧ポンプの吐出効率を高めることができる。
(第5実施形態)
本発明の第4実施形態による高圧ポンプを図9に示す。本実施形態では、オイルシール外環62は、保持部64と樹脂パイプ65とからなる。保持部64は、例えば金属から形成され、オイルシールエレメント61を保持する。樹脂パイプ665は、例えば樹脂から筒状に形成され、軸方向の一方の側がフランジ40のスプリング係止部46に接続され、他方の側が保持部64に接続される。保持部64と樹脂パイプ65とは、例えばインサート成形される。
これにより、有底筒状に形成されるオイルシール外環62の軸方向の長さを容易に長くすることが可能になる。したがって、シリンダ14の内壁とプランジャ13の外壁によるシール長を長くすることができるので、高圧ポンプの吐出効率を高めることができる。
また、一般に樹脂は金属よりも熱伝達係数が小さい。このため、樹脂パイプ65により、内燃機関200の熱が第1断熱空間140の空気に伝熱することを抑制することができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による高圧ポンプを図10に示す。本実施形態においても、オイルシール外環62は、保持部64と樹脂パイプ65とからなる。樹脂パイプ65は、軸方向の一方の側から径外方向に延びる縁部63を有している。スプリング係止部46の加圧室121側の第2多段部48に接続されている。これにより、フランジ40から樹脂パイプ65が脱落することを確実に防ぐことができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による高圧ポンプを図11に示す。本実施形態では、ハウジング11とハウジングカバー112とが別体で構成されている。ハウジングカバー112は、例えば樹脂から環状に形成される。
これにより、第2断熱空間150を形成する際のハウジング11の切削加工による材料の損失を少なくすることが可能になる。したがって、高圧ポンプの製造コストを低減することが可能である。
また、ハウジングカバー112を樹脂で形成することで、内燃機関200の熱がフランジ40からハウジングカバー112を経由してハウジング11へ伝熱することを抑制することができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態による高圧ポンプを図12に示す。本実施形態では、フランジ40のスプリング係止部46が取付部42よりも加圧室121側に設けられている。また、本実施形態では、第1段部47と第2段部48が設けられていない。これにより、スプリング19の加圧室121側の端部を加圧室121側に近づけ、プランジャ13の小径部131の軸方向の長さを短くすることが可能になる。このため、プランジャ13の質量が小さくなる。したがって、スプリングの弾性力を小さくすることができることから、プランジャ13を駆動するカムシャフト7の駆動力を低減することが可能になる。
また、本実施形態では、燃料パイプ17が小径に形成されている。このため、燃料パイプ17とフランジ40とが離間している。したがって、フランジ40から燃料パイプ17への伝熱を抑制することができる。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態による高圧ポンプを図13に示す。本実施形態では、燃料パイプ171と戻り流路107は、副加圧室122と吸入弁部30の燃料溜り101とを連通している。
これにより、副加圧室122の燃料は、第1燃料室110を経由することなく、燃料溜り101と流通する。このため、第1燃料室110と燃料溜り101との間を連通する供給通路100を流れる燃料を、副加圧室122の容積分、少なくすることが可能になる。したがって、供給通路100の内径を小さく形成し、高圧ポンプの体格を小さくすることができる。
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態による高圧ポンプを図14に示す。本実施形態では、シリンダ14は、燃料シール外環52が接続する個所の径内方向の内壁に、径外方向へ凹む環状溝143を有している。
これにより、燃料シール外環52とシリンダ14の外壁とを接続するときに生じるシリンダ14のひずみ等を環状溝143によって吸収することができる。
さらに、環状溝143に満たされる燃料により、プランジャ13とシリンダ14との摺接による温度上昇が抑制される。したがって、プランジャ13の焼き付きを防止することができる。
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態による高圧ポンプを図15に示す。本実施形態では、オイルシール外環62は、その外壁と内壁とに断熱処理加工146が施されている。また、フランジ40の内側、ハウジング11の内側、及びハウジングカバー112の内側に断熱処理加工151が施されている。つまり、第1断熱空間140の内壁及び第2断熱空間150の内壁に断熱処理加工146、151が施されている。
図15では、オイルシール外環62に断熱処理加工146が施される箇所を間隔の広い破線で示し、第2断熱空間150の内壁に断熱処理加工151が施される箇所を間隔の狭い破線で示している。なお、破線は、説明のために各構成から離れた位置に記載されているが、断熱処理加工146、151は各構成の内壁又は外壁に加工される。
断熱処理加工146、151としては、樹脂コーティング又は断熱塗装が例示される。樹脂コーティングとしては、フッ素コーティングが例示される。また、断熱塗装としては、ガイナ(登録商標)、SE40、CC100が例示される。
これにより、内燃機関200から副加圧室122への伝熱をオイルシール外環62の断熱処理加工146、及び第1断熱空間140の内壁及び第2断熱空間150の内壁の断熱処理加工151によって抑制することができる。なお、特にオイルシール外環62への断熱処理加工146が副加圧室122への伝熱抑制に効果が高い。
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態による高圧ポンプを図16に示す。本実施形態では、第1断熱空間140、及び第2断熱空間150が設けられていない。
ハウジング11は、内燃機関200の高圧ポンプ取付箇所の穴201に挿入される筒部113を有している。筒部113の径内側に加圧室121側へ略円環状に凹む凹部115が設けられている。凹部16には、ストッパエレメント116が嵌め込まれている。ストッパエレメント116の加圧室121側に燃料シールエレメント51が設けられ、ストッパエレメント116のカムシャフト7側にオイルシール外環62及びオイルシールエレメント61が設けられている。
本実施形態では、ストッパエレメント116の内壁及び外壁に断熱処理加工(図示していない)が施されている。
これにより、内燃機関200から副加圧室122への伝熱をストッパエレメント116の断熱処理加工によって抑制することができる。
(第13実施形態)
本発明の第13実施形態による高圧ポンプを図17〜図19に示す。本実施形態では、燃料シール外環52の一方の側が、カムシャフト7側よりも加圧室121側の径が大きい、いわゆるラッパ状に形成されている。燃料シール外環52は、一方の側が第2断熱空間150を形成するハウジング11の内壁と平行に延び、そのハウジング11の内壁に液密に接続されている。これにより、燃料シール外環52の径内側、かつ、シリンダ14の径外側に第2燃料室120が形成される。
プランジャストッパ85は、板材をプレス加工することで形成される。プランジャ13の基部86の外縁から軸方向加圧室121側に複数の周壁87が延びている。各周壁87と周壁との間に溝路84が形成される。周壁87は、径内方向に凸状に形成された係止部88を有する。この係止部88は、シリンダ14の外壁に形成された嵌合溝144に嵌まり込む。これにより、プランジャストッパ85はシリンダ14に取り付けられる。
プランジャストッパ85の径内側に副加圧室122が形成される。副加圧室122は、溝路84を通じて第2燃料室120と連通している。第2燃料室120は、戻り通路106を通じて第1燃料室110に連通している。
本実施形態では、第2燃料室120を形成することで、第1燃料室110と連通して燃料を溜めることの可能な容積が大きくなるので、燃圧脈動低減効果を高めることができる。
また、本実施形態では、副加圧室122と戻り通路106とを接続する燃料パイプ17を廃止することが可能になるので、製造コストを低減することができる。
(第14実施形態)
本発明の第14実施形態による高圧ポンプを図20に示す。本実施形態では、プランジャストッパ89が円環状に形成されている。プランジャストッパ89とシリンダ14との間には燃料の流れる流路が形成されている。この構成によっても、シリンダ14の内側に、プランジャ13の往復移動により容積が可変する副加圧室122を形成することが可能である。
(第15実施形態)
本発明の第15実施形態による高圧ポンプを図21に示す。本実施形態では、燃料シール外環52の一方の側がハウジングカバー112の内壁に液密に接続されている。これにより、第2燃料室120の容積を大きくすることができる。したがって、燃圧脈動低減効果を高めることができる。
(第16実施形態)
本発明の第16実施形態による高圧ポンプを図22及び図23に示す。本実施形態では、燃料シール外環52は、径外方向に凸状の複数の通路部55、及び各通路部55と通路部55とを周方向に接続する接続部56を有する。接続部56の径内方向の内壁は、シリンダ14の径方向の外壁に当接又は接触する。通路部55の内壁は、シリンダ14の外壁と離間している。これにより、通路部55とシリンダ14との間を通り、副加圧室122と第2燃料室120との間を燃料が流通可能である。
本実施形態では、接続部56の径内方向の内壁とシリンダ14の径外方向の外壁とが当接又は接触することで、シリンダ14と燃料シールエレメント51とを同軸に設置することが可能になる。したがって、燃料シールエレメント51は、プランジャ13周囲の燃料油膜の厚さを確実に規制することができる。
(第17実施形態)
本発明の第17実施形態による高圧ポンプを図24及び図25に示す。本実施形態では、燃料シール外環52には、通路部が形成されていない。その代り、シリンダ14には、周方向の一部に軸方向に延びる切欠部145が形成されている。これにより、副加圧室122と第2燃料室120とを燃料が流通可能になる。
燃料シール外環52の内壁は、シリンダ14の径方向の外壁に当接又は接触する。また、燃料シール外環52は、ハウジングカバー112に液密に接続される。
本実施形態では、第16実施形態と比較して、燃料シール外環52の内壁とシリンダ14の径方向の外壁とが当接又は接触する面積が増えるので、シリンダ14と燃料シールエレメント51とを確実に同軸に設置することができる。
(第18実施形態)
本発明の第18実施形態による高圧ポンプを図26に示す。本実施形態では、燃料シール外環52がフランジ40の嵌合部43に液密に接続されている。これにより、第2燃料室120の容積を大きくすることができる。したがって、燃圧脈動低減効果を高めることができる。
(第19実施形態)
本発明の第19実施形態による高圧ポンプを図27に示す。本実施形態では、シリンダ14には、周方向の一部に軸方向に延びる切欠部145が形成されている。燃料シール外環52の内壁は、シリンダ14の径方向の外壁に当接又は接触する。
燃料シール外環52は、フランジ40の嵌合部43に液密に接続されている。
本実施形態では、シリンダ14と燃料シールエレメント51とを確実に同軸に設置することができる。また、第2燃料室120の容積を大きくし、燃圧脈動低減効果を高めることができる。
(第20実施形態)
本発明の第20実施形態による高圧ポンプを図28及び図29に示す。本実施形態では、燃料シール外環は、第1燃料シール外環57と第2燃料シール外環58とからなる。第1燃料シール外環57は、燃料シールエレメント51を係止する。第2燃料シール外環58は、軸方向の一方の側がハウジング11に接続され、他方の側が第1燃料シール外環57に接続される。第2燃料シール外環58は、径外方向に凸状の複数の通路部55、及び各通路部55と通路部55とを周方向に接続する接続部56を有する。接続部56の内壁は、シリンダ14の径方向の外壁に当接又は接触する。通路部55の内壁は、シリンダ14の外壁と離間している。これにより、通路部55とシリンダ14との間を通り、副加圧室122と第2燃料室120との間を燃料が流通可能である。
本実施形態では、有底筒状に形成される燃料シール外環の軸方向の長さを容易に長くすることが可能になる。したがって、第2燃料室120を容易に、かつ、容積を大きく形成することができる。
また、本実施形態では、接続部56の内壁とシリンダ14の径方向の外壁とが当接又は接触することで、シリンダ14と燃料シールエレメント51とを同軸に設置することが可能になる。したがって、燃料シールエレメント51は、プランジャ13周囲の燃料油膜の厚さを確実に規制することができる。
(第21実施形態)
本発明の第21実施形態による高圧ポンプを図30に示す。本実施形態では、ハウジング11とシリンダ14とが一体で形成されている。この構成においても、高圧ポンプは、第1断熱空間140と第2断熱空間150を有することにより、オイルシール60から副加圧室122への伝熱を抑制し、かつ、フランジ40から副加圧室122への伝熱を抑制することができる。
(他の実施形態)
上記複数の実施形態では、プランジャに大径部と小径部とを形成し、プランジャの往復移動によって副加圧室の容積を可変するように構成した。これに対し、本発明は、プランジャを軸方向に同一の外径とし、シリンダとプランジャとの隙間からリークする燃料を貯留するリークリターン室として副加圧室を構成してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 ・・・燃料供給系統
10 ・・・高圧ポンプ
11 ・・・ハウジング
13 ・・・プランジャ
14 ・・・シリンダ
17 ・・・燃料パイプ(連通路)
30 ・・・吸入弁部
40 ・・・フランジ
50 ・・・燃料シール
60 ・・・オイルシール
90 ・・・吐出弁部
100・・・供給通路
106・・・戻り通路(連通路)
114・・・吐出通路
121・・・加圧室
122・・・副加圧室
131・・・小径部
133・・・大径部
140・・・第1断熱空間
150・・・第2断熱空間
200・・・内燃機関

Claims (19)

  1. 内燃機関に燃料を供給する燃料供給系統に設けられる高圧ポンプであって、
    プランジャと、
    前記プランジャにより燃料が加圧される加圧室を有するハウジングと、
    前記ハウジング内で前記プランジャを軸方向に往復移動可能に収容するシリンダと、
    前記ハウジングの前記内燃機関側に設けられ、前記内燃機関の高圧ポンプ取付箇所に前記ハウジングを取り付け可能なフランジと、
    前記加圧室に燃料を供給する供給通路に設けられ、前記供給通路を開閉する吸入弁部と、
    前記加圧室で加圧された燃料を吐出する吐出通路に設けられ、前記吐出通路を開閉する吐出弁部と、
    略筒状に形成され、軸方向の一方の側が前記ハウジングに接続され、他方の側が前記プランジャの前記加圧室と反対側の径外方向の外壁に摺接し、前記シリンダと前記プランジャとの隙間に連通すると共に前記供給通路と連通路を経由して連通する副加圧室を形成する燃料シールと、
    略筒状に形成され、軸方向の一方の側が前記フランジに接続され、他方の側が前記燃料シールよりも前記加圧室と反対側で前記プランジャの径外方向の外壁に摺接するオイルシールと、を備え、
    前記オイルシールと前記燃料シールとの間に、前記内燃機関の熱が前記副加圧室に伝熱することを抑制可能な筒状の第1断熱空間を有し、
    前記フランジと前記ハウジングとの間に、前記内燃機関の熱が前記フランジから前記副加圧室に伝熱することを抑制可能な筒状の第2断熱空間を有し、
    前記第1断熱空間と前記第2断熱空間とは全周に亘り軸方向に連通していることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記プランジャは、前記加圧室側に設けられる大径部、及びこの大径部の前記加圧室と反対側で前記大径部よりも外径が小さく形成され、前記燃料シールの他方の側が液密に摺接する小径部を有し、
    前記副加圧室は、前記副加圧室と前記供給通路とを連通する前記連通路を経由し、前記供給通路の燃料を前記プランジャの往復移動によって吸入及び排出することを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記燃料シールと前記シリンダとの間に、前記プランジャの前記小径部が挿通される挿通孔を有するプランジャストッパを備えることを特徴とする請求項に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記シリンダは、前記加圧室と反対側に前記加圧室側の内径よりも内径が大きく形成された拡径部を有し、前記拡径部の内壁と前記プランジャとの間に前記副加圧室は形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記燃料シールは、軸方向の一方の側が前記シリンダの前記拡径部の径外方向の外壁に接続されることを特徴とする請求項に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記燃料シールは、軸方向の一方の側が前記拡径部よりも前記加圧室側の前記シリンダの径外方向の外壁に接続されることを特徴とする請求項に記載の高圧ポンプ。
  7. 前記シリンダは、前記燃料シールが接続する個所の径内方向の内壁に、径外方向へ凹む環状溝を有することを特徴とする請求項に記載の高圧ポンプ。
  8. 前記ハウジングと前記フランジとを接続し、前記第2断熱空間を形成する環状のハウジングカバーを備えることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  9. 前記燃料シールは、
    前記シリンダの前記加圧室と反対側の径外方向の外壁に摺接し、前記プランジャ周囲の燃料油膜の厚さを規制する環状の燃料シールエレメントと、
    軸方向の一方の側が前記ハウジングに接続され、他方の側が前記燃料シールエレメントを保持する環状の燃料シール外環とを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  10. 前記供給通路には、前記加圧室に吸入される燃料及び前記加圧室から排出される燃料による燃圧脈動を低減する第1燃料室が設けられ、
    前記燃料シール外環は、一方の側が前記ハウジング、前記フランジ、又は前記ハウジングと前記フランジとを接続して前記第2断熱空間を形成する環状のハウジングカバーに液密に接続され、前記第1燃料室と連通する第2燃料室を前記シリンダの径方向外側に形成することを特徴とする請求項に記載の高圧ポンプ。
  11. 前記燃料シール外環は、前記シリンダの径方向の外壁に当接し、前記シリンダと前記燃料シールエレメントとを同軸にすることを特徴とする請求項9または10に記載の高圧ポンプ。
  12. 前記燃料シール外環は、径外方向に凸状に形成された通路部を有し、
    前記通路部と前記シリンダとの間を通り、前記副加圧室と前記第2燃料室との間を燃料が流通可能であることを特徴とする請求項10に記載の高圧ポンプ。
  13. 前記燃料シール外環は、
    前記燃料シールエレメントを係止する第1燃料シール外環と、
    軸方向の一方の側が前記ハウジングに接続され、他方の側が前記第1燃料シール外環に接続される第2燃料シール外環とからなることを特徴とする請求項12のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  14. 前記オイルシールは、
    前記燃料シールよりも前記加圧室と反対側で前記プランジャの径外方向の外壁に摺接し、前記プランジャ周囲のオイル油膜の厚さを規制する環状のオイルシールエレメントと、
    軸方向の一方の側が前記フランジに接続され、他方の側が前記オイルシールエレメントを保持する環状のオイルシール外環とを有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  15. 前記オイルシール外環は、
    前記オイルシールエレメントを保持する保持部と、
    軸方向の一方の側が前記フランジに接続され、他方の側が前記保持部に接続される樹脂パイプとからなることを特徴とする請求項14に記載の高圧ポンプ。
  16. 前記オイルシール外環は、内壁及び外壁に断熱処理加工が施されることを特徴とする請求項14または15に記載の高圧ポンプ。
  17. 前記第1断熱空間の内壁及び前記第2断熱空間の内壁に断熱処理加工が施されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  18. 前記連通路は、前記吸入弁部に形成され前記供給通路の一部を構成する燃料溜りと前記副加圧室とを連通することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  19. 前記第2断熱空間に設けられ、前記供給通路と前記副加圧室とを接続する燃料パイプを備えることを特徴とする請求項18のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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