JP5507043B2 - 燃料油組成物 - Google Patents
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Description
従来、外燃機用燃料油として、主に灯油、A重油、C重油が用いられている。しかしながら、前記灯油は、硫黄分、窒素分、残留炭素分が極めて低く、環境負荷が小さいものの、発熱量が低いという欠点を有している。
一方、A重油は、一般に安定供給の点で優れており、かつ灯油に比較して高い発熱量をもつが、より一層高い発熱量が要求される傾向にある。より高い発熱量のA重油は、高沸点(高密度)留分の基材混合比率を増大させることにより達成できることが知られている。しかしながら、直留系基材の高沸点留分は、パラフィン分が多く、製品の低温流動性悪化を引き起こす場合がある。また、接触分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)の混合比率を増大することにより、より高い発熱量のA重油が得られることも知られている。しかしながら、LCOの混合比率が高い燃料油を使用した場合、使用時に着火不良や、煤の発生など燃焼不良が観察される場合がある。
さらに、C重油は、前記A重油よりも高い発熱量を有するが、高粘度のために加温設備が必要であるなど、取り扱いが不便である上、硫黄分、窒素分、残留炭素分が高く環境への影響が大きいという欠点を有している。
特許文献1では、軽質サイクル油と直脱軽油とを含有し、密度を一定値以上に調製したA重油が記載されている。また、特許文献2では、特許文献1と同様に、軽質サイクル油と直脱軽油とを含有し、さらに残留炭素付与用基材を加え、10%残留炭素分が0.2質量%を超える組成物を提案している。さらに、特許文献3では、接触分解軽油を50容量%以上含有し、セタン指数、密度などの性状を制御した組成物を開示している。
しかしながら、特許文献1及び特許文献3の燃料油は、いずれも低温流動性が不十分であり、また特許文献2の燃料油は、燃焼性が不十分であり、いずれもさらに改良の余地がある。
〔1〕下記の(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする燃料油組成物、
(1)セタン指数(c)が、20以上であり、かつ、下記の式〔A〕を満たす
c ≧ 25×V−45 ・・・ 〔A〕
[式中、Vは、燃料油組成物の50℃における動粘度(mm2/s)である。]
(2)10%残留炭素分が0.05質量%以上0.20質量%未満である
〔2〕密度が0.880g/cm3以上、50℃における動粘度が3.2mm2/s以下、及び硫黄分が0.30質量%以下である上記〔1〕に記載の燃料油組成物、
〔3〕接触分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)を50〜90容量%含有する上記〔1〕又は〔2〕に記載の燃料油組成物、
〔4〕接触分解軽油が、以下の性状を有するものである上記〔3〕に記載の燃料油組成物、
(1)密度が0.890g/cm3以上0.940g/cm3未満
(2)50℃における動粘度が1.60mm2/s以上3.00mm2/s以下
(3)硫黄分が0.33質量%以下
〔5〕通油限界温度が、−5℃以下である上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の燃料油組成物、
を提供するものである。
(1)セタン指数(c)が、20以上であり、かつ、下記の式〔A〕を満たす
c ≧ 25×V−45 ・・・ 〔A〕
[式中、Vは、燃料油組成物の50℃における動粘度(mm2/s)である。]
セタン指数が上記範囲内であれば、燃焼性が良好であり、一酸化炭素や煤の発生を抑制し、また着火性においても優れたものにすることができる。
なお、このセタン指数は、JIS K2204−1992に従って測定した値である。
10%残留炭素分が0.05質量%未満であると、低温流動性が十分ではないことがあり、低温での利用が制限される恐れがある。一方、10%残留炭素分が0.20質量%以上であると、燃焼性が低下し、燃焼機器によっては、一酸化炭素や煤が発生することがあり、また、貯蔵安定性が低下することもある。したがって、10%残留炭素分は、0.06〜0.18質量%がより好ましく、0.07〜0.15質量%がさらに好ましい。
上記10%残留炭素分を調整するには、燃料油組成物に残留炭素付与剤を配合し、その配合量を調整することによって行うことが好ましい。この場合の残留炭素付与剤に由来する10%残留炭素分が、上記と同様の理由により、0.01質量%を越え0.20質量%未満であることが好ましく、0.03質量%以上0.18質量%未満がより好ましく、0.07質量%以上0.15質量%未満がより好ましい。つまり、上記の残留炭素付与剤に由来する10%残留炭素分になるように残留炭素付与剤を配合すればよい。
なお、この10%残留炭素分は、JIS K 2270に従って測定した値である。
(3)密度が0.880g/cm3以上である
密度が0.880g/cm3以上であれば、単位容積当たりの発熱量が所望の燃料油を得ることができる。密度の上限については、特に制限はないが、密度が過度に高い場合、使用する燃焼機の種類によっては、燃焼性が悪化する場合があることから、0.900g/cm3以下にすることが好ましい。
なお、この密度は、JIS K 2249に従って測定した値である。
当該動粘度が3.2mm2/s 以下であれば、使用する燃焼機器の種類や使用環境によらず、燃焼性トラブルの発生を抑制することができる。また、50℃における動粘度の下限値については、特に拘束されるものではないが、通常安全性の観点から、1.5mm2/s以上が好ましい。
なお、この50℃における動粘度は、JIS K 2283に従って測定した値である。
硫黄分が0.3質量%以下であれば、燃焼ガス中のSOxを低減することができ、環境負荷低減、燃焼ガスの酸露点低下抑制による煙道腐食の抑制の点から好ましい。より好ましくは0.2質量%以下である。
なお、上記硫黄分含有量は、JISK2541−1に従って測定した値である。
このような蒸留性状であれば、燃焼性を高める点で好ましい。
なお、この蒸留性状は、JISK 2254に従って基づいて測定した蒸留性状から求めた値である。
そのような燃料油基材としては、例えば、接触分解軽油(LCO)、直留灯油、脱硫灯油、直留軽質軽油、脱硫軽油、直留重質軽油、脱硫重質軽油、脱ろう軽油、直脱軽油などを使用することができる。また、残留炭素付与剤として直留系残渣、分解系残渣等の残炭源を使用することもできる。
上記LCOとしては、LCOの水素化処理物が好ましい。LCOの水素化処理により、LCO中の硫黄分の含有量や不安定な不飽和化合物を低減でき、環境負荷の低減にも好適な基材を得ることができる。
したがって、LCOは、流動接触分解法(FCC)又は残油流動接触分解法(RFCC)より得られたLCO、そのLCOを蒸留して蒸留性状を調整したもの、これらのものを通常の方法において水素化処理、具体的には、脱金属処理、脱硫処理等したもの、並びにそれらのLCOを適宜混合した混合物を用いることができる。
(1)密度が0.890g/cm3以上0.940g/cm3未満、
(2)50℃における動粘度が1.60mm2/s以上3.00mm2/s以下
(3)硫黄分が0.33質量%以下
このような、性状を有するLCOであれば、発熱量、燃焼性、環境負荷の低減などで優れた効果を有する。
LCOの配合量は、好ましくは、53〜85容量%、より好ましくは60〜80容量%である。
この直脱軽油の配合量は、10〜50容量%が好ましく、15〜47容量%がより好ましい。
接触分解軽油、直脱軽油とともに、さらに上記の他の燃料油基材を配合することができる。
この残留炭素付与剤の配合量は、上記10%残留炭素分の範囲に適合するように必要に応じて適宜選定すればよい。
低温流動性については、通油限界温度として具体的に表すことができる。本発明の燃料油組成物は、その通油限界温度が−5℃以下、さらには、−8℃以下である。
なお、この通油限界温度は、JPI−5S−47−96に従って測定した値である。
〔燃料油組成物の性状と組成〕
・密度
JIS K 2249に準拠して測定した。
・セタン指数
JIS K 2204―1992に準拠して測定した。
・硫黄分
JIS K 2541−7に準拠して測定した。
・10%残留炭素分
JIS K 2270に準拠して測定した。
・蒸留性状
JIS K 2254により測定した。
・流動点
JIS K 2269に準拠して測定した。
・動粘度
JIS K 2283に準拠して測定した。
・低温流動性
石油学会規格JPI−5S−47−96「A重油の低温流動性試験方法基準(実機シミュレーター法)」に準拠して通油限界温度(T℃)を測定し、下記の評価基準で行った。
評価基準;
◎; T ≦ −8
○; −8< T < −5
△; −5 ≦ T
・燃焼性能
下記の条件及び基準で行った。
(1)評価機種及び条件
燃焼機種 :ネポン社製ハウスカオンキHK−308型
燃料噴霧圧 :9.0kg/cm2
燃料加熱用バーナ前ヒーター:オフ
評価室温及び油温 :33〜37℃
バンドシャッター開度:標準(表示されている中央)
(2)測定項目
バッカラッカスモークテスターにより、排ガスのスモークナンバー(SN)を測定した。
(3)評価基準
◎; SN≦3.0
○;3.0<SN<6.0
△;6.0≦SN
下記の方法及び基準で行った。
(1)評価方法
スクリューキャップ付きのパイレックス製ビン(Corning 1372)のキャップに6mmの穴を開け、燃料油組成物を充填し、暗所(室温)にて2ヶ月間保管した。次いで当該燃料油組成物50.0mLを、40.0℃に加温し、ろ紙(ワットマンNo50、孔径1μm、直径55mm)を用い0.49MPaの圧力下でろ過する。ろ過残渣を、n−ヘプタンで洗浄後、ろ紙を乾燥し(105℃、1時間)、乾燥状態で1時間放冷後、秤量し、1L当たりのろ過残渣を算出する。
(2)評価基準
◎;3.0mg/L以下
○;3.0mg/L超、5.0mg/L以下
△;5.0mg/L超
第1表に示す性状を有する基材を、第2表に示す割合で混合して燃料油組成物を調製し、その性状及び性能を評価した。結果を第2表に示す。
Claims (2)
- 接触分解軽油の配合量が53〜85容量%であり、直脱軽油の配合量が15〜47容量%であり、通油限界温度が、−5℃以下であり、密度が0.880g/cm 3 以上、50℃における動粘度が3.2mm 2 /s以下、及び硫黄分が0.30質量%以下であり、下記の(1)及び(2)の条件を満たすことを特徴とする燃料油組成物。
(1)セタン指数(c)が、20以上であり、かつ、下記の式〔A〕を満たす
c ≧ 25×V−45 ・・・ 〔A〕
[式中、Vは、燃料油組成物の50℃における動粘度(mm2/s)である。]
(2)10%残留炭素分が0.05質量%以上0.20質量%未満であり、残留炭素付与剤に由来する10%残留炭素分が、0.01質量%を越え0.20質量%未満である - 接触分解軽油が、以下の性状を有するものである請求項1に記載の燃料油組成物。
(1)密度が0.890g/cm3以上0.940g/cm3未満
(2)50℃における動粘度が1.60mm2/s以上3.00mm2/s以下
(3)硫黄分が0.33質量%以下
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