JP5473257B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5473257B2
JP5473257B2 JP2008160772A JP2008160772A JP5473257B2 JP 5473257 B2 JP5473257 B2 JP 5473257B2 JP 2008160772 A JP2008160772 A JP 2008160772A JP 2008160772 A JP2008160772 A JP 2008160772A JP 5473257 B2 JP5473257 B2 JP 5473257B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
resin
mask pattern
recording
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008160772A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010000666A (ja
Inventor
一樹 成實
卓巳 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008160772A priority Critical patent/JP5473257B2/ja
Priority to US12/484,946 priority patent/US8215740B2/en
Publication of JP2010000666A publication Critical patent/JP2010000666A/ja
Priority to US13/493,764 priority patent/US8714680B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5473257B2 publication Critical patent/JP5473257B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J29/00Details of, or accessories for, typewriters or selective printing mechanisms not otherwise provided for
    • B41J29/38Drives, motors, controls or automatic cut-off devices for the entire printing mechanism
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2107Ink jet for multi-colour printing characterised by the ink properties

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Description

本発明は、インクを吐出するための記録ヘッドを記録媒体に対して走査させて画像を形成するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録装置は、高密度・高速な記録動作が可能であり、ランニングコストが安く静かな記録方式であることなどの優位点を有しており、様々な形態の出力機器として商品化されている。
インクジェット記録用のインクに用いられる着色剤としては、色剤の彩度・色再現性等の画像品質の高さ、利用できる色剤の種類の豊富さ、水への溶解性、ノズル目詰まりなどの吐出信頼性の点から水溶性染料が使用されている。しかし、染料は、耐光性および耐水性等の諸特性に劣ることがあり、染料インクにより印刷された印刷物は、耐光性および耐水性に劣る。顔料は、染料に比べて耐光性および耐水性に優れており、近年、耐光性および耐水性を改善する目的でインクジェット記録用インクの着色剤としての利用が進められている。しかし、顔料インクを利用して印刷した印字物では、記録媒体の内部に浸透する染料インクと異なり、顔料インクが記録媒体の表面に留まることから、記録物を爪や布等でこすった際の画像の耐性を意味する耐擦過性を確保するのが困難である。そこで、顔料インクを用いた印刷物における耐擦過性の向上を目的として、インク中へ樹脂添加を行い、耐擦過性向上を実現した技術が提案されている。
例えば、特許文献1においては、インク組成物として、金属イオンとキレートを形成し得る配位子構造を有するポリマー(樹脂)微粒子を含ませる技術が提案されている。同文献によると、インク組成物が記録媒体に付着し、ポリマー微粒子の近傍の水および水溶性有機溶媒が記録媒体内部に浸透することで、樹脂微粒子同士が合一し融着して色材を包含した皮膜を記録媒体上において形成する。そのため、得られる画像は、耐擦過性に優れ、また、耐水性にも優れたものとなると示されている。
特開平11−349875号公報
前述のように、インク中へ樹脂添加をすることは、インクによる画像層を強固にできるので、耐水性や耐擦過性などの堅牢性を向上させるためには、極めて有効である。
しかし、樹脂を添加したインクを用いて画像を記録した場合、記録媒体上で不規則な隙間、インク濃度の増大したドット等が発生し,記録される画像中に濃度ムラが認識されることがわかった。
本発明は樹脂を添加したインクを用いた場合に生じる濃度ムラの軽減を目的としている。よって、その目的とするところは、堅牢性が高い印刷物を得るために、堅牢性の向上と画質劣化を軽減する記録装置の提供することである。
本発明は、それぞれ顔料と第1の樹脂を含む顔料の分散液とを含む第1インクおよび第2インクを吐出するための記録ヘッドを用いて、記録媒体の複数の画素を含む単位領域に対して前記記録ヘッドを複数回走査させながら、記録データを前記複数回の走査に分割するために単位領域への記録許容率を定める前記第1インクおよび第2インクそれぞれに対応する第1、2のマスクパターンに従って、前記第1インクおよび前記第2インクを吐出させることにより、前記単位領域に画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記複数の画素における前記第1インクおよび前記第2インクの吐出量を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記吐出量に基づいて、前記単位領域への記録に用いるマスクパターンを決定する決定手段と、を有し、前記第2インクは前記分散液中の前記第1の樹脂の他に耐擦性を向上させるための第2の樹脂を含み、前記第1インクは前記第2の樹脂を含まず、前記第1インクおよび前記第2インクにより記録される複数の画素のうち半数以上の画素において、少なくとも1つの画素において前記第1インク、前記第2インクの順に記録し、前記決定手段は、前記第2インクの吐出量が前記第1インクの吐出量より小さい第1の場合に、前記複数回の走査のうち前半の走査における前記記録許容率の合計が前記複数回の走査の後半の走査における前記記録許容率の合計よりも小さいマスクパターンを前記第2のマスクパターンとして用い、前記第2インクの吐出量が前記第1インクの吐出量より多い第2の場合に、前記第1の場合で使用した前記第2マスクパターンより前記複数回の走査のうち前半の走査における前記記録許容率の合計と前記複数回の走査の後半の走査における前記記録許容率の合計との差が小さいマスクパターンを前記第2のマスクパターンとして用いることを決定することを特徴とする。
本発明は、それぞれ顔料と第1の樹脂を含む顔料の分散液とを含む第1インクおよび第2インクを吐出するための記録ヘッドを用いて、記録媒体の複数の画素を含む単位領域に対して前記記録ヘッドを複数回走査させながら、記録データを前記複数回の走査に分割するために単位領域への記録許容率を定める前記第1インクおよび第2インクそれぞれに対応する第1、2のマスクパターンに従って、前記第1インクおよび前記第2インクを吐出させることにより、前記単位領域に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記複数の画素における前記第1インクおよび前記第2インクの吐出量を取得する取得工程と、前記取得手段によって取得された前記吐出量に基づいて、前記単位領域への記録に用いるマスクパターンを決定する決定工程と、を有し、前記第2インクは前記分散液中の前記樹脂の他に耐擦性を向上させるための第2の樹脂を含み、前記第1インクは前記第2の樹脂を含まず、前記第1インクおよび前記第2インクにより記録される複数の画素のうち半数以上の画素において、少なくとも1つの画素において前記第1インク、前記第2インクの順に記録し、前記決定工程において、前記第2インクの吐出量が前記第1インクの吐出量より小さい第1の場合に、前記複数回の走査のうち前半の走査における前記記録許容率の合計が前記複数回の走査の後半の走査における前記記録許容率の合計よりも小さいマスクパターンを前記第2のマスクパターンとして用い、前記第2インクの吐出量が前記第1インクの吐出量より多い第2の場合に、前記第1の場合で使用した前記第2マスクパターンより前記複数回の走査のうち前半の走査における前記記録許容率の合計と前記複数回の走査の後半の走査における前記記録許容率の合計との差が小さいマスクパターンを前記第2のマスクパターンとして用いることを決定することを特徴とする。
本発明によれば、特性の異なる少なくとも2種類のインクを用いて画像を記録する場合に、記録媒体の同一画像領域に対するこれらのインクの付与順序を制御する。これにより、濃度ムラなどの画像品位を向上させることが可能である。
(第一の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
(全体的構成)
図1は本実施形態で適用可能なインクジェット記録装置の概観構成を説明するための図である。記録ヘッド(不図示)やインクタンクを搭載するキャリッジ11は、記録ヘッドに駆動信号等を伝達するためのコネクタ・ホルダ(電気接続部)が設けられており、駆動信号は記録制御部よりフレキシブルケーブル13を介して伝達される。キャリッジ11は、主走査方向に延在して装置本体に設置されたガイド・シャフト6に沿って往復移動可能に案内支持されている。そして、キャリッジ11は主走査モータ12によりタイミング・ベルト4等の駆動機構を介して往復移動するとともに、キャリッジ11の位置を光学的に読み取るエンコーダセンサ16を用いてその位置及び移動が制御される。キャリッジ11が移動する領域の端部には、記録ヘッドのメンテナンス処理を実行するための回復手段14が備えられている。回復手段14には、吸引および放置時に記録ヘッドの吐出口面を保護するためのキャップ141、記録ヘッドの吐出口面をワイピングするためのワイパーブレード143が備えられている。プリント用紙やプラスチック薄板等の記録媒体は給紙トレイ15から一枚ずつ分離給紙され、給紙ローラー(不図示)によって副走査方向に送られる。記録ヘッドは例えば、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。すなわち記録ヘッドは、上記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーによる膜沸騰により生じる気泡の圧力を利用して、吐出口よりインクを吐出してプリントを行うものである。もちろん、圧電素子によってインクを吐出する等、その他の方式であっても良い。
図2は、本実施形態で使用される記録ヘッド21の吐出口側を示す模式図である。本実施形態の記録ヘッド21は、各インク色において、1インチ当たり1200個の密度で1280個の吐出口が副走査方向に並ぶ吐出口列を有している。そして、黒インクを吐出するノズル列2k、シアンインクを吐出するノズル列2c、マゼンタインクを吐出するノズル列2m、およびイエローインクを吐出するノズル列2yが記録ヘッドの主走査方向に並列して配置されている。吐出口から吐出されるインクの吐出量は約4.5plとする。但し、ブラックインクは高濃度を実現するために吐出量を他に比べて若干多く設定してあってもよい。本実施形態の記録装置は、このような記録ヘッドを主走査方向に走査しながら吐出させることにより、主走査方向に2400dpi(dot/inch)、副走査方向に1200dpiの記録密度でドットを記録することが可能となっている。
この記録ヘッド21を用いて、通常はキャリッジを主走査方向に移動しながら記録ヘッドからインクを吐出する記録動作と、記録媒体を搬送方向に所定量搬送する搬送動作とを繰り返して記録を行う。さらに、記録媒体上の同一領域に対して記録ヘッドを複数回走査させて記録を行う記録方式である、マルチパス記録を行うことで、画像を形成する。記録ヘッド21の複数のノズル間においては、その製造工程上、どうしてもインクを吐出する方向や量に僅かなばらつきが発生してしまう。また、各記録走査の間に行われる副走査量に、多少なりとも構成上の誤差を含んでいる。このような誤差やばらつきは、インクが記録された記録媒体において、スジや濃度ムラのような画像弊害の原因になる。記録ヘッドの1回の記録走査で記録可能な領域に対して複数回の走査によって画像を記録するマルチパス記録を採用することで、各ノズルの吐出特性や搬送量にばらつきがあったとしても、これらの特性が画像全体に分散され、目立たなくすることが可能となる。
(インクの組成)
以下に、本実施形態で適用するインクセットの成分および精製方法を説明する。ここでは、マゼンタ、イエロー、ブラックは樹脂なしインクであり、シアンインクのみ耐擦過性を向上させるために樹脂を添加した樹脂入りインクである。
<イエローインク>
(1)分散液の作製
まず、以下に示す顔料10部、アニオン系高分子30部、純水60部を混合する。
顔料:[C.I.ピグメントイエロー74(製品名:Hansa Brilliant Yellow 5GX(クラリアント社製))]
アニオン系高分子P−1:[スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比(重量比)=30/40/30)、酸価202、重量平均分子量6500、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム] 30部
次に、以上に示す材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ、12時間分散処理を行う。更に、この分散液を遠心分離機にかけ粗大粒子を除去した。そして、最終調製物として、固形分が約12.5%、重量平均粒径が120nmの顔料分散体を得た。得られたイエロー顔料分散液を用いて、下記のようにしてインクを調製する。
(2)インクの作製
以下の成分を混合し、十分に攪拌して溶解・分散後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過して、インク1を調製する。
・上記イエロー分散液 40部
・グリセリン 9部
・エチレングリコール 6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(商品名:アセチレノールEH) 1部
・1,2−ヘキサンジオール 3部
・ポリエチレングリコール(分子量1000) 4部
・水 37部
<マゼンタインク>
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価300、数平均分子量2500のAB型ブロック樹脂を作り、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%樹脂水溶液を作成する。また、上記樹脂水溶液を100g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水300gを混合し、機械的に0.5時間撹拌する。次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理する。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とする。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が5質量%であった。
(2)インクの作製
インクの作製は、上記マゼンタ分散液を使用する。これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度4質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製する。
上記マゼンタ分散液 40部
グリセリン 10部
ジエチレングリコール 10部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル製)イオン交換水 39.5部。
<ブラックインク>
(1)分散液の作製
イエローインクで使用したポリマー溶液を100g、カーボンブラックを100gおよびイオン交換水300gを混合し、機械的に0.5時間撹拌する。次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理する。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してブラック分散液とする。得られたブラック分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が6質量%であった。
(2)インクの作製
インクの作製は、上記ブラック分散液を使用する。これに以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度5質量%、分散剤濃度3質量%の顔料インクを調製する。
上記ブラック分散液 50部
グリセリン 10部
トリエチレングリコール 10部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル製)イオン交換水 25.5部。
<シアンインク>
(1)分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価250、数平均分子量3000のAB型ブロックポリマーを作り、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%樹脂水溶液を作成する。また、上記の樹脂溶液を180g、C.I.ピグメントブルー15:3を100gおよびイオン交換水220gを混合し、機械的に0.5時間撹拌する。次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理する。更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とする。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が10質量%であった。
また、下記のようにして樹脂水溶液1を得た。スチレン、n−ブチルアクリレート、及びアクリル酸で構成される樹脂1を15.0質量%、前記アクリル酸を構成するカルボン酸に対して水酸化カリウムを1当量加え、残部を水で100.0質量%に調整した後、80℃で撹拌して樹脂1を溶解した。その後、固形分(樹脂1)の含有量が15.0質量%になるように水で調整して、樹脂水溶液1を得た。
樹脂1は、スチレン/n−ブチルアクリレート/アクリル酸=0.160/0.710/0.130、酸価101、重量平均分子量7,000である。
(2)インクの作製
上記で得たシアン分散液と樹脂水溶液1とを含む下記の成分をよく混合した後、さらに、ろ過を行ってインクを調製した。
・上記シアン分散液 16.7質量%
・樹脂水溶液1 16.7質量%
・グリセリン 5.0質量%
・エチレン尿素 9.0質量%
・BC20 1.5質量%
・アセチレノール 0.5質量%
・水 50.6質量%
なお、樹脂水溶液1に含まれる樹脂1は、トルエン中に、スチレン/エチルアクリレート/アクリル酸/重合開始剤(アゾビスブチロニトリル)の混合液を滴下して、還流温度で重合を行って合成した。
このように、分散液中の樹脂だけでなく、後から樹脂を添加したインクのことを本提案書において「樹脂入りインク」と呼ぶことにする。また、インク組成中に、分散液に含まれる樹脂のみ含まれる場合は「樹脂なしインク」と呼ぶ。
(画像処理システムの構成例)
図3は、図1に示したインクジェット記録装置の制御系の構成を説明するためのブロック図である。まず、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器301やハードディスク等の各種記憶媒体に保存されている多値画像データは、画像入力部302へと入力される。画像入力部302は外部に接続されたホストコンピュータであり、記録装置である画像出力部303に対して記録すべき画像情報を転送する。ホストコンピュータの形態としては情報処理装置としてのコンピュータとするほか、イメージリーダなどの形態とすることもできる。受信バッファ304は画像入力部302からのデータを一時的に格納するための領域であり、記録制御部305からデータの読み込みが行われるまで、受信データを蓄積しておく。記録制御部305の内部には、CPU306を始め、制御プログラムや後述するマスクパターンなどを記憶した記憶素子(ROM307)や、各種画像処理を実施する際のワークエリアとなるRAM308が配置されている。記録制御部305は受信バッファ304から読み込まれた多値画像データを、後述する画像処理を施して2値出力画像データ404へと変換する。
図4は、記録制御部305の工程を示したフローチャートであり、矩形は個々の画像処理工程を、平行四辺形はデータを示している。まず、RGB(レッド、グリーン、ブルー)の輝度情報を有する入力データ401を、画像入力機器301内で動作するアプリケーションソフト等から受け取る。次いで、この入力データ401が画像形成に用いる複数種類のインク、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)各々に対応した多値のCMYKデータ402に変換される。このCMYKデータ402は、例えば256階調程度の階調レベルを有する8bitデータであるが、本実施形態の場合、この段階のデータは600dpiの解像度を有している。本明細書において、記録装置から入力された階調値を有し、縦横共に600dpiの解像度である画素一つを、以後「単位画素」と称する。
次の2値化処理403によって、記録ヘッド21が記録可能なドットの記録位置を定めた1bitの2値出力画像データ404へと変換される。このような2値化処理403は、一般的な多値誤差拡散処理を採用することが出来る。本実施形態においては、2値化処理403を行う際に、縦横共に600dpiの解像度を有する単位画素が主走査方向2400dpi、副走査方向1200dpiの解像度へと変換される。つまり、1つの単位画素の領域は4×2(主走査×副走査)の記録画素群の領域に相当する。この2値出力画像データ404を元に、後述するマスクパターンによる処理405を行い、出力画像データ406を作成する。
図5においてマスクパターンを用いた処理について具体的に説明する。マスクパターンは記録処理部305内のROM307の格納されており、マスクパターンを用いて各色の記録データを記録走査に分割し、各色で記録されるドットデータを記録走査毎に生成する。図5は、4パスのマルチパス記録を実行する際に利用するマスクパターンの一例を示した図である。ここでは、簡単のため一色分のノズル列51とそれに対応するマスクパターン52a〜52dを示している。ノズル列内のノズルは4つの領域に区分され、それぞれの領域に含まれるノズルは、各領域に対応するマスクパターン52a〜52dに従ってドットを記録する。個々のマスクパターン52a〜52dは、ドットの記録・非記録部分を定めた複数の画素領域によって構成されており、黒く示した領域がドットの記録を許容する画素を、白く示した領域がドットの記録を許容しない画素をそれぞれ示している。このマスクパターンの画素と記録ヘッドのノズルの画素は対応している。4種類のマスクパターン52a〜52dは互いに補完の関係を保っており、各記録走査でこれらマスクパターンと2値化処理後の2値出力画像データ404との論理積をとることによって、実際に各記録主走査で記録するドットが決定される。つまり、2値出力画像データ404において記録される画素データがあり、かつマスクパターンにおいて記録を許容された場合にのみドットを記録するのである。ここでは簡単のため4画素×3画素の領域を有するマスクパターンを示しているが、実際のマスクパターンは主走査方向にも副走査方向にも更に大きな領域を有している場合もある。
(特徴的構成)
本発明者らの検討によって、樹脂を添加した顔料インクを用いた場合、記録媒体上に樹脂を添加した顔料インク(以降、樹脂入りインク)が着弾した場所において、後からその場所に着弾したインクの記録媒体への浸透が妨げられることがわかった。この現象を図7に示したモデルを用いて説明する。
図7は通常の顔料インク72(以降、樹脂なしインク)と樹脂入りインク73、2種類のドットが重なった場合を示したたものである。図7(a)では樹脂なしインク72が記録媒体71上へ着弾した上から樹脂入りインク73が着弾する場合を示している。初めに記録媒体71上に着弾した樹脂なしインク72において、水や溶剤などの液体は記録媒体の中へと浸透しながら、顔料粒子自体は記録媒体71上に残る。その上から樹脂入りインク73のドットが着弾した場合、この樹脂入りインク73の水や溶剤は先に着弾した樹脂なしインク72の顔料粒子を透過し、記録媒体71へと浸透する。記録媒体へ直接浸透する領域と先に着弾したドットを透過して浸透する領域の浸透速度の差が小さいため、図7(a)に示すように後から着弾したドット73は先に着弾したドット72の上に自然に重なった状態となる。
図7(b)は樹脂入りインク73のドットが先に記録媒体71へ着弾した場合を示したものである。初めに記録媒体71上に着弾した樹脂入りインクにおいても水や溶剤は記録媒体71へと浸透し、顔料粒子が記録媒体に残ることは図7(a)と同様である。しかし、図7(b)に示したように、後から着弾した樹脂なしインク72の挙動が異なる。具体的には、後から着弾したドット72は横にずれてしまいドット73上に残らない。これは、記録媒体へ直接浸透する領域と先に着弾したドットを透過して浸透する領域の浸透速度の差が大きいことによって生じると考えている。つまり、先に着弾したドット73の樹脂成分が後から着弾したインクの水や溶剤の浸透を妨げるため、水や溶剤がドット73のない領域(記録媒体そのもの)へ浸透し、それに伴って顔料粒子もドット73がない領域へと移動してしまうためである。この図7(b)のような現象は、後から着弾するインクの樹脂の含有に関わらず、先に着弾するインクに樹脂が添加されている場合に生じる。また、本実施形態においてはインク中へ後から樹脂を添加した場合について述べているが、顔料を分散させるために用いる樹脂であっても量が多くなるにつれ、このような現象を起こしてしまうことがわかっている。
このように、先に着弾したインクの樹脂成分によって後から着弾したインクの水や溶剤の浸透が妨げられ、後から着弾した顔料インクはドットの記録されていない領域、つまり記録媒体上へと移動し、ドットを形成する。このとき水や溶剤が浸透する領域は通常のドット径よりも小さな領域であるため、顔料粒子の凝集が起こり、通常の濃度よりも濃く、ドット面積も小さいドットができてしまう。この通常よりも濃い濃度を有したドットが記録面内に存在することによって、印字物における画像特性(特に粒状性)が悪化してしまう。
本実施形態では、第1インクである樹脂なしインクと、第2インクである樹脂入りインクのドットが重なったときに、どちらのインクが下になるかによって、後から着弾したインクの、先に着弾したインク上での残りかたが異なることに着目している。つまり、これら2つのドットにおける着弾順序を変えることによって、濃度ムラの軽減を図っている。
これより、この残りかたの違いについて説明する。図8は、吐出タイミングをずらして記録媒体上に2つのインクドットを記録したときの、着弾後の様子を示している。図8(a)、(b)、(c)全てにおいて、左のドットが先に着弾させたドットであり、右のドットが後から着弾させたドットである。なお、2つのドットの着弾位置関係としては、ドット径の半分ずらしたもので説明しているが、後から着弾したドットが先に着弾したドットと記録媒体の両方の上に接する位置関係であれば良い。また着弾タイミングをずらす時間としては、同一パス内での微小な時間差でもかまわないが、数秒程度あけたほうが、ドットの移動が顕著に見られ、残りやすさの判断が容易である。
まず、2種類の樹脂なしインク81、82を用いて、記録媒体86上に着弾させた結果を図8(a)に示した。この場合、左ドットの後から右ドットが着弾したために、左ドットの右半分が右ドットによって覆い被さっている。
次に、図8(b)に樹脂入りインク83のドットの上から樹脂なしインク84を着弾させた場合について示す。すると図8(a)と同様に、後から着弾した樹脂入りインク63のドットが樹脂なしインク62である第1インク上に残る。しかし、先ほどとは逆に樹脂なしインク83、樹脂入りインク84の順番に着弾させた図8(c)の場合、通常とは異なった挙動を示す。図8(a)では先に着弾したインクの上を後から着弾したインクのドットによって覆われた領域が、樹脂なしインク82によって覆われず、樹脂なしインク82は図に示した矢印の方向へと移動している。したがって、樹脂が添加されているインクと樹脂が添加されていないインクとを重ねるように着弾させたときには、後から着弾したインクが先に着弾したインクの上部に残る割合が先に着弾したインクの種類によって異なることがわかった。以後、後から着弾されるインクが先に着弾したインクの上部に残る合が相対的に大きいインクを、残りやすさの大きいインクと称する。また、後から着弾されるインクが先に着弾したインクの上部に残る割合が相対的に小さいインクを、残りやすさの小さいインクと称する。つまり、本実施形態においては樹脂が添加されていないインクが残りやすさの大きいインクであり、樹脂が添加されているインクが残りやすさの小さいインクである。
また、樹脂なしインクおよび樹脂ありインクの他の観点として、残りやすさに代えて、2つのドットが重ねられて所定時間後の重複率と考えることもできる。つまり、残りやすさの大きいインク(樹脂入りインク)は、先に着弾したインクに対する後から着弾されるインクの重複率が高いインクである。一方、残りやすさの小さいインク(樹脂なしインク)は、先に着弾したインクに対する後から着弾されるインクの重複率が低いインクとなる。
以上示したように、光学顕微鏡などによって、2種類のインクドットが重なった位置の観察をおこなうことで、上に着弾させたインクの残りやすさの大小を判断することが可能である。なお、図7、図8においては樹脂入りインクである第2インク上にインクが完全に残っていない場合を示したが、樹脂入りインクの上にインクがある程度残っている場合でも残りやすさの大小の判断は可能である。
また比較する2つのインクでの2次色における、測色値によっても残りやすさの大小の判断は可能である。例えば、残りやすさの小さいインクで100%ベタ画像を印字し、その上から残りやすさの大きいインクを印字した2次色画像と、印字順を逆にした2次色画像とを比較した場合を考える。残りやすさの大きいインクを先に印字した画像では先に印字したインクのドットは後から印字したインクのドットに覆い隠され、ベタ画像の色味は2つのドットの合計となる。それに対して、残りやすさの小さいインクを先に印字した画像では上側のドットがよけることによって、下側に印字されたドット本来の色味が反映されやすいため、残りやすさの大きいインクを先に印字した画像と比べて下側のドットの色味に近くなる。そのため、残りやすさの異なる2つのインクのベタ画像の色味を比較することでも、残りやすさの大小の判断は可能である。
なお、本実施形態においては、2つのインクの着弾順序を変えたときのドットの重なりかたから残りやすさの大小を判断したが、ある共通のインクを上に着弾させた場合のずれ量の大小から残りやすさの大小を決定することも可能である。これらの知見をもとに、樹脂入りインクと樹脂なしインクのドット吐出位置が重なった時の着弾順序を制御し、樹脂入りインクを含んだ2次色におけるドットの濃度ムラ発生を軽減させることを試みた。具体的には、樹脂入りインクと樹脂なしインクが同一画素で重なる場合には、なるべく樹脂なしインクを先に着弾させることで、濃度ムラの発生を軽減させるのである。
以下に、本実施形態を実行可能な制御工程について図9を用いて説明する。図9には図4において前述した通常行われる記録制御部305での工程に加えて、本実施形態における特徴的な処理が組み込まれている。特徴的な処理とは樹脂入りインクと樹脂なしインクが重なったときに、できるだけ樹脂入りインクが上になるように着弾順序を制御するための処理である。具体的には、樹脂入りインクを吐出するノズル列について2値出力画像データ404に用いるマスクパターンを領域毎に切り替えるのである。本実施形態においては、単位画素ごとにマスクパターンを切り替えることを想定しているが、パスごとでも、縦横それぞれ複数画素をひとまとまりとした任意の領域毎でもかまわない。なお、本実施形態においては前述したように樹脂入りインクとしてシアンを、それ以外のインクでは樹脂なしインクを用いている。
通常、記録制御部305では前述したように、画像入力部302より入力された入力データ401を多値のCMYKデータ402へと変換し、2値化処理403を行うことで、2値出力画像データ404が生成される。本実施形態においてはそれと同時に、このCMYKデータ402に対して、マスク選択パラメータ演算902を行うことで、1次元の数値パラメータであるマスク選択パラメータ(MP)903が得られる。
図10は、マスク選択パラメータ演算902のシーケンス図である。まず、入力されるCMYKデータ402の各色に対して、重み付け係数(0〜1の値)を決めCMYKそれぞれに掛ける、重み付け処理1001を行う。ここでいう重み付け係数とはそれぞれのインクのマスク選択における影響度を示したもので、任意に決定することが可能である。この重み付け係数が大きなデータほど、少ない打ちこみ量でマスクパターンの切り替えに反映される。CMYKデータ402それぞれに対して、重み付け係数を掛けたものが、C’M’Y’K’データ1002である。なお、本実施例においてはCMYKデータ402もC’M’Y’K’データ1002も共に8bitデータであり、重み付け処理1001後の端数は切り捨て、整数とする。次に、演算処理1003において、樹脂なしインクであるM’Y’K’データの和から樹脂入りインクであるC’データの差を計算し一定数Bを加える。このような演算を行うことで、樹脂なしインクと比べて樹脂入りインクの記録量が多くなると、マスクパターンが切り替えられなくなる。この定数Bは変換前に中間マスク選択パラメータ(MP’)1005を負の数にしないために加えるもので、任意に決定できる。
この計算結果のデータにおいて下位bit切り捨て処理1004を行い5bit(32値)にしたものが、中間マスク選択パラメータ(MP’)1005である。このような演算を行うことで、中間マスク選択パラメータ(MP’)1005が樹脂入りインクと樹脂なしインクのインク吐出量の関係に応じた値として得られる。例えば、樹脂入りインクの吐出量が少なく、樹脂なしインクの吐出量が多い場合は、中間マスク選択パラメータ(MP’)1005は大きな値となる。逆に、樹脂入りインクが多く、樹脂なしインクが少ない場合は、中間マスク選択パラメータ(MP’)1005は小さな値となる。さらに中間マスク選択パラメータ(MP’)1005はN値化処理1006が行われ、N値のマスク選択パラメータ(MP)903へと変換される。このN値化方法は一般的な誤差拡散でも、ディザマトリクスによる方法を用いても良いが、本実施形態においては誤差拡散を用いている。誤差拡散を用いることで、マスクパターンが切り替えられる単位画素に隣接した単位画素においても、マスクパターンが切り替えられ、使用するマスクパターンの連続性が向上する。このNは切り替えるマスクパターンの種類に対応しており、本実施形態においては2種類のマスクパターンを用いるため、Nの値を2にしている。つまり、マスク選択パラメータMP903としては「0」か「1」の2種類が存在することになる。以降、本実施形態においてはN値化処理として2値化処理を行うものとして説明を行う。なお、Nを2よりも増やすことで、選択できるマスクパターンの種類を増やすことが可能であるため、切り替えに用いるマスクパターンの数は本実施形態の限りではない。
図11に本実施例を用いた場合の、CMYKデータ402から、中間マスク選択パラメータ(MP’)1005の値までの変換例を表に示す。説明を簡略化するため、樹脂入りインクとしてシアンを、樹脂なしインクとしてマゼンタを用い、重み付け処理後のM’とC’の差へ演算定数Bを加えることで演算処理1003を行っている。図11で示しているように、Cの付与量がMの付与量と比較して多い場合においては、中間マスク選択パラメータ(MP’)1005は小さな値となり、Cの付与量が少ない場合においては大きな値となる。
このように、まず、入力データ401を2値出力画像データ404へ変換する画像処理が行われる。その後、C,Mの付与量に相当する情報を取得して、マスク選択パラメータ(MP)903が単位画素ごとに求められ、2値出力画像データ404の単位画素ごとに使用するマスクパターンの選択に用いられる。
図12はマスク選択パラメータMP903の値と使用するマスクパターンの対応を示したものである。樹脂入りインクであるシアンインクはマスク選択パラメータ(MP)903の値に基づきノーマルマスクと後打ちマスクを使い分け、樹脂なしインクであるマゼンタインクは全てノーマルマスクを使用する。
図6(a)は、本実施形態で用いる8パスのマルチパス記録用のマスクパターンを説明するための模式図である。61は記録ヘッド21上のある1色のノズル列を示しており、1200dpiのピッチで副走査方向に1280個のノズル(吐出口)が配列している。8パス印字を行う際には、これら複数のノズルを走査ごとに用いられる8つの領域に区分し、8つの領域を重ねあわせて画像を形成する。それぞれの領域に適用されるマスクパターン62a〜62hが図の右側に示されている。各マスクパターンにおける個々の四角は1つ分の記録画素を示しており、黒く示した領域はドットの記録を許容する記録画素、白く示した領域はドットの記録を許容しない記録画素をそれぞれ示している。本実施形態のマスクパターン62a〜62hは、全てにおいて均等な12.5%ずつの記録許容率となっており、且つ互いに補完の関係にある。このマスクを以降ノーマルマスクと呼ぶ。図6では、簡単のため主走査方向に16画素、副走査方向に4画素のマスクパターンで示しているが、実際のマスクパターンは副走査方向には各領域に相当する160画素、主走査方向にも更に広い範囲を有している。なお、本実施形態では規則性の高いマスクパターンを用いているが、より乱雑性(分散性)の高いマスクパターンを用いても良い。本実施形態では、この図6(b)のマスクパターンは、樹脂なしインクに対して用いられる第1マスクパターンである、8パス用マスクパターン(ノーマルマスク)となる。
図6(b)のマスクパターンは、樹脂なしインクに対して樹脂入りインクの付与を遅らせるための第2マスクパターンである8パス用マスクパターン(以降、後打ちマスク)である。このマスクパターンは領域毎の記録許容率が均一であるノーマルマスクとは違い、領域1の記録許容率が0であり、そのかわり領域8の記録許容率が18.75%となっている。この記録許容率は一例であり、後半領域での記録許容率を上げることで、通常用いるノーマルマスクと比べて、後半領域において記録されるドットが増加するものであればかまわない。この後打ちマスクと前述のノーマルマスクを用いて、2次色における着弾順序の制御を行うことが可能である。例えば、シアンインク(樹脂入り)には後打ちマスクを、マゼンタインク(樹脂なし)にはノーマルマスクを用いることで、全てのインクにノーマルマスクを用いる場合と比べて、シアンインクがマゼンタインクの上に位置する確率が高くなる。
本実施形態では、樹脂入りインクと樹脂なしインクが同一画素で重なる場合には、なるべく樹脂なしインクを先に着弾させるように、記録順序を制御する。樹脂入りインクの場合は、単位画素毎に図6に示すノーマルマスクと後打ちマスクとを選択し、2値化された出力画像データ404と選択されたマスクパターンの論理積を行って画像を形成する。図13は、2値出力画像データ404、マスク選択パラメータ(MP)903、および使用するマスクパターンの一例と、それを用いた場合の印字方法を示すものである。まず1301C、1301Mはそれぞれシアンデータとマゼンタデータの2値出力画像データを示したものである。実際に印字される画像は、これら2枚の画像を重ねた画像となる。ここで、説明のため2値出力画像データの左側半分の領域を領域A、右半分の領域を領域Bと呼ぶ。
1302MPは2値出力画像データをもとにマスク選択パラメータ演算によって求められたマスク選択パラメータ(MP)409を示したものである。前述したように、マスク選択パラメータ(MP)409は単位画素で生成が行われるため、記録画素8画素に対して1つの値が定義される。この図において、領域Aは、比較的シアンの付与量が少ない、そのため、この領域のマスク選択パラメータ(MP)409は75%が1である。記録画素数が同一にも関わらずマスク選択パラメータ(MP)409が異なるのは2値化に誤差拡散を用いているためである。そしてシアンドットは75%の領域で、後打ちマスクが選択される。領域Bはシアンの付与量が比較的多く、この領域において、マスク選択パラメータ(MP)409はすべてが0である。次に、1303Aおよび1303Bは、ノーマルマスクおよび後打ちマスクの一部を示したものである。図6における、それぞれ領域1のマスクパターンを例として示してある。この領域においてノーマルマスクは均等の12.5%マスクであり、後打ちマスクはドットの記録許容率が0である。マスク選択パラメータ(MP)409を元に選択されたマスクパターンと出力画像データ1301C、1301Mの論理積をとることで、マスク処理後出力画像データ1304C、1304Mが決定する。以上のような処理をノズル列の各領域に対して行うことで、走査ごとでの記録画素が決定し各記録走査における記録データの生成が行われ、それに従ってインクを記録媒体へと記録することで画像が完成する。
以上のように、CMYKデータ402より発生させたマスク選択パラメータ(MP)409を用いることにより、なるべく樹脂入りインクが上部に位置するように、単位画素ごとにマスクパターンを選択的に切り替えることが可能となる。これにより、先に記録された樹脂入りインクが上に重なったインクの記録媒体への浸透を阻害するのを軽減し、濃度ムラによる画像品位の低下を軽減することが可能となる。なお、単位画素のうち少なくとも1つの画素について樹脂なしインクを先に着弾させることによって、その画素についてはムラの発生要因となる着弾位置のずれを軽減できるが、半数以上の画素について樹脂なしインクを先に着弾させるほうが好ましい。
本実施形態における処理を行うことによる効果を調べるために、シアン(樹脂入りインク)とマゼンタ(樹脂なしインク)の2次色画像における濃度ムラの評価を行った。図14はその結果である。なお、記録媒体はキヤノン製フォト光沢紙(商品名「フォト光沢紙[薄口]LFM−GP421R」を使用し、記録動作は8パスのマルチパス記録を採用しているが、無論他のマルチパス数であっても構わない。
さて、上記の本実施形態と、従来のようにノーマルマスクのみ、または後打ちマスクのみを用いた場合との、画像中の濃度ムラの影響を示したものが図14ある。図14に示されるムラ(樹脂)とは、既に説明してきたように、樹脂入りインクと樹脂なしインクとを同一領域に着弾させて記録するときに、生じ得る画像ムラである。また、ムラ(あふれ)とは、極端に偏ったマスクで記録を行うことに起因して発生するムラであり、樹脂入りインクを用いることによって生じる濃度ムラとは発生原因が異なる。つまり、ムラ(あふれ)とは、記録デューティが高い場合に、吐出されたインクが記録媒体に浸透できずに溢れてしまい、本来記録されるべき位置からずれて記録されることによって、生じ得るムラである。
これに対して、本実施形態においては、シアンの吐出量がマゼンタの吐出量よりも多いデータ例3においてはノーマルマスクを用いるため、印字ムラを軽減することができる。データ例3のように樹脂なしインクであるマゼンタが少ない場合、後打ちマスクを用いたムラ(樹脂)の軽減効果は小さいため、高デューティー部で後打ちマスクを用いることによるムラ(あふれ)の軽減を優先する。そして、シアンが少ないデータ例1およびデータ例2においては、後打ちマスクを用いてシアンが印字されるため、濃度ムラの発生を軽減することが可能となる。なお、シアンが使用されない領域に関してはノーマルマスクのみが適用され、通常の印字を行う。
以上のような実施形態を取ることにより、必要な箇所においてのみ、マスクパターンを選択的に切り替えることが可能となる。この方法により、効果的にマスクパターンを切り替えて、濃度ムラの影響を軽減させること可能となる。またマスクパターンを切り替える必要の無い箇所においては、ノーマルマスクを用いることにより、均一で画像ムラの少ない画像を形成し、また偏りの少ないマスクパターンを用いることによって、使用するノズルの均等化が図れる。一般にヘッドはノズル毎に吐出を所定回以上繰り返すと劣化することがあり、このような制御により、ヘッドの寿命に対する影響も抑えることが可能となる。
本実施形態によると、樹脂入りインクと樹脂なしインクを用いて画像を記録する場合に、樹脂入りインクと樹脂なしインクが重なって着弾する画像領域に対しては、これらのインクの付与順序を制御することによって濃度ムラの影響を軽減させることが可能である。これは、記録媒体上に樹脂入りインクドットが存在することによる、後から着弾したインクの記録媒体内への浸透阻害効果が軽減するためである。さらに、樹脂入りインクを記録面上部へ位置させることによって耐擦過性向上の効果も強まる。
ところで、演算処理1003後の値を直接2値化することでもマスク選択パラメータ(MP)903を求めることが可能だが、本実施形態においては、一旦5bitの中間マスク選択パラメータ(MP’)1005へ変換し、その後2値化処理を行っている。仮に、演算処理1003後の計算値を直接2値化すると、誤差拡散の特性上、隣接する単位画素間でのマスク選択パラメータ(MP)409のばらつきが大きくなってしまう。隣接する画素間で使用するマスクパターンが異なることによる画像弊害を抑えるために、計算値の下位bitを切り捨てることでマスク選択パラメータ(MP)903の変化量を小さくし、単位画素ごとのマスク切り替えに連続性をもたしているのである。
なお、本実施形態においては、演算により中間マスク選択パラメータ(MP’)1005を算出したが、ルックアップテーブルの参照により同様の処理を行っても良い。この場合、あらかじめCMYKデータ402と使用するマスクパターンの組み合わせを決めておくのである。
さらに、上述の説明において、樹脂なしインク(シアンインク)に適用するマスクでは、複数回の走査のうち後半の記録許容率を前半の記録許容率よりも高くすることで、なるべく樹脂なしインクを先に着弾させている。しかし、樹脂なしインク(シアンインク)に適用する後打ちマスクは、上述の形態に限られるものではない。例えば、図17に示すように、図6(a)のノーマルマスクで規定される記録許容画素を、ノーマルマスクよりも後のパスになるべく配置するようにしたマスクでもよい。図17の後打ちマスクでは、ノーマルマスクの1パス目(領域1)で規定される記録許容画素を2パス目(領域2)で規定しており、ノーマルマスクの2パス目(領域2)で規定される記録許容画素を3パス目(領域3)で規定している。このような、図17の後打ちマスクであっても、樹脂入りインクと樹脂なしインクが重なった画素について、なるべく樹脂なしインクを先に着弾させることで、濃度ムラの発生を軽減させることができる。さらに、図17の後打ちマスクにおいて、複数回の走査のうち後半の記録許容率を前半の記録許容率よりも高くしても良い。
以上のように、できるだけ樹脂入りインクが上になるように着弾順序を制御するという本発明の技術思想を逸脱しない限り、種々の実施形態を採用することが可能である。
(第2実施形態)
本実施形態においては、樹脂入りインクのマスクパターンのみを選択する第1の実施形態とは異なり、樹脂入りインク、樹脂なしインク共に、使用するマスクパターンを選択することを特徴とする。
なお、前述した実施形態においては樹脂入りインクとしてシアンを、樹脂なしインクとしてマゼンタを用いたが、樹脂入り、なしインクの組み合わせとしてはこれに限定しない。本実施形態においては、顔料インクを樹脂入りインク、樹脂なしインクの2つに区別して説明を進めることにする。
実際の画像データ処理のフローに関して図15を用いて説明する。まず実施形態1と同様に、入力データ401をもとに前述の画像処理を行うことで、CMYKデータ402が得られる。そして、2値化変換処理403において記録装置が記録可能なドットの記録・非記録を定めた2値の出力画像データ404へと変換される。さらに、CMYKデータ402をもとに、マスク選択パラメータ演算902を行うことで、マスク選択パラメータ(MP)903を生成する。ただし、実施形態1においては、マスク選択パラメータ(MP)903は中間マスク選択パラメータ(MP’)1005をN値化処理1006することで決定したが、本実施形態においても2値化処理を行っている。そして、2値であるマスク選択パラメータMP903をもとに、本実施形態においては樹脂入りインク、樹脂なしインクそれぞれでマスクパターンの選択を行う。
図16はマスク選択パラメータ(MP)409と使用するマスクパターンの組み合わせを示したものである。図にあるように、樹脂なしインクに用いるマスクパターンとして、ノーマルマスクの他に図18に示した先打ちマスクを使用する。先打ちマスクとは後打ちマスク図6(b)とは逆に領域8における印字確率が0となっており、そのかわり領域1における印字確率が増加しているマスクパターンである。これら3種類のマスクパターンをマスク選択パラメータ(MP)409に基づいて選択する。樹脂入りインクにおいてノーマルマスクを用いる単位画素においては、樹脂なしインクにもノーマルマスクを、樹脂入りインクにおいて後打ちマスクを用いる単位画素においては、樹脂なしインクには先打ちマスクを用いる。樹脂入りインクが後打ちマスクのときに、樹脂なしインクを先打ちマスクにすることによって、樹脂入りインクの印字開始走査を通常よりも遅くすると同時に、樹脂なしインクをより早い領域において記録させることが可能である。このように、樹脂入りインクのみならず、樹脂なしインクにおけるマスクパターンをも切り替えることによって、実施形態1よりも高い確率で樹脂なしインクを樹脂入りインクよりも上部に着弾させることができ、より効率よく濃度ムラ軽減効果が発揮される。
本実施形態によると、樹脂入りインクと樹脂なしインクを用いて画像を記録する場合に、樹脂入り、樹脂なしインクが重なって着弾する領域に対して、付与順序を樹脂入り、なし共に制御することによって濃度ムラの影響をより効率的に抑制させることができる。これは、樹脂入りを先打ちに、樹脂なしを後打ちにすることによってより高い確率で、樹脂なしインクを樹脂入りインクよりも上部に着弾させることができるためである。
(その他の実施例)
前述の実施形態では、樹脂なしインクと樹脂入りインクのドットが重なる場合、樹脂なしインクドットの上に樹脂なしインクドットが吐出されるように付与順序を変更する方法として、後打ち、先打ちマスクを用いたが、マスクパターンを用いずに行ってもよい。
例えば、図6のノーマルマスクによって展開された出力画像データ411において、樹脂なしインクと樹脂入りインクが重なる画素位置及び、吐出順序を検出する。そして樹脂なしインクに対して、樹脂入りインクが下部に位置する予定であった場合には、樹脂入りインクの吐出を、樹脂なしインクを吐出する走査より後の走査で吐出させるように、樹脂入りインクの画像データを変換させる処理を行っても良い。ROM307内にマスクパターンをあらかじめ用意する必要がなく、部品の低コスト化に貢献できる。
図6(b)に示す後打ちマスクでは、記録領域1のみが記録許容率0%である1種類の後打ちマスクを用いたが、記録許容率0%の領域が、記録領域1及び2であっても良く、領域数はこの限りではない。また、図6(b)の後打ちマスクにおいては、できるだけ樹脂入りインクが上になるように着弾順序を制御できるように記録領域1などの前半のパスで記録される領域の記録許容率を記録領域5〜8のような後半のパスで記録される領域よりも小さくすればよい。したがって、上記実施例のように、記録領域1の記録許容率は必ずしも0でなくて良い。同様に、ノーマルマスク、及び先打ちマスクとして用いるマスクパターンの各領域の記録許容率も、限定されるものではない。
また、記録モードの種類(ドラフトモードや高精細モードなど)や記録媒体の種類(高吸収受容層など受容層の種類や、光沢紙・マット紙など用途別種類)などによって、それらの比率を変更する形態であってもよい。またマスクパターンを切り替える所定領域は、インクによって記録媒体上に形成されるドットに対応する領域の他、種々の領域としての設定することができる。
また、前述の実施形態では出力2値画像においてマスクパターンを用いて、記録データの走査ごとでの分配を決めたが、多値であるCMYKデータのおいてマスクパターンを用いて走査ごとに分配する形態であっても良い。
本実施形態においては、耐堅牢性(特に耐擦過性)の機能を向上させるための材料を具体例として例示した。しかし、本発明で適用可能な樹脂入りインクは、このような耐堅牢性を目的としたものに制限されない。耐堅牢性の機能だけに限らず、光沢均一性、光源依存性、ブロンズ性等の画像品位など、顔料インク画像について何らかの性能を向上させる樹脂入りインクであればよい。
また、前述の実施形態では、有色の樹脂入りインクとして顔料インクの1色を用いたが、濃度の異なる複数のインクや、色相の異なる複数色のインクであっても良い。また、顔料インクとは別に、画像性能(前述の実施形態では耐堅牢性)を向上させる材料である樹脂を、無色透明の処理液のようなものに添加して用いても、前述の実施形態を用いることで、濃度ムラの良化などの効果を得ることができる。
また、本発明で適用可能なインクは、上にのったインクの残りやすさが異なることを特徴としており、上記組成に限定されるものではない。
また、本発明は、紙や布、不織布、OHPフイルム等の記録媒体を用いる記録装置全てに適用が可能であり、具体的な適用装置としては、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの事務機や大量生産機等を挙げることができる。
また、前述の実施形態では、本発明の特徴的な処理を行う記録制御部305がインクジェット記録装置内部に備えられている形態について説明したが、記録制御部305はインクジェット記録装置内部に備えられている必要はない。例えば、インクジェット記録装置と接続されるホストコンピュータ(画像入力部302)のプリンタドライバに上記記録制御部305の機能を持たせるようにしてもよい。この場合、プリンタドライバが、アプリケーションから受け取った多値の入力データ401に基づいて2値出力画像データ404とマスク選択パラメータ(MP)903を生成し、これを記録装置に供給することになる。このように、ホストコンピュ−タとインクジェット記録装置を含んで構成されるインクジェット記録システムも本発明の範疇である。この場合、ホストコンピュータは、インクジェット記録装置にデータを供給するデータ供給装置として機能し、また、インクジェット記録装置を制御する制御装置としても機能することになる。
また、本発明の特徴は、記録制御部305にて実行されるデータ処理にある。従って、本発明の特徴的なデータ処理を行う記録制御部305を備えたデータ生成装置も本発明の範疇である。記録制御部305がインクジェット記録装置に備えられている場合、このインクジェット記録装置が本発明のデータ生成装置として機能し、記録制御部305がホストコンピュ−タに備えられている場合、このホストが本発明のデータ生成装置として機能する。
更に、上述した特徴的なデータ処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムや、そのプログラムをコンピュータにより読み出し可能に格納した記憶媒体も本発明の範疇である。
本発明の実施形態で使用するインクジェット記録装置の概観構成を説明するための図である。 横並び構成の記録ヘッドを説明するための模式図である。 本発明の実施形態で使用するインクジェット記録装置の制御系の構成を説明するためのブロック図である。 インクジェット記録装置のおける画像処理の全工程を具体的に説明するためのフローチャートである。 4パスのマルチパス記録を実行する際に利用するマスクパターンの一例を示した図である。 本発明の実施形態1で用いる8パスのマルチパス記録用のマスクパターンを説明するための模式図である。 本発明の実施形態1で樹脂入りインクと樹脂なしインクのドットの、着弾順による挙動の違いを説明するための模式図である。 インクの重ね合わせにおける残りやすさの違いを説明するための模式図である。 実施形態1にかかる画像処理の工程を具体的に説明するためのフローチャートである。 実施形態1にかかるマスク選択パラメータ演算処理を説明するためのフローチャートである。 実施形態1にかかるマスク選択パラメータ演算処理を具体的に説明するための表である。 実施形態1にかかるマスク選択パラメータと選択されるマスクパターンを説明する表である。 実施形態1にかかる画像処理の工程を具体的に説明するための画像データの一例である。 実施形態1にかかる効果を説明するための表である。 実施形態1にかかる画像処理の工程を具体的に説明するためのフローチャートである。 実施形態1にかかるマスク選択パラメータと選択されるマスクパターンを説明する表である。 本発明の実施形態1で樹脂入りインクのノズル列に用いる8パスのマルチパス記録用のマスクパターンの他の例を説明するための模式図である。 本発明の実施形態2で樹脂なしインクのノズル列に用いる8パスのマルチパス記録用のマスクパターンを説明するための模式図である。
符号の説明
21 記録ヘッド
305 記録制御部
307 ROM
401 入力データ
402 CMYKデータ
404 2値出力画像データ
406 マスク処理後出力画像データ
408 マスク選択パラメータ演算
409 マスク選択パラメータ
410 マスク選択処理
52a〜52h マスクパターン
72 樹脂なしインクドット
73 樹脂入りインクドット
902 マスク選択パラメータ演算
903 マスク選択パラメータ(MP)
904 マスク選択処理
1002 重み付け処理
1003 演算処理
1004 下位bit切り捨て処理
1005 中間マスク選択パラメータ(MP’)

Claims (6)

  1. それぞれ顔料と第1の樹脂を含む顔料の分散液とを含む第1インクおよび第2インクを吐出するための記録ヘッドを用いて、記録媒体の複数の画素を含む単位領域に対して前記記録ヘッドを複数回走査させながら、記録データを前記複数回の走査に分割するために単位領域への記録許容率を定める前記第1インクおよび第2インクそれぞれに対応する第1、2のマスクパターンに従って、前記第1インクおよび前記第2インクを吐出させることにより、前記単位領域に画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記複数の画素における前記第1インクおよび前記第2インクの吐出量を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記吐出量に基づいて、前記単位領域への記録に用いるマスクパターンを決定する決定手段と、を有し、
    前記第2インクは前記分散液中の前記第1の樹脂の他に画像の耐擦性を向上させるための第2の樹脂を含み、前記第1インクは前記第2の樹脂を含まず、前記第1インクおよび前記第2インクにより記録される複数の画素のうち半数以上の画素において、少なくとも1つの画素において前記第1インク、前記第2インクの順に記録し、
    前記決定手段は、前記第2インクの吐出量が前記第1インクの吐出量より小さい第1の場合に、前記複数回の走査のうち前半の走査における前記記録許容率の合計が前記複数回の走査の後半の走査における前記記録許容率の合計よりも小さいマスクパターンを前記第2のマスクパターンとして用い、前記第2インクの吐出量が前記第1インクの吐出量より多い第2の場合に、前記第1の場合で使用した前記第2マスクパターンより前記複数回の走査のうち前半の走査における前記記録許容率の合計と前記複数回の走査の後半の走査における前記記録許容率の合計との差が小さいマスクパターンを前記第2のマスクパターンとして用いることを決定することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記決定手段は、前記取得手段によって取得された前記第1インクおよび第2インクの吐出量の重み付けされた値を比較することにより前記マスクパターンを決定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記第1マスクパターンは、前記複数回の走査のうち前半の走査における記録許容率の合計が、前記複数回の走査の後半の走査における記録許容率の合計よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. それぞれ顔料と第1の樹脂を含む顔料の分散液とを含む第1インクおよび第2インクを吐出するための記録ヘッドを用いて、記録媒体の複数の画素を含む単位領域に対して前記記録ヘッドを複数回走査させながら、記録データを前記複数回の走査に分割するために単位領域への記録許容率を定める前記第1インクおよび第2インクそれぞれに対応する第1、2のマスクパターンに従って、前記第1インクおよび前記第2インクを吐出させることにより、前記単位領域に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記複数の画素における前記第1インクおよび前記第2インクの吐出量を取得する取得工程と、
    前記取得工程おいて取得された前記吐出量に基づいて、前記単位領域への記録に用いるマスクパターンを決定する決定工程と、を有し、
    前記第2インクは前記分散液中の前記樹脂の他に画像の耐擦性を向上させるための第2の樹脂を含み、前記第1インクは前記第2の樹脂を含まず、前記第1インクおよび前記第2インクにより記録される複数の画素のうち半数以上の画素において、少なくとも1つの画素において前記第1インク、前記第2インクの順に記録し、
    前記決定工程において、前記第2インクの吐出量が前記第1インクの吐出量より小さい第1の場合に、前記複数回の走査のうち前半の走査における前記記録許容率の合計が前記複数回の走査の後半の走査における前記記録許容率の合計よりも小さいマスクパターンを前記第2のマスクパターンとして用い、前記第2インクの吐出量が前記第1インクの吐出量より多い第2の場合に、前記第1の場合で使用した前記第2マスクパターンより前記複数回の走査のうち前半の走査における前記記録許容率の合計と前記複数回の走査の後半の走査における前記記録許容率の合計との差が小さいマスクパターンを前記第2のマスクパターンとして用いることを決定することを特徴とするインクジェット記録方法
  5. 前記決定工程において、前記取得工程おいて取得された前記第1インクおよび第2インクの吐出量の重み付けされた値を比較することにより前記マスクパターンを決定することを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録方法
  6. 前記第1マスクパターンは、前記複数回の走査のうち前半の走査における前記記録許容率の合計が、前記複数回の走査の後半の走査における記録許容率の合計よりも大きいことを特徴とする請求項またはに記載のインクジェット記録方法
JP2008160772A 2008-06-19 2008-06-19 インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Expired - Fee Related JP5473257B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008160772A JP5473257B2 (ja) 2008-06-19 2008-06-19 インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
US12/484,946 US8215740B2 (en) 2008-06-19 2009-06-15 Inkjet recording apparatus and inkjet recording method
US13/493,764 US8714680B2 (en) 2008-06-19 2012-06-11 Inkjet recording apparatus and inkjet recording method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008160772A JP5473257B2 (ja) 2008-06-19 2008-06-19 インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010000666A JP2010000666A (ja) 2010-01-07
JP5473257B2 true JP5473257B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=41430780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008160772A Expired - Fee Related JP5473257B2 (ja) 2008-06-19 2008-06-19 インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法

Country Status (2)

Country Link
US (2) US8215740B2 (ja)
JP (1) JP5473257B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5404476B2 (ja) * 2010-03-03 2014-01-29 キヤノン株式会社 データ生成装置、インクジェット記録装置およびデータ生成方法
JP5539117B2 (ja) * 2010-08-31 2014-07-02 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP5541725B2 (ja) * 2010-11-02 2014-07-09 キヤノン株式会社 画像処理装置及び画像処理方法
JP6245915B2 (ja) 2013-10-01 2017-12-13 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法および画像記録装置
JP5859059B2 (ja) * 2014-05-01 2016-02-10 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
US9592689B2 (en) * 2014-12-16 2017-03-14 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus, image processing method, and storage medium
JP6017074B2 (ja) 2015-02-24 2016-10-26 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3416673B2 (ja) * 1995-02-13 2003-06-16 キヤノン株式会社 インクジェットプリント方法、インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント物
JP3981903B2 (ja) 1997-09-05 2007-09-26 セイコーエプソン株式会社 耐擦過性に優れた画像を実現するインク組成物
DE69824996T2 (de) 1997-09-05 2004-12-16 Seiko Epson Corp. Tintenzusammensetzung zur Erzeugung eines Bildes mit ausgezeichneter Lagerstabilität
JP4194226B2 (ja) * 2000-06-27 2008-12-10 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置および画像データ補正方法
JP4328499B2 (ja) * 2001-09-17 2009-09-09 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置、及び、インクジェット記録方法
EP1464684A4 (en) * 2002-01-08 2006-11-15 Ricoh Kk "INK COMBINATION, INK JET PRINTING METHOD AND PRINTER"
JP2005081754A (ja) * 2003-09-10 2005-03-31 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録方法及び記録物
JP4468016B2 (ja) * 2004-03-05 2010-05-26 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
US7810919B2 (en) * 2004-09-17 2010-10-12 Ricoh Company, Ltd. Recording ink, ink cartridge, ink record, inkjet recording apparatus, and inkjet recording method

Also Published As

Publication number Publication date
US8215740B2 (en) 2012-07-10
US20120249678A1 (en) 2012-10-04
JP2010000666A (ja) 2010-01-07
US20090315935A1 (en) 2009-12-24
US8714680B2 (en) 2014-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5072574B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
EP2156956B1 (en) Ink jet print head, ink jet printing apparatus and ink jet printing method
JP5473257B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP4328580B2 (ja) インクジェット記録方法、該方法を実施するためのプログラムおよびインクジェット記録装置
JP5473420B2 (ja) データ生成装置、インクジェット記録装置、プログラム及びデータ生成方法
JP2011025687A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP2011025693A (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、およびプログラム
JP2005001337A (ja) インクジェット記録装置
JP5147862B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP5404476B2 (ja) データ生成装置、インクジェット記録装置およびデータ生成方法
JP5791242B2 (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインクジェット記録ヘッド
JP2011177967A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
US9333762B2 (en) Ink jet recording apparatus and ink jet recording method
JP2010120291A (ja) インクジェット記録装置
JP2011126175A (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、データ生成装置およびプログラム
JP5084159B2 (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、およびプログラム
JP2011110755A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP2011126125A (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP2018122529A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP6021345B2 (ja) 画像記録装置および画像記録方法
JP6821469B2 (ja) 記録装置および記録方法
JP2013151080A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP2018065296A (ja) 記録装置および記録方法
JP2017144588A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP6971588B2 (ja) 記録装置および記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100201

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100630

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110603

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140204

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5473257

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees