JP5268696B2 - インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
(一般式(1)中、Aは、−S−、−S(=O)−、及び−S(=O)2−のいずれかである。また、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アシル基、カルバモイル基、及びカルボキシ基のいずれかである。ただし、R1及びR2が同時に水素原子及び/又はヒドロキシ基となることはない。)
(一般式(2)中、R3及びR5はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、アミノ基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換された若しくは非置換の炭素原子数1乃至4のアルキル基;水素原子;ヒドロキシ基;及びカルボキシ基のいずれかである。また、R4は、五員環を構成する窒素原子及びカルボニル基以外の炭素原子に結合する、水素原子;ヒドロキシ基;メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、アミノ基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換された若しくは非置換の炭素原子数1乃至4のアルキル基;及びカルボキシ基のいずれかであり、nは0乃至4の整数である。)
本発明者らは、上記したインクの安定性や間欠吐出安定性という技術課題を解決するために、主として、インクジェット用インク(以下、単に「インク」と呼ぶことがある)に用いる水溶性有機溶剤の種類やその含有量についての検討を行った。より詳細には、水溶性有機溶剤の中でも特に、アルカンジオール系の水溶性有機溶剤を含有するインクに着目して検討を行った。その結果、アルカンジオール系の水溶性有機溶剤の中でも、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールを用いた場合に、低温低湿の環境及び高温低湿の環境の両環境下で特異的に間欠吐出安定性が向上することがわかった。このことから、本発明者らは、インク中に含有させた上記アルカンジオールの分子構造が、主鎖の両末端に水酸基を有することや、分岐を有することにより、上記の優れた効果が得られたものと考えている。
以下、本発明にかかるインクを構成する成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
[主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオール]
本発明のインクは、上述の通り、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールを含有することが必要である。本発明において用いる、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールとしては、具体的には、例えば、以下のものを挙げることができる。下記に挙げるような主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールは、1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールなど。2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールなど。2,5−ジエチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオールなど。2,4,6−トリメチル−1,7−ヘプタンジオール、1,2,6−トリメチル−1,7−ヘプタンジオールなど。2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,6−ジメチル−1,8−オクタンジオールなど。
本発明のインクは、上述の通り、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールと、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は後述する一般式(2)で表される化合物とを含有することが必要である。
本発明のインクは、上述の通り、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールと、上記で説明した一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を用いることが必要である。本発明のインクはこの条件を満足すれば、これらの化合物の他にも、一般のインクジェット用インクに用いるような、水や水溶性有機溶剤を含む水性媒体を含有してもよい。
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素原子数1乃至4のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類。アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類。重量平均分子量200乃至1,000程度の、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類。エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、チオジグリコールなどのグリコール類。1,2,6−ヘキサントリオール、ビスヒドロキシエチルスルフォンなどのアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのアルキルエーテルアセテート。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類。トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、糖類、及びこれらの誘導体など。本発明においては、これらの水溶性有機溶剤の中でも特に、トリエチレングリコールを用いることが好ましい。
本発明のインクに用いる色材は、酸性染料や直接染料などの染料や、顔料などを用いることができ、これらは複数を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、上記したように、インク中の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクに用いることのできる染料は、特に制限はないが、アニオン性の染料を用いることが好ましく、適度な色調と濃度を有する染料であれば、既存のものでも、新規に合成したものでも、用いることができる。以下に、本発明において、用いることができる染料の例を色調別に示す。
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226、307など。C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、112、117、127、138、158、161、203、204、221、244など。
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230など。C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289など。C.I.フードレッド:87、92、94など。C.I.ダイレクトバイオレット107など。
C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132など。C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99など。C.I.リィアクティブイエロー:2、3、17、25、37、4など。C.I.フードイエロー:3など。
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230など。C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289など。C.I.リィアクティブレッド:7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46、59など。C.I.フードレッド:87、92、94など。
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226など。C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161など。C.I.リィアクティブブルー:4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44、100など。
C.I.ダイレクトブラック:17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195など。C.I.アシッドブラック:2、48、51、52、110、115、156など。C.I.フードブラック:1、2など。
本発明のインクに用いることができる顔料は、例えば、以下に示すカーボンブラックや有機顔料などが挙げられる。
〈カーボンブラック〉
ブラックインクに用いる顔料は、カーボンブラックであることが好ましい。カーボンブラックは、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどの市販品などを用いることができる。以下に、本発明において用いることができるカーボンブラックの例を示す。
レイヴァン:7000、5750、5250、5000 ULTRA、3500、2000、1500、1250、1200、1190 ULTRA−II、1170、1255(以上コロンビア製)。ブラックパールズL、リーガル:400R、330R、660R、モウグル:L、モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、ヴァルカンXC−72R(以上キャボット製)。カラーブラック:FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス:35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上デグッサ製)。No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学製)。
カラーインクに用いる顔料は、各種の有機顔料であることが好ましい。以下に、本発明において用いることができる有機顔料の例を示す。
トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッドなどの水不溶性アゾ顔料。リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの水溶性アゾ顔料。アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体。フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料。キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系顔料。ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系顔料。イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系顔料。ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッドなどのイミダゾロン系顔料。ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系顔料。インジゴ系顔料。縮合アゾ系顔料。チオインジゴ系顔料。ジケトピロロピロール系顔料。フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレットなど。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120。125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185など。C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71など。C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192など。また、同215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272など。C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50など。C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64など。C.I.ピグメントグリーン7、36など。C.I.ピグメントブラウン23、25、26など。
色材としてカーボンブラックや有機顔料などの顔料を用いる場合には、前記顔料を水性媒体中に安定して分散するために、界面活性剤や樹脂(高分子)などを分散剤として用いることが好ましい。高分子分散剤として樹脂を用いる場合、樹脂の重量平均分子量は、1,000以上30,000以下、さらには3,000以上15,000以下であることが好ましい。また、樹脂の酸価は、30mgKOH/g以上400mgKOH/g以下、さらには50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体など。スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体など。スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体など。スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体など。ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体など。スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体など。又はこれらの塩など。
また、色材としてカーボンブラックや有機顔料などの顔料を用いる場合には、顔料粒子の表面にアニオン性基などのイオン性基を結合することによって、分散剤を用いることなく水性媒体に分散することができる顔料、所謂自己分散型顔料を用いることもできる。
本発明のインクには、所望の物性値を持つインクとするなどを理由として、上記した成分以外にも必要に応じて、以下の種々の添加剤を含有させてもよい。例えば、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマーなどを含有させることができる。
本発明のインクの表面張力は、25℃において、10mN/m以上、さらには20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。本発明のインクは、その表面張力を上記した範囲内とすることで、インクジェット方式に適用した際に吐出口近傍の濡れによる記録ヨレ(インクの着弾点のズレ)などの発生を有効に抑制することが可能となる。インクの表面張力の調整は、上記したような界面活性剤のインク中における含有量を適宜決定することで行うことができる。また、本発明のインクは、インクジェット記録装置に適用する際に良好な吐出特性が得られるよう、所望の粘度やpHに調整することが好ましい。
本発明のインクは、インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法に用いることが特に好ましい。インクジェット記録方法には、インクに力学的エネルギーを作用させることでインクを吐出する記録方法や、インクに熱エネルギーを作用させることでインクを吐出する記録方法などがある。本発明のインクは、これらの中でも、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法において、特に好ましく用いることができる。
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジは、かかるインクを収容してなるインク収容部を備えたインクカートリッジが挙げられる。
図1は、インクカートリッジの概略説明図である。図1において、インクカートリッジは、上部で大気連通口112を介して大気に連通し、下部でインク供給口に連通する。そして、前記インクカートリッジは、内部に負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室134、及び、液体のインクを収容する実質的に密閉された液体収容室136、を仕切壁138で仕切る構造を有する。負圧発生部材収容室134及び液体収容室136は、インクカートリッジの底部付近で仕切壁138に形成された連通孔140、及び液体供給動作時に液体収容室への大気の導入を促進するための大気導入溝(大気導入路)150を介してのみ連通されている。負圧発生部材収容室134を形成するインクカートリッジの上壁には、内部に突出する形態で複数個のリブが一体に成形され、負圧発生部材収容室134に圧縮状態で収容される負圧発生部材と当接している。このリブにより、上壁と負圧発生部材の上面との間にエアバッファ室が形成されている。また、液体供給口114を備えたインク供給筒には、負圧発生部材より毛管力が高く、かつ物理的強度が大きい圧接体146が設けられており、負圧発生部材と圧接している。
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録ユニットは、かかるインクを収容してなるインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットが挙げられる。特に、前記記録ヘッドとして、記録信号に対応した熱エネルギーをインクに作用することによりインクを吐出する記録ユニットを好ましく用いることができる。特に、本発明においては、金属及び/又は金属酸化物を含有する発熱部接液面を有する記録ヘッドを用いることが好ましい。前記発熱部接液面を構成する金属及び/又は金属酸化物は、具体的には、例えば、Ta、Zr、Ti、Ni、若しくはAlなどの金属、又はこれらの金属の酸化物などが挙げられる。
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクジェット記録装置は、かかるインクを収容してなるインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置が挙げられる。特に、前記インクを収容するインク収容部を有する記録ヘッドの内部のインクに、記録信号に対応した熱エネルギーを作用することによりインクを吐出するインクジェット記録装置が挙げられる。
ヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクカートリッジH1900を搭載する手段、及びインクカートリッジH1900から記録ヘッドにインクを供給する手段を有しており、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
下記表1の上段に示す各成分を混合し、十分に撹拌して溶解した後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。なお、下記表1の下段には、各インクの主特性を併せて示した。
(間欠吐出安定性:低温低湿)
上記で得られた各インクをそれぞれ、熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名:PIXUS9900i;キヤノン製)用のインクカートリッジに充填した。そして、得られた各インクカートリッジをそれぞれ、インクジェット記録装置(商品名:PIXUS9900i;キヤノン製)を改造したものに搭載した。次に、インクカートリッジを搭載した各インクジェット記録装置を、温度15℃、相対湿度10%(低温低湿)の環境下で5時間以上吐出を行わないで放置した後、同じ環境下でインクを吐出させた。そして、吐出を5秒間休止させた後、記録ヘッドの回復動作などを行わないまま、前記インクジェット記録装置を用いてインクを吐出し、記録媒体(商品名:HR−101;キヤノン製)に縦罫線を記録した。なお、この際に使用した記録ヘッドの、インク1滴当りの吐出体積は約2pLである。得られた記録物を目視又は10倍のルーペで確認して、間欠吐出安定性(低温低湿)の評価を行った。間欠吐出安定性(低温低湿)の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示した。本発明においては、下記の評価基準でAA、A及びBが十分な性能を有するレベルであり、Aが優れているレベル、AAが特に優れているレベル、Cが許容できないレベルである。
AA:10倍のルーペを用いて観察しても縦罫線に乱れがなく、正常に記録できた。
A:目視で確認できる乱れがなかった。
B:目視で確認できる程度の乱れが若干あった。
C:縦罫線に不吐出や乱れがあり、正常に記録できなかった。
上記で得られた各インクをそれぞれ、熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名:PIXUS9900i;キヤノン製)用のインクカートリッジに充填した。そして、得られた各インクカートリッジをそれぞれ、インクジェット記録装置(商品名:PIXUS9900i;キヤノン製)を改造したものに搭載した。次に、インクカートリッジを搭載した各インクジェット記録装置を、温度30℃、相対湿度10%(高温低湿)の環境下で5時間以上吐出を行わないで放置した後、同じ環境下でインクを吐出させた。そして、吐出を5秒間休止させた後、記録ヘッドの回復動作などを行わないまま、前記インクジェット記録装置を用いてインクを吐出し、記録媒体(商品名:HR−101;キヤノン製)に縦罫線を記録した。なお、この際に使用した記録ヘッドの、インク1滴当りの吐出体積は約2pLである。得られた記録物を目視又は10倍のルーペで確認して、間欠吐出安定性(高温低湿)の評価を行った。間欠吐出安定性(高温低湿)の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示した。本発明においては、下記の評価基準でAA、A及びBが十分な性能を有するレベルであり、Aが優れているレベル、AAが特に優れているレベル、Cが許容できないレベルである。
AA:10倍のルーペを用いて観察しても縦罫線に乱れがなく、正常に記録できた。
A:目視で確認できる乱れはなかった。
B:目視で確認できる程度の乱れが若干あった。
C:縦罫線に不吐出や乱れがあり、正常に記録できなかった。
上記で得られた各インクをそれぞれ、別々に用意したシャーレに7gずつ入れ、温度30℃、相対湿度10%の環境で、内容物の質量の変化がなくなるまで放置した。その後、シャーレ中のインクの様子をそれぞれ、目視で確認することにより、インクの安定性の評価を行った。インクの安定性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表2に示した。本発明においては、下記の評価基準でA及びBが十分な性能を有するレベルであり、Aが優れているレベル、Cが許容できないレベルである。
A:インクに流動性があった。
B:析出物が若干存在していたが、インクに流動性はあった。
C:インクに流動性がなかった。
114:液体供給口
132A:第二の負圧発生部材
132B:第一の負圧発生部材
132C:第一の負圧発生部材と第二の負圧発生部材の境界層
134:負圧発生部材収容室
136:液体収容室
138:仕切壁
140:連通孔
146:圧接体
150:大気導入溝(大気導入路)
41:容器
42:蓋部材
43Y、43M、43C:インク供給口
44Y、44M、44C:インク吸収体
45Y、45M、45C:インク供給部材
411、412:仕切板
L:液体−気体界面
1001:記録ヘッド
1100:記録素子基板
1200:インク供給口
1300:電気配線テープ
1400:インク供給保持部材
1500:インク吸収体
1501:インク吸収体
1502:インク吸収体
1503:インク吸収体
1600:蓋部材
1700:係合部
M2041:分離ローラ
M2060:給紙トレイ
M2080:給紙ローラ
M3000:ピンチローラホルダ
M3030:ペーパーガイドフラッパー
M3040:プラテン
M3060:搬送ローラ
M3070:ピンチローラ
M3110:排紙ローラ
M3120:拍車
M3160:排紙トレイ
M4000:キャリッジ
M5000:ポンプ
M5010:キャップ
M7030:アクセスカバー
E0002:LFモータ
E0014:電気基板
H1000:ヘッドカートリッジ
H1001:記録ヘッド
H1100:第1の記録素子基板
H1101:第2の記録素子基板
H1200:第1のプレート
H1201:インク供給口
H1300:電気配線基板
H1301:外部信号入力端子
H1400:第2のプレート
H1500:タンクホルダー(カートリッジホルダー)
H1501:インク流路
H1600:流路形成部材
H1700:フィルター
H1800:シールゴム
H1900:インクカートリッジ
H2000:イエローノズル列
H2100:マゼンタノズル列
H2200:シアンノズル列
H2300:淡シアンノズル列
H2400:ブラックノズル列
H2500:グリーンノズル列
H2600:淡マゼンタノズル列
Claims (14)
- 少なくとも色材及び水溶性有機溶剤を含有するインクジェット用インクであって、
前記水溶性有機溶剤が、主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオール(但し、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール及び2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールを除く)と、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物と、を含むことを特徴とするインクジェット用インク。
(一般式(1)中、Aは、−S−、−S(=O)−、及び−S(=O)2−のいずれかである。また、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アシル基、カルバモイル基、及びカルボキシ基のいずれかである。ただし、R1及びR2が同時に水素原子及び/又はヒドロキシ基となることはない。)
(一般式(2)中、R3及びR5はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、アミノ基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換された若しくは非置換の炭素原子数1乃至4のアルキル基;水素原子;ヒドロキシ基;及びカルボキシ基のいずれかである。また、R4は、五員環を構成する窒素原子及びカルボニル基以外の炭素原子に結合する、水素原子;ヒドロキシ基;メチル基、エチル基、ヒドロキシ基、アミノ基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種で置換された若しくは非置換の炭素原子数1乃至4のアルキル基;及びカルボキシ基のいずれかであり、nは0乃至4の整数である。) - 前記一般式(1)で表される化合物におけるR1及びR2が、それぞれ独立に、ヒドロキシアルキル基である請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンである請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
- 前記一般式(2)で表される化合物が、エチレン尿素である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの炭素原子数が、9以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールが、3−メチル−1,5−ペンタンジオールである請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、15.0質量%以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記水溶性有機溶剤が、前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物を含有する請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- インク全質量を基準とした、前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量A(質量%)、前記一般式(1)で表される化合物の含有量B(質量%)、及び前記一般式(2)で表される化合物の含有量C(質量%)が、0.2≦A/(B+C)≦3.0の関係を満足する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- インク全質量を基準とした、前記主鎖の両末端に水酸基を有する分岐アルカンジオールの含有量A(質量%)、前記一般式(1)で表される化合物の含有量B(質量%)、及び前記一般式(2)で表される化合物の含有量C(質量%)が、0.2≦A/(B+C)≦2.0の関係を満足する請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- インクをインクジェット方式で吐出して記録を行うインクジェット記録方法であって、前記インクが、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
- インクを収容してなるインク収容部を備えたインクカートリッジであって、前記インクが、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
- インクを収容してなるインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットであって、前記インクが、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とする記録ユニット。
- インクを収容してなるインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置であって、前記インクが、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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