JP5226826B2 - ダイヤモンドライクカーボン硬質多層膜成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
図1を参照しながら、本発明に係るDLC成形体の第1の実施形態(第1のDLC成形体と呼ぶ。)を説明する。第1のDLC成形体は、例えば、超硬合金製材料のように硬度の比較的高い基材を用いた場合に有用であり、中間層としては、前述した特許文献2に記載の中間層が代表的に用いられる。
図2を参照しながら、本発明に係るDLC成形体の第2の実施形態(第2のDLC成形体)を説明する。図2において、第1のDLC成形体と重複する部分は、図1と同じ参照符号を付している。
次に、基材1の上に中間層2をスパッタリング法によって形成する(工程(b))。
表1に示すように、No.1〜6では、超硬合金(三菱マテリアル社製の「UT120T」)を用い、No.7〜12では、JIS規格のSUJ2を用いた。これらの基材のサイズは、12cm角、厚さ5mmであり、いずれも、表面が鏡面研磨されたもの(Ra=0.02μm程度)を用いた。
(1)No.2〜6、8〜11(本発明例)
図5に示す複数の蒸発源を有する複合型コーティング装置(「AIP−S40HC」:神戸製鋼所製)を用い、以下のようにして中間層およびDLC膜を形成した。図5に示すように、複合型コーティング装置は、AIP蒸発源(ターゲットサイズφ100mm)とUMB蒸発源(ターゲットサイズ:127mm×508mm)とを備えている。
まず、純Ar雰囲気下、表1に示す第1層の金属(CrまたはAl)のターゲットを用いてUBMS法によって第1層を形成した。次に、表1に示す第1層の金属と第3層の金属(WまたはTa)のターゲットを用いてUBMS法によって第2層を形成した。次いで、表1に示す第3層の金属(WまたはTa)のターゲットを用いてUBMS法によって第3層を形成した。次に、表1に示す第4層の金属(第3層の金属と同じ)および炭素(C)のターゲットを用いてUBMS法によって第4層を形成した。
表1に示すように、AIP法を用いて、中間層およびDLC膜を形成した。装置は、前記(1)と同様、複合型コーティング装置を用い、そのうちのAIP蒸発源を使用した。詳細な形成方法は、以下のとおりである。
中間層およびDLC膜の表面硬度は、ナノインデンテーションシステム(超微小押し込み硬さ試験機「ENT−1100a」、エリオニクス社製)を用いて測定した。試料は、測定ホルダーに瞬間接着剤を用いて固定し、加熱ステージに装着した後、26℃で30分間以上保持して装置と試料との温度差がなくなったところで、荷重200mg〜2gで圧子形状の影響を補正した硬度を測定した。
このようにして得られた表1に示す各成形体について、以下に示すように、LEVETESTスクラッチ試験を行ってDLC膜との密着性(臨界荷重)を評価した。
各成形体を移動ステージに固定し、ダイヤモンド圧子を用いて各成形体の表面に負荷速度100N/minで負荷をかけながら、移動ステージを10mm/minの速度で移動させた。各成形体に形成されたスクラッチ痕を光学顕微鏡(倍率:200倍)で観察し、DLC膜の剥離が発生するスクラッチの臨界荷重(N)を測定した。
2 中間層
2a 第1の中間層
2b 第2の中間層
21、25 第1の金属層
22 非晶質層
23 第2の金属層
24 複合金属層
3 ダイヤモンドライクカーボン系膜(DLC膜)
3a 第1のダイヤモンドライクカーボン系膜
3b 第2のダイヤモンドライクカーボン系膜
10 第1の成形体
20 第2の成形体
Claims (12)
- 基材を用意する工程(a)と、
前記基材の上に、中間層をスパッタリング法によって形成する工程(b)と、
前記中間層の上に、第1のダイヤモンドライクカーボン系膜をスパッタリング法によって形成する工程(c)と、
前記第1のダイヤモンドライクカーボン系膜の上に、前記第1のダイヤモンドライクカーボン系膜よりも表面硬度の高い第2のダイヤモンドライクカーボン系膜をカソード放電型アークイオンプレーティング法によって形成する工程(d)と、
を包含するダイヤモンドライクカーボン硬質多層膜成形体の製造方法。 - 前記第1のダイヤモンドライクカーボン系膜の表面硬度は、ナノインデンテーション試験で10GPa以上40GPa以下の範囲内にあり、
前記第2のダイヤモンドライクカーボン系膜の表面硬度は、ナノインデンテーション試験で40GPa超90GPa以下の範囲内にある請求項1に記載の製造方法。 - 前記基材は超硬合金製材料からなり、
前記中間層は、前記基材側から順に、W,Ta,MoおよびNbよりなる群から選択される少なくとも一種からなる第1の金属層と、W,Ta,MoおよびNbよりなる群から選択される少なくとも一種の金属と、Cとを含む非晶質層とからなり、
前記第1の金属層を形成する段階では、前記基材の温度を150℃から350℃の範囲内に制御し、
前記非晶質層、並びに前記第1のダイヤモンドライクカーボン系膜および前記第2のダイヤモンドライクカーボン系膜を形成する段階では、前記基材の温度を100℃から300℃の範囲内に制御する請求項1または2に記載の製造方法。 - 前記基材は鉄系基材からなり、
前記中間層は、前記基材側から順に、Crおよび/またはAlからなる第2の金属層と、
Crおよび/またはAlの金属と、W,Ta,MoおよびNbよりなる群から選択される少なくとも一種の金属との複合金属層と、
W,Ta,MoおよびNbよりなる群から選択される少なくとも一種からなる第1の金属層と、
W,Ta,MoおよびNbよりなる群から選択される少なくとも一種の金属と、Cとを含む非晶質層とからなり、
前記第2の金属層、前記複合金属層、および前記1の金属層を形成する段階では、前記基材の温度を150℃から350℃の範囲内に制御し、
前記非晶質層、並びに前記第1のダイヤモンドライクカーボン系膜および前記第2のダイヤモンドライクカーボン系膜を形成する段階では、前記基材の温度を100℃から300℃の範囲内に制御する請求項1または2に記載の製造方法。 - 前記工程(c)において、水素を含有する第1のダイヤモンドライクカーボン系膜を形成し、
前記工程(d)において、前記第1のダイヤモンドライクカーボン系膜に比べて水素を含有しない第2のダイヤモンドライクカーボン系膜を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。 - 前記工程(b)と前記工程(c)は連続して行なう請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記第2のダイヤモンドライクカーボン系膜の表面硬度は、前記第1のダイヤモンドライクカーボン系膜と前記第2のダイヤモンドライクカーボン系膜との界面側から、前記第2のダイヤモンドライクカーボン系膜の最表層側に向けて、段階的または連続的に増加する請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記中間層の厚さは、前記ダイヤモンドライクカーボン硬質多層膜成形体の全体の厚さに対して10%以上50%以下の範囲内にあり、
前記第2のダイヤモンドライクカーボン系膜の厚さは、前記中間層を除く前記ダイヤモンドライクカーボン硬質多層膜成形体の全体の厚さに対して50%以上90%以下の範囲内にある請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。 - 前記工程(b)、前記工程(c)、および前記工程(d)において、スパッタ蒸発源とカソード放電型アークイオンプレーティング蒸発源とを一つの真空チャンバ内に備えた複合型コーティング装置を用いる請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(b)は、アンバランスド・マグネトロン・スパッタリング法によって形成する工程を含む請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
- 前記工程(c)は、アンバランスド・マグネトロン・スパッタリング法によって形成する工程を含む請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 前記複合型コーティング装置は、アンバランスド・マグネトロン型スパッタリング蒸発源を備えている請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
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