JP5182865B2 - 油性睫用化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、油性睫用化粧料に関し、更に詳しくは、ロジンとモノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとのエステルであって、該ロジンが不均化及び/又は水添されているロジンエステル化合物と特定の油溶性樹脂と揮発性油剤とトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体とを配合することにより、耐水性、耐皮脂性、カールキープ効果などの化粧持続性が良好で、化粧膜のツヤ感が高く柔軟であり、睫毛が自然な弧を描いてカールアップし、さらに睫毛一本一本がセパレートする美しい仕上がりが得られる油性睫毛用化粧料に関するものである。
睫用化粧料は、睫を上にカールする(カール効果)ことや睫を太く(ボリューム効果)、長く(ロング効果)見せることで、目元をはっきりと美しく際立たせ魅力的に見せる化粧効果を付与するものである。従来、これらの睫用化粧料は、ワックス等の固形状油分、粉体、皮膜形成剤、水溶性高分子等を中心に構成されており、消費者ニーズにあわせて、使用性、使用感、及び機能性を向上させるため、水中油型、油中水型、油性タイプ、水性タイプなど種々の剤型や配合原料の検討が行われてきた。
例えば、トリメチルシロキシケイ酸と特定のアクリルーシリコーン系グラフト共重合体と低沸点シリコーン油及び/または低沸点イソパラフィンとを配合することによって、耐水性耐皮脂性に優れ且つ化粧膜の均一性や使用感を向上させた技術や、(例えば特許文献1参照)揮発性シリコーンに重合体が分散された非水系ポリマーディスパージョンと中空粉体とを配合してボリューム感とカールの柔軟性を付与する技術があった(例えば特許文献2参照)。また、皮膜形成性樹脂とフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルとフッ素化合物処理粉体とを配合することによりカール効果や化粧持続性、使用性を向上させる技術があった。(例えば特許文献3参照)
特開平7−196449号公報 特開2004−315420号公報 特開平10−182357号公報
しかしながら、水中油型睫用化粧料は耐水性や耐皮脂性に劣るため汗や涙に対する化粧持続性が低く、経時で目元がにじんでしまうといった欠点があった。油中水型睫用化粧料は水中油型と比較すると化粧持続性が向上するものの、化粧膜のツヤ感が低いという欠点もあった。
最近は睫毛に対する化粧意識の高まりを受け、ボリューム効果やロング効果、カール効果といった基本的な化粧効果やその化粧持続性だけでなく、睫毛同士が束にならずに一本一本がセパレートした繊細な仕上がりや、ツヤ感の高い美しい化粧膜、柔軟で快適な使用感などの質感も合わせて求められるようになってきた。しかし油性タイプの睫毛用化粧料は、汗や涙に対する化粧持続性が高い反面、睫毛同士の束付きが起こりやすく、また化粧膜が硬く瞬きの際にゴワつきを感じる場合があった。さらに化粧膜の硬さゆえに、本来自然な弧を描くべき睫毛のカールが直線的で不自然な仕上がりになりやすかった。非水系ポリマーディスパージョンと中空粉体とを組み合わせる技術は柔軟性や化粧持続性に優れるものの、化粧膜のツヤ感やセパレート効果の点で十分ではなかった。さらに皮膜形成樹脂とフラクトオリゴ糖脂肪酸エステルとフッ素化合物処理粉体とを配合する技術も化粧持続性や使用性に優れるものの粉体の分散性が十分とは言えず、化粧膜の均一性やツヤ感の点で優れているとは言えなかった。
そのため化粧持続性に優れ、束付きをおこすことなく睫毛一本一本がセパレートし、自然な弧を描いて睫毛をカールアップさせ、ツヤ感の高い柔軟な化粧膜に仕上げることができる油性睫毛用化粧料の開発が望まれていた。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油性睫用化粧料において、揮発性油剤を用い、ロジンとモノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとのエステルであって、該ロジンが不均化及び/又は水添されているロジンエステル化合物と特定の油溶性樹脂とトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体とを配合することにより、上記問題点が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
成分(A)は柔軟でツヤ感の高い膜を形成することができ、成分(B)は比較的剛直な膜を形成する。この両者を組み合わせ、しかも成分(B)を特定することにより、ある程度の固化力があってしかも柔軟性のある膜を形成することができる。さらに成分(D)は化粧料に配合される油剤中での分散性が非常に良好であり、均一でツヤ感の高い化粧膜を形成するため、(A)、(B)、(D)成分を組み合わせて配合することでボリューム効果、カール効果等の化粧効果やその化粧持続性に優れ、睫毛一本一本がセパレートし、かつ自然な弧を描いて睫毛がカールアップしてツヤ感の高い柔軟な化粧膜に仕上げることができる。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(D)、
(A)ロジンとモノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとのエステルであって、該ロジンが不均化及び/又は水添されているロジンエステル化合物
(B)水添ロジン酸ペンタエリスリチル、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーングラフト共重合体から選ばれる1種類または2種類以上の油溶性樹脂
(C)揮発性油剤
(D)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体
を配合したことを特徴とする油性睫用化粧料を提供するものである。
本発明の油性睫用化粧料は、化粧効果と化粧持続性に優れ、かつ化粧膜が柔軟でツヤ感が高く、束付きをおこすことなく睫毛一本一本がセパレートし、睫毛が自然な弧を描いてカールアップする美しい仕上がりの油性睫毛用化粧料に関するものである。
本発明において油性睫用化粧料とは、液状、半固形状又は固形状の油剤や油溶性化合物である油性成分を連続相とする実質的に水を含まない睫用化粧料である。
本発明の油性睫用化粧料に使用される成分(A)のロジンとモノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとのエステルは、不均化ロジンとモノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとのエステル、水添ロジンとモノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとのエステル、不均化及び水添ロジンとモノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとのエステルであり、不均化、水添、エステル化の反応の順番は特に限定されるものではない。
成分(A)の合成方法は特に限定されるものではないが、以下の方法で合成することができる。ロジンは松から取れる天然樹脂でアビエチン酸を主成分とするものがある。そのロジンを不均化反応により、主にデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸に不均化したものと、モノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとをエステル化させて、不均化ロジングリセリンエステルを得ることができる。
また、水添ロジンとのエステルは、例えば主成分のアビエチン酸であれば水素添加してジヒドロアビエチン酸やテトラヒドロアビエチン酸にしたもの、とモノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとをエステル化して、水素添加ロジングリセリンエステルを得ることができる。
更に、不均化ロジンを水素添加反応して、モノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとエステル化したものでも良く、不均化ロジンとモノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとのエステルを水素添加反応したものも使用することができる。
エステル化反応はモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル等であっても構わない。
ロジンを不均化して得られた主としてデヒドロアビエチン酸及びジヒドロアビエチン酸の混合物のグリセリンエステルを水素添加したものである水素添加エステルガムが、べたつきのなさや化粧持ちに優れるため好ましい。市販品としては、パインクリスタル KE−311、KE−100、エステルガム H、スーパーエステル A−75、A−100(以上、荒川化学工業社製)等が挙げられる。
成分(A)は必要に応じて1種又は2種以上を使用することができ、その配合量は、特に限定されないが1〜20質量%(以下、単に「%」で示す。)が好ましく2〜16%が
特に好ましい。この範囲であれば、化粧効果とその持続性が良好で、化粧膜のツヤ感と柔軟性に優れ、束付きをおこすことなく睫毛一本一本がセパレートし自然な弧を描いてカールアップする美しい仕上がりの化粧膜が得られる。
本発明の油性睫毛用化粧料に使用される成分(B)の特定の油溶性樹脂とは、比較的剛直な塗布膜を形成する性質を持つ樹脂であり、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーングラフト共重合体である。
水添ロジン酸ペンタエリスリチルはマツ科植物から得られる樹脂酸とペンタエリスリトールとのエステルで、市販品としてはエステルガムHP(荒川化学工業社製)が挙げられる。
また、トリメチルシロキシケイ酸は、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造をもつ化合物であり、市販品は、シリコーン油で溶解したものとして、KF7312J(固形分50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KF-9021(50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(信越化学工業(株)社製)、SS4267(35%ジメチルポリシロキサン溶液)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、BY11−018(30%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製)等が挙げられる。
また、アクリル−シリコーングラフト共重合体は、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物とアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとのラジカル重合体で、市販品は、アクリル−シリコーングラフト共重合体を溶剤に溶解したものとして、KP541(固形分60%、溶媒:イソプロパノール)、KP545(固形分30%、溶媒:デカメチルシクロペンタシロキサン)、KP575(固形分30%、溶媒:デカメチルシクロペンタシロキサン)(いずれも信越化学工業社製)が挙げられる。
これらの中でも、水添ロジン酸ペンタエリスリチルが化粧膜の均一性や柔軟性の点で好ましい。
これらの油溶性樹脂は単独で配合しても良いし2種類以上を組み合わせて配合することもできる。
成分(B)の油溶性樹脂の配合量は特に限定されないが、0.5〜20%が好ましく1〜16%が特に好ましい。この範囲であれば、化粧効果とその持続性が良好で化粧膜の柔軟性に優れ、ツヤ感が高く、束付きをおこすことなく睫毛一本一本がセパレートし自然な弧を描いてカールアップする美しい仕上がりの化粧膜が得られる。
成分(A)と成分(B)の配合量の比は質量比で1:4〜4:1の範囲が好ましい。この範囲であると、睫への付着性が良好で十分なボリューム効果、自然な弧を描いてカールアップする効果とその持続性を有し、ツヤ感や柔軟性に優れ、束付きをおこすことなく睫毛一本一本がセパレートした均一で美しい化粧膜が得られる。
成分(A)と成分(B)の配合総量は特に制限はないが5〜25%が好ましく10〜20%がより好ましい。この範囲で配合すると、化粧効果とその持続性が良好で化粧膜の柔軟性に優れ、ツヤ感が高く自然なカール効果を有し、束付きをおこすことなく睫毛一本一本がセパレートする美しい仕上がりの化粧膜が得られる。
成分(A)の形成する膜は強度が弱く柔軟であり、成分(B)の形成する膜は強度があるがもろいものである。それぞれの成分で形成される膜の柔軟性をSurface And Interfacial Cutting Analysis Systemを用いて(以下、SAICASと記載する、ダイプラ・ウィンテス社製)以下に記載する方法にて測定することができる。
それぞれの成分を揮発性溶媒に溶解し、ガラス板上にドクターブレード(15.7mill)を用いて塗膜を作成した後に十分乾燥させ、試料とする。刃幅2mm、すくい角20度、刃角60度、にげ角10度のBN刃を、試料表面にあて、水平速度10μm/sec、垂直速度0.5μm/sec、せん断角度45度で切削を行い、深度の増加に伴う水平方向荷重値の変化を測定することにより膜の柔軟性を表すことができる。
本発明の油性睫用化粧料に使用される成分(C)の揮発性油剤は、成分(A)及び成分(B)の溶剤であり、睫毛に塗布した後に揮発して強固な化粧膜を形成させるものである。成分(C)としては、化粧料に使用できるものであれば、特に制限されないが、例えば、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメチコン、低重合度ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類が挙げられ、これらを必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。揮発性油剤であれば、いずれのものも使用することができるが、中でも軽質流動イソパラフィン、環状シリコーンが、油性睫用化粧料の乾燥を高め、揮発により強固な化粧膜を形成する効果に優れ、好ましい。成分(C)の市販品としては、例えば、IPソルベント(出光石油化学社製)、シェルソル(シェル化学社製)、シリコンKF994、KF995、KF96A(5CS)(何れも、信越化学工業社製)等が挙げられる。
成分(C)の配合量は、特に限定されないが、10〜70%が好ましく、20〜60%が更に好ましい。この範囲であれば、睫への付着性や使用時のなめらかさ、化粧膜の均一性の点で満足のいくものが得られる。
本発明の油性睫毛用化粧料に使用される成分(D)は粉体に下記化学式(1)で示されるトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランを表面処理して得られるものである。
C−(CF−(CH−Si−(OCHCH ・・・(1)
また、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で表すと、パーフルオロオクチルトリエトキシシランが挙げられる。
粉体をトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理することにより撥水性及び撥油性を付与し、化粧料中に配合した場合に汗や皮脂による化粧崩れを防いで化粧持続性を向上させることが出来る。さらに、シリコーン処理や従来このような撥水撥油処理に用いられてきたパーフルオロアルキルリン酸塩処理と比較して、化粧料中に配合した場合に油剤中での分散性が良好であり、そのため化粧膜が均一で高いツヤ感が得られるなど使用性の向上や安定性の面で優れている。
成分(D)の表面処理に用いられる粉体としては通常化粧料に用いられるものであればいずれのものでもよく、板状、紡錘状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成雲母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、シリカ、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄処理雲母、酸化鉄処理雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、酸化チタン処理ガラス末、酸化鉄酸化チタン処理ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良い。
トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランの粉体への表面処理方法は特に限定されないが、例えば特開2007−238690号公報に記載の方法に従って処理することが出来る。
例えば、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランをミキサー内で添加あるいは滴加することにより粉体と混合した後、熱処理を行い必要に応じて開砕することにより目的とする表面処理粉体を得ることができる。あるいは、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランをアセトン、トルエン等の有機溶媒に加熱溶解もしくは分散し、その中に粉体を加えて混合した後に有機溶媒を除去し、乾燥後解砕することにより目的とする表面処理粉体を得ることができる。
成分(D)のトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランの粉体への処理量は粉体重量に対して0.05〜20%が好ましく、0.1〜15%の範囲がより好ましい。この範囲であれば処理剤同士の縮合や未反応の処理剤の残存による感触や流動性への悪影響などが起きることなく、粉体に対して撥水撥油性や油剤中での分散性を十分に付与することができる。尚、前記粉体は本発明の効果を損なわない範囲でトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン以外のフッ素化合物やシリコーン系油剤、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、金属石ケン、界面活性剤などの他のコーティング剤で前処理または同時に処理したものを使用することが出来る。
成分(D)の配合量は特に限定されないが、0.1〜40%が好ましく5〜35%がより好ましい。この範囲であれば化粧膜の柔軟性を損なうことなく化粧効果や化粧持続性、セパレート効果、ツヤ感に優れた仕上がりの油性睫毛用化粧料が得られる。粉体は全てトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで処理したものを使用する必要はなく、本発明の効果を妨げない範囲で未処理の粉体や一般油剤、シリコーン系油剤、界面活性剤等で処理したものを組み合わせて使用することもできる。
本発明において、上記成分に加えて、更に成分(E)のデキストリン脂肪酸エステルを配合することにより、化粧膜の柔軟性及びセパレート効果を損なうことなく睫への付着性とツヤ感を格段に向上する。
成分(E)のデキストリン脂肪酸エステルとしては、デキストリンと好ましくは炭素数8〜22の高級脂肪酸とのエステルが用いられ、具体的には、オクタン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン等が挙げられる。このうちパルミチン酸デキストリンが形状安定性や、使用性面から最も好ましい。これらのデキストリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、「レオパールKL」「レオパールKE」「レオパールTT」「レオパールTL」(以上、千葉製粉社製)
等が挙げられる。
成分(E)の配合量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10%であり、より好ましくは、1〜5%である。含有量がこの範囲であればセパレート効果や化粧膜の柔軟性を保ったまま睫への化粧料の付着性を向上させることができ、使用性や経時安定性の点で良好なものが得られる。
また、これらのデキストリン脂肪酸エステルは必要に応じて1種または2種以上を用いることができる。
本発明の油性睫用化粧料は、上記の成分(A)〜(E)の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば基材やエモリエント成分としての油性成分、ロングラッシュ効果を得る成分として繊維、粉体分散や感触調整としての界面活性剤、保湿としての水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料、などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
成分(A)〜(C)、(E)以外の油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。
具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
繊維としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等、またはこれらを複合した繊維が挙げられる。
長さは特に制限されないが、一般的には、0.1〜10mmが好ましく、0.3〜7mmが更に好ましく用いられる。太さは一般的には0.1〜25テックス(以下、単に「T」と示す。)が好ましく、更に好ましくは0.3〜20Tである。これらの繊維は材質、太さ、長さの異なる1種または2種以上を用いることができる。
繊維の断面の形状は特に限定されないが、円状、楕円状、多角形、井形、T型、Y型等いずれのものも使用することができる。
更に、これらの繊維は、必要に応じて着色剤で着色したり、表面処理を施したりして使用される。表面処理剤の種類としてはフッ素化合物、シリコーン油、粉体、油剤、ゲル化剤、エマルションポリマー、界面活性剤等があり特に限定されないが成分(D)の粉体と同様にトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランを用いるとより好ましい。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。
水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有する事もできる。但し、本発明は油性睫用化粧料であるため、水の配合量としては1%以下が好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、グリコール類等が挙げられる。
本発明の油性睫用化粧料は、マスカラ、マスカラ下地、マスカラトップコートなどに応用でき、形態としては、クリーム状、ゲル状、液状等が挙げられるが、中でもゲル状が好ましく、外観は、透明、半透明、不透明それぞれの化粧料として使用することができる。
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜9及び比較例1〜7:油性マスカラ(ゲル状)
下記表1及び表2に示す処方の油性睫用化粧料を調製し、仕上がりの柔軟性や化粧効果、化粧持続性等について下記の方法により評価した。その結果も併せて表1及び表2に示す。
*1:パインクリスタル KE−311(荒川化学工業社製)
*2:エステルガム HP(荒川化学工業社製)
*3:KF7312J(信越化学工業社製)(固形分50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)
*4:KP545(信越化学工業社製)(固形分30%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)
*5:レオパール TL(千葉製粉社製)
*6:AEROSIL 200(日本アエロジル社製)
*7:IPソルベント 1620MU(出光興産社製)
(製法)
A.成分(1)〜(7)を約100℃に加熱し、均一に混合する。
B.Aに(8)〜(16)を添加し、均一に混合する。
C.Bを容器に充填して油性マスカラを得た。
(評価方法)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
a.セパレート効果
b.ツヤ感
c.化粧膜の柔軟性
d.自然なカール効果
e.化粧持続性
a〜eの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点をつけ、各試料についてパネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。尚、表1及び表2には判定と( )内に評点の平均値を記載した。
dの自然なカール効果については、使用後の睫毛を横から観察し、まつげが直線的に固定されていたりカールアップ効果が弱く睫毛が上向きに固定されないなどの不自然な仕上がりになることなく、自然な弧を描いてカールアップしているかどうかを評価基準とした。またeの化粧持続性については各試料を睫に塗布し、パネルに通常の生活をしてもらった後、6時間後に下瞼に色がにじんだりカールアップした睫毛が下がってきていないかを評価基準とした。
絶対評価基準
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超え5点以下:良好
△ :1点を超え3.5点以下:やや不良
× :1点以下 :不良
表1及び表2の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜9の油性マスカラは、比較例1〜7の油性マスカラに比べ、睫毛一本一本をセパレートする効果、ツヤ感、化粧膜の柔軟性、自然なカール効果、化粧持続性の全てにおいて優れたものであった。
成分(A)及び成分(B)の配合量を多くした実施例2では、実施例1と比較すると樹脂総量が多いために睫毛への付着量が増加し、化粧膜の柔軟性やセパレート効果がわずかに劣るものの、化粧持続性やツヤ感、自然なカール効果においては同等に優れる特性を有していた。
成分(A)及び成分(B)の配合量を少なくした実施例3では、実施例1と比較すると睫毛への付着量が若干減少するため、化粧持続性や自然なカール効果がわずかに劣るものの、セパレート効果や化粧膜の柔軟性、ツヤ感においては同等に優れる特性を示した。
成分(A)に対して成分(B)の配合比率を下げた実施例4では、実施例1と比較すると、より柔軟な皮膜を形成しやすい成分(A)の特性が強くなるため、化粧持続性がわずかに劣るものの、セパレート効果、ツヤ感、化粧膜の柔軟性、自然なカール効果においては同等に優れる特性を示した。
成分(B)に対して成分(A)の配合比率を下げた実施例5では、実施例1と比較すると、より剛直な皮膜を形成しやすい成分(B)の特性が強くなるため、セパレート効果や柔軟性がわずかに劣るものの、ツヤ感や自然なカール効果、化粧持続性においては同等に優れる特性を示した。
成分(B)を水添ロジン酸ペンタエリスリチルからトリメチルシロキシケイサンに変えた実施例6及び、アクリルーシリコーングラフト共重合体に変えた実施例7では、実施例1と比較すると、皮膜表面の均一性が若干低くなるため、ツヤ感及び化粧膜の柔軟性がわずかに劣るものの、セパレート効果や自然なカール効果、化粧持続性においては同等に優れる特性を示した。
成分(B)として水添ロジン酸ペンタエリスリチルとトリメチルシロキシケイ酸とアクリルーシリコーングラフト共重合体を組み合わせて使用した実施例8では、実施例1と比較すると、ツヤ感がわずかに劣るものの、セパレート効果、化粧膜の柔軟性、自然なカール効果、化粧持続性においては同等に優れる特性を示した。
また、成分(E)のデキストリン脂肪酸エステルが配合されていない実施例9と実施例1とを比較すると、成分(E)を配合することによって睫毛への化粧料の付着量が増加し、セパレート効果や化粧膜の柔軟性、自然なカール効果を損なうことなく、ツヤ感と化粧持続性が向上することがわかる。
これに対して、成分(A)のみを配合して成分(B)を含有しない比較例1や、実施例1の成分(B)を成分(A)に置き換えた比較例2では、化粧膜を固定し化粧持続性を高める成分(B)による効果が得られないため、睫毛が十分にカールアップしない、あるいはカールアップした睫毛が時間の経過とともに下がってくるなどの問題が生じ、自然なカール効果や化粧持続性の面で満足のいくものが得られなかった。
成分(A)を配合しない比較例3や、実施例1の成分(A)を成分(B)に置き換えた比較例4及び比較例5では、化粧膜に柔軟性を付与する働きを持つ成分(A)の効果が得られないため、時間の経過とともに化粧膜が硬くなり瞬きの際に違和感を感じたり、睫毛が直線的に固定されて不自然に見えるなどの問題が生じ、化粧膜の柔軟性、自然なカール効果といった面で満足のいくものではなかった。また従来の油性睫毛用化粧料と同様に束付きが起きやすく、ツヤ感も高いとは言えなかった。
成分(D)の代わりにパーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩で処理した粉体を配合した比較例6やシリコーン処理粉体を使用した比較例7は、粉体の分散性が低いために束付きやダマ付きが起き、化粧膜の均一性に由来するツヤ感も得られないなどの問題が生じ、ツヤ感やセパレート効果の面で満足のいくものが得られなかった。
更に、実施例1及び比較例5の油性マスカラについて、それぞれの化粧膜の柔軟性を前記SAICASを用いた測定法にて測定した結果、比較例5に比べ実施例1は柔軟性のある塗膜が得られ、使用テストの結果と一致するものであった。
実施例10:油性マスカラ(ゲル状)
(成分) (%)
(1)水素添加エステルガム *1 5
(2)水添ロジン酸ペンタエリスリチル *2 5
(3)キャンデリラワックス 5
(4)デキストリン脂肪酸エステル *5 2
(5)軽質流動イソパラフィン *7 残量
(6)有機変性ベントナイト 3
(7)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理雲母チタン 10
(8)マイカ 3
(9)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理黄酸化鉄 3
(10)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.1
(11)フェノキシエタノール 0.1
(12)香料 0.2
(製法)
A.成分(1)〜(4)を約110℃で加熱混合し均一にする。
B.成分(5)〜(12)をAに加え均一に混合する。
C.Bを容器に充填し、油性マスカラを得た。
以上のようにして得られた油性マスカラは、実施例1〜9の評価方法に従って評価した結果、セパレート効果、ツヤ感、化粧膜の柔軟性、自然なカール効果、化粧持続性の全てにおいて優れたものであった。
実施例11:油性マスカラ(ロングタイプ、ゲル状)
(成分) (%)
(1)不均化ロジングリセリンエステル *8 10
(2)水添ロジン酸ペンタエリスリチル *2 5
(3)キャンデリラワックス 3
(4)ミツロウ 2
(5)(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン *9 1.5
(6)軽質流動イソパラフィン *7 残量
(7)有機変性ベントナイト 3
(8)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理黒酸化鉄 10
(9)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理タルク 5
(10)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理ナイロン繊維 2
(11)着色干渉繊維 *10 1
(12)ナイロン繊維 1
(13)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.1
(14)1,3−ブチレングリコール 0.2
(15)香料 0.1
*8:スーパーエステルA−75(荒川化学工業社製)
*9:レオパールTT(千葉製粉社製)
*10:ポリエチレンテレフタレート、ナイロンを特開平11−1829に従い、51層に積層したもの、5デニール、1mm、赤色102号0.1%で染着
(製法)
A.成分(1)〜(6)を約110℃で加熱混合し均一にする。
B.成分(7)〜(15)にAを加え均一に混合する。
C.Bを容器に充填し、油性睫用化粧料(ロングタイプ)を得た。
以上のようにして得られた油性睫用化粧料(ロングタイプ)は、実施例1〜9の評価方法に従って評価した結果、セパレート効果、ツヤ感、化粧膜の柔軟性、自然なカール効果、化粧持続性の全てにおいて優れたものであった。
実施例12:マスカラ下地(ゲル状)
(成分) (%)
(1)水素添加エステルガム *1 12
(2)アクリル−シリコーングラフト共重合体 *4 12
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 残量
(4)ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油 0.1
(5)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理タルク 30
(6)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン5%処理酸化チタン 0.5
(7)炭酸カルシウム 1
(製法)
A.成分(1)〜(7)を約100℃で均一に混合する。
B.Aを容器に充填し、マスカラ下地を得た。
以上のようにして得られたマスカラ下地は、実施例1〜9の評価方法に従って評価した結果、セパレート効果、ツヤ感、化粧膜の柔軟性、自然なカール効果、化粧持続性の全てにおいて優れたものであった。また、マスカラを上に塗布した場合にも塗布しやすいものであった。
実施例13:マスカラオーバーコート(液状)
(成分) (%)
(1)水素添加エステルガム *1 8
(2)水添ロジン酸ペンタエリスリチル *2 3
(3)軽質流動イソパラフィン 残量
(4)デキストリン脂肪酸エステル *5 5
(5)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン2%処理酸化チタン被覆ガラ
ス末 *11 20
(6)水添ポリデセン *12 1
(7)酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体 0.1
(8)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.2
(9)香料 0.1
*11: メタシャイン1080RC−S(日本板硝子社製)をトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン2%処理したもの
*12:Silkflo 364NF Polydecene(Lipo Chemicals社製)
(製法)
A.成分(1)〜(9)を約100℃で均一に混合する。
B.Aを容器に充填し、マスカラオーバーコートを得た。
以上のようにして得られたマスカラオーバーコートは、実施例1〜9の評価方法に従って評価した結果、セパレート効果、ツヤ感、化粧膜の柔軟性、自然なカール効果、化粧持続性の全てにおいて優れたものであった。また、マスカラの上から塗布した場合も塗布しやすいものであった。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)水素添加エステルガム 1〜20質量%
    (B)水添ロジン酸ペンタエリスリチル、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル−シリコーングラフト共重合体から選ばれる1種または2種以上の油溶性樹脂 0.5〜20質量%
    (C)軽質流動イソパラフィン及びデカメチルシクロペンタシロキサンから選ばれる1種又は2種以上の揮発性油剤 10〜70質量%
    (D)トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体 0.1〜40質量%
    を配合し
    前記成分(A)と成分(B)の比が、質量比で1:4〜4:1の範囲であることを特徴とする油性睫用化粧料。
  2. さらに、成分(E)デキストリン脂肪酸エステルを配合することを特徴とする請求項1記載の油性睫用化粧料。
  3. 前記成分(B)が水添ロジン酸ペンタエリスリチルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の油性睫用化粧料。
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