JP4987456B2 - レーダ装置 - Google Patents
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Description
このDBF技術をレーダ用アンテナに適用するときに、角度分解能を向上する技術として、複数の送信素子を時分割で切り替えて用いることにより、少ない素子数のアレーアンテナを用いて等価開口を大きくし、ビーム幅を狭くすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、この発明に係わるレーダ装置の構成例を示すブロック図である。
この発明に係わるレーダ装置は、図1に示すように、送信波を発振する発振器1、発振器1から出力される送信波を分割する分割器2、分割された1つの送信波の出口を切り替える切替器3、切替器3から送られる送信波を空間へ放射する送信素子としての送信空中線4a、4b、空間から反射波を取り込む受信素子としての受信空中線5a〜5d、送信波と反射波を混合することによりビート信号を生成する混合器6a〜6d、ビート信号をAD変換するAD変換器7a〜7d、チャネル方向に高速フーリエ変換を施すフーリエ変換部8、送信空中線4a、4bの切替により生じる位相差を補償する位相補償部9a、9b、コヒーレント積分を行うコヒーレント積分部10、検出処理を行う検出処理部11を有する。
なお、4つの受信空中線5a〜5dと4つの受信器12a〜12dからなる受信系が4チャネルあるとしているが、この発明は任意のチャネル数の場合に適用可能である。
また、G1は論理チャネル1〜4の信号を2次元フーリエ変換したものであり、G2は論理チャネル5〜8の信号を2次元フーリエ変換したものである。なお、FmFnはチャネル方向、サンプル方向の2次元フーリエ変換である。この式(1)の2次元フーリエ変換は、データ間隔が等間隔でかつ位相補償因子を含まない通常のフーリエ変換であるため、高速フーリエ変換を適用することができる。
それから、位相補償部9a、9bは、フーリエ変換部8で得られた空間周波数領域の信号Gtxを、送信空中線4a、4bの位置に関する位相補償係数Ctx(θ,m)と、受信タイミングに関する位相補償係数Ctm(θ,m)で位相補償する。
まず、発振器1により送信波を発振する。
発振器1で発振した送信波は、分割器2で分割され、一方が切替器3、他方が混合器6a〜6dに入力される。
切替器3は、入力した送信波を送信空中線4aまたは送信空中線4bのいずれかへ時分割に切り替えて出力する。送信空中線4aまたは送信空中線4bは、送信波を空間へと放射する。
放射された送信波は、観測領域に存在する物体で反射される。反射された反射波は受信空中線5a〜5dで受信される。
送信空中線4aを用いた送信aと、送信空中線4bを用いた送信bが交互に行われ、それぞれの送信タイミングに対応して、パルス送信の直後に受信が行われる。受信空中線5a〜5dを用いることにより、受信a〜受信dが同時に行われる。図2では、複数距離の観測を想定して、1送信毎にAD変換器7a〜7dにより複数回サンプリングを行う。
混合器6a〜6dは受信空中線5a〜5dから入力した反射波と、分割器2から入力した送信波を混合することにより、受信信号を生成する。受信信号は反射波の周波数と送信波の周波数の差の周波数を持つ信号である。例えば送信波が無変調の電磁波である場合、差の周波数は反射波のドップラー周波数、すなわち送信波を反射した物体(反射物)の相対的な視線方向速度に比例する周波数となる。
また、送信波に周波数変調が施された場合は、反射物のドップラー周波数と相対距離に依存する周波数となる。
なお、空間方向のフーリエ変換と合わせて、時間方向のフーリエ変換を行えば、空間周波数軸とビート周波数軸の2次元平面上で定義される時空間スペクトルが得られるようになる。
なお、コヒーレント積分後の信号は、仮想素子配置の開口長で観測したのと等価となる。ビーム幅は開口長に反比例する。開口長が倍になった場合はビーム幅は半分になる。このビーム幅に対応したビーム合成を行うためには、4素子分の開口長の信号列をそのまま高速フーリエ変換したときの角度分解能では不十分である。(仮想素子配置による合成後のビーム幅の倍の間隔で受信ビーム合成を行うことになる)。そこで、フーリエ変換部8において高速フーリエ変換を行う場合、高速フーリエ変換後の空間スペクトルの角度分解能が十分細かくなるように、信号列に0を付加して処理上の信号列の長さを延長するのが適当である。
ステップS001では、送信空中線4aから送信波を送信する。
ステップS002では、各受信空中線5a〜5dで反射波を受信する。
ステップS003では、ステップS002で受信した反射波に、混合器6a〜6dで送信波を混合し、次にAD変換器7a〜7dでAD変換し、次にサンプリングして信号列を得る。次に、得られた信号列をフーリエ変換部8で高速フーリエ変換処理を施して空間周波数領域の信号を得る。
ステップS004では、送信空中線4aの位置についての位相補償量を算出し、次に空間周波数領域の信号を位相補償量で補償する(信号A)。
ステップS006では、各受信空中線5a〜5dで反射波を受信する。
ステップS007では、ステップS006で受信した反射波に、混合器6a〜6dで送信波を混合し、次にAD変換器7a〜7dでAD変換し、次にサンプリングして信号列を得る。次に、得られた信号列をフーリエ変換部8で高速フーリエ変換処理を施して空間周波数領域の信号を得る。
ステップS008では、送信空中線4bの位置についての位相補償量を算出し、次に空間周波数領域の信号を位相補償量で補償する(信号B)。
ステップS009では、ステップS004で得られた位相補償された空間周波数領域の信号AとステップS008で得られた位相補償された空間周波数領域の信号Bを加算して時空間スペクトルを得る。
ステップS010では、ステップS009で得られたコヒーレント積分後の時空間スペクトルを解析して、目標検出処理を行う。
受信器12a〜12dで得られる受信信号sm(tn)は、式(7)で表される。但し、Aはビート信号の振幅、fbはビート周波数、xrx,mは第m論理チャネルを得るのに用いる受信空中線5の位置、xtx,mは第m論理チャネルを得るのに用いる送信空中線4の位置、θは受信波の到来方向(正面方向を0度と定義する)、tnは第nサンプルの時刻、Δtmは第m論理チャネルと第1論理チャネルのサンプルタイミングの時間差、φ0は原点から送受信したと仮定した場合のビート信号の初期位相である。
また、論理チャネル間の受信空中線5a〜5dの間隔は等間隔である。したがって、論理チャネル1〜4だけの受信信号を用いた受信ビーム合成のためのフーリエ変換は、高速フーリエ変換を用いることができる。
同様に、論理チャネル5〜8だけの受信信号を用いた受信ビーム合成のためのフーリエ変換も、高速フーリエ変換を用いることができる。この2つの高速フーリエ変換で得られる空間スペクトルは、サンプルタイミングの相違により、異なる観測時刻で得られたものとなっている。この観測時間差を補償する位相補償因子を乗じて、2次元フーリエ変換の結果を加算すれば、論理チャネル1〜8を用いた受信ビーム合成およびビートスペクトル算出を実現することができる。
Claims (5)
- 異なる位置に配置され切り替えられて波動を空間に放射する複数の送信素子、外部に存在する物体で散乱された上記波動を受信する複数の受信素子および各上記受信素子で受信した波動を検波することにより受信信号を生成する受信器を備え、上記受信信号に信号処理を施すことにより物体の計測を行うレーダ装置において、
上記受信素子で受信した同一の上記送信素子から放射された上記波動から得られた上記受信信号を抽出し、且つ抽出した受信信号の信号列に高速フーリエ変換を施すことにより、空間周波数領域の信号を生成するフーリエ変換部と、
上記フーリエ変換部で生成された空間周波数領域の信号を、予め設定した基準位置と用いた上記送信素子の位置との差により生じる位相差で補償する位相補償部と、
上記複数の送信素子を用いて得られた位相補償処理後の空間周波数領域の信号を、空間周波数毎に加算するコヒーレント積分部と、
を備えることを特徴とするレーダ装置。 - 位相補償部は、さらに上記フーリエ変換部で生成された空間周波数領域の信号を、上記送信素子間の波動放射時刻の差により生じる位相差で補償することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
- 上記フーリエ変換部は、上記抽出した受信信号の信号列に、所定の信号列を外挿した後で、高速フーリエ変換を施すことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
- 上記所定の信号列は、0からなる信号列であることを特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。
- 上記フーリエ変換部は、素子方向に加えて時間方向にも高速フーリエ変換を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
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