JP4634698B2 - 蒸着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸着により成膜可能な材料(以下、蒸着材料という)の成膜に用いられる成膜装置及び該成膜装置を用いたOLEDで代表される発光装置の作製方法に関する。特に、基板に対向して設けられた複数の蒸着源から蒸着材料を蒸発させて成膜を行う蒸着方法及び蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自発光型の発光素子としてEL素子を有した発光装置の研究が活発化している。この発光装置は有機ELディスプレイ(OELD:Organic EL Display)又は有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)とも呼ばれている。これらの発光装置は、動画表示に適した速い応答速度、低電圧、低消費電力駆動などの特徴を有しているため、新世代の携帯電話や携帯情報端末(PDA)をはじめ、次世代ディスプレイとして大きく注目されている。
【0003】
このEL素子は、有機化合物を含む層(以下、有機化合物層又はEL層と記す)が陽極と、陰極との間に挟まれた構造を有し、陽極と陰極とに電場を加えることにより、EL層からルミネッセンス(Electro Luminescence)が発光する。またEL素子からの発光は、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがある。
【0004】
上記のEL層はコダック・イーストマン・カンパニーのTangらが提案した「正孔輸送層/発光層/電子輸送層」に代表される積層構造を有している。また、EL層を形成するEL材料は低分子系(モノマー系)材料と高分子系(ポリマー系)材料に大別され、低分子系材料は、図14に示すような蒸着装置を用いて成膜される。
【0005】
図14に示す蒸着装置は基板ホルダ1403に基板を設置し、EL材料、つまり蒸着材料を封入したルツボ1401と、昇華するEL材料の上昇を防止するシャッター1402と、ルツボ内のEL材料を加熱するヒータ(図示しない)とを有している。そして、ヒータにより加熱されたEL材料が昇華し、回転する基板に成膜される。このとき、均一に成膜を行うために、基板とルツボとの間の距離は1m以上離す必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の蒸着装置や蒸着方法では、蒸着によりEL層を形成する場合、昇華したEL材料の殆どが蒸着装置の成膜室内の内壁、シャッター又は防着シールド(蒸着材料が成膜室の内壁に付着することを防ぐための保護板)に付着してしまった。そのため、EL層の成膜時において、高価なEL材料の利用効率が約1%以下と極めて低く、発光装置の製造コストは非常に高価なものとなっていた。
【0007】
また従来の蒸着装置は、均一な膜を得るため、基板と蒸着源との間隔を1m以上離す必要があった。そのため、蒸着装置自体が大型化し、蒸着装置の各成膜室の排気に要する時間も長時間となるため成膜速度が遅くなり、スループットが低下しまった。更に、蒸着装置は基板を回転させる構造であるため、大面積基板を目的とする蒸着装置には限界があった。
【0008】
またEL材料は、酸素や水の存在により容易に酸化して劣化してしまう問題がある。しかし、蒸着法により成膜を行う際には、容器(ガラス瓶)に入れられた蒸着材料を所定の量取りだし、蒸着装置内での被膜形成物に対向させた位置に設置された容器(代表的にはルツボ、蒸着ボート)に移しかえており、この移しかえ作業において蒸着材料に、酸素や水、更には不純物が混入する恐れがあった。
【0009】
更にガラス瓶から容器に移しかえる際に、例えば、グローブなどが備えられた成膜室の前処理室内で人間の手で行われていた。しかし、前処理室にグローブを備えた場合、真空とすることができず、大気圧で作業を行うこととなり、不純物の混入する可能性が高かった。例え、窒素雰囲気とされた前処理室内で移しかえを行うとしても、水分や酸素を極力低減することは困難であった。またロボットを使用することも考えられるが、蒸発材料は粉状であるため、移しかえる作業を行うロボットの作製は非常に困難である。そのため、EL素子の形成、すなわち下部電極上にEL層を形成する工程から上部電極形成工程までの工程を、不純物混入を避けることが可能な一貫したクローズドシステムとすることは困難であった。
【0010】
そこで本発明は、EL材料の利用効率を高め、且つ、EL層成膜の均一性やスループットの優れた成膜装置の一つである蒸着装置及び蒸着方法を提供するものである。また本発明の蒸着装置及び蒸着方法により作製される発光装置及びその作製方法を提供するものである。
【0011】
また本発明は、例えば、基板サイズが、320mm×400mm、370mm×470mm、550mm×650mm、600mm×720mm、680mm×880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、1150mm×1300mmのような大面積基板に対して、効率よくEL材料を蒸着する方法を提供するものである。
【0012】
更に本発明は、EL材料への不純物混入を避けることが可能な製造システムを提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、基板と蒸着源とが相対的に移動することを特徴とする蒸着装置を提供する。すなわち本発明は、成膜室(蒸着室)内において、蒸着材料が封入された容器を設置した蒸着源ホルダが、基板に対してあるピッチで移動する、又は蒸着源に対して基板があるピッチで移動することを特徴とする。また、昇華した蒸着材料の端(すそ)が重なる(オーバーラップさせる)ように、蒸着源ホルダをあるピッチで移動させると好ましい。
【0014】
この蒸着源ホルダは、単数でも複数でもよいが、EL層の積層膜ごとに設けると効率よく連続的に蒸着することができる。また蒸着源ホルダに設置される容器は単数でも複数でもよく、また同一の蒸着材料が封入された容器を複数設置してもよい。なお、異なる蒸着材料を有する容器を設置した場合には、昇華した蒸着材料が混合された状態で基板に成膜することができる(これを共蒸着という)。
【0015】
次に、本発明の基板と蒸着源とが相対的に移動する経路の概略について説明する。なお図2を用いて、基板に対し蒸着源ホルダが移動する例で説明するが、本発明は基板と蒸着源とが相対的に移動すればよく、蒸着源ホルダの移動経路は図2に限定されるものではない。更に、4つの蒸着源ホルダA、B、C、Dの場合で説明するが、蒸着源ホルダはいくつ設けてもよいことは言うまでもない。
【0016】
図2(A)には、基板13と、蒸着源が設置された蒸着源ホルダA、B、C、Dと、蒸着源ホルダA、B、C、Dが基板に対して移動する経路とが記載される。まず、蒸着源ホルダAは、破線で示すようにX軸方向に順に移動し、X軸方向の成膜を終了する、次にY軸方向に順に移動し、Y軸方向の成膜終了後、点線の位置で停止する。その後、同様に蒸着源ホルダB、C、Dが破線で示すようにX軸方向に順に移動し、X軸方向の成膜を終了する。次にY軸方向に順に移動し、Y軸方向の成膜終了後、停止する。なお、蒸着源ホルダは、Y軸方向から移動を開始してもよく、移動の経路は図2(A)に限定されない。また、X軸方向とY軸方向とを交互に移動しても構わない。また、蒸着源ホルダが基板より外側を移動することにより、基板の端領域への蒸着を均一とすることができる。更に成膜室の大きさによっては、基板の端領域への蒸着を均一にするために、端領域の移動速度を中心領域より低下させるとよい。
【0017】
そして、各蒸着源ホルダは元の位置に戻り、次の基板に対する蒸着を開始する。各蒸着源ホルダが元の位置に戻るタイミングは、成膜終了後から、次の成膜前の間であればよく、他の蒸着源ホルダが成膜を行っている最中でも構わない。また、各蒸着源ホルダが停止した位置から次の基板に蒸着を開始しても構わない。
蒸着源ホルダが一往復する時間は実施者が適宜設定することができ、例えば5〜15分となる。
【0018】
次に図2(A)と異なる経路を、図2(B)を用いて説明する。図2(B)をみると、蒸着源ホルダAは、破線で示すように基板上のY軸方向に順に移動し、次にX軸方向に順に移動し、成膜終了後、点線で示すように蒸着源ホルダDの後ろに停止する。その後、同様に蒸着源ホルダB、C、Dが破線で示すようにX軸方向に順に移動し、次にY軸方向に順に移動し、成膜終了後、前の蒸着源ホルダの後ろに停止する。
【0019】
このように、蒸着源ホルダが元の位置に戻るよう経路を設定することにより、蒸着源ホルダの不要な移動がなく、成膜速度の向上、強いては発光装置のスループットを向上することができる。
【0020】
なお、図2(A)及び(B)において、蒸着源ホルダA、B、C、Dが移動を開始するタイミングは、前の蒸着源ホルダが停止した後でもよいし、停止する前であってもよい。また、蒸着された膜が固化する前に、次の蒸着源ホルダの移動を開始する場合、積層構造を有するEL層において、各膜との界面に蒸着材料が混合された領域(混合領域)を形成することができる。
【0021】
このような、基板と蒸着源ホルダA、B、C、Dとが相対的に移動する本発明により、基板と蒸着源ホルダとの距離を長く設ける必要なく装置の小型化を達成できる。また蒸着装置が小型となるため、昇華した蒸着材料が成膜室内の内壁、又は防着シールドへ付着することが低減され、蒸着材料を無駄なく利用することができる。更に本発明の蒸着方法において、基板を回転させる必要がないため、大面積基板に対応可能な蒸着装置を提供することができる。また、蒸着源ホルダが基板に対してX軸方向及びY軸方向に移動する本発明により、蒸着膜を均一に成膜することが可能となる。
【0022】
また、本発明は、蒸着処理を行う複数の成膜室が連続して配置された製造装置を提供できる。このように、複数の成膜室において蒸着処理を行うため、スループットが向上される。
【0023】
更に本発明は、蒸着材料が封入された容器を、大気に曝すことなく蒸着装置に直接設置することを可能とする製造システムを提供することができる。このような本発明により、蒸着材料の取り扱いが容易になり、蒸着材料への不純物混入を避けることができる。
【0024】
このような本発明の蒸着ルツボを有する蒸着装置やそれを用いる蒸着方法により、有機化合物層を有する発光装置を効率よく作製することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
(実施の形態1)
本発明の蒸着装置を図1に示す。図1(A)はX方向断面図(A−A’点線における断面)、図1(B)はY方向断面図(B−B’点線における断面)、図1(C)は上面図である。なお、図1は蒸着途中のものを示す。
【0027】
図1において、成膜室11は、基板ホルダ12と、蒸着シャッター15が設置された蒸着源ホルダ17と、蒸着源ホルダを移動させる手段(図示しない)と、減圧雰囲気にする手段とを有する。そして、成膜室11には、基板13と、蒸着マスク14とが設置される。また、CCDカメラ(図示しない)を用いて蒸着マスクのアライメントを確認するとよい。蒸着源ホルダ17には蒸着材料18が封入された容器が設置されている。この成膜室11は、減圧雰囲気にする手段により、真空度が5×10-3Torr(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6Paまで真空排気される。
【0028】
また蒸着の際、抵抗加熱により、蒸着材料は予め昇華(気化)されており、蒸着時にシャッター15が開くことにより基板13の方向へ飛散する。蒸発した蒸発材料19は、上方に飛散し、蒸着マスク14に設けられた開口部を通って基板13に選択的に蒸着される。なお、マイクロコンピュータにより成膜速度、蒸着源ホルダの移動速度、及びシャッターの開閉を制御できるようにしておくと良い。この蒸着源ホルダの移動速度により蒸着速度を制御することが可能となる。
【0029】
また図示しないが、成膜室11に設けられた水晶振動子により蒸着膜の膜厚を測定しながら蒸着することができる。この水晶振動子を用いて蒸着膜の膜厚を測定する場合、水晶振動子に蒸着された膜の質量変化を、共振周波数の変化として測定することができる。
【0030】
図1に示す蒸着装置においては、蒸着の際、基板13と蒸着源ホルダ17との間隔距離dを代表的には30cm以下、好ましくは20cm以下、更に好ましくは5cm〜15cmに狭め、蒸着材料の利用効率及びスループットを格段に向上させている。
【0031】
上記蒸着装置において、蒸着源ホルダ17は、容器(代表的にはルツボ)と、容器の外側に均熱部材を介して配設されたヒータと、このヒータの外側に設けられた断熱層と、これらを収納した外筒と、外筒の外側に旋回された冷却パイプと、ルツボの開口部を含む外筒の開口部を開閉する蒸着シャッター15とから構成されている。なお、該ヒータが容器に固定された状態で搬送できる容器であってもよい。また容器は、BNの焼結体、BNとAlNの複合焼結体、石英、又はグラファイトなどの材料で形成された、高温、高圧、減圧に耐えうるものとなっている。
【0032】
また、蒸着源ホルダ17は、水平を保ったまま、成膜室11内をX方向又はY方向に移動可能な機構が設けられている。ここでは蒸着源ホルダ17を二次元平面で図2(A)又は図2(B)に示したように蒸着源ホルダをジグザグに移動させる。また、蒸着源ホルダ17の移動ピッチも絶縁物の間隔に適宜、合わせればよい。なお、絶縁物10は第1の電極21の端部を覆うようにストライプ状に配置されている。
【0033】
また、蒸着源ホルダに備えられる有機化合物は必ずしも一つ又は一種である必要はなく、複数であってもよい。例えば、蒸着源ホルダに発光性の有機化合物として備えられている一種類の材料の他に、ドーパントとなりうる別の有機化合物(ドーパント材料)を一緒に備えておいても良い。蒸着させる有機化合物層として、ホスト材料と、ホスト材料よりも励起エネルギーが低い発光材料(ドーパント材料)とで構成し、ドーパントの励起エネルギーが、正孔輸送性領域の励起エネルギー及び電子輸送層の励起エネルギーよりも低くなるように設計することが好ましい。このことにより、ドーパントの分子励起子の拡散を防ぎ、効果的にドーパントを発光させることができる。また、ドーパントがキャリアトラップ型の材料であれば、キャリアの再結合効率も高めることができる。また、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料をドーパントとして混合領域に添加した場合も本発明に含めることとする。また、混合領域の形成においては、混合領域に濃度勾配をもたせてもよい。
【0034】
更に、一つの蒸着源ホルダに備えられる有機化合物を複数とする場合、互いの有機化合物が混ざりあうように蒸発する方向を被蒸着物の位置で交差するように斜めにすることが望ましい。また、共蒸着を行うため、蒸着源ホルダに、4種の蒸着材料(例えば、蒸着材料Aとしてホスト材料2種類、蒸着材料Bとしてドーパント材料2種類)を備えてもよい。また、画素サイズが小さい場合(或いは各絶縁物の間隔が狭い場合)には、容器内部を4分割して、それぞれを適宜蒸着させる共蒸着を行うことにより、精密に成膜することができる。
【0035】
また、基板13と蒸着源ホルダ17との間隔距離dを代表的には30cm以下、好ましくは5cm〜15cmに狭めるため、蒸着マスク14も加熱される恐れがある。従って、蒸着マスク14は、熱によって変形されにくい低熱膨張率を有する金属材料(例えば、タングステン、タンタル、クロム、ニッケルもしくはモリブデンといった高融点金属もしくはこれらの元素を含む合金、ステンレス、インコネル、ハステロイといった材料)を用いることが望ましい。例えば、ニッケル42%、鉄58%の低熱膨張合金などが挙げられる。また、加熱される蒸着マスクを冷却するため、蒸着マスクに冷却媒体(冷却水、冷却ガス)を循環させる機構を備えてもよい。
【0036】
また、マスクに付着した蒸着物をクリーニングするため、プラズマ発生手段により、成膜室内にプラズマを発生させ、マスクに付着した蒸着物を気化させて成膜室外に排気することが好ましい。そのため、マスクに別途電極を設け、いずれか一方に高周波電源20が接続されている。以上により、マスクは導電性材料で形成されることが好ましい。
【0037】
なお、蒸着マスク14は第1の電極21(陰極或いは陽極)上に蒸着膜を選択的に形成する際に使用するものであり、全面に蒸着膜を形成する場合には特に必要ではない。
【0038】
また、成膜室はAr、H、F、NF3、又はOから選ばれた一種又は複数種のガスを導入するガス導入手段と、気化させた蒸着物を排気する手段とを有している。上記構成により、メンテナンス時に成膜室内を大気にふれることなくクリーニングすることが可能となる。
【0039】
例えば、クリーニングを行うには、チャンバー内を窒素置換してから真空排気を行い、マスクと電極(基板シャッター)との間にプラズマが発生するように、いずれか一方に高周波電源(13.56MHZ)を接続すればよい。例えば、アルゴンと水素をそれぞれ流量30sccmで導入してチャンバー内の雰囲気が安定したら、800WのRF電力を投入してプラズマを発生させればよく、マスクとチャンバー内壁をクリーニングすることができる。
【0040】
また、成膜室11には、成膜室内を真空にする真空排気処理室と連結されている。真空排気処理室としては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオポンプ、又はドライポンプが備えられている。これにより成膜室11の到達真空度を10-5〜10-6Paにすることが可能であり、更にポンプ側及び排気系からの不純物の逆拡散を制御することができる。成膜室11に不純物が導入されるのを防ぐため、導入するガスとしては、窒素や希ガス等の不活性ガスを用いる。導入されるこれらのガスは、装置内に導入される前にガス精製機により高純度化されたものを用いる。従って、ガスが高純度化された後に成膜室11に導入されるようにガス精製機を備えておく必要がある。これにより、ガス中に含まれる酸素や水、その他の不純物を予め除去することができるため、成膜室11にこれらの不純物が導入されるのを防ぐことができる。
【0041】
また、基板ホルダ12は永久磁石を備えており、金属からなる蒸着マスクを磁力で固定しており、その間に挟まれる基板13も固定されている。ここでは、蒸着マスクが基板13と密接している例を示したが、ある程度の間隔を有して固定する基板ホルダや蒸着マスクホルダを適宜設けてもよい。
【0042】
以上のような蒸着源ホルダが移動する機構を有する成膜室により、基板と蒸着源ホルダとの距離を長くする必要がなく、蒸着膜を均一に成膜することが可能となる。
【0043】
よって本発明により、基板と蒸着源ホルダとの距離を短くでき、蒸着装置の小型化を達成することができる。そして、蒸着装置が小型となるため、昇華した蒸着材料が成膜室内の内壁、又は防着シールドへ付着することが低減され、蒸着材料を有効に利用することができる。更に、本発明の蒸着方法において、基板を回転させる必要がないため、大面積基板に対応可能な蒸着装置を提供することができる。
【0044】
また、このように基板と蒸着源ホルダとの距離を短くすることにより、蒸着膜を薄く制御良く蒸着することができる。
【0045】
(実施の形態2)
次に本発明の蒸着材料を封入する容器と、その周辺の蒸着源ホルダの構成について図3を用いて詳述する。なお図3では、シャッターが開いた状態を示している。
【0046】
図3(A)には、蒸着源ホルダ304に設置された一つの容器周辺の断面図を示しており、蒸着源ホルダに設けられた加熱手段303、加熱手段の電源307、容器の蒸着材料302、容器内に設けられたフィルター305、及び容器の上部に設けられた開口部上方に配置されたシャッター306が記載される。また、加熱手段303には、抵抗加熱、高周波、レーザー等を用いればよく、具体的には電気コイルを用いればよい。
【0047】
そして、加熱手段303により加熱された蒸着材料302は昇華し、昇華された蒸着材料302は、容器の開口部から上方へ上昇していく。このとき、ある一定(フィルターの目)以上の大きさを有する昇華された材料は、容器内に設けられたフィルター305を通過することができず、容器内へ戻り、再度昇華される。また、フィルター305を導電性の高い材料で形成し、加熱手段(図示しない)により加熱してもよい。この加熱により、フィルターへの蒸着材料の固化、付着を防止することができる。
【0048】
このようなフィルターを設ける構成の容器により、大きさの揃った蒸着材料が蒸着するため、成膜速度の制御や、均一な膜厚を得ることができ、均一でむらのない蒸着を行うことができる。もちろん、均一でむらのない蒸着が可能な場合は、必ずしもフィルターを設ける必要はない。なお、容器の形状は図3(A)に限定されるものではない。
【0049】
次に、図3(B)を参照して、図3(A)と異なる構成の蒸着材料が封入された容器について説明する。
【0050】
図3(B)をみると、蒸着源ホルダに設置された容器311と、容器内の蒸着材料312と、蒸着源ホルダに設けられた第1の加熱手段313、第1の加熱手段の電源318、容器の開口部上に配置されたシャッター317、開口部上方に設けられた板316、フィルターを囲むように設けられた第2の加熱手段314、及び第2の加熱手段の電源319が記載される。
【0051】
そして、第1の加熱手段313により加熱された蒸着材料312は昇華し、昇華された蒸着材料は、容器311の開口部から上方へ上昇していく。このとき、ある一定以上の大きさを有する昇華された材料は、容器の開口部上方に設けられた板316と第2の加熱手段314との間を通過することができず、板316と衝突し、容器内へ戻る。そして、板ー316は第2の加熱手段314により加熱されるため、板316への蒸着材料の固化、付着を防止することができる。更に、板316は導電性の高い材料で形成することが好ましい。なお、板のかわりにフィルターを設けても構わない。
【0052】
また、第1の加熱手段313による加熱温度(T1)は、蒸着材料の昇華温度(TA)より高い温度を与えるが、第2の加熱手段314による加熱温度(T2)は第1の加熱手段より低温で構わない。これは、一度昇華した蒸着材料は、昇華されやすいため、実際の昇華温度をかけなくとも昇華するからである。すなわち、各加熱温度はT1≫T2>TAとなればよい。
【0053】
このような、板の周りに加熱手段を設ける構成の容器により、大きさの揃った蒸着材料が昇華し、また昇華された材料は、加熱手段の近くを通過していくため、板への蒸着材料の付着が低減され、更に成膜速度の制御や、均一な膜厚を得ることができ、均一でむらのない蒸着を行うことができる。もちろん、均一でむらのない蒸着が可能な場合は、必ずしも板を設ける必要はない。また、容器の形状は図3に限定されるものではなく、例えば、図4に示すような形状でもよい。
【0054】
図4(A)は、蒸着源ホルダ404に加熱手段402が設けられた例であり、容器の開口部が上に向かって狭くなっている容器403、405の形状例の断面図が記載される。また開口部の広い容器に、精製した蒸着材料を封入後、蓋等を用いて図4(A)に示す容器403、405の形状としても構わない。そして、上に向かって狭くなっている容器の開口部の直径を、成膜したい蒸着材料の大きさとしておけば、フィルターと同様の効果を得ることができる。
【0055】
また、図4(B)には、容器に加熱手段412が設けられた例を示す。容器413、415の形状は図4(A)と同様であるが、容器自体に加熱手段412が設けられている。そして、この加熱手段の電源は蒸着源ホルダに設置した段階でオン状態となるよう設計すればよい。このような容器自体に加熱手段が設けられた構成により、加熱しずらい形状の開口部を有する容器であっても、十分に蒸着材料に熱を与えることができる。
【0056】
次に蒸着源ホルダの具体的な構成について図5を用いて説明する。図5(A)及び(B)は蒸着源ホルダの拡大図を示す。
【0057】
図5(A)は、蒸着源ホルダ502に蒸着材料が封入された4つの容器501を格子状に設け、各容器上にシャッター503を設けた構成例であり、図5(B)は蒸着源ホルダ512に蒸着材料が封入された4つの容器511を直線状に設け、各容器上にシャッター513を設けたの構成例である。
【0058】
図5(A)又は(B)に記載の蒸着源ホルダ502、512に、同一材料が封入された容器501、511を複数設置してもよく、単数の容器を設置しても構わない。また異なる蒸着材料(例えば、ホスト材料とゲスト材料)が封入された容器を設置して共蒸着を行ってもよい。そして上述したように、容器を加熱することにより蒸着材料が昇華し、基板に成膜が行われる。
【0059】
また、図5(A)又は(B)のように、各容器の上方にシャッター503、513を設け、昇華した蒸着材料を成膜するか否かを制御するとよい。またシャッターは、全容器の上方に一つのみ設けても構わない。またこのシャッターにより、成膜しない蒸着源ホルダ、すなわち待機している蒸着源ホルダへの加熱を止めることなく、不要な蒸着材料が昇華し、飛散することを低減できる。なお、蒸着源ホルダの構成は図5に限定されるものではなく、実施者が適宜設計すればよい。
【0060】
以上のような蒸着源ホルダ及び容器により、蒸着材料を効率よく昇華でき、更に蒸着材料の大きさが揃った状態で成膜が行えるため、均一でむらのない蒸着膜が形成される。また、蒸着源ホルダに複数の蒸着材料を設置できるため、容易に共蒸着を行うことができる。また、EL層の膜ごとに成膜室を移動せず、目的に応じたEL層を一度に形成することができる。
【0061】
(実施の形態3)
次に、上述したような容器に精製した蒸着材料を封入し、搬送後、その容器を直接成膜装置である蒸着装置に設置し、蒸着を行う製造方法のシステムについて、図6を用いて説明する。
【0062】
図6には、蒸着材料である有機化合物材料を生産、精製している製造者(代表的には材料メーカー)618と、蒸着装置を有する発光装置メーカーであり、発光装置の製造者(代表的には生産工場)619における製造システムが記載される。
【0063】
まず発光装置メーカー619から材料メーカー618に発注610を行う。材料メーカー618は発注610に基づいて、蒸着材料を昇華精製し、第1の容器(代表的には、ルツボ)611へ高純度に精製された粉末状の蒸着材料612を封入する。その後、材料メーカー618が第1の容器の内部又は外部に余分な不純物が付着しないように大気から隔離し、清浄環境室内で汚染から防ぐための第2の容器621a及び621bへ第1の容器611を収納し、密閉する。密閉する際には、第2の容器621a及び621bの内部は、真空、又は窒素などの不活性ガスで充填することが好ましい。なお、超高純度の蒸着材料612を精製又は収納する前に第1の容器611及び第2の容器621a及び621bをクリーニングしておくことが好ましい。また、第2の容器621a及び621bは、酸素や水分の混入をブロックするバリア性を備えた包装フィルムであってもよいが、自動で取り出し可能とするため、筒状、又は箱状の頑丈な遮光性を有する容器とすることが好ましい。
【0064】
その後、第1の容器611は第2の容器621a及び621bに密閉されたままの状態で、材料メーカー618から発光装置メーカー619に搬送617される。
【0065】
発光装置メーカー619では、第1の容器611は第2の容器621a及び621bに密閉されたままの状態で、真空排気可能な処理室613に直接導入される。なお、処理室613は内部に加熱手段614、基板保持手段(図示しない)が設置されている蒸着装置である。
【0066】
その後、処理室613内を真空排気して酸素や水分が極力低減されたクリーンな状態にした後、真空を破ることなく、第2の容器621a及び621bから第1の容器611を取り出し、第1の容器611を加熱手段614に接して設置し、蒸着源を用意することができる。なお、処理室613には被蒸着物(ここでは基板)615が第1の容器611に対向するように設置される。
【0067】
次いで、加熱手段614によって蒸着材料に熱を加えて被蒸着物615の表面に蒸着膜616を形成する。こうして得られた蒸着膜616は不純物を含まず、この蒸着膜616を用いて発光素子を完成させた場合、高い信頼性と高い輝度を実現することができる。
【0068】
また成膜後、第1の容器611に残留した蒸着材料を、発光装置メーカー619において昇華精製してもよい。成膜後に第1の容器611を第2の容器621a及び621bへ設置し、処理室613から取り出し、昇華精製を行う精製室へ搬送する。そこで、残留した蒸着材料を昇華精製し、別の容器へ高純度に精製された粉末状の蒸着材料を封入する。その後、第2の容器で密閉した状態で処理室613へ搬送し、蒸着処理を行う。このとき、残留した蒸着材料を精製する温度(T3)と、上昇している蒸着材料周囲の温度(T4)と、昇華精製された蒸着材料周囲の温度(T5)との関係は、T3>T4>T5を満たすと好ましい。すなわち、昇華精製する場合、昇華精製される蒸着材料を封入する容器側に向かって温度を低くしておくと、対流が生じ、効率よく昇華精製を行うことができる。なお、昇華精製を行う精製室は、処理室613に接して設け、密閉用の第2の容器を使用せずに、昇華精製された蒸着材料を搬送してもよい。
【0069】
以上のように、第1の容器611は一度も大気に触れることなく処理室613である蒸着チャンバーに設置され、材料メーカーで蒸着材料612を収納した段階での純度を維持したまま、蒸着を行うことを可能とする。従って本発明により、全自動化してスループットを向上させる製造システムを実現するとともに、材料メーカー618で精製した蒸着材料612への不純物混入を避けることが可能な一貫したクローズドシステムを実現することが可能となる。更に、発注に基づいて材料メーカーで第1の容器611に直接蒸着材料612を収納するため、必要な量だけを発光装置メーカーに提供し、比較的高価な蒸着材料を効率よく使用することができる。なお、第1の容器や第2の容器は再利用することができ、低コストにもつながる。
【0070】
次に、搬送する容器の形態について図7を用いて具体的に説明する。搬送に用いる上部(621a)と下部(621b)に分かれる第2の容器は、第2の容器の上部に設けられた第1の容器を固定するための固定手段706と、固定手段に加圧するためのバネ705と、第2の容器の下部に設けられた第2の容器を減圧保持するためガス経路となるガス導入口708と、上部容器621aと下部容器621bとを固定するOリング707と、留め具702と有している。この第2の容器内には、精製された蒸着材料が封入された第1の容器611が設置されている。なお、第2の容器はステンレスを含む材料で形成され、第1の容器はチタンを有する材料で形成するとよい。
【0071】
材料メーカーにおいて、第1の容器611に精製した蒸着材料を封入する。そして、Oリング707を介して第2の上部621aと下部621bとを合わせ、留め具702で上部容器621aと下部容器621bとを固定し、第2の容器内に第1の容器611を密閉する。その後、ガス導入口708を介して第2の容器内を減圧し、更に窒素雰囲気に置換し、バネ705を調節して固定手段706により第1の容器611を固定する。なお、第2の容器内に乾燥剤を設置してもよい。このように第2の容器内を真空や減圧、窒素雰囲気に保持すると、蒸着材料へのわずかな酸素や水の付着でさえ防止することができる。
【0072】
この状態で発光装置メーカー619へ搬送され、第1の容器611を直接処理室613へ設置する。その後、加熱により蒸着材料は昇華し、蒸着膜616の成膜が行われる。
【0073】
次に、図8及び図9を用いて、第2の容器に密閉されて搬送される第1の容器611を成膜室806へ設置する機構を説明する。なお、図8及び図9は第1の容器の搬送途中を示すものである。
【0074】
図8(A)は、第1の容器又は第2の容器を載せる台804と、蒸着源ホルダ803と、台804と蒸着源ホルダ803とを載せ移動させる手段807と、第1の容器を搬送するための搬送手段802とを有する設置室(ロードロック室ともいう)805の上面図が記載され、図8(B)は設置室の斜視図が記載される。また、設置室805は成膜室806と隣り合うように配置され、ガス導入口を介して雰囲気を制御する手段により設置室の雰囲気を制御することが可能である。なお、本発明の搬送手段は、図8に記載されるように第1の容器の側面を挟んで搬送する構成に限定されるものではなく、第1の容器の上方から、該第1の容器を挟んで(つまんで)搬送する構成でも構わない。
【0075】
このような設置室805に、留め具702を外した状態で第2の容器を台804上に配置する。次いで、雰囲気を制御する手段により、設置室805内を減圧状態とする。設置室内の圧力と第2の容器内の圧力とが等しくなるとき、容易に第2の容器は開封できる状態となる。そして搬送手段802により、第2容器の上部621aを取り外し、第1の容器611は蒸着源ホルダ803に設置される。なお図示しないが、取り外した上部621aを配置する箇所は適宜設けられる。そして、移動手段807が移動(スライド)し、蒸着源ホルダ803は設置室805から成膜室806へ移動する。
【0076】
その後、蒸着源ホルダ803に設けられた加熱手段により、蒸着材料は昇華され、成膜が開始される。この成膜時に、蒸着源ホルダ803に設けられたシャッター(図示しない)が開くと、昇華した蒸着材料は基板の方向へ飛散し、基板に蒸着され、発光層(正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層を含む)が形成される。
【0077】
そして、蒸着が完了した後、蒸着源ホルダ803は設置室805に戻り、搬送手段802により、蒸着源ホルダ803に設置された第1の容器611は、台804に設置された第2の容器の下部容器(図示しない)に移され、上部容器621aにより密閉される。このとき、第1の容器と、上部容器621aと、下部容器とは、搬送された組み合わせで密閉することが好ましい。この状態で、設置室805を大気圧とし、第2の容器を設置室から取り出し、留め具702を固定して材料メーカー618へ搬送される。
【0078】
なお、蒸着を開始する蒸着源ホルダと、蒸着が終了した蒸着源ホルダとの搬送を効率よくおこなうため、移動手段807は回転する機能を有してもよい。また搬送手段802は、蒸着源ホルダに設置される第1の容器の数のアームを有してもよく、搬送手段802を複数設けてもよい。
【0079】
また、移動手段807のかわりに、台804と蒸着源ホルダ803との間に回転する台(回転台820)を配置し、蒸着を開始する前における第1の容器の蒸着源ホルダへの設置と、蒸着終了後における第1容器の第2容器への設置とを効率よく行うことができる。
【0080】
効率よく行う方法を、図17を用いて説明すると、前の蒸着源ホルダ803が蒸着を行っているとき、上述したように、次の第1の容器611(1〜4の番号を付している)を台804に設置し、次いで搬送手段により回転台820の一方に設置される。そして回転台820を180度回転させる。その後、蒸着が終了した蒸着源ホルダ803の第1の容器611は、搬送手段802により、蒸着源ホルダ803から取り外され、回転台820の他方へ設置される。このとき第1の容器611を反時計回りに90度回転させた後、回転台へ設置する。そして、回転台820を180度回転させる。そして、搬送手段により、回転台820の一方に設置される次の第1の容器を蒸着源ホルダ803に設置し、蒸着源ホルダは成膜室へ移動する。その後、搬送手段802により回転台820の他方に設置された第1の容器を台804に設置し、第2の容器で密閉し、設置室805から取り出す。このような構成により、蒸着を開始する前の第1容器の蒸着源ホルダへの設置と、蒸着終了後の第1容器の第2容器への設置とを効率よく行うことができる。
【0081】
なお、搬送手段802は、第1の容器の側面を挟む機構を有しても、上面、すなわち蓋を挟む機構を有する機能を有していてもよい。更に回転台に加熱手段を設け、蒸着源ホルダ内の材料の予備加熱を行ってもよい。
また蒸着源ホルダに設置される水晶振動子の交換等のメンテナンスを設置室で行うことができる。
【0082】
図20では、別の蒸着前及び蒸着後第1の容器の交換を行う場合を説明する。
【0083】
図20に示す設置室805は、第2の容器の蓋を開けるための第1の搬送手段825と、第2の容器から第1の容器を取り出し、蒸着源ホルダに設置するための第2の搬送手段826とを有することを特徴とする。第1及び第2の搬送手段は、それぞれつまみ823を有している。
【0084】
まず、回転台に固定された第2の容器の蓋を開け、回転台820を回転軸821により半回転させる。そして第2の搬送手段を用いて、蓋の開いた第2の容器から第1の容器を取り出し、開閉窓824を開けて成膜室806に設けられている蒸着源ホルダへ搬送し、設置する。開閉窓を開ける場合は、設置室及び成膜室は同程度の減圧状態に保持された状態とし、成膜室の不純物汚染を防止する。そして開閉窓を閉めた後、蒸着源ホルダ803が移動し、成膜室に設置される基板822に対する蒸着が開始される。
【0085】
成膜室806で蒸着が行われている間に、設置室を大気圧開放し、新たな蒸着材料が封入された第2の容器を回転台820に設置し、設置室を再び減圧状態とする。このとき回転軸により、空の回転台が手前になるようにするとよい。
【0086】
その後、第2の搬送手段826を用いて蒸着が終了した第1の容器を回転台の第2の容器へ戻し、第1の搬送手段825が狭持している蓋を閉める。次いで第1の搬送手段825により、新たな第2の容器の蓋を開け、第2の搬送手段826により第1の容器を取り出し、蒸着源ホルダに設置する。そして成膜室で蒸着が行われている間に、設置室を大気圧とし使用済みの第1及び第2の容器を取り出し、新たな第1及び第2の容器を設置する。
【0087】
以上のように、材料が封入される第1の容器を大気に曝さず、且つ効率よく第1及び第2の容器の交換を行うことができる。
【0088】
次に、図8、図17、及び図20とは別の方法で、第2の容器に密閉されて搬送される複数の第1の容器を複数の蒸着源ホルダに設置する機構を、図9を用いて説明する。
【0089】
図9(A)は、第1の容器又は第2の容器を載せる台904と、複数の蒸着源ホルダ903と、第1の容器を搬送するための複数の搬送手段902と、回転台907とを有する設置室905の上面図が記載され、図9(B)は設置室905の斜視図が記載される。また、設置室905は成膜室906と隣り合うように配置され、ガス導入口を介して雰囲気を制御する手段により設置室の雰囲気を制御することが可能である。
【0090】
このような回転台907や複数の搬送手段902により、複数の第1の容器611を複数の蒸着源ホルダ905に設置し、成膜が完了した複数の蒸着源ホルダから複数の第1の容器611を台904に移す作業を効率よく行うことができる。このとき、第1の容器611は搬送されてきた第2の容器に設置されることが好ましい。
【0091】
以上のような蒸着装置で形成された蒸着膜は、不純物を極限まで低くすることができ、この蒸着膜を用いて発光素子を完成させた場合、高い信頼性や輝度を実現することができる。またこのような製造システムにより、材料メーカーで封入された容器を直接蒸着装置に設置できるため、蒸着材料が酸素や水の付着を防止でき、今後のさらなる発光素子の超高純度化への対応が可能となる。また、蒸着材料の残留を有する容器を再度精製することにより、材料の無駄をなくすことができる。更に、第1の容器及び第2の容器は再利用することができ、低コスト化を実現することができる。
【0092】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0093】
(実施例1)
本実施例では、絶縁表面を有する基板上にTFTを形成し、更に発光素子であるEL素子を形成する例を図10に示す。本実施例では画素部においてEL素子と接続される一つのTFTの断面図を示す。
【0094】
まず図10(A)に示すように、絶縁表面を有する基板200上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜の積層からなる下地絶縁膜201を形成する。ここでは下地絶縁膜201として2層構造を用いるが、前記絶縁膜の単層膜又は2層以上積層させた構造を用いても良い。下地絶縁膜の一層目としては、プラズマCVD法を用い、SiH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される酸化窒化シリコン膜を10〜200nm(好ましくは50〜100nm)形成する。ここでは、膜厚50nmの酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=27%、N=24%、H=17%)を形成する。次いで、下地絶縁膜のニ層目としては、プラズマCVD法を用い、SiH4及びN2Oを反応ガスとして成膜される酸化窒化シリコン膜を50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成する。ここでは、膜厚100nmの酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を形成する。
【0095】
次いで、下地絶縁膜201上に半導体層を形成する。半導体層は、非晶質構造を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、又はプラズマCVD法等)により成膜した後、結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、又はニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行って得られた結晶質半導体膜を所望の形状にパターニングして形成する。この半導体層の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコン又はシリコンゲルマニウム合金などで形成すると良い。
【0096】
また、レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製する場合には、パルス発振型又は連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用いることができる。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザーを用いる場合はパルス発振周波数を30Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜400mJ/cm2(代表的には200〜300mJ/cm2)とする。また、YAGレーザーを用いる場合にはその第2高調波を用いパルス発振周波数を1〜10kHzとし、レーザーエネルギー密度を300〜600mJ/cm2(代表的には350〜500mJ/cm2)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を50〜98%として行えばよい。
【0097】
次いで、フッ酸を含むエッチャントで半導体層の表面を洗浄し、半導体層を覆うゲート絶縁膜202を形成する。ゲート絶縁膜202はプラズマCVD法又はスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により115nmの厚さで酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。勿論、ゲート絶縁膜202は酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層又は積層構造として用いても良い。
【0098】
次いで、ゲート絶縁膜202の表面を洗浄した後、ゲート電極210を形成する。
【0099】
次いで、半導体にp型を付与する不純物元素(Bなど)、ここではボロンを適宜添加して、ソース領域211及びドレイン領域212を形成する。不純物元素を添加した後、不純物元素を活性化するために加熱処理、強光の照射、又はレーザー光の照射を行う。また、活性化と同時にゲート絶縁膜へのプラズマダメージやゲート絶縁膜と半導体層との界面へのプラズマダメージを回復することができる。特に、室温〜300℃の雰囲気中において、表面又は裏面からエキシマレーザーを用いて不純物元素を活性化させる。またYAGレーザーの第2高調波を照射して活性化させてもよく、YAGレーザーはメンテナンスが少なくて済むため好ましい活性化手段である。
【0100】
以降の工程は、水素化を行った後、有機材料又は無機材料からなる(例えば、感光性有機樹脂からなる)絶縁物213aを形成し、その後、窒化アルミニウム膜、AlNXYで示される窒化酸化アルミニウム膜、又は窒化珪素膜からなる第1の保護膜213bを形成する。なお、AlNXYで示される膜は、AlN又はAlからなるターゲットを用いたRFスパッタ法により、前記ガス導入系から酸素又は窒素又は希ガスを導入して成膜すればよい。AlNXYで示される層中に窒素を数atom%以上、好ましくは2.5〜47.5atom%含む範囲であればよく、酸素を47.5atom%以下、好ましくは、0.01〜20atom%未満であればよい。次いで、ソース領域211、又はドレイン領域212に達するコンタクトホールを形成する。次いで、ソース電極(配線)215、ドレイン電極214を形成してTFT(pチャネル型TFT)を完成させる。このTFTがOLED(Organic Light Emitting Device)に供給する電流を制御するTFTとなる。
【0101】
また、本実施例のTFT構造に限定されず、必要があればチャネル形成領域とドレイン領域(又はソース領域)との間にLDD領域を有する低濃度ドレイン(LDD:Lightly Doped Drain)構造としてもよい。この構造はチャネル形成領域と、高濃度に不純物元素を添加して形成するソース領域又はドレイン領域との間に低濃度に不純物元素を添加した領域を設けたものであり、この領域をLDD領域と呼んでいる。更にゲート絶縁膜を介してLDD領域をゲート電極と重ねて配置させた、いわゆるGOLD(Gate-drain Overlapped LDD)構造としてもよい。なお、ゲート電極を積層構造とし、上部ゲート電極と、下部ゲート電極とのテーパ角を異なるようにエッチングし、ゲート電極をマスクとしたセルフアラインでLDD構造やGOLD構造を形成すると好ましい。
【0102】
また、本実施例ではpチャネル型TFTを用いて説明したが、p型不純物元素に代えてn型不純物元素(P、As等)を用いることによってnチャネル型TFTを形成することができることは言うまでもない。
【0103】
次いで、画素部において、ドレイン領域と接する接続電極に接する第1の電極217をマトリクス状に配置する。この第1の電極217は、発光素子の陽極又は陰極となる。次いで、第1の電極217の端部を覆う絶縁物(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)216を形成する。絶縁物216は、感光性の有機樹脂を用いる。例えば、絶縁物216の材料としてネガ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物216の上端部に第1の曲率半径を有する曲面を有し、前記絶縁物の下端部に第2の曲率半径を有する曲面を有しており、前記第1の曲率半径及び前記第2の曲率半径は、0.2μm〜3μmとすることが好ましい。次いで、画素部に有機化合物を含む層218を形成し、その上に第2の電極219を形成してEL素子を完成させる。この第2の電極219は、EL素子の陰極、又は陽極となる。
【0104】
また、第1の電極217の端部を覆う絶縁物216を窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜、又は窒化珪素膜からなる第2の保護膜で覆ってもよい。
【0105】
例えば、絶縁物216の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合例を図10(B)に示す。ポジ型の感光性アクリルを用いた絶縁物316aの上端部のみに曲率半径を有する曲面を有しており、更にこの絶縁物316aを窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜、又は窒化珪素膜からなる第2の保護膜316bで覆う。
【0106】
次に、第1の電極217を陽極とする場合、第1の電極217の材料として、仕事関数の大きい金属(Pt、Cr、W、Ni、Zn、Sn、In)を用い、端部を絶縁物(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)216や316で覆った後、実施の形態1及び2で示した蒸着源ホルダと成膜室とを有する蒸着装置を用いて、絶縁物216や316a,bに合わせて蒸着源を移動させながら蒸着を行う。例えば、真空度が5×10-3Torr(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6Paまで真空排気された成膜室で蒸着を行う。蒸着の際、抵抗加熱により、予め有機化合物は気化されており、蒸着時にシャッターが開くことにより基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛散し、メタルマスクに設けられた開口部を通って基板に蒸着され、発光層(正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層を含む)が形成される。
【0107】
また蒸着法により発光素子全体として白色を示す有機化合物を含む層を形成する場合、各発光層を積層することにより形成することができる。例えば、Alq3、部分的に赤色発光色素であるナイルレッドをドープしたAlq3、p−EtTAZ、TPD(芳香族ジアミン)を順次積層することで白色を得ることができる。
【0108】
また、蒸着法を用いる場合、実施の形態3に示したように、成膜室には蒸着材料であるEL材料が予め材料メーカーで収納されている第1の容器(代表的にはルツボ)を設置することが好ましい。設置する際には大気に触れることなく行うことが好ましく、ルツボは第2の容器に密閉した状態のまま成膜室に導入することが好ましい。望ましくは、成膜室に連結して真空排気手段を有するチャンバー(設置室)を備え、そこで真空、又は不活性ガス雰囲気で第2の容器からルツボを取り出して、成膜室にルツボを設置する。こうすることにより、ルツボ及び該ルツボに収納されたEL材料を汚染から防ぐことができる。
【0109】
次いで、上記発光層上に、第2の電極219を陰極として形成する。この第2の電極219は、仕事関数の小さい金属(Li、Mg、Cs)を含む薄膜と、その上に積層した透明導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層膜で形成すると好ましい。また、陰極の低抵抗化を図るため、絶縁物216上に補助電極を設けてもよい。こうして得られる発光素子は、白色発光を示す。なお、ここでは蒸着法により有機化合物を含む層218を形成した例を示したが、特に限定されず、塗布法(スピンコート法、インクジェット法など)により形成してもよい。
【0110】
また、本実施例では、有機化合物層として低分子材料からなる層を積層した例を示したが、高分子材料からなる層と、低分子材料からなる層とを積層してもよい。
【0111】
なお、TFTを有するアクティブマトリクス型発光装置は、光の放射方向で2通りの構造が考えられる。一つは、発光素子からの発光が第2の電極を透過して観測者の目に入る構造である。発光素子からの発光が第2の電極を透過して観測者の目に入る構造とする場合、上述の工程を用いて作製することができる。
【0112】
もう一つの構造は、発光素子からの発光が第1の電極及び基板を透過して観測者の目に入るものである。発光素子からの発光が第1の電極を透過して観測者の目に入る構造とする場合、第1の電極217は透光性を有する材料を用いることが望ましい。例えば、第1の電極217を陽極とする場合、第1の電極217の材料として、透明導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)を用い、端部を絶縁物(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)216で覆った後、有機化合物を含む層218を形成し、その上に金属膜(MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、CaNなどの合金、又は周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸着法により形成した膜)からなる第2の電極219を陰極として形成すればよい。陰極形成の際には蒸着による抵抗加熱法を用い、蒸着マスクを用いて選択的に形成すればよい。
【0113】
以上の工程で第2の電極219までを形成した後は、基板200上に形成された発光素子を封止するためにシール剤により封止基板を貼り合わせる。
【0114】
また、本実施例ではトップゲート型TFTを例として説明したが、TFT構造に関係なく本発明を適用することが可能であり、例えばボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能である。
【0115】
例えばボトムゲート型は図19に示すように、基板50上に、下地絶縁膜51、ゲート電極52、ゲート絶縁膜53、不純物領域及びチャネル形成領域を有する半導体膜54、層間絶縁膜55を形成し、不純物領域に対応する位置の層間絶縁膜にコンタクトホールを形成し、コンタクトホールにソース・ドレイン配線56を形成する。以下図10と同様に、ソース・ドレイン配線の端部を覆う第1の電極57、第1の電極の端部を覆う絶縁膜58、絶縁膜を覆う保護膜59、有機化合物を有する層60、第2の電極61を形成する。なお図19では、層間絶縁膜55に無機材料を用い、絶縁膜58に有機材料を用いるため、絶縁膜を覆う保護膜59として窒化珪素等の窒素を有する絶縁膜を設けている。
【0116】
このようなボトムゲート型を、非晶質半導体膜を有するTFTに用いる場合、結晶化のプロセスが不要なので、耐熱性の低いアルミニウム等の材料をゲート電極に用いることが可能となる。
【0117】
次に、アクティブマトリクス型発光装置の全体の外観図について図11に説明する。なお、図11(A)は、発光装置を示す上面図、図11(B)は図11(A)をA−A’で切断した断面図である。基板1110上にソース側駆動回1101と、画素部1102と、ゲート側駆動回路1103を有している。また、封止基板1104と、シール剤1105と、基板1110とで囲まれた内側は、空間1107になっている。
【0118】
なお、ソース側駆動回路1101及びゲート側駆動回路1103に入力される信号を伝送するための配線1108は、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)1109からビデオ信号やクロック信号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
【0119】
次に、断面構造について図11(B)を用いて説明する。基板1110上には駆動回路及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路としてソース側駆動回路1101と画素部1102が示されている。
【0120】
なお、ソース側駆動回路1101はnチャネル型TFT1123とpチャネル型TFT1124とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、CMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成してもよい。また、本実施例では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
【0121】
また、画素部1102はスイッチング用TFT1111と、電流制御用TFT1112とそのドレインに電気的に接続された第1の電極(陽極)1113を含む複数の画素により形成される。
【0122】
また、第1の電極(陽極)1113の両端には絶縁膜1114が形成され、第1の電極(陽極)1113上には有機化合物を含む層1115が形成される。有機化合物を含む層1115は、実施の形態1及び2で示した蒸着装置を用いて、絶縁膜1114に合わせて蒸着源ホルダを移動させて形成する。更に、有機化合物を含む層1115上には第2の電極(陰極)1116が形成される。これにより、第1の電極(陽極)1112、有機化合物を含む層1115、及び第2の電極(陰極)1116からなる発光素子1118が形成される。ここでは発光素子1118は白色発光とする例であるので着色層、例えばカラーフィルター1131と遮光層(BM)1132と(簡略化のため、ここではオーバーコート層は図示しない)が設けている。なお図18に白色発光素子にカラーフィルター、若しくはカラーフィルター及び色変換層、又は青色発光素子に色変換層を設ける例を示すように、色変換層とカラーフィルターとを重ねて設けてもよく、色変換層を設けてもよい。
【0123】
なお、図18は、発光素子からの発光が第2の電極を透過して観測者の目に入る構造を示すため、カラーフィルターは封止基板側1104に配置されるが、発光素子からの発光が第1の電極を透過して観測者の目に入る構造の場合、カラーフィルターは基板1110の側に配置すればよい。
【0124】
また、第2の電極(陰極)1116は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線1108を経由してFPC1109に電気的に接続されている。また、絶縁膜1114上には第3の電極(補助電極)1117が形成されており、第2の電極の低抵抗化を実現している。
【0125】
また、基板1110上に形成された発光素子1118を封止するためにシール剤1105により封止基板1104を貼り合わせる。なお、封止基板1104と発光素子1118との間隔を確保するために樹脂膜からなるスペーサを設けても良い。そして、シール剤1105の内側の空間1107には窒素等の不活性気体が充填されている。なお、シール剤1105としてはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、シール剤1105はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。更に、空間1107の内部に酸素や水を吸収する効果をもつ物質を含有させても良い。
【0126】
また、本実施例では封止基板1104を構成する材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass-Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステル又はアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。また、シール剤1105を用いて封止基板1104を接着した後、更に側面(露呈面)を覆うようにシール剤で封止することも可能である。
【0127】
以上のようにして発光素子を封入することにより、発光素子を外部から完全に遮断することができ、外部から水分や酸素といった有機化合物層の劣化を促す物質が侵入することを防ぐことができる。従って、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
【0128】
また、本実施例は実施の形態1乃至3と自由に組み合わせることができる。
【0129】
(実施例2)
本実施例では第1の電極から封止までの作製を全自動化したマルチチャンバー方式の製造装置の例を図12に示す。
【0130】
図12は、ゲート100a〜100xと、仕込室101と、取出室119と、搬送室102、104a、108、114、118と、受渡室105、107、111と、成膜室106R、106B、106G、106H、106E、109、110、112、113と、蒸着源を設置する設置室126R、126G、126B、126E、126Hと、前処理室103と、封止基板ロード室117と、封止室116と、カセット室111a、111bと、トレイ装着ステージ121と、洗浄室122と、ベーク室123と、マスクストック室124とを有するマルチチャンバーの製造装置である。
【0131】
以下、予め薄膜トランジスタと、陽極、陽極の端部を覆う絶縁物とが設けられた基板を図12に示す製造装置に搬入し、発光装置を作製する手順を示す。
【0132】
まず、カセット室120a又はカセット室120bに上記基板をセットする。基板が大型基板(例えば300mm×360mm)である場合はカセット室120a又は120bにセットし、通常基板(例えば、127mm×127mm)である場合には、トレイ装着ステージ121に搬送し、トレイ(例えば300mm×360mm)に複数の基板をセットする。
【0133】
次いで、複数の薄膜トランジスタと、陽極、陽極の端部を覆う絶縁物とが設けられた基板を搬送室118に搬送し、更に洗浄室122に搬送し、溶液で基板表面の不純物(微粒子など)を除去する。洗浄室122において洗浄する場合には、大気圧下で基板の被成膜面を下向きにしてセットする。次いで、乾燥させるためにベーク室123に搬送し、加熱を行って溶液を気化させる。
【0134】
次いで、成膜室112に搬送し、予め複数の薄膜トランジスタと、陽極、陽極の端部を覆う絶縁物とが設けられた基板上に、正孔注入層として作用する有機化合物層を全面に形成する。本実施例では、銅フタロシアニン(CuPc)を20nm成膜した。また、正孔注入層としてPEDOTを形成する場合は、成膜室112にスピンコータを設けておき、スピンコート法により形成すればよい。なお、成膜室112においてスピンコート法で有機化合物層を形成する場合には、大気圧下で基板の被成膜面を上向きにしてセットする。このとき、水や有機溶剤を溶媒として用いた成膜を行った後は、焼成を行うためにベーク室123に搬送し、真空中での加熱処理を行って水分を気化させる。
【0135】
次いで、基板搬送機構が設けられた搬送室118から仕込室101に搬送する。本実施例の製造装置では、仕込室101には、基板反転機構が備わっており、基板を適宜反転させることができる。仕込室101は、真空排気処理室と連結されており、真空排気した後、不活性ガスを導入して大気圧にしておくことが好ましい。
【0136】
次いで仕込室101に連結された搬送室102に搬送する。搬送室102内には極力水分や酸素が存在しないよう、予め、真空排気して真空を維持しておくことが好ましい。
【0137】
また、上記の真空排気処理室としては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオポンプ、又はドライポンプが備えられている。これにより仕込室と連結された搬送室の到達真空度を10-5〜10-6Paにすることが可能であり、更にポンプ側及び排気系からの不純物の逆拡散を制御することができる。装置内部に不純物が導入されるのを防ぐため、導入するガスとしては、窒素や希ガス等の不活性ガスを用いる。装置内部に導入されるこれらのガスは、装置内に導入される前にガス精製機により高純度化されたものを用いる。従って、ガスが高純度化された後に蒸着装置に導入されるようにガス精製機を備えておく必要がある。これにより、ガス中に含まれる酸素や水、その他の不純物を予め除去することができるため、装置内部にこれらの不純物が導入されるのを防ぐことができる。
【0138】
また、不用な箇所に形成された有機化合物を含む膜を除去したい場合には、前処理室103に搬送し、メタルマスクを用いて有機化合物膜の積層を選択的に除去すればよい。前処理室103はプラズマ発生手段を有しており、Ar、H、F、及びOから選ばれた一種又は複数種のガスを励起してプラズマを発生させることによって、ドライエッチングを行う。また、基板に含まれる水分やその他のガスを除去するために、脱気のためのアニールは真空中で行うことが好ましく、搬送室102に連結された前処理室103に搬送し、そこでアニールを行ってもよい。
【0139】
次いで、大気にふれさせることなく、搬送室102から受渡室105へ、受渡室105から搬送室104aへ、基板を搬送する。そして、全面に設けられた正孔注入層(CuPc)上に、正孔輸送層や発光層となる低分子からなる有機化合物層を形成する。発光素子全体として、単色(具体的には白色)、或いはフルカラー(具体的には赤色、緑色、青色)の発光を示す有機化合物層を形成することができるが、本実施例では赤色、緑色、青色の発光を示す有機化合物層を、蒸着法により、各成膜室106R、106G、106Bにて形成する例を説明する。
【0140】
まず、各成膜室106R、106G、106Bについて説明する。各成膜室106R、106G、106Bには、実施の形態1及び2に記載した移動可能な蒸着源ホルダが設置されている。この蒸着源ホルダは複数用意されており、第1の蒸着源ホルダには、各色の正孔輸送層を形成するEL材料、第2の蒸着源ホルダには各色の発光層を形成するEL材料、第3の蒸着源ホルダには各色の電子輸送層を形成するEL材料、第4の蒸着源ホルダには各色の電子注入層を形成するEL材料が封入され、この状態で各成膜室106R、106G、106Bに設置されている。
【0141】
これら各成膜室への設置は、実施の形態3に記載した製造システムを用い、EL材料が予め材料メーカーで収納されている容器(代表的にはルツボ)を直接成膜室に設置することが好ましい。更に設置する際には大気に触れることなく行うことが好ましく、材料メーカーから搬送する際、ルツボは第2の容器に密閉した状態のまま成膜室に導入することが好ましい。望ましくは、各成膜室106R、106G、106Bに連結した真空排気手段を有する設置室126R、126G、126Bを真空、又は不活性ガス雰囲気とし、この中で第2の容器からルツボを取り出して、成膜室にルツボを設置する。こうすることにより、ルツボ及び該ルツボに収納されたEL材料を汚染から防ぐことができる。
【0142】
次に、成膜工程について説明する。まず、マスクストック室124に収納されているメタルマスクが、成膜室106Rに搬送され、設置される。そして、マスクを用いて正孔輸送層を成膜する。本実施例では、α―NPDを60nm成膜した。その後、同一のマスクを用いて、赤色の発光層を成膜し、次いで電子輸送層、電子注入層を成膜する。本実施例では、発光層としてDCMが添加されたAlq3を40nm成膜し、電子輸送層としてAlq3を40nm成膜し、電子注入層としてCaF2を1nm成膜した。
【0143】
具体的に成膜室106Rでは、マスクが設置された状態で、正孔輸送層のEL材料が設置された第1の蒸着源ホルダ、発光層のEL材料が設置された第2の蒸着源ホルダ、電子輸送層のEL材料が設置された第3の蒸着源ホルダ、電子注入層が設置された第4の蒸着源ホルダが順に移動し、成膜が行われる。また、成膜の際、抵抗加熱により有機化合物は気化されており、成膜時には、蒸着源ホルダに備えられたシャッター(図示しない)が開くことにより基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛散し、適宜設置するメタルマスク(図示しない)に設けられた開口部(図示しない)を通って基板に蒸着し、成膜される。
【0144】
このようにして、大気開放することなく、一つの成膜室において、赤色に発光する発光素子(正孔輸送層から電子注入層)を形成することができる。なお、一つの成膜室において、連続して成膜する層は、正孔輸送層から電子注入層に限定されるものではなく、実施者が適宜設定すればよい。
【0145】
そして、赤色の発光素子が形成された基板は、搬送機構104bにより、成膜室106Gへ搬送される。またマスクストック室124から収納されているメタルマスクが成膜室106Gへ搬送され、設置される。なおマスクは、赤色の発光素子を形成したときのマスクを利用しても構わない。そして、マスクを用いて正孔輸送層を成膜する。本実施例では、α―NPDを60nm成膜した。その後、同一のマスクを用いて、緑色の発光層を成膜し、次いで電子輸送層、電子注入層を成膜する。本実施例では、発光層としてDMQDが添加されたAlq3を40nm成膜し、電子輸送層としてAlq3を40nm成膜し、電子注入層としてCaF2を1nm成膜した。
【0146】
具体的に成膜室106Gでは、マスクが設置された状態で、正孔輸送層のEL材料が設置された第1の蒸着源ホルダ、発光層のEL材料が設置された第2の蒸着源ホルダ、電子輸送層のEL材料が設置された第3の蒸着源ホルダ、電子注入層が設置された第4の蒸着源ホルダが順に移動し、成膜が行われる。また、成膜の際、抵抗加熱により有機化合物は気化されており、成膜時には、蒸着源ホルダに備えられたシャッター(図示しない)が開くことにより基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛散し、適宜設置するメタルマスク(図示しない)に設けられた開口部(図示しない)を通って基板に蒸着し、成膜される。
【0147】
このようにして、大気開放することなく、一つの成膜室において、緑色に発光する発光素子(正孔輸送層から電子注入層)を形成することができる。なお、一つの成膜室において、連続して成膜する層は、正孔輸送層から電子注入層に限定されるものではなく、実施者が適宜設定すればよい。
【0148】
そして、緑色の発光素子が形成された基板は、搬送機構104bにより、成膜室106Bへ搬送される。またマスクストック室124から収納されているメタルマスクが成膜室106Bへ搬送され、設置される。なおマスクは、赤色又は緑色の発光素子を形成したときのマスクを利用しても構わない。そして、マスクを用いて正孔輸送層及び青色の発光層として機能する膜を成膜する。本実施例では、α―NPDを60nm成膜した。その後、同一のマスクを用いて、ブロッキング層を成膜し、次いで電子輸送層、電子注入層を成膜する。本実施例では、ブロッキング層としてBCPを10nm成膜し、電子輸送層としてAlq3を40nm成膜し、電子注入層としてCaF2を1nm成膜した。
【0149】
具体的に成膜室106Bでは、マスクが設置された状態で、正孔輸送層及び青色の発光層のEL材料が設置された第1の蒸着源ホルダ、ブロッキング層のEL材料が設置された第2の蒸着源ホルダ、電子輸送層のEL材料が設置された第3の蒸着源ホルダ、電子注入層が設置された第4の蒸着源ホルダが順に移動し、成膜が行われる。また、成膜の際、抵抗加熱により有機化合物は気化されており、成膜時には、蒸着源ホルダに備えられたシャッター(図示しない)が開くことにより基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛散し、適宜設置するメタルマスク(図示しない)に設けられた開口部(図示しない)を通って基板に蒸着し、成膜される。
【0150】
このようにして、大気開放することなく、一つの成膜室において、緑色に発光する発光素子(正孔輸送層から電子注入層)を形成することができる。なお、一つの成膜室において、連続して成膜する層は、正孔輸送層から電子注入層に限定されるものではなく、実施者が適宜設定すればよい。
【0151】
なお、各色を成膜する順序は本実施例に限定されるものではなく、実施者が適宜設定すればよい。また、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等は、各色で共有することも可能である。例えば成膜室106Hで赤色、緑色、青色の発光素子に共通する正孔注入層又は正孔輸送層を形成し、各成膜室106R、106G、106Bで各色の発光層を形成し、成膜室106Eで赤色、緑色、青色の発光素子に共通する電子輸送層又は電子注入層を形成してもよい。また、各成膜室において単色(具体的には白色)の発光を示す有機化合物層を形成することも可能である。
【0152】
なお、各成膜室106R、106G、106Bでは同時に成膜を行うことが可能であり、順に各成膜室を移動することにより、効率よく発光素子を形成することができ、発光装置のタクトは向上する。更には、ある成膜室がメンテナンスを行っている場合、残りの成膜室で各発光素子を形成することができ、発光装置のスループットは向上する。
【0153】
また蒸着法を用いる場合、例えば、真空度が5×10-3Torr(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6Paまで真空排気された成膜室で蒸着を行うことが好ましい。
【0154】
次いで、搬送室104aから受渡室107に基板を搬送した後、更に、大気にふれさせることなく、受渡室107から搬送室108に基板を搬送する。搬送室108内に設置されている搬送機構により、基板を成膜室110に搬送し、非常に薄い金属膜(MgAg、MgIn、AlLi、CaNなどの合金、又は周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸着法により形成した膜)からなる陰極(下層)を、抵抗加熱を用いた蒸着法で形成する。薄い金属層からなる陰極(下層)を形成した後、成膜室109に搬送してスパッタ法により透明導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)からなる陰極(上層)を形成し、薄い金属層と透明導電膜との積層からなる陰極を適宜形成する。
【0155】
以上の工程で図10に示す積層構造の発光素子が形成される。
【0156】
次いで、大気に触れることなく、搬送室108から成膜室113に搬送して窒化珪素膜、又は窒化酸化珪素膜からなる保護膜を形成する。ここでは、成膜室113内に、珪素からなるターゲット、又は酸化珪素からなるターゲット、又は窒化珪素からなるターゲットを備えたスパッタ装置とする。例えば、珪素からなるターゲットを用い、成膜室雰囲気を窒素雰囲気又は窒素とアルゴンを含む雰囲気とすることによって窒化珪素膜を形成することができる。
【0157】
次いで、発光素子が形成された基板を大気に触れることなく、搬送室108から受渡室111に搬送し、更に受渡室111から搬送室114に搬送する。次いで、発光素子が形成された基板を搬送室114から封止室116に搬送する。なお、封止室116には、シール材が設けられた封止基板を用意しておくことが好ましい。
【0158】
封止基板は、封止基板ロード室117に外部からセットし、用意される。なお、水分などの不純物を除去するために予め真空中でアニール、例えば、封止基板ロード室117内でアニールを行うことが好ましい。そして、封止基板に発光素子が設けられた基板と貼り合わせるためのシール材を形成する場合には、搬送室108を大気圧とした後、封止基板を封止基板ロード室と搬送室114との間でシール材を形成し、シール材を形成した封止基板を封止室116に搬送する。なお、封止基板ロード室において、封止基板に乾燥剤を設けてもよい。
【0159】
次いで、発光素子が設けられた基板の脱ガスを行うため、真空又は不活性雰囲気中でアニールを行った後、シール材が設けられた封止基板と、発光素子が形成された基板とを貼り合わせる。また、密閉された空間には窒素又は不活性気体を充填させる。なお、ここでは、封止基板にシール材を形成した例を示したが、特に限定されず、発光素子が形成された基板にシール材を形成してもよい。
【0160】
次いで、貼り合わせた一対の基板を封止室116に設けられた紫外線照射機構によってUV光を照射してシール材を硬化させる。なお、ここではシール材として紫外線硬化樹脂を用いたが、接着材であれば、特に限定されない。
【0161】
次いで、貼り合わせた一対の基板を封止室116から搬送室114、そして搬送室114から取出室119に搬送して取り出す。
【0162】
以上のように、図12に示した製造装置を用いることで完全に発光素子を密閉空間に封入するまで大気に曝さずに済むため、信頼性の高い発光装置を作製することが可能となる。なお、搬送室114においては、真空と、大気圧での窒素雰囲気とを繰り返すが、搬送室102、104a、108は常時、真空が保たれることが望ましい。
【0163】
なお、インライン方式の製造装置とすることも可能である。
【0164】
また、図12に示す製造装置に、陽極として透明導電膜を搬入し、上記積層構造による発光方向とは逆方向である発光素子を形成することも可能である。
【0165】
また、本実施例は実施の形態1から3、実施例1と自由に組み合わせることができる。
【0166】
(実施例3)
本実施例では、実施例2とは異なる第1の電極から封止までの作製を全自動化したマルチチャンバー方式の製造装置の例を図13に示す。
【0167】
図13は、ゲート100a〜100sと、取出室119と、搬送室104a、108、114、118と、受渡室105、107と、仕込室101と、第1成膜室106Aと、第2成膜室106Bと、第3成膜室106Cと、第4成膜室106Dと、その他の成膜室109a、109b、113a、113bと、処理室120a、120bと、蒸着源を設置する設置室126A、126B、126C、126Dと、前処理室103a、103bと、第1封止室116a、第2封止室116bと、第1ストック室130a、第2ストック室130bと、カセット室111a、111bと、トレイ装着ステージ121と、洗浄室122と、を有するマルチチャンバーの製造装置である。
【0168】
以下、予め薄膜トランジスタと、陽極、陽極の端部を覆う絶縁物とが設けられた基板を図13に示す製造装置に搬入し、発光装置を作製する手順を示す。
【0169】
まず、カセット室111a又はカセット室111bに上記基板をセットする。基板が大型基板(例えば300mm×360mm)である場合はカセット室111a又は111bにセットし、通常基板(例えば、127mm×127mm)である場合には、トレイ装着ステージ121に搬送し、トレイ(例えば300mm×360mm)に複数の基板をセットする。
【0170】
次いで、複数の薄膜トランジスタと、陽極、陽極の端部を覆う絶縁物とが設けられた基板を搬送室118に搬送し、更に洗浄室122に搬送し、溶液で基板表面の不純物(微粒子など)を除去する。洗浄室122において洗浄する場合には、大気圧下で基板の被成膜面を下向きにしてセットする。
【0171】
また、不用な箇所に形成された有機化合物を含む膜を除去したい場合には、前処理室103に搬送し、有機化合物膜の積層を選択的に除去すればよい。前処理室103はプラズマ発生手段を有しており、Ar、H、F、及びOから選ばれた一種又は複数種のガスを励起してプラズマを発生させることによって、ドライエッチングを行う。また、基板に含まれる水分やその他のガスを除去するためやプラズマダメージを低減するために、真空中でアニールを行うことが好ましく、前処理室103に搬送し、そこでアニール(例えばUV照射)を行ってもよい。また、有機樹脂材料中に含まれる水分やその他のガスを除去するために、前処理室103にて基板を減圧雰囲気で加熱するとよい。
【0172】
次いで、基板搬送機構が設けられた搬送室118から仕込室101に搬送する。本実施例の製造装置では、仕込室101には、基板反転機構が備わっており、基板を適宜反転させることができる。仕込室101は、真空排気処理室と連結されており、真空排気した後、不活性ガスを導入して大気圧にしておくことが好ましい。
【0173】
次いで仕込室101に連結された搬送室104aに搬送する。搬送室104a内には極力水分や酸素が存在しないよう、予め、真空排気して真空を維持しておくことが好ましい。
【0174】
また、上記の真空排気処理室としては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオポンプ、又はドライポンプが備えられている。これにより仕込室と連結された搬送室の到達真空度を10-5〜10-6Paにすることが可能であり、更にポンプ側及び排気系からの不純物の逆拡散を制御することができる。装置内部に不純物が導入されるのを防ぐため、導入するガスとしては、窒素や希ガス等の不活性ガスを用いる。装置内部に導入されるこれらのガスは、装置内に導入される前にガス精製機により高純度化されたものを用いる。従って、ガスが高純度化された後に蒸着装置に導入されるようにガス精製機を備えておく必要がある。これにより、ガス中に含まれる酸素や水、その他の不純物を予め除去することができるため、装置内部にこれらの不純物が導入されるのを防ぐことができる。
【0175】
次いで、搬送室104aから第1乃至第4成膜室106A〜106Dへ基板が搬送される。そして、正孔注入層、正孔輸送層や発光層となる低分子からなる有機化合物層を形成する。
【0176】
発光素子全体として、単色(具体的には白色)、或いはフルカラー(具体的には赤色、緑色、青色)の発光を示す有機化合物層を形成することができるが、本実施例では、白色の発光を示す有機化合物層を各成膜室106A、106B、106C、106Dにて同時に成膜する例を説明する。なお、ここでいう同時に成膜するとは、各成膜室において成膜開始と成膜終了とがほぼ同時に成膜を行うことであり、ほぼ並列して(又は並行して)成膜処理が行われることを指す。
【0177】
なお、白色の発光を示す有機化合物層は、異なる発光色を有する発光層を積層する場合において、赤色、緑色、青色の3原色を含有する3波長タイプと、青色/黄色又は青緑色/橙色の補色の関係を用いた2波長タイプに大別されるが、本実施例では、この3波長タイプを用いて白色発光素子を得る例を説明する。
【0178】
まず、各成膜室106A、106B、106C、106Dについて説明する。各成膜室106A、106B、106C、106Dには、実施の形態1に記載した移動可能な蒸着源ホルダが設置されている。この蒸着源ホルダは複数用意されており、第1の蒸着源ホルダには白色発光層を形成する芳香族ジアミン(TPD)、第2の蒸着源ホルダには白色発光層を形成するp−EtTAZ、第3の蒸着源ホルダには白色発光層を形成するAlq3、第4の蒸着源ホルダには白色発光層を形成するAlq3に赤色発光色素であるNileRedを添加したEL材料、第5の蒸着源ホルダにはAlq3が封入され、この状態で各成膜室に設置されている。
【0179】
これら成膜室へのEL材料の設置は、実施の形態3に記載した製造システムを用いると好ましい。すなわち、EL材料が予め材料メーカーで収納されている容器(代表的にはルツボ)を用いて成膜を行うことが好ましい。更に設置する際には大気に触れることなく行うことが好ましく、材料メーカーから搬送する際、ルツボは第2の容器に密閉した状態のまま成膜室に導入されることが好ましい。望ましくは、各成膜室106A、106B、106C、106Dに連結した真空排気手段を有する設置室126A、126B、126C、126Dを真空、又は不活性ガス雰囲気とし、この中で第2の容器からルツボを取り出して、成膜室にルツボを設置する。こうすることにより、ルツボ及び該ルツボに収納されたEL材料を汚染から防ぐことができる。なお、設置室126A、126B、126C、126Dには、メタルマスクをストックしておくことも可能である。
【0180】
次に、成膜工程について説明する。成膜室106Aにおいて、上述の設置室から必要に応じ、マスクが搬送され設置される。その後、第1から第5の蒸着源ホルダが順に移動を開始し、基板に対して蒸着が行われる。具体的には、加熱により第1の蒸着源ホルダからTPDが昇華され、基板全面に蒸着される。その後、第2の蒸着源ホルダからp―EtTAZが昇華され、第3の蒸着源ホルダからAlq3が昇華され、第4の蒸着源ホルダからAlq3:NileRedが昇華され、第5の蒸着源ホルダからAlq3が昇華され、基板全面に蒸着される。
【0181】
また蒸着法を用いる場合、例えば、真空度が5×10-3Torr(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6Paまで真空排気された成膜室で蒸着を行うことが好ましい。
【0182】
なお、この各EL材料が設置された蒸着源ホルダは、各成膜室に設けられており、成膜室106Bから106Dにおいても、同様に蒸着が行われる。すなわち、並列に成膜処理を行うことが可能となる。そのため、ある成膜室がメンテナンスやクリーニングを行っていても、残りの成膜室において成膜処理が可能となり、成膜のタクトが向上し、強いては発光装置のスループットを向上することができる。
【0183】
次いで、搬送室104aから受渡室105に基板を搬送した後、更に、大気にふれさせることなく、受渡室105から搬送室108に基板を搬送する。
【0184】
次いで、搬送室108内に設置されている搬送機構により、基板を成膜室109a又は成膜室109bに搬送し、陰極を形成する。この陰極は、抵抗加熱を用いた蒸着法により形成される非常に薄い金属膜(MgAg、MgIn、AlLi、CaNなどの合金、又は周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸着法により形成した膜)からなる陰極(下層)と、スパッタ法により形成される透明導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)からなる陰極(上層)と積層膜で形成するとよい。そのため、この製造装置に薄い金属膜を形成する成膜室を配置すると好ましい。
【0185】
以上の工程で図10に示す積層構造の発光素子が形成される。
【0186】
次いで、大気に触れることなく、搬送室108から成膜室113a又は成膜室113bに搬送して窒化珪素膜、又は窒化酸化珪素膜からなる保護膜を形成する。ここでは、成膜室113a又は113b内には、珪素からなるターゲット、又は酸化珪素からなるターゲット、又は窒化珪素からなるターゲットが備えられている。例えば、珪素からなるターゲットを用い、成膜室雰囲気を窒素雰囲気又は窒素とアルゴンを含む雰囲気とすることによって窒化珪素膜を形成することができる。
【0187】
次いで、発光素子が形成された基板を大気に触れることなく、搬送室108から受渡室107に搬送し、更に受渡室107から搬送室114に搬送する。
【0188】
次いで、発光素子が形成された基板を搬送室114から処理室120a又は処理室120bへ搬送する。この処理室120a又は120bでは基板上にシール材を形成する。なお、本実施例では、シール材として紫外線硬化樹脂を用いるが、接着材であれば、特に限定されない。なお、シール材の形成は処理室120a、120bを大気圧とした後、行うとよい。そして、シール材が形成された基板は搬送室114を介して第1封止室116a、第2封止室116bへ搬送される。
【0189】
そして、第1ストック室130a、第2ストック室130bへは、カラーフィルターと遮光層(BM)とオーバーコート層が形成された封止基板が搬送される。またカラーフィルターではなく図18に示すようにカラーフィルターと色変換層が積層したものや色変換層を設けてもよい。その後、封止基板は第1封止室130a、又は第2封止室130bへ搬送される。
【0190】
次いで、真空又は不活性雰囲気中でアニールを行って、発光素子が設けられた基板の脱ガスを行った後、シール材が設けられた基板と、カラーフィルター等が形成された基板とを貼り合わせる。また、密閉された空間には窒素又は不活性気体を充填させる。なお、ここでは、基板にシール材を形成した例を示したが、特に限定されず、封止基板にシール材を形成してもよい。すなわち、封止基板にカラーフィルターと遮光層(BM)とオーバーコート層とシール材を形成した後、第1ストック室130a、第2ストック室130bへ搬送してもよい。
【0191】
次いで、貼り合わせた一対の基板を第1封止室116a又は第2封止室116bに設けられた紫外線照射機構によってUV光を照射してシール材を硬化させる。
【0192】
次いで、貼り合わせた一対の基板を封止室116から搬送室114、そして搬送室114から取出室119に搬送して取り出す。
【0193】
以上のように、図13に示した製造装置を用いることで完全に発光素子を密閉空間に封入するまで大気に曝さずに済むため、信頼性の高い発光装置を作製することが可能となる。なお、搬送室114においては、真空と、大気圧での窒素雰囲気とを繰り返すが、搬送室102、104a、108は常時、真空が保たれることが望ましい。
【0194】
なお、インライン方式の製造装置とすることも可能である。
【0195】
また、図13に示す製造装置に、陽極として透明導電膜を搬入し、上記積層構造による発光方向とは逆方向である発光素子を形成することも可能である。
【0196】
図15には図13と異なる製造装置の例を記載する。図13と同様に成膜を行えばよいので、詳しい成膜工程は省略するが、製造装置の構成で異なる点は、受渡室111と搬送室117が追加して設けられ、搬送室117に第2封止室116bと、第2ストック室130bと、成膜室(シール形成)120c、120dとが設けられる。すなわち図15では、全ての成膜室、封止室、ストック室はある搬送室と直接連結されているため、搬送を効率良く行い、更に発光装置の作製を並列して行うことができ、発光装置のスループットが向上する。
【0197】
また、本実施例の発光装置の並列処理方法は、実施例2と組み合わせることができる。すなわち、成膜室106R、106G、106Bを複数設けて、成膜処理を行えばよい。
【0198】
また、本実施例は実施の形態、実施例1と自由に組み合わせることができる。
【0199】
(実施例4)
本発明の発光装置を用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。特に、斜め方向から画面を見る機会が多い携帯情報端末は、視野角の広さが重要視されるため、発光装置を用いることが望ましい。それら電子機器の具体例を図16に示す。
【0200】
図16(A)は発光装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明の発光装置は表示部2003に用いることができる。また本発明により、図16(A)に示す発光装置が完成される。発光装置は自発光型であるためバックライトが必要なく、液晶ディスプレイよりも薄い表示部とすることができる。なお、発光装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用発光装置が含まれる。
【0201】
図16(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明の発光装置は表示部2102に用いることができる。また本発明により、図16(B)に示すデジタルスチルカメラが完成される。
【0202】
図16(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明の発光装置は表示部2203に用いることができる。また本発明により、図16(C)に示す発光装置が完成される。
【0203】
図16(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明の発光装置は表示部2302に用いることができる。また本発明により、図16(D)に示すモバイルコンピュータが完成される。
【0204】
図16(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示するが、本発明の発光装置はこれら表示部A、B2403、2404に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。また本発明により、図16(E)に示すDVD再生装置が完成される。
【0205】
図16(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明の発光装置は表示部2502に用いることができる。また本発明により、図16(F)に示すゴーグル型ディスプレイが完成される。
【0206】
図16(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609等を含む。本発明の発光装置は表示部2602に用いることができる。また本発明により、図16(G)に示すビデオカメラが完成される。
【0207】
ここで図16(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。本発明の発光装置は表示部2703に用いることができる。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電流を抑えることができる。また本発明により、図16(H)に示す携帯電話が完成される。
【0208】
なお、将来的に発光材料の発光輝度が高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる。
【0209】
また、上記電子機器はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増してきている。発光材料の応答速度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好ましい。
【0210】
【発明の効果】
本発明により、基板と蒸着源ホルダとの距離を短くでき、蒸着装置の小型化を達成することができる。そして、蒸着装置が小型となるため、昇華した蒸着材料が成膜室内の内壁、又は防着シールドへ付着することが低減され、蒸着材料を有効利用することができる。更に本発明の蒸着方法において、基板を回転させる必要がないため、大面積基板に対応可能な蒸着装置を提供することができる。
【0211】
また、本発明は、蒸着処理を行う複数の成膜室が連続して配置された製造装置を提供できる。このように、複数の成膜室において並列処理を行うため、発光装置のスループットが向上される。
【0212】
更に本発明は、蒸着材料が封入された容器を、大気に曝すことなく蒸着装置に直接設置することを可能とする製造システムを提供することができる。このような本発明により、蒸着材料の取り扱いが容易になり、蒸着材料への不純物混入を避けることができる。このような製造システムにより、材料メーカーで封入された容器を直接蒸着装置に設置できるため、蒸着材料が酸素や水の付着を防止でき、今後のさらなる発光素子の超高純度化への対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の蒸着装置を示す図。
【図2】 本発明の蒸着装置を示す図。
【図3】 本発明の容器を示す図。
【図4】 本発明の容器を示す図。
【図5】 本発明の蒸着源ホルダを示す図。
【図6】 本発明の製造システムを示す図。
【図7】 本発明の搬送容器を示す図。
【図8】 本発明の蒸着装置を示す図。
【図9】 本発明の蒸着装置を示す図。
【図10】 本発明の発光装置を示す図。
【図11】 本発明の発光装置を示す図。
【図12】 本発明の蒸着装置を示す図。
【図13】 本発明の蒸着装置を示す図。
【図14】 蒸着装置を示す図。
【図15】 本発明の蒸着装置を示す図。
【図16】 本発明を用いた電子機器の一例を示す図。
【図17】 本発明の蒸着装置を示す図。
【図18】 本発明の発光装置を示す図。
【図19】 本発明の発光装置を示す図。
【図20】 本発明の蒸着装置を示す図。

Claims (2)

  1. 蒸着材料が封入された第1の容器と、
    前記第1の容器を加熱する手段と、
    前記第1の容器と、前記加熱する手段とを保持する蒸着源ホルダと、
    前記蒸着源ホルダをX軸方向及びY軸方向に移動する手段とを有し、
    X軸方向の第1の移動により蒸着された蒸着材料とX軸方向の第2の移動により蒸着中の蒸着材料の裾が重なるように、基板の外側で前記蒸着源ホルダをY軸方向に移動し、前記基板の中心領域より低い速度で前記基板の端領域で前記蒸着源ホルダをX軸方向に移動して前記基板に蒸着材料を蒸着することを特徴とする蒸着装置。
  2. 蒸着材料が封入された第1の容器と、
    前記第1の容器を加熱する第1の加熱手段と、
    前記第1の容器の開放部上方に配置する板と、
    前記板を囲んで加熱する第2の加熱手段と、
    前記板と前記第2の加熱手段との間に隙間を有し、
    さらに、前記第1の容器と、前記第1、第2の加熱する手段とを保持する蒸着源ホルダと、
    前記蒸着源ホルダをX軸方向及びY軸方向に移動する手段とを有し、
    X軸方向の第1の移動により蒸着された蒸着材料とX軸方向の第2の移動により蒸着中の蒸着材料の裾が重なるように、基板の外側で前記蒸着源ホルダをY軸方向に移動し、前記基板の中心領域より低い速度で前記基板の端領域で前記蒸着源ホルダをX軸方向に移動し
    しかも、前記蒸着材料の昇華温度(TA)と、前記板を前記第2の加熱手段が加熱する温度(T2)と、前記第1の容器を前記第1の加熱手段が加熱する温度(T1)とが、T1はT2より高い温度で、T2はTAより高い温度で加熱して前記基板に蒸着材料を蒸着することを特徴とする蒸着装置。
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