JP4550412B2 - 殺菌剤としてのピラゾリルカルボキサニリド - Google Patents

殺菌剤としてのピラゾリルカルボキサニリド Download PDF

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Description

本発明は、新規ピラゾリルカルボキサニリド、その複数の製造方法及びその望ましくない微生物を防除するための使用に関する。
多数のカルボキサニリドが殺カビ菌性を有することは既に知られている(国際出願公開第WO93−11117号、欧州特許出願公開第0545099号、欧州特許出願公開第0589301号、国際出願公開第WO99/09013、ドイツ特許出願公開第19840322号、欧州特許出願公開第0824099号、特開昭63−048269号各公報参照)。従って、N−(2−シクロヘキシル)−1,3−ジメチル−5−フルオロピラゾール−4−カルボキサニリド、N−(2−フェニル)−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサニリド及びN−[2−(2−フルオロフェニル)]−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサニリドが真菌類(fungi)の防除に使用できる。これらの物質の活性は、良好である;しかし低施用量では不満足な場合がある。
本発明は、今般、式(I)
Figure 0004550412
[式中、
は水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、(C〜C)アルキル基、1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルキル基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルコキシ基、1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基、1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルキルチオ基又はアミノカルボニル(C〜C)アルキル基を表し、
は水素原子、(C〜C)アルキル基、1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルキル基、(C〜C)アルケニル基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルキルチオ(C〜C)アルキル基、1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルキルチオ(C〜C)アルキル基、(C〜C )アルコキシ(C〜C)アルキル基又は1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルコキシ(〜C)アルキル基を表し、
Gはハロゲン原子又は(C〜C)アルキル基を表し、
Gはさらにまた(C〜C)アルキル基を表し、
は非置換(C〜C20)アルキル基を表すか又はハロゲン原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で1置換又は多置換されている(C〜C20)アルキル基を表し、あるいは(C〜C20)アルケニル基又は(C〜C20)アルキニル基を表し、前記のアルケニル基又はアルキニル基のそれぞれはハロゲン原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよく[但し、前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分は場合によってはハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で1置換又は多置換されていてもよい]、且つ
nは0、1又は2を表す]
で示されるピラゾリルカルボキサニリドを提供する。
適切ならば、本発明の化合物は、種々の可能な異性体の混合物として、特に立体異性体、例えばE及びZ異性体、トレオ及びエリスロ異性体の混合物及び光学異性体の混合物として、並びに適切な場合には可能な互変異性体として存在し得る。前記のE及びZ異性体、並びにトレオ及びエリスロ異性体並びに光学異性体、これらの異性体の任意の混合物、並びに可能な互変異性体が特許請求される。
また、式(I)で示されるピラゾリルカルボキサニリドは、
a)式(II)
Figure 0004550412
(式中、R及びRは前記の意義を有し且つ
Xはハロゲン原子を表す)
で示されるカルボン酸誘導体を、式(III)
Figure 0004550412
(式中、G、R及びnは前記の意義を有する)
で示されるアニリン誘導体と、
適切ならば酸結合剤の存在下で且つ適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
b)式(Ia)
Figure 0004550412
[式中、R、R、G及びnは前記の意義を有し且つRは(C〜C20)アルケニル基又は(C〜C20)アルキニル基を表し、そのそれぞれはハロゲン原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で1置換又は多置換されていてもよく、前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分はハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよい]
で示されるピラゾリルカルボキサニリドを、
適切ならば希釈剤の存在下で且つ適切ならば触媒の存在下で水素添加するか、又は
c)式(IV)
Figure 0004550412
[式中、R、R、G及びnは前記の意義を有し且つ
はハロゲン原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で1置換又は多置換されていてもよい(C〜C20)ヒドロキシアルキル基を表し、前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分はハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよい]
で示されるヒドロキシアルキルピラゾリルカルボキサニリドを、
適切ならば希釈剤の存在下で且つ適切ならば酸の存在下で脱水するか、又は
d)式(V)
Figure 0004550412
(式中、R、R、G及びnは前記の意義を有し且つYは臭素原子又はヨウ素原子を表す)
で示されるハロピラゾリルカルボキサニリドを、式(VI)
Figure 0004550412
[式中、Rはハロゲン原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で1置換又は多置換されていてもよい(C〜C18)アルキル基を表し、前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分はハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよい]
で示されるアルキン、又は式(VII)
Figure 0004550412
[式中、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子を表すか、あるいはハロゲン原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で1置換又は多置換されていてもよいアルキル基を表し、前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分はハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよいし且つ開鎖部分の炭素原子の総数は20個を超えないものとする]
で示されるアルケンと、
適切ならば希釈剤の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で且つ1種又はそれ以上の触媒の存在下で反応させるか、あるいは
e)式(VIII)
Figure 0004550412
[式中、R、R、G及びnは前記の意義を有し且つ
10は水素原子を表すか、あるいはハロゲン原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で1置換又は多置換されていてもよい(C〜C18)アルキル基を表し、前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分はハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよい]
で示されるケトンを、一般式(IX)
Figure 0004550412
[式中、R11は水素原子を表すか、あるいはハロゲン原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で1置換又は多置換されていてもよい(C〜C18)アルキル基を表し、前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分はハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよく、且つ
Pxは−P(CCl、−P(CBr、−P(C、−P(=O)(OCH又は−P(=O)(OCを表す]
で示されるリン化合物と
適切ならば希釈剤の存在下で反応させると得られることが見出された。
最後に、式(I)で示される新規ピラゾリルカルボキサニリドは極めて良好な殺微生物性を有し、しかも作物の保護及び種々の物質の保護において望ましくない微生物の防除に使用できることが見出された。
本発明の式(I)で示されるピラゾリルカルボキサニリドが、同じ作用傾向をもつ従来の構造類似の活性化合物よりも著しく優れている殺菌活性を有することは意外なことである。
本発明のピラゾリルカルボキサニリドは、式(I)によって一般的に定義される。
は、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、(C〜C)アルキル基、1個から5個の弗素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有する(C〜C)ハロアルキル基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルコキシ基、1個から5個の弗素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有する(C〜C)ハロアルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基、1個から5個の弗素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有する(C〜C)ハロアルキルチオ基又はアミノカルボニル(C〜C)アルキル基を表すことが好ましい。
は、水素原子、(C〜C)アルキル基、1個から5個の弗素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有する(C〜C)ハロアルキル基、(C〜C)アルケニル基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルキルチオ(C〜C)アルキル基、1個から5個の弗素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有する(C〜C)ハロアルキルチオ(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル基、あるいは1個から5個の弗素原子、塩素原子及び/又は臭素原子を有する(C〜C)ハロアルコキシ(〜C)アルキル基を表すことが好ましい。
Gはハロゲン原子又は(C〜C)アルキル基を表すことが好ましい。
Gはさらにまた(C〜C)アルキル基を表すことが好ましい。
は、非置換(C〜C12)アルキル基を表すか又は弗素原子、塩素原子、臭素原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で1〜4置換されている(C〜C12)アルキル基を表すか、あるいは(C〜C12)アルケニル基又は(C〜C12)アルキニル基を表すことが好ましい。前記のアルケニル基又はアルキニル基のそれぞれは弗素原子、塩素原子、臭素原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい[但し、前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分はハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい]。
nは0、1又は2を表すことが好ましい。
は、水素原子、メチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−、s−もしくはt−ブチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロエチル基を表すことが特に好ましい。
は、水素原子、メチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−、s−もしくはt−ブチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロエチル基を表すことが特に好ましい。
Gは弗素原子、塩素原子又はメチル基を表すことが特に好ましい。
Gはさらにエチル基又はt−ブチル基を表すことが特に好ましい。
Gはさらに2,4−ジメチルブチル基を表すことが特に好ましい。
は、いずれの場合にも直鎖又は分岐鎖のエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基又はデシニル基を表すことが特に好ましい。前記の基のそれぞれは任意の位置に結合されていてもよいし且つ弗素原子、シクロプロピル基、ジフルオロシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及び/又はシクロヘキシル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい。
nは0、1又は2を表すことが特に好ましい。
極めて特に好ましい群は、Rがメチル基を表し且つRがメチル基を表す場合の式(I)で示される化合物である。
また、別の極めて特に好ましい群は、Rが非置換(C〜C20)アルキル基[好ましくは(C〜C12)アルキル基、特に好ましくは(C〜C)アルキル基]を表す場合の式(I)で示される化合物である。
さらにまた別の極めて特に好ましい群は、nが0を表す場合の式(I)で示される化合物である。
がメチル基を表し、
がメチル基を表し、
が非置換(C〜C20)アルキル基[好ましくは(C〜C12)アルキル基、特に好ましくは(C〜C)アルキル基]を表し、
nが0を表す
場合の式(I)で示される化合物が重視される。
飽和又は不飽和炭化水素基、例えばアルキル基又はアルケニル基は、それぞれの場合に、可能な限りは例えばアルコキシ基のように異種原子を一緒に含む直鎖又は分岐鎖であり得る。
場合によっては置換されていてもよい基は、1置換又は多置換されていることができ、多置換の場合には置換基は同じであってもよいし又は異なっていてもよい。例えば、n>1の場合のn個の基Gのような同じインデックスを有する複数の基は、同じであってもよいし又は異なっていてもよい。
例えばハロアルキル基などのハロゲン置換された基は、モノハロゲン置換されるか又は多ハロゲン置換される。多ハロゲン置換の場合には、その複数のハロゲン原子は同じであってもよいし又は異なっていてもよい。この場合、ハロゲン原子は弗素、塩素、臭素及びヨウ素原子、特に弗素、塩素及び臭素原子を表す。
しかし、前記の一般的な基又は好ましい基の定義又は例示は、所望ならば相互に組み合わせ得る、すなわちそれぞれの範囲と好ましい範囲の間で組み合わせ得る。前記の定義又は例示はまた、最終生成物並びにそれに対応する前駆物質及び中間体にも適用される。
前記の定義は、所望ならば相互に組み合わせ得る。また、個々の定義は適用し得ない。
5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリドと2−(1−メチルヘキシル)アニリンとを出発原料として使用する、本発明の方法a)を次の化学反応式により説明することができる。
Figure 0004550412
式(II)は、本発明の方法a)を実施するための出発原料として必要なカルボン酸誘導体の一般的な定義を提供する。この式(II)において、R及びRは、本発明の式(I)の化合物の定義に関連してR及びRについて好ましいもの及び特に好ましいものとしてすでに挙げられている意義を有することが好ましく、また特に好ましい。Xはハロゲン原子、好ましくは塩素原子を表す。
式(II)で示されるカルボン酸誘導体は公知であるし及び/又は公知の方法によって製造できる(国際出願公開第WO93/11117号、欧州特許出願公開第0 545 099号、欧州特許出願公開第0 589 301号及び欧州特許出願公開第0 589 313号各公報参照)。
式(III)は、本発明の方法a)を実施するための出発原料としてさらに必要なアニリン類の一般的な定義を提供する。この式(III)において、G、R及びnは、本発明の式(I)の化合物の定義に関連してG、R及びnについて好ましいもの及び特に好ましいものとしてすでに挙げられている意義を有することが好ましく、また特に好ましい。
式(III)で示されるアニリン誘導体は、公知であるし及び/又は公知の方法によって製造できる[例えば、Heterocycles(1989),29(6),1013−16;J.Med.Chem.,(1996),39(4),892−903;Synthesis(1995),(6),713−16;Synth.Commun.,(1994),24(2),267−72;ドイツ国特許第2727416号公報;Synthesis(1994),(2),142−4;欧州特許第0 824 099号公報参照]。
5−フルオロ−1,3−ジメチル−N−{2−[(1Z)−1−メチル−1−ヘキセニル]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドと水素を出発原料として使用し且つ触媒を使用する、前記の本発明の方法b)の進行を次の化学反応式により説明することができる:
Figure 0004550412
式(Ia)は、本発明の方法b)を実施するための出発原料として必要なピラゾリルカルボキサニリドの一般的な定義を提供する。式(Ia)において、R、R、G及びnは、本発明の式(I)の化合物の定義に関連してR、R、G及びnについて好ましいもの及び特に好ましいものとしてすでに挙げられている意義を有することが好ましく、また特に好ましい。
は(C〜C12)アルケニル基又は(C〜C12)アルキニル基を表すことが好ましい。そのそれぞれは弗素原子、塩素原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよく、前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分はハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい。
は、いずれの場合にも直鎖又は分岐鎖のエテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基又はデシニル基を表すことが特に好ましい。前記の基のそれぞれは任意の位置に結合されていてもよいし且つ弗素原子、シクロプロピル基、ジフルオロシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい。
式(Ia)で示される化合物は本発明の化合物であり、方法a)、c)、d)又はe)により製造できる。
5−フルオロ−N−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)フェニル]−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを出発原料として使用し且つ酸を使用する、本発明の方法c)の進行を次の化学反応式により説明することができる。
Figure 0004550412
式(IV)は、本発明の方法c)を実施するための出発原料として必要なヒドロキシアルキルピラゾリルカルボキサニリドの一般的な定義を提供する。式(IV)において、R、R、G及びnは、本発明の式(I)の化合物の定義に関連してR、R、G及びnについて好ましいもの及び特に好ましいものとしてすでに挙げられている意義を有することが好ましく、また特に好ましい。
は塩素原子、弗素原子、臭素原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によってはさらに1〜4置換されていてもよい(C〜C12)ハロアルキル基を表すことが好ましい。前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分は、ハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよい。
はそれぞれの場合に直鎖又は分岐鎖のヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシへプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基又はヒドロキシデシル基を表すことが特に好ましい。そのそれぞれは任意の位置に結合されていてもよいし且つ弗素原子、シクロプロピル基、ジフルオロシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及び/又はシクロヘキシル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい。
式(IV)で示される化合物はこれまで知られておらず、新規化合物として本出願の主題の一部を形成する。
式(IV)で示されるヒドロキシアルキルピラゾリルカルボキサニリドは、極めて良好な殺微生物性を有し、作物の保護及び種々の物質の保護において望ましくない微生物の防除に使用できる。
式(IV)で示されるヒドロキシアルキルピラゾリルカルボキサニリドは、
f)式(II)
Figure 0004550412
(式中、R、R及びXは前記の意義を有する)で示されるカルボン酸誘導体を、式(X)
Figure 0004550412
(式中、R、R、G及びnは前記の意義を有する)で示されるヒドロキシアルキルアニリン誘導体と、
適切ならば酸結合剤の存在下で且つ適切ならば希釈剤の存在下で反応させると得られる。
5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリドを出発原料として使用する、本発明の方法f)の進行を次の化学反応式により説明することができる。
Figure 0004550412
本発明の方法f)を実施するための出発原料として必要な式(II)で示されるカルボン酸誘導体は、本発明の方法a)の説明に関連して前にすでに記載されている。
式(X)は、本発明の方法f)を実施するための出発原料としてさらに必要なヒドロキシアルキルアニリン誘導体の一般的な定義を提供する。この式(X)において、R、R、G及びnは、本発明の式(I)及び(IV)で示される化合物の定義に関連してR、R、G及びnについて好ましいもの及び特に好ましいものとしてすでに挙げられている意義を有することが好ましく、また特に好ましい。
式(X)で示されるヒドロキシアルキルアニリン誘導体は、公知であるし及び/又は公知の方法で得ることができる(例えば、米国特許第3,917,592号又は欧州特許第0824099号公報参照)。
5−フルオロ−N−(2−ヨードフェニル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドと1−ペンチン又は1−ヘキセンを出発原料として使用し且つそのそれぞれの場合に触媒と塩基を使用する、本発明の方法d)の進行を次の2通りの化学反応式により説明することができる。
Figure 0004550412
式(V)は、本発明の方法d)を実施するための出発原料として必要なハロピラゾリルカルボキサニリドの一般的な定義を提供する。この式(V)において、R、R、G及びnは、本発明の式(I)の化合物の定義に関連してR、R、G及びnについて好ましいもの及び特に好ましいものとしてすでに挙げられている意義を有することが好ましく、また特に好ましい。Yは臭素原子又はヨウ素原子を表すことが好ましい。
式(V)で示されるハロピラゾリルカルボキサニリドは、これまで知られておらず、新規化合物として本出願の主題の一部を形成する。
式(V)で示されるハロピラゾリルカルボキサニリドは、
g)式(II)
Figure 0004550412
(式中、R、R及びXは前記の意義を有する)で示されるカルボン酸誘導体を、式(XI)
Figure 0004550412
(式中、G、n及びYはは前記の意義を有する)で示されるハロアニリンと、
適切ならば酸結合剤の存在下で且つ適切ならば希釈剤の存在下で反応させると得られる。
5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリドと2−ヨードアニリンを出発原料として使用する、本発明の方法g)の進行を次の化学反応式により説明できる:
Figure 0004550412
本発明の方法g)を実施するための出発原料として必要な式(II)で示されるカルボン酸誘導体は、本発明の方法a)の説明に関連して前記にすでに記載されている。
式(XI)は、本発明の方法g)を実施するための出発原料としてさらに必要なハロアニリンの一般的な定義を提供する。式(XI)において、G、n及びYは、本発明の式(I)及び(V)で示される化合物の定義に関連してG、n及びYについて好ましいもの及び特に好ましいものとして既に記載されている意義を有することが好ましく、また特に好ましい。
式(XI)で示されるハロアニリンは、合成用の公知化合物である。
式(VI)は、本発明の方法d)を実施するための出発原料としてさらに必要なアルキンの一般的な定義を提供する。
は弗素原子、塩素原子、臭素原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい(C〜C10)アルキル基を表すことが好ましい。前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分は、ハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよい。
は、いずれの場合にも直鎖又は分岐鎖のエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基を表すことが特に好ましい。そのそれぞれは、任意の位置に結合されていてもよいし且つ弗素原子、シクロプロピル基、ジフルオロシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及び/又はシクロヘキシル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい。
式(VI)で示されるアルキンは、合成用の公知化合物である。
式(VII)は、本発明の方法d)を実施するための出発原料としてさらに別の必要なアルキンの一般的な定義を提供する。
、R及びRは、それぞれ独立して水素原子を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよいアルキル基を表すことが好ましい。前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分はハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよく且つ開鎖部分の炭素原子の総数は12個を超えないものとする。
、R及びRは、それぞれ独立して水素原子を表すか、あるいはいずれの場合にも直鎖又は分岐鎖のエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基を表すことが特に好ましい。前記の基のそれぞれは、任意の位置に結合されていてもよいし且つ弗素原子、シクロプロピル基、ジフルオロシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及び/又はシクロヘキシル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよく且つ開鎖部分の炭素原子の総数は12個を超えないものとする。
式(VII)で示されるアルキンは、合成用の公知化合物である。
N−(2−アセチルフェニル)−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリドとブチル(トリフェニル)ホスホニウムヨージドを出発原料として使用する、本発明の方法e)の進行を次の化学反応式により説明できる。
Figure 0004550412
式(VIII)は、本発明の方法e)を実施するための出発原料として必要なケトン類の一般的な定義を提供する。式(VIII)において、R、R、G及びnは、本発明の式(I)の化合物の定義に関連してR、R、G及びnについて好ましいもの及び特に好ましいものとしてすでに挙げられている意義を有することが好ましく、また特に好ましい。
10は、弗素原子、塩素原子、臭素原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい(C〜C10)アルキル基を表すことが好ましい。前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分は、ハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよい。
10は、いずれの場合にも直鎖又は分岐鎖のエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基を表すことが特に好ましい。前記の基のそれぞれは、任意の位置に結合されていてもよいし且つ弗素原子、シクロプロピル基、ジフルオロシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及び/又はシクロヘキシル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい。
式(VIII)で示されるケトン類は、これまで知られていない。前記ケトン類は、新規化合物として本出願の主題の一部を形成する。
式(VIII)で示されるケトン類は、
h)式(II)
Figure 0004550412
(式中、R、R及びXは前記の意義を有する)で示されるカルボン酸誘導体を、式(XII)
Figure 0004550412
(式中、R10、G及びnは前記の意義を有する)で示されるケトアニリンと、
適切ならば酸結合剤の存在下で且つ適切ならば希釈剤の存在下で反応させると得られる。
5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリドと1−(2−アミノフェニル)エタノンを出発原料として使用する、本発明の方法e)の進行を次の化学反応式により説明できる。
Figure 0004550412
本発明の方法h)を実施するための出発原料として必要な式(II)で示されるカルボン酸誘導体は、本発明の方法a)の説明に関連して前記にすでに記載されている。
式(XII)は、本発明の方法h)を実施するための出発原料としてさらに必要なケトアニリン類の一般的な定義を提供する。式(XII)において、R10、G及びnは、本発明の式(I)及び式(VIII)で示される化合物の記載に関連してR10、G及びnについて好ましいもの及び特に好ましいものとしてすでに記載されている意義を有することが好ましく、また特に好ましい。
式(XII)で示されるケトアニリン類は、合成用の一般的な常用化合物である[例えば、J.Am.Chem.Soc.,1978,100(15),4842−4857又は米国特許第4,032,573号公報参照]。
式(IX)は、本発明の方法e)を実施するための出発原料としてさらに必要なリン化合物の一般的な定義を提供する。
11は、弗素原子、塩素原子、臭素原子及び/又は(C〜C)シクロアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい(C〜C10)アルキル基を表すことが好ましい。前記のシクロアルキル基のシクロアルキル部分は、ハロゲン原子及び/又は(C〜C)アルキル基で場合によっては置換されていてもよい。
11は、いずれの場合にも直鎖又は分岐鎖のエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基を表すことが特に好ましい。そのそれぞれは、任意の位置に結合されていてもよいし且つ弗素原子、シクロプロピル基、ジフルオロシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及び/又はシクロヘキシル基からなる群から選択される同一又は異なる置換基で場合によっては1〜4置換されていてもよい。
Pxは基−P(CCl、−P(CBr、−P(C、−P(=O)(OCH又は−P(=O)(OCを表すことが好ましい。
式(IX)で示されるリン化合物は、公知であるし及び/又は公知の方法で製造できる[例えば、Justus Liebigs Ann.Chem.,1953,580,44−57又は Pure Appl.Chem.,1964,9,307−335参照]
本発明の方法a)、f)、g)及びh)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これらの不活性有機溶媒としては、好ましくは脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素、例えば石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール、あるいはアミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又は ヘキサメチルリン酸トリアミドが挙げられる。
本発明の方法a)、f)、g)及びh)は、適切ならば、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、全ての慣用の無機又は有機塩基である。これらの塩基としては、好ましくはアルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸アンモニウム、及び第三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)が挙げられる。
本発明の方法a)、f)、g)及びh)を実施する場合には、反応温度は比較的幅広い範囲で変化させ得る。一般に、前記の方法は0℃から150℃の温度、好ましくは0℃から80℃の温度で実施される。
式(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法a)を実施するためには、一般に式(II)で示されるカルボン酸誘導体1モル当たり式(III)で示されるアニリン誘導体を0.2モルから5モル、好ましくは0.5モルから2モル使用する。
式(IV)で示される化合物を製造するための本発明の方法f)を実施するためには、一般に式(II)で示されるカルボン酸誘導体1モル当たり式(X)で示されるヒドロキシアルキルアニリン誘導体を0.2モルから5モル、好ましくは0.5モルから2モル使用する。
式(V)で示される化合物を製造するための本発明の方法g)を実施するためには、一般に式(II)で示されるカルボン酸誘導体1モル当たり式(XI)で示されるハロアニリンを0.2モルから5モル、好ましくは0.5モルから2モル使用する。
式(VIII)で示される化合物を製造するための本発明の方法h)を実施するためには、一般に式(II)で示されるカルボン酸誘導体1モル当たり式(XII)で示されるケトアニリンを0.2モルから5モル、好ましくは0.5モルから2モル使用する。
本発明の方法b)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これらの不活性有機溶媒としては、好ましくは脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素、例えば石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール、あるいはアルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−もしくはi−プロパノール、n−、i−、sec−もしくはtert−ブタノール、エタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
本発明の方法b)は、適切ならば、触媒の存在下で実施される。適切な触媒は、水素添加に慣用される全ての触媒である。その例としては、適切ならば支持体、例えば活性炭に担持させたラネーニッケル、パラジウム又は白金が挙げられる。
本発明の方法b)における水素添加は、触媒と組み合わせて水素の存在下で実施する代わりに、トリエチルシランの存在下で実施することもできる。
本発明の方法b)を実施する場合には、反応温度は比較的幅広い範囲で変化させ得る。前記方法は、一般に0℃から150℃の温度、好ましくは0℃から80℃の温度で実施される。
本発明の方法c)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これらの不活性有機溶媒としては、好ましくは脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素、例えば石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ケトン類、例えばアセトン、ブタノン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン;ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−もしくはi−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド;スルホン類、例えばスルホラン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−もしくはi−プロパノール、n−、i−、sec−もしくはtert−ブタノール、エタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテル、あるいはこれらと水との混合物又は純水が挙げられる。
本発明の方法c)は、適切ならば、酸の存在下で実施される。適切な酸は、全ての無機又は有機プロトン酸及びルイス酸、並びに全ての高分子酸(polymeric acid)である。これらの酸としては、例えば塩化水素、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素(エーテル錯化合物としても)、三臭化ホウ素、三塩化アルミニウム、四塩化チタン、オルトチタン酸テトラブチル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)、五塩化アンチモン、酸性イオン交換体、酸性アルミナ及び酸性シリカゲルが挙げられる。
本発明の方法c)を実施する場合には、反応温度は比較的幅広い範囲で変化させ得る。一般に、前記方法は0℃から150℃の温度、好ましくは0℃から80℃の温度で実施される。
また、本発明の方法c)及びb)は、直列式(tandem)反応(「ワンポット反応」)で実施できる。このために、式(IV)で示される化合物は、
適切ならば希釈剤[方法c)について記載したような適切な希釈剤]及び適切ならば酸[方法c)について記載したような適切な酸]の存在下で及びトリエチルシランの存在下で反応させる。
本発明の方法d)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これらの不活性有機溶媒としては、好ましくはニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−もしくはi−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;あるいはアミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミドが挙げられる。
適切ならば、本発明の方法d)は、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、全ての慣用の無機又は有機塩基である。これらの塩基としては、好ましくはアルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えば水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸アンモニウム、及び第三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)が挙げられる。
本発明の方法d)は、1種又はそれ以上の触媒の存在下で実施される。
適切な触媒は、特にパラジウム塩又は錯体である。この目的に適したものは、好ましくは塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドである。また、反応に対してパラジウム塩と錯体リガンドを別々に加えることによって反応混合物中でパラジウム錯体を生成させることも可能である。
適切なリガンドは有機リン化合物であることが好ましい。その例としては、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、ジシクロヘキシルホスフィンビフェニル、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ビスジフェニルホスフィノフェロセン、ジ(tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、ジ(シクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−N,N−ジメチルアミノビフェニル、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィンを挙げ得る。しかし、リガンドと配合することも可能である。
さらにまた、本発明の方法d)は、適切ならば銅塩のような別の金属塩、例えばヨウ化銅(I)の存在下で実施される。
本発明の方法d)を実施する場合には、反応温度は比較的幅広い範囲で変化させ得る。一般に、前記方法は20℃から180℃の温度、好ましくは50℃から150℃の温度で実施される。
式(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法d)を実施するためには、一般に式(V)で示されるハロピラゾリルカルボキサニリド1モル当たり式(VI)で示されるアルキン又は式(VII)で示されるアルケンを1〜5モル、好ましくは1〜2モル使用する。
本発明の方法e)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これらの不活性有機溶媒としては、好ましくは脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素、例えば石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−もしくはi−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド;スルホン類、例えばスルホラン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−もしくはi−プロパノール、n−、i−、sec−もしくはtert−ブタノール、エタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
本発明の方法e)は、適切ならば、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、全ての慣用の強塩基である。これらの塩基としては、好ましくはアルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド又はアルカリ金属炭化水素化合物、例えば水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、メチルリチウム、フェニルリチウム又はブチルリチウムが挙げられる。
本発明の方法e)を実施する場合には、反応温度は比較的幅広い範囲で変化させ得る。一般に、前記方法は−80℃から150℃の温度、好ましくは−30℃から80℃の温度で実施される。
式(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法e)を実施するためには、一般に式(VIII)で示されるケトン1モル当たり式(IX)で示されるリン化合物を1モルから5モル、好ましくは1モルから2モル使用する。
本発明の方法は全て、一般に大気圧下で実施される。しかし、本発明の方法は加圧又は減圧下で−一般に0.1バールから10バールの下で操作することもできる。
本発明の物質は、強い殺微生物活性を有し、作物の保護において及び種々の物質の保護において真菌類及び細菌類などの望ましくない微生物の防除に使用できる。
殺真菌剤(fungicide)は、作物保護においてネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)を防除するのに使用できる。
殺細菌剤(bacteriocide)は、作物保護においてシュードモナダセアエ(Pseudomonadaceae)、リゾビエセアエ(Rhizobiaceae)、エンテロバクテリアセアエ(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリアセアエ(Corynebacteriaceae)及びストレプトマイセタセアエ(Streptomycetaceae)の細菌を防除するのに使用できる。
真菌及び細菌性の病気を引き起こすある種の病原体であって前記に挙げた科名に入る病原体を例として挙げ得るが、これらに限定されるものではない:
キサントモナス(Xanthomonas)種、例えばキサントモナス・カンペストリスpv.オリザエ(Xanthomonas campestris pv.oryzae);
シュードモナス(Pseudomonas)種、例えばシュードモナス・シリンガエpv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv.lachrymans);
エルウィニア(Erwinia)種、例えばエルビニア・アミロボラ(Erwinia amylovora);
ピチウム(Pythium)種、例えばピチウム・ウルチムム(Pythium ultimum);
フィトフソラ(Phytophthora)種、例えばフィトフソラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans);
シュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)種、例えばシュードペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はシュードペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis);
プラスモポラ(Plasmopara)種、例えばプラスモポラ・ビチコラ(Plasmopara viticola);
ブレミア(Bremia)種、例えばブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae);
ペロノスポラ(Peronospora)種、例えばペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はP.ブラシカエ(P.brassicae);
エリシフィ(Erysiphe)種、例えばエリシフィ・グラミニス(Erysiphe graminis);
スファエロセカ(Sphaerotheca)種、例えばスファエロテカ・フリジネエ(Sphaerotheca fuliginea);
ポドスフェラ(Podosphaera)種、例えばポドスフェラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha);
ベンツリア(Venturia)種、例えばベンツリア・インアエクアリス(Venturia inaequalis);
ピレノホーラ(Pyrenophora)種、例えばピレノホーラ・テレス(Pyrenophora teres)又はP.グラミネエ(P.graminea)[分生胞子体:ドレクスレラ(Drechslera)、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)];
コクリオボルス(Cochliobolus)種、例えばコクリオボルス・サチバス(Cochliobolus sativus)[分生胞子体:ドレクスレラ(Drechslera)、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)];
ウロミセス(Uromyces)種、例えばウロミセス・アペンディクラツス(Uromyces appendiculatus);
プクシニア(Puccinia)種、例えばプクシニア・レコンディタ(Puccinia recondita);
スクレロチニア(Sclerotinia)種、例えばスクレロチニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum);
チレチア(Tilletia)種、例えばチレチア・カリエス(Tilletia caries);
ウスチラゴ(Ustilago)種、例えばウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)又はウスチラゴ・アベナエ(Ustilago avenae);
ペリキュラリア(Pellicularia)種、例えばペリキュラリア・ササキイ(Pellicularia sasakii);
ピリキュラリア(Pyricularia)種、例えばピリキュラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae);
フザリウム(Fusarium)種、例えばフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum);
ボトリチス(Botrytis)種、例えばポトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);
セプトリア(Septoria)種、例えばセプトリア・ノドラム(Septoria nodorum);
レプトスフェリア(Leptosphaeria)種、例えばレプトスフェリア・ノダラム(Leptosphaeria nodorum);
セルコスポラ(Cercospora)種、例えばセルコスポラ・カネセンス(Cercospora canescens);
アルタナリア(Alternaria)種、例えばアルタナリア・ブラシカエ(Alternaria brassicae);及び
シュードセルコスポレラ(Pseudocercosporella)種、例えばシュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)。
本発明の活性化合物は、植物において極めて良好な強化作用も有する。従って、本発明の活性化合物は、望ましくない微生物による襲撃に対して植物の防御手段を結集するのに使用できる。
本明細書において、植物強化(抵抗性誘導性)物質とは、処理植物にその後に望ましくない微生物を接種する場合に、処理植物がこれらの微生物に対して十分な抵抗性を示すように植物の防御系を刺激することができる物質を意味すると理解されるべきである。
この場合に、望ましくない微生物とは、植物病原性の真菌、細菌及びウイルスを意味すると理解されるべきである。従って、本発明の物質は、処理後のある一定の期間、前記の病原体による攻撃から植物を保護するのに使用できる。保護が提供される期間は、一般に活性化合物で植物を処理した後1日から10日間、好ましくは1日から7日間に及ぶ。
活性化合物が植物の病気を防除するのに必要な濃度で、植物に十分に許容されるという事実は、植物の地上部分、繁殖ストック及び種子、並びに土壌の処理を可能にする。
本発明の活性化合物は、穀物の病気、例えばピレノホーラ(Pyrenophora)種の病原菌などの穀物の病気、及びアルタナリア(Altemaria)種又はポドスフェラ(Podosphaera)種の病原菌などのブドウ栽培における病気並びに果物及び野菜の生長における病気を防除するのに特に良好な結果をもって使用できる。
本発明の活性化合物はまた、作物の収量を高めるのに適している。また、本発明の活性化合物は低毒性を示し、しかも植物に十分に許容される。
ある一定の濃度及び施用量で、本発明の活性化合物はまた、除草剤として植物の生育に影響を及ぼすのに使用でき、しかも動物害虫を防除するのに使用できる。本発明の活性化合物はまた、別の活性化合物の合成用の中間体及び前駆物質としても使用できる。
本発明の活性化合物は、植物全体及び植物の一部分を処理するのに使用できる。植物とは、本明細書では全ての植物及び植物群、例えば望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然産の作物植物を含む)を意味すると理解される。作物植物は、慣用の育種法及び最適化法によって又はバイオテクノロジー法及び遺伝子工学法又はこれらの方法の組み合わせによって得ることができる植物、例えばトランスジェニック植物であることができ、また例えば変種所有権(varietal property rights)(種苗法)によって保護し得るか又は保護し得ない植物変種であることができる。植物の部分とは、植物の地上部分及び地下部分並びに器官の全て、例えば新芽、葉、花及び根を意味すると理解されるべきであり、その例として葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種子並びに根、塊茎及び根茎を挙げ得る。また、植物の部分としては、収穫植物及び栄養及び生殖繁殖材料、例えば、苗、幹、根茎、切り枝並びに種子が挙げられる。
本発明の活性化合物による植物及び植物部分の処理は、直接に行うことができるし又は該植物及び植物部分の周囲、生育場所又は貯蔵空間に慣用の処理方法に従って作用させることによって、例えば浸漬、吹き付け、蒸発、噴霧、散布、塗布によって及び繁殖材料の場合、特に種子の場合には単層又は多層塗布によって行うことができる。
材料の保護において、本発明の物質は、望まれない微生物による感染及び破壊から産業資材を保護するのに使用できる。
本明細書において産業資材とは、産業で使用するために製造された非生体(non−living)材料を意味すると理解される。例えば、本発明の活性化合物によって微生物による変質又は破壊から保護すべき産業資材は、接着剤、糊、紙及び厚紙、織物、皮革、木材、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑剤、並びに微生物が感染又は破壊し得るその他の材料であり得る。微生物の増殖によって損なわれ得る製造プラントの部品、例えば冷却水循環路も保護すべき材料の範囲内に挙げ得る。本発明の範囲内に挙げ得る産業資材は、接着剤、糊、紙及び厚紙、皮革、木材、塗料、冷却用潤滑剤、及び熱媒液であることが好ましく、木材であることが特に好ましい。
産業資材を分解又は変化させ得る微生物は、例えば細菌、真菌、酵母、藻類及び粘性生物を挙げ得る。本発明の活性化合物は、真菌、特に糸状菌、木材変色性及び木材破壊性真菌(担子菌類)に対して及び粘性生物及び藻類に対して作用することが好ましい。
下記の属の微生物を例として挙げ得る。
アルタナリア(Alternaria)、例えばアルタナリア・テヌイス(Alternaria tenuis)、
アスペルギルス(Aspergillus)、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、
ケトミウム(Chaetomium)、例えばケトミウム・グロボーサム(Chaetomium globosum)、
コニオホーラ(Coniophora)、例えばコニオホーラ・プエタナ(Coniophora puetana)、
レンティナス(Lentinus)、例えばレンティナス・チグリヌス(Lentinus tigrinus)、
ペニシリウム(Penicillium)、例えばペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum)、
ポリポルス(Polyporus)、例えばポリポルス・バージカラー(Polyporus versicolor)、
アウレオバシジウム(Aureobasidium)、例えばアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、
スクレロフォーマ(Sclerophoma)、例えばスクレロフォーマ・ピティオフィラ(Sclerophoma pityophila)、
トリコデルマ(Trichoderma)、例えばトリコデルマ・ヴィリデ(Trichoderma viride)、
エシェリキア(Escherichia)、例えばエシェリキア・コリ(Escherichia coli)、
シュードモナス(Pseudomonas)、例えばシュードモナス・エルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)、
スタフィロコッカス(Staphylococcus)、例えばスタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus)。
本発明の本活性化合物は、その個々の物理的及び/又は化学的性質に応じて、慣用の製剤、例えば液剤、乳剤、懸濁剤、粉剤、発泡剤、ペースト剤、顆粒剤、エーロゾル並びに高分子物質及び種子用被覆組成物中の微細カプセル剤に変えることができ、またULV冷及び温フォッギング製剤に変えることができる。
これらの製剤は、公知の方法で、例えば本発明の活性化合物を増量剤、すなわち液状溶媒、加圧液化ガス、及び/又は固形担体と、場合によっては界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤、及び/又は気泡形成剤と混合することにより製造される。使用する増量剤が水である場合には、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することも可能である。本質的に、適切な液状溶媒は、芳香族炭化水素、例えばキシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族炭化水素又は塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン類、例えば石油留分、アルコール類、例えばブタノール又はグリコール及びこれらのエーテル類及びエステル類、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、あるいは水である。液化ガス状増量剤又は担体とは、標準温度及び大気圧下でガス状の液体、例えばエーロゾル噴射剤、例えばブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素を意味すると理解されるべきである。適切な固形担体は、例えば粉砕天然鉱物、例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モントモリロナイト又はケイソウ土、並びに粉砕合成鉱物、例えば微細シリカ、アルミナ及びケイ酸塩である。粒剤に適した固形担体は、例えば破砕及び分別天然石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石及びドロマイトであるか、あるいは無機及び有機粉末の合成顆粒、及び有機材料例えばおが屑、ヤシ殻、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎である。適切な乳化剤及び/又は泡形成剤は、例えば非イオン性乳化剤及び陰イオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アリールスルホン酸塩類、又はタンパク質加水分解生成物である。適切な分散剤は、例えばリグノ亜硫酸塩廃液及びメチルセルロースである。
粘着付与剤、例えばカルボキシメチルセルロース、及び粉末状、顆粒状又はラテックス状の天然及び合成重合体、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、あるいは天然リン脂質、例えばセファリン類及びレシチン類、及び合成リン脂質が前記の製剤に使用できる。その他の可能な添加剤は、鉱油及び植物油である。
着色剤、例えば無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー、及び有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩を使用できる。
前記の製剤は、一般に活性化合物を0.1重量%から95重量%、好ましくは0.5重量%から90重量%含有する。
本発明の活性化合物は、そのままで使用できるし又はその製剤で使用できるし、あるいは公知の殺真菌剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺虫剤との混合物として使用して、例えば活性スペクトルを広げるか又は抵抗性の発現を防止することができる。多くの場合、相乗効果が得られる、すなわち混合物の活性がその個々成分の活性よりも高い。
適切な混合する成分の例は、下記の通りである:
殺真菌剤:
アルジモルフ、アムプロピルフォス(ampropylfos)、アムプロピルフォスカリウム、アンドプリム(andoprim)、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、
ベナラキシル、ベノダニル、ベノミル、ベンザマクリル、ベンザマクリル−イソブチル、ビアラホス、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ブラストサイジン・S、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、
多硫化石灰、カルプロパミド、カプシマイシン(capsimycin)、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルボン、キニメチオナート、クロベンチアゾン、クロルフェナゾール、クロロネブ、クロルピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート、クロジラコン、クフラネブ、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、シプロフラム、
デバカルブ、ジクロロフェン、ジクロブトラゾール、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェンコナゾール、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジピリチオン、ジタリムホス、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、ドラゾキソロン、
エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エチリモール、エトリジアゾール、
ファモキサドン、フェナパニル、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェニトロパン、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸トリフェニル錫、水酸化トリフェニル錫、ファーバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルメトオーバー(flumetover)、フルオロミド、フルキンコナゾール、フルルプリミドール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、フォルペット、ホセチル・アルミニウム、ホセチル・ナトリウム、フタライド、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、フルカルバニル、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、フルメシクロックス、
グアザチン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、
イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプロベンホス(IBP)、イプロジオン、イプロバリカルブ、イルママイシン、イソプロチオラン、イソバレジオン、
カスガマイシン、クレソキシムメチル;銅製剤例えば水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシン塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン銅及びボルドー液;
マンカッパー、マンコゼブ、マネブ、メフェリムゾン、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メトフロキサム、メチラム、メトメクラム、メトスルホバックス(metsulfovax)、ミルディオマイシン、マイクロブタニル、マイクロゾリン、
ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル・イソプロピル、ヌアリモール、
オフレース、オキサジキシル、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキソリン酸、オキシカルボキシン、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、
パクロブトラゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ホスダイフェン、ピコシキストロビン、ピマリシン、ピペラリン(piperalin)、ポリオキシン、ポリオキソリム(polyoxorim)、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパノシン(propanosine)・ナトリウム、プロピコナゾール、プロピネブ、ピラクロストロビン、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル、キンコナゾール(quinconazole)、キントゼン(PCNB)、キノキシフェン、
硫黄及び硫黄製剤、スピロキサミン、
テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトシクラシス、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チシオフェン(thicyofen)、チフルザミド、チオファネート・メチル、チラム、チオキシミド、トルクロホス・メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリクラミド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、
ウニコナゾール、
バリダマイシンA、ビンクロゾリン、ビニコナゾール、
ザリルアミド(zarilamide)、ジネブ、ジラム並びに
Dagger G、OK−8705、OK−8801、
α−(1,1−ジメチルエチル)−β−(2−フェノキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(2,4−ジクロロフェニル)−β−フルオロ−β−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(2,4−ジクロロフェニル)−β−メトキシ−α−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(5−メチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−β−[[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−メチレン]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
(5RS,6RS)−6−ヒドロキシ−2,2,7,7−テトラメチル−5−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−オクタノン、
(E)−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−2−フェノキシ−フェニルアセタミド、
1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−エタノン O−(フェニルメチル)−オキシム、
1−(2−メチル−1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2、5−ジオン、
1−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(2−プロペニル)−2,5−ピロリジンジオン、
1−[(ジヨードメチル)−スルホニル]−4−メチル−ベンゼン、
1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−メチル]−1H−イミダゾール、
1−[[2−(4−クロロフェニル)−3−フェニルオキサラニル]−メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、
1−[1−[2−[(2,4−ジクロロフェニル)−メトキシ]−フェニル]−エテニル]−1H−イミダゾール、
1−メチル−5−ノニル−2−(フェニルメチル)−3−ピロリジニノール、
2’,6’−ジブロモ−2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−4’−トリフルオロ−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキサニリド、
2,6−ジクロロ−5−(メチルチオ)−4−ピリミジニル−チオシアナート、
2,6−ジクロロ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)−ベンズアミド、
2,6−ジクロロ−N−[[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−メチル]−ベンズアミド、
2−(2,3,3−トリヨード−2−プロペニル)−2H−テトラゾール、
2−[(1−メチルエチル)−スルホニル]−5−(トリクロロメチル)−1,3,4−チアジアゾール、
2−[[6−デオキシ−4−O−(4−O−メチル−β−D−グリコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル]−アミノ]−4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル、
2−アミノブタン、
2−ブロモ−2−(ブロモメチル)−ペンタンジニトリル、
2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、
2−クロロ−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(イソチオシアネートメチル)−アセトアミド、
2−フェニルフェノール(OPP)、
3,4−ジクロロ−1−[4−(ジフルオロメトキシ)−フェニル]−1H−ピロール−2,5−ジオン、
3,5−ジクロロ−N−[シアノ[(1−メチル−2−プロピニル)−オキシ]−メチル]−ベンズアミド、
3−(1,1−ジメチルプロピル−1−オキソ−1H−インデン−2−カルボニトリル、
3−[2−(4−クロロフェニル)−5−エトキシ−3−イソオキサゾリジニル]−ピリジン、
4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−1−スルホンアミド、
4−メチル−テトラゾロ[−1,5−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
8−ヒドロキシキノリン硫酸塩、
9H−キサンテン−2−[(フェニルアミノ)−カルボニル]−9−カルボキシリックヒドラジド、
ビス−(1−メチルエチル)−3−メチル−4−[(3−メチルベンゾイル)−オキシ]−2,5−チオフェンジカルボキシラート、
シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール、
シス−4−[3−[4−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル−2−メチルプロピル]−2,6−ジメチル−モルホリン塩酸塩、
[(4−クロロフェニル)−アゾ]−シアノ酢酸エチル、
炭酸水素カリウム、
メタンテトラチオールナトリウム塩、
メチル=1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1 H−イミダゾール−5−カルボキシレート、
メチル=N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(5−イソキサゾリルカルボニル)−DL−アラニネート、
メチル=N−(クロロアセチル)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−DL−アラニネート、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メトキシ−N−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニル)−アセトアミド、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メトキシ−N−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−チエニル)−アセトアミド、
N−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−4−メチル−3−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−(4−シクロヘキシルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンアミン、
N−(4−ヘキシルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンアミン、
N−(5−クロロ−2−メチルフェニル)−2−メトキシ−N−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−アセトアミド、
N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド、
N−[2,2、2−トリクロロ−1−[(クロロアセチル)−アミノ]−エチル]−ベンズアミド、
N−[3−クロロ−4,5−ビス−(2−プロピニルオキシ)−フェニル]−N’−メトキシ−メタンイミドアミド、
N−ホルミル−N−ヒドロキシ−DL−アラニン−ナトリウム塩、
O,O−ジエチル=[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]−エチルホスホロアミドチオエート、
O−メチル S−フェニル フェニルプロピルホスホロアミドチオエート、
S−メチル 1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボチオエート、
スピロ[2H]−1−ベンゾピラン−2,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−3’−オン、
4−[(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−アクロイル]−モルホリン。
殺細菌剤:
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ニッケルジメチルジチオカーバメート、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及びその他の銅製剤。
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルファ−シペルメトリン、アルファメトリン、アミトラズ、アバメクチン、AZ 60541、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホスA、アジンホスM、アゾシクロチン、
バシラス・ポピリエ(Bacillus popilliae)、バシラス・スフェリカス(Bacillus sphaericus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)、バキュロウイルス、ボーべリア・バシアーナ(Beauveria bassiana)、ボーべリア・テネラ(Beauveria tenella)、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメート、ベータシフルトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビストリフルロン、BPMC、ブロモホスA、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタチオホス(butathiofos)、ブトカルボキシム、ブチルピリダベン(butylpyridaben)、
カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、クロエトカルブ、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホスM、クロベパトリン(chlovaporthrin)、クロマフェノジド、シス−レスメトリン、シスペルメトリン(cispermethrin)、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シロマジン、
デルタメトリン、ジメトンM、ジメトンS、ジメトンS−メチル、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロルボス、ジコホル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオフェノラン、ジスルホトン、ドクサト−ナトリウム(docusat−sodium)、ドフェナピン(dofenapyn)、
エフルシラネート(eflusilanate)、エマメクチン、エンペントリン、エンドスルファン、Entomopfthora spp.、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エトプロホス、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、
フェナミホス、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピラド、フェンピリトリン、フェンピロキシメート、フェンバレレート、フィプロニル、フルアズロン(fluazuron)、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルメトリン、フルテンジン(flutenzine)、フルバリネート、ホノホス、ホスメチラン、ホスチアゼート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、フラチオカルブ、
顆粒症ウイルス、
ハロフェノジド(halofenozide)、HCH、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ハイドロプレン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イサゾホス、イソフェンホス、イソキサチオン、イベルメクチン、核多角体病ウイルス、
λ−シハロトリン、ルフェヌロン、
マラチオン、メカルバム、メタアルデヒド、メタミドホス、メタリジウム・アニソプリエ(Metharhizium anisopliae)、メタリジウム・フラボビリデ(Metharhizium flavoviride)、メチダチオン、メチオカルブ、メトプレン、メソミル、メトキシフェノジド、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、ミルベメクチン、ミルベマイシン、モノクロトホス、
ナレッド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、
オメトエート、オキサミル、オキシジメトンM、
ペシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、パラチオンA、パラチオンM、ペルメトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミカーブ、ピリミホスA、ピリミホスM、プロフェノホス、プロメカルブ、プロパルギット、プロポキスル、プロチオホス、プロトエート、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレスメトリン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダチオン(pyridathion)、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、
キナルホス、リバビリン、
サリチオン、ブチルフォス、シラフルオフェン、スピノサド、スピロディクロフェン、スルホテップ、スルプロホス、
タウ−フルバリネート、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリミホス(tebupirimiphos)、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テミビンホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラジホン、θ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チアプロニル、チアトリホス(thiatriphos)、チオシクラムシュウ酸塩(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオジカルブ、チオファノックス、スリンジエンシン(thuringiensin)、トラロシトリン(tralocythrin)、トラロメトリン、トリアラセン、トリアゼメート、トリアゾホス、トリアズロン(triazuron)、トリクロフェニジン(trichlophenidine)、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、
バミドチオン、バニリプロール(vaniliprole)、バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii)、
YI5302、ゼータ−シペルメトリン、ゾラプロホス(Zolaprofos)、
(1R−シス)−[5−(フェニルメチル)−3−フラニル]−メチル−3−[(ジヒドロ−2−オキソ−3(2H)−フラニリデン)−メチル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、
(3−フェノキシフェニル)−メチル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、
1−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]テトラヒドロ−3,5−ジメチル−N−ニトロ−1,3,5−トリアジン−2(1H)−イミン、
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール、
2−(アセチルオキシ)−3−ドデシル−1,4−ナフタレンジオン、
2−クロロ−N−[[[4−(1−フェニルエトキシ)−フェニル]−アミノ]−カルボニル]−ベンズアミド、
2−クロロ−N−[[[4−(2,2−ジクロロ−1,1−ジフルオロエトキシ)−フェニル]−アミノ]−カルボニル]−ベンズアミド、
3−メチルフェニルプロピルカルバメート
4−[4−(4−エトキシフェニル)−4−メチルペンチル]−1−フルオロ−2−フェノキシ−ベンゼン、
4−クロロ−2−(1,1−ジメチルエチル)−5−[[2−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェノキシ)エチル]チオ]−3(2H)−ピリダジノン、
4−クロロ−2−(2−クロロ−2−メチルプロピル)−5−[(6−ヨード−3−ピリジニル)メトキシ]−3(2H)−ピリダジノン、
4−クロロ−5−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メトキシ]−2−(3,4−ジクロロフェニル)−3(2H)−ピリダジノン、
バシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)株 EG−2348、
[2−ベンゾイル−1−(1,1−ジメチルエチル)−ヒドラジノ安息香酸、
2,2−ジメチル−3−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イルブタノエート、
[3−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−2−チアゾリジニリデン]−シアナミド、
ジヒドロ−2−(ニトロメチレン)−2H−1,3−チアジン−3(4H)−カルボキサルデヒド、
エチル=[2−[[1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−(フェニルメチル)−4−ピリダジニル]オキシ]エチル]−カルバメート、
N−(3,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−3−ブテニル)−グリシン、
N−(4−クロロフェニル)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−4−フェニル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド、
N−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]−N’−メチル−N″−ニトロ−グアニジン、
N−メチル−N’−(1−メチル−2−プロペニル)−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド、
N−メチル−N’−2−プロペニル−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド、
O,O−ジエチル=[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]−エチルホスホロアミドチオエート、
N−シアノメチル−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド、
3,5−ジクロロ−1−(3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ)−4−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)−プロポキシ]−ベンゼン。
除草剤などの他の公知の活性化合物との混合又は肥料及び生長調節剤との混合も可能である。
また、本発明の式(I)で示される化合物は、極めて良好な抗真菌活性も有する。該化合物は、特に皮膚糸状菌及び酵母、糸状菌及び二相性真菌[例えば、カンジダ種、例えばカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)]、並びにエピデルモフィトン・フロッコーズム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス種 例えばアルペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)及びアルペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、トリコフィトン種 例えばトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、ミクロスポルム種 例えばミクロスポルム・カニス(Microsporon canis)及びミクロスポルム・オーズアニー(Microsporon audouinii)に対して極めて幅広い抗真菌活性を有する。これらの真菌類のリストは決してカバーされた真菌スペクトルを限定するものではなく、単なる例示のためのものである。
本発明の活性化合物は、そのままで使用できるし、その製剤の形態で使用できるし又はそれから調製される使用形態で、例えばすぐ使用可能な液剤、懸濁剤、水和剤、ペースト剤、可溶性粉剤、粉剤及び粒剤の形態で使用できる。施用は慣用の方法で、例えば散水、液状散布、噴霧、散播、散布、発泡、展着などで実施される。また、本発明の活性化合物は、微量散布法で散布することが可能であるし、又は該活性化合物製剤又は該活性化合物それ自体を土壌に注入することも可能である。また、植物の種子を処理することも可能である。
本発明の活性化合物を殺真菌剤(fungicide)として使用する場合には、その施用量は施用の種類に応じて比較的幅広い範囲内で変化させ得る。植物の部分の処理に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には0.1gから10,000g/ha、好ましくは10gから1000g/haである。種子粉衣に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には種子1kg当たり0.001gから50g、好ましくは種子1kg当たり0.01gから10gである。土壌処理に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には0.1gから10,000g/ha、好ましくは1gから5000g/haである。
前記で既に述べたように、本発明の活性化合物を用いて全植物及びその部分を処理することが可能である。好ましい実施形態においては、野生植物種及び植物品種、又は慣用の生物学的育種、例えば異種交配又はプロトプラスト融合によって得られる植物品種及びその部分を処理する。さらに好ましい実施形態においては、遺伝子工学によって、適切ならば慣用の方法と組み合わせることによって得られるトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子修飾生物)、並びにこれらの部分を処理する。「部分」又は「植物の部分」又は「植物部分」という用語は、前に説明してある。
市販されているか又は使用されているそれぞれの場合の植物品種の植物は、本発明によって処理されることが特に好ましい。植物品種とは、新規な性質(「特性」)を有し且つ慣用の育種法、突然変異誘発又は組換えDNA技術によって得られている植物を意味すると理解されるべきである。これらは、品種、変種、生物型又は遺伝子型であり得る。
植物種又は植物品種、その生育場所及び生育条件(土壌、気候、植物期間、飼料)に応じて、本発明の処理はまた付加(「相乗」)効果をもたらし得る。従って、例えば、施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は本発明によって使用できる物質及び化合物の活性の増大、よりよい植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、吸入又は水分もしくは土壌塩分に対する耐性の増大、開花性能の増大、収穫のより容易さ、熟成の促進、より高い収穫量、よりよい品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性が可能であり、これらは実際に期待されるべきであった効果を超える。
本発明によって処理されることが好ましいトランスジェニック植物又は植物品種(すなわち、遺伝子工学によって得られる植物品種)としては、遺伝子組み換えにおいてこれらの植物に特に都合のよい有用な性質(「特性」)を付与した遺伝子材料を受け入れた植物全てが挙げられる。かかる性質の例は、よりよい植物生長、高温又は低温に対する耐性、吸入又は水分もしくは土壌塩分に対する耐性の増大、高められた開花性能、収穫のより容易さ、促進された熟成、より高い収穫量、よりよい品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性である。別の性質及び特に重視されるかかる性質は、動物及び微生物害虫、例えば昆虫、ダニ、植物病原性の真菌、細菌及び/又はウイルスに対する植物のよりよい防衛能、及びある種の除草活性化合物に対する植物の高めれらた抵抗性である。トランスジェニック植物の例としては、重要な作物植物、例えば穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、アブラナ及び果樹植物(リンゴ、ナシ、柑橘系果物及びブドウ)を挙げ得、特に重要なものはトウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ及びアブラナが挙げられる。重視される特性は、特に、植物内で形成された毒素、特にバシラス・スリジエンシス(Bacillus thuringiensis)由来の遺伝物質[例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIlB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF及びこれらの組み合わせ]により植物内で形成された毒素による昆虫に対する植物の高められた防衛能である(以下、「Bt植物」という)。また特に重視される特性は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン類、エリシター類及び耐性遺伝子及びこれらに対応して発現されるタンパク質及び毒素による真菌、細菌及びウイルスに対する植物の高められた防衛能である。さらに別の特に重視される特性は、ある種の除草活性化合物、例えばイミダゾリノン類、スルホニルウレア類、グリホセート又はホスフィノトリシン(例えば、「PAT」遺伝子)に対する植物の高められた耐性である。当該所望の特性を付与する遺伝子はまた、トランスジェニック植物内で相互に組み合わせて存在させ得る。「Bt植物」の例としては、トウモロコシ変種、ワタ変種、ダイズ変種及びジャガイモ変種を挙げ得、これらは商品名YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucoton(登録商標)(ワタ)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)として販売されている。除草剤抵抗性植物の例としては、トウモロコシ変種、ワタ変種及びダイズ変種を挙げ得、これらは商品名Roundup Ready(登録商標)(グリホセート抵抗性、例えばトウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシン抵抗性、例えばアブラナ)、IMI(登録商標)(イミダゾリニノン抵抗性)及びSTS(登録商標)(スルホニルウレア抵抗性、例えばトウモロコシ)として販売されている。除草剤抵抗性植物(除草剤耐性について慣用の方法で育成させた植物)としては、商品名Clearfield(登録商標)(例えばトウモロコシ)として販売されている変種を挙げ得る。勿論、これらの説明は、これらの遺伝特性又はさらに開発されるべき遺伝特性を有する植物品種にも適用される、これらの植物は今後開発され及び/又は市販されるであろう。
前記に挙げた植物は、本発明の式(I)で示される化合物を用いて本発明の方法に従って特に都合のよい方法で処理することができる。また、活性化合物について前記の好ましい範囲が、これらの植物に適用される。本明細書に詳しく述べた化合物を用いて植物を処理することが特に重要である。
製造例
(実施例1)
Figure 0004550412
方法(a):
2−(1,3,3−トリメチルブチル)アニリン382.6mg(2ミリモル)、5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリド353.2mg(2ミリモル)及び炭酸カリウム276.4mg(2ミリモル)の混合物をアセトニトリル25ml中で室温で一晩攪拌した。飽和塩化アンモニウム溶液30mlを加え、得られた混合物を酢酸エチル30mlで抽出した。得られた有機相を一緒にして硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上でシクロヘキサン/酢酸エチル(開始時は純シクロヘキサンを用い、最後には80%酢酸エチルを用いた)を使用してクロマトグラフィー分離した。
これにより、融点78℃から80℃の5−フルオロ−1,3−ジメチル−N−[2−(1,3,3−トリメチルブチル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドが280mg(理論値の42%)得られた。
(実施例2)
Figure 0004550412
方法(b)
5%Pd/C 500mgの存在下で、N−[2−(1−エテニルプロピル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(I−24)540mg(1.792ミリモル)をメタノール50ml中で100バールの水素圧下で80℃で5時間水素添加した。触媒を濾過して除き、濾過残留物をメタノール50mlで2回洗浄し、母液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上でシクロヘキサン/酢酸エチル(4:1)を使用してクロマトグラフィー分離した。
これにより、N−[2−(1−エチルプロピル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド150mg(理論値の30%)が黄色結晶として得られた。
HPLC:logP=3.01
(実施例3)
Figure 0004550412
直列式反応としての方法(c)及び(b)
室温で、N−[2−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)−フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(IV−1)450mg(1.41ミリモル)をジクロロメタン10ml中で、トリフルオロ酢酸1.6g(14.1ミリモル)とトリエチルシラン0.16g(1.41ミリモル)を加えた後に1時間攪拌した。得られた反応溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を使用してpH7に調整し、有機相を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上でシクロヘキサン/酢酸エチル(4:1)を使用してクロマトグラフィー分離した。
これにより、N−[2−(1−エチルプロピル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド120mg(理論値の20%)が黄色結晶として得られた。
HPLC:logP=3.01
(実施例4)
Figure 0004550412
方法(d)
ヨードアニリドすなわち5−フルオロ−N−(2−ヨードフェニル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド0.718g(2ミリモル)、1,1−ジフルオロ−2−ビニルシクロプロパン0.25g(2.5ミリモル)及びトリエチルアミン0.33ml(2.4ミリモル)をジメチルホルムアミド4mlに溶解し、次いで得られた反応溶液中にアルゴンを5分間通送した。次いで、酢酸パラジウム20mg(0.09ミリモル)を加え、得られた混合物を密閉気密容器中で100℃で16時間攪拌した。反応が終結した後に、混合物をシリカカートリッジに加え、酢酸エチルで溶出した。溶出液を活性炭と混合し、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上でシクロヘキサン/酢酸エチル(3:1から1:1)を使用してクロマトグラフィー分離した。
これにより、N−{2−[2−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)エテニル]−フェニル}−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド154mg(理論値の23%)が得られた。
HPLC:logP=2.59
(実施例5)
Figure 0004550412
方法(e):
n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド227mg(0.55ミリモル)をテトラヒドロフラン2mlに懸濁し、−30℃で、n−BuLiのヘキサン溶液0.34ml(0.55ミリモル)を加え、次いで得られた混合物をこの温度で20分間攪拌した。N−(2−アセチルフェニル)−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド138mg(0.5ミリモル)をテトラヒドロフラン2mlに懸濁した懸濁液を加え、次いで混合物をさらに冷却することなく16時間攪拌した。水3mlを加え、得られた混合物をそれぞれ酢酸エチル20mlで3回抽出した。得られた有機相を一緒にして、硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上でシクロヘキサン/酢酸エチル(5:1から1:1)を使用してクロマトグラフィー分離した。
これにより、5−フルオロ−1,3−ジメチル−N−[2−(1−メチル−1−ヘキセニル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド17mg(理論値の10%)が得られた。
HPLC:logP=4.36
下記の表1に挙げた式(I)で示される化合物は、実施例1から5と同様にして及び前記の方法の一般的な説明の記載に従って得られる。
Figure 0004550412
Figure 0004550412
Figure 0004550412
Figure 0004550412
Figure 0004550412
Figure 0004550412
Figure 0004550412
Figure 0004550412
Figure 0004550412
Figure 0004550412
Figure 0004550412
中間体の製造
実施例(IV−1)
Figure 0004550412
方法(f):
室温で、3−(2−アミノフェニル)−3−ペンタノール358.5mg(2ミリモル)及び5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリド353.2mg(2ミリモル)を、アセトニトリル15ml中で炭酸カリウム276.4mg(2ミリモル)と一緒に16時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム溶液30mlを加え、次いで得られた混合物を酢酸エチル30mlで抽出した。得られた有機相を一緒にして濃厚塩化ナトリウム溶液30mlで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル上でシクロヘキサン/酢酸エチル(開始時は純シクロヘキサンを用い、最後には80%酢酸エチルを用いた)を使用してクロマトグラフィー分離した。
これにより、N−[2−(1−エチル−1−ヒドロキシプロピル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド350mg(理論値の45%)を無色結晶として得た。
HPLC:logP=2.47
下記の表2に挙げた式(IV)で示される化合物は、実施例(IV−1)と同様にして及び前記の方法の一般的な説明の記載に従って得られる。
Figure 0004550412
Figure 0004550412
Figure 0004550412
実施例(V−1)
Figure 0004550412
方法(g):
炭酸カリウム5.86g(42ミリモル)と2−ヨードアニリン6.2g(28.3ミリモル)との混合物をアセトニトリル100ml中で室温で10分間攪拌した。5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリド5g(28.3ミリモル)をアセトニトリル10mlに溶解した溶液を徐々に加え、次いで得られた混合物を還流下で16時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで酢酸エチル200mlと水100mlを加えた。有機相を分離し、得られた水性相を酢酸エチル200mlで3回抽出した。得られた有機相を一緒にして硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をエーテル50ml中で攪拌した。
これにより5−フルオロ−N−(2−ヨードフェニル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド4.78g(理論値の47%)が得られた。
HPLC:logP=2.44
実施例(VIII−1)
Figure 0004550412
方法(h):
5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロリド8g(45ミリモル)をアセトニトリル30mlに溶解した溶液を、アセトニトリル40ml中の炭酸カリウム10.4g(76ミリモル)と2−アミノアセトフェノン5.1g(38ミリモル)との混合物に加え、混合物を80℃で16時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで酢酸エチル200mlと水70mlを加えた。有機相を分離し、得られた水性相を酢酸エチル200mlで3回抽出した。得られた有機相を一緒にして硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いで減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタンを使用してシリカゲルカートリッジを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、次いで粗生成物をジイソプロピルエーテルに飽和させた。
これによりN−(2−アセチルフェニル)−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド2.5g(理論値の24%)が得られた。
HPLC:logP=2.15
前記の製造例及び表に示したlogP値は、EEC Directive 79/831 Annex V.A8に従って逆相カラム(C18)を使用してHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により測定した。温度:43℃。
この測定は、移動相として0.1%水性リン酸とアセトニトリルとをアセトニトリル10%からアセトニトリル90%までの直線濃度勾配で使用してpH2.3の酸性範囲で行った。
検定は、既知のlogP値を有する非分岐アルカン−2−オン類(炭素原子3〜16個を有する)を使用して行った(2つの連続するアルカノンの間の直線内挿法を使用して保持時間によりlogP値を測定)。
λmax値は200nmから400nmのUVスペクトルを使用してクロマトグラフシグナルの最大値で測定した。
使用実施例:
実施例A
網斑病(オオムギ)試験/保護試験
溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド25重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル0.6重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所定の濃度に希釈した。
保護活性について試験するために、稚苗に活性化合物の製剤を前記の施用量で噴霧した。噴霧被膜を乾燥した後に、前記稚苗にオオムギの網斑病菌(Pyrenophora teres)の分生子懸濁液を噴霧した。この苗を20℃及び相対大気湿度100%の培養室で48時間保持した。
次いで、前記の苗を約20℃の温度及び約80%の相対大気湿度の温室に入れた。
評価は、菌接種後7日目に行った。0%は対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
この試験では、例えば、前記の製造例の化合物16及び17が、250g/haの施用量で95%又はそれ以上の効果を示した。
Figure 0004550412
実施例B
うどんこ病(リンゴ)試験/保護試験
溶媒:アセトン24.5重量部
ジメチルアセトアミド24.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所定の濃度に希釈した。
保護活性について試験するために、稚苗に活性化合物の製剤を前記の施用量で噴霧した。噴霧被膜を乾燥した後に、前記の苗にリンゴのうどん粉病菌(Pyrenophora leucotricha)の水性胞子懸濁液を接種した。次いで、この苗を約23℃の温度及び約70%の相対大気湿度の温室に入れた。
評価は、菌接種後10日目に行った。0%は対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
この試験では、例えば、前記の製造例の化合物9、16、17及び18が、100g/haの施用量で90%又はそれ以上の効果を示した。
Figure 0004550412
Figure 0004550412
実施例C
輪紋病(トマト)試験/保護試験
溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド49重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所定の濃度に希釈した。
保護活性について試験するために、トマトの稚苗に活性化合物の製剤を前記の施用量で噴霧し、処理後1日目に該植物にトマトの輪紋病菌(Altemaria solani)の胞子懸濁液を接種し、次いで相対湿度100%及び20℃で24時間保持した。次いで、この苗を96%の相対大気湿度及び20℃の温度で保持した。
評価は、菌接種後7日目に行った。0%は対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
この試験では、例えば、前記の製造例の化合物16、17及び20が、750g/haの施用量で90%又はそれ以上の効果を示した。
Figure 0004550412

Claims (6)

  1. 式(I)
    Figure 0004550412
    [式中、
    は水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、(C〜C)アルキル基、1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルキル基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルコキシ基、1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルコキシ基、(C〜C)アルキルチオ基、1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルキルチオ基又はアミノカルボニル(C〜C)アルキル基を表し、
    は水素原子、(C〜C)アルキル基、1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルキル基、(C〜C)アルケニル基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルキルチオ(C〜C)アルキル基、1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルキルチオ(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル基又は1個から5個のハロゲン原子を有する(C〜C)ハロアルコキシ(C〜C)アルキル基を表し、
    Gはハロゲン原子又は(C〜C)アルキル基を表し、
    Gはさらにまた(C〜C)アルキル基を表し、
    は非置換(C 〜C20)アルキル基を表、且つ
    nは0、1又は2を表す]
    で示されるピラゾリルカルボキサニリド。
  2. Gがハロゲン原子又は(C〜C)アルキル基を表し且つ
    、R、R及びnが請求項1に記載の意義を有する
    ものである、請求項1に記載の式(I)で示されるピラゾリルカルボキサニリド。
  3. がメチル基を表し、
    がメチル基を表し
    nが0を表す
    ものである、請求項1または2に記載の式(I)で示されるピラゾリルカルボキサニリド。
  4. 請求項1に記載の式(I)で示されるピラゾリルカルボキサニリドの製造方法であって、
    式(II)
    Figure 0004550412
    (式中、R及びRは請求項1に記載の意義を有し且つ
    Xはハロゲン原子を表す)
    で示されるカルボン酸誘導体を、式(III)
    Figure 0004550412
    (式中、G、R及びnは請求項1に記載の意義を有する)
    で示されるアニリン誘導体と、
    適切ならば酸結合剤の存在下で且つ適切ならば希釈剤の存在下で反応させることを特徴とする、製造方法。
  5. 請求項1に記載の式(I)で示されるピラゾリルカルボキサニリドの製造方法であって、
    式(Ia)
    Figure 0004550412
    [式中、R、R、G及びnは請求項1に記載の意義を有し、
    は(C 〜C20)アルケニル基又は(C 〜C20)アルキニル基を表
    で示されるピラゾリルカルボキサニリドを、
    適切ならば希釈剤の存在下で且つ適切ならば触媒の存在下で水素添加することを特徴とする、製造方法。
  6. 請求項1に記載の式(I)で示されるピラゾリルカルボキサニリドの少なくとも1つと、その他に増量剤及び/又は界面活性剤とを含有してなることを特徴とする、農園芸用殺菌組成物。
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