JP4490524B2 - Electrostatic adsorption stage and substrate processing apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、板状の対象物を静電吸着する静電吸着ステージに関するものであり、また、このような静電吸着ステージによって対象物としての基板を保持して基板の表面に所定の処理を施す基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
対象物を静電気により吸着する静電吸着の技術は、半導体ウェーハや液晶基板等の基板(製品の基になる板状物の総称)を処理する装置において多用されている。例えば、基板の表面に所定の薄膜を作成するスパッタリング装置やプラズマ化学蒸着(CVD)装置、プラズマの作用を利用して基板の表面を所定のパターンでエッチングするプラズマエッチング装置等の基板処理装置では、基板を静電吸着ステージに静電吸着して処理を行っている。
【0003】
静電吸着ステージは、表面が対象物を静電吸着する面になっている誘電体ブロックと、誘電体ブロック内に埋設された吸着電極と、吸着電極に静電吸着用の電圧を印加する吸着電源とから主に構成されている。通常、一対又は複数対の吸着電極が設けられており、吸着電源は、対を成す吸着電極に対して直流電圧を与える。この結果、誘電体ブロックの表面に静電気が誘起され、対象物が静電吸着される。
【0004】
上述したような基板処理装置は、真空中で又は所定の雰囲気中で基板を処理するため、多くの場合、気密な処理容器内に上記静電吸着ステージを備えている。そして、搬送ロボットによって処理容器内に基板を搬送し、静電吸着ステージに載置して静電吸着している。そして、処理終了後は、基板を静電吸着ステージから受け取って処理容器から搬出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の静電吸着ステージにおいて、対象物を静電吸着ステージから取り去る際には、吸着電源の動作を停止させ、吸着電極への電圧印加を解消した状態とする。しかしながら、電圧印加解消後も誘電体ブロックの電荷はすぐには解消せず、静電吸着面には多くの電荷が残留している。このため、対象物を静電吸着面から脱離させようとしても、残留電荷による静電吸着力(以下、残留吸着力)のために対象物が脱離しないことがある。また、無理矢理対象物を脱離させようとすると、対象物が跳びはねたり、最悪の場合には対象物が破損してしまうことがある。
【0006】
また、静電吸着面に残留電荷がある状態で対象物を脱離させると、剥離帯電と同じメカニズムで対象物の裏面が帯電してしまう問題がある。対象物が製品の基になる基板である場合、裏面が帯電すると、そこに多くの塵埃が吸い寄せられ、吸い寄せられた塵埃が基板の表面側に周り込む結果、基板の表面を汚損する恐れがある。このような基板の汚損は、製品不良の原因となる場合がある。
【0007】
さらに、対象物としての基板を搬送ロボットで自動搬送する基板処理装置等において、残留吸着力より静電吸着されている基板を無理矢理脱離させようとすると、反動で基板の位置ずれが生じる。この結果、搬送ロボットに基板を受け渡すことができなくなる事故が発生する恐れもある。
【0008】
このような問題を避ける方法として、吸着電極への電圧印加解消後、残留電荷が自然消滅する時間をおいてから対象物を脱離させる方法が考えられる。しかしながら、自然消滅するまでには30秒〜60秒程度の時間を要し、脱離終了までに長時間を要する欠点がある。特に、静電吸着ステージが基板処理装置のような生産設備に使用される場合、スループットの悪化等の生産性低下の原因になる。
【0009】
また、別の方法として、一対の吸着電極に対して静電吸着の際とは互いに逆極性の電圧を印加して残留電荷を早急に解消させる方法も考えられる。即ち、一対の吸着電極のうち、静電吸着の際には、一方の吸着電極に正電圧を、他方の吸着電極には負電圧を印加する。そして、脱離の際には、一方の吸着電極に負電圧を、他方の吸着電極には正電圧を印加する。誘電ブロックには逆電界が設定されるため、残留電荷が短時間に解消するメリットがある。
【0010】
しかしながら、上記方法も、次のような欠点がある。
まず、脱離の際に逆電界を設定した場合、逆電界設定によって残留電荷は減少し、あるタイミングでゼロになるものの、それ以上に逆電界設定を続けると、今度は逆方向に誘電体ブロックが充電されてしまい、静電吸着面には逆極性の電荷が発生してしまう。従って、この方法を実現するには、残留電荷が丁度ゼロになるタイミングで逆電界設定を停止させる必要がある。しかしながら、この残留電荷がゼロになっている時間の幅は非常に短く、このタイミングで精度良く逆電界設定を停止させるのは困難である。
【0011】
また、上記方法を実現するには、残留電荷がゼロになるまでの時間を予め実験的に求めておき、そのタイミングで逆電界設定を停止させるシーケンスを採用することになる。しかしながら、残留電荷がゼロになるまでの時間は色々な要因によって変化するため、残留電荷ゼロの状態で逆電界設定を停止させるのは実際には難しい。例えば、残留電荷がゼロになるまでの時間は、誘電体ブロックの体積抵抗に大きく影響されるが、この体積抵抗は温度により変化する。基板処理装置における静電吸着ステージは、処理中に基板が所定の温度になるように加熱又は冷却されて温度制御されていることが多く、その温度は処理の種類によって異なる。従って、残留電荷がゼロになるまでの時間も処理の種類によって異なることになる。残留電荷がゼロになるまでの時間を、処理の種類に応じた静電吸着ステージの各温度に従って予め求めておくことは困難かつ面倒である。
【0012】
また、誘電体ブロックの体積抵抗は、その製造上の理由からばらつくことが避けられない。従って、残留電荷がゼロになるまでの時間は、使用する静電吸着ステージにより少しずつ変化してしまう。また、基板処理装置では、残留電荷がゼロになるまでの時間は、基板の表面状態によっても変わってしまう。例えば、基板が単なるシリコンウェーハ(ベアシリコン)の場合と、シリコンウェーハの表面に酸化シリコン等の絶縁膜が形成されている場合とでは、残留電荷がゼロになるまでの時間は微妙に変わってしまう。
【0013】
さらに、対象物としての基板を搬送ロボットにより自動搬送する基板処理装置等では、静電吸着ステージと搬送ロボットとの間の基板の受け渡しは、静電吸着ステージに設けた複数の昇降ピンにより行われることが多い。この場合、基板への昇降ピンの当接箇所は複数になるが、上記方法において残留電荷が消滅するタイミングはそれら複数の当接箇所において同時になることは殆どない。従って、ある箇所で残留電荷がゼロになったタイミングを捉えて基板を脱離させても、他の箇所ではまだ残留電荷があり、その箇所では昇降ピンが無理矢理基板を脱離させることになる。この結果、基板の跳びはね、破損、剥離帯電、位置ずれ等が生ずる恐れがある。
【0014】
本願の発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、対象物を静電吸着ステージから脱離させる際に対象物の跳びはね、破損、剥離帯電、位置ずれ等の問題を発生させないという技術的意義を有する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、表面が静電吸着面である誘電体ブロックと、誘電体ブロック内に設けられた第1吸着電極及び第2吸着電極と、第1吸着電極に所定の電圧を印加する第1吸着電源と、第2吸着電極に第1吸着電極とは逆極性の所定の電圧を印加する第2吸着電源とを備え、第1吸着電源及び第2吸着電源により誘電体ブロックに静電吸着用の電界を設定することで静電吸着面に静電気を誘起して板状の対象物を静電吸着する吸着電源を備えた静電吸着ステージであって、
対象物の脱離のために前記静電吸着用の電界を解消させた後に前記誘電体ブロックに前記静電吸着用の電界とは逆向きの電界を設定する逆電界設定機構と、静電吸着力とは逆向きの機械的な圧力を対象物の脱離の前に予め対象物に与える予圧機構とが設けられており、予圧機構が与える予圧の大きさは、その予圧が与えられる際の残留電荷による静電吸着力よりも小さいものであり、
前記逆電界設定機構は、前記第1吸着電源が前記第1吸着電極に印加する電圧を前記静電吸着用の電界を設定する際のものとは逆極性にし、前記第2吸着電源が前記第2吸着電極に印加する電圧を前記静電吸着用の電界を設定する際のものとは逆極性にして前記逆向きの電界を設定するものであり、
前記逆電界設定機構は、前記予圧機構が予圧を与えた後に前記逆向きの電界を設定するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、上記請求項1の構成において、前記静電吸着面が水平な面であってその上に前記対象物が静電吸着されるようになっており、前記予圧の大きさは、前記対象物の自重による圧力より大きいという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2の構成において、前記誘電体ブロックには前記静電吸着面に垂直な方向に延びる複数のピン用通路が設けられているとともに、各ピン用通路にはピンが設けられており、
対象物の受け渡しのために各ピンをピン用通路に沿って移動させるか又は前記誘電体ブロックと前記吸着電極をピン用通路の方向に移動させる駆動部が設けられており、
前記予圧機構は、この駆動部とは別の駆動源によって前記予圧を印加するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、上記請求項3の構成において、前記予圧機構は、前記各ピンの先端に設けられた可動ヘッドと、可動ヘッドを介して前記対象物に対して弾性力を作用させる弾性体とを有しており、この弾性体が前記別の駆動源であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、基板の表面に所定の処理を施す基板処理装置であって、内部でその所定の処理が行われる処理容器と、処理容器内の所定の位置に基板を静電吸着して保持する静電吸着ステージとを備えており、
静電吸着ステージは、表面が静電吸着面である誘電体ブロックと、誘電体ブロック内に設けられた第1吸着電極及び第2吸着電極と、第1吸着電極に所定の電圧を印加する第1吸着電源と、第2吸着電極に第1吸着電極とは逆極性の所定の電圧を印加する第2吸着電源とを備え、第1吸着電源及び第2吸着電源により誘電体ブロックに静電吸着用の電界を設定することで静電吸着面に静電気を誘起して板状の対象物を静電吸着する吸着電源を備えた静電吸着ステージであって、
対象物の脱離のために前記静電吸着用の電界を解消させた後に前記誘電体ブロックに前記静電吸着用の電界とは逆向きの電界を設定する逆電界設定機構と、静電吸着力とは逆向きの機械的な圧力を対象物の脱離の前に予め対象物に与える予圧機構とが設けられており、予圧機構が与える予圧の大きさは、その予圧が与えられる際の残留電荷による静電吸着力よりも小さいものであり、
前記逆電界設定機構は、前記第1吸着電源が前記第1吸着電極に印加する電圧を前記静電吸着用の電界を設定する際のものとは逆極性にし、前記第2吸着電源が前記第2吸着電極に印加する電圧を前記静電吸着用の電界を設定する際のものとは逆極性にして前記逆向きの電界を設定するものであり、
前記逆電界設定機構は、前記予圧機構が予圧を与えた後に前記逆向きの電界を設定するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、上記請求項5の構成において、前記静電吸着面が水平な面であってその上に前記基板が静電吸着されるようになっており、前記予圧の大きさは、前記基板の自重による圧力より大きいという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、上記請求項5又は6の構成において、前記誘電体ブロックには前記静電吸着面に垂直な方向に延びる複数のピン用通路が設けられているとともに、各ピン用通路にはピンが設けられており、
基板の受け渡しのために各ピンをピン用通路に沿って移動させるか又は前記誘電体ブロックと前記吸着電極とをピン用通路の方向に移動させる駆動部が設けられており、
前記予圧機構は、この駆動部とは別の駆動源によって前記予圧を印加するものである構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、上記請求項7の構成において、前記予圧機構は、前記各ピンの先端に設けられた可動ヘッドと、可動ヘッドを介して前記基板に対して弾性力を作用させる弾性体とを有しており、この弾性体が前記別の駆動源である構成を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態について説明する。
まず、静電吸着ステージの発明の実施形態について説明する。図1及び図2は静電吸着ステージの発明の実施形態の概略を示す図であり、図1は正面断面図、図2は平面図である。図1及び図2に示す静電吸着ステージは、金属製のステージ本体11と、表面が静電吸着面10である誘電体ブロック12と、誘電体ブロック12内に設けられた吸着電極131,132とから主に構成されている。
【0017】
誘電体ブロック12は、アルミナ等の誘電体製である。本実施形態では、二極方式の構成が採用されており、従って吸着電極131,132は一対のものである。一対の吸着電極131,132は図2に示すように半円板状であり、静電吸着面10と平行な面に沿って設けられている。
【0018】
また、静電吸着ステージは、吸着電極131,132に所定の電圧を印加して誘電体ブロック12に静電吸着用の電界を設定する吸着電源141,142を備えている。吸着電源141,142は二つ設けられており、一対の吸着電極131,132に極性が互いに異なり大きさが同じである直流電圧を印加するようになっている。尚、ステージ本体11はアースされている。
二つの吸着電源141,142が動作すると、一対の吸着電極131,132の間には静電吸着用の電界として直流電界が設定され、この電界によって静電吸着面10に静電気が誘起されて対象物9が静電吸着されるようになっている。
【0019】
静電吸着のメカニズムとしては、二つのものが知られている。一つは、クーロン力によるものであり、もう一つはジョンソンラーベク力によるものである。ジョンソンラーベク力は、微小な領域に電流が集中することにより生ずる吸着力である。即ち、静電吸着面10や対象物9の裏面は、微視的には小さな凹凸があり、対象物9が静電吸着面10に載置された際には、これらの凹凸が接触している。吸着電源141,142が動作して静電吸着面10に静電気が誘起されると、これらの微小な凹凸の接触箇所に電流が集中して流れ、この結果、ジョンソンラーベク力による吸着力が生ずる。本実施形態のような静電吸着ステージは、クーロン力よりもジョンソンラーベク力の方が支配的であり、主にジョンソンラーベク力により静電吸着が成される。
【0020】
また、静電吸着ステージは、対象物9の受け渡しのための機構(以下、受け渡し機構)15を備えている。受け渡し機構15は、主に静電吸着ステージ内で昇降する複数の昇降ピン151と、複数の昇降ピン151を一体に保持したピン保持板152と、ピン保持板152を駆動して複数の昇降ピン151を一体に昇降させるピン駆動部153等から構成されている。図1及び図2に示すように、静電吸着ステージには、上下方向に長いピン用通路16が形成されている。昇降ピン151はこのピン用通路16内に位置して昇降するようになっている。尚、図2に示すように、ピン用通路16は三つ設けられており、それらの位置は静電吸着ステージの中心と同心である正三角形の頂点の位置となっている。そして、それらピン用通路16の各々に昇降ピン151が設けられており、従って三つの昇降ピン151が設けられている。
【0021】
ピン保持板152は、水平な姿勢で設けられており、各昇降ピン151の下端を固定して保持している。ピン駆動部153には、サーボモータとボールねじを組み合わせた機構が採用されている。サーボモータを動作させると、ピン保持板152は不図示の回転規制部によって回転しないようになっているので、ボールねじによって回転運動が上下運動に変換されてピン保持板152が上下に移動する。この結果、各昇降ピン151が同時に昇降するようになっている。サーボモータとしては位置制御用の高精度のものが好適であり、昇降ピン151を上下方向の任意の位置で停止させられるようにすることが好ましい。
【0022】
上述した構成の静電吸着ステージに対象物9を静電吸着させる場合、ピン駆動部153によって各昇降ピン151を所定の上限位置に位置させる。この上限位置では、各昇降ピン151は静電吸着面10から突出している。この状態で、各昇降ピン151の上に対象物9を載せ、ピン駆動部153を動作させて各昇降ピン151を下限位置まで下降させる。下限位置では、各昇降ピン151の先端は静電吸着面10よりも下方に位置する状態となる。従って、各昇降ピン151が上限位置から下降位置まで下降する際、対象物9は静電吸着面10の上に載る。この状態で、上述したように一対の吸着電源141,142を動作させると、対象物9は静電吸着面10に静電吸着される。
【0023】
対象物9を静電吸着面10から脱離させる際には、上記とは逆の動作になる。即ち、ピン駆動部153を動作させて各昇降ピン151を下限位置から上限位置まで上昇させる。この上昇の際、各昇降ピン151は対象物9を静電吸着面10から持ち上げるよう動作する。そして、各昇降ピン151が上限位置に達すると、対象物9も上限位置に位置することになる。これにより、対象物9の脱離動作が終了する。
【0024】
また、本実施形態の静電吸着ステージは、上記対象物9の脱離の際に残留電荷を少なくするため、逆電界設定機構17を備えている。逆電界設定機構17は、誘電体ブロック12に静電吸着用の電界とは逆向きの電界を設定するものである。本実施形態では、静電吸着用の電界を設定する一対の吸着電源141,142を逆電界設定機構17に兼用している。即ち、逆電界設定機構17は、一対の吸着電源141,142の吸着電極131,132に対する接続を逆にするスイッチ回路171と、スイッチ回路171を駆動するスイッチ駆動部172とから主に構成されている。
【0025】
スイッチ回路171は、OPアンプIC等の半導体素子を利用した回路又はリレー等が使用される。スイッチ駆動部172は、対象物9の静電吸着の際には、例えば、正電圧印加の吸着電源(以下、正電源)141を一方の吸着電極131に接続し、負電圧印加の吸着電源(以下、負電源)142を他方の吸着電極132に接続するようスイッチ回路171を駆動する。そして、対象物9の脱離の際には、正電源141を他方の吸着電極132に接続し、負電源142を一方の吸着電極131に接続するようスイッチ回路171を駆動する。これにより、誘電体ブロック12には静電吸着時とは逆向きの電界が設定されるようになっている。
【0026】
本実施形態の静電吸着ステージの大きな特徴点は、対象物9の脱離の際、所定の機械的な圧力を対象物9に与える予圧機構が設けられている点である。以下、この点を詳説する。予圧機構は、対象物9を静電吸着ステージから脱離させる際、静電吸着面10の残留電荷による残留吸着力よりも大きさが小さくて静電吸着力とは逆向きの機械的な圧力を脱離の前に予め対象物9に与えるものである。本実施形態では、構造を簡略化するため、受け渡し機構15を兼用して予圧機構としている。
【0027】
図3は、図1の静電吸着ステージに設けられた予圧機構について説明する図であり、図1に示す昇降ピン151の断面構造を示す概略図である。図3に示すように、昇降ピン151は上端側が中空状である。そして、この中空の部分には、コイルスプリング181と、コイルスプリング181の上端に固定された可動ヘッド182とが設けられている。コイルスプリング181の下端は、昇降ピン151の非中空部分に固定されている。図2に示すように本実施形態では三つの昇降ピン151が設けられているが、それぞれ同じ構成のコイルスプリング181及び可動ヘッド182が設けられている。
【0028】
コイルスプリング181が自由長の状態にあるとき、可動ヘッド182は昇降ピン151の上端開口から少し突出した状態になる。前述したように受け渡し機構15が動作して昇降ピン151が上昇すると、可動ヘッド182が対象物9の裏面に当接する。そしてさらに昇降ピン151が上昇すると、対象物9は残留吸着力によって静電吸着面10に吸着されているために可動ヘッド182がコイルスプリング181をその弾性に逆らって縮めるよう作用する。昇降ピン151が適当な上昇位置で停止すると、残留吸着力よりも大きさが小さくて残留吸着力とは逆向きの圧力がコイルスプリング181の弾性によって対象物9に与えられることになる。以下、この上昇位置を本実施形態の説明において「予圧位置」と呼ぶ。
【0029】
次に、上記構成に係る本実施形態の静電吸着ステージの動作について、図4を使用してさらに詳しく説明する。図4は、図1から図3に示す実施形態の静電吸着ステージの動作について説明するタイミングチャートである。図4中、(1)は吸着電極131への印加電圧を、(2)は吸着電極132への印加電圧を、(3)は可動ヘッド182の位置を、(4)は予圧の印加状況を、(5)は誘電体ブロック12の残留電荷を、(6)は対象物9に作用する静電吸着力についてそれぞれ時系列的に示している。
【0030】
まず、対象物9を静電吸着する場合には、前述した通り対象物9を静電吸着ステージの静電吸着面10の上に載せ、一対の吸着電源141,142を動作させる。これによって対象物9が静電吸着面10に静電吸着される。
対象物9を静電吸着面10から脱離させる動作は、以下の手順で行う。まず、時刻t0 にて、一対の吸着電源141,142の動作を停止させる。この結果、一対の吸着電極131,132への印加電圧は0Vということになる。この際、一対の吸着電極131,132は接地電位ではあるものの、誘電体ブロック12にはまだ残留電荷が多く存在しており、対象物9は残留吸着力によって静電吸着面10に吸着されている。
【0031】
そして、時刻t1 において受け渡し機構15のピン駆動部153を動作させ、昇降ピン151が下限位置から予圧位置に位置するよう昇降ピン151を上昇させる。この結果、前述したように、対象物9が残留吸着力によって吸着されつつもそれとは逆向きの機械的な圧力が対象物9に与えられた状態となる。その後、スイッチ駆動部172がスイッチ回路171を駆動させ、一対の吸着電極131,132に対する一対の吸着電源141,142の接続状態を互いに逆にする。そして、時刻t2において一対の吸着電源141,142に動作を再開させる。この結果、一対の吸着電極131,132を介して誘電体ブロック12に静電吸着用の電界とは逆向きの電界が設定される。この逆向きの電界によって、誘電体ブロック12の残留電荷は、図4(5)に示すように急速に緩和されて減少する。
【0032】
逆電界の印加が続くと、時刻t4 において残留電荷がやがてゼロになる。この時刻t4 を過ぎると、誘電体ブロック12が逆極性に充電されて図4(5)に示すように逆極性の電荷が生ずるようになる。しかしながら、本実施形態の静電吸着ステージにおいて重要な点は、対象物9に残留吸着力とは逆向きの予圧が与えられているので、残留電荷がゼロになった時点では予圧によって対象物9が静電吸着面10から離間し、逆極性の電荷によっては静電吸着されない点である。この点について、図4に加え図5を使用して説明する。図5は、対象物9の脱離の際の予圧機構の動作について説明する図である。
【0033】
図5(1)に示すように、対象物9に予圧が印加されている状態では、予圧機構のコイルスプリング181はその弾性に逆らって圧縮されている状態である。上述したように、誘電体ブロック12の残留電荷の減少に伴い、対象物9に作用する残留吸着力も急速に減少する。そして、時刻t4 の前のt3 においては、残留吸着力と予圧とが等しくなる。この時刻t3 又はこの時刻t3 を過ぎたとたんに、図5(2)に示すように、昇降ピン151内のコイルスプリング181の弾性により対象物9が少し持ち上がって静電吸着面10から離間する。
【0034】
対象物9が静電吸着面10から離間すると、誘電体ブロック12と対象物9との間に電流は流れなくなるので、ジョンソンラーベク力による静電吸着力はゼロになる。前述したように本実施形態のような静電吸着ステージではジョンソンラーベク力による静電吸着力が支配的であるから、対象物9が静電吸着面10から離間することにより、対象物9に作用する静電吸着力は激減する。このため、対象物9に作用する力は殆どコイルスプリング181の弾性のみになる。コイルスプリング181はその自由状態に近い長さになるまでに伸張し、対象物9はその分だけ上昇する。そして、対象物9の自重とコイルスプリング181の弾性と釣り合いが取れた位置(以下、離間位置)で対象物9の上昇が停止する。
【0035】
尚、対象物9が静電吸着面10から離間してもクーロン力による静電吸着力は対象物9に作用している。しかしながら、周知のようにクーロン力は距離の二乗に反比例して小さくなる。本実施形態においては、上記離間位置の静電吸着面10からの距離(図5中dで示す)が充分長くなるようコイルスプリング181の弾性力が設定されており、離間位置において対象物9に作用するクーロン力は無視できる程度に小さい。
【0036】
また、対象物9が静電吸着面10から離間するタイミングは、各昇降ピン151において同じになるとは限らない。これは、静電吸着面10の残留吸着力は完全に均一な度合いで減少するとは限らないからである。即ち、三つの昇降ピン151において、まず一つの昇降ピン151が当接している箇所で最初に離間が生じ、次に、別の一つの昇降ピン151が当接している箇所で離間が生じ、最後に、残りの一つの昇降ピン151が当接している箇所で離間が生ずる場合もある。いずれにしても、充分な時間の経過後には、三つの昇降ピン151の当接箇所すべてで離間が生じ、対象物9は静電吸着面10から完全に離間する。
【0037】
このようにして、対象物9が静電吸着面10から脱離して離間位置まで上昇し、対象物9に作用する残留吸着力が解消されると、受け渡し機構15が最終的な受け渡しのための動作を行う。即ち、ピン駆動部153が動作して、各昇降ピン151を所定の上限位置まで上昇させる。この結果、対象物9も上限位置まで上昇する。この位置で、人の手によって又はロボット等の自動的な機構によって対象物9は静電吸着ステージから取り去られる。
【0038】
上記動作の説明から解るように、本実施形態の静電吸着ステージによれば、静電吸着面10に残留吸着力が無いか又はあっても影響を受けない状態で対象物9が静電吸着面10から脱離するので、対象物9の跳びはね、破損、位置ずれ、剥離帯電等の問題が生じない。
また、対象物9に機械的な予圧をかけた状態で逆電界を設定して残留電荷を緩和するので、残留電荷がゼロになる直前に予圧によって対象物9が静電吸着面10から自動的に離間する。従って、誘電体ブロック12が逆極性に誘電分極され始めても、対象物9にはこの逆極性の誘電分極による残留吸着力は作用しない。このため、残留電荷が丁度ゼロになるタイミングで逆電界設定を停止させる必要はなく、本実施形態の構成の実用性は極めて高い。即ち、誘電体ブロック12の体積抵抗等の静電的な条件に応じて逆電界の印加時間を調節する必要はない。図4に示すように、時刻t4 経過後に、任意の時刻t5 に一対の吸着電源141,142の動作を停止させればよい。時刻t4 は、誘電体ブロック12の体積抵抗等の条件により異なるから、予想される(t4 −t0 )の時間のうち最も長い時間に対して充分長くなるように時刻t5 を設定すればよい。
【0039】
上述した本実施形態の構成において、予圧機構が与える予圧の大きさは重要なパラメータである。予圧を印加する際、その印加の瞬間における残留吸着力よりも大きな予圧を印加してしまうと、予圧の印加と同時に対象物9が残留吸着力に逆らって静電吸着面10から離間する結果となる。これでは、対象物9を無理矢理脱離させているのと同じになり、前述したように対象物9の跳びはね、破損、位置ずれ、剥離帯電等の問題を生ずる恐れがある。
【0040】
また、対象物9の自重がコイルスプリング181を圧縮する圧力よりも予圧が小さくなってしまうと、残留吸着力がゼロになった時点で対象物9が静電吸着面10から離間しない事態となってしまう。これでは、逆極性の誘電分極による静電吸着力が引き続き作用する結果となり、残留吸着力の無い状態で対象物9を脱離させることが不可能になってしまう。従って、本実施形態の構成では、予圧は対象物9の自重による圧力より大きくすることが好ましい。
【0041】
本実施形態では、静電吸着面10が水平に沿った面であり、その上に対象物9が静電吸着されたが、静電吸着面10が垂直な面であり、対象物9が垂直に立った状態で静電吸着される場合もある。また、水平な静電吸着面10が静電吸着ステージの下面に相当しており、下側で対象物9を静電吸着する場合もある。このように静電吸着面10が側面や下面に設定されている場合、対象物9の自重の影響は無いので、対象物9の自重よりも小さな予圧でも構わない場合がある。尚、このように静電吸着面10が側面や下面に設定されている場合、静電吸着面10から離間した対象物9が落下しないよう保持する保持具を別途設けることが好ましい。
【0042】
尚、予圧によって対象物9が静電吸着面10から離間した際の静電吸着面10と対象物9との距離(以下、離間距離)は、前述したように、クーロン力が実質的に無視できる程度とされる。この距離は、0.1mm程度以上である。離間距離を長くすることはクーロン力の影響を小さくすることから好ましいが、あまり長くすると、コイルスプリング181の弾性を強くすることになり、離間の際に対象物9が大きく飛び跳ねてしまう問題が生ずる。このため、離間距離は1.0mm程度以下にすることが好ましい。
【0043】
次に、基板処理装置の発明の実施形態について説明する。基板処理装置の実施形態は、上述した実施形態とほぼ同じ構成の静電吸着ステージを備え、対象物としての基板を静電吸着ステージに静電吸着して保持しながら基板の表面に所定の処理を施す装置である。このような基板処理装置としては各種のものがあるが、以下の説明では、一例としてスパッタリング装置を採り上げる。
図6は、基板処理装置の発明の実施形態であるスパッタリング装置を示した正面断面概略図である。図6に示す装置は、内部で基板90に対してスパッタリング処理が行われる処理容器2と、処理容器2内の所定位置に基板90を静電吸着して保持する静電吸着ステージ1とを備えている。
【0044】
処理容器2は、排気系21を備えた気密な真空容器である。排気系21は、処理容器2内を10-9Torr程度の到達圧力まで排気できるよう構成される。処理容器2は、不図示のゲートバルブを介して不図示の予備真空容器に気密に接続されている。
【0045】
静電吸着ステージ1は、図1〜図3に示す実施形態と同様に、ステージ本体11と誘電体ブロック12とから成る。そして、誘電体ブロック12内に一対の吸着電極131,132が埋設されており、この一対の吸着電極131,132に極性が互いに異なる直流電圧を印加する一対の吸着電源141,142が設けられている。
本実施形態においても、静電吸着ステージ1は、逆電界設定機構17を備えている。逆電界設定機構17は、図1〜図3に示す実施形態と同様に、スイッチ回路171と、スイッチ回路171を駆動するスイッチ駆動部172とから成る構成である。
【0046】
また、静電吸着ステージ1は、同様に受け渡し機構15及び予圧機構を備えている。これらの構成は、図1〜図3に示すものとは多少異なる。受け渡し機構15は、静電吸着ステージ1内に設けられた複数の支持ピン154と、静電吸着ステージ1全体を上下に駆動して昇降させるステージ駆動部3とから主に構成されている。本実施形態における支持ピン154では、図1から図3に示す実施形態における昇降ピン151と同様に、正三角形の頂点の位置に三つ設けられている。そして、図1から図3に示す実施形態における昇降ピン151と同様に、コイルスプリングと可動ヘッド(ともに図6中不図示)が設けられている。
【0047】
また、図6に示すように、静電吸着ステージ1の下面中央にはステージ支柱31の上端が固定されている。ステージ支柱31の下端は、水平なベース板32に固定されている。処理容器2の底板部には、静電吸着ステージ1の断面よりも少し小さい開口が設けられている。ステージ支柱31はこの開口に層通されている。そして、ベース板32は処理容器2の下方に位置し、ベース板32の周縁と処理容器2の開口の縁と気密につなぐようにしてベローズ33が設けられている。ステージ駆動部3は、サーボモータ34と、サーボモータ34に接続されたボールねじ35と、ベース板32に固定されているとともにボールねじ35に噛み合った状態で設けられた接続ポート36とから主に構成されている。サーボモータ34が駆動されると、ボールねじ35の回転により接続ポート36を介してベース板32が昇降する。この結果、静電吸着ステージ1もベース板32と一体に昇降するようになっている。
【0048】
受け渡し機構15及び予圧機構の動作について、図7を使用して説明する。図7は、図6に示す装置における静電吸着ステージ1の受け渡し機構15及び予圧機構の動作について説明する図である。本実施形態の装置では、基板90は、不図示の搬送ロボットにより処理容器2内に搬送され、処理終了後には、不図示の搬送ロボットにより処理容器2から搬出されるようになっている。上述した静電吸着ステージ1の受け渡し機構15は、搬送ロボットから静電吸着ステージ1への、また、静電吸着ステージ1から搬送ロボットへの基板90の受け渡しのための機構であり、予圧機構にも兼用されている。
【0049】
基板90が処理容器2内に搬入されていない状態では、ステージ駆動部3は、静電吸着ステージ1を所定の下限位置に位置させている。この状態では、支持ピン154の先端は静電吸着ステージ1の上面(静電吸着面10)から突出している。この状態で、図7(1)に示すように、搬送ロボットがアーム4によって基板90を支持しながら不図示のゲートバルブを通って処理容器2内に進入した後に下降し、基板90を支持ピン154の上に載せる。
搬送ロボットがアーム4を少し下降させた後に後退させ、処理容器2内から退出させる。不図示のゲートバルブが閉じるとともに、ステージ駆動部3が動作し、図7(2)に示すように、静電吸着ステージ1を所定の上限位置まで上昇させる。この結果、静電吸着ステージ1の静電吸着面10の上に基板90が載る。支持ピン154の先端は、基板90の裏面から離れた状態となる。この状態で、吸着電源141,142が動作し、前述した実施形態の場合と同様に基板90が静電吸着される。
【0050】
次に、処理終了後に基板90を処理容器2から搬出する場合には、ステージ駆動部3は静電吸着ステージ1を上限位置から下限位置まで下降させる。この結果、基板90が静電吸着ステージ1の静電吸着面10から脱離し、図7(1)に示すのと同様に支持ピン154の上に基板90が載った状態となる。この状態でゲートバルブが開いて搬送ロボットのアーム4が処理容器2内に進入して基板90の下方に位置する。そして、アーム4が所定距離上昇して基板90を受け取り、処理容器2から退出する。
【0051】
本実施形態における予圧機構は、上述した各支持ピン154内のコイルスプリングと、ステージ駆動部3のサーボモータ34を制御する制御部19等から構成されている。制御部19は、上記基板90の脱離動作の際、上限位置から下限位置に一気に下降させるのではなく、各支持ピン154内のコイルスプリングにより基板90に予圧が与えられる位置に静電吸着ステージ1を一時的に停止させるようになっている。本実施形態の説明では、この位置を「予圧位置」と呼ぶ。この予圧機構の動作について、図8を使用して以下具体的に説明する。図8は、図6に示す基板処理装置の実施形態における予圧機構の動作について説明する図である。
【0052】
前述した脱離動作の際、ステージ駆動部3は、前述したように静電吸着ステージ1を上限位置から下降させる。静電吸着ステージ1が下降すると、基板90の裏面と各支持ピン154の上端との距離が徐々に小さくなり、やがて、各支持ピン154内のコイルスプリング155の上端に設けられた可動ヘッド156に基板90の裏面が接触する(図8(1))。
【0053】
ステージ駆動部3は、静電吸着ステージ1を図8(1)に示す状態からさらに短い所定の距離だけ下降させる(図8(2))。この下降により、基板90の裏面は可動ヘッド156を下方に押し下げるため、コイルスプリング155の弾性により基板90を上方に押し上げる力が基板90に対して与えられる。この際に基板90に与えられる力は、基板90に作用している残留吸着力よりも大きさが小さく静電吸着力とは逆向きの力であり、本実施形態における予圧である。予圧の大きさは、図8(1)の状態から図8(2)の状態にする際の静電吸着ステージ1の下降距離D及びコイルスプリング155のバネ定数によって決まるが、予圧が残留吸着力より大きくならないよう、これらのパラメータが選定される。
【0054】
本実施形態においても、上述した予圧の印加により、誘電体ブロック12の体積抵抗等を考慮することなく、残留電荷がほぼゼロになるタイミングで確実に基板90の脱離を行うことができる。この点について、図9を使用して説明する。図9は、図6から図8に示す実施形態の装置における静電吸着ステージ1からの基板90の脱離動作について説明するタイミングチャートである。図9中、(1)は吸着電極131への印加電圧を、(2)は吸着電極132への印加電圧を、(3)は静電吸着ステージ1の位置を、(4)は予圧の印加状況を、(5)は誘電体ブロック12の残留電荷を、(6)は基板90に作用する静電吸着力についてそれぞれ時系列的に示している。
【0055】
処理終了後、基板90を静電吸着ステージ1から脱離させるために、時刻t0 において、一対の吸着電源141,142の動作を停止させる。この結果、一対の吸着電極131,132への印加電圧は0Vになるものの、誘電体ブロック12の残留電荷により基板90は静電吸着面10に吸着されている。
そして、時刻t1 においてステージ駆動部3が動作し、静電吸着ステージ1を上限位置から予圧位置に下降させる。この結果、前述した予圧が対象物9に与えられた状態となる。
【0056】
その後、スイッチ駆動部172がスイッチ回路171を駆動させ、一対の吸着電極131,132に対する一対の吸着電源141,142の接続状態を互いに逆にし、時刻t2 において一対の吸着電源141,142が動作を再開する。この結果、一対の吸着電極131,132を介して誘電体ブロック12に逆電界が設定される。これによって、誘電体ブロック12の残留電荷は、図9(5)に示すように急速に緩和されて減少する。
【0057】
そして、逆電界の印加が続き、時刻t4 において残留電荷がやがてゼロになり、時刻t4 を過ぎると、誘電体ブロック12が逆極性に充電されて図9(5)に示すように逆極性の電荷が生ずるようになる。この際、時刻t4 より僅かに前のt3 において、残留吸着力と予圧とが等しくなり、この時刻t3 又はこの時刻t3 を過ぎたとたんに、支持ピン154内のコイルスプリング181の弾性により対象物9が少し持ち上がって静電吸着面10から離間する。この結果、ジョンソンラーベク力の解消により静電吸着力は激減する。そして、基板90は、コイルスプリング155の弾性と基板90の自重とが釣り合う高さまで持ち上がり、この状態では残留電荷によるクーロン力は無視できるほど小さい。その後、ステージ駆動部3が静電吸着ステージ1をさらに下降させ、当初の下限位置に位置させる。これによって、基板90の脱離動作が完了する。
【0058】
上記説明から解るように、本実施形態においても、静電吸着面10に残留吸着力が無いか又はあっても影響を受けない状態で基板90が静電吸着面10から脱離するので、基板90の跳びはね、破損、位置ずれ、剥離帯電等の問題が生じない。また、予圧機構によって予圧が与えられているため、残留電荷がゼロになる直前で基板90が静電吸着面10から自動的に離間して静電吸着力が解消される。従って、誘電体ブロック12の体積抵抗等の条件を考慮する必要はなく、極めて実用性が高い。
【0059】
次に、本実施形態の装置の他の構成について説明する。
本実施形態の装置は、上述した他、図6に示すように、処理容器2内に所定のプロセスガスを導入するガス導入系5と、処理容器2内に被スパッタ面が露出するよう設けられたターゲット6と、ターゲット6に所定の電圧を印加してスパッタ放電を生じさせるスパッタ電源7と、ターゲット6の背後に設けられた磁石機構8とを備えている。
【0060】
ターゲット6は、絶縁材61を介してスパッタチャンバー1に気密に取り付けられている。ターゲット6の材質は、基板90の表面に作成する薄膜の材質により決まる。スパッタ電源7には、負の直流電源又は高周波電源が使用される。高周波電源が使用される場合、ターゲット6とスパッタ電源7との間に所定のキャパシタンスが設けられ、ターゲット6に自己バイアス電圧を与えてターゲット6をスパッタする。
【0061】
磁石機構8は、放電の効率のよいマグネトロンスパッタを行うために備えられている。具体的には、磁石機構8は、中心磁石81と、中心磁石81を周状に取り囲む周辺磁石82と、中心磁石81及び周辺磁石82を繋ぐ円盤状のヨーク83とから構成されている。
【0062】
ガス導入系5は、所定のプロセスガスを溜めた不図示ボンベと処理容器2とをつなぐ配管に設けられたバルブ51や不図示の流量調整器とから主に構成されている。プロセスガスとしては、アルゴンや窒素等のガスが使用される。
【0063】
本実施形態の装置の全体の動作について、以下に説明する。
排気系21によって処理容器2が不図示の予備真空容器と同程度の真空圧力まで排気されている状態で、不図示のゲートバルブを通して基板90を不図示の搬送ロボットにより不図示の予備真空容器から処理容器2内に搬入し、静電吸着ステージ1に載置して静電吸着させる。
そして、ゲートバルブを閉じた後、ガス導入系5によって所定のプロセスガスを所定の流量で処理容器2内に導入し、この状態でスパッタ電源7を動作させる。この結果、スパッタ放電が生じてプラズマPが形成される。スパッタ放電によりターゲット6がスパッタされ、基板90の表面に所定の薄膜が作成される。
【0064】
薄膜が所定の厚さに達するまでスパッタを続けた後、スパッタ電源7及びガス導入系5の動作を止める。その後、排気系21によって処理容器2内を再度排気した後、前述したように基板90を静電吸着ステージ1から脱離させ、不図示の搬送ロボットにより処理容器2から不図示の予備真空容器に搬出する。これで一枚の基板90に対する一連の処理が終了する。このような動作を繰り返して、成膜処理を各基板90に対して行う。
【0065】
上述したように、本実施形態の装置は、図1から図3に示す静電吸着ステージ1とは多少異なる構成のものを使用したが、全く同じ構成の静電吸着ステージ1を使用することも勿論可能である。また、本実施形態では、基板処理装置の一例としてスパッタリング装置を採り上げたが、CVD装置やエッチング装置等の他の基板処理装置についても同様に実施できることはいうまでもない。
【0066】
尚、上述したような処理容器2内にプラズマを形成して処理する装置では、プラズマと高周波との相互作用により生ずる自己バイアス電圧により静電吸着を行う構成も採用し得る。この場合には、一対の吸着電極131,132に同様に高周波電圧を印加するか、又は、吸着電極131,132を一つにしてこれに高周波電圧を印加するようにする。プラズマ中のイオン及び電子は高周波によって周期的に静電吸着ステージ1に引きつけられるが、イオンと電子の移動度の違いから電子が多く引きつけられ、その違いを相殺するようにして静電吸着ステージ1の表面は高周波電圧に負の直流分の電圧を重畳したような電位変化となる。この負の直流分の電圧が自己バイアス電圧である。この自己バイアス電圧のみによっても基板90の静電吸着は可能であるが、さらに吸着電極131,132に正の直流電圧を重畳させると、より強い誘電分極を生じるため静電吸着力が高くなる。
【0067】
また、本実施形態では、基板90としては半導体ウェーハが想定されているが、液晶ディスプレイを製作する際の液晶基板やプリント回路を製作する際のプリント基板等についても同様に実施できる。
【0068】
【実施例】
次に、上記基板処理装置の実施形態の実施例について説明する。
基板90が直径200mm程度のシリコン半導体ウェーハの場合、静電吸着ステージ1への静電吸着は、一対の吸着電源141,142によって一対の吸着電極131,132に±300V程度の電圧を印加することにより行える。
【0069】
このように静電吸着した基板90を静電吸着ステージ1から脱離させる場合、一対の吸着電源141,142の出力をゼロにした後、1〜3秒程度この状態を保持する。そして、前述した予圧機構により10gf/cm2 程度の予圧を基板90に印加する。そして、スイッチ回路171を動作させて極性を切り替え、±500V程度の電圧を印加して誘電体ブロック12に逆電界を設定する。この状態を5秒程度維持した後、受け渡し機構15を最終的に動作させ、基板90を静電吸着ステージ1から離れた上限位置に位置させる。この動作までには、残留電荷がゼロになるタイミングで基板90は静電吸着面10から自動的に脱離しており、基板90の跳びはね、破損、位置ずれ、剥離帯電等は生じない。
【0070】
残留電荷がゼロになるタイミングは、前述したように、基板90の種類や表面の構成、誘電体ブロック12の体積抵抗のバラツキ等により変化するが、上記条件による場合、予圧印加状態で逆電界を設定する時間を5秒程度に設定すれば、殆どすべての場合において自動的に基板90が静電吸着面10から離間する。
尚、与えるべき予圧の大きさは、前述した通り脱離の際の残留吸着力によって変わる。そして、残留吸着力は基板90を静電吸着する際の電圧によって変わる。上述したような基板処理装置の場合、静電吸着用の電圧は500V〜1000V程度である。この場合、予圧の大きさは10gf/cm2 〜30gf/cm2 程度であることが好ましい。10gf/cm2 より小さいと、基板90が静電吸着面10からうまく離間しない恐れがある。また、30gf/cm2 より大きいと、離間の際に基板90の跳びはねが生ずる恐れがある。
【0071】
上述した各実施形態及び実施例において、吸着電極131,132は一対のものであったが、二対、三対、又はそれ以上であってもよい。また、誘電体ブロック12外の電極との間で電界を設定する構成であれば、吸着電極は一つであってもよい。受け渡し機構15の構成としては、前述したような昇降ピン151又は支持ピン154を使用するものの他、複数のフック状の部材を対象物9の周縁部分に引っ掛けて対象物9を受け渡す構成でもよい。さらに、受け渡し機構15が予圧機構に兼用されていない構成も考えられる。例えば、受け渡し機構15とは別に前述したような昇降ピンを設けて予圧機構としてもよい。また、複数のフック状の部材を対象物9の周縁部分に引っ掛けて対象物9を静電吸着面10から引き離す力を予圧として与える構成でもよい。
【0072】
本願の発明における予圧は、静電吸着力とは逆向きの力であるが、完全に逆向きの力でなくともよい。静電吸着面から対象物9又は基板90を離間させる方向の力であればよく、静電吸着面に対して斜めに作用する力の場合もある。
尚、本願における静電吸着ステージの発明は、前述したような基板処理装置の他、基板の表面を検査する装置等に使用することが可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上説明した通り、本願の請求項1記載の発明によれば、静電吸着面に残留吸着力が無いか又はあっても影響を受けない状態で対象物が静電吸着面から脱離するので、対象物の跳びはね、破損、位置ずれ、剥離帯電等の問題が生じない。また、対象物に機械的な予圧をかけた状態で逆電界を設定して残留電荷を緩和するので、残留電荷がゼロになる直前に予圧によって対象物が静電吸着面から自動的に離間する。従って、誘電体ブロックが逆極性に誘電分極され始めても、対象物にはこの逆極性の誘電分極による残留吸着力は作用しない。このため、残留電荷が丁度ゼロになるタイミングで逆電界設定を停止させる必要はなく、極めて実用性の高い静電吸着ステージが提供される。
また、請求項2記載の発明によれば、上記請求項1の効果に加え、予圧が対象物の自重による圧力より大きいので、残留電荷がゼロになった場合でも対象物の自重により対象物が静電吸着面から離間しないという問題は生じない。
また、本願の請求項5記載の発明によれば、基板処理装置において上記請求項1の発明の効果と同様の効果を得ることができ、基板の跳びはね、破損による歩留まりの低下、位置ずれによる基板搬送エラーの事故、剥離帯電による基板の汚損等の問題が生じない実用的な装置が提供される。
また、請求項6記載の発明によれば、上記請求項5の効果に加え、基板処理装置において上記請求項2と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 静電吸着ステージの発明の実施形態の概略を示す正面断面図である。
【図2】 静電吸着ステージの発明の実施形態の概略を示す平面図である。
【図3】 図1の静電吸着ステージに設けられた予圧機構について説明する図であり、図1に示す昇降ピン151の断面構造を示す概略図である。
【図4】 図1から図3に示す実施形態の静電吸着ステージの動作について説明するタイミングチャートである。
【図5】 対象物9の脱離の際の予圧機構の動作について説明する図である。
【図6】 基板処理装置の発明の実施形態であるスパッタリング装置を示した正面断面概略図である。
【図7】 図7は、図6に示す装置における静電吸着ステージ1の受け渡し機構15及び予圧機構の動作について説明する図である。
【図8】 図6に示す基板処理装置の実施形態における予圧機構の動作について説明する図である。
【図9】 図6から図8に示す実施形態の装置における静電吸着ステージ1からの基板90の脱離動作について説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 静電吸着ステージ
11 ステージ本体
12 誘電体ブロック
131 吸着電極
132 吸着電極
141 吸着電源
142 吸着電源
15 受け渡し機構
151 昇降ピン
152 ピン保持板
153 ピン駆動部
154 支持ピン
155 コイルスプリング
156 可動ヘッド
17 逆電界設定機構
171 スイッチ回路
172 スイッチ駆動部
181 コイルスプリング
182 可動ヘッド
2 処理容器
3 ステージ駆動部
4 アーム
5 ガス導入系
6 ターゲット
7 スパッタ電源
8 磁石機構
9 対象物
90 基板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The invention of the present application relates to an electrostatic adsorption stage for electrostatically adsorbing a plate-like object, and the substrate as the object is held by such an electrostatic adsorption stage and a predetermined treatment is performed on the surface of the substrate. The present invention relates to a substrate processing apparatus for performing the process.
[0002]
[Prior art]
Electrostatic adsorption technology for adsorbing an object by static electricity is often used in apparatuses for processing a substrate such as a semiconductor wafer or a liquid crystal substrate (a generic term for a plate-like object on which a product is based). For example, in a substrate processing apparatus such as a sputtering apparatus or a plasma chemical vapor deposition (CVD) apparatus that creates a predetermined thin film on the surface of the substrate, a plasma etching apparatus that etches the surface of the substrate in a predetermined pattern using the action of plasma, Processing is performed by electrostatically adsorbing the substrate to an electrostatic adsorption stage.
[0003]
The electrostatic adsorption stage has a dielectric block whose surface electrostatically attracts an object, an adsorption electrode embedded in the dielectric block, and an adsorption that applies a voltage for electrostatic adsorption to the adsorption electrode. Mainly composed of power supply. Usually, a pair or a plurality of pairs of adsorption electrodes are provided, and the adsorption power source applies a DC voltage to the pair of adsorption electrodes. As a result, static electricity is induced on the surface of the dielectric block, and the object is electrostatically attracted.
[0004]
In order to process a substrate in a vacuum or in a predetermined atmosphere, the substrate processing apparatus as described above often includes the electrostatic adsorption stage in an airtight processing container. Then, the substrate is transported into the processing container by the transport robot, and placed on the electrostatic suction stage for electrostatic suction. Then, after the processing is completed, the substrate is received from the electrostatic adsorption stage and carried out of the processing container.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional electrostatic chucking stage, when the object is removed from the electrostatic chucking stage, the operation of the chucking power source is stopped and the voltage application to the chucking electrode is canceled. However, even after the voltage application is canceled, the electric charge of the dielectric block is not eliminated immediately, and a lot of electric charge remains on the electrostatic adsorption surface. For this reason, even if an object is to be detached from the electrostatic adsorption surface, the object may not be detached due to an electrostatic adsorption force (hereinafter, residual adsorption force) due to residual charges. Also, if the object is forced to be detached, the object may jump or the object may be damaged in the worst case.
[0006]
In addition, if the object is detached while there is a residual charge on the electrostatic adsorption surface, there is a problem that the back surface of the object is charged by the same mechanism as peeling charging. If the object is a substrate on which the product is based, if the back surface is charged, a large amount of dust is sucked into the substrate, and the sucked dust moves around to the surface side of the substrate, which may damage the surface of the substrate. . Such contamination of the substrate may cause product defects.
[0007]
Further, in a substrate processing apparatus or the like that automatically transports a substrate as an object with a transport robot, if the substrate that is electrostatically attracted by the residual attracting force is forcibly detached, the substrate is displaced due to the reaction. As a result, there is a possibility that an accident may occur in which the substrate cannot be delivered to the transfer robot.
[0008]
As a method for avoiding such a problem, a method is considered in which the object is desorbed after a time for the residual charge to spontaneously disappear after the voltage application to the adsorption electrode is eliminated. However, it takes about 30 to 60 seconds until it disappears spontaneously, and it takes a long time to complete the desorption. In particular, when the electrostatic adsorption stage is used in a production facility such as a substrate processing apparatus, it causes a decrease in productivity such as a deterioration in throughput.
[0009]
As another method, a method in which the residual charges are quickly eliminated by applying voltages having opposite polarities to those of the pair of adsorption electrodes at the time of electrostatic adsorption can be considered. That is, of the pair of adsorption electrodes, a positive voltage is applied to one adsorption electrode and a negative voltage is applied to the other adsorption electrode during electrostatic adsorption. When desorbing, a negative voltage is applied to one adsorption electrode and a positive voltage is applied to the other adsorption electrode. Since a reverse electric field is set in the dielectric block, there is an advantage that residual charges can be eliminated in a short time.
[0010]
However, the above method also has the following drawbacks.
First, when a reverse electric field is set at the time of desorption, the residual charge decreases due to the reverse electric field setting and becomes zero at a certain timing, but if the reverse electric field setting is continued further, the dielectric block is now reversed in the reverse direction. Is charged, and charges of opposite polarity are generated on the electrostatic adsorption surface. Therefore, in order to realize this method, it is necessary to stop the setting of the reverse electric field at the timing when the residual charge is just zero. However, the time period during which the residual charge is zero is very short, and it is difficult to accurately stop the reverse electric field setting at this timing.
[0011]
In order to realize the above method, a sequence in which the time until the residual charge reaches zero is experimentally obtained in advance and the reverse electric field setting is stopped at that timing is adopted. However, since the time until the residual charge becomes zero varies depending on various factors, it is actually difficult to stop the setting of the reverse electric field when the residual charge is zero. For example, the time until the residual charge becomes zero is greatly influenced by the volume resistance of the dielectric block, but this volume resistance changes with temperature. The electrostatic adsorption stage in the substrate processing apparatus is often temperature-controlled by heating or cooling so that the substrate reaches a predetermined temperature during processing, and the temperature varies depending on the type of processing. Therefore, the time until the residual charge becomes zero also varies depending on the type of processing. It is difficult and troublesome to previously obtain the time until the residual charge becomes zero according to each temperature of the electrostatic adsorption stage corresponding to the type of processing.
[0012]
In addition, the volume resistance of the dielectric block inevitably varies for manufacturing reasons. Therefore, the time until the residual charge becomes zero changes little by little depending on the electrostatic adsorption stage used. In the substrate processing apparatus, the time until the residual charge becomes zero varies depending on the surface state of the substrate. For example, when the substrate is a simple silicon wafer (bare silicon) and when an insulating film such as silicon oxide is formed on the surface of the silicon wafer, the time until the residual charge becomes zero varies slightly. .
[0013]
Furthermore, in a substrate processing apparatus or the like that automatically transports a substrate as an object by a transport robot, transfer of the substrate between the electrostatic suction stage and the transport robot is performed by a plurality of lifting pins provided on the electrostatic suction stage. There are many cases. in this case,substrateAlthough there are a plurality of contact points of the lift pins to the bottom, the timing at which the residual charge disappears in the above method is rarely the same at the plurality of contact points. Therefore, even if the substrate is removed at the timing when the residual charge becomes zero at a certain location, there is still residual charge at the other location, and the lift pins forcefully remove the substrate at that location. As a result, the substrate may jump, be damaged, peel off, or be misaligned.
[0014]
The invention of the present application has been made to solve such problems, and problems such as jumping, breakage, peeling electrification, misalignment, etc. of the object when the object is detached from the electrostatic adsorption stage. Has the technical significance of not generating
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the invention according to
A reverse electric field setting mechanism for setting an electric field opposite to the electric field for electrostatic attraction in the dielectric block after eliminating the electric field for electrostatic attraction for detachment of an object; A preload mechanism that applies a mechanical pressure opposite to the force to the object in advance prior to the detachment of the object. The magnitude of the preload provided by the preload mechanism is determined when the preload is applied. It is smaller than the electrostatic adsorption force due to the residual charge,
The reverse electric field setting mechanism is configured such that the voltage applied to the first adsorption electrode by the first adsorption power source has a polarity opposite to that when the electric field for electrostatic adsorption is set, and the second adsorption power source is the first adsorption power source. The voltage applied to the two adsorption electrodes is set to have the opposite polarity to that when the electric field for electrostatic adsorption is set, and the reverse electric field is set.
The reverse electric field setting mechanism has a configuration in which the reverse electric field is set after the preload mechanism gives a preload.
In order to solve the above problem, the invention according to
In order to solve the above problem, the invention according to
A drive unit is provided for moving each pin along the pin passage for delivery of the object or moving the dielectric block and the adsorption electrode in the direction of the pin passage,
The preload mechanism has a configuration in which the preload is applied by a drive source different from the drive unit.
In order to solve the above problem, the invention according to
In order to solve the above problem, the invention according to
The electrostatic adsorption stage is provided with a dielectric block whose surface is an electrostatic adsorption surface, and the dielectric block.A first adsorption electrode and a second adsorption electrode;,FirstApply a predetermined voltage to the adsorption electrodeAnd a second adsorption power source that applies a predetermined voltage having a polarity opposite to that of the first adsorption electrode to the second adsorption electrode. The first adsorption power source and the second adsorption power sourceAn electrostatic adsorption stage having an adsorption power source for electrostatically adsorbing a plate-like object by inducing static electricity on the electrostatic adsorption surface by setting an electric field for electrostatic adsorption on the dielectric block,
A reverse electric field setting mechanism for setting an electric field opposite to the electric field for electrostatic attraction in the dielectric block after eliminating the electric field for electrostatic attraction for detachment of an object; A preload mechanism that applies a mechanical pressure opposite to the force to the object in advance prior to the detachment of the object. The magnitude of the preload provided by the preload mechanism is determined when the preload is applied. It is smaller than the electrostatic adsorption force due to the residual charge,
The reverse electric field setting mechanism is configured such that the voltage applied to the first adsorption electrode by the first adsorption power source has a polarity opposite to that when the electric field for electrostatic adsorption is set, and the second adsorption power source is the first adsorption power source. The voltage applied to the two adsorption electrodes is set to have the opposite polarity to that when the electric field for electrostatic adsorption is set, and the reverse electric field is set.
The reverse electric field setting mechanism has a configuration in which the reverse electric field is set after the preload mechanism gives a preload.
In order to solve the above problem, the invention according to
In order to solve the above problem, the invention according to
A drive unit is provided for moving each pin along the pin passage for delivery of the substrate or moving the dielectric block and the adsorption electrode in the direction of the pin passage,
The preload mechanism has a configuration in which the preload is applied by a drive source different from the drive unit.
In order to solve the above problem, according to an eighth aspect of the present invention, in the configuration of the seventh aspect, the preload mechanism includes a movable head provided at a tip of each pin, and the substrate via the movable head. And an elastic body that causes an elastic force to act thereon, and the elastic body is configured as the another drive source.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below.
First, an embodiment of the invention of the electrostatic adsorption stage will be described. 1 and 2 are diagrams showing an outline of an embodiment of the invention of an electrostatic adsorption stage, FIG. 1 is a front sectional view, and FIG. 2 is a plan view. The electrostatic adsorption stage shown in FIGS. 1 and 2 includes a
[0017]
The
[0018]
The electrostatic adsorption stage includes
When the two
[0019]
There are two known electrostatic adsorption mechanisms. One is due to Coulomb force, and the other is due to Johnson Rahbek force. The Johnson rabek force is an attracting force generated when current is concentrated in a minute region. That is, the
[0020]
The electrostatic adsorption stage isMechanism for delivery of the object 9 (hereinafter referred to as delivery mechanism)15 is provided.Delivery mechanism15, a plurality of lifting
[0021]
The
[0022]
When the object 9 is electrostatically attracted to the electrostatic chucking stage having the above-described configuration, each
[0023]
When the object 9 is detached from the
[0024]
In addition, the electrostatic adsorption stage of this embodiment includes a reverse electric
[0025]
As the
[0026]
A major feature of the electrostatic attraction stage according to the present embodiment is that a preload mechanism for applying a predetermined mechanical pressure to the object 9 when the object 9 is detached is provided. This point will be described in detail below. When the object 9 is detached from the electrostatic adsorption stage, the preload mechanism has a mechanical pressure that is smaller than the residual adsorption force due to the residual charge on the
[0027]
FIG. 3 is a diagram for explaining a preload mechanism provided in the electrostatic adsorption stage of FIG. 1, and is a schematic diagram showing a cross-sectional structure of the elevating
[0028]
When the
[0029]
Next, the operation of the electrostatic attraction stage according to the present embodiment having the above configuration will be described in more detail with reference to FIG. FIG. 4 is a timing chart for explaining the operation of the electrostatic attraction stage according to the embodiment shown in FIGS. 1 to 3. In FIG. 4, (1) shows the applied voltage to the
[0030]
First, when the object 9 is electrostatically attracted, the object 9 is placed on the electrostatic attracting
The operation of detaching the object 9 from the
[0031]
And time t1InDelivery mechanismThe 15
[0032]
When application of the reverse electric field continues, time tFour The residual charge eventually becomes zero. This time tFour After that, the
[0033]
As shown in FIG. 5 (1), in the state where the preload is applied to the object 9, the
[0034]
When the object 9 is separated from the
[0035]
Even if the object 9 is separated from the
[0036]
Further, the timing at which the object 9 is separated from the
[0037]
In this way, the object 9 is removed from the electrostatic attraction surface 10.DetachmentAnd when the residual adsorption force acting on the object 9 is eliminated,Delivery mechanism 15Is the finalAction for deliveryI do. That is, the
[0038]
As can be understood from the above description of the operation, according to the electrostatic adsorption stage of the present embodiment, the object 9 is electrostatically adsorbed in a state where there is no residual adsorption force on the
In addition, since the residual electric charge is relaxed by setting a reverse electric field in a state where mechanical preload is applied to the object 9, the object 9 is automatically removed from the
[0039]
In the configuration of the present embodiment described above, the magnitude of the preload provided by the preload mechanism is an important parameter. When applying a preload, if a preload greater than the residual adsorption force at the moment of application is applied, the object 9 is separated from the
[0040]
In addition, if the preload becomes smaller than the pressure for compressing the
[0041]
In this embodiment, the
[0042]
The distance between the
[0043]
Next, an embodiment of the substrate processing apparatus will be described. The embodiment of the substrate processing apparatus includes an electrostatic adsorption stage having substantially the same configuration as the above-described embodiment, and performs predetermined treatment on the surface of the substrate while electrostatically adsorbing and holding the substrate as an object on the electrostatic adsorption stage. It is a device that applies. There are various types of such substrate processing apparatuses. In the following description, a sputtering apparatus is taken as an example.
FIG. 6 is a schematic front sectional view showing a sputtering apparatus which is an embodiment of the substrate processing apparatus. The apparatus shown in FIG. 6 includes a
[0044]
The
[0045]
The
Also in the present embodiment, the
[0046]
Similarly, the electrostatic adsorption stage 1Delivery mechanism15 and a preload mechanism. These configurations are slightly different from those shown in FIGS.
[0047]
As shown in FIG. 6, the upper end of the
[0048]
Delivery mechanism15And preload mechanismWill be described with reference to FIG. FIG. 7 shows the
[0049]
In a state where the
The transfer robot lowers the arm 4 a little and then moves it back out of the
[0050]
Next, when the
[0051]
The preload mechanism in the present embodiment includes the coil spring in each
[0052]
During the above-described desorption operation, the
[0053]
The
[0054]
Also in this embodiment, by applying the preload described above, the
[0055]
After the processing is completed, in order to detach the
And time t1 The
[0056]
Thereafter, the
[0057]
Then, the application of the reverse electric field continues and time tFour At time t, the residual charge becomes zero at time tFour After that, the
[0058]
As can be seen from the above description, also in this embodiment, the
[0059]
Next, another configuration of the apparatus according to the present embodiment will be described.
In addition to the above, the apparatus of the present embodiment is provided with a
[0060]
The
[0061]
The magnet mechanism 8 is provided for performing magnetron sputtering with high discharge efficiency. Specifically, the magnet mechanism 8 includes a
[0062]
The
[0063]
The overall operation of the apparatus according to this embodiment will be described below.
In a state where the
After the gate valve is closed, a predetermined process gas is introduced into the
[0064]
After the sputtering is continued until the thin film reaches a predetermined thickness, the operations of the sputtering
[0065]
As described above, the apparatus of the present embodiment has a configuration slightly different from that of the
[0066]
In addition, in the apparatus which forms and processes plasma in the
[0067]
In this embodiment, a semiconductor wafer is assumed as the
[0068]
【Example】
Next, examples of the embodiment of the substrate processing apparatus will be described.
When the
[0069]
When the electrostatically attracted
[0070]
As described above, the timing at which the residual charge becomes zero varies depending on the type of the
Note that the magnitude of the preload to be applied varies depending on the residual adsorption force at the time of desorption as described above. The residual attracting force varies depending on the voltage when the
[0071]
In each of the embodiments and examples described above, the
[0072]
The preload in the invention of the present application is a force in a direction opposite to the electrostatic attraction force, but may not be a force in a completely opposite direction. The force may be a force in a direction that separates the object 9 or the
The invention of the electrostatic adsorption stage in the present application can be used for an apparatus for inspecting the surface of a substrate in addition to the substrate processing apparatus as described above.
[0073]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, the object is detached from the electrostatic attraction surface in a state where the electrostatic attraction surface has no residual adsorption force or is not affected even if it exists. No problems such as jumping, breakage, misalignment, and peeling electrification of the object occur. In addition, since the residual electric charge is relaxed by setting a reverse electric field with the mechanical preload applied to the object, the object is automatically separated from the electrostatic adsorption surface by the preload immediately before the residual charge becomes zero. . Therefore, even if the dielectric block starts to be dielectrically polarized with the opposite polarity, the residual attracting force due to the opposite polarity dielectric polarization does not act on the object. For this reason, it is not necessary to stop the setting of the reverse electric field at the timing when the residual charge is exactly zero, and an electrostatic adsorption stage with extremely high practicality is provided.
Further, according to the invention of
In addition, the claims of this application5According to the invention described above, the substrate processing apparatus can obtain the same effect as the effect of the invention of the first aspect, and the substrate jumping, the yield decrease due to breakage, the accident of the substrate transport error due to misalignment, A practical apparatus is provided that does not cause problems such as contamination of the substrate due to peeling charging.
Claims6According to the described invention, the above claims5In addition to the above effect, the same effect as that of the second aspect can be obtained in the substrate processing apparatus.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front sectional view showing an outline of an embodiment of an invention of an electrostatic adsorption stage.
FIG. 2 is a plan view showing an outline of an embodiment of the invention of an electrostatic adsorption stage.
3 is a diagram for explaining a preload mechanism provided in the electrostatic adsorption stage of FIG. 1, and is a schematic diagram showing a cross-sectional structure of a
4 is a timing chart for explaining the operation of the electrostatic attraction stage according to the embodiment shown in FIGS. 1 to 3. FIG.
FIG. 5 is a diagram for explaining the operation of the preload mechanism when the object 9 is detached.
FIG. 6 is a schematic front sectional view showing a sputtering apparatus which is an embodiment of the invention of a substrate processing apparatus.
7 is a diagram of the
FIG. 8 is a diagram for explaining the operation of the preload mechanism in the embodiment of the substrate processing apparatus shown in FIG. 6;
9 is a timing chart for explaining the desorption operation of the
[Explanation of symbols]
1 Electrostatic adsorption stage
11 Stage body
12 Dielectric block
131 Adsorption electrode
132 Adsorption electrode
141 Suction power supply
142 Suction power supply
15Delivery mechanism
151 Lift pin
152 pin holding plate
153 pin drive
154 Support pin
155 Coil spring
156 Movable head
17 Reverse electric field setting mechanism
171 Switch circuit
172 Switch drive unit
181 Coil spring
182 Movable head
2 processing container
3 Stage drive unit
4 arms
5 Gas introduction system
6 Target
7 Sputtering power supply
8 Magnet mechanism
9 Object
90 substrates
Claims (8)
対象物の脱離のために前記静電吸着用の電界を解消させた後に前記誘電体ブロックに前記静電吸着用の電界とは逆向きの電界を設定する逆電界設定機構と、静電吸着力とは逆向きの機械的な圧力を対象物の脱離の前に予め対象物に与える予圧機構とが設けられており、予圧機構が与える予圧の大きさは、その予圧が与えられる際の残留電荷による静電吸着力よりも小さいものであり、
前記逆電界設定機構は、前記第1吸着電源が前記第1吸着電極に印加する電圧を前記静電吸着用の電界を設定する際のものとは逆極性にし、前記第2吸着電源が前記第2吸着電極に印加する電圧を前記静電吸着用の電界を設定する際のものとは逆極性にして前記逆向きの電界を設定するものであり、
前記逆電界設定機構は、前記予圧機構が予圧を与えた後に前記逆向きの電界を設定するものであることを特徴とする静電吸着ステージ。A dielectric block whose surface is an electrostatic adsorption surface, a first adsorption electrode and a second adsorption electrode provided in the dielectric block, a first adsorption power source for applying a predetermined voltage to the first adsorption electrode, A second adsorption power source for applying a predetermined voltage having a polarity opposite to that of the first adsorption electrode to the two adsorption electrodes, and an electric field for electrostatic adsorption is set in the dielectric block by the first adsorption power source and the second adsorption power source ; An electrostatic adsorption stage equipped with an adsorption power source that induces static electricity on the electrostatic adsorption surface to electrostatically adsorb a plate-like object,
A reverse electric field setting mechanism for setting an electric field opposite to the electric field for electrostatic attraction in the dielectric block after eliminating the electric field for electrostatic attraction for detachment of an object; A preload mechanism that applies a mechanical pressure opposite to the force to the object in advance prior to the detachment of the object. The magnitude of the preload provided by the preload mechanism is determined when the preload is applied. It is smaller than the electrostatic adsorption force due to the residual charge,
The reverse electric field setting mechanism is configured such that the voltage applied to the first adsorption electrode by the first adsorption power source has a polarity opposite to that when the electric field for electrostatic adsorption is set, and the second adsorption power source is the first adsorption power source. The voltage applied to the two adsorption electrodes is set to have the opposite polarity to that when the electric field for electrostatic adsorption is set, and the reverse electric field is set.
The electrostatic adsorption stage, wherein the reverse electric field setting mechanism sets the reverse electric field after the preload mechanism gives preload.
対象物の受け渡しのために各ピンをピン用通路に沿って移動させるか又は前記誘電体ブロックと前記吸着電極をピン用通路の方向に移動させる駆動部が設けられており、
前記予圧機構は、この駆動部とは別の駆動源によって前記予圧を印加するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電吸着ステージ。The dielectric block is provided with a plurality of pin passages extending in a direction perpendicular to the electrostatic adsorption surface, and each pin passage is provided with a pin,
A drive unit is provided for moving each pin along the pin passage for delivery of the object or moving the dielectric block and the adsorption electrode in the direction of the pin passage,
3. The electrostatic adsorption stage according to claim 1, wherein the preload mechanism applies the preload by a drive source different from the drive unit.
静電吸着ステージは、表面が静電吸着面である誘電体ブロックと、誘電体ブロック内に設けられた第1吸着電極及び第2吸着電極と、第1吸着電極に所定の電圧を印加する第1吸着電源と、第2吸着電極に第1吸着電極とは逆極性の所定の電圧を印加する第2吸着電源とを備え、第1吸着電源及び第2吸着電源により誘電体ブロックに静電吸着用の電界を設定することで静電吸着面に静電気を誘起して板状の対象物を静電吸着する吸着電源を備えた静電吸着ステージであって、
対象物の脱離のために前記静電吸着用の電界を解消させた後に前記誘電体ブロックに前記静電吸着用の電界とは逆向きの電界を設定する逆電界設定機構と、静電吸着力とは逆向きの機械的な圧力を対象物の脱離の前に予め対象物に与える予圧機構とが設けられており、予圧機構が与える予圧の大きさは、その予圧が与えられる際の残留電荷による静電吸着力よりも小さいものであり、
前記逆電界設定機構は、前記第1吸着電源が前記第1吸着電極に印加する電圧を前記静電吸着用の電界を設定する際のものとは逆極性にし、前記第2吸着電源が前記第2吸着電極に印加する電圧を前記静電吸着用の電界を設定する際のものとは逆極性にして前記逆向きの電界を設定するものであり、
前記逆電界設定機構は、前記予圧機構が予圧を与えた後に前記逆向きの電界を設定するものであることを特徴とする基板処理装置。A substrate processing apparatus for performing predetermined processing on a surface of a substrate, a processing container in which the predetermined processing is performed inside, and an electrostatic suction stage for electrostatically chucking and holding the substrate at a predetermined position in the processing container And
The electrostatic adsorption stage includes a dielectric block whose surface is an electrostatic adsorption surface, a first adsorption electrode and a second adsorption electrode provided in the dielectric block, and a first voltage that applies a predetermined voltage to the first adsorption electrode . 1 suction power source and a second suction power source for applying a predetermined voltage of the opposite polarity to the first suction electrode to the second suction electrode, and electrostatic suction to the dielectric block by the first suction power source and the second suction power source An electrostatic adsorption stage having an adsorption power source that induces static electricity on the electrostatic adsorption surface by setting an electric field for electrostatic adsorption of a plate-like object,
A reverse electric field setting mechanism for setting an electric field opposite to the electric field for electrostatic attraction in the dielectric block after eliminating the electric field for electrostatic attraction for detachment of an object; A preload mechanism that applies a mechanical pressure opposite to the force to the object in advance prior to the detachment of the object. The magnitude of the preload provided by the preload mechanism is determined when the preload is applied. It is smaller than the electrostatic adsorption force due to the residual charge,
The reverse electric field setting mechanism is configured such that the voltage applied to the first adsorption electrode by the first adsorption power source has a polarity opposite to that when the electric field for electrostatic adsorption is set, and the second adsorption power source is the first adsorption power source. The voltage applied to the two adsorption electrodes is set to have the opposite polarity to that when the electric field for electrostatic adsorption is set, and the reverse electric field is set.
The substrate processing apparatus, wherein the reverse electric field setting mechanism sets the reverse electric field after the preload mechanism gives a preload.
基板の受け渡しのために各ピンをピン用通路に沿って移動させるか又は前記誘電体ブロックと前記吸着電極をピン用通路の方向に移動させる駆動部が設けられており、
前記予圧機構は、この駆動部とは別の駆動源によって前記予圧を印加するものであることを特徴とする請求項5又は6記載の基板処理装置。The dielectric block is provided with a plurality of pin passages extending in a direction perpendicular to the electrostatic adsorption surface, and each pin passage is provided with a pin,
A drive unit is provided for moving each pin along the pin passage for delivery of the substrate or moving the dielectric block and the adsorption electrode in the direction of the pin passage,
The substrate processing apparatus according to claim 5, wherein the preload mechanism applies the preload by a driving source different from the driving unit.
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