JP4390401B2 - 貯湯式の給湯熱源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯路が上部に接続された貯湯タンクと、前記貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの上部に供給する形態の貯湯運転状態で湯水を循環させる湯水循環手段と、前記ヒートポンプ式加熱器による湯水の沸き上げ温度を貯湯目標温度範囲の温度に維持すべく、前記湯水循環手段による湯水の循環流量を増減制御する循環制御手段と、前記ヒートポンプ式加熱器における冷媒圧力が設定目標圧力になるように冷媒圧縮機の回転速度を制御するヒートポンプ運転制御手段とが設けられた貯湯式の給湯熱源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
貯湯式の給湯熱源装置としては、従来、例えば特開昭59−24137号公報に記載されているように、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器にて貯湯目標温度範囲の沸き上げ温度に加熱したのち、その温水を貯湯タンクの上部に供給することにより、貯湯目標温度範囲の沸き上げ温度の湯水を貯湯タンク内に温度成層を形成して貯湯できるようにしたものがある。
【0003】
そして、上記従来の貯湯式の給湯熱源装置においては、一般に、ヒートポンプ式加熱器による湯水の沸き上げ温度を貯湯目標温度範囲の温度に維持すべく、湯水循環手段による湯水の循環流量を増減制御する循環制御手段と、ヒートポンプ式加熱器における冷媒圧力が設定目標圧力になるように冷媒圧縮機の回転速度を制御するヒートポンプ運転制御手段とが設けられ、ヒートポンプ運転制御手段は、冷媒圧力が設定目標圧力になるように冷媒圧縮機の回転速度を制御することにより、加熱対象となる湯水を貯湯目標温度範囲の沸き上げ温度に加熱するのに必要とする加熱力をヒートポンプ式加熱器が出力する状態になるように調整することになる。
【0004】
ちなみに、この回転速度制御は、検出した冷媒圧力と設定目標圧力との偏差に基づいてフィードバック制御されることになり、その制御における時定数は充分大きく設定されて、回転速度の増減変更は緩やかな速度で行われることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の貯湯式の給湯熱源装置では、一方では、循環制御手段が、ヒートポンプ式加熱器の運転状態に応じて、そのヒートポンプ式加熱器による湯水の沸き上げ温度を貯湯目標温度範囲の温度に維持すべく、湯水循環手段による湯水の循環流量を増減制御しており、他方では、ヒートポンプ運転制御手段が、湯水を貯湯目標温度範囲の沸き上げ温度に加熱するのに必要とする加熱力をヒートポンプ式加熱器が出力できるように、冷媒圧縮機の回転速度を制御している。
【0006】
この為、ヒートポンプ運転制御手段は、湯水を貯湯目標温度範囲の沸き上げ温度に加熱するのに必要とする加熱力をヒートポンプ式加熱器が出力できておれば、ヒートポンプ式加熱器に運転余力があっても、ヒートポンプ式加熱器の運転余力を引き出すような制御は行わず、また、循環制御手段も、湯水の沸き上げ温度を貯湯目標温度範囲の温度に維持できておれば、湯水の循環流量を増大させるような制御を行わないので、ヒートポンプ式加熱器の運転能力を充分活用して能率良く貯湯できない欠点がある。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、ヒートポンプ式加熱器の運転能力を充分活用して能率良く貯湯できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、給湯路が上部に接続された貯湯タンクと、前記貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの上部に供給する形態の貯湯運転状態で湯水を循環させる湯水循環手段と、前記ヒートポンプ式加熱器による湯水の沸き上げ温度を貯湯目標温度範囲の温度に維持すべく、前記湯水循環手段による湯水の循環流量を増減制御する循環制御手段と、前記ヒートポンプ式加熱器における冷媒圧力が設定目標圧力になるように冷媒圧縮機の回転速度を制御するヒートポンプ運転制御手段とが設けられた貯湯式の給湯熱源装置であって、前記湯水循環手段が湯水を循環させる循環開始時に、前記循環制御手段が、前記ヒートポンプ式加熱器が出力する加熱力として設定してある設定加熱力と、前記ヒートポンプ式加熱器への湯水の入水温度と、貯湯目標温度とに基づいて演算した、前記沸き上げ温度が前記貯湯目標温度範囲の温度になる循環開始用循環流量で循環させる循環開始制御を実行するように構成されている点にある。
【0009】
〔作用〕
循環制御手段は、湯水循環手段が湯水を循環させる循環開始時に、ヒートポンプ式加熱器が出力する加熱力として設定してある設定加熱力と、ヒートポンプ式加熱器への湯水の入水温度と、貯湯目標温度とに基づいて演算した、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度になる循環開始用循環流量で湯水を循環させる循環開始制御を実行する。
【0010】
このため、ヒートポンプ運転制御手段は、湯水循環手段が湯水を循環させる循環開始時から、循環開始用循環流量に対応して、ヒートポンプ式加熱器における冷媒圧力が設定目標圧力になるように冷媒圧縮機の回転速度を制御するが、循環開始用循環流量は、ヒートポンプ式加熱器が出力する加熱力として設定してある設定加熱力を使用して、ヒートポンプ式加熱器がその設定加熱力を出力することによって湯水の沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度になる循環流量として演算されているので、ヒートポンプ運転制御手段は、ヒートポンプ式加熱器がその設定加熱力を出力する状態で冷媒圧力が設定目標圧力になるように、冷媒圧縮機の回転速度を制御することになる。
【0011】
〔効果〕
従って、ヒートポンプ運転制御手段は、ヒートポンプ式加熱器の運転能力が低いままで安定しないように、湯水循環手段が湯水を循環させる循環開始時から、ヒートポンプ式加熱器が設定加熱力を出力するように冷媒圧縮機の回転速度を制御して、ヒートポンプ式加熱器の運転能力を引き上げるので、ヒートポンプ式加熱器の運転能力を充分活用して能率良く貯湯できる。
【0012】
請求項2記載の発明の特徴構成は、前記循環制御手段が、前記ヒートポンプ運転制御手段から入力される設定加熱力を使用して、前記循環開始用循環流量を演算するように構成されている点にある。
【0013】
〔作用〕
循環制御手段は、ヒートポンプ運転制御手段から入力される設定加熱力と、ヒートポンプ式加熱器への湯水の入水温度と、貯湯目標温度とに基づいて演算した循環開始用循環流量で湯水を循環させる循環開始制御を実行する。
【0014】
〔効果〕
循環制御手段は、ヒートポンプ運転制御手段から入力される設定加熱力を使用して演算した循環開始用循環流量で循環開始制御を実行するので、設定加熱力を人為操作で設定したり、設定加熱力を記憶しておくような必要がなく、構造の簡略化を図ることができる。
【0015】
また、冷媒圧縮機の運転能力に応じた設定加熱力を循環制御手段側に入力できるので、ヒートポンプ式加熱器の運転能力を冷媒圧縮機の運転能力に応じて引き上げることもできる。
【0016】
請求項3記載の発明の特徴構成は、前記ヒートポンプ運転制御手段から入力される設定加熱力が、前記冷媒圧縮機の運転状態に応じた設定加熱力である点にある。
【0017】
〔作用〕
循環制御手段は、冷媒圧縮機の運転状態に応じた設定加熱力と、ヒートポンプ式加熱器への湯水の入水温度と、貯湯目標温度とに基づいて演算した循環開始用循環流量で湯水を循環させる循環開始制御を実行する。
【0018】
〔効果〕
循環制御手段は、冷媒圧縮機の運転状態に応じた設定加熱力を使用して演算した循環開始用循環流量で循環開始制御を実行するので、冷媒圧縮機の運転に悪影響が出ないように、ヒートポンプ式加熱器の運転能力を引き上げることができる。
【0019】
請求項4記載の発明の特徴構成は、前記湯水循環手段が、前記貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器と補助加熱器とを併用して、又は、前記ヒートポンプ式加熱器に代えて前記補助加熱器にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの上部に供給する形態で湯水を循環させる補助加熱貯湯運転状態に切り換え自在に構成され、前記循環制御手段が、前記循環開始制御において、前記沸き上げ温度が前記貯湯目標温度範囲の温度よりも低い状態が設定時間を超えて続いたときには、前記補助加熱貯湯運転状態に切り換えて前記湯水循環手段による湯水の循環流量を増減制御するように構成されている点にある。
【0020】
〔作用〕
循環制御手段は、湯水循環手段が湯水を循環させる循環開始時に、設定加熱力と、ヒートポンプ式加熱器への湯水の入水温度と、貯湯目標温度とに基づいて演算した、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度になる循環開始用循環流量で湯水を循環させる循環開始制御を実行するが、その循環開始制御において、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度よりも低い状態が設定時間を超えて続いたときには、湯水循環手段を補助加熱貯湯運転状態に切り換えて、貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器と補助加熱器とを併用して、又は、ヒートポンプ式加熱器に代えて補助加熱器にて加熱したのち、その温水を貯湯タンクの上部に供給する形態で湯水を循環させる循環流量を増減制御する。
【0021】
つまり、ヒートポンプ式加熱器の運転能力が不足していて、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度よりも低い状態が設定時間を超えて続いたときには、循環制御手段は、湯水循環手段を補助加熱貯湯運転状態に切り換えて、循環流量を増減制御する。
【0022】
〔効果〕
ヒートポンプ式加熱器の運転能力が不足しているときは、湯水循環手段を補助加熱貯湯運転状態に切り換えて貯湯することができるので、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の湯水を確実に貯湯できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる貯湯式の給湯熱源装置をエンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムに適応した例を図面に基づいて説明する。
【0024】
〔第1実施形態〕
このエンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムは、図1および図2に示すように、貯湯タンク1内に温度成層を形成しながら貯湯したり、貯湯タンク1内に貯湯された湯水を給湯する貯湯ユニットAと、空調対象空間の空調運転と貯湯タンク1内の湯水を加熱するためのエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bとから構成されている。
【0025】
前記貯湯ユニットAは、この貯湯ユニットAの運転を制御する貯湯ユニット制御部C、貯湯タンク1、貯湯タンク1内の湯水を循環するための循環路3、循環路3を通流する湯水を加熱する加熱手段としての加熱部4などから構成され、循環ポンプP1を作動させて貯湯タンク1内の湯水を循環路3にて循環しながら、加熱部4にて貯湯設定温度の湯に加熱して、温度成層を形成する状態で貯湯タンク1内に貯湯し、その貯湯された湯を加熱部4の非加熱作動状態にて給湯するように構成されている。
【0026】
前記貯湯タンク1内には、貯湯設定温度の湯の貯湯量が最低確保量以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する最上部サーミスタS1、その貯湯量が少以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する上部サーミスタS2、その貯湯量が中以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する中部サーミスタS3、その貯湯量が満以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する底部サーミスタS4が設けられている。
複数のサーミスタの設置位置は、貯湯タンク1の上位から、最上部サーミスタS1、上部サーミスタS2、中部サーミスタS3、底部サーミスタS4の順になっている。
そして、使用者の必要に応じて貯湯リモコンR2などにより、貯湯タンク1内の目標貯湯量を、「少」、「中」、「満」の3つの貯湯量からひとつを選択できるようにしている。
【0027】
前記貯湯タンク1には、その底部から貯湯タンク1に水道水圧を用いて給水する給水路5が接続され、その上部から風呂場や台所などに給湯するための給湯路6が接続され、風呂場や台所などで使用された量だけの水を給水路5から貯湯タンク1に給水するように構成されている。
前記給湯路6には、給水路5から分岐された混合用給水路7が接続され、その接続箇所に給湯路6からの湯水と混合用給水路7からの水との混合比を調整自在なミキシングバルブ8が設けられている。
前記給水路5と混合用給水路7との分岐箇所には、給水温度を検出する給水サーミスタ9が設けられ、給水路5および混合用給水路7の夫々には、逆止弁10が設けられている。
ちなみに、給湯路6には、オーバーフロー路11が接続され、そのオーバーフロー路11にエアー抜き弁12が設けられている。
【0028】
また、給湯路6におけるミキシングバルブ8よりも上流側には、貯湯タンク1の上部から給湯路6に給湯された湯水の温度を検出する貯湯出口サーミスタ13が設けられ、給湯路6におけるミキシングバルブ8よりも下流側には、ミキシングバルブ8にて混合された湯水の温度を検出するミキシングサーミスタ14、給湯路6の湯水の流量を調整する給湯用水比例バルブ15、給湯路6を通流する湯水の流量を検出する給湯流量センサ20が設けられている。
【0029】
前記給湯路6を通して風呂場や台所に給湯するときには、給湯目標温度としての給湯設定温度、貯湯出口サーミスタ13および給水サーミスタ9の検出情報に基づいて、給湯する湯水の温度が給湯設定温度になるようにミキシングバルブ8の開度を調整するとともに、ミキシングサーミスタ14の検出情報に基づいて、その検出温度と給湯設定温度との偏差に基づいてミキシングバルブ8の開度を微調整することにより、給湯設定温度の湯水を給湯するように構成されている。
【0030】
前記循環路3と貯湯タンク1とが、循環路3を通流する湯水を貯湯タンク1内に戻す、または、貯湯タンク1内の湯水を循環路3に取り出すために、貯湯タンク1の上部2箇所と底部2箇所の合計4箇所で連通接続されている。
具体的に説明すると、貯湯タンク1の上部には、給湯路6において水が混合されるミキシングバルブ8よりも上流側の上流側流路部分6aと、加熱部4にて加熱された湯を貯湯タンク1の上部に供給する上部接続路25とが連通接続され、貯湯タンク1の底部には、循環路3を通流する湯水を貯湯タンク1内の底部に戻す戻し路26と、貯湯タンク1内の底部の湯水を循環路3に取り出す取り出し路27とが連通接続されている。
【0031】
そして、上部接続路25には、上部開閉弁28が設けられ、戻し路26には、戻し開閉弁29が設けられ、上部開閉弁28を開弁させることによって、循環路3を通流する湯水を貯湯タンク1内の上部に供給したり、貯湯タンク1内の上部の湯水を循環路3に取り出したりするようにし、戻し開閉弁29を開弁させることによって、循環路3を通流する湯水を貯湯タンク1内の底部に戻すことができるようにしている。
ちなみに、取り出し路27には、貯湯タンク1内の湯水を排水するための排水路30が接続され、その排水路30の途中部には、安全弁31と手動バルブ32とが並列に接続されている。
【0032】
前記加熱部4は、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bによる冷媒を供給して湯水を加熱するヒートポンプ式加熱器33と、バーナ36の燃焼により湯水を加熱する補助加熱器35とから構成され、ヒートポンプ式加熱器33を補助加熱器35よりも優先させて加熱作動させる主加熱装置とし、補助加熱器35をヒートポンプ式加熱器33のみでは加熱負荷を賄えないときに加熱作動させる補助加熱装置として構成している。
そして、循環路3の湯水の循環方向において上流側から、ヒートポンプ式加熱器33、補助加熱器35の順に設けられている。
【0033】
前記補助加熱器35は、ガス燃焼式のバーナ36およびこのバーナ36に燃焼用空気を供給するファン37などが設けられ、バーナ36の燃焼により循環路3を通流する湯水を加熱するように構成されている。
前記バーナ36に燃料ガスを供給する燃料供給路38には、上流側から、ガスセフティ弁39、ガス比例弁40、ガスメイン弁41の順に設けられ、また、補助加熱器35には、補助加熱器35に通流する湯水の流量を検出する水量センサ64が設けられている。
そして、補助加熱器35は、水量センサ64にて設定量以上の水量が検出されると、バーナ36の燃焼を開始し、出温度サーミスタ61および水量センサ64の検出情報に基づいて、ファン37の回転速度およびガス比例弁40の開度を調整して、補助加熱器35にて加熱した湯水の温度を調整するように構成されている。
【0034】
前記循環路3には、ヒートポンプ式加熱器33と補助加熱器35との間に、湯水のヒートポンプ式加熱器33からの出温度を検出する出温度サーミスタ61と、補助加熱器35への湯水の通流を断続する補助用断続開閉弁63とが設けられ、取り出し路27に、循環路3を通流する湯水の循環流量を検出する循環流量センサ62と、循環ポンプP1と、循環路3を循環する湯水の循環流量を調整自在な循環流量調整バルブ65とが設けられている。
また、循環路3における補助加熱器35と上部接続路25との接続箇所との間には、加熱部4にて加熱された後の循環路3の湯水の温度を検出する貯湯サーミスタ66が設けられている。
【0035】
そして、循環流量センサ62の検出情報に基づいて、循環流量調整バルブ65の開度を調整することにより循環路3における循環流量を調整するように構成され、貯湯サーミスタ66の検出情報に基づいて、循環路3における循環流量や補助加熱器35における加熱量などを調整することにより、加熱部4にて加熱された後の循環路3を通流する湯水の温度を調整自在に構成され、循環調整手段Fが、循環流量センサ62、循環流量調整バルブ65、貯湯サーミスタ66などにより構成されている。
【0036】
また、補助加熱器35を迂回させて湯水を循環させるための補助用バイパス路68が、循環路3において、出温度サーミスタ61と補助用断続開閉弁63との間と、補助加熱器35と貯湯サーミスタ66との間とに亘って接続され、この補助用バイパス路68には、補助バイパス開閉弁70が設けられている。
【0037】
このようにして、上部開閉弁28、戻し開閉弁29、補助用断続開閉弁63、補助バイパス開閉弁70などの夫々の開閉弁を開閉制御することにより、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器33にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に戻したり、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を補助加熱器35にて、又は、ヒートポンプ式加熱器33と補助加熱器35とを併用して加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に戻すように構成され、湯水循環手段Eが、循環路3、循環ポンプP1、および、上部開閉弁28、戻し開閉弁29などの複数の開閉弁により構成されている。
【0038】
前記エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bは、図2に示すように、複数の室内機71、室外機72、室内機71および室外機72の運転を制御するヒートポンプ運転制御部Dとから構成され、複数の空調対象空間(例えば、各部屋)を空調することができるように構成されている。
また、室内機71と室外機72と貯湯ユニットAにおけるヒートポンプ式加熱器33とは、冷媒配管73で接続され、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bにおける冷媒をヒートポンプ式加熱器33に供給できるように構成されている。
【0039】
前記複数の室内機71の夫々には、電子膨張弁74、室内熱交換器75、その室内熱交換器75で温調した空気を空調対象空間へ送出する室内空調用送風機76が備えられ、室内熱交換器75にて凝縮された冷媒の温度を検出する冷媒サーミスタ89の検出情報に基づいて、電子膨張弁74の開度を調整するようにしている。
前記室外機72には、ガスエンジン77、冷媒圧縮機78、アキュムレータ79、四方弁80、室外熱交換器81、その室外熱交換器に対し外気を通風する室外空調用送風機82が備えられ、ガスエンジン77の排熱を外部に放熱するためのラジエーター83、および、ラジエーター用送風機84も備えられ、ガスエンジン77の冷却用の冷却水をラジエーター83との間で循環させる冷却水路85が設けられ、この冷却水路85にラジエーター用ポンプP4が設けられている。ヒートポンプ運転手段Kが、電子膨張弁74、室内空調用送風機76、ガスエンジン77、冷媒圧縮機78、四方弁80、室外空調用送風機82などにより構成されている。
【0040】
そして、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bは、空調リモコンR1の指令に基づいてヒートポンプ運転制御部Dにて運転が制御され、ガスエンジン77により冷媒圧縮機78を作動させて、四方弁80の切換え操作により空調冷房運転と空調暖房運転とを選択切換え自在に構成され、室内機71の電子膨張弁74の開閉制御により、空調要求のある部屋の空調を行うように構成されている。
また、ヒートポンプ式加熱器33にて循環路3の湯水を加熱するときには、空調暖房運転させるとともに、ヒートポンプ式加熱器33における冷媒圧力が設定目標圧力になるように冷媒圧縮機78の回転速度と加熱用電子膨張弁74aを制御して、ヒートポンプ式加熱器33に冷媒を供給するように構成されている。
【0041】
前記空調冷房運転においては、図2の実線矢印に示すように、冷媒圧縮機78から吐出される高圧乾き蒸気冷媒を、四方弁80を介して室外熱交換器81に供給し、この室外熱交換器81において外気との熱交換により凝縮される。
そして、室外熱交換器81から送出される凝縮工程通過冷媒を、電子膨張弁74を介して室内熱交換器75に供給し、この室内熱交換器75において冷却対象空気との熱交換により蒸発される。
その後、室内熱交換器75から送出される低圧乾き蒸気冷媒を、四方弁80およびアキュムレータ79を介して冷媒圧縮機78の吸入口に戻す。
【0042】
前記空調暖房運転においては、図2の点線矢印に示すように、冷媒圧縮機78から吐出される高圧乾き蒸気冷媒を、四方弁80を介して室内熱交換器75およびヒートポンプ式加熱器33に供給し、室内熱交換器75においては加熱対象空気との熱交換により凝縮され、ヒートポンプ式加熱器33においては循環路3の湯水との熱交換により凝縮される。
そして、室内熱交換器75およびヒートポンプ式加熱器33から送出される凝縮工程通過冷媒を、電子膨張弁74を介して室外熱交換器81に供給し、この室外熱交換器81において外気との熱交換により蒸発される。
その後、室外熱交換器81から送出される低圧乾き蒸気冷媒を四方弁80およびアキュムレータ79を介して冷媒圧縮機78の吸入口に戻す。
【0043】
前記貯湯ユニット制御部Cとヒートポンプ運転制御部Dとは、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調運転中であることや、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bへの駆動要求などの制御信号を送受信可能に構成にされ、貯湯ユニット制御部Cとヒートポンプ運転制御部Dとにより運転制御手段Uが構成されている。
そして、貯湯ユニット制御部Cとヒートポンプ運転制御部Dは、図3に示すように、空調対象空間としての各部屋に設置されている空調リモコンR1や貯湯リモコンR2の指令に基づいて、空調対象空間への空調冷房運転や空調暖房運転などの空調運転、湯水循環手段Eにて循環される湯水を加熱部4にて貯湯設定温度の湯に加熱して、温度成層を形成する状態で貯湯タンク1内に貯湯する貯湯運転、加熱部4を加熱作動させて給湯する加熱給湯運転の夫々の運転を実行するように構成されている。
【0044】
前記エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転について説明すると、空調リモコンR1から空調冷房要求や空調暖房要求などの空調要求があると、ヒートポンプ運転制御部Dがヒートポンプ運転手段Kの運転を制御し、空調リモコンR1による空調要求に基づいて、ガスエンジン77により冷媒圧縮機78を作動させて、四方弁80の切換え操作により空調冷房運転と空調暖房運転とを選択切換え、室内機71の電子膨張弁74の開閉制御により、各空調対象空間への空調を切り換えて、ヒートポンプ運転手段Kを制御するように構成されている。
【0045】
前記貯湯ユニットAの運転について説明すると、貯湯リモコンR2の要求指令などに基づいて、貯湯ユニット制御部Cが、湯水循環手段E、循環調整手段F、給湯操作手段G、補助熱交換部35の夫々の運転を制御して、貯湯運転、加熱給湯運転を実行するように構成され、この貯湯ユニット制御部Cが、ヒートポンプ式加熱器33による湯水の沸き上げ温度を貯湯目標温度範囲の温度に維持すべく、湯水循環手段Eによる湯水の循環流量を増減制御する循環制御手段に構成されている。
【0046】
以下、貯湯運転、加熱給湯運転について説明するが、湯水循環手段Eにおける、上部開閉弁28、戻し開閉弁29、補助用断続開閉弁63、および、補助バイパス開閉弁70の開閉状態について、開弁させる開閉弁のみを記載し、記載していない開閉弁については閉弁させるものとする。
【0047】
前記貯湯運転は、設定時刻に貯湯設定温度の湯を目標貯湯量貯湯したり、使用者にて貯湯タンク1内の目標貯湯量を予約しているときに、貯湯タンク1に貯湯設定温度の湯を目標貯湯量貯湯するための時刻になるなどして貯湯条件が満たされると、湯水循環手段Eにて循環される湯水を加熱部4にて貯湯設定温度の湯に加熱して、温度成層を形成する状態で貯湯タンク内に貯湯して、貯湯タンク1内に貯湯設定温度の湯を貯湯目標量貯湯するように構成されている。
【0048】
前記貯湯運転を、図4,図5に示すフローチャートに基づいて、具体的に説明するが、この貯湯運転において、湯水循環手段Eが湯水を循環させる循環開始時に、循環制御手段としての貯湯ユニット制御部Cが、ヒートポンプ式加熱器33が出力する加熱力として設定してある設定加熱力Nと、ヒートポンプ式加熱器33への湯水の入水温度と、貯湯目標温度とに基づいて演算した、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度になる循環開始用循環流量Rで循環させる循環開始制御を実行するように構成されている。
【0049】
すなわち、貯湯条件が満たされる(ステップ1) と、ヒートポンプ運転制御部Dからの通信により入力された冷媒圧縮機78の運転状態に応じた状態信号に基づいて、空調運転中か否かを判定し(ステップ2) 、空調運転中でない場合には、空調運転中でない場合にヒートポンプ式加熱器33が出力するとして設定して予め記憶してある加熱力NS を設定加熱力Nとして、その設定加熱力Nと、ヒートポンプ式加熱器33への湯水の入水温度としての底部サーミスタS4の検出温度と、目標貯湯温度とに基づいて、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度になる最大の循環開始用循環流量Rを演算し(ステップ3) 、空調運転中の場合には、空調暖房運転に使う加熱力として設定して予め記憶してある空調用加熱力Na を、空調運転中でない場合にヒートポンプ式加熱器33が出力するとして設定してある加熱力NS から差し引いた加熱力(NS −Na ) を設定加熱力Nとして、その設定加熱力Nと、底部サーミスタS4の検出温度と、目標貯湯温度とに基づいて、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度になる最大の循環開始用循環流量Rを演算する(ステップ4) 。
【0050】
次に、加熱用電子膨張弁74aを開状態に制御してエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bを空調暖房運転させて、ヒートポンプ式加熱器33に冷媒を供給させるとともに、循環流量が循環開始用循環流量Rになるように循環流量調整バルブ65の開度を調整して(ステップ5) 、図1中の点線矢印に示すように、湯水循環手段Eを、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器33にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の下部に戻す形態の初期貯湯運転状態にて運転させる(ステップ6) 。
【0051】
すなわち、補助バイパス開閉弁70および戻し開閉弁29を開弁させて、循環ポンプP1を作動させ、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器33にて加熱したのち、その湯水を貯湯タンク1の底部に戻す形態で貯湯タンク1内の湯水を加熱するようにしている。
【0052】
そして、貯湯サーミスタ66による検出温度が貯湯許容温度未満であるか否かを判定し(ステップ7) 、貯湯許容温度未満であると判定したときは、ヒートポンプ式加熱器33による加熱能力が不足しているか否かを判定して(ステップ8) 、加熱能力が不足していないと判定したときは、減算用の加熱能力として設定してある減算用加熱能力αを循環開始用循環流量Rの演算に使用した設定加熱能力Nから差し引いた加熱力(N−α) を新たな設定加熱能力Nとして、その新たな設定加熱能力Nと、底部サーミスタS4の検出温度と、目標貯湯温度とに基づいて、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度になる最大の循環開始用循環流量Rを再演算して(ステップ9) ステップ5に戻る。
【0053】
前記ヒートポンプ式加熱器33による加熱能力が不足しているか否かの判定は、沸き上げ温度が貯湯許容温度未満の状態が貯湯運転の開始時から設定時間を超えて続いたか否かに基づいて、貯湯許容温度未満の状態が設定時間を超えて続いる場合には、加熱能力が不足していると判定し、貯湯許容温度未満の状態が設定時間未満の場合には、加熱能力が不足していないと判定するが、例えば、循環開始用循環流量Rの再演算回数が設定回数を超えた場合に、加熱能力が不足していると判定するようにしても良い。
【0054】
そして、ステップ7において、貯湯サーミスタ66による検出温度が貯湯許容温度以上であると判定したときは、図1中の実線矢印に示すように、湯水循環手段Eを、貯湯タンク1内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器33にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に供給する形態のヒートポンプ貯湯運転状態(HP貯湯運転状態) で湯水が循環するように運転して、ヒートポンプ式加熱器33による湯水の沸き上げ温度を貯湯目標温度範囲の温度に維持すべく、湯水循環手段Eによる湯水の循環流量を増減制御するように構成されている(ステップ10) 。
【0055】
つまり、補助バイパス開閉弁70および上部開閉弁28を開弁させるとともに、戻し開閉弁29を閉弁させて、循環ポンプP1を作動させ、貯湯タンク1内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器33にて加熱したのち、その湯水を貯湯タンク1の上部に戻す形態で貯湯タンク1内の湯水を加熱して、貯湯サーミスタ66による検出温度に基づいて、貯湯タンク1の上部に供給される湯水の温度が貯湯設定温度になるように循環流量調整バルブ65の開度を調整する。
【0056】
ちなみに、貯湯許容温度は、例えば、貯湯設定温度よりも20℃低い温度として設定され、循環流量を調整することによりヒートポンプ式加熱器33にて加熱された湯水の温度を貯湯目標温度範囲の温度にすることができるような温度に設定されている。
【0057】
そして、目標貯湯温度に対応する上部サーミスタS2又は中部サーミスタS3または底部サーミスタS4が貯湯設定温度の湯温を検出することにより、目標貯湯量の湯水が貯湯されたか否かを判定し(ステップ11) 、目標貯湯量の湯水が貯湯されたと判定すると、貯湯運転停止処理を実行するようにしている(ステップ12) 。
【0058】
また、ステップ8において、加熱能力が不足していると判定されたときは、補助バイパス開閉弁70と戻し開閉弁29とを閉弁するとともに、補助用断続開閉弁63を開弁させて、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器33に代えて補助加熱器35のみで加熱する形態や、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器33と補助加熱器35とを併用して加熱する形態で湯水を循環させる補助加熱貯湯運転状態に切り換えて運転し、貯湯サーミスタ66による検出温度に基づいて、貯湯タンク1の上部に供給される湯水の温度が貯湯設定温度になるように循環流量調整バルブ65の開度を調整する(ステップ13) 。
【0059】
そして、目標貯湯温度に対応する上部サーミスタS2又は中部サーミスタS3または底部サーミスタS4が貯湯設定温度の湯温を検出することにより、目標貯湯量の湯水が貯湯されたか否かを判定し(ステップ14) 、目標貯湯量の湯水が貯湯されたと判定すると、貯湯運転停止処理を実行する。
【0060】
前記加熱給湯運転は、貯湯タンク1内に貯湯設定温度の湯が最低確保量以上に貯湯されているときに、加熱部4の非加熱作動状態で給湯されることにより、貯湯タンク1内の湯が給湯設定温度を基準として定められる加熱開始用温度未満でかつ最低確保量未満となって加熱条件が満たされると、加熱部4を加熱作動させて貯湯タンク1内に貯湯して、その給湯が停止されるに伴なって、加熱部4の加熱作動を停止するように構成されている。
ちなみに、加熱開始用温度は、給湯設定温度を基準として給湯設定温度よりも少し高い温度に設定されており、例えば、給湯設定温度が40℃のときには、42℃に設定されている。
【0061】
なお、この加熱給湯運転において、給湯設定温度、貯湯出口サーミスタ13および給水サーミスタ9の検出情報に基づいて、給湯する湯水の温度が給湯設定温度になるようにミキシングバルブ8の開度を調整するとともに、ミキシングサーミスタ14の検出情報に基づいて、その検出温度と給湯設定温度との偏差に基づいてミキシングバルブ8の開度を微調整することにより、給湯設定温度の湯水を給湯するように構成されている。
【0062】
〔第2実施形態〕
図6は、第1実施形態で示したフローチャートのステップ8において、加熱能力が不足していないと判定したときは、ステップ8において、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度になる最大の循環開始用循環流量Rを再演算せずに、湯水の温度が貯湯許容温度になるように循環流量調整バルブ65の開度を調整して(ステップ9) ステップ5に戻るようにしてある。
その他の構成や制御フローは、第1実施形態と同様である。
【0063】
〔第3実施形態〕
図示しないが、ヒートポンプ運転制御手段Dから貯湯ユニット制御部(循環制御手段) Cに通信により入力される設定加熱力Nを使用して、循環開始用循環流量Rを演算するように構成しても良い。
【0064】
つまり、貯湯運転制御において、貯湯ユニット制御部Cが、貯湯条件を満たしていると判定すると、設定加熱力要求信号をヒートポンプ運転制御手段Dに通信により入力し、ヒートポンプ運転制御手段Dは、設定加熱力要求信号が入力されると、貯湯用に使用できる加熱力として設定して予め記憶してある設定加熱力Nを貯湯ユニット制御部Cに入力して、その設定加熱力Nを使用して、循環開始用循環流量Rを演算することができる。
【0065】
ヒートポンプ運転制御手段Dから貯湯ユニット制御部Cに通信により入力される設定加熱力Nとしては、ヒートポンプ式冷暖房装置(ヒートポンプ装置) Bや貯湯ユニットAの機種に応じた設定加熱力Nや、冷媒圧縮機78の現在の運転状態、例えば、現在の回転数に応じた設定加熱力Nを入力しても良いし、設定加熱力Nが閾値以上か未満かを示す信号を入力しても良く、冷媒圧縮機78の現在の運転状態に応じた設定加熱力Nが閾値以上か未満かを示す信号を入力しても良い。
【0066】
また、ヒートポンプ運転制御手段Dが、冷媒圧縮機78の現在の運転状態からヒートポンプ式加熱器33で使用できる加熱能力を判定できる場合は、その加熱能力を設定加熱能力Nとして貯湯ユニット制御部Cに通信により入力しても良い。
【0067】
設定加熱力Nが閾値以上か未満かを示す信号をヒートポンプ運転制御手段Dから貯湯ユニット制御部Cに通信により入力する場合は、貯湯ユニット制御部Cが、閾値未満であればヒートポンプ式加熱器33の加熱能力が不足していると判定することにより、即座に補助加熱貯湯運転状態に切り換えて、貯湯タンク1の上部に供給される湯水の温度が貯湯設定温度になるように湯水の循環流量を増減制御することができる。
【0068】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による貯湯式の給湯熱源装置は、流量を調整自在な可変能力ポンプを設けて、その可変能力ポンプで循環路3を循環する湯水の循環流量を調整するように構成しても良い。
2.本発明による貯湯式の給湯熱源装置は、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器に供給する供給路にサーミスタなどの温度検出手段を設けて、その温度検出手段で検出したヒートポンプ式加熱器への湯水の入水温度と、設定加熱力と、前記貯湯目標温度とに基づいて、沸き上げ温度が貯湯目標温度範囲の温度になる循環開始用循環流量を演算するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】貯湯運転における貯湯ユニットの概略構成図
【図2】エンジンヒートポンプ式冷暖房装置の概略構成図
【図3】エンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムの制御ブロック図
【図4】貯湯運転における制御動作を示すフローチャート
【図5】貯湯運転における制御動作を示すフローチャート
【図6】第2実施形態の貯湯運転における制御動作を示すフローチャート
【符号の説明】
C 循環制御手段
D ヒートポンプ運転制御手段
E 湯水循環手段
N 設定加熱力
R 循環開始用循環流量
1 貯湯タンク
6 給湯路
33 ヒートポンプ式加熱器
35 補助加熱器
78 冷媒圧縮機

Claims (4)

  1. 給湯路が上部に接続された貯湯タンクと、
    前記貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの上部に供給する形態の貯湯運転状態で湯水を循環させる湯水循環手段と、
    前記ヒートポンプ式加熱器による湯水の沸き上げ温度を貯湯目標温度範囲の温度に維持すべく、前記湯水循環手段による湯水の循環流量を増減制御する循環制御手段と、
    前記ヒートポンプ式加熱器における冷媒圧力が設定目標圧力になるように冷媒圧縮機の回転速度を制御するヒートポンプ運転制御手段とが設けられた貯湯式の給湯熱源装置であって、
    前記湯水循環手段が湯水を循環させる循環開始時に、前記循環制御手段が、前記ヒートポンプ式加熱器が出力する加熱力として設定してある設定加熱力と、前記ヒートポンプ式加熱器への湯水の入水温度と、貯湯目標温度とに基づいて演算した、前記沸き上げ温度が前記貯湯目標温度範囲の温度になる循環開始用循環流量で循環させる循環開始制御を実行するように構成されている貯湯式の給湯熱源装置。
  2. 前記循環制御手段が、前記ヒートポンプ運転制御手段から入力される設定加熱力を使用して、前記循環開始用循環流量を演算するように構成されている請求項1記載の貯湯式の給湯熱源装置。
  3. 前記ヒートポンプ運転制御手段から入力される設定加熱力が、前記冷媒圧縮機の運転状態に応じた設定加熱力である請求項2記載の貯湯式の給湯熱源装置。
  4. 前記湯水循環手段が、前記貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱器と補助加熱器とを併用して、又は、前記ヒートポンプ式加熱器に代えて前記補助加熱器にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの上部に供給する形態で湯水を循環させる補助加熱貯湯運転状態に切り換え自在に構成され、
    前記循環制御手段が、前記循環開始制御において、前記沸き上げ温度が前記貯湯目標温度範囲の温度よりも低い状態が設定時間を超えて続いたときには、前記補助加熱貯湯運転状態に切り換えて前記湯水循環手段による湯水の循環流量を増減制御するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の貯湯式の給湯熱源装置。
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