JP4144996B2 - 貯湯式の給湯熱源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯路が上部に接続された貯湯タンクと、前記貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱手段にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの底部に戻す形態の初期運転用循環状態で湯水を循環させる貯湯初期運転と、前記貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンクの底部から取り出した湯水を前記ヒートポンプ式加熱手段にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの上部に供給する形態の貯湯運転用循環状態で湯水を循環させる貯湯運転とに切り換え自在な湯水循環手段と、貯湯運転が指令されるに伴って、前記貯湯初期運転にて前記湯水循環手段の運転を開始させ、その貯湯初期運転中において前記ヒートポンプ式加熱手段にて加熱した加熱湯水の温度が貯湯用目標温度に達するに伴って、前記貯湯運転に切り換えて前記湯水循環手段を運転するように、前記湯水循環手段の運転を制御する循環制御手段と、前記貯湯運転が指令されるに伴って、前記ヒートポンプ式加熱手段の冷媒圧縮機を起動させて、冷媒圧力が設定目標圧力になるように前記冷媒圧縮機の回転速度を制御しながら、前記ヒートポンプ式加熱手段の運転を制御するヒートポンプ運転制御手段とが設けられた貯湯式の給湯熱源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記貯湯式の給湯熱源装置は、例えば特開昭59−24137号公報に記載されているように、貯湯初期運転にて湯水循環手段の運転を開始させ、その貯湯初期運転中においてヒートポンプ式加熱手段にて加熱した加熱湯水の温度が貯湯用目標温度に達すると、貯湯運転に切り換えて、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱手段にて加熱したのち、その温水を貯湯タンクの上部に供給するようにすることにより、貯湯用目標温度の湯水を貯湯タンク内に温度成層状態で適切に貯湯できるようにしたものである。
そして、ヒートポンプ運転制御手段は、冷媒圧力が設定目標圧力になるように冷媒圧縮機の回転速度を制御することにより、加熱対象となる湯水を貯湯用目標温度に加熱するのに必要とする加熱力をヒートポンプ式加熱手段が出力する状態になるように調整することになる。
ちなみに、この回転速度制御は、検出した冷媒圧力と設定目標圧力との偏差に基づいてフィードバック制御されることになり、その制御における時定数は充分大きく設定されて、回転速度の増減変更は緩やかな速度で行われることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来では、貯湯初期運転において、その運転開始時から、貯湯運転の際と同等の多量の湯水を貯湯タンクの底部とヒートポンプ式加熱手段とに亘って循環させることが行われているが、この場合、流入温度が低い多量の湯水がヒートポンプ式加熱手段に供給されるため、貯湯初期運転において、冷媒の凝縮温度が上がりにくい状態で長時間に亘って運転するものとなり、加熱湯水の温度が貯湯用目標温度に達するまでに時間がかかって、貯湯初期運転から貯湯運転への切り換えが遅くなり、その結果、貯湯初期運転を開始してから貯湯タンクの上部への貯湯が開始されるまでの時間が長くなって、早期に給湯できない欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、貯湯初期運転を開始してから貯湯タンクの上部への貯湯が開始されるまでの時間を短縮できるようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、給湯路が上部に接続された貯湯タンクと、前記貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱手段にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの底部に戻す形態の初期運転用循環状態で湯水を循環させる貯湯初期運転と、前記貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンクの底部から取り出した湯水を前記ヒートポンプ式加熱手段にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの上部に供給する形態の貯湯運転用循環状態で湯水を循環させる貯湯運転とに切り換え自在な湯水循環手段と、貯湯運転が指令されるに伴って、前記貯湯初期運転にて前記湯水循環手段の運転を開始させ、その貯湯初期運転中において前記ヒートポンプ式加熱手段にて加熱した加熱湯水の温度が貯湯用目標温度に達するに伴って、前記貯湯運転に切り換えて前記湯水循環手段を運転するように、前記湯水循環手段の運転を制御する循環制御手段と、前記貯湯運転が指令されるに伴って、前記ヒートポンプ式加熱手段の冷媒圧縮機を起動させて、冷媒圧力が設定目標圧力になるように前記冷媒圧縮機の回転速度を制御しながら、前記ヒートポンプ式加熱手段の運転を制御するヒートポンプ運転制御手段とが設けられた貯湯式の給湯熱源装置であって、
前記循環制御手段が、前記貯湯初期運転において、運転開始時には湯水の循環量を運転開始用設定量にし、その後、前記冷媒圧力が循環量増大制御用圧力になると、前記湯水の循環量を設定増大量分増加させて設定時間待機する循環量増大制御を、繰り返し実行するように構成されている点にある。
〔作用〕
貯湯運転が指令されるに伴って、循環制御手段は貯湯初期運転にて湯水循環手段の運転を開始させ、ヒートポンプ運転制御手段は、ヒートポンプ式加熱手段の冷媒圧縮機を起動させて、冷媒圧力が設定目標圧力になるように冷媒圧縮機の回転速度を制御するが、貯湯初期運転の運転開始時には湯水の循環量が少ないほうが冷媒圧力が上昇し易く、冷媒の凝縮温度が上昇し易い。
このため、循環制御手段は、貯湯初期運転の運転開始時には、湯水の循環量を運転開始用設定量にして運転し、冷媒圧力が循環量増大制御用圧力になると、湯水の循環量を設定増大量分増加させて設定時間待機する循環量増大制御を繰り返し実行して、ヒートポンプ式加熱手段を持ち上げるようにするので、ヒートポンプ式加熱手段にて加熱した加熱湯水の温度を貯湯用目標温度に早く上昇させることができる。
つまり、循環制御手段は、貯湯初期運転の運転開始時には、運転開始用設定量の少ない循環量で、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱手段にて加熱したのち、その温水を貯湯タンクの底部に戻す形態で湯水を循環させるので、冷媒圧力の上昇、つまり、冷媒の凝縮温度が早く上昇し、それに伴って、湯水の温度が上昇する。
そして、冷媒の凝縮温度がその循環量増大制御用圧力に対応する温度に上昇すると、湯水の循環量を設定増大量分増加させて設定時間待機する循環量増大制御を繰り返すことにより、ヒートポンプ式加熱手段を持ち上げることになるので、湯水を貯湯用目標温度に加熱する状態に迅速に至らせることができる。
〔効果〕
ヒートポンプ式加熱手段にて加熱した加熱湯水の温度を貯湯用目標温度に早く上昇させることができるので、貯湯初期運転から貯湯運転への切り換えが早くなり、貯湯初期運転を開始してから貯湯タンクの上部への貯湯が開始されるまでの時間を短縮できる。
【0005】
請求項2記載の発明の特徴構成は、前記循環量増大制御用圧力として、複数段階の循環量増大制御用圧力が設定されると共に、その複数段階の循環量増大制御用圧力に対応させて、前記湯水の循環量の設定増大量として、複数段階の設定増大量が設定され、前記循環制御手段が、循環量増大制御において、前記複数段階の循環量増大制御用圧力に応じて、複数段階の設定増大量のいずれかを選択するように構成されている点にある。
〔作用〕
循環制御手段は、循環量増大制御において、冷媒圧力の上昇に応じて、その冷媒圧力が複数段階に設定した循環量増大制御用圧力のいずれかに上昇すると、湯水の循環量をその循環量増大制御用圧力に対応した設定増大量で循環量を増大させながら、ヒートポンプ式加熱手段にて加熱した加熱湯水の温度を貯湯用目標温度に上昇させることができる。
つまり、冷媒圧力が大きく上昇したときはその大きな冷媒圧力に対応した大きな設定増大量を選択してその設定増大量で循環量を増大させながら、また、冷媒圧力の上昇が小さいときはその小さな冷媒圧力に対応した小さな設定増大量を選択してその設定増大量で循環量を増大させながら、加熱湯水の温度を貯湯用目標温度に上昇させることができる。
〔効果〕
冷媒圧力が過剰に上昇しないように、冷媒圧力の大きさに応じて循環量を増大させて、ヒートポンプ式加熱手段の運転状態を安定させながら、そのヒートポンプ式加熱手段の加熱能力を無理なく引き出すことができる。
【0006】
請求項3記載の発明の特徴構成は、前記循環制御手段が、前記貯湯運転において、前記加熱湯水の温度を前記貯湯用目標温度に維持するように、前記湯水の循環量を増減制御する貯湯運転用流量制御を実行するように構成されている点にある。
〔作用〕
循環制御手段は、貯湯運転において、加熱湯水の温度を貯湯用目標温度に維持するように、湯水の循環量を増減制御して、貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱手段にて加熱したのち、その温水を貯湯タンクの上部に供給する形態で湯水を循環させる。
〔効果〕
加熱湯水の温度を貯湯用目標温度に的確に維持させて、貯湯タンク内に貯湯用目標温度の湯水を所望通り貯湯できる。
【0007】
請求項4記載の発明の特徴構成は、前記循環制御手段が、前記貯湯運転における前記貯湯運転用流量制御において、前記加熱湯水の温度が前記貯湯用目標温度よりも低いときであっても、前記冷媒圧力が現状維持判別用圧力以上であり、かつ、前記冷媒圧縮機の運転状態が最大出力運転状態でないときには、前記湯水の循環量を現在の循環量に維持するように構成されている点にある。
〔作用〕
貯湯運転において、加熱湯水の温度が貯湯用目標温度よりも低いときに、その温度が貯湯用目標温度になるように湯水の循環量を減らすと、冷媒圧力が上昇して、ヒートポンプ式加熱手段の加熱能力が低下するおそれがあるが、加熱湯水の温度が貯湯用目標温度よりも低いときであっても、冷媒圧力が現状維持判別用圧力以上であり、かつ、冷媒圧縮機の運転状態が最大出力運転状態でないときには、ヒートポンプ式加熱手段の加熱能力に余力が有るので、湯水の循環量を現在の循環量に維持することにより、ヒートポンプ式加熱手段の加熱能力を上げて、所望の貯湯量で早期に貯湯することができる。
〔効果〕
貯湯運転において、ヒートポンプ式加熱手段の加熱能力の低下を防止できる。
【0008】
請求項5記載の発明の特徴構成は、前記循環制御手段が、前記貯湯運転における前記貯湯運転用流量制御において、前記加熱湯水の温度が前記貯湯用目標温度であっても、前記冷媒圧力が現状維持判別用圧力以上であり、かつ、前記冷媒圧縮機の運転状態が最大出力運転状態でないときには、前記湯水の循環量を設定量増加させて設定時間待機する増加処理を行うように構成されている点にある。
〔作用〕
貯湯運転において、加熱湯水の温度が貯湯用目標温度のときは、ヒートポンプ式加熱手段の運転状態が安定しているが、加熱湯水の温度が貯湯用目標温度であっても、冷媒圧力が現状維持判別用圧力以上であり、かつ、冷媒圧縮機の運転状態が最大出力運転状態でないときには、ヒートポンプ式加熱手段の加熱能力に余力が有るので、湯水の循環量を設定量増加させて設定時間待機する増加処理を行って、ヒートポンプ式加熱手段の安定な運転状態を崩すことにより、ヒートポンプ式加熱手段の運転状態をより加熱能力が高い状態にすることができる。
〔効果〕
貯湯運転において、ヒートポンプ式加熱手段の高い加熱能力を引き出すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる貯湯式の給湯熱源装置の実施の形態をエンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムに適用した例を図面に基づいて説明する。
このエンジンヒートポンプ式冷暖房給湯システムは、図1,図2に示すように、貯湯タンク1内に温度成層を形成して貯湯された湯水を給湯したり、貯湯タンク内1の湯水を加熱して外部放熱部2にて放熱したりする貯湯ユニットAと、室内の冷暖房をするエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bとから構成されている。
【0010】
前記貯湯ユニットAは、この貯湯ユニットAの運転を制御する貯湯ユニット制御部C、貯湯タンク1、貯湯タンク1内の湯水を循環させる循環路3を備えた湯水循環手段E、循環路3を通流する湯水を加熱する加熱部4、循環路3を通流する湯水と熱交換して放熱する外部放熱部2などから構成され、循環ポンプP1の作動で貯湯タンク1内の湯水を循環路3にて循環させながら、加熱部4にて加熱したり、外部放熱部2にて放熱したりするようにしている。
【0011】
前記貯湯タンク1には、その底部から貯湯タンク1に水道水圧を用いて給水する給水路5が接続され、その上部から風呂場や台所などに給湯するための給湯路6が接続され、風呂場や台所などで使用された量だけの水を給水路5から貯湯タンク1に給水するように構成されている。
また、貯湯タンク1の内側には、貯湯タンク1内の湯水の温度を検出する4個の温度センサとしての貯湯温度サーミスタS1,S2,S3,S4が上下に分散配置して設けられている。
【0012】
前記給湯路6には、給水路5から分岐された混合用給水路7が接続され、その接続箇所に給湯路6からの湯水と混合用給水路7からの水との混合比を調整自在なミキシングバルブ8が設けられている。
前記給水路5と混合用給水路7との分岐箇所には、給水温度を検出する給水サーミスタ9が設けられ、給水路5および混合用給水路7の夫々には、逆止弁10が設けられている。
ちなみに、給湯路6には、オーバーフロー路11が接続され、そのオーバーフロー路11にエアー抜き弁12が設けられている。
【0013】
また、給湯路6におけるミキシングバルブ8よりも上流側には、貯湯タンク1の上部から給湯路6に給湯された湯水の温度を検出する貯湯出口サーミスタ13が設けられ、給湯路6におけるミキシングバルブ8よりも下流側には、ミキシングバルブ8にて混合された湯水の温度を検出するミキシングサーミスタ14、給湯路6の湯水の流量を調整する給湯用水比例バルブ15が設けられている。
【0014】
前記給湯用水比例バルブ15よりも下流側の給湯路6が、台所や洗面所などの給湯栓に給湯する一般給湯路16と、浴槽に湯水を供給するための湯張り路17とに分岐され、湯張り路17が浴槽からの風呂戻り路18に接続され、風呂戻り路18および風呂往き路19の両路を通して浴槽に湯水を供給するようにしている。
前記一般給湯路16には、一般給湯路16を通流する湯水の流量を検出する給湯流量センサ20が設けられ、湯張り路17には、湯張り路17を通流する湯水の流量を検出する湯張り流量センサ21、湯張り電磁弁22、バキュームブレーカ23、湯張り逆止弁24が上流側から順に設けられている。
【0015】
前記循環路3と貯湯タンク1とが、循環路3を通流する湯水を貯湯タンク1内に戻す、または、貯湯タンク1内の湯水を循環路3に取り出すために、貯湯タンク1の上部1箇所と底部2箇所の合計3箇所で連通接続されている。
具体的に説明すると、貯湯タンク1の上部には、循環路3と貯湯タンク1とを接続する上部接続路25が給湯路6の上流側を介して連通接続され、貯湯タンク1の底部には、循環路3を通流する湯水を給水路5の下流側を介して貯湯タンク1内の底部に戻す戻し路26と、貯湯タンク1内の底部の湯水を循環路3に取り出す取り出し路27とが連通接続されている。
【0016】
そして、上部接続路25には、電磁式の上部開閉弁28が設けられ、戻し路26には、戻し開閉弁29が設けられ、上部開閉弁28を開弁させることによって、循環路3を通流する湯水を貯湯タンク1内の上部に供給したり、貯湯タンク1内の上部の湯水を循環路3に取り出したりするようにし、戻し開閉弁29を開弁させることによって、循環路3を通流する湯水を貯湯タンク1内の底部に戻すことができるようにしている。
ちなみに、取り出し路27には、貯湯タンク1内の湯水を排水するための排水路30が接続され、その排水路30の途中部には、安全弁31と手動バルブ32とが並列に接続されている。
【0017】
前記加熱部4は、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bによる冷媒を供給して湯水を加熱するヒートポンプ式熱交換部33と、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bのエンジン排熱を回収した冷却水を供給して湯水を加熱するエンジン排熱利用式熱交換部34と、バーナ36の燃焼により湯水を加熱する補助熱交換部35とを設けて構成されている。
そして、循環路3の湯水の循環方向において上流側から順に、ヒートポンプ式熱交換部33、エンジン排熱利用式熱交換部34、補助熱交換部35が設けられている。
【0018】
前記補助熱交換部35は、ガス燃焼式のバーナ36に燃焼用空気を供給するファン37などが設けられ、バーナ36の燃焼により循環路3を通流する湯水を加熱するように構成されている。
前記バーナ36に燃料ガスを供給する燃料供給路38には、上流側から順にガスセフティ弁39、ガス比例弁40、ガスメイン弁41が設けられている。
【0019】
前記外部放熱部2は、循環路3を通流する湯水と暖房用の熱媒としての温水とを熱交換する暖房用熱交換部42と、循環路3を通流する湯水と浴槽内の湯水とを熱交換して追焚きする風呂用熱交換部43とを設けて構成されている。
そして、循環路3が、暖房用熱交換部42を備えた暖房用循環路3aと、風呂用熱交換部43を備えた風呂用循環路3bとに分岐され、暖房用熱交換部42と風呂用熱交換部43とが並列に接続されている。
また、暖房用循環路3aには、暖房用熱交換部42よりも湯水の循環方向の上流側に電磁式の暖房用開閉弁44が設けられ、風呂用循環路3bには、風呂用熱交換部43よりも湯水の循環方向の上流側に電磁式の風呂用開閉弁45が設けられている。
【0020】
前記暖房用熱交換部42には、暖房ポンプP2を作動させることにより、暖房戻り路46および暖房往き路47を通して循環する暖房用熱媒を、循環路3を通流する湯水にて加熱するように構成されている。
そして、暖房戻り路46には、上流側から順に、暖房戻り路46の暖房用熱媒の温度を検出する暖房戻りサーミスタ48、補給水タンク49、暖房ポンプP2が設けられ、暖房往き路47には、暖房往き路47の暖房用熱媒の温度を検出する暖房往きサーミスタ50が設けられている。
【0021】
前記補給水タンク49には、水位の上限を検出する上限センサ51と下限を検出する下限センサ52とが設けられ、補給水タンク49に給水するためのタンク給水路53が接続され、そのタンク給水路53には、補給水電磁弁54が設けられている。
また、暖房戻り路46の暖房用熱媒を暖房用熱交換部42を迂回して暖房往き路47に供給する暖房バイパス路55が設けられている。
【0022】
前記風呂用熱交換部43は、風呂ポンプP3を作動させることにより、風呂戻り路18および風呂往き路19を通して循環する浴槽内の湯水を循環路3を通流する湯水にて加熱するように構成されている。
そして、風呂戻り路18には、上流側から順に、浴槽内の湯水の水位を検出する水位センサ56、風呂戻り路18の湯水の温度を検出する風呂戻りサーミスタ57、二方弁58、風呂ポンプP3、風呂水流スイッチ59が設けられている。
【0023】
前記循環路3における戻り路26との接続箇所と取り出し路27との接続箇所との間には、外部放熱部2を通過した湯水のヒートポンプ式熱交換部33への通流を断続する電磁式のヒートポンプ用開閉弁60が設けられ、エンジン排熱利用式熱交換部34と補助熱交換部35との間の部分に、補助熱交換部35に通流する湯水の温度を検出する入り温度サーミスタ61、循環路3を通流する湯水の循環流量Qを検出する循環流量センサ62、循環ポンプP1、補助熱交換部35への湯水の通流を断続する電磁式の補助用断続開閉弁63が設けられている。
【0024】
前記循環路3における補助用断続開閉弁63と補助熱交換部35との間には、補助熱交換部35に通流する湯水の循環流量Qを検出する水量センサ64が設けられ、循環路3における補助熱交換部35と上部接続路25との接続箇所との間には、循環路3を通流する湯水の循環流量Qを調整する水比例バルブ65、加熱部4にて加熱された後の循環路3の湯水の沸き上げ温度Taを検出する貯湯サーミスタ66が設けられている。
【0025】
また、循環路3には、外部放熱部2を通過した湯水をヒートポンプ式熱交換部33を迂回してエンジン排熱利用式熱交換部34に流入させるためのヒートポンプ用バイパス路67と、エンジン排熱利用式熱交換部34を通過した湯水を補助熱交換部35を迂回して循環させるための補助用バイパス路68とが接続され、ヒートポンプ用バイパス路67には、電磁式のヒートポンプバイパス開閉弁69が設けられ、補助用バイパス路68には、電磁式の補助バイパス開閉弁70が設けられている。
【0026】
そして、湯水循環手段Eが、循環路3、上部接続路25、戻し路26、取り出し路27、循環ポンプP1、および、上部開閉弁28、暖房用開閉弁44、風呂用開閉弁45、戻し開閉弁29、ヒートポンプ用開閉弁60、ヒートポンプバイパス開閉弁69、補助用断続開閉弁63、補助バイパス開閉弁70などにより構成され、上部開閉弁28、暖房用開閉弁44、風呂用開閉弁45、戻し開閉弁29、ヒートポンプ用開閉弁60、ヒートポンプバイパス開閉弁69、補助用断続開閉弁63、補助バイパス開閉弁70の開閉操作により、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を加熱部4にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の底部に戻す形態の初期運転用循環状態で湯水を循環させる貯湯初期運転と、貯湯タンク1内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を加熱部4にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に供給する形態の貯湯運転用循環状態で湯水を循環させる貯湯運転と、加熱部4にて加熱した湯水を外部放熱部2に供給し、かつ、外部放熱部2を通過した湯水の全量を貯湯タンク1を迂回して加熱部4に直接戻す形態の放熱運転用循環状態で湯水を循環させる放熱運転とに切り換え自在に構成されている。
【0027】
また、循環調整手段Fが、給水サーミスタ9,入り温度サーミスタ61,循環流量センサ62,水比例バルブ65、貯湯サーミスタ66,貯湯温度サーミスタS1,S2,S3,S4などにより構成され、給湯操作手段Gが、貯湯出口サーミスタ13、ミキシングバルブ8、給湯用水比例バルブ15、給湯流量センサ20、湯張り流量センサ21、湯張り電磁弁22などにより構成され、風呂操作手段Hが、水位センサ56、風呂戻りサーミスタ57、二方弁58、風呂ポンプP3、風呂水流スイッチ59などで構成され、暖房操作手段Jが、暖房戻りサーミスタ48、暖房ポンプP2、暖房往きサーミスタ50などで構成されている。
【0028】
前記貯湯ユニット制御部Cは、上部開閉弁28、暖房用開閉弁44、風呂用開閉弁45、戻し開閉弁29、ヒートポンプ用開閉弁60、ヒートポンプバイパス開閉弁69、補助用断続開閉弁63、補助バイパス開閉弁70の夫々を開閉制御することにより、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を加熱部4にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の底部に戻したり、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を加熱部4にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に戻したり、循環路3を加熱部4と外部放熱部2とに亘って循環させたりするように構成されている。
【0029】
前記エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bは、複数の室内機71と室外機72とを備えて、複数の空調対象空間を空調することができるように構成され、室内機71と室外機72と貯湯ユニットAにおけるヒートポンプ式熱交換部33とが冷媒配管73で接続され、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bにおける冷媒をヒートポンプ式熱交換部33に供給できるように構成されている。
前記複数の室内機71の夫々には、室内熱交換器75、その室内熱交換器75で温調した空気を空調対象空間へ送出する室内空調用送風機76などが備えられている。
【0030】
前記室外機72には、電子膨張弁74,89、ガスエンジン77、ガスエンジン77にて駆動される冷媒圧縮機78、アキュムレータ79、四方弁80、室外熱交換器81、その室外熱交換器82に対し外気を通風する室外空調用送風機82、ラジエータ83、ラジエータ用送風機84、ヒートポンプ運転制御部Dなどが備えられている。
また、ガスエンジン77の冷却用の冷却水をラジエータ83との間で循環させる冷却水路85が設けられ、この冷却水路85にラジエター用ポンプP4とエンジン出口側での冷却水温度を検出する冷却水温度サーミスタ95が設けられ、ガスエンジン77の排熱を回収した冷却水を、加熱用冷却水路91を通してエンジン排熱利用式熱交換部34に供給する加熱状態と、ラジエータ83に供給して放熱される放熱状態とに切り換え自在な排熱切換機構86が設けられている。
【0031】
そして、ヒートポンプ運転手段Kが、ガスエンジン77、電子膨張弁74,89、室内空調用送風機76、冷媒圧縮機78、四方弁80、室外空調用送風機82、低圧側の冷媒圧力を検出する低圧検出手段87、高圧側の冷媒圧力を検出する高圧検出手段88などにより構成され、冷却水循環手段Lが、冷却水路85、加熱用冷却水路91、ラジエータ用ポンプP4、ラジエータ用送風機84、排熱切換機構86、冷却水温度サーミスタ95などにより構成されている。
【0032】
前記貯湯ユニット制御部Cとヒートポンプ運転制御部Dとは、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調運転中であることや、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bへの駆動要求などの制御信号を送受信可能に構成にされ、図3に示すように、空調対象空間としての各部屋に設置されている空調リモコン93および貯湯リモコン92の指令に基づいて、空調対象空間への空調冷房運転や空調暖房運転などの空調運転、貯湯タンク1内に湯水を貯湯する貯湯運転、外部放熱部2にて放熱する放熱運転、貯湯タンク1内の貯湯量が最低確保量未満のときに給湯する給湯優先運転などの夫々の運転を実行するように構成されている。
【0033】
前記エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転について説明すると、空調リモコン93から空調冷房要求や空調暖房要求などの空調要求があると、ヒートポンプ運転制御部Dがヒートポンプ運転手段Kおよび冷却水循環手段Lの運転を制御し、空調リモコン93による空調要求に基づいて、ガスエンジン77により圧縮機78を作動させて、四方弁80の切換え操作により空調冷房運転と空調暖房運転とを選択切換え、室内機71の電子膨張弁74の開閉制御により、各空調対象空間への空調を切り換えて、ヒートポンプ運転手段Kを制御するように構成されている。
すなわち、ヒートポンプ運転制御部Dは、空調リモコン93から空調冷房要求があると、空調冷房要求がある部屋に相当する電子膨張弁74を開状態にして、室内熱交換器75を蒸発器として機能させて、空調対象空間への供給空気を冷却温調し、室外熱交換器81を凝縮器として機能させて外気に対して放熱させるように、ヒートポンプ運転手段Kを制御して空調冷房運転を実行する。
また、ヒートポンプ運転制御部Dは、空調リモコン93から空調暖房要求があると、空調暖房要求がある部屋に相当する電子膨張弁74を開状態にして、室内熱交換器75を凝縮器として機能させて、空調対象空間への供給空気を加熱温調し、室外熱交換器81を蒸発器として機能させて外気から吸熱させるように、ヒートポンプ運転手段Kを制御して空調暖房運転を実行する。
【0034】
尚、ヒートポンプ運転制御部Dは、空調冷房運転においても、空調暖房運転においても、冷媒圧力が設定目標圧力になるように、冷媒圧縮機78の回転速度を、検出した冷媒圧力と設定目標圧力との偏差に基づいてフィードバック制御し、その制御における時定数は充分大きく設定されていて、回転速度の増減変更は緩やかな速度で行われる。
【0035】
そして、冷却水循環手段Lは、空調冷房運転において、ラジエータ用ポンプP4を作動させ、ラジエータ用送風機84を作動させラジエータ83にて放熱させるようにし、エンジン排熱利用式熱交換部34にて加熱可能なときには、冷却水路85を通流する冷却水が加熱用設定温度以上になると、排熱切換機構86を加熱状態に切り換えて、冷却水をエンジン排熱利用式熱交換部34に供給するようにしている。
また、空調暖房運転において、ラジエータ用ポンプP4を作動させ、ラジエータ用送風機84を作動させラジエータ83にて放熱させるようにし、エンジン排熱利用式熱交換部34にて加熱可能なときには、暖房負荷が小さくかつ冷却水路85を通流する冷却水が加熱用設定温度以上になると、排熱切換機構86を加熱状態に切り換えて、冷却水をエンジン排熱利用式熱交換部34に供給するようにしている。
【0036】
前記空調冷房運転においては、室内熱交換器75を蒸発器として機能させて空調対象空間への供給空気を冷却温調し、室外熱交換器81を凝縮器として機能させて外気に対して放熱するようにしている。
この空調冷房運転では、ヒートポンプ運転制御部Dは、低圧検出手段87の検出情報に基づいて、その検出圧力が冷房用の目標圧力になるようにガスエンジン77の回転速度を制御するようにしている。
また、空調冷房運転において、ヒートポンプ運転制御部Dは、排熱切換機構86を加熱状態に切り換えて冷却水をエンジン排熱利用式熱交換部34に供給し、循環路3を通流する湯水をエンジン排熱で加熱するようにしている。
【0037】
前記空調冷房運転における冷媒の流れについて説明を加えると、冷媒圧縮機78から吐出される高圧乾き蒸気冷媒を、四方弁80を介して室外熱交換器81に供給し、この室外熱交換器81において外気との熱交換により凝縮される。
そして、室外熱交換器81から送出される凝縮工程通過冷媒を、電子膨張弁74を介して室内熱交換器75に供給し、この室内熱交換器75において冷却対象空気との熱交換により蒸発される。
その後、室内熱交換器75から送出される低圧乾き蒸気冷媒を、四方弁80およびアキュムレータ79を介して冷媒圧縮機78の吸入口に戻す。
【0038】
前記空調暖房運転においては、室内熱交換器75を凝縮器として機能させて空調対象空間への供給空気を加熱温調し、室外熱交換器81を蒸発器として機能させて外気から吸熱するようにしている。
この空調暖房運転では、ヒートポンプ運転制御部Dは、高圧検出手段88の検出情報に基づいて、その検出圧力が暖房用の目標圧力になるようにガスエンジン77の回転速度を制御するようにしている。
また、この空調暖房運転において、加熱用冷媒配管90を通してヒートポンプ式熱交換部33に高圧冷媒を供給する加熱用運転により、循環路3を通流する湯水を加熱するようにしている。
【0039】
前記空調暖房運転における冷媒の流れについて説明を加えると、電子膨張弁74,89が所定開度になるように制御する初期制御を行い、高圧検出手段88の検出圧力が目標圧力になるように、ガスエンジン77の回転数を増減して、冷媒圧縮機78の回転速度を制御し、冷媒圧縮機78から吐出される高圧乾き蒸気冷媒を、四方弁80を介して室内熱交換器75およびヒートポンプ式熱交換部33に供給し、室内熱交換器75においては加熱対象空気との熱交換により凝縮され、ヒートポンプ式熱交換部33においては循環路3の湯水との熱交換により凝縮される。
【0040】
そして、室内熱交換器75から送出される凝縮工程通過冷媒を、電子膨張弁74を介して室外熱交換器81に供給するとともに、ヒートポンプ式熱交換部33から送出される凝縮工程通過冷媒を、電子膨張弁89を介して室外熱交換器81に供給して、この室外熱交換器81において外気との熱交換により蒸発される。その後、室外熱交換器81から送出される低圧乾き蒸気冷媒を四方弁80およびアキュムレータ79を介して冷媒圧縮機78の吸入口に戻す。
【0041】
尚、電子膨張弁74,89の初期制御が完了したあとは、室内熱交換器75やヒートポンプ式熱交換部33の下流側における冷媒温度を冷媒温度センサ96で検出して、この検出温度が飽和液温度から所定値を引いた目標温度になるように、電子膨張弁74,89の開度を調整するサブクール制御を実行する。
つまり、サブクール制御は、室内熱交換器75やヒートポンプ式熱交換部33で凝縮して放熱し、その結果、冷却された冷媒の温度を冷媒温度センサ96で検出して、その検出温度が、高圧検出手段88で検出した検出圧力を基にして予めメモリに記憶されているデータから求まる飽和液温度よりも、所定値( サブクール値) だけ低くなるように電子膨張弁74,89の開度を調整する。
【0042】
そして、飽和液温度から所定値を引いた目標温度に対して冷媒温度センサ96による検出温度が高いほど、電子膨張弁74,89の開度を小さくすることにより、冷媒の循環量が減少して、その分、所定冷媒量当たりの放熱量が増加して冷媒温度センサ96による検出温度が低下し、かつ、高圧検出手段88による検出圧力が増加して飽和液温度が上昇して、冷媒温度センサ96による検出温度を目標温度と略同等にすることができる。
また、目標温度に対して冷媒温度センサ96による検出温度が低いほど、電子膨張弁74,89の開度を大きくすることにより、冷媒の循環量が増加して、その分、所定冷媒量当たりの放熱量が減少して冷媒温度センサ96による検出温度が上昇し、かつ、高圧検出手段88による検出圧力が減少して飽和液温度が低下して、冷媒温度センサ96による検出温度を目標温度と略同等にすることができる。
【0043】
また、貯湯ユニット制御部Cには、貯湯タンク1内の貯湯量Rを検出する貯湯量検出手段Mや、貯湯タンク1に貯湯する目標貯湯量Raを設定する目標貯湯量設定手段Nなどが設けられている。
前記貯湯量検出手段Mと目標貯湯量設定手段Nはプログラム形式で設けられ、貯湯量検出手段Mは、貯湯温度サーミスタS1,S2,S3,S4のうちで貯湯設定温度Te以上の温度を検出する最下位の貯湯温度サーミスタがいずれの貯湯温度サーミスタS1,S2,S3,S4であるかにより、その貯湯温度サーミスタS1,S2,S3,S4の検出位置に対応する量として予め設定されている量の湯水を貯湯量Rとして検出するように構成され、目標貯湯量設定手段Nは、4個の貯湯温度サーミスタS1,S2,S3,S4のいずれかに対応する貯湯量Rを目標貯湯量Raとして設定するように構成されている。
【0044】
そして、最上部の貯湯温度サーミスタS1に対応する貯湯量Rが最低確保量Rmin として、上から2番目の貯湯温度サーミスタS2に対応する貯湯量Rが小貯湯量Rs として、上から3番目の貯湯温度サーミスタS3に対応する貯湯量Rが中貯湯量Rm として、また、最下部の貯湯温度サーミスタS4に対応する貯湯量Rが最大貯湯量Rmax として、夫々、予め設定されている。
ちなみに、本実施形態では、最低確保量Rmin が17リットル、小貯湯量Rs が30リットル、中貯湯量Rm が70リットル、最大貯湯量Rmax が113リットルとして設定されている。
【0045】
次に、貯湯ユニットAの運転について説明すると、貯湯リモコン92の要求指令やヒートポンプ運転手段Kの運転状態などに基づいて、貯湯ユニット制御部Cが、湯水循環手段E、循環調整手段F、給湯操作手段G、風呂操作手段H、暖房操作手段J、補助熱交換部34の夫々の運転を制御して、貯湯運転、放熱運転、および、給湯優先運転などの夫々の運転を実行するように構成されている。
【0046】
前記湯水循環手段Eについて具体的に説明すると、この湯水循環手段Eは、貯湯タンク1に湯水を貯湯するときに、貯湯運転用循環状態としてのヒートポンプ貯湯状態( 以下、HP貯湯状態という) および補助熱源貯湯状態、初期運転用循環状態としてのヒートポンプ貯湯初期状態( 以下、HP貯湯初期状態という) および補助熱源貯湯初期状態の4つの状態の夫々に切り換えられ、外部放熱部2にて放熱するときに、追焚き循環状態、暖房循環状態、追焚き・暖房同時循環状態の3つの状態の夫々に切り換えられるように構成されている。
【0047】
そして、貯湯タンク1に湯水を貯湯するときには、ヒートポンプ式熱交換部33または補助熱交換部35にて加熱された湯水の温度が貯湯許容温度に満たないときには、HP貯湯初期状態または補助熱源貯湯初期状態に切り換えて貯湯タンク1内の湯水を循環させ、ヒートポンプ式熱交換部33または補助熱交換部35にて加熱された湯水の温度が貯湯許容温度になると、HP貯湯状態または補助熱源貯湯状態に切り換えて貯湯タンク1に貯湯するようにしている。
また、外部放熱部2にて放熱するときには、追焚き要求のみの要求があると、追焚き循環状態に切り換え、暖房要求のみの要求があると、暖房循環状態に切り換え、追焚き要求および暖房要求の両要求があると、追焚き・暖房同時循環状態に切り換えるようにしている。
【0048】
以下、湯水循環手段Eの夫々の状態について説明を加える。
なお、この湯水循環手段Eの夫々の状態における説明において、上部開閉弁28、戻し開閉弁29、暖房用開閉弁44、風呂用開閉弁45、ヒートポンプ用開閉弁60、補助用断続開閉弁63、ヒートポンプバイパス開閉弁69,および、補助バイパス開閉弁70の開閉状態について、開弁させる開閉弁のみを記載し、記載していない開閉弁については閉弁させるものとする。
【0049】
前記HP貯湯状態においては、上部開閉弁28および補助バイパス開閉弁70を開弁させるとともに、循環ポンプP1を作動させ、貯湯タンク1内に湯水が温度成層を形成して貯湯させるように、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式熱交換部33にて加熱したのち、その温水を補助熱交換部35を迂回して貯湯タンク1の上部に戻すようにしている。
前記補助熱源貯湯状態においては、上部開閉弁28および補助用断続開閉弁63を開弁させるとともに、循環ポンプP1を作動させ、貯湯タンク1内に湯水が温度成層を形成して貯湯させるように、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を補助熱交換部35にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に戻すようにしている。
【0050】
前記HP貯湯初期状態においては、戻し開閉弁29、暖房用開閉弁44および補助バイパス開閉弁70を開弁させるとともに、循環ポンプP1を作動させ、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式熱交換部33にて加熱したのち、その湯水を補助熱交換部35を迂回して貯湯タンク1の底部に戻すようにしている。
前記補助熱源貯湯初期状態においては、戻し開閉弁29、暖房用開閉弁44および補助用断続開閉弁63を開弁させるとともに、循環ポンプP1を作動させ、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を補助熱交換部35にて加熱したのち、その湯水を貯湯タンク1の底部に戻すようにしている。
【0051】
前記追焚き循環状態においては、ヒートポンプ式熱交換部33にて加熱するときは、風呂用開閉弁45、ヒートポンプ用開閉弁60および補助バイパス開閉弁70を開弁させるとともに、循環ポンプP1を作動させて、ヒートポンプ式熱交換部33にて加熱された温水を風呂用熱交換部43にて放熱させたのち、その全量を貯湯タンク1を迂回してヒートポンプ式熱交換部33に戻し、補助熱交換部35にて加熱するときは、風呂用開閉弁45、補助用断続開閉弁63およびヒートポンプバイパス開閉弁69を開弁させるとともに、循環ポンプP1を作動させて、補助熱交換部35にて加熱された温水を風呂用熱交換部43にて放熱させたのち、その全量を貯湯タンク1とヒートポンプ式熱交換部33とを迂回して補助熱交換部35に戻すようにしている。
【0052】
前記暖房循環状態においては、暖房用開閉弁44、補助用断続開閉弁63およびヒートポンプバイパス開閉弁69を開弁させるとともに、循環ポンプP1を作動させ、補助熱交換部35にて加熱された温水を暖房用熱交換部42にて放熱させたのち、その全量を貯湯タンク1とヒートポンプ式熱交換部33とを迂回して補助熱交換部35に戻すようにしている。
前記追焚き・暖房同時循環状態においては、暖房用開閉弁44、風呂用開閉弁45、補助用断続開閉弁63およびヒートポンプバイパス開閉弁69を開弁させるとともに、循環ポンプP1を作動させ、補助熱交換部35にて加熱された温水を風呂用熱交換部43および暖房用熱交換部42にて放熱させたのち、その全量を貯湯タンク1とヒートポンプ式熱交換部33とを迂回して補助熱交換部35に戻すようにしている。
【0053】
前記貯湯ユニット制御部Cの運転として、貯湯運転、放熱運転、および、給湯優先運転について説明する。
前記貯湯運転は、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調暖房運転中であるか否かにより、ヒートポンプ貯湯運転( 以下、HP貯湯運転という) または補助熱源貯湯運転のいずれかを選択して実行され、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調暖房運転中に貯湯リモコン92から指令される加熱要求としての貯湯要求があると、補助熱交換部35を運転させて貯湯する補助熱源貯湯運転を実行させて補助熱源優先運転を実行し、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調暖房運転中ではないときに貯湯要求があると、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bを空調暖房運転させて貯湯するHP貯湯運転を実行させてヒートポンプ優先運転を実行するように構成されている。
【0054】
そして、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが空調暖房運転中に空調リモコン93からの空調暖房要求が解除された状態において、貯湯要求があると、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転を継続したままHP貯湯運転を実行するように構成されている。
また、HP貯湯運転中に、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bへの空調暖房要求があると、ガスエンジン77の回転速度や暖房要求されている部屋の暖房負荷などに基づいて、HP貯湯運転を継続している状態でのエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの空調能力が空調負荷に対して余裕があるのか不足しているのかを判別し、空調能力に余裕があるときには、HP貯湯運転を継続するとともに、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bにて空調暖房運転させる空調追加運転を実行し、空調能力が不足しているときには、HP貯湯運転から補助熱源貯湯運転に切り換えかつエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bにて空調暖房運転させるように構成されている。
【0055】
前記貯湯運転におけるHP貯湯運転について具体的に説明すると、まず、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bを暖房運転させて高圧冷媒をヒートポンプ式熱交換部33に供給するととともに、湯水循環手段EをHP貯湯初期状態にて運転させ、貯湯タンク1内の湯水をヒートポンプ式熱交換部33にて加熱させる。
そして、貯湯サーミスタ66にて検出される温度が貯湯許容温度以上になると、湯水循環手段EをHP貯湯初期状態からHP貯湯状態に切り換えるとともに、貯湯タンク1の上部に貯湯される温水の温度が貯湯設定温度となるように、貯湯サーミスタ66の検出情報に基づいて循環用水比例バルブ65の開度を調整するようにしている。
【0056】
このようにして、貯湯タンク1内の湯水が温度成層を形成しながら貯湯され、貯湯タンク1の貯湯量が貯湯リモコン92などにより設定された目標貯湯量になると、設定時間貯湯タンク1への貯湯を継続したのち、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bの運転を停止させるとともに、循環ポンプP1の作動を停止させかつ開弁している開閉弁を閉弁させて湯水循環手段Eの運転を停止させる。
ちなみに、目標貯湯量は、「少」、「中」、「満」のうちのひとつが選択でき、例えば、目標貯湯量として「中」が選択されているときには、中部サーミスタS3が貯湯設定温度よりも設定温度だけ低い温度を検出すると、貯湯タンク1の貯湯量が目標貯湯量になっていると検出するようにしている。
【0057】
前記貯湯運転における補助熱源貯湯運転について具体的に説明すると、まず、補助用断続開閉弁63、戻し開閉弁29、暖房用開閉弁44の夫々を開操作するとともに、補助バイパス開閉弁70、上部開閉弁28、ヒートポンプ用開閉弁60、ヒートポンプバイパス開閉弁69、風呂用開閉弁45の夫々を閉操作して、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を補助熱交換部35にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の底部に戻す形態の補助熱源貯湯初期状態で湯水を循環させる貯湯初期運転と、補助用断続開閉弁63、上部開閉弁28の夫々を開操作するとともに、補助バイパス開閉弁70、戻し開閉弁29、ヒートポンプ用開閉弁60、ヒートポンプバイパス開閉弁69、暖房用開閉弁44、風呂用開閉弁45の夫々を閉操作して、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を補助熱交換部35にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に供給する形態の補助熱源貯湯状態で湯水を循環させる貯湯運転とに切り換えて貯湯される。
【0058】
つまり、貯湯ユニット制御部Cは、貯湯用目標温度Tbよりも8℃高い温度を越える沸き上げ温度Ta、又は、貯湯用目標温度Tbよりも15℃低い温度を越える沸き上げ温度Taが貯湯サーミスタ66により1秒間継続して検出されるまで、補助熱源貯湯初期状態にて湯水を1リットル/minの循環流量Qで循環させる貯湯初期運転を行い、貯湯用目標温度Tbよりも8℃高い温度を越える沸き上げ温度Ta、又は、貯湯用目標温度Tbよりも15℃低い温度を越える沸き上げ温度Taが1秒間継続して検出されると、補助熱源貯湯状態に切り換えて、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbになるように循環流量Qを制御するように構成されている。
【0059】
このようにして、貯湯タンク1内の湯水が温度成層を形成しながら貯湯され、貯湯タンク1の貯湯量が貯湯リモコン92などにより設定された目標貯湯量になると、設定時間貯湯タンク1への貯湯を継続したのち、補助熱交換部35の運転を停止させるとともに、循環ポンプP1の作動を停止させかつ開弁している開閉弁を閉弁させて湯水循環手段Eの運転を停止させる。
【0060】
前記放熱運転は、追焚き要求のみの要求があると、追焚き運転を実行し、暖房要求のみの要求があると、暖房運転を実行し、追焚き要求および暖房要求の両要求があると、追焚き・暖房同時運転を実行するように構成されている。
【0061】
前記放熱運転における追焚き運転について具体的に説明すると、湯水循環手段Eを追焚き循環状態に切り換え、かつ、貯湯サーミスタ66による検出温度が追焚き用設定温度になるようにファン37の回転速度およびガス比例弁40の開度を調整するとともに、風呂ポンプP3を作動させて浴槽内の湯水を風呂戻り路18および風呂往き路19を通して循環させる。
そして、風呂用熱交換部43にて浴槽内の湯水を加熱して追焚きし、風呂戻りサーミスタ57の検出温度が追焚き用設定温度以上になると、風呂ポンプP3の作動を停止するとともに、補助熱交換部35の運転および湯水循環手段Eの運転を停止させる。
【0062】
前記放熱運転における暖房運転について具体的に説明すると、湯水循環手段Eを暖房循環状態に切り換え、かつ、貯湯サーミスタ66による検出温度が暖房用設定温度になるようにファン37の回転速度およびガス比例弁40の開度を調整するとともに、暖房ポンプP2を作動させて暖房端末からの熱媒を暖房戻り路46および暖房往き路47を通して循環させ、暖房用熱交換部42にて熱媒を加熱して暖房端末に供給するようにしている。
【0063】
前記放熱運転における追焚き・暖房同時運転について具体的に説明すると、湯水循環手段Eを追焚き・暖房同時循環状態に切り換え、かつ、貯湯サーミスタ66による検出温度が追焚き・暖房同時用設定温度になるようにファン37の回転速度およびガス比例弁40の開度を調整するとともに、風呂ポンプP3を作動させて浴槽内の湯水を風呂戻り路18および風呂往き路19を通して循環させ、かつ、暖房ポンプP2を作動させて暖房端末からの熱媒を暖房戻り路46および暖房往き路47を通して循環させる。
そして、浴槽の湯水を追焚きするとともに、暖房端末に暖房用熱交換部42にて加熱された熱媒を供給するようにしている。
【0064】
前記給湯優先運転は、貯湯タンク1の貯湯量が最低確保量未満のときに、給湯栓などに給湯するときに実行され、湯水循環手段Eを補助熱源貯湯状態に切り換え、補助熱交換部35にて加熱された湯水を上部接続路25から給湯路6に給湯しながら、給湯目標温度、貯湯出口サーミスタ13および給水サーミスタ9の検出情報に基づいて、給湯する湯水の温度が給湯目標温度になるようにミキシングバルブ8の開度を調整するとともに、ミキシングサーミスタ14の検出情報に基づいて、その検出温度と給湯目標温度との偏差に基づいてミキシングバルブ8の開度を微調整することにより、給湯目標温度の湯水を給湯するようにしている。
【0065】
ちなみに、浴槽に湯張りを行うときには、給湯優先運転と同様に、貯湯タンク1の貯湯量が最低確保量未満のときに、給湯栓などに給湯するときに実行され、給湯目標温度、貯湯出口サーミスタ13および給水サーミスタ9の検出情報に基づいて、給湯する湯水の温度が給湯目標温度になるようにミキシングバルブ8の開度を調整するとともに、ミキシングサーミスタ14の検出情報に基づいて、その検出温度と給湯目標温度との偏差に基づいてミキシングバルブ8の開度を微調整するとともに、湯張り電磁弁22を開弁させ、ミキシングバブル8にて給湯目標温度に調整された湯水を風呂戻り路18および風呂往き路19の両路から浴槽に供給し、浴槽内に湯張り設定量の湯水が供給されると、湯張り電磁弁22を閉弁させるようにしている。
【0066】
前記貯湯ユニットAの制御動作について、図4〜6のフローチャートに基づいて説明する。
前記貯湯ユニットAは、図4のフローチャートに示すように、貯湯タンク1の貯湯量が最低確保量未満であって、かつ、給湯栓が開操作されて給湯中であると、給湯優先運転を実行し、貯湯タンク1の貯湯量が最低確保量以上であるか、給湯中でなければ、給湯優先運転を実行していると、補助熱交換部35の運転および循環ポンプP1の作動を停止させて給湯優先運転停止処理を実行する。
そして、暖房要求や追焚き要求などの放熱要求があると、放熱運転を実行し、貯湯要求があると、貯湯運転を実行する。
【0067】
前記放熱運転の制御動作について、図5のフローチャートに基づいて説明を加えると、貯湯タンク1の貯湯量が最低確保量未満であって、かつ、給湯栓が開操作されて給湯中であると、給湯優先運転を実行する。
貯湯タンク1の貯湯量が最低確保量以上であるか、給湯中でなければ、給湯優先運転を実行していると、補助熱交換部35の運転および循環ポンプP1の作動を停止させて給湯優先運転停止処理を実行する。
【0068】
そして、追焚き要求がありかつ暖房要求がないときには、追焚き運転を実行し、追焚き要求および暖房要求の両要求があるときには、追焚き・暖房同時運転を実行し、追焚き要求がなくかつ暖房要求があるときには、暖房運転を実行する。このようにして、追焚き要求および暖房要求のいずれかまたは両方が要求されているかによって、その要求に応えるべく、追焚き運転、暖房運転、追焚き・暖房同時運転の夫々の運転を実行し、追焚き要求および暖房要求のいずれかまたは両方が満たされて要求が完了すると、湯水循環手段Eおよび補助熱交換部35の運転を停止させる放熱停止処理を実行する。
【0069】
前記貯湯運転の制御動作について、図6のフローチャートに基づいて説明を加えると、貯湯タンク1の貯湯量が最低確保量未満であって、かつ、給湯栓が開操作されて給湯中であると、給湯優先運転を実行する。
貯湯タンク1の貯湯量が最低確保量以上であるか、給湯中でなければ、給湯優先運転を実行していると、補助熱交換部35の運転および循環ポンプP1の作動を停止させて給湯優先運転停止処理を実行する。
そして、追焚き要求または暖房要求のいずれかの放熱要求があると、放熱運転を実行し、放熱要求がないときはHP貯湯運転を実行する。
【0070】
このようにして、HP貯湯運転または補助熱源貯湯運転のいずれかにて貯湯タンク1の貯湯量が目標貯湯量になると、設定時間貯湯タンク1への貯湯を継続したのち、エンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bまたは補助熱交換部35の運転を停止させるとともに、循環ポンプP1の作動を停止させかつ開弁している開閉弁を閉弁させて湯水循環手段Eの運転を停止させる貯湯運転停止処理を実行する。
【0071】
前記HP貯湯運転について詳細に説明する。
HP貯湯運転は、貯湯リモコン92にて風呂予約設定を行った場合などに、貯湯用目標温度Tbで、かつ、目標貯湯量Raの湯水を貯湯タンク1に貯湯するために、現在の貯湯量Rが目標貯湯量Raに対してかなり少ないと判定したときに行われる。
【0072】
つまり、貯湯ユニット制御部Cが湯水循環手段Eの運転を制御する循環制御手段として機能し、HP貯湯運転が指令されるに伴って、図7に示すように、湯水循環手段Eを、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式熱交換部33にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の底部に戻す形態の初期運転用循環状態( HP貯湯初期状態) で湯水を循環させる貯湯初期運転に切り換えて、その運転を制御したあと、貯湯タンク1内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式熱交換部33にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に供給する形態の貯湯運転用循環状態( HP貯湯状態) で湯水を循環させる貯湯運転に切り換えて、その運転を制御する。
【0073】
また、ヒートポンプ運転制御手段としてのヒートポンプ運転制御部Dは、HP貯湯運転が指令されるに伴って、ヒートポンプ式熱交換部33の冷媒圧縮機78を起動させて、ヒートポンプ式熱交換部33に供給される冷媒圧力が設定目標圧力になるように冷媒圧縮機78の回転速度を制御しながら、ヒートポンプ式熱交換部33の加熱用運転を制御する。
【0074】
前記貯湯初期運転としては、循環流量Qが初期目標流量( 3リットル/min) になるように水比例バルブ65の開度を制御する貯湯初期A運転( 貯湯予備運転) と、循環流量Qがヒートポンプ式熱交換部33の冷媒圧力に応じて増加するように水比例バルブ65の開度を制御する貯湯初期B運転とがあり、貯湯運転としては、循環流量Qがヒートポンプ式熱交換部33の冷媒圧力に応じて増加するように水比例バルブ65の開度を制御する貯湯A運転と、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tb( 本実施形態では、60℃又は67℃のいずれかに設定されている) になるように水比例バルブ65の開度を制御して循環流量Qを調整する貯湯A運転とがある。
【0075】
前記貯湯ユニット制御部Cによるヒートポンプ加熱貯湯処理について、図8〜図15のフローチャートを参照しながら詳述する。
前記貯湯初期A運転について説明する。
前記貯湯初期A運転による運転制御では、図8に示すように、タイマ94をリセットして、ヒートポンプ運転制御部Dにヒートポンプ運転要求信号を出力し、ヒートポンプ運転制御部Dから運転状態を示す信号としてのヒートポンプの加熱能力不足を示す能力不足信号が入力されている場合は、貯湯待機処理を実行し、能力不足信号が入力されていない場合は、補助バイパス開閉弁70、戻し開閉弁29、暖房用開閉弁44の夫々を開操作するとともに、補助用断続開閉弁63、上部開閉弁28、ヒートポンプ用開閉弁60、ヒートポンプバイパス開閉弁69、風呂用開閉弁45の夫々を閉操作して初期運転用循環状態に切り換えて循環ポンプP1を作動させ、循環流量Qが初期目標流量( 3リットル/min) になるように水比例バルブ65の開度を制御して、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水を補助用バイパス路68と暖房用循環路3aとを通って貯湯タンク1の底部に戻す形態の初期運転用循環状態で、循環路3を循環させる( ステップ#1〜#4) 。
そして、ヒートポンプ運転制御部Dから運転状態を示す信号としてのエンジンヒートポンプ式冷暖房装置Bが運転されていることを示すヒートポンプ運転信号が、ヒートポンプ運転要求信号を出力してから5分が経過しても入力されない場合は、貯湯待機処理を実行し、ヒートポンプ運転信号が入力されると、貯湯初期B運転による運転制御を開始する( ステップ#5〜#7) 。
【0076】
前記貯湯待機処理は、図9に示すように、循環ポンプP1が作動しているときはその作動を停止するとともに、ヒートポンプ運転要求信号の出力を停止して、タイマ94をリセットし、タイマ94の積算時間が30分になると、貯湯初期A運転による運転制御に戻る( ステップ#11〜#15) 。
【0077】
前記貯湯初期B運転について説明する。
前記貯湯初期B運転による運転制御では、室外機72からヒートポンプ式熱交換部33に加熱用冷媒が供給されており、図10に示すように、タイマ94をリセットして、初期運転用循環状態で循環流量Qが運転開始用設定量としての初期目標流量( 1リットル/min) になるように水比例バルブ65の開度を制御する( ステップ#21,#22) 。
そして、ヒートポンプ運転制御部Dから運転状態を示す信号としての冷却水温度サーミスタ95による検出温度が60℃以上であることを示すエンジン60℃信号が入力されていないときは、貯湯初期A運転による運転制御に戻り、エンジン60℃信号が入力されていると、貯湯用目標温度Tbが60℃の場合は上限循環流量Qmax を3リットル/minに設定し、貯湯用目標温度Tbが67℃の場合は上限循環流量Qmax を2リットル/minに設定して、高圧検出手段88で検出した冷媒圧力が2段階に設定した循環量増大制御用圧力のいずれかになると、その2段階の循環量増大制御用圧力に対応させて設定してある2段階の設定増大量を循環量増大制御用圧力に応じて選択して、湯水の循環量Qを設定増大量分増加させて設定時間待機する循環量増大制御を、繰り返し実行する( ステップ#23〜#27) 。
【0078】
前記循環量増大制御について説明する。
前記循環量増大制御では、図11に示すように、循環流量センサ62で検出した循環流量Qが上限循環流量Qmax 以上のときは、循環流量Qを現状に維持し、循環流量Qが上限循環流量Qmax 未満で、ヒートポンプ運転制御部Dから運転状態を示す信号としての、高圧検出手段88で検出した冷媒圧力が循環量増大制御用圧力の一つである20kgf/cm2(約1.96MPa) であることを示す冷媒20kgf/cm2 信号のみが入力されると、その循環量増大制御用圧力に対応させて設定してある設定増大量である0.1リットル/minを選択して、循環流量Qをその設定増大量増加させ、高圧検出手段88で検出した冷媒圧力が循環量増大制御用圧力の一つである22kgf/cm2(約2.16MPa) であることを示す冷媒22kgf/cm2 信号が入力されると、その循環量増大制御用圧力に対応させて設定してある設定増大量である0.2リットル/minを選択して、循環流量Qをその設定増大量増加させる( ステップ#41〜#45) 。
そして、上記循環量増大制御を、ヒートポンプ運転制御部Dから能力不足信号が入力されていない状態で、貯湯用目標温度Tbよりも20℃低い温度を越える沸き上げ温度Taが貯湯サーミスタ66により5秒間継続して検出されるまで、15秒の演算周期で実行し、能力不足信号が入力されると貯湯待機処理を実行する( ステップ#28〜#34) 。
【0079】
また、上記の循環量増大制御を繰り返す都度、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbよりも4℃低い温度未満か否かを判定し、貯湯用目標温度Tbよりも4℃低い温度未満であれば、貯湯用目標温度Tbが60℃の場合は、貯湯初期B運転の開始から10分が経過すると貯湯待機処理を実行し、貯湯用目標温度Tbが67℃の場合は、貯湯初期B運転の開始から15分が経過すると貯湯待機処理を実行する( ステップ#30〜#34) 。
そして、貯湯用目標温度Tbよりも20℃低い温度を越える沸き上げ温度Taが貯湯サーミスタ66により5秒間継続して検出されると、貯湯A運転による運転制御を開始する( ステップ#29) 。
【0080】
前記貯湯A運転について説明する。
前記貯湯A運転による運転制御では、図12に示すように、タイマ94をリセットし、貯湯タンク1下部の湯水の温度が上がり過ぎて、ヒートポンプの加熱能力が低下しないように、補助バイパス開閉弁70、上部開閉弁28の夫々を開操作するとともに、補助用断続開閉弁63、戻し開閉弁29、ヒートポンプ用開閉弁60、ヒートポンプバイパス開閉弁69、暖房用開閉弁44、風呂用開閉弁45の夫々を閉操作して、貯湯タンク1の底部から取り出した湯水をヒートポンプ式熱交換部33にて加熱したのち、その温水を貯湯タンク1の上部に供給する形態の貯湯運転用循環状態で湯水を循環させ、貯湯用目標温度Tbよりも4.5℃低い温度を越える沸き上げ温度Taが貯湯サーミスタ66により5秒間継続して検出されるまで、前述の循環量増大制御を繰り返し実行する( ステップ#51〜#56) 。
但し、この貯湯A運転中に貯湯用目標温度Tbよりも23℃低い温度以下の沸き上げ温度Taが検出されると、貯湯禁止運転による運転制御を開始し、例えば空調暖房負荷が大きくて、能力不足信号が入力されると貯湯待機処理を実行する。
そして、貯湯用目標温度Tbよりも4.5℃低い温度を越える沸き上げ温度Taが貯湯サーミスタ66により5秒間継続して検出されると、貯湯B運転による運転制御を開始する。
【0081】
前記貯湯禁止運転について説明する。
前記貯湯禁止運転による運転制御では、図13に示すように、補助バイパス開閉弁70、戻し開閉弁29、暖房用開閉弁44の夫々を開操作するとともに、補助用断続開閉弁63、上部開閉弁28、ヒートポンプ用開閉弁60、ヒートポンプバイパス開閉弁69、風呂用開閉弁45の夫々を閉操作して初期運転用循環状態に切り換え、貯湯用目標温度Tbよりも20℃低い温度を越える沸き上げ温度Taが検出されるまで後述する貯湯運転用流量制御を繰り返し実行し、貯湯用目標温度Tbよりも20℃低い温度を越える沸き上げ温度Taが5秒間継続して検出されるとステップ#53に戻る( ステップ#61〜#63) 。
【0082】
前記貯湯B運転について説明する。
前記貯湯B運転による運転制御では、図14に示すように、タイマ94をリセットし、補助バイパス開閉弁70、上部開閉弁28の夫々を開操作するとともに、補助用断続開閉弁63、戻し開閉弁29、ヒートポンプ用開閉弁60、ヒートポンプバイパス開閉弁69、暖房用開閉弁44、風呂用開閉弁45の夫々を閉操作して貯湯運転用循環状態に切り換え、上限循環量Qmax を10リットル/minに設定し、貯湯タンク1の上部に供給する加熱湯水の温度を貯湯用目標温度Tbに維持するように、水比例バルブ65のフィードバック制御で、貯湯サーミスタ66により検出される沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbになるように、湯水の循環流量Qを設定量増減制御して設定時間待機する貯湯運転用流量制御を15秒の演算周期で繰り返し実行し、貯湯量検出手段Mにより、目標貯湯量が検出されると、貯湯B運転を終了する( ステップ#71〜#75) 。
【0083】
前記貯湯運転用流量制御について説明する。
前記貯湯運転用流量制御では、図15〜図17に示すように、貯湯用目標温度Tbよりも23℃低い温度以下の沸き上げ温度Taが検出されると、貯湯禁止運転による運転制御が開始され、貯湯用目標温度Tbよりも23℃低い温度以下の沸き上げ温度Taが検出されいない状態で、循環流量Qが上限循環量Qmax 以上のときや、循環流量Qが上限循環量Qmax 未満で、かつ、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbよりも1℃低い温度以上で貯湯用目標温度Tbよりも1℃高い温度以下の貯湯用目標温度範囲の温度であり、しかも、冷媒22kgf/cm2 信号が入力されていないときは、循環流量Qを現状に維持し( ステップ#81〜#83,#104) 、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度範囲の温度を越えているときは、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbよりも5℃高い温度以下であれば、循環流量Qを0.1リットル/min増加させ、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbよりも5℃高い温度を越えていれば、循環流量Qを0.2リットル/min増加させる( ステップ#84,#90,#94,#95) 。
【0084】
また、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度範囲の温度を下回っているときは、冷媒20kgf/cm2 信号が入力されていなかったり、冷媒20kgf/cm2 信号が入力されていても、ヒートポンプ運転制御部Dから運転状態を示す信号としての、ガスエンジン77の現在の回転数が最大回転数であることを示す最大回転信号が入力されていれば、その沸き上げ温度Taに応じて、循環流量Qを減少させ( ステップ#85〜#89,#91〜#93) 、沸き上げ温度Taが加熱湯水の温度が貯湯用目標温度と見なす貯湯用目標温度範囲の温度よりも低いときであっても、冷媒20kgf/cm2 信号が入力されていていて、冷媒圧力が現状維持判別用圧力としての20kgf/cm2(1.96MP a) 以上であり、かつ、最大回転信号が入力されていなくて、冷媒圧縮機78の運転状態が最大出力運転状態でないときは、循環流量Qを現状に維持する( ステップ#84〜#86) 。
【0085】
つまり、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbよりも2.5℃低い温度以上であれば、循環流量Qを0.1リットル/min減少させ( ステップ#87,#93) 、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbよりも2.5℃低い温度を下回り、かつ、貯湯用目標温度Tbよりも5℃低い温度以上であれば、循環流量Qを0.2リットル/min減少させ( ステップ#88,#92) 、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbよりも5℃低い温度を下回り、かつ、貯湯用目標温度Tbよりも6℃低い温度以上であれば、循環流量Qを0.3リットル/min減少させ( ステップ#89,#91) 、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbよりも6℃低い温度を下回っていれば、貯湯禁止運転を行う。
【0086】
そして、循環流量Qを0.3リットル/min減少させたときは、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbよりも4℃低い温度を下回っていると、貯湯用目標温度Tbが60℃の場合は、貯湯B運転の開始から10分が経過していると貯湯待機処理を実行し、貯湯用目標温度Tbが67℃の場合は、貯湯B運転の開始から15分が経過していると貯湯待機処理を実行し、貯湯待機処理を実行しないときは、循環流量Qが最低流量の1リットル/minであり、かつ、最大回転信号が入力されており、かつ、貯湯運転の開始から2分が経過しておれば、貯湯待機処理を実行する( ステップ#96〜#103) 。
【0087】
また、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbと見なせる貯湯用目標温度範囲の温度であり、しかも、冷媒22kgf/cm2 信号が入力されていて、冷媒圧力が現状維持判別用圧力としての22kgf/cm2(( 約2.16MPa) 以上である場合は、最大回転信号が入力されていれば、循環流量Qを現状に維持し、最大回転信号が入力されていなくて冷媒圧縮機78の運転状態が最大出力運転状態でないとき、循環流量Qを0.1リットル/minの設定量を増大させてタイマ94をリセットし、沸き上げ温度Taが貯湯用目標温度Tbよりも2.5℃低い温度以上のときは、90秒間はその増大させた循環流量Qで循環させて待機する流量増加処理を行う( ステップ#83,#104〜#110) 。
【0088】
〔その他の実施形態〕
1.上記実施形態では、循環制御手段とヒートポンプ運転制御手段とが通信しながら、制御を行うように構成されているが、例えば、リモコンの情報が、両制御手段に並列的に伝えられたり、冷媒の圧力検出情報等、ヒートポンプ式加熱手段の各種センサの検出情報が、循環制御手段に直接伝えられる形態で制御しても良い。
2.上記実施形態では、設定時間( 15秒) 間隔おきに、冷媒圧力の判別が行なわれる形態で、循環量増大制御が行われるように構成されいるが、例えば、常に冷媒圧力を監視しておき、冷媒圧力が循環量増大制御用圧力になると、直ちに循環量増大制御を行い、その後、必ず設定時間( 15秒) の間は増大制御は行わない形態で実施しても良い。
3.上記実施形態では、水比例バルブの開度を制御して循環流量を調整するように構成したが、循環ポンプの駆動を制御して循環流量を調整しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】貯湯式の給湯熱源装置( 貯湯ユニット) の概略構成図
【図2】貯湯式の給湯熱源装置( エンジンヒートポンプ式冷暖房装置) の概略構成図
【図3】制御ブロック図
【図4】制御動作を示すフローチャート
【図5】制御動作を示すフローチャート
【図6】制御動作を示すフローチャート
【図7】制御動作を示すフローチャート
【図8】制御動作を示すフローチャート
【図9】制御動作を示すフローチャート
【図10】制御動作を示すフローチャート
【図11】制御動作を示すフローチャート
【図12】制御動作を示すフローチャート
【図13】制御動作を示すフローチャート
【図14】制御動作を示すフローチャート
【図15】制御動作を示すフローチャート
【図16】制御動作を示すフローチャート
【図17】制御動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 貯湯タンク
6 給湯路
33 ヒートポンプ式加熱手段
78 冷媒圧縮機
D ヒートポンプ運転制御手段
E 湯水循環手段
Q 循環量
Tb 貯湯用目標温度

Claims (5)

  1. 給湯路が上部に接続された貯湯タンクと、
    前記貯湯タンクの底部から取り出した湯水をヒートポンプ式加熱手段にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの底部に戻す形態の初期運転用循環状態で湯水を循環させる貯湯初期運転と、前記貯湯タンク内に湯水が温度成層を形成して貯湯されるように、貯湯タンクの底部から取り出した湯水を前記ヒートポンプ式加熱手段にて加熱したのち、その温水を前記貯湯タンクの上部に供給する形態の貯湯運転用循環状態で湯水を循環させる貯湯運転とに切り換え自在な湯水循環手段と、
    貯湯運転が指令されるに伴って、前記貯湯初期運転にて前記湯水循環手段の運転を開始させ、その貯湯初期運転中において前記ヒートポンプ式加熱手段にて加熱した加熱湯水の温度が貯湯用目標温度に達するに伴って、前記貯湯運転に切り換えて前記湯水循環手段を運転するように、前記湯水循環手段の運転を制御する循環制御手段と、
    前記貯湯運転が指令されるに伴って、前記ヒートポンプ式加熱手段の冷媒圧縮機を起動させて、冷媒圧力が設定目標圧力になるように前記冷媒圧縮機の回転速度を制御しながら、前記ヒートポンプ式加熱手段の運転を制御するヒートポンプ運転制御手段とが設けられた貯湯式の給湯熱源装置であって、
    前記循環制御手段が、前記貯湯初期運転において、運転開始時には湯水の循環量を運転開始用設定量にし、その後、前記冷媒圧力が循環量増大制御用圧力になると、前記湯水の循環量を設定増大量分増加させて設定時間待機する循環量増大制御を、繰り返し実行するように構成されている貯湯式の給湯熱源装置。
  2. 前記循環量増大制御用圧力として、複数段階の循環量増大制御用圧力が設定されると共に、その複数段階の循環量増大制御用圧力に対応させて、前記湯水の循環量の設定増大量として、複数段階の設定増大量が設定され、前記循環制御手段が、循環量増大制御において、前記複数段階の循環量増大制御用圧力に応じて、複数段階の設定増大量のいずれかを選択するように構成されている請求項1記載の貯湯式の給湯熱源装置。
  3. 前記循環制御手段が、前記貯湯運転において、前記加熱湯水の温度を前記貯湯用目標温度に維持するように、前記湯水の循環量を増減制御する貯湯運転用流量制御を実行するように構成されている請求項1または2記載の貯湯式の給湯熱源装置。
  4. 前記循環制御手段が、前記貯湯運転における前記貯湯運転用流量制御において、前記加熱湯水の温度が前記貯湯用目標温度よりも低いときであっても、前記冷媒圧力が現状維持判別用圧力以上であり、かつ、前記冷媒圧縮機の運転状態が最大出力運転状態でないときには、前記湯水の循環量を現在の循環量に維持するように構成されている請求項3記載の貯湯式の給湯熱源装置。
  5. 前記循環制御手段が、前記貯湯運転における前記貯湯運転用流量制御において、前記加熱湯水の温度が前記貯湯用目標温度であっても、前記冷媒圧力が現状維持判別用圧力以上であり、かつ、前記冷媒圧縮機の運転状態が最大出力運転状態でないときには、前記湯水の循環量を設定量増加させて設定時間待機する増加処理を行うように構成されている請求項3または4記載の貯湯式の給湯熱源装置。
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