JP4341311B2 - 電装部およびそれを利用した室外機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電装部およびそれを利用した空気調和機の室外機に係わり、より詳しくは、シール材等の補助部材を用いずに水の侵入を防止することができ、組立性および安全性を向上させるようにした電装部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機の室外機において、その本体は例えば図1に示すような底板(ベース)1と、外胴からなり、この外胴は左側板2aが一体に形成された前面カバー2と、L字状に形成された右側板3と、上面カバー4等で構成されており、本体内は底板1上に立設された仕切板5によって熱交換室6と機械室7とに区画され、熱交換室6には熱交換器8と、同熱交換器8により熱交換された空気を外部に送出する送風ファン9が配置され、一方の機械室7にはその下部に圧縮機10が配置され、その上方に圧縮機10および送風ファン(送風機)9等の運転制御を行う電装品を収めた電装部11が配置されている。
【0003】
電装部11は、例えば図2および図5に示すように、樹脂材からなり電装基板12を収納する上面が開放された電装基板収納ケース13と、板金からなり電装基板収納ケース13を収容保持する上面が開放された電装品箱14と、電装基板収納ケース13の上面から被せられる箱状の電装品蓋15とからなり、電装基板収納ケース13と電装品箱14の近接する両側壁に電装基板12からのリード線16を取り出す凹状のリード線取り出し部13aと14aをそれぞれ設けた構成とし、リード線取り出し部13a、14aとリード線16との隙間にシール材を設ける等により水の侵入を防止するようになっていた。なお、これと類似した構造のものとしては(例えば、特許文献1、2参照)がある。
【0004】
しかしながら、前記構成からなる電装部11においては、リード線16が板金からなる電装品箱14のリード線取り出し部14aの開口縁に触れて傷つく恐れがあり、また、水の侵入防止にはシール材を用いなければならず、組立に手間がかかる等の問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9ー26164号公報(第3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000ー9335号公報(第3頁、第4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記の問題点に鑑み、組立が容易で、シール材を用いなくとも水の侵入防止を可能とし、安全性をより向上させた電装部を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するため、電装基板を収納する上面が開放された電装基板収納ケースと、前記電装基板収納ケースを収容保持する上面が開放された電装品箱と、前記電装基板収納ケースの上面から被せられる電装品蓋とからなり、前記電装基板収納ケースと前記電装品箱に前記電装基板からのリード線を取り出すリード線取り出し部を設けてなる電装部において、
前記電装基板収納ケースの前記リード線取り出し部に、前記電装品箱の前記リード線取り出し部の開口縁を覆うフランジを形成すると共に、前記フランジの先端に、前記電装品箱のリード線取り出し部に前記電装基板収納ケースを係止させる係止部を設けてなる構成とする。
【0008】
上記電装部を、空気調和機の室外機に備える構成とする。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は空気調和機の室外機の概略構成を示したもので、同室外機の本体は底板(ベース)1と、外胴からなり、この外胴は左側板2aと連続して形成された前面カバー2と、L字状に形成された右側板3と、上面カバー4等で構成されており、本体内は底板1上に立設された仕切板5によって熱交換室6と機械室7とに区画され、熱交換室6には熱交換器8と、同熱交換器8により熱交換された空気を外部に送出する送風ファン9が配置され、一方の機械室7にはその下部に圧縮機10が配置され、その上方に圧縮機10および送風ファン(送風機)9等の運転制御を行うための電装品を収めた電装部11が配置されている。
【0011】
電装部11は、図2に示すように、樹脂材からなり電装基板12を収納する上面が開放された電装基板収納ケース13と、板金からなり電装基板収納ケース13を収容保持する上面が開放された電装品箱14と、電装基板収納ケース13の上面から被せられる箱状の電装品蓋15とからなり、電装基板収納ケース13と電装品箱14の両側壁に電装基板12(電装品12a)からのリード線16を取り出す凹状のリード線取り出し部13aと14aをそれぞれ設けた構成となっている。
【0012】
図3は本発明の要部形態を拡大図示したもので、電装基板収納ケース13のリード線取り出し部13aに、電装品箱14のリード線取り出し部14aの開口縁を覆うフランジ13bを形成するとともに、その下部先端に係止片13cを一体に形成し、同係止片13cを電装品箱14のリード線取り出し部14aに係止させた形態になっている。
【0013】
図4は上記構成からなる電装部11の組立後の要部形態(図3のA−A矢視)を断面図で示したもので、電装基板収納ケース13のリード線取り出し部13aに設けたフランジ13bが電装品箱14のリード線取り出し部14aの開口縁を覆い、かつ、係止片13cを電装品箱14のリード線取り出し部14aに係止させた状態になっているのでリード線16が電装品箱14側のリード線取り出し部14aの開口縁に触れることはなく、リード線16の傷つきを防止することができ、また、リード線取り出し部13aから取り出されたリード線16は係止片13cと、リード線取り出し部13aが隠れるように深く形成された電装品蓋15とで挟持された状態となるのでシール材等を用いなくとも内部への水の侵入を防止することができる。
【0014】
なお、図3および図4で示す係止片13cは、略凹状になっているフランジ13bの下部先端のみに設けられているが、この形態に限定するものではなく、左右も含めたフランジ13bの先端全域に設けたものであってもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したような構成からなる電装部であれば、シール材等の補助部材が不要であるため組立が容易であるとともにコストの低減が図れ、更に、リード線が傷ついたり、外部から水が侵入する恐れもないので、室外機の品質および安全性の向上にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明および従来例に係わる空気調和機の室外機の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明および従来例に係わる電装部の概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す電装部の要部拡大斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態を示す電装部の要部拡大断面図である。
【図5】従来例を示す電装部の要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
11 電装部
12 電装基板
12a 電装品
13 電装基板収納ケース
13a リード線取り出し部
13b フランジ
13c 係止片
14 電装品箱
14a リード線取り出し部
15 電装品蓋
16 リード線
17 基板取付ネジ
Claims (2)
- 電装基板を収納する上面が開放された電装基板収納ケースと、前記電装基板収納ケースを収容保持する上面が開放された電装品箱と、前記電装基板収納ケースの上面から被せられる電装品蓋とからなり、前記電装基板収納ケースと前記電装品箱に前記電装基板からのリード線を取り出すリード線取り出し部を設けてなる電装部において、
前記電装基板収納ケースの前記リード線取り出し部に、前記電装品箱の前記リード線取り出し部の開口縁を覆うフランジを形成すると共に、前記フランジの先端に、前記電装品箱のリード線取り出し部に前記電装基板収納ケースを係止させる係止部を設けてなることを特徴とする電装部。 - 請求項1記載の電装部を備えた空気調和機。
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