JP4339086B2 - フリーピストン型スターリングエンジン - Google Patents
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Description
このような構成において、ディスプレーサピストンやパワーピストンなどの部品の寸法、角度、又は平面度にばらつきがあると、ディスプレーサピストンやパワーピストンが軸方向に対して径方向に振れて芯ずれを起こすことが知られている。この芯ずれは、シリンダとディスプレーサピストンやパワーピストンが接触して摩擦や変形を引き起こす。このためディスプレーサピストンやパワーピストンなどの部品の寸法や角度、平面度のばらつきを極力小さくする必要があるが、実際の加工には加工精度に限界があるので、ある程度の許容誤差を設定せざるを得ない。
しかし、許容誤差範囲内といえども芯ずれの発生は避けられない。このため、ディスプレーサピストンに相当するピストンのピストンロッドの径方向に撓性を持たせ、ピストンロッドの径方向の撓性によりシリンダ内を往復運動するピストン部品のミスアラインメントに起因する径方向の力を軽減する技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特許文献2における従来技術は、ディスプレーサピストンに対応するピストン部品のミスアラインメントに起因する径方向の力を軽減する記載はあるが、ディスプレーサピストンとパワーピストンを直列に対面配置させて、ディスプレーサピストンとパワーピストンの各々における部品の寸法や角度、平面度のばらつきを緩衝する技術についての記載はない。また、ガスベアリングによって、摺動壁面からディスプレーサピストン及びパワーピストンをフローティングさせるものは、構成が複雑となり、部品点数が増えてしまう。さらにごみ噛み時に、均一にディスプレーサピストン及びパワーピストンをフローティングできるかがが課題となる。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のフリーピストン型スターリングエンジンにおいて、前記第1の細径ロッドと前記ピストンとを連結する第1の連結具および前記第2の細径ロッドと前記バネ要素とを連結する第2の連結具を有することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載のフリーピストン型スターリングエンジンにおいて、前記第1の細径ロッドおよび前記第2の細径ロッドを、前記軸受けに焼きばめまたは圧入により連結したことを特徴とする。
また、ディスプレーサピストン、パワーピストン、板バネなどの部品の寸法や角度、平面度ばらつきを、ディスプレーサピストン部については第1の細径ロッドのバネ性で、パワーピストン部については第2の細径ロッドのバネ性で確実に緩衝することができる。
また、ロッドの構成が一軸性であるので、低コストで製造することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるフリーピストン型スターリングエンジン又はスターリング冷凍機において、第1の細径ロッドとディスプレーサピストンおよび第2の細径ロッドとバネ要素とを各々連結具で接続したものである。本実施の形態によれば、第1の細径ロッドとディスプレーサピストンおよび第2の細径ロッドとバネ要素とを簡単な構成で確実に連結することができる。したがって、低コストで製造することができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態によるフリーピストン型スターリングエンジン又はスターリング冷凍機において、第1の細径ロッドおよび第2の細径ロッドを軸受に焼きばめまたは圧入により連結したものである。本実施の形態によれば、細径ロッドと軸受けを簡単な構成で固定することができる。したがって、低コストで製造することができる。
図1は、本発明の一実施例によるフリーピストン型スターリングエンジンの側断面概略図、図2は、本実施例におけるロッドとディスプレーサピストンおよび板バネの連結された状態の斜視図、図3は、本実施例におけるロッドとディスプレーサピストンおよび板バネの連結を説明する分解斜視図、図4(a)は本実施例における第2の細径ロッドと軸受け部の連結方法を説明する斜視図、同図(b)は本実施例における第1の細径ロッドとディスプレーサピストンの連結方法を説明する斜視図である。
ディスプレーサピストン11とパワーピストン4との間には、中空部20が設けられており、この中空部20とパワーピストン4の貫通孔41内にロッド15が挿通される。ロッド15の上端はディスプレーサピストン11に固定され、その下端は板バネ13に連結される。
ディスプレーサピストン11は、図2に示すように、上部ハウジング121と下部ハウジング122から構成され、下部ハウジング122を上部ハウジング121にはめ込んで構成される。パワーピストン4の下方には、板バネ13が設けられ、ディスプレーサピストン11と板バネ13間にロッド15が連結される。
ロッド15は、ディスプレーサピストン11側の第1の細径ロッド16、板バネ13側の第2の細径ロッド17およびこれらを連結する軸受け18から構成される。第1の細径ロッド16および第2の細径ロッド17は、その軸方向すなわち長さ方向には剛性を有し、径方向には撓性を有する線材で、バネ鋼により構成される。一方、軸受け18はパワーピストン4内の連通孔41を摺動するので、機械的強度を有する鋼材で構成される。
なお、図1ではディスプレーサピストン11とパワーピストン4の支持部材はシリンダ1の一部品である。しかし、シリンダの軸方向の円筒研磨加工を平易にするために、ディスプレーサピストン11とパワーピストン4の支持部材を分離した2部品のシリンダにすることもできる。この場合、2部品の各シリンダ間の芯ずれが発生した場合、ロッド15の第1の細径ロッド16および第2の細径ロッド17の径方向の撓性を緩衝する効果が、より顕著に表れ、芯ずれによる側力を吸収することができる。
つぎに、図4(b)に示すように、第1の細径ロッド16を連結具19に固定する。連結具19は、鍔部191と、鍔部191の片側から中央に孔192を有する円柱状部199が延長しており、反対側にねじ部194が形成されている。この連結具19の孔192に第1の細径ロッド16を下方から挿入し、焼きばめまたは圧入により固定する。つぎに、連結具19のねじ部194をディスプレーサピストン11の下部ハウジング122の底面に貫通させ、下部ハウジング122の内部からワッシャ22を介してナット21によりねじ止めして固定する。ロッド15を固定した下部ハウジング122を上部ハウジング121にはめ込んでディスプレーサピストン10とロッド15の接続は完了する。
ロッド15と板バネ13との連結は、連結具19を図4(b)の状態と上下を反対にして連結具19の孔192に第2の細径ロッド17を焼きばめまたは圧入により固定し、連結具19のねじ部194を板バネ13の孔131に貫通させ、板バネ13の反対側からワッシャ22を介してナット21によりねじ止めして固定する。
一方、ディスプレーサピストン11およびバネ要素などの部品に寸法や角度、平面度のばらつきがある場合は、ディスプレーサピストン11がシリンダ1内で径方向に移動して上下動の軸に対して芯ずれしようとするが、ロッド15を構成し、ディスプレーサピストン11に連結している第1の細径ロッド16が径方向に撓性を有しているので、ディスプレーサピストン11のシリンダ1内における径方向の移動を第1の細径ロッド16の径方向の撓性が緩衝する。したがって、ロッド15はディスプレーサピストン11のシリンダ1内における径方向による影響を緩衝することができる。
同様に、パワーピストン4および板バネ13などの部品に寸法や角度、平面度のばらつきがある場合は、第2の細径ロッド17が径方向に撓性を有しているので、パワーピストン4のシリンダ1内における径方向の移動は軸受け18を介して第2の細径ロッド17に伝えられ、第2の細径ロッド17の径方向の撓性により緩衝される。
4 パワーピストン
5 インナーヨーク
6 アウターヨーク
7 永久磁石
8 コイル
9 ヒータ
10 再生器
11 ディスプレーサピストン
13 板バネ
15 ロッド
16 第1の細径ロッド
17 第2の細径ロッド
18 軸受け
19 連結具
20 中空部
21 ナット
22 ワッシャ
121 上部ハウジング
122 下部ハウジング
181、192 孔
191 鍔部
194 ねじ部
199 円柱状部
Claims (3)
- ディスプレーサピストンとパワーピストンとが直列に配置され、前記パワーピストン内の連通孔を貫通してロッドが配置されており、前記ロッドの一端は前記ディスプレーサピストンに連結され、他端はバネ要素に連結されており、前記ロッドを、前記ディスプレーサピストンに連結されるバネ性を有する第1の細径ロッドと、前記バネ要素に連結されるバネ性を有する第2の細径ロッドと、前記第1の細径ロッドおよび前記第2の細径ロッドに連結され、前記パワーピストン内の前記連通孔において摺動可能な軸受けとから構成し、前記第1の細径ロッドおよび前記第2の細径ロッドは、その軸方向には剛性を有し、径方向には撓性を有するバネ材により構成されたことを特徴とするフリーピストン型スターリングエンジン。
- 前記第1の細径ロッドと前記ディスプレーサとを連結する第1の連結具および前記第2の細径ロッドと前記バネ要素とを連結する第2の連結具を有することを特徴とする請求項1に記載のフリーピストン型スターリングエンジン。
- 前記第1の細径ロッドおよび前記第2の細径ロッドを、前記軸受けに焼きばめまたは圧入により連結したことを特徴とする請求項1に記載のフリーピストン型スターリングエンジン。
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