JP4153643B2 - 層状掃気2サイクルエンジン及びディスクバルブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランク室圧縮式層状掃気2サイクルエンジン、特に掃気空気を用いて先行掃気を行なうようにした空気先導式層状掃気2サイクルエンジン及び2サイクルエンジンのディスクバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の2サイクルエンジンにおいては、ピストンが上死点へ移動するときにクランクケース内に形成されたクランク室が負圧になることを利用して、該クランク室に混合気を吸い込み、ピストンが下死点方向に移動するときに該クランク室で圧縮された混合気が掃気ポート開口時にクランク室から燃焼室内に導入され、燃焼ガスを押し出しながら燃焼室内に充填される。この掃気行程では、掃気ポートと排気ポートとの開いている区間が広範囲でオーバーラップしているため、燃焼ガスとともに約30%もの混合気が吹き抜けてしまい、このことが過大なTHC(全炭化水素)排出の主原因となり、燃料の浪費を招いている。
【0003】
かかる混合気の吹き抜けを減少させるために、空気先導式層状掃気方式が提供されている。かかる掃気方式においては、ピストンが上死点に向かう吸気行程時にクランク室に混合気が充填され、同時に空気が掃気ポートに連なる掃気通路を通してクランク室に吸い込まれて掃気通路に充填され、次いで、ピストンが上死点から下降する燃焼、排気行程中の掃気ポート開口時に、掃気通路内の空気が燃焼室内に混合気に先立って導入されて、燃焼排ガスを掃気し、その後に続いて混合気が燃焼室内に導入される。かかる掃気方式では、混合気の吹き抜けが、従来エンジンの3分の1程度まで大幅に低減される。
【0004】
かかる空気先導式層状掃気2サイクルエンジンについて、気化器の燃料制御弁と空気制御弁とが一体になった構造のものが、特開平10−252565号において開示されている。
【0005】
前記従来技術に係る空気先導式層状掃気エンジンにおいて、空気制御弁から導入された先導空気をシリンダ及びクランク室に供給する通路を空気制御弁の下流で掃気口と同数(2〜3個)に分岐し、ゴム等のチューブでシリンダの掃気口通路に連結し、それぞれの掃気通路に備えられたリードバルブを通って、シリンダ及びクランクケースに設けられた通路に通じるように構成されている。
【0006】
前記空気制御弁から導入された空気は、ピストンのシリンダ圧縮行程で一旦クランク室内に吸い込まれ、ピストンの下降行程の掃気時において、掃気ポートから燃焼室内に掃気空気を先導する。
【0007】
また、特開平7−139358号で提案されている従来技術は、掃気通路内に掃気ポートに近接する位置に開口する空気通路を設け、該空気通路に逆止弁を設け、さらに前記空気通路に制御弁を設け、該制御弁をエンジンのスロットル操作と連動している。かかるエンジンでは、ピストンが上昇するときにクランク室が負圧になり、混合気が混合気供給口からクランク室に吸引されると同時に、空気通路から逆止弁を開いて空気が吸引され、掃気通路の全部あるいは一部に空気が進入する。ついで燃焼、排気行程におけるピストン下降時に、掃気ポートが開くと、先ず空気が燃焼室内に噴出し、続いて混合気が供給される。
【0008】
かかる従来技術においては、混合気の排気ポートへの吹き抜けを少なくするように、掃気過程の初期に掃気ポートから空気を早めに燃焼室内に供給して掃気し、この掃気用空気よりも若干遅らせてクランク室内の混合気を掃気ポートから燃焼室内に送入する供給手段が講じられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
かかる空気先導式層状掃気2サイクルエンジンは、燃焼ガスとともに吹き抜ける混合気の量を減らし、過大なTHC(全炭化水素)の排出をなくし、燃料の浪費を抑制することが可能となる。
しかしながら、特開平10−252565号にて提案されている空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにあっては、先導空気通路の構造は、掃気口と同数のゴム等のチューブとリードバルブが設けられた構造となっている。このため、部品点数が多く、組立工数が多くなってコスト高となる。また、このような空気通路配管がシリンダの外部に設けられるために、エンジンの軸方向寸法が大きくなる。
【0010】
また、2サイクルエンジンにおいては、アイドリング運転を含む低負荷運転時には空気量を抑えて濃混合比として燃焼を安定させ、高負荷運転時においては比較的薄い混合比として燃料消費率の低減や排気ガス中の有害な排出物の低減をなすことが要求されるが、特開平7−139358号にて提案されている従来技術では、掃気作用時に空気供給通路から供給される空気の流量がエンジンの運転状態に適正に対応するように制御されていない。
【0011】
このため、アイドリング運転を含む低負荷運転時には空気量が増大気味となるので、空気量を制限して濃混合比として燃焼を安定させることが困難となり、また、高負荷運転時には排気ガス中の有害な排出物を低減するように、薄い混合比に維持して燃料消費率を下げるように運転をすることが困難となる。
【0012】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、層状掃気2サイクルエンジンの掃気通路の構造を簡単化して、エンジンを小型軽量化し、部品点数及び組立工数を減じて製造コストを低減することを第1の目的とする。
【0013】
【0014】
また、クランクウェブにより開閉されるディスクバルブを用いることにより、掃気用先導空気の吸入開始、終了のタイミングを最適化して、燃焼を改善し、排気ガス中の有害な排出物を低減することを第2の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、シリンダ側部に排気ポートと掃気ポートとが設けられ、ピストンの上昇時に開口してクランク室内に混合気を供給する吸気口と、前記掃気ポートに接続される掃気通路と、該掃気通路にエアクリーナからの掃気用空気を供給する空気供給口とを備えた空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおいて、前記空気供給口に接続される空気通路と前記吸気口に連通される混合気通路とが内部に並設されたインシュレータと、該インシュレータの空気通路の前記掃気通路への接続部側に設けられて、該掃気通路側に向かう空気の流れのみを許容する逆止弁とを備え、前記掃気通路は、前記クランクケースの両側部の壁内に設けられて、前記クランク室に開口する対をなす掃気通路開口部に接続されるクランクケース側の掃気通路に、前記シリンダの両側部の壁内に形成されて一端が前記掃気ポートに接続される左右の分岐通路を接続してなり、さらに、前記シリンダの両側部の壁内には前記逆止弁の出口側に設けられた空気供給通路と、前記左右の掃気分岐通路とを接続する左右の空気分岐通路とが形成され、前記クランクケースの前記掃気通路開口部の開口端面を、クランク軸心に直角な端面に形成し、クランク軸のクランクウェブの前記クランク軸心に直角な端面と前記開口端面との間に微小隙間を形成して、該クランクウェブの回転により、前記掃気通路開口部の面積が変化せしめられるディスクバルブを構成してなり、前記掃気通路開口部の形状が前記クランクウェブの回転に従い、該クランクウェブによって開口される面積が大きくなるようにクランクウェブの回転方向に沿って徐々に幅広となるように拡開して形成されてなることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジンを提案する。
さらに、請求項2記載の発明として、シリンダ側部に排気ポートと掃気ポートとが設けられ、ピストンの上昇時に開口してクランク室内に混合気を供給する吸気口と、前記掃気ポートに接続される掃気通路と、該掃気通路にエアクリーナからの掃気用空気を供給する空気供給口とを備えた空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおいて、前記空気供給口に接続される空気通路と前記吸気口に連通される混合気通路とが内部に並設されたインシュレータと、該インシュレータの空気通路の前記掃気通路への接続部側に設けられて、該掃気通路側に向かう空気の流れのみを許容する逆止弁とを備え、前記掃気通路は、前記クランクケースの両側部の壁内に設けられて、前記クランク室に開口する対をなす掃気通路開口部に接続されるクランクケース側の掃気通路に、前記シリンダの両側部の壁内に形成されて一端が前記掃気ポートに接続される左右の分岐通路を接続してなり、さらに、前記シリンダの両側部の壁内には前記逆止弁の出口側に設けられた空気供給通路と、前記左右の掃気分岐通路とを接続する左右の空気分岐通路とが形成され、前記クランクケースの前記掃気通路開口部の開口端面を、クランク軸心に直角な端面に形成し、クランク軸のクランクウェブの前記クランク軸心に直角な端面と前記開口端面との間に微小隙間を形成して、該クランクウェブの回転により、前記掃気通路開口部の面積が変化せしめられるディスクバルブを構成してなり、前記掃気通路開口部を前記クランクウェブの回転方向に沿ってほぼ同一幅を有する円弧状に開口され、さらに、該開口から反回転方向に延びて前記開口端面を凹設した切り欠き部を有して全体として大きな開口面積を有してなることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジンを提案する。
【0016】
請求項1、2にかかる発明によれば、掃気通路をクランクケースの側部壁内及びシリンダの側部壁内に対をなして形成しているので、長さの長い掃気通路となり、かかる長い掃気通路に充満した空気によって先導掃気作用が行なわれるので、空気による掃気作用が充分になされた後に混合気が供給されることとなり、混合気の吹き抜けが抑制される。
【0017】
また、クランクケース内及びシリンダ内に全ての掃気通路及び空気通路を形成するので、空気通路形成用の外部配管及びその付属部品が不要となり、部品点数が低減されるとともに、組立工数が低減される。
【0018】
請求項6記載の発明は請求項1または2において、前記シリンダ両側部に形成された前記掃気分岐通路及び空気分岐通路を、同一方向の略平行な通路壁で囲んで形成してなる。
【0019】
かかる発明によれば、前記掃気及び空気の分岐通路の通路壁をシリンダと一体に、かつ略平行に形成したので、シリンダ用金型のスライド型を一体とすることができ、これによって金型構造が簡単化され、金型の製造コストを低減できる。
【0020】
請求項1、2記載の発明は、前記クランクケースの前記掃気通路開口部の開口端面を、クランク軸心に直角な端面に形成し、クランク軸のクランクウェブの前記クランク軸心に直角な端面と前記開口端面との間に微小隙間を形成して、該クランクウェブの回転により、前記掃気通路開口部の面積が変化せしめられるディスクバルブを構成してなる。
【0021】
かかる構成によれば、クランク室内に開口し、クランクケースの側面とクランクのウェブとの隙間を小さくして、クランク室内に開口するクランクケースの掃気通路開口部とクランクウェブとでディスクバルブを形成しているので、掃気ポートからの掃気吹出し速度を抑制し、排気ガスに巻き込まれる混合気量をさらに減少させることができる。
【0022】
また、前記ディスクバルブの掃気通路開口部の開閉動作により、掃気ポート開後に掃気通路開口部を開として掃気始めタイミングを遅らせ、掃気ポート閉前に掃気通路開口部を閉として掃気終りタイミングを早めることができるので、掃気ポートの形状、大きさを最適値に保持しつつ掃気タイミングを最適化できる。
【0023】
そして、請求項1記載の発明は、前記掃気通路開口部は、前記クランクウェブの回転に従い、該クランクウェブによって開口される面積が大きくなるように回転方向に拡開して形成されてなる。
【0024】
かかる発明によれば、クランクウェブの回転に従い掃気通路開口部の開口面積が徐々に拡大するようになり、これによって該開口部から掃気通路を経て掃気ポートから燃焼室内に流出される掃気速度を抑制することにより、排気ガスに巻き込まれる混合気量が減少し、混合気の吹き抜けを抑制できる。
【0025】
請求項2記載の発明は、前記掃気通路開口部は、前記クランクウェブの回転方向にほぼ同一幅を有する円弧状に開口されてなり、さらに、該開口から反回転方向に延びて前記開口端面を凹設した切り欠き部を有して全体として大きな開口面積を有してなる。
【0026】
かかる発明によれば、ディスクバルブのクランク室内に占める体積割合が増加し、圧縮率が向上する。
【0027】
請求項3記載の発明は、請求項1、2において、前記ディスクバルブは、前記掃気通路開口部の開閉時期により前記掃気用空気(先導空気)のシリンダへの吸入開始及び終了タイミングを制御可能に構成されてなる。
【0028】
かかる発明によれば、従来技術のようなクランク室の負圧により先導空気を吸入するものでは先導空気の量と吸入タイミングは制御困難であったが、かかる発明によれば、ディスクバルブにて先導空気のシリンダへの吸入開始及び終了タイミングを制御することにより、先導空気の量と吸入タイミングの制御が可能となり、排ガス中の未燃炭化水素を低減できるとともに、燃料消費率を低減できる。
【0029】
請求項4、5記載の発明は、前記空気先導式層状掃気2サイクルエンジンに加えて、ピストンバルブ式2サイクルエンジンにも適用されるディスクバルブ装置の発明に係り、請求項4記載の発明は、シリンダ側部に排気ポートと掃気ポートとが設けられ、ピストンの上昇時に開口してクランク室内に混合気を供給する吸気口と、前記掃気ポートに接続される掃気通路とを備え、前記掃気通路が、前記クランクケースの両側部の壁内に設けられて前記クランク室に開口する対をなす掃気通路開口部に接続されるクランクケース側の掃気通路に、前記シリンダの両側部の壁内に形成されて一端が前記掃気ポートに接続される左右の分岐通路を接続して形成された2サイクルエンジンにおいて、前記クランクケースの前記掃気通路開口部の開口端面をクランク軸心に直角な端面に形成し、クランク軸のクランクウェブの前記クランク軸心に直角な端面と前記開口端面との間に微小隙間を形成して、該クランクウェブの回転により、前記掃気通路開口部の面積が変化せしめられるディスクバルブを構成し、該ディスクバルブは、前記掃気通路開口部の開閉時期により前記掃気のシリンダへの吸入開始及び終了タイミングを制御可能に構成され、前記掃気通路開口部の形状が前記クランクウェブの回転に従い、該クランクウェブによって開口される面積が大きくなるようにクランクウェブの回転方向に沿って徐々に幅広となるように拡開して形成されてなることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジンのディスクバルブ装置にある。
また、請求項5記載の発明は、シリンダ側部に排気ポートと掃気ポートとが設けられ、ピストンの上昇時に開口してクランク室内に混合気を供給する吸気口と、前記掃気ポートに接続される掃気通路とを備え、前記掃気通路が、前記クランクケースの両側部の壁内に設けられて前記クランク室に開口する対をなす掃気通路開口部に接続されるクランクケース側の掃気通路に、前記シリンダの両側部の壁内に形成されて一端が前記掃気ポートに接続される左右の分岐通路を接続して形成された2サイクルエンジンにおいて、前記クランクケースの前記掃気通路開口部の開口端面をクランク軸心に直角な端面に形成し、クランク軸のクランクウェブの前記クランク軸心に直角な端面と前記開口端面との間に微小隙間を形成して、該クランクウェブの回転により、前記掃気通路開口部の面積が変化せしめられるディスクバルブを構成し、該ディスクバルブは、前記掃気通路開口部の開閉時期により前記掃気のシリンダへの吸入開始及び終了タイミングを制御可能に構成され、前記掃気通路開口部を前記クランクウェブの回転方向にほぼ同一幅を有する円弧状に開口され、さらに、該開口から反回転方向に延びて前記開口端面を凹設した欠き部を有して全体として大きな開口面積を有してなることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジンのディスクバルブ装置にある。
【0030】
請求項4、5にかかる発明においても、請求項1、2記載の発明と同様に、排ガス中の未燃炭化水素の低減及び燃料消費率の低減を実現できる。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0038】
図1は本発明の実施形態に係る空気先導式層状掃気2サイクルエンジンのシリンダ中心軸を含むクランク軸心に直角な断面図、図2はシリンダ及びクランクケースに設けられる掃気通路及び空気通路の構造を示す斜視構成図、図3は図2に対応する作用説明図、図4はディスクバルブの第1実施例におけるクランクウェブと掃気通路との関係を示す説明図、図5は図1のA−A線断面図である。図6はディスクバルブの第2実施例を示す図4対応図、図7は図5対応図(図1のA−A線断面図)である。
【0039】
図1〜図5において、2はシリンダ、4はピストン、6はクランク軸、6aは該クランク軸6を構成するクランクウェブ、5はクランクケース、3はピストン4とクランク軸6とを連結するコネクティングロッド、7はシリンダヘッド、8は点火プラグ、11はエアクリーナ、12は気化器である。また、25は燃焼室、5aはクランクケース5の内部に形成されたクランク室、15b、15は前記気化器12とクランク室5aとを接続する混合気通路である。13aはシリンダ2の側部に開口した排気ポートで、排気管13に接続される。
【0040】
9aはシリンダ2の排気ポート13aの左右に排気ポート13aとほぼ直角方向の部位に2個対向するように設けられた掃気ポートである。対をなす該掃気ポート9aの夫々には、図2に示すように、シリンダ2に斜め方向に設けられた対をなす掃気分岐通路109e、各掃気通路の合流場所である対をなす掃気通路109f、クランクケース5の両側面の壁内に弧状に形成された対をなす掃気通路109d及び対をなす掃気通路開口部109b、109bを介して前記クランク室5aと連通されている。
【0041】
前記掃気通路開口部109b、109bは、クランク軸6のクランクウェブ6aによって開閉可能になるように、図5に示すようにクランク軸心60方向においては、該開口部109b、109bの端面109gとクランクウェブ6aの端面6dとが微小隙間を存して近接し、該クランクウェブ6aの端面6dにより該開口部109b、109bを開閉制御するディスクバルブを構成している。また、該掃気通路開口部109b、109bは、クランク軸心60に直角方向においては、図4に示すように、クランク軸6の回転方向Nに対して、クランクウェブ6aによって徐々に開口面積が増大して開口するように、クランクウェブ6aによって最初に開かれる側の幅が小さく、徐々に幅広となる下方に先細の形状に形成されている。
【0042】
図6〜7は前記ディスクバルブの第2実施例を示している。この実施例においては、前記掃気通路開口部109bは、前記クランク室5aと同心でクランクウェブ6aの回転方向にほぼ同一幅を有する円弧状に開口されて構成されている。
そして、該開口部109bは、図7に示すように、掃気通路109dへの連通部から反回転方向に延びる切欠部109cを有し、全体として大きな開口面積を有する開口部を形成している。
【0043】
10はシリンダ2の側部の内部に設けられた空気供給室で、上流側が後述するインシュレータ30内の空気通路10bに接続され、下流側が対をなす空気分岐通路10aに接続されている。該空気分岐通路10aは、図2に示すように、対をなす掃気通路109fと対をなす掃気分岐通路109eに連通している。
また、該空気供給室10には、左右の空気分岐通路10a、10aへの開口部に、空気分岐通路10a、10a側に向かう流れのみを許容する逆止弁16が設けられている。
【0044】
また、図2〜図3に示すように、前記対をなす空気分岐通路10a、10aと掃気分岐通路109eとは、シリンダ2の側部から該シリンダ2と一体に突設された通路壁109h、109i内にシリンダ中心軸50に略対称に形成されている。そして、該双方の通路壁109h、109iは互いに平行に形成されて、一体の金型をシリンダ2側から側方に抜き出し可能としている。
【0045】
30はエンジン本体側と吸気系とを熱的に遮断するためのインシュレータであり、該インシュレータ30はシリンダ2の側面にボルト締めされている。該インシュレータ30内部の上側には前記空気通路10b、下側には混合気通路15bが形成されている。
該混合気通路15bの上流側は、気化器12内の混合気流量制御用の絞り弁14に連通され、下流側は吸気口15aを介してクランク室5aと連通されている。
110はエアクリーナ11とインシュレータ30を接続する気化器12と一体の空気通路管で、該空気通路管110には空気通路面積を変化させる空気制御弁20が設けられており、該空気制御弁20は気化器12の絞り弁14と連動するようになっている。
【0046】
かかる構成からなる空気先導式層状掃気2サイクルエンジンの運転時において、図3に示すように、燃焼室25内の燃焼圧力によりピストン4が下降し、排気ポート13aが開くと、該燃焼室25内の燃焼ガス(排気ガス)は排気ポート13aを通って排気管13へ排出され、マフラ(図示省略)を通って外気中へ放出される。
ピストン4がさらに下降すると、左右の掃気ポート9a、9aが開口し、図3の矢印に示すように、掃気分岐通路109eに溜められていた空気が、燃焼室25内に流入して燃焼ガスを排気ポート13a側へ押し出す。
【0047】
次いで、クランク室5a内に溜められていた混合気がそれぞれ対をなす掃気通路開口部109b及び109b、掃気通路109d及び109d、掃気分岐通路109e及び109eを経て、掃気ポート9a、9aから燃焼室25内に流入する。
ピストン4が下降して、図3のように、下死点にある状態では、排気ポート13a、2つの掃気ポート9a、9aは開口していて、燃焼室25内への空気及び混合気の供給は終了、あるいは終了しようとしている。そして、ピストン4が下死点から上昇すると、該ピストン4によって掃気ポート9a、9aが閉じてクランク室5a内が密閉空間となり、膨張即ち圧力の低下が始まる。
【0048】
ピストン4がさらに上昇すると、排気ポート13aが閉じられ、燃焼室25内の混合ガスの圧縮が始まる一方、ピストン4の上昇によるクランク室5aの容積増大により該クランク室5a内の圧力はさらに低下する。図2に示すように、ピストン4がさらに上昇するとシリンダ2側面に形成された吸気口15aが開口し、気化器12で生成され絞り弁14で流量制御された混合気が図2の矢印で示すように、混合気通路15b及び15から吸気口15aを経てクランク室5a内に供給される。
【0049】
前記クランク室5a内の圧力の低下は、掃気通路開口部109b、109b、掃気通路109d、109d、及び掃気分岐通路109e、109eを経て左右の空気分岐通路10a、10aにも伝わるので、逆止弁16が開弁し、後述する作用によって逆止弁16を経て空気供給室10内に供給された空気がクランク室5a内に流入する。
【0050】
ここで、前記掃気ポート9a、9aからクランク室5aに至る夫々対をなす掃気分岐通路109e、109e、掃気通路109f、109f、及び掃気通路109d、109dは、図2に示すように、長さの長い掃気通路を構成しているため、該掃気通路に供給された空気はこのような長い掃気通路に充填される。
【0051】
ピストン4が圧縮上死点近傍に達すると、点火プラグ8によって燃焼室25内に火花放電され、圧縮された混合気に着火、燃焼が行なわれる。この燃焼により、発生する圧力でピストン4が押し下げられ、クランク軸6に回転トルクが生じる。
【0052】
ピストン4が下降して排気ポート13aが開口すると、燃焼室25内の燃焼ガスは排気ポート13aから排気管13に流れ、次いでマフラ(図示省略)を経て外部に排出される。
一方、ピストン4の下降により、クランク室5a内の気体はピストン4の裏側で圧縮される。そして、ピストン4がさらに下降して側部の掃気ポート9a、9aが開口すると、前記のようにしてクランク室5a内に供給されていた混合気がそれぞれ対をなす掃気通路開口部109b、109b、掃気通路109d、109d、掃気通路109f、109f、及び掃気分岐通路109e、109eを経て、掃気ポート9a、9aから燃焼室25内に吹き込まれ、該燃焼室25内の燃焼ガス(排気ガス)を排気ポート13aから押し出す掃気作用がなされる。
【0053】
かかる掃気作用時において、前記のような逆止弁16の開弁により、掃気通路109d、109d、掃気通路109f、109f、掃気分岐通路109e、109eの内部には、当初は空気が充満しているため、掃気作用の始まりから一定期間内においては、掃気ポート9a、9aから燃焼室25内へは空気によって掃気作用がなされ、その後にクランク室5a内の混合気が、掃気通路109d、109f、掃気分岐通路109eを経て、掃気ポート9a、9aから燃焼室25内に吹き込まれる。
上記のような工程が繰り返し行なわれてエンジンが運転され、動力を発生する。
【0054】
かかる空気先導式層状掃気2サイクルエンジンには、図1〜図3に示すように、クランクケース5に設けた掃気通路109d、109dはクランクケース5の両側側面にシリンダ中心軸50に関して対称に設けられ、また掃気通路開口部109b、109bもシリンダ中心軸50に関して対称にクランク室5aに開口している。
【0055】
そして、図5に示すように、前記開口部109bの端面109gとクランクウェブ6aの端面6dとの隙間を小さくしてクランクケース5側の掃気通路開口部109b、109bとクランクウェブ6a、6aとでディスクバルブを形成している。図4はクランク室5a内のクランクウェブ6aの回動位置により掃気通路開口部6bが徐々に開かれる状態を示している。該掃気通路開口部109b、109bの位置をクランク軸6の回転方向Nに沿って変化させることにより、また掃気ポート9a、9aからの掃気吹き出しのタイミングを変えることにより、さらには、図4に示すように、掃気通路開口部109b、109bの形状をクランクウェブ6a、6aが回転移動するときに徐々に開口面積が拡大するように、先細形状として、からの掃気速度を抑制することにより、排気ガスに巻き込まれる混合気量を、さらに減少させることが可能となる。
【0056】
また、前記ディスクバルブを、掃気ポート9a、9aの開後に前記掃気通路開口部109b、109bを開として掃気始めタイミングを遅らせ、掃気ポート9a、9aの閉前に掃気通路開口部109b、109bを閉として掃気終りタイミングを早めるように構成することにより、掃気ポート9a、9aの形状、大きさを最適値に保持しつつ掃気タイミングを最適化できる。
【0057】
さらに、前記ディスクバルブは、前記掃気通路開口部109b、109bの開閉時期により前記先導空気(掃気用空気)のシリンダ2への吸入開始及び終了タイミングを制御可能となる。
即ち、前記クランクウェブ6a、6aが掃気通路開口部109b、109bを開く時期により前記先導空気の吸入始めタイミングを制御し、閉じる時期により前記掃気用空気の吸入終了タイミングを制御することが可能となる。
【0058】
然るに、従来技術のようなクランク室の負圧により先導空気を吸入するものでは、先導空気の量と吸入タイミングは制御困難であったが、かかる実施例によれば、ディスクバルブにて先導空気のシリンダ2への吸入開始及び終了タイミングを制御することができるので、先導空気の量と吸入タイミングの制御が可能となり、排ガス中の未燃炭化水素を低減できるとともに、燃料消費率を低減できる。
【0059】
前記ディスクバルブを、図4〜5に示される第1実施例のように構成すれば、クランクウェブクランクウェブ6a、6aの回転に従い掃気通路開口部109b、109bの開口面積が徐々に拡大するようになり、これによって該開口部109b、109bから掃気通路109d、109dを経て掃気ポート9a、9aから燃焼室25内に流出される掃気速度を抑制することにより、排気ガスに巻き込まれて吹き抜ける混合気量が減少する。
【0060】
また、ディスクバルブを、図6〜7に示される第2実施例のように構成すれば、該ディスクバルブは全体として大きな開口面積を有する開口部を形成しているので、ディスクバルブのクランク室5a内に占める体積割合が増加し、圧縮率が向上する。
【0061】
また、かかる実施例による空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおいては、シリンダ2に設けられた空気分岐通路10aとシリンダ2の掃気ポート9aへの掃気分岐通路109eとを、図2に示すように、同一方向の平行な通路壁109h及び109iで囲った構造となっているので、シリンダ用金型のスライド型を一体にすることができ、これによって金型構造が簡素化されて、製造コストを低減することができる。
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、クランクケース内及びシリンダ内に全ての掃気通路及び空気通路を形成するので、空気通路形成用の外部配管及びその付属部品が不要となり、部品点数を低減するとともに組立工数を低減することができ、また、エンジンを軽量、小型化することができる。
【0081】
また、掃気通路をクランクケースの側部壁内及びシリンダの側部壁内に対をなして形成しているので、長さの長い掃気通路となり、かかる長い掃気通路に充満した空気によって先導掃気作用が行われるので、空気による掃気作用が十分になされた後に混合気が供給されることとなり、混合気の吹き抜けが抑制され、燃料の浪費を低減できる。
【0082】
また、本発明によれば、クランクケースの両側側面に設けた掃気通路の開口部は、クランク室内に開口し、クランクケースの側面とクランクのウェブとの隙間を小さくしてクランクケースの開口部とクランクウェブとでディスクバルブを形成しているので、掃気ポートからの掃気吹出し速度を抑制し、排気ガスに巻き込まれる混合気量をさらに減少させる効果がある。
【0083】
また、前記ディスクバルブの掃気通路開口部の開閉動作により、掃気ポート開後に掃気通路開口部を開として掃気始めタイミングを遅らせ、掃気ポート閉前に掃気通路開口部を閉として掃気終りタイミングを早めることができるので、掃気ポートの形状、大きさを最適値に保持しつつ掃気タイミングを最適化できる。
【0084】
また、請求項3のように構成すれば、前記ディスクバルブで先導空気のシリンダへの吸入開始及び終了タイミングを制御することにより、先導空気の量と吸入タイミングの制御が可能となり、排ガス中の未燃炭化水素を低減できるとともに、燃料消費率を低減できる。
【0085】
さらに請求項6の発明によれば、シリンダに設けてある空気分岐通路と掃気ポートへの分岐通路を同じ方向の略平行な通路壁で囲った構造としているので、シリンダのダイキャスト金型のこの掃気通路部分のスライド型を一体にすることができ、金型構造を簡素化し、製造コストを低減できる。
【0086】
【0087】
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る層状掃気2サイクルエンジンのシリンダ中心軸を含むクランク軸心に直角な断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態における掃気通路及び空気通路の配置を示す斜視図である。
【図3】 本発明の第1実施形態における作用説明用の図2対応図である。
【図4】 本発明の第1実施形態におけるディスクバルブの第1実施例におけるクランクウェブと掃気通路との関係を示す説明図である。
【図5】 図1のA−A線断面図である。
【図6】 ディスクバルブの第2実施例を示す図4対応図である。
【図7】 前記第2実施例における図5対応図(図1のA−A線断面図)である。
【符号の説明】
2 シリンダ
3 コネクティングロッド
4 ピストン
5 クランクケース
5a クランク室
6 クランク軸
6a クランクウェブ
6d クランクウェブ端面
7 シリンダヘッド
8 点火プラグ
9a 掃気ポート
10 空気供給室
10a 空気分岐通路
10e 気体通路
11 エアクリーナ
12 気化器
13 排気管
13a 排気ポート
14 絞り弁
15、15b 混合気通路
15a 吸気口
16 逆止弁
20 空気制御弁
25 燃焼室
30 インシュレータ
50 シリンダ中心軸
60 クランク軸心
109b 掃気通路開口部
109c 切欠部
109d、109f 掃気通路
109e 掃気分岐通路
109g 開口部端面
109h、109i 通路壁
110 空気通路管
Claims (6)
- シリンダ側部に排気ポートと掃気ポートとが設けられ、ピストンの上昇時に開口してクランク室内に混合気を供給する吸気口と、前記掃気ポートに接続される掃気通路と、該掃気通路にエアクリーナからの掃気用空気を供給する空気供給口とを備えた空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおいて、
前記空気供給口に接続される空気通路と前記吸気口に連通される混合気通路とが内部に並設されたインシュレータと、該インシュレータの空気通路の前記掃気通路への接続部側に設けられて、該掃気通路側に向かう空気の流れのみを許容する逆止弁とを備え、前記掃気通路は、前記クランクケースの両側部の壁内に設けられて、前記クランク室に開口する対をなす掃気通路開口部に接続されるクランクケース側の掃気通路に、前記シリンダの両側部の壁内に形成されて一端が前記掃気ポートに接続される左右の分岐通路を接続してなり、さらに、前記シリンダの両側部の壁内には前記逆止弁の出口側に設けられた空気供給通路と、前記左右の掃気分岐通路とを接続する左右の空気分岐通路とが形成され、前記クランクケースの前記掃気通路開口部の開口端面を、クランク軸心に直角な端面に形成し、クランク軸のクランクウェブの前記クランク軸心に直角な端面と前記開口端面との間に微小隙間を形成して、該クランクウェブの回転により、前記掃気通路開口部の面積が変化せしめられるディスクバルブを構成してなり、前記掃気通路開口部の形状が前記クランクウェブの回転に従い、該クランクウェブによって開口される面積が大きくなるようにクランクウェブの回転方向に沿って徐々に幅広となるように拡開して形成されてなることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジン。 - シリンダ側部に排気ポートと掃気ポートとが設けられ、ピストンの上昇時に開口してクランク室内に混合気を供給する吸気口と、前記掃気ポートに接続される掃気通路と、該掃気通路にエアクリーナからの掃気用空気を供給する空気供給口とを備えた空気先導式層状掃気2サイクルエンジンにおいて、
前記空気供給口に接続される空気通路と前記吸気口に連通される混合気通路とが内部に並設されたインシュレータと、該インシュレータの空気通路の前記掃気通路への接続部側に設けられて、該掃気通路側に向かう空気の流れのみを許容する逆止弁とを備え、前記掃気通路は、前記クランクケースの両側部の壁内に設けられて、前記クランク室に開口する対をなす掃気通路開口部に接続されるクランクケース側の掃気通路に、前記シリンダの両側部の壁内に形成されて一端が前記掃気ポートに接続される左右の分岐通路を接続してなり、さらに、前記シリンダの両側部の壁内には前記逆止弁の出口側に設けられた空気供給通路と、前記左右の掃気分岐通路とを接続する左右の空気分岐通路とが形成され、前記クランクケースの前記掃気通路開口部の開口端面を、クランク軸心に直角な端面に形成し、クランク軸のクランクウェブの前記クランク軸心に直角な端面と前記開口端面との間に微小隙間を形成して、該クランクウェブの回転により、前記掃気通路開口部の面積が変化せしめられるディスクバルブを構成してなり、前記掃気通路開口部を前記クランクウェブの回転方向に沿ってほぼ同一幅を有する円弧状に開口され、さらに、該開口から反回転方向に延びて前記開口端面を凹設した切り欠き部を有して全体として大きな開口面積を有してなることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジン。 - 前記ディスクバルブは、前記掃気通路開口部の開閉時期により前記掃気用空気(先導空気)のシリンダへの吸入開始及び終了タイミングを制御可能に構成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の層状掃気2サイクルエンジン。
- シリンダ側部に排気ポートと掃気ポートとが設けられ、ピストンの上昇時に開口してクランク室内に混合気を供給する吸気口と、前記掃気ポートに接続される掃気通路とを備え、前記掃気通路が、前記クランクケースの両側部の壁内に設けられて前記クランク室に開口する対をなす掃気通路開口部に接続されるクランクケース側の掃気通路に、前記シリンダの両側部の壁内に形成されて一端が前記掃気ポートに接続される左右の分岐通路を接続して形成された2サイクルエンジンにおいて、
前記クランクケースの前記掃気通路開口部の開口端面をクランク軸心に直角な端面に形成し、クランク軸のクランクウェブの前記クランク軸心に直角な端面と前記開口端面との間に微小隙間を形成して、該クランクウェブの回転により、前記掃気通路開口部の面積が変化せしめられるディスクバルブを構成し、該ディスクバルブは、前記掃気通路開口部の開閉時期により前記掃気のシリンダへの吸入開始及び終了タイミングを制御可能に構成され、前記掃気通路開口部の形状が前記クランクウェブの回転に従い、該クランクウェブによって開口される面積が大きくなるようにクランクウェブの回転方向に沿って徐々に幅広となるように拡開して形成されてなることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジンのディスクバルブ装置。 - シリンダ側部に排気ポートと掃気ポートとが設けられ、ピストンの上昇時に開口してクランク室内に混合気を供給する吸気口と、前記掃気ポートに接続される掃気通路とを備え、前記掃気通路が、前記クランクケースの両側部の壁内に設けられて前記クランク室に開口する対をなす掃気通路開口部に接続されるクランクケース側の掃気通路に、前記シリンダの両側部の壁内に形成されて一端が前記掃気ポートに接続される左右の分岐通路を接続して形成された2サイクルエンジンにおいて、
前記クランクケースの前記掃気通路開口部の開口端面をクランク軸心に直角な端面に形成し、クランク軸のクランクウェブの前記クランク軸心に直角な端面と前記開口端面との間に微小隙間を形成して、該クランクウェブの回転により、前記掃気通路開口部の面積が変化せしめられるディスクバルブを構成し、該ディスクバルブは、前記掃気通路開口部の開閉時期により前記掃気のシリンダへの吸入開始及び終了タイミングを制御可能に構成され、前記掃気通路開口部を前記クランクウェブの回転方向にほぼ同一幅を有する円弧状に開口され、さらに、該開口から反回転方向に延びて前記開口端面を凹設した欠き部を有して全体として大きな開口面積を有してなることを特徴とする層状掃気2サイクルエンジンのディスクバルブ装置。 - 前記シリンダ両側部に形成された前記掃気分岐通路及び空気分岐通路を、同一方向の略平行な通路壁で囲んで形成してなる請求項1または2記載の層状掃気2サイクルエンジン。
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