JP4041979B2 - 墜落判定システム - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
この発明は高所で作業する作業者の墜落を検知し、その検知信号により作業者を保護するエアバック等の保護器具を動作させて作業者の安全を確保することに用いられる墜落判定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の墜落判定システムは、取り付けられた加速度が所定値以下に低下したことを検知し、この状態が所定時間継続したか否かで墜落を判定していた。しかしこの墜落判定システムでは、人が跳躍した時の宙に浮いている間は墜落時と同様に検出される加速度が見かけ上0Gまで低下するため、この状態を墜落と判定してしまう可能性があった。
【0003】
これを解決するための墜落検知方法が開示されている。(例えば、特許文献1参照)この墜落検知方法は、加速度及び加速度を二重積分して得られる位置情報とを用いて人体の墜落を判定するものである。この例によれば人体が墜落した場合、加速度検出手段にて人体にかかる加速度を検出し、この加速度が所定値以下に低下したことを加速度判定手段にて検知し、同時に加速度を二重積分して得られる位置情報が跳躍開始の初期位置から下向きに移動している時に墜落と判定している。このため、単に跳躍して人体が跳躍開始の初期位置に戻る動作に対しては、加速度を二重積分して得られる位置情報は0以上となり、初期位置から下向きに移動したと判定されないため、墜落と判定されることはない。
【0004】
【特許文献1】
特開2000‐298136号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の墜落検知方法は、加速度が所定値以下に低下し、加速度を二重積分して得られる位置情報が初期位置より下側に移動している状態が一定時間継続した時に墜落と判定している。しかしながらこの墜落検知方法では、加速度を二重積分することにより位置を検出していることから、位置検出のための高精度な処理が必要となり、高速で高精度な演算が可能なマイコンを使用しなければならずコスト高になるという問題があった。更にこのようなマイコンは消費電力が大きく、そのため携帯用の小型の電池では頻繁に電池を交換しなければならず、また長時間動作させるためには大型で重い電池を使用しなければならなかった。本願発明の適用分野である高所作業者のエアバック保護具などに適用する場合には、軽量で小型であることが必須項目であり従来のものは実用性に欠けていた。
【0006】
そこでより簡易な処理により、低消費電力且つ低コストで人体の跳躍及び墜落を検出できるシステムが必要とされていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の墜落判定システムは、加速度センサで検出された互いに直交する三軸方向の加速度を合成して加速度の大きさを算出する加速度合成装置と、加速度合成装置から得られる加速度の大きさが第1の所定値以上に上昇した時にこれを跳躍の踏切動作と判定し、この踏み切り動作の継続時間を用いて踏切終了から踏切時の高さに戻る予測跳躍時間を計算し、この間は跳躍中と判定する跳躍判定装置と、跳躍判定装置からの跳躍中の判定が無く、且つ加速度合成装置から得られる加速度の大きさが第2の所定値以下に低下した時に落下状態と判定し、この落下状態が所定時間以上継続した時に墜落と判定する墜落判定装置とを備えたことにより人体の跳躍及び墜落を区別して判定できることを特徴としている。合成された加速度の大きさと継続時間により、墜落、跳躍を判定しているため、二重積分のような複雑なシステム処理を行なう必要がなく、簡易なシステムにて墜落、跳躍検出を行なうことができる。
【0008】
また予測跳躍時間を踏切動作の継続時間の二倍とすることで、作業者の跳躍時における予想跳躍時間を簡易的な計算によって確実に求めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
発明の詳細について説明する前に図1から図3を用いて人体の重心と考えられる腰の位置に加速度センサを取り付けたものを例として、人体の墜落、跳躍時の検出される加速度の変化について説明する。図1は初期位置から墜落した場合の加速度の変化を示している。通常、人体には重力加速度1Gが加わっており加速度センサでは1Gが検出されるが、人体が落下すると検出される加速度は低下し、最終的には見かけ上加速度は0Gとなる。
【0010】
次に図2は人体が跳躍した場合における加速度の変化を示している。人体が跳躍する時の一連の動作は、力を入れるために膝が曲がり体が沈む、そして伸び上がり踏切し、宙に浮き、着地する。この跳躍の一連の動作を検出される加速度の変化に当てはめると、体が沈む時に加速度が低下し、次に踏切時に増加し1Gを大きく超える加速度が検出される。宙に浮いている跳躍中は加速度は見かけ上0Gとなり、着地の衝撃により加速度が増加し、この衝撃を吸収するために体が沈む時に加速度が低下している。
【0011】
次に図3は人体が跳躍から墜落に至る場合における加速度の変化を示している。前述した図2の場合と同様に跳躍の踏切時に1Gを大きく超える加速度が検出される。跳躍から墜落に至る時に検出される加速度は0Gとなる。
【0012】
上述したように、跳躍は踏切時に1Gを大きく超える加速度が検出される。しかし、宙に浮いている時の加速度は見かけ上0Gとなり、墜落と同じ加速度低下状態となり、この加速度低下状態の継続時間によっては墜落と判定される可能性がある。そのため本発明においては、合成された加速度が所定値以下に低下した状態が一定時間以上継続した場合に墜落と判定する一方、跳躍の踏切時に特徴的な1Gを大きく超える加速度を検出した時には、その後の一定時間を跳躍中と判定することにより、跳躍中の人体の加速度低下状態を墜落と判定することを回避している。
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図4は本実施例の墜落判定システムの全体構成を示すブロック図である。
【0014】
この墜落判定システムは、ベルト等によって人体に取り付けられるものであり、互いに直交する向きの加速度を検出できるように構成され人体にかかる三軸の加速度を検出し出力している加速度センサ101と、加速度センサ101から出力された三軸の加速度を合成して加速度の大きさを求める加速度合成装置102と、人体の跳躍を判定する跳躍判定装置103と、人体の墜落を判定する墜落判定装置104から構成されている。
【0015】
加速度センサ101にて検出し出力された三軸の加速度を加速度合成装置102にて合成し加速度の大きさを求めることで、体を横にした等のどのような姿勢であっても静止状態であれば1Gの加速度が出力される。このため墜落判定装置104は静止状態を墜落と判定することはない。
【0016】
跳躍判定装置103は加速度合成装置102にて合成された加速度の大きさに基づいて人体の跳躍を判定している。第1の所定値以上の加速度が検出された場合、これを跳躍の踏切動作と判定し、この踏切動作の継続時間を用いて、踏切終了後から踏切時の高さに戻る予測跳躍時間を計算し、この間は跳躍中と判定して墜落判定装置104へ跳躍中であることを示す信号を出力する。
【0017】
墜落判定装置104は加速度合成装置102にて合成された加速度の大きさに基づいて人体の墜落を判定している。跳躍判定装置103から跳躍中の判定が無く、第2の所定値以下の加速度が検出された状態が一定時間継続した時に人体の墜落と判定する。しかし跳躍判定装置103から跳躍中の判定が有る場合は、第2の所定値以下の加速度が検出され、一定時間継続しても墜落判定装置104は人体の墜落と判定することはない。これは加速度低下状態が踏切後の跳躍によるものと見なすことができるからである。跳躍判定装置103からの跳躍中の判定の有無により、加速度低下の現象が跳躍によるものなのか、墜落によるものなのかを判別することができる。
【0018】
まず単純な墜落における墜落判定の具体的な動作を図5の加速度波形を用いて説明する。図5は墜落時において検出される加速度の変化と墜落判定及び跳躍判定のタイムチャート図である。人体が落下すると検出される加速度は減少し、最終的には加速度が見かけ上0Gとなる。この時、第1の所定値、1.5G以上の加速度が検出されないため跳躍判定装置103は跳躍の踏切と判定せず跳躍中と判定されないことから、この加速度低下状態は落下によって発生していると見なされる。この例においては加速度が低下し、第2所定値、例えば0.7G以下の加速度が検出された時点5Aで、墜落判定装置104は落下と判定し、さらに跳躍中の判定も無いので、落下状態と判定される。この落下状態が一定時間、例えば0.4秒以上経過した時点で墜落と判定している。墜落判定装置104の墜落判定加速度を0.7Gに設定しているのは、本来落下中に検出される加速度は0Gなのでもっと低い判定閾値としても良いが、墜落時の人体の動作による加速度センサの揺れや判定のタイミングの遅れを考慮して、若干高い値、本実施例では0.7Gに設定することで適正なタイミングで判定ができるようにしている。
【0019】
第2の所定値以下の加速度が検出され、墜落と判定される所定の判定時間は0.4秒であり、この間に初速0の自由落下では約0.8メートル程度の墜落量となる。このため、数十cmのわずかな段差を飛び降りた場合には、落下と判定されても、墜落判定条件である落下状態の継続時間が設定された時間に達することがないので墜落であるとは判定されない。
【0020】
次に跳躍時における具体的な動作を図6の加速度波形を用いて説明する。図6は跳躍時において検出される加速度変化と墜落判定及び跳躍判定についてのタイムチャート図である。踏切前の体の沈み込みにより一旦加速度が低下しており、この時第2の所定値、0.7G以下の加速度が検出された時点6Aで落下と判定され、さらに跳躍中の判定も無いので、落下状態と判定され、計時が開始される。しかし、踏切前の動作では一定時間以上、加速度低下状態は継続していないため墜落と判定されることはない。次に踏切動作によって加速度が増加しており、第一の所定値、1.5G以上の加速度が検出された時点6Aで跳躍判定装置103は跳躍の踏切と判定する。跳躍判定装置103は、第1の所定値を超えている間を跳躍の踏切とし、この踏切の継続時間を用いて踏切終了後から踏切時の高さに戻る予測跳躍時間を計算する。具体的には第1の所定値を超えている状態6B−6Cである踏切の継続時間の二倍を、この踏切終了後から踏切時の高さに戻る予測跳躍時間とし、この時間内は跳躍中と判定される。次に踏切った後に脚が地面から離れ出すと、検出される加速度は急激に減少する。第2の所定値、0.7Gを下回った加速度が検出された時点6Dで落下と判定されるが、跳躍判定装置103により跳躍中と判定されているため、落下状態と判定されず、墜落判定装置104は計時を行なわず一定時間が経過しても墜落と判定されない。次に着地時には、その衝撃により加速度が増加し、第1の所定値を超える。この時、踏切時同様に第1の所定値を超えている状態6E−6Fの継続時間の二倍を跳躍中と判定されるが、落下状態でないことはもちろんとして衝撃を吸収するための体の沈み込み時に検出される加速度低下状態も墜落と判定されないことは言うまでもない。この例においては跳躍時間を第1の所定値を超えている状態の継続時間の二倍と計算しているが、跳躍判定中に0.7Gを超える加速度が検出された場合、着地したと見なし、跳躍判定から落下判定または踏切判定に移行してもよい。
【0021】
ここで跳躍判定装置103は跳躍時間を踏切時の最終的な加速度の大きさではなく、踏切の継続時間から予測しているのは実測値から得られたものである。一般の作業者による通常の作業状態における跳躍を想定している上では、跳躍において検出される加速度の大きさに実質的な差は余り生じない。また、その跳躍距離の範囲内においては跳躍時間と踏切の継続時間は比例関係にあると見なすことができる。このような知見に基づき、踏切の継続時間から跳躍時間を予測している。
【0022】
次に跳躍から墜落に至る具体的な動作を図7の加速度波形を用いて説明する。図7は跳躍から墜落に至る場合において検出される加速度の変化と墜落判定及び跳躍判定のタイムチャート図である。踏切前の体の沈み込みにより加速度が低下し第2の所定値0.7Gの加速度が検出された時点7Aで落下と判定され、さらに跳躍中の判定も無いので、落下状態と判定され、墜落判定装置104は計時を開始する。しかしこの加速度低下状態は所定時間を超えることなく、墜落と判定されることはない。次に踏切動作により加速度が増加し、第1の所定値1.5Gの加速度が検出された時点7Bで跳躍判定装置103は跳躍の踏切と判定し計時を開始する。加速度が第1の所定値を超えている状態7B−7Cである踏切の継続時間の二倍を踏切時の高さに戻る予測跳躍時間とし、この時間内は跳躍中と判定する。この例においては跳躍から墜落に至っており跳躍時間経過後に検出される加速度は第2の所定値0.7Gを下回ったままである。そのため跳躍時間経過後、跳躍中の判定が無くなり、落下状態と判定され、墜落判定装置104は墜落判定のための計時を開始し、一定時間経過した時点で人体の墜落と判定し、安全器具を動作させている。
【0023】
またこの実施例においては何らかの衝撃などによって加速度センサが短時間第1の所定値以上の加速度を検出したり、逆に加速度が第2の所定値以下に減少したことを検出した場合でも、この状態が一定時間以上継続しない時は跳躍判定装置がこの信号をノイズとして無視するように、加速度信号の急激な変化を抑えるためのフィルタリング処理をしている。これは外乱による急激且つ短時間の加速度変化による跳躍や落下の誤判定を防止するためである。加速度信号をフィルタリング処理して加速度信号の変化率を抑えることによって、特に急峻な加速度変化において出力がピークに達するのを遅らせる。その結果、短時間の信号変化の場合は所定値にまで至らず実質的にノイズとして無視することができ、跳躍判定装置や墜落判定装置は衝撃による誤判定をなくすことができる。
【0024】
以上説明したように、加速度低下状態は人体が落下した時と、踏切後の跳躍中に検出される。そのため本願発明によれば、第一の所定値以上の加速度が検出された時に跳躍の踏切と判定しその後一定時間は跳躍中と判定することにより、跳躍による加速度低下状態を墜落と判定することはない。また単純な墜落では第一の所定値以上の加速度が検出されないため、落下による加速度低下と判定でき第2の所定値以下の加速度が検出され一定時間経過した時に墜落と判定している。更に跳躍から墜落に至る場合では、跳躍中と判定されている間に踏切時の高さに戻っており、その後は単純な墜落と同様に墜落を判定することができる。
【0025】
次に本発明の墜落判定システムにおける他の実施形態を図8に示すブロック図を用いて説明する。この墜落判定システムは、互いに直交する三軸方向の加速度を検出し検出軸の一軸、例えばZ軸を人体の重心と考えられる腰の位置の体軸に合わせて取り付けられた加速度センサ201と、体軸方向の加速度の大きさから人体の跳躍を判定する跳躍判定装置204と落下の徴候を判定する加速度低下判定装置206とを有した体軸加速度判定装置202と、加速度センサ201にて検出された加速度を合成し加速度の大きさを求める加速度合成装置203と、人体の墜落を判定する墜落判定装置205から構成されている。
【0026】
体軸加速度判定装置202の跳躍判定装置204は加速度センサ201のZ軸で検出された体軸方向の加速度の大きさに基づいて跳躍を判定している。加速度センサ201のZ軸が第1の所定値以上の加速度を検出した時、これを跳躍の踏切動作と判定し、この踏切動作の継続時間を用いて踏切終了後から踏切時の高さに戻る予測跳躍時間を計算し、この間は跳躍中と判定して墜落判定装置205へ跳躍中であることを示す信号を出力する。
【0027】
墜落判定装置205は前述の実施例と同様に加速度合成装置203にて合成された加速度の大きさに基づいて墜落を判定している。体軸加速度判定装置202の加速度低下判定装置206が体軸方向の加速度が第2の所定値以上であると判定した時は落下状態ではないので墜落判定は行なわない。加速度低下判定装置206が体軸方向、つまり加速度センサ201のZ軸で検出された加速度が第2の所定値以下であると判定した時は落下の徴候があるので加速度合成装置203は加速度合成を開始する。ここで合成された加速度が第2の所定値以上であると判定された時は体を横にした時のように体軸方向以外に加速度が加わっている状態にあると墜落判定装置205は判定する。これに対して合成された加速度が第2の所定値以下であると判定され、尚且つ跳躍判定装置204からの跳躍中の判定が無い時に人体の落下状態と判定し、この状態が一定時間継続した時に墜落判定装置205は墜落と判定している。また合成された加速度が第2の所定値以下であると判定され一定時間継続しても跳躍判定装置204から跳躍中の判定が有る時には、墜落判定装置205は人体の墜落と判定することはない。これは加速度低下状態が踏切後の跳躍によるものと見なすことができるからである。跳躍判定装置204からの跳躍中の判定の有無により、加速度低下の現象が跳躍によるものなのか、墜落によるものなのかを判別することができる。
【0028】
この実施例において跳躍、墜落の判定は体軸方向の加速度の変化に基づいて行なわれる。跳躍は体軸方向の加速度変化であるため、跳躍の踏切動作の判定を体軸方向の加速度に限定することができる。これに対して墜落は姿勢が定まらないため加速度変化の方向を限定することはできないが、体軸方向を含め三軸にて検出される全ての加速度が減少する。墜落か否かを判定するために体軸方向の加速度を基に初期判定を行なうのは、人には常に重力加速度が加わっており、直立、歩行等の水平移動時においては体軸方向に1Gの加速度が検出されるからである。そのため体軸方向に1Gの加速度が検出された時は明らかに墜落状態ではないと判定できる。従って加速度センサ201のZ軸が体軸方向に第2の所定値以上の加速度を検出した時は加速度合成装置203以下の処理を行なう必要がなく、体軸加速度判定装置202は加速度合成装置203に合成の開始を指令する信号を出力しない。
【0029】
ここで加速度センサ201のZ軸が検出した体軸方向の加速度の大きさが第1の所定値を超えた場合に跳躍判定装置204は跳躍の踏切動作の判定し予測跳躍時間を計算する。このように跳躍の踏切動作の判定を体軸方向の加速度に限定することで、走行、衝突等のような体軸方向以外に比較的大きな加速度が検出された場合でも跳躍と判定されないため、確実に跳躍のみを判定することができる。
【0030】
これに対して墜落の場合においては姿勢が定まらないため加速度変化の方向を限定することはできないが、体軸方向を含め三軸にて検出される全ての加速度が減少する。もしも跳躍判定と同様に墜落を体軸方向の加速度のみから判定しようとすると、例えば体軸方向に加速度が加わらない静止状態を墜落判定装置205は全て落下と認識するので、体を横にした時のように加速度センサ201のZ軸出力が減少した場合には墜落と判定されてしまう。そこでこの問題を解決するため本実施例において墜落の判定はZ軸出力の減少の確認と合わせて加速度合成装置203にて合成された加速度の大きさに基づいて行なわれる。体を横にした時は体軸方向以外に加速度が加わっており、Z軸の検出加速度は減少しても三軸の加速度を合成することにより静止状態でも1Gの合成加速度が検出されるので墜落判定装置205は墜落と判定することはない。本実施例では加速度センサ201のZ軸出力が減少し体軸加速度判定装置202の加速度低下判定装置206が第2の所定値以下であり落下の徴候があると判定した時のみ加速度合成装置203に合成の開始を指令する信号を出力し、墜落判定装置205は合成された加速度を基に墜落か否かを判定する。合成された加速度が第2の所定値を超えている時は、墜落判定装置205は落下ではなく体を横にした時のような静止状態と判定する。また合成された加速度が第2の所定値以下である時は、墜落判定装置205は落下と判定し跳躍判定装置204から跳躍中と判定されている時は墜落と判定されず、跳躍中と判定されていない時は一定時間後に墜落と判定している。
【0031】
以上説明した通り本実施例においては跳躍、墜落共に変化する体軸方向の加速度を状態判定の基準としている。そのため直立、歩行等の水平移動時においては体軸方向に1Gの加速度が検出されるので、明らかに墜落状態ではないと見なし加速度の合成や墜落判定を行なう必要がない。跳躍は体軸方向の変化であるためこの方向の加速度変化のみで跳躍判定装置204は跳躍を判定することができ、体軸方向の加速度が上昇した時は跳躍と判定している。また墜落は姿勢が定まらないため加速度変化の方向を限定することはできないが、体軸方向を含め三軸全ての加速度変化であることからZ軸の加速度も必ず減少する。そのためZ軸の加速度の減少を検出しない限り三軸の加速度の合成や墜落判定を行なわないことで消費電力を抑えることができる。またZ軸の加速度の減少を確認し三軸方向の加速度の合成を行ない墜落判定を行なうことで確実に落下を判定することができる。そのため墜落は合成された加速度を基に判定する必要がある。体軸方向の加速度が減少する時は墜落と体軸方向に加速度が加わらない状態の時であり、これらを判定するために加速度を合成し墜落判定装置205にて墜落か否かを判定している。Z軸の加速度の減少を検出しない限り三軸の加速度の合成や墜落判定を行なわないことで消費電力を抑えることができる。本発明の他の実施例において墜落判定、跳躍判定後は前述の実施例と同様に処理されている。
【0032】
本願発明では加速度センサは三軸方向を検出できるセンサを用いたが、加速度センサはこれに限定されず一軸方向のみの加速度を検出する加速度センサを組み合わせてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明の墜落判定システムは加速度の大きさに基づいて人体の状態を判定している。検出された加速度のみ用いており、積分などの複雑な計算を必要としないため、より簡易なシステムで墜落、跳躍の検出を実現できる。これにより高速で高精度な処理が可能なマイコンを使用することがないので、墜落判定システムを低コストで実現できると共に、消費電力も削減することができ、墜落判定システムを長期間使用することが可能である。また1度跳躍判定した場合、一定時間、墜落判定装置に人体が跳躍中であることを認識させることにより、人体が跳躍中の加速度低下状態を墜落と判定することがない。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となる墜落時の加速度変化を説明するグラフ
【図2】図1と同様に跳躍時の加速度変化を説明するグラフ
【図3】図1と同様に跳躍から墜落に至る時の加速度変化を説明するグラフ
【図4】本発明の墜落判定システムを示すブロック図
【図5】本発明の墜落判定システムによる墜落時の信号を示すグラフ
【図6】図5の墜落判定システムによる跳躍時の信号を示すグラフ
【図7】図5の墜落判定システムによる跳躍から墜落に至る時の信号を示すグラフ
【図8】本発明の墜落判定システムにおける他の実施例を示すブロック図
【符号の説明】
101、201:加速度センサ
102、203:加速度合成装置
103、204:跳躍判定装置
104、205:墜落判定装置
202:体軸加速度判定装置
206:加速度低下判定装置
Claims (2)
- 加速度センサで検出された互いに直交する三軸方向の加速度を合成して加速度の大きさを算出する加速度合成装置と、
加速度合成装置から得られる加速度の大きさが第1の所定値以上に上昇した時にこれを跳躍の踏切動作と判定し、この踏み切り動作の継続時間を用いて踏切終了から踏切時の高さに戻る予測跳躍時間を計算し、この間は跳躍中と判定する跳躍判定装置と、
跳躍判定装置からの跳躍中の判定が無く且つ加速度合成装置から得られる加速度の大きさが第2の所定値以下に低下した時に落下状態と判定し、この落下状態が所定時間以上継続した時に墜落と判定する墜落判定装置とを備えたことにより人体の跳躍及び墜落を区別して判定できることを特徴とする墜落判定システム。 - 請求項1に記載の跳躍判定装置において、予測跳躍時間を踏切動作の継続時間の二倍としたことを特徴とする墜落判定システム。
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