JP4012669B2 - 画像処理方法および装置、記録媒体並びに画像撮影装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法および装置、記録媒体並びに画像撮影装置に関し、特に、画像のノイズ(noise)を除去する画像処理方法および装置、そのような画像処理機能をコンピュータに実現させるプログラムを記録した媒体、並びに、そのような画像処理装置を備えた画像撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴撮影(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置では、マグネットシステム(magnet system)の内部空間、すなわち、静磁場を形成した空間に撮影の対象を搬入し、勾配磁場および高周波磁場を印加して対象内に磁気共鳴信号を発生させ、その受信信号に基づいて断層像を生成(再構成)する。
【0003】
断層像の細部構造をよりよく観察できるようにするために、画像のノイズ(noise)を除去するフィルタリング(filtering)が行われる。フィルタリングはローパスフィルタリング(low−pass filtering)を基本とするが、それだけでは画像の鮮鋭度(シャープネス:sharpness)が低下するので、シャープネスを確保するための処理を付加したフィルタリングが採用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
シャープネスを確保するための処理を付加したフィルタリングでは、ノイズが偶然に形成したに過ぎないテクスチャ(texture)を強調し、解剖学的に意味のない構造(偽構造)を作り出すという副作用がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、フィルタリングを適正に行う画像処理方法および装置、そのような画像処理機能をコンピュータに実現させるプログラムを記録した媒体、並びに、そのような画像処理装置を備えた画像撮影装置を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決するための1つの観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定し、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0007】
この観点での発明では、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、その画素グループ態様において、注目画素を含む画素グループの平均画素値を注目画素の新たな画素値とするので、偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0008】
(2)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定し、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0009】
この観点での発明では、(1)と同様にして求めた画素グループの平均画素値に、領域の平均画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、さらに偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0010】
(3)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定し、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算し、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0011】
この観点での発明では、(2)と同様にして求めた画素値に元画像の注目画素の画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0012】
(4)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定し、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算し、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成し、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0013】
この観点での発明では、(3)と同様にして求めた画素値によって形成した画像に元画像を重み付け加算するので、フィルタリングの効果を弱めることができる。
【0014】
(5)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する重み係数は調節可能である、ことを特徴とする(4)に記載の画像処理方法である。
【0015】
この観点での発明では、重み係数の調整によりフィルタリングの効果を調節することができる。
(6)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記画素グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数である、ことを特徴とする(2)ないし(5)のうちのいずれか1つに記載の画像処理方法である。
【0016】
この観点での発明では、(2)ないし(5)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、画素グループの平均画素値と領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数を、画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数としたので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0017】
(7)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき前記領域の平均画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど前記領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(6)に記載の画像処理方法である。
【0018】
この観点での発明では、(6)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき領域の平均画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数であるので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0019】
(8)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記画素グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および前記元画像のノイズの分散の関数である、ことを特徴とする(3)ないし(7)のうちのいずれか1つに記載の画像処理方法である。
【0020】
この観点での発明では、(3)ないし(7)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、重み付け加算して得られた画素値と元画像の注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数を、画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および元画像のノイズの分散の関数としたので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0021】
(9)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散が等しいとき前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散の違いが大きくなるほど前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(8)に記載の画像処理方法である。
【0022】
この観点での発明では、(8)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散が等しいとき重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散の違いが大きくなるほど重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数であるので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0023】
(10)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が最小となる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(1)ないし(9)のうちのいずれか1つに記載の画像処理方法である。
【0024】
この観点での発明では、(1)ないし(9)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が最小となる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0025】
(11)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(1)ないし(9)のうちのいずれか1つに記載の画像処理方法である。
【0026】
この観点での発明では、(1)ないし(9)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0027】
(12)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定し、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0028】
この観点での発明では、複数態様の領域を通じてその領域における元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、その画素グループ態様において、注目画素を含む画素グループの平均画素値を注目画素の新たな画素値とするので、偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0029】
(13)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定し、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0030】
この観点での発明では、(12)と同様にして求めた画素グループの平均画素値に、領域の平均画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、さらに偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0031】
(14)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定し、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算し、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0032】
この観点での発明では、(13)と同様にして求めた画素値に元画像の注目画素の画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0033】
(15)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定し、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算し、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成し、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する、ことを特徴とする画像処理方法である。
【0034】
この観点での発明では、(14)と同様にして求めた画素値によって形成した画像に元画像を重み付け加算するので、フィルタリングの効果を弱めることができる。
【0035】
(16)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する重み係数は調節可能である、ことを特徴とする(15)に記載の画像処理方法である。
【0036】
この観点での発明では、重み係数の調整によりフィルタリングの効果を調節することができる。
(17)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記設定した複数態様の領域を通じて前記画像グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数である、ことを特徴とする(13)ないし(16)のうちのいずれか1つに記載の画像処理方法である。
【0037】
この観点での発明では、(13)ないし(16)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、画素グループの平均画素値と領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数を、複数態様の領域を通じて画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数としたので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0038】
(18)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき前記領域の平均画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど前記領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(17)に記載の画像処理方法である。
【0039】
この観点での発明では、(17)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき領域の平均画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数であるので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0040】
(19)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記設定した複数態様の領域を通じて前記画像グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および前記元画像のノイズの分散の関数である、ことを特徴とする(14)ないし(18)のうちのいずれか1つに記載の画像処理方法である。
【0041】
この観点での発明では、(14)ないし(18)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、重み付け加算して得られた画素値と元画像の注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数を、複数態様の領域を通じて画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および元画像のノイズの分散の関数としたので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0042】
(20)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散が等しいとき前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散の違いが大きくなるほど前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(19)に記載の画像処理方法である。
【0043】
この観点での発明では、(19)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散が等しいとき重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散の違いが大きくなるほど重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数であるので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0044】
(21)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記設定した複数態様の領域を通じて最小となる画像グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(12)ないし(20)のうちのいずれか1つに記載の画像処理方法である。
【0045】
この観点での発明では、(12)ないし(20)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が複数態様の領域を通じて最小となる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0046】
(22)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(12)ないし(20)のうちのいずれか1つに記載の画像処理方法である。
【0047】
この観点での発明では、(12)ないし(20)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0048】
(23)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定する領域設定手段と、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0049】
この観点での発明では、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、その画素グループ態様において、注目画素を含む画素グループの平均画素値を注目画素の新たな画素値とするので、偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0050】
(24)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定する領域設定手段と、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0051】
この観点での発明では、(23)と同様にして求めた画素グループの平均画素値に、領域の平均画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、さらに偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0052】
(25)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定する領域設定手段と、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する加算手段と、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0053】
この観点での発明では、(24)と同様にして求めた画素値に元画像の注目画素の画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0054】
(26)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定する領域設定手段と、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する第1の加算手段と、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する第2の加算手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0055】
この観点での発明では、(25)と同様にして求めた画素値によって形成した画像に元画像を重み付け加算するので、フィルタリングの効果を弱めることができる。
【0056】
(27)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する重み係数は調節可能である、ことを特徴とする(26)に記載の画像処理装置である。
【0057】
この観点での発明では、重み係数の調整によりフィルタリングの効果を調節することができる。
(28)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記画素グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数である、ことを特徴とする(24)ないし(27)のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置である。
【0058】
この観点での発明では、(24)ないし(27)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、画素グループの平均画素値と領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数を、画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数としたので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0059】
(29)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき前記領域の平均画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど前記領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(28)に記載の画像処理装置である。
【0060】
この観点での発明では、(28)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき領域の平均画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数であるので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0061】
(30)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記画素グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および前記元画像のノイズの分散の関数である、ことを特徴とする(25)ないし(29)のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置である。
【0062】
この観点での発明では、(25)ないし(29)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、重み付け加算して得られた画素値と元画像の注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数を、画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および元画像のノイズの分散の関数としたので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0063】
(31)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散が等しいとき前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散の違いが大きくなるほど前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(30)に記載の画像処理装置である。
【0064】
この観点での発明では、(30)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散が等しいとき重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散の違いが大きくなるほど重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数であるので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0065】
(32)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が最小となる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(23)ないし(31)のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置である。
【0066】
この観点での発明では、(23)ないし(31)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が最小となる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0067】
(33)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(23)ないし(31)のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置である。
【0068】
この観点での発明では、(23)ないし(31)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0069】
(34)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定する領域設定手段と、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0070】
この観点での発明では、複数態様の領域を通じてその領域における元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、その画素グループ態様において、注目画素を含む画素グループの平均画素値を注目画素の新たな画素値とするので、偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0071】
(35)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定する領域設定手段と、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0072】
この観点での発明では、(34)と同様にして求めた画素グループの平均画素値に、領域の平均画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、さらに偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0073】
(36)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定する領域設定手段と、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する加算手段と、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0074】
この観点での発明では、(35)と同様にして求めた画素値に元画像の注目画素の画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0075】
(37)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定する領域設定手段と、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する第1の加算手段と、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する第2の加算手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0076】
この観点での発明では、(36)と同様にして求めた画素値によって形成した画像に元画像を重み付け加算するので、フィルタリングの効果を弱めることができる。
【0077】
(38)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する重み係数は調節可能である、ことを特徴とする(37)に記載の画像処理装置である。
【0078】
この観点での発明では、重み係数の調整によりフィルタリングの効果を調節することができる。
(39)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記設定した複数態様の領域を通じて前記画像グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数である、ことを特徴とする(35)ないし(38)のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置である。
【0079】
この観点での発明では、(35)ないし(38)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、画素グループの平均画素値と領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数を、複数態様の領域を通じて画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数としたので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0080】
(40)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき前記領域の平均画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど前記領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(39)に記載の画像処理装置である。
【0081】
この観点での発明では、(39)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき領域の平均画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数であるので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0082】
(41)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記設定した複数態様の領域を通じて前記画像グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および前記元画像のノイズの分散の関数である、ことを特徴とする(36)ないし(40)のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置である。
【0083】
この観点での発明では、(36)ないし(40)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、重み付け加算して得られた画素値と元画像の注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数を、複数態様の領域を通じて画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および元画像のノイズの分散の関数としたので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0084】
(42)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散が等しいとき前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散の違いが大きくなるほど前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(41)に記載の画像処理装置である。
【0085】
この観点での発明では、(41)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散が等しいとき重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散の違いが大きくなるほど重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数であるので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0086】
(43)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記設定した複数態様の領域を通じて最小となる画像グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(34)ないし(42)のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置である。
【0087】
この観点での発明では、(34)ないし(42)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が複数態様の領域を通じて最小となる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0088】
(44)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(34)ないし(42)のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置である。
【0089】
この観点での発明では、(34)ないし(42)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0090】
(45)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定し、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータにより読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
【0091】
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、その画素グループ態様において、注目画素を含む画素グループの平均画素値を注目画素の新たな画素値とする、機能をコンピュータに実現させるので、偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0092】
(46)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定し、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータにより読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
【0093】
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、(45)と同様にして求めた画素グループの平均画素値に、領域の平均画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とする、機能をコンピュータに実現させるので、さらに偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0094】
(47)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定し、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算し、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータにより読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
【0095】
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、(46)と同様にして求めた画素値に元画像の注目画素の画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とする、機能をコンピュータに実現させるので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0096】
(48)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定し、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算し、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成し、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータにより読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
【0097】
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、(47)と同様にして求めた画素値によって形成した画像に元画像を重み付け加算する、機能をコンピュータに実現させるので、フィルタリングの効果を弱めることができる。
【0098】
(49)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する重み係数は調節可能である、ことを特徴とする(48)に記載の記録媒体である。
【0099】
この観点での発明では、重み係数の調整によりフィルタリングの効果を調節することができる。
(50)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記画素グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数である、ことを特徴とする(46)ないし(49)のうちのいずれか1つに記載の記録媒体である。
【0100】
この観点での発明では、(46)ないし(49)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、画素グループの平均画素値と領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数を、画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数としたので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0101】
(51)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき前記領域の平均画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど前記領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(50)に記載の記録媒体である。
【0102】
この観点での発明では、(50)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき領域の平均画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数であるので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0103】
(52)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記画素グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および前記元画像のノイズの分散の関数である、ことを特徴とする(47)ないし(51)のうちのいずれか1つに記載の記録媒体である。
【0104】
この観点での発明では、(47)ないし(51)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、重み付け加算して得られた画素値と元画像の注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数を、画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および元画像のノイズの分散の関数としたので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0105】
(53)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散が等しいとき前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散の違いが大きくなるほど前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(52)に記載の記録媒体である。
【0106】
この観点での発明では、(52)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散が等しいとき重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散の違いが大きくなるほど重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数であるので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0107】
(54)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が最小となる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(45)ないし(53)のうちのいずれか1つに記載の記録媒体である。
【0108】
この観点での発明では、(45)ないし(53)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が最小となる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0109】
(55)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(45)ないし(53)のうちのいずれか1つに記載の記録媒体である。
【0110】
この観点での発明では、(45)ないし(53)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0111】
(56)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定し、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータにより読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
【0112】
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、複数態様の領域を通じてその領域における元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、その画素グループ態様において、注目画素を含む画素グループの平均画素値を注目画素の新たな画素値とする、機能をコンピュータに実現させるので、偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0113】
(57)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定し、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータにより読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
【0114】
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、(56)と同様にして求めた画素グループの平均画素値に、領域の平均画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とする、機能をコンピュータに実現させるので、さらに偽構造が発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0115】
(58)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定し、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算し、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータにより読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
【0116】
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、(57)と同様にして求めた画素値に元画像の注目画素の画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とする、機能をコンピュータに実現させるので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0117】
(59)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定し、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定し、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求め、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求め、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算し、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成し、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータにより読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
【0118】
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、(58)と同様にして求めた画素値によって形成した画像に元画像を重み付け加算する、機能をコンピュータに実現させるので、フィルタリングの効果を弱めることができる。
【0119】
(60)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する重み係数は調節可能である、ことを特徴とする(59)に記載の記録媒体である。
【0120】
この観点での発明では、重み係数の調整によりフィルタリングの効果を調節することができる。
(61)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記設定した複数態様の領域を通じて前記画像グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数である、ことを特徴とする(57)ないし(60)のうちのいずれか1つに記載の記録媒体である。
【0121】
この観点での発明では、(57)ないし(60)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、画素グループの平均画素値と領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数を、複数態様の領域を通じて画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数としたので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0122】
(62)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき前記領域の平均画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど前記領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(61)に記載の記録媒体である。
【0123】
この観点での発明では、(61)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき領域の平均画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数であるので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0124】
(63)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記設定した複数態様の領域を通じて前記画像グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および前記元画像のノイズの分散の関数である、ことを特徴とする(58)ないし(62)のうちのいずれか1つに記載の記録媒体である。
【0125】
この観点での発明では、(58)ないし(62)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、重み付け加算して得られた画素値と元画像の注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数を、複数態様の領域を通じて画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および元画像のノイズの分散の関数としたので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0126】
(64)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散が等しいとき前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散の違いが大きくなるほど前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(63)に記載の記録媒体である。
【0127】
この観点での発明では、(63)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散が等しいとき重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散の違いが大きくなるほど重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数であるので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0128】
(65)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記設定した複数態様の領域を通じて最小となる画像グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(56)ないし(64)のうちのいずれか1つに記載の記録媒体である。
【0129】
この観点での発明では、(56)ないし(64)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が複数態様の領域を通じて最小となる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0130】
(66)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(56)ないし(64)のうちのいずれか1つに記載の記録媒体である。
【0131】
この観点での発明では、(56)ないし(64)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0132】
(67)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、対象から信号を収集する信号収集手段と、前記収集した信号に基づいて元画像を生成する元画像生成手段と、前記元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定する領域設定手段と、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像撮影装置である。
【0133】
この観点での発明では、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、その画素グループ態様において、注目画素を含む画素グループの平均画素値を注目画素の新たな画素値とするので、偽構造が発生しにくいフィルタリングを施した画像を得ることができる。
【0134】
(68)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、対象から信号を収集する信号収集手段と、前記収集した信号に基づいて元画像を生成する元画像生成手段と、前記元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定する領域設定手段と、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像撮影装置である。
【0135】
この観点での発明では、(67)と同様にして求めた画素グループの平均画素値に、領域の平均画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、さらに偽構造が発生しにくいフィルタリングを施した画像を得ることができる。
【0136】
(69)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、対象から信号を収集する信号収集手段と、前記収集した信号に基づいて元画像を生成する元画像生成手段と、前記元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定する領域設定手段と、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する加算手段と、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像撮影装置である。
【0137】
この観点での発明では、(68)と同様にして求めた画素値に元画像の注目画素の画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを施した画像を得ることができる。
【0138】
(70)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、対象から信号を収集する信号収集手段と、前記収集した信号に基づいて元画像を生成する元画像生成手段と、前記元画像において注目画素を含む局所的な領域を設定する領域設定手段と、前記領域において前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する第1の加算手段と、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する第2の加算手段と、を具備することを特徴とする画像撮影装置である。
【0139】
この観点での発明では、(69)と同様にして求めた画素値によって形成した画像に元画像を重み付け加算するので、フィルタリングの効果を弱めることができる。
【0140】
(71)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する重み係数は調節可能である、ことを特徴とする(70)に記載の画像撮影装置である。
【0141】
この観点での発明では、重み係数の調整によりフィルタリングの効果を調節することができる。
(72)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記画素グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数である、ことを特徴とする(68)ないし(71)のうちのいずれか1つに記載の画像撮影装置である。
【0142】
この観点での発明では、(68)ないし(71)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、画素グループの平均画素値と領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数を、画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数としたので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを施した画像を得ることができる。
【0143】
(73)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき前記領域の平均画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど前記領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(72)に記載の画像撮影装置である。
【0144】
この観点での発明では、(72)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき領域の平均画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数であるので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0145】
(74)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記画素グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および前記元画像のノイズの分散の関数である、ことを特徴とする(69)ないし(73)のうちのいずれか1つに記載の画像撮影装置である。
【0146】
この観点での発明では、(69)ないし(73)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、重み付け加算して得られた画素値と元画像の注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数を、画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および元画像のノイズの分散の関数としたので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを施した画像を得ることができる。
【0147】
(75)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散が等しいとき前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散の違いが大きくなるほど前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(74)に記載の画像撮影装置である。
【0148】
この観点での発明では、(74)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散が等しいとき重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散の違いが大きくなるほど重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数であるので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0149】
(76)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が最小となる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(67)ないし(75)のうちのいずれか1つに記載の画像撮影装置である。
【0150】
この観点での発明では、(67)ないし(75)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が最小となる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0151】
(77)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(67)ないし(75)のうちのいずれか1つに記載の画像撮影装置である。
【0152】
この観点での発明では、(67)ないし(75)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0153】
(78)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、対象から信号を収集する信号収集手段と、前記収集した信号に基づいて元画像を生成する元画像生成手段と、前記元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定する領域設定手段と、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像撮影装置である。
【0154】
この観点での発明では、複数態様の領域を通じてその領域における元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択し、その画素グループ態様において、注目画素を含む画素グループの平均画素値を注目画素の新たな画素値とするので、偽構造が発生しにくいフィルタリングを施した画像を得ることができる。
【0155】
(79)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、対象から信号を収集する信号収集手段と、前記収集した信号に基づいて元画像を生成する元画像生成手段と、前記元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定する領域設定手段と、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像撮影装置である。
【0156】
この観点での発明では、(78)と同様にして求めた画素グループの平均画素値に、領域の平均画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、さらに偽構造が発生しにくいフィルタリングを施した画像を得ることができる。
【0157】
(80)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、対象から信号を収集する信号収集手段と、前記収集した信号に基づいて元画像を生成する元画像生成手段と、前記元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定する領域設定手段と、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する加算手段と、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像撮影装置である。
【0158】
この観点での発明では、(79)と同様にして求めた画素値に元画像の注目画素の画素値を重み付け加算して注目画素の新たな画素値とするので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを施した画像を得ることができる。
【0159】
(81)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、対象から信号を収集する信号収集手段と、前記収集した信号に基づいて元画像を生成する元画像生成手段と、前記元画像において注目画素を含む局所的な領域を複数の態様で設定する領域設定手段と、前記設定した複数態様の領域において、それぞれ、前記注目画素を含む複数の画素からなる画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しない複数の画素からなる画素グループを複数の態様で設定する画素グループ設定手段と、前記設定した複数の画素グループ態様のうち前記設定した複数態様の領域を通じてその領域における前記元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択する選択手段と、前記選択した画素グループ態様における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、前記複数態様の領域のうち前記選択した画素グループ態様が設定されている領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する第1の加算手段と、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する第2の加算手段と、を具備することを特徴とする画像撮影装置である。
【0160】
この観点での発明では、(80)と同様にして求めた画素値によって形成した画像に元画像を重み付け加算するので、フィルタリングの効果を弱めることができる。
【0161】
(82)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する重み係数は調節可能である、ことを特徴とする(81)に記載の画像撮影装置である。
【0162】
この観点での発明では、重み係数の調整によりフィルタリングの効果を調節することができる。
(83)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記設定した複数態様の領域を通じて前記画像グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数である、ことを特徴とする(79)ないし(82)のうちのいずれか1つに記載の画像撮影装置である。
【0163】
この観点での発明では、(79)ないし(82)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、画素グループの平均画素値と領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数を、複数態様の領域を通じて画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数としたので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを施した画像を得ることができる。
【0164】
(84)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき前記領域の平均画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど前記領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(83)に記載の画像撮影装置である。
【0165】
この観点での発明では、(83)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき領域の平均画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数であるので、偽構造の発生しにくいフィルタリングを行うことができる。
【0166】
(85)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数は、前記設定した複数態様の領域を通じて前記画像グループ態様ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および前記元画像のノイズの分散の関数である、ことを特徴とする(80)ないし(84)のうちのいずれか1つに記載の画像撮影装置である。
【0167】
この観点での発明では、(80)ないし(84)のうちのいずれか1つに記載の画像処理において、重み付け加算して得られた画素値と元画像の注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数を、複数態様の領域を通じて画素グループ態様ごとに求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および元画像のノイズの分散の関数としたので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを施した画像を得ることができる。
【0168】
(86)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記関数は、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散が等しいとき前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ態様における画素数で割ったものと前記ノイズの分散の違いが大きくなるほど前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数である、ことを特徴とする(85)に記載の画像撮影装置である。
【0169】
この観点での発明では、(85)に記載の画像処理において、関数は、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散が等しいとき重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、残差平方和の総和の最小値を画素グループ態様における画素数で割ったものとノイズの分散の違いが大きくなるほど重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数であるので、元画像の特徴的な構造を損なわないフィルタリングを行うことができる。
【0170】
(87)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記設定した複数態様の領域を通じて最小となる画像グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(78)ないし(86)のうちのいずれか1つに記載の画像撮影装置である。
【0171】
この観点での発明では、(78)ないし(86)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が複数態様の領域を通じて最小となる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0172】
(88)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記画素グループ態様の選択は、前記画素グループの画素値の残差平方和の総和が前記元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行う、ことを特徴とする(78)ないし(86)のうちのいずれか1つに記載の画像撮影装置である。
【0173】
この観点での発明では、(78)ないし(86)のうちのいずれか1つに記載の画像処理における画素グループ態様の選択は、画素グループの画素値の残差平方和の総和が元画像のノイズの分散に画素グループ態様における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ態様を選択することによって行うので、元画像の構造に最も良く適合する画素グループ態様を選択することができる。
【0174】
(89)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記信号は磁気共鳴信号である、ことを特徴とする(67)ないし(88)のうちのいずれか1つに記載の画像撮影装置である。
【0175】
この観点での発明では、フィルタリングを適正に行う画像処理装置を備えた磁気共鳴撮影装置を実現することができる。
【0176】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に画像撮影装置のブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0177】
図1に示すように、本装置はマグネットシステム100を有する。マグネットシステム100は主磁場コイル(coil)部102、勾配コイル部106およびRF(radio frequency)コイル部108を有する。これら各コイル部は概ね円筒状の形状を有し、互いに同軸的に配置されている。マグネットシステム100の概ね円柱状の内部空間(ボア:bore)に、撮影の対象300がクレードル(cradle)500に搭載されて図示しない搬送手段により搬入および搬出される。
【0178】
主磁場コイル部102はマグネットシステム100の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向は概ね対象300の体軸の方向に平行である。すなわちいわゆる水平磁場を形成する。主磁場コイル部102は例えば超伝導コイルを用いて構成される。なお、超伝導コイルに限らず常伝導コイル等を用いて構成しても良いのはもちろんである。
【0179】
勾配コイル部106は静磁場強度に勾配を持たせるための勾配磁場を生じる。発生する勾配磁場は、スライス(slice)勾配磁場、リードアウト(read out)勾配磁場およびフェーズエンコード(phase encode)勾配磁場の3種であり、これら3種類の勾配磁場に対応して勾配コイル部106は図示しない3系統の勾配コイルを有する。
【0180】
RFコイル部108は静磁場空間に対象300の体内のスピンを励起するための高周波磁場を形成する。以下、高周波磁場を形成することをRF励起信号の送信ともいう。RFコイル部108は、また、励起されたスピンが生じる電磁波すなわち磁気共鳴信号を受信する。
【0181】
RFコイル部108は図示しない送信用のコイルおよび受信用のコイルを有する。送信用のコイルおよび受信用のコイルは、同じコイルを兼用するかあるいはそれぞれ専用のコイルを用いる。
【0182】
勾配コイル部106には勾配駆動部130が接続されている。勾配駆動部130は勾配コイル部106に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させる。勾配駆動部130は、勾配コイル部106における3系統の勾配コイルに対応して、図示しない3系統の駆動回路を有する。
【0183】
RFコイル部108にはRF駆動部140が接続されている。RF駆動部140はRFコイル部108に駆動信号を与えてRF励起信号を送信し、対象300の体内のスピンを励起する。
【0184】
RFコイル部108にはデータ収集部150が接続されている。データ収集部150はRFコイル部108が受信した受信信号を取り込み、それをビューデータ(view data)として収集する。
【0185】
勾配駆動部130、RF駆動部140およびデータ収集部150には制御部160が接続されている。制御部160は、勾配駆動部130ないしデータ収集部150をそれぞれ制御して撮影を遂行する。
【0186】
マグネットシステム100、勾配駆動部130、RF駆動部140、データ収集部150および制御部160からなる部分は、本発明における信号収集手段の実施の形態の一例である。
【0187】
データ収集部150の出力側はデータ処理部170に接続されている。データ処理部170は、例えばコンピュータ(computer)等を用いて構成される。データ処理部170は図示しないメモリ(memory)を有する。メモリはデータ処理部170用のプログラムおよび各種のデータを記憶している。本装置の機能は、データ処理部170がメモリに記憶されたプログラムを実行することによりを実現される。
【0188】
データ処理部170は、データ収集部150から取り込んだデータをメモリに記憶する。メモリ内にはデータ空間が形成される。データ空間は2次元フ−リエ(Fourier)空間を構成する。データ処理部170は、これら2次元フ−リエ空間のデータを2次元逆フ−リエ変換して対象300の画像を生成(再構成)する。以下、2次元フ−リエ空間をkスペース(k−space)ともいう。データ処理部170は、本発明における元画像生成手段の実施の形態の一例である。
【0189】
データ処理部170は、また、再構成した画像をフィルタリングする機能を有する。データ処理部170は、本発明の画像処理装置の実施の形態の一例である。データ処理部170のフィルタリング機能については後にあらためて説明する。
【0190】
データ処理部170は制御部160に接続されている。データ処理部170は制御部160の上位にあってそれを統括する。データ処理部170には表示部180および操作部190が接続されている。表示部180は、グラフィックディスプレー(graphic display)等で構成される。操作部190はポインティングデバイス(pointing device)を備えたキーボード(keyboard)等で構成される。
【0191】
表示部180は、データ処理部170から出力される再構成画像および各種の情報を表示する。操作部190は、操作者によって操作され、各種の指令や情報等をデータ処理部170に入力する。操作者は表示部180および操作部190を通じてインタラクティブ(interactive)に本装置を操作する。
【0192】
図2に、他の方式の画像撮影装置のブロック図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0193】
図2に示す装置は、図1に示した装置とは方式を異にするマグネットシステム100’を有する。マグネットシステム100’以外は図1に示した装置と同様な構成になっており、同様な部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0194】
マグネットシステム100’は主磁場マグネット部102’、勾配コイル部106’およびRFコイル部108’を有する。これら主磁場マグネット部102’および各コイル部は、いずれも空間を挟んで互いに対向する1対のものからなる。また、いずれも概ね円盤状の形状を有し中心軸を共有して配置されている。マグネットシステム100’の内部空間(ボア)に、対象300がクレードル500に搭載されて図示しない搬送手段により搬入および搬出される。
【0195】
主磁場マグネット部102’はマグネットシステム100’の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向は概ね対象300の体軸方向と直交する。すなわちいわゆる垂直磁場を形成する。主磁場マグネット部102’は例えば永久磁石等を用いて構成される。なお、永久磁石に限らず超伝導電磁石あるいは常伝導電磁石等を用いて構成しても良いのはもちろんである。
【0196】
勾配コイル部106’は静磁場強度に勾配を持たせるための勾配磁場を生じる。発生する勾配磁場は、スライス勾配磁場、リードアウト勾配磁場およびフェーズエンコード勾配磁場の3種であり、これら3種類の勾配磁場に対応して勾配コイル部106’は図示しない3系統の勾配コイルを有する。
【0197】
RFコイル部108’は静磁場空間に対象300の体内のスピンを励起するためのRF励起信号を送信する。RFコイル部108’は、また、励起されたスピンが生じる磁気共鳴信号を受信する。RFコイル部108’は図示しない送信用のコイルおよび受信用のコイルを有する。送信用のコイルおよび受信用のコイルは、同じコイルを兼用するかあるいはそれぞれ専用のコイルを用いる。
【0198】
マグネットシステム100’、勾配駆動部130、RF駆動部140、データ収集部150および制御部160からなる部分は、本発明における信号収集手段の実施の形態の一例である。
【0199】
図3に、磁気共鳴撮影に用いるパルスシーケンス(pulse sequence)の一例を示す。このパルスシーケンスは、グラディエントエコー(GRE:Gradient Echo)法のパルスシーケンスである。
【0200】
すなわち、(1)はGRE法におけるRF励起用のα°パルスのシーケンスであり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコード勾配GpおよびグラディエントエコーMRのシーケンスである。なお、α°パルスは中心信号で代表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。
【0201】
同図に示すように、α°パルスによりスピンのα°励起が行われる。フリップアングル(flip angle)α°は90°以下である。このときスライス勾配Gsが印加され所定のスライスについての選択励起が行われる。
【0202】
α°励起後、フェーズエンコード勾配Gpによりスピンのフェーズエンコードが行われる。次に、リードアウト勾配Grにより先ずスピンをディフェーズ(dephase)し、次いでスピンをリフェーズ(rephase)して、グラディエントエコーMRを発生させる。グラディエントエコーMRの信号強度は、α°励起からエコータイム(echo time)TE後の時点で最大となる。グラディエントエコーMRはデータ収集部150によりビューデータとして収集される。
【0203】
このようなパルスシーケンスが周期TR(repetition time)で64〜512回繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行う。これによって、kスペースを埋める64〜512ビューのビューデータが得られる。
【0204】
磁気共鳴撮影用パルスシーケンスの他の例を図4に示す。このパルスシーケンスは、スピンエコー(SE:Spin Echo)法のパルスシーケンスである。
【0205】
すなわち、(1)はSE法におけるRF励起用の90°パルスおよび180°パルスのシーケンスであり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコード勾配GpおよびスピンエコーMRのシーケンスである。なお、90°パルスおよび180°パルスはそれぞれ中心信号で代表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。
【0206】
同図に示すように、90°パルスによりスピンの90°励起が行われる。このときスライス勾配Gsが印加され所定のスライスについての選択励起が行われる。90°励起から所定の時間後に、180°パルスによる180°励起すなわちスピン反転が行われる。このときもスライス勾配Gsが印加され、同じスライスについての選択的反転が行われる。
【0207】
90°励起とスピン反転の間の期間に、リードアウト勾配Grおよびフェーズエンコード勾配Gpが印加される。リードアウト勾配Grによりスピンのディフェーズが行われる。フェーズエンコード勾配Gpによりスピンのフェーズエンコードが行われる。
【0208】
スピン反転後、リードアウト勾配GrでスピンをリフェーズしてスピンエコーMRを発生させる。スピンエコーMRの信号強度は、90°励起からTE後の時点で最大となる。スピンエコーMRはデータ収集部150によりビューデータとして収集される。このようなパルスシーケンスが周期TRで64〜512回繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行う。これによって、kスペースを埋める64〜512ビューのビューデータが得られる。
【0209】
なお、撮影に用いるパルスシーケンスはGRE法またはSE法に限るものではなく、例えば、FSE(Fast Spin Echo)法、ファーストリカバリFSE(Fast Recovery Fast Spin Echo)法、エコープラナー・イメージング(EPI:Echo Planar Imaging)等、他の適宜の技法のものであって良い。
【0210】
データ処理部170は、kスペースのビューデータを2次元逆フ−リエ変換して対象300の断層像を再構成する。再構成した画像はメモリに記憶し、また、表示部180で表示する。
【0211】
画像のノイズを除去するために、データ処理部170において画像のフィルタリングが行われる。フィルタリングは画像再構成の一環として行うようにしても良く、あるいは、再構成画像の観察結果に基づいて、操作者の選択により行うようにしても良い。
【0212】
図5に、データ処理部170による画像フィルタリング動作のフローチャート(flow chart)を示す。同図に示すように、ステップ(step)502で、元画像における注目画素を指定する。注目画素とは、これからフィルタリングによって画素値を確定する画素であり、元画像中の1つの画素が指定される。最初の画素としては、例えば元画像の中央画素等が指定される。
【0213】
次に、ステップ504で、元画像中に局所領域を設定する。局所領域は注目画素を含む局所的な領域であり、図6に示すように、注目画素kを中心とする例えば3x3の画素マトリクス(matrix)が設定される。なお、局所領域は3x3の画素マトリクスに限るものではなく、例えば5x5や7x7の画素マトリクス等、適宜の領域で良い。ステップ504の処理を行うデータ処理部170は、本発明における領域設定手段の実施の形態の一例である。
【0214】
次に、ステップ506で、画素グループ(group)群を設定する。画素グループ群とは複数の画素グループの集まり(群)であり、画素グループとは複数の画素の集まり(グループ)である。画素グループは局所領域内の複数の画素によって構成される。グループ間で画素の重複はない。ステップ506の処理を行うデータ処理部170は、本発明における画素グループ設定手段の実施の形態の一例である。
【0215】
グループ構成は画素の取り合わせに応じて複数の態様がある。すなわち、図6において、縦に連なる3つの画素列をA1,A2,A3としたとき、画素列A1,A2,A3をおのおの1つの画素グループとして3グループ構成とする態様がある。また、画素列A1を1つのグループとし、画素列A2,A3を一緒にしたものを他のグループとして2グループ構成とする態様があり、さらに、画素列A1,A2を一緒にしたものを1つのグループとし、画素列A3を他のグループとする2グループ構成の態様がある。
【0216】
また、図7に示すように、横に連なる3つの画素列をB1,B2,B3としたとき、画素列B1,B2,B3をおのおの1つの画素グループとして3グループ構成とする態様、画素列B1を1つのグループとし、画素列B2,B3を一緒にしたものを他のグループとする2グループ構成の態様、および、画素列B1,B2を一緒にしたものを1つのグループとし、画素列B3を他のグループとする2グループ構成の態様がある。
【0217】
さらに、図8に示すように、右上がりの45°方向に連なる1つの画素列をC2とし、その両側のくの字および逆くの字状に連なる2つの画素列をそれぞれC1,C3としたとき、画素列C1,C2,C3をおのおの1つの画素グループとした3グループ構成の態様、画素列C1を1つのグループとし、画素列C2,C3を一緒にしたものを他のグループとした2グループ構成の態様、および、画素列C1,C2を一緒にしたものを1つのグループとし、画素列C3を他のグループとした2グループ構成の態様がある。
【0218】
さらにまた、図9に示すように、左上がりの45°方向に連なる1つの画素列をD2とし、その両側のくの字および逆くの字状に連なる2つの画素列をそれぞれD1,D3としたとき、画素列D1,D2,D3をおのおの1つの画素グループとした3グループ構成の態様、画素列D1を1つのグループとし、画素列D2,D3を一緒にしたものを他のグループとした2グループ構成の態様、および、画素列D1,D2を一緒にしたものを1つのグループとし、画素列D3を他のグループとした2グループ構成の態様がある。
【0219】
ステップ506では、このような各態様のグループ構成をそれぞれ画素グループ群として設定する。これにより、全体として12の画素グループ群が設定される。
【0220】
なお、ステップ504で局所領域を設定する際に、45°方向の画素列のために、例えば図10に示すように菱形の画素マトリクスを局所領域として設定するようにしても良い。なお、この場合は、図6に示した方形の画素マトリクスの局所領域に加えて、図10に示す菱形の画素マトリクスの局所領域を設定することになる。すなわち複数の態様で局所領域を設定することになる。この例では態様の数が2となるが、局所領域の大きさによってはそれ以上の態様があり得る。
【0221】
このような菱形マトリックスにおいて、右上がりの45°方向の3つの画素列をE1,E2,E3としたとき、画素列E1,E2,E3をおのおの1つの画素グループとする3グループ構成の画素グループ群、画素列E1を1つのグループとし、画素列E2,E3を一緒にしたものを他のグループとする2グループ構成の画素グループ群、および、画素列E1,E2を一緒にしたものを1つのグループとし、画素列E3を他のグループとする2グループ構成の画素グループ群を設定することができる。
【0222】
また、図11に示すように、左上がりの45°方向の3つの画素列をF1,F2,F3としたとき、画素列F1,F2,F3をおのおの1つの画素グループとした3グループ構成の画素グループ群、画素列F1を1つのグループとし、画素列F2,F3を一緒にしたものを他のグループとした2グループ構成の画素グループ群、および、画素列F1,F2を一緒にしたものを1つのグループとし、画素列F3を他のグループとした2グループ構成の画素グループ群を設定することができる。
【0223】
次に、ステップ508で、画素グループ群ごとに、画素グループの画素値の残差平方和の総和を計算する。画素値の残差平方和の総和は、画素グループごとに画素値の残差平方和をそれぞれ計算し、それらを画素グループ群内で合算することによって求める。
【0224】
画素値の残差平方和の総和の計算には次式が用いられる。
【0225】
【数1】
【0226】
または、
【0227】
【数2】
【0228】
ここで、
Piは画素値、
【0229】
【数3】
【0230】
は、それぞれ、グループM1,M2,M3の画素値の平均値である。
(1)式は3グループ構成の画素グループ群に対して用いられ、(2)式は2グループ構成の画素グループ群に対して用いられる。この例では、画素グループ群が12あることにより12個のPVが求まる。
【0231】
次に、ステップ510で、PVが最小となる画素グループを選択する。すなわち、前のステップで求めたPVの中から値が最小のものを抽出し、この最小値を与える画素グループ群を特定する。
【0232】
なお、局所領域が複数の態様で設定されているときは、全ての態様を通じて最小のPVを抽出し、その値を与える画素グループ群を特定する。ステップ508および510の処理を行うデータ処理部170は、本発明における選択手段の実施の形態の一例である。
【0233】
このようにして選択された画素グループ群は、局所領域における元画像の構造に最も適合した画素グループ群となる。その理由は次の通りである。
例えば、図6に示した画素マトリクスにおいて、元画像の輪郭すなわちエッジ(edge)が画素列A2の上にあるとすると、図12の(a)に示すように、画素列A2の画素値はエッジを表す値を持ち、画素列A1の画素値はエッジの左側の構造を表す値を持ち、画素列A3の画素値はエッジの右側の構造を表す値を持つ。ただし、実際はそれらにノイズが重畳している。
【0234】
なお、図12では、各画素列の画素値をそれぞれ黒丸で表し、それらの値の相違を上下方向の位置の相違によって表し、画素列の位置の相違を左右方向の位置の相違で表す。また、黒丸を結ぶ線によってエッジの横断面のプロファイル(profile)を表す。
【0235】
このような状況においては、画素列A1,A2,A3をそれぞれ1つの画素グループとする画素グループ群が元画像の構造に適合しており、そのPVが他のいずれの画素グループ群のPVよりも小さくなる。
【0236】
なぜなら、このときのPVは、画素列A1,A2,A3の画素値の残差平方和をそれぞれ求めて合算したものとなるが、画素列A1の画素値は元画像において構造が同一の部分(エッジの左側の構造)を表す画素値にノイズが重畳したものであり、画素列A2の画素値は元画像の構造の他の同一部分(エッジ)を表す画素値にノイズが重畳したものであり、画素列A3の画素値は元画像の構造のさらに他の同一部分(エッジの右側の構造)を表す画素値にノイズが重畳したものであるから、残差平方和はいずれも実質的にノイズの残差平方和だけとなり、PVも実質的にノイズの残差平方和の総和となる。
【0237】
これに対して、他の画素グループ群では、画素グループ構成が元画像の構造に適合しないため、構造を異にする部分にまたがって形成された画素グループが含まれる。そのような画素グループではノイズに加えて構造の相違に基づく残差平方和の増加がある。したがって、画素グループ群のPVが増加する。
【0238】
図6に示した画素マトリクスにおいて、元画像のエッジが画素列A1に一致しているときは、図12の(b)に示すように、画素列A1の画素値はエッジを表す値を持ち、画素列A2の画素値および画素列A3の画素値はエッジの右側の構造を表す値を持つ。ただし、実際はそれらにノイズが重畳している。
【0239】
このような構造に対しては、画素列A1を1つの画素グループとし、画素列A2,A3を一緒にしたものを他の画素グループとする2グループ構成の画素グループ群が元画像の構造に適合し、そのPVが最小になる。
【0240】
また、図6に示した画素マトリクスにおいて、元画像のエッジが画素列A3に一致しているときは、図12の(c)に示すように、画素列A3の画素値はエッジを表す値を持ち、画素列A1の画素値および画素列A2の画素値はエッジの左側の構造を表す値を持つ。ただし、実際はそれらにノイズが重畳している。
【0241】
このような構造に対しては、画素列A1,A2を一緒にしたものを1つの画素グループとし、画素列A3を他の画素グループとする2グループ構成の画素グループ群が元画像の構造に適合し、そのPVが最小になる。
【0242】
エッジの方向が横方向であるときは、図7に示した画素列B1,B2,B3の組み合わせからなる3つの画素グループ群のいずれか1つのPVが最小になる。エッジの方向が右上がりの45°方向であるときは、図8に示した画素列C1,C2,C3の組み合わせからなる3つの画素グループ群のいずれか1つ、または、図10に示した画素列E1,E2,E3の組み合わせからなる3つの画素グループ群のいずれか1つのPVが最小になる。
【0243】
エッジの方向が左上がりの45°方向であるときは、図9に示した画素列D1,D2,D3の組み合わせからなる3つの画素グループ群のいずれか1つ、または、図11に示した画素列F1,F2,F3の組み合わせからなる3つの画素グループ群のいずれか1つのPVが最小になる。
【0244】
画素グループ群が元画像の構造に適合するときのPVの最小値は、実質的にノイズの残差平方和に等しくなる。ノイズの残差平方和は、ノイズの分散に画素グループ群の画素数を掛けたものに相当する。そこで、PVについては、最小値の代わりに、ノイズの分散に画素グループ群の画素数を掛けて得られる値に最も近い値を抽出し、この値を持つ画素グループ群を選択するようにしても良い。
【0245】
次に、ステップ512で、画素グループの画素の平均値を計算する。平均値の計算に用いる画素は、ステップ510で選択した画素グループ群における、注目画素kを含む画素グループの画素である。
【0246】
選択された画素グループ群が、例えば、画素列A1,A2,A3をそれぞれ1つの画素グループとする3グループ構成の画素グループ群であるときは、注目画素kを含む画素グループは画素列A2であることにより、画素列A2の平均画素値が計算される。
【0247】
選択された画素グループ群が、例えば、画素列A1を1つの画素グループとし、画素列A2,A3を一緒にしたものを他の画素グループとする2グループ構成の画素グループ群であるときは、注目画素kを含む画素グループは画素列A2,A3を一緒にしたものであることにより、画素列A2,A3の平均画素値が計算される。
【0248】
選択された画素グループ群が、例えば、画素列A1,A2を一緒にしたものを1つの画素グループとし、画素列A3を他の画素グループとする2グループ構成の画素グループ群であるときは、注目画素kを含む画素グループは画素列A1,A2を一緒にしたものであることにより、画素列A1,A2の平均画素値が計算される。
【0249】
選択された画素グループ群が、画素列B1〜B3、C1〜C3、D1〜D3、E1〜E3またはF1〜F3のいずれかで構成される画素グループからなるものである場合も、上記に準じて注目画素kを含む画素グループの平均画素値が求められる。
【0250】
平均画素値の計算に用いる画素値は局所領域における元画像の構造に適合した画素グループの画素値であるから、局所領域における元画像の構造を反映した画素値を得ることができる。また複数の画素値の平均であるからノイズが除去される。すなわち、元画像の構造を強調しつつノイズを除去した画素値を得ることができる。このようにして求めた平均画素値を、注目画素kの新たな画素値とする。
【0251】
このようにして1つの注目画素の画素値を確定した後に、ステップ514で、全ての注目画素について以上の処理を済ませたか否かを判定し、未済の場合はステップ516で注目画素を変更する。これによって例えば隣の画素が新たな注目画素となる。
【0252】
この新たな注目画素について、ステップ504〜512の処理が行われ、その画素値が確定する。以下同様にして、元画像における全ての注目画素が逐一処理される。全ての注目画素の画素値を確定した後に、ステップ518で、確定済みの画素値Pf1によって画像を形成する。
【0253】
注目画素は元画像を構成する全画素である。なお、必ずしもそれに限るものではなく、必要に応じて、例えば元画像における関心領域(ROI:Regionof Interest)等、予め設定した領域の画素であって良い。ステップ512および518の処理を行うデータ処理部170は、本発明における画像形成手段の実施の形態の一例である。
【0254】
このようにして形成した画像は、ノイズが少なくかつ局所領域における元画像の構造を適正に強調したものとなる。すなわち、元画像をフィルタリングして品質を高めた画像を得ることができる。フィルタリングした画像はメモリに記憶し、また、表示部180に表示する。
【0255】
上記のようなフィルタリングを行った画像は、従来より可能性は小さいものの、細部構造を強調する副作用として、ノイズの影響を受けた画素の組み合わせによっては実際には存在しない構造すなわち偽構造を現出することがあり得る。
【0256】
そこで、そのような副作用を除去する処理を付加したフィルタリングを行う。図13に、そのようなフィルタリングの動作のフローチャートを示す。同図において図5に示した動作と同様な動作は同一の符号を付して説明を省略する。なお、ステップ512の処理を行うデータ処理部170は、本発明における第1の画素値計算手段の実施の形態の一例である。
【0257】
ステップ512の処理の次に、ステップ520で、PVの最小値と最大値の比w1を求める。すなわち、
【0258】
【数4】
【0259】
次に、ステップ522で、局所領域の画素値の平均値
【0260】
【数5】
【0261】
を計算する。平均値を求める局所領域は、ステップ510で選択した画素グループ群が存在する局所領域である。したがって、選択した画素グループ群が、例えば、図10または図11に示した菱形の局所領域に存在するときは、この領域の平均画素値が求められる。ステップ522の処理を行うデータ処理部170は、本発明における第2の画素値計算手段の実施の形態の一例である。
【0262】
次に、ステップ524で、
【0263】
【数6】
【0264】
すなわち、画素グループの平均画素値と、
【0265】
【数7】
【0266】
すなわち領域の画素値の平均値を、次式によって重み付け加算する。以下、画素グループの平均画素値をグループ平均画素値ともいい、局所領域の平均画素値を領域平均画素値ともいう。また、局所領域における元画像の構造を、単に元画像の構造ともいう。
【0267】
【数8】
【0268】
ただし、重み係数
【0269】
【数9】
【0270】
はw1の単調増加関数であり、例えば図14に実線で示すような特性を持つ。なお、特性曲線は図示のような上に凸の特性に限るものではなく、破線で示すような下に凸の特性であって良く、または、一点鎖線で示すような直線であっても良い。
【0271】
グループ平均画素値と領域平均画素値を重み付け加算することにより、加算によって得られる画素値Pf2においては、グループ平均画素値の寄与度が重みに応じて変化する。重みはw1すなわち画素値のPVの最小値と最大値の比の関数であり、比が1に近づくほどグループ平均画素値の重みが減じて領域平均画素値の重みが増す。
【0272】
画素値のPVの最小値と最大値の比が1に近いということは、画素グループ群のどれをとってもPVの値が同じようなものになることを意味し、これは、領域にエッジ等の目立った構造がなく画素値の相違はノイズによるものである可能性が高いことを意味している。
【0273】
そこで、そのような場合には領域平均画素値の重みを大きくしてその寄与度を上げるとともに、グループ平均画素値の重みを小さくしてその寄与度を下げる。領域に目立った構造がない可能性が高いことにより、領域平均画素値の寄与度を上げても画像の鮮鋭さを損なうおそれはなく、むしろ、グループ平均画素値の寄与度を下げることによりその副作用を減殺する効果の方が大きい。
【0274】
これに対して、画素値のPVの最小値と最大値の比が0に近いということは、領域にはエッジ等の目立った構造がある可能性が高いことを意味しているので、グループ平均画素値の重みを大きくしてその寄与度を上げるとともに、領域平均画素値の重みを小さくしてその寄与度を下げる。
【0275】
以上の処理を全ての注目画素について逐一行い、得られた画素値Pf2により、ステップ524で画像を形成する。注目画素は元画像を構成する全画素である。なお、必ずしもそれに限るものではなく、必要に応じて、例えば元画像における関心領域等、予め設定した領域の画素であって良い。ステップ524および526の処理を行うデータ処理部170は、本発明における画像形成手段の実施の形態の一例である。
【0276】
このように処理した画像では、グループ平均画素値の持つ性質を生かしつつその副作用を除去することができる。したがって、元画像をフィルタリングして品質をさらに高めた画像を得ることができる。フィルタリングした画像はメモリに記憶し、また、表示部180に表示する。
【0277】
以上のような画像処理では、局所領域における元画像の特徴的な構造が局所領域を通過するエッジであることを前提にしている。このため、元画像の構造がこの前提に合わないときは、グループ平均画素値は元画像の構造を適正に反映したものにならない。
【0278】
すなわち、例えば元画像の構造が、図15に示すように、縦、横、斜めのいずれの方向においても、局所領域の一端から他端まで同一の構造が繋がらないときは、注目画素kを含む画素グループには構造を異にする部分の画素が必ず含まれる。したがって、そのような画素グループの平均値は構造を異にする複数の部分の平均値となるので、この部分に関しては鮮鋭度が低下する。
【0279】
このような現象を回避する処理を付加したフィルタリングのフローチャートを図16に示す。同図において図13に示した処理と同様な処理は同一の符号を付し説明を省略する。なお、ステップ524処理を行うデータ処理部170は、本発明における加算手段の実施の形態の一例である。
【0280】
ステップ524で画素値Pf2を求めた後に、ステップ528で、PVの最小値をNで割ったものとノイズの分散との比w2を求める。すなわち、
【0281】
【数10】
【0282】
なお、NはPVの最小値を与える画素グループ群における画素の総数である。これにより、PVの最小値をNで割ったものは、PVの最小値を与える画素グループ群の画素値の分散を表す。以下、これを画素値の分散の最小値という。
【0283】
次に、ステップ530で、画素値Pf2と元画像の注目画素kの画素値Poを次式によって重み付け加算する。以下、元画像の注目画素kの画素値を、単に元画像の画素値という。
【0284】
【数11】
【0285】
ただし、重み係数はw2の関数であり、例えば、
【0286】
【数12】
【0287】
で与えられる。
このような関数は、図17に示すような特性を持つ。すなわち、w2が1のとき関数の値も1となり、w2が1より大きい範囲ではw2が大きくなるほど関数値は0に向かって低下する。また、w2が1より小さい範囲ではw2が小さくなるほど関数値が0に向かって低下する。
【0288】
このような関数を用いてPf2とPoを重み付け加算することにより、画素値の分散の最小値とノイズの分散の比が1より大きくなるにつれて、Pf2の重みが減じてPoの重みが増す。
【0289】
画素値の分散の最小値とノイズの分散の比が1に近いということは、PVが最小となる画素グループ群が元画像の構造の適合することを意味する。そのような場合にはPf2の重みを大きくしてその寄与度を上げる。
【0290】
これに対して、画素値の分散の最小値とノイズの分散の比が1より大きいということは、PVが最小となる画素グループ群でさえも元画像の構造の適合しないことを意味する。そこで、そのような場合には元画像の画素値Poの重みを大きくしてその寄与度を上げるとともに、Pf2の重みを小さくしてその寄与度を下げる。これによって、元画像の構造を反映した画素値を得ることができる。
【0291】
また、画素値の分散の最小値とノイズの分散の比が1より小さい、すなわち、画素値の分散の最小値がノイズの分散より小さいということは、通常の画像ではありえないことであり、ノイズ等に過剰に適合している等の何らかの異常である可能性が高い。そのような場合にも、Pf2の重みを小さくしてその寄与度を下げるとともに、元画像の画素値Poの重みを大きくしてその寄与度を上げる。
【0292】
以上の処理を全ての注目画素について逐一行い、得られた画素値Pf3により、ステップ532で画像を形成する。注目画素は元画像を構成する全画素である。なお、必ずしもそれに限るものではなく、必要に応じて、例えば元画像における関心領域等、予め設定した領域の画素であって良い。ステップ530および532の処理を行うデータ処理部170は、本発明における画像形成手段の実施の形態の一例である。
【0293】
この画像では、元画像の特殊な構造を損なうことなく表現することができる。このようにして、元画像をより適切にフィルタリングした画像を得ることができる。フィルタリングした画像はメモリに記憶し、また、表示部180に表示する。
【0294】
以上の処理によって得られる画像は、一般的に、フィルタリングが極めて良く利いた画像となる。画像を観察する便宜上からは、フィルタリングの程度を適宜に調節可能にすることが要求される。
【0295】
図18に、そのような要求に応える処理を付加したフィルタリングのフローチャートを示す。同図において図16に示した処理と同様な処理は同一の符号を付し説明を省略する。
【0296】
なお、ステップ524の処理を行うデータ処理部170は、本発明における第1の加算手段の実施の形態の一例である。また、ステップ530およびステップ532の処理を行うデータ処理部170は、本発明における画像形成手段の実施の形態の一例である。
【0297】
ステップ532の処理の次に、ステップ534で操作者が重み係数αを設定する。次に、ステップ536で、画素値Pf3と元画像の画素値Poを、同一画素同士で次式によって重み付け加算する。
【0298】
【数13】
【0299】
ステップ536の処理を行うデータ処理部170は、本発明における第2の加算手段の実施の形態の一例である。
次に、ステップ538で、画素値Pf4により画像を形成する。重み係数αを用いてPf3とPoを重み付け加算することにより、αの値に応じて最終画像のフィルタリングの程度を所望の通りに調節することができる。この画像をメモリに記憶し、また、表示部180に表示する。
【0300】
以上のような機能をコンピュータに実現させるプログラムが、記録媒体に、コンピュータで読み取り可能なように記録される。記録媒体としては、例えば、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体およびその他の方式の適宜の記録媒体が用いられる。記録媒体は半導体記憶媒体であっても良い。本書では記憶媒体は記録媒体と同義である。
【0301】
以上、画像のフィルリングを磁気共鳴撮影装置のデータ処理部で行う例で説明したが、フィルタリングは、例えばEWS(Engineering WorkStation)やPC(personal computer)等、磁気共鳴撮影装置とは別体のデータ処理装置で行うようにしても良いのはもちろんである。
【0302】
また、画像撮影装置が磁気共鳴撮影装置である例で説明したが、それに限るものではなく、例えばX線CT(Computed Tomography)装置、X線撮影装置、PET(Positron Emission Tomography)、ガンマカメラ(γ camera)等、他の方式の画像撮影装置であって良い。
【0303】
また、医用画像を処理する例で説明したが、処理対象は医用画像に限るものではなく、例えば光学器械で撮影したディジタル画像等のノイズ除去にも一般的に適用することができる。
【0304】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、フィルタリングを適正に行う画像処理方法および装置、そのような画像処理機能をコンピュータに実現させるプログラムを記録した媒体、並びに、そのような画像処理装置を備えた画像撮影装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図3】図1または図2に示した装置が実行するパルスシーケンスの一例を示す図である。
【図4】図1または図2に示した装置が実行するパルスシーケンスの一例を示す図である。
【図5】図1または図2に示した装置が行う画像処理のフローチャートである。
【図6】局所領域の概念図である。
【図7】局所領域の概念図である。
【図8】局所領域の概念図である。
【図9】局所領域の概念図である。
【図10】局所領域の概念図である。
【図11】局所領域の概念図である。
【図12】画素グループ群の概念図である。
【図13】図1または図2に示した装置が行う画像処理のフローチャートである。
【図14】重み係数を示すグラフである。
【図15】局所領域における元画像の構造の概念図である。
【図16】図1または図2に示した装置が行う画像処理のフローチャートである。
【図17】重み係数を示すグラフである。
【図18】図1または図2に示した装置が行う画像処理のフローチャートである。
【符号の説明】
100,100’ マグネットシステム
102 主磁場コイル部
102’ 主磁場マグネット部
106,106’ 勾配コイル部
108,108’ RFコイル部
130 勾配駆動部
140 RF駆動部
150 データ収集部
160 制御部
170 データ処理部
180 表示部
190 操作部
300 対象
500 クレードル
Claims (17)
- 元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するともに注目画素を前記マトリクスの中心とし、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定し、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の中で最小値となる画素グループ群を選択し、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成することを特徴とする画像処理方法。 - 元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するとともに注目画素を前記マトリクスの中心とする領域設定手段と、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定する画素グループ設定手段と、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の中で最小値となる画素グループ群を選択する選択手段と、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するとともに注目画素を前記マトリクスの中心とする領域設定手段と、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定する画素グループ設定手段と、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の中で最小値となる画素グループ群を選択する選択手段と、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、
前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、
前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するとともに注目画素を前記マトリクスの中心とする領域設定手段と、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定する画素グループ設定手段と、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残 差平方和の総和の中で最小値となる画素グループ群を選択する選択手段と、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、
前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、
前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する加算手段と、
前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するとともに注目画素を前記マトリクスの中心とする領域設定手段と、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定する画素グループ設定手段と、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の中で最小値となる画素グループ群を選択する選択手段と、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、
前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、
前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する第1の加算手段と、
前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、
前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する第2の加算手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するとともに注目画素を前記マトリクスの中心とする領域設定手段と、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定する画素グループ設定手段と、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の中で、前記元画像のノイズの分散に画素グループ群における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ群を選択する選択手段と、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するとともに注目画素を前記マトリクスの中心とする領域設定手段と、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定する画素グループ設定手段と、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の中で、前記元画像のノイズの分散に画素グループ群における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ群を選択する選択手段と、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、
前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、
前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するとともに注目画素を前記マトリクスの中心とする領域設定手段と、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定する画素グループ設定手段と、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の中で、前記元画像のノイズの分散に画素グループ群における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ群を選択する選択手段と、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、
前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、
前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する加算手段と、
前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するとともに注目画素を前記マトリクスの中心とする領域設定手段と、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定する画素グループ設定手段と、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の中で、前記元画像のノイズの分散に画素グループ群における画素数を掛けたものに最も近くなる画素グループ群を選択する選択手段と、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を求める第1の画素値計算手段と、
前記領域の平均画素値を求める第2の画素値計算手段と、
前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する第1の加算手段と、
前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算した画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、
前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する第2の加算手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 前記形成した画像と前記元画像を重み付け加算する重み係数は調節可能であることを特徴とする請求項5または請求項9に記載の画像処理装置。
- 前記画素グループの平均画素値と前記領域の平均画素値とを重み付け加算する重み係数は、
前記画素グループ群ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および最大値の関数であることを特徴とする請求項3ないし請求項5、請求項7ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置。 - 前記関数は、
前記残差平方和の総和の最小値と最大値が等しいとき前記領域の平均画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値が最大値に対して小さくなるほど前記領域の平均画素値に対する重みを小さくする関数であることを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。 - 前記重み付け加算して得られた画素値と前記注目画素の画素値とを重み付け加算する重み係数は、
前記画素グループ群ごとに求めた前記画素グループの画素値の残差平方和の総和の最小値および前記元画像のノイズの分散の関数であることを特徴とする請求項4、請求項5、請求項8ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置。 - 前記関数は、
前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ群における画素数で割ったものと前記ノイズの分散が等しいとき前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを最大とし、前記残差平方和の総和の最小値を前記画素グループ群における画素数で割ったものと前記ノイズの分散の違いが大きくなるほど前記重み付け加算して得られた画素値に対する重みを小さくする関数であることを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。 - 請求項2ないし請求項14のうちのいずれか1つに記載の画像処理装置において、
前記領域設定手段は、前記注目画素を含んで画素が斜め方向に並んだ画素グループと平行して並ぶ(N−1)個の画素グループを含む菱形の局所的な領域を更に設定するとともに前記注目画素を前記菱形の中心とし、
前記画素グループ設定手段は、前記菱形の局所的な領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複せずこの画素グループと平行に並ぶN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において右斜め方向及び左斜め方向に並ぶように2個の画素グループ群を更に設定することを特徴とする画像処理装置。 - 元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するともに注目画素を前記マトリクスの中心とし、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定し、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の中で最小値となる画素グループ群を選択し、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータにより読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体。 - 対象から信号を収集する信号収集手段と、
前記収集した信号に基づいて元画像を生成する元画像生成手段と、
元画像においてNは3以上の奇数であるN×Nの画素のマトリクスである局所的な領域を設定するとともに注目画素を前記マトリクスの中心とする領域設定手段と、
前記領域において前記注目画素を含むN個の画素からなる1個の画素グループおよびこの画素グループの画素と重複しないN個の画素からなる(N−1)個の画素グループを設 定したものを1つの画素グループ群とし、前記注目画素を含む画素グループの画素が前記領域において縦方向、横方向、右斜め方向又は左斜め方向に並ぶように複数の画素グループ群を設定する画素グループ設定手段と、
前記設定した複数の画素グループ群それぞれについて求めた画素グループの画素値の残差平方和の総和の中で最小値となる画素グループ群を選択する選択手段と、
前記選択した画素グループ群における前記注目画素を含む画素グループの平均画素値を前記注目画素の新たな画素値として画像を形成する画像形成手段と、を具備することを特徴とする画像撮影装置。
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