JP3998793B2 - Precipitated silica and method for producing the same - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な沈降シリカおよびその製造方法に関する。詳しくは、特に、エラストマーや樹脂等の基材マトリックス中に充填した場合に、優れた補強性能を発現する沈降シリカである。
【0002】
【従来の技術】
珪酸アルカリを酸で中和し、得られた反応スラリー中の固形成分を回収、乾燥して得られる二酸化珪素は、沈降シリカあるいはホワイトカーボンと呼ばれ、各種エラストマー、特に合成ゴムの補強充填剤、農薬の担体、新聞用紙の填料、合成樹脂の配合剤、塗料・接着剤・印刷インキ等の増粘剤、練り歯みがきの配合剤等々、幅広い用途に使用されている。
【0003】
沈降シリカは、上記の用途のうち、特にエラストマーや樹脂の充填剤として使用される場合、その補強効果においてバランスのとれた性能を発揮することが要求される。
【0004】
従来の沈降シリカ、特に、微粒子径のため比表面積が大きいシリカでは、エラストマーや樹脂の物性の1つに対しては効果的に働くが、その代わり他の物性が悪化することが指摘されてきた。一例として、動的物性である貯蔵弾性率を高める目的で微粒子径のシリカを製造しても、引っ張り強度の低下を招き、バランスのとれた補強性能が得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、エラストマーや樹脂等の基材マトリックス中に充填した場合に、高い貯蔵弾性率と引っ張り強度の向上とを両立し得る、バランスのとれた補強性能をもつ沈降シリカの開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような問題点を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、沈降シリカの細孔分布とエラストマーや樹脂等の基材マトリックス中に混合した場合の基材に及ぼすシリカの補強効果との関係について、以下のような知見を得た。
【0007】
従来の沈降シリカの製造方法においては、シリカの比表面積を大きくすると、シリカ粒子の粒子径が揃いがちで、そのため、シリカ粒子同士の凝集によって形成される細孔の孔径分布(以下、「細孔分布」ともいう)がシャープになる傾向がある。
【0008】
本発明者らの確認によれば、S(CTAB)が180〜270m2/gの範囲にある従来のシリカの1つは、ピーク細孔半径が70〜100オングストロームの間にあって、その前後の50〜70オングストローム、または、100〜150オングストロームの細孔半径を有する細孔の容積の割合が比較的小さかった。
【0009】
このような比表面積と細孔分布との関係が生じる理由は下記の機構によるものと推定される。即ち、珪酸アルカリ水溶液の鉱酸による中和で合成される沈降シリカの生成過程は、一般に、大別すると3段階で構成される。まず、▲1▼核粒子の生成が起こる。これは、中和反応で生成するシリカの濃度が反応系の温度、pH等の条件で決まる一定の濃度を上まわったときに起こる。次に、核粒子がある程度成長した後、▲2▼凝集が起こる。その後、▲3▼粒子の成長がさらに進行して最終シリカが得られる。比表面積が大きいシリカ、すなわち、粒子径が小さいシリカは、▲3▼の粒子成長が十分に進行していないシリカであって、そのようなシリカは、粒子径に差がつきにくく、その結果、粒子間の空隙である細孔のサイズに差がなく、細孔分布がシャープになる。
【0010】
そして、上記した従来の比表面積の大きい沈降シリカがバランスのとれた補強性能を達成できなかった理由は、細孔分布がシャープとなることに起因し、該細孔分布をブロードとするほど、それをエラストマーや樹脂等の基材マトリックス中に充填した場合に、応用物性として高い貯蔵弾性率と引っ張り強度の向上とを両立する方向に改善されることを見い出した。
【0011】
さらに、そのような比表面積が大きく、かつ、細孔分布がブロードの沈降シリカは、低温で珪酸アルカリ水溶液中に珪酸アルカリ水溶液と鉱酸とを同時に添加してシリカを析出させ、析出したシリカが凝集した後に、高温に昇温する方法によって得られることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)の吸着により測定した比表面積(S(CTAB))が180〜270m/gであって、水銀圧入法により測定した細孔分布に関して、細孔半径400オングストローム以下の細孔の容積に占める50オングストローム以上、70オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が10〜30%、70オングストロームを越え、100オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が20〜40%、および100オングストロームを越え、150オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が10〜30%の範囲にあり、且つ、窒素吸着法により測定した比表面積(S(BET))と水銀圧入法により測定した比表面積(S(PO))との比S(BET)/S(PO)が0.8〜1.0となる比表面積を有することを特徴とする沈降シリカを提供する。
【0014】
また、本発明の沈降シリカのもう一つの有利な態様として、水銀圧入法により測定した細孔分布に関して、細孔半径400オングストローム以下の細孔の容積に占める50オングストローム以上、150オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が50%以上であるものをも提供する。
【0015】
さらに、本発明は、そのような沈降シリカを製造する方法として、珪酸アルカリ水溶液中に珪酸アルカリ水溶液と鉱酸とを反応系の温度を40〜7℃に保ちながら同時に添加してシリカを析出せしめ、該シリカの凝集を確認した後に、反応系の温度を90〜100℃に昇温し、且つ、pHをアルカリ側に制御することを特徴とする沈降シリカの製造方法を提供する。
【0016】
上述の方法で製造された沈降シリカは、比表面積が大きいにもかかわらずブロードな細孔分布をもつため、これをエラストマーや樹脂に充填した場合、動的粘弾性と引っ張り強度の2つの性能を両立し、その意味でバランスのとれた補強効果を達成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の沈降シリカは、S(CTAB)が180〜270m2/gであり、好ましくは190〜260m2/gがよく、さらに好ましくは200〜250m2/gであるという特徴を有する。
【0018】
即ち、S(CTAB)の値は、一般にエラストマーや樹脂の物性値との相関がとれやすい指標とされる。従って、S(CTAB)が180m2/gより小さいとシリカによる補強効果が不十分となるので好ましくない。また、270m2/gより大きいS(CTAB)である場合、シリカの表面活性が高くなって、シリカ同士の凝集が強くなり適度な分散を困難にするだけでなく、ろ過性能の悪化や容器への付着等が起こり易く、取扱いが困難な粉体となるため好ましくない。
【0019】
本発明の沈降シリカは、水銀圧入法により測定した細孔分布に関して、細孔半径400オングストローム以下の細孔の容積に占める細孔半径50オングストローム以上、70オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が10〜30%、70オングストロームを越え、100オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が20〜40%、および100オングストロームを越え、150オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が10〜30%の範囲にあることに最大の特徴を有する。
【0020】
水銀圧入法により測定した細孔分布に関して、上記特定の範囲を満足する本発明の沈降シリカは、従来シリカとは異なって、微粒子でありながらその細孔分布がブロードであることを表す。
【0021】
従って、上記特定の細孔容積の割合が本発明の範囲外にある、シャープな細孔分布をもつシリカは、エラストマーや樹脂等の基材マトリックス中に充填した場合、その補強効果に対して動的粘弾性と引っ張り強度の2つの性能を両立することができない。また、上記値よりさらにブロードな細孔分布をもつ沈降シリカは製造することが困難である。
【0022】
尚、本発明の沈降シリカにおいて、細孔半径400オングストロームを越える細孔については特に制限されない。
【0023】
即ち、細孔半径400オングストローム以下の細孔は、それと同じ程度の大きさの微小なシリカ凝集粒子がエラストマーや樹脂中で分散する過程に影響を及ぼすが、細孔半径400オングストロームよりも大きい細孔、特に1000オングストロームを超える細孔はそのような分散過程に実質的な影響を及ぼさないことが確認された。
【0024】
本発明の沈降シリカは、上記の特徴を満足するものであれば良いが、本発明の沈降シリカについて、特に、好ましい態様として下記の態様が挙げられる。
【0025】
本発明では、細孔半径400オングストローム以下の細孔の容積に占める、50オングストローム以上、150オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が50%以上であることが好ましい。かかる範囲の細孔は、沈降シリカが基材マトリックス中で分散するために有効なファクターであり、その割合が高いほど好ましい。
【0026】
また、本発明の沈降シリカは、窒素吸着法により測定した比表面積(S(BET))と水銀圧入法により測定した比表面積(S(PO))の比表面積値の比S(BET)/S(PO)が0.8〜1.0、特に好ましくは0.85以上、1.0未満の範囲を満足するものが好適である。
【0027】
即ち、比表面積の比S(BET)/S(PO)が0.8〜1.0の範囲にあるとき、沈降シリカはエラストマーや樹脂との混練り初期のなじみがよく、また、エラストマーや樹脂との混練り過程で容易に破壊して分散し易いために好適である。
【0028】
一般に、窒素分子のサイズは4オングストローム程度と考えられ、窒素吸着法においては、試料がもっているそれと同じ程度の大きさの細孔の中にまで窒素が入り込んで吸着現象が起こるとされている。一方、本発明の水銀ポロシメーターでは2000barまで圧力を加えられるので、細孔半径37.5オングストロームまでの細孔が測定される。そのため、従来の沈降シリカ等の微細孔構造をもつ物質では、一般に、S(BET)値のほうがS(PO)値より大きくなる。
【0029】
これに対して、本発明の上記好ましい態様の沈降シリカでは、S(PO)値がS(BET)値より大きいか、または、等しいものであり、このようなシリカは、凝集粒子内部に微細孔を閉じ込めた構造、すなわち、その意味でクローズドポアをもつシリカであると考えられる。これは、後述するシリカ製造の過程で、凝集粒子の外部表面にある微粒子が溶解されて凹凸がなくなると同時に、溶解した成分が細孔入口付近に析出して細孔入口を閉塞するため、その内部に微粒子およびその微粒子が形成する微細孔が内包されると推定される。単純なモデルでは、凝集粒子の外部表面上に薄膜状のシリカ層が形成されることが想像される。窒素吸着法による比表面積の測定では、窒素分子が外部表面薄膜状部分のみに吸着して内部に閉じ込められた微細孔にまで入り込めず、その分だけ比表面積値が小さくなると考えられる。これに対して、水銀圧入法では、最大2000barの圧力が加えられるので、凝集粒子外部表面上の薄膜状シリカ層を壊しながら細孔の測定がなされ、内包されている微細孔にまで測定範囲が及ぶため、その分だけ窒素吸着法による比表面積値より大きな値になるのであろう。
【0030】
その他に、本発明の沈降シリカについて、好ましい粉体物性として、以下のような値を挙げることができる。
【0031】
本発明のシリカの比表面積に関しては、S(BET)は180〜280m2/g、および、S(PO)は180〜300m2/gの範囲に入ることが一般的である。
【0032】
本発明のシリカの細孔半径400オングストローム以下の細孔の容積は0.7〜2.0mL/gの範囲、好ましくは、0.9〜1.6mL/gの範囲がよい。この範囲では、細孔径と同じ程度の大きさのシリカ凝集粒子の適度な分散が達成されやすくなる。
【0033】
また、ジブチルフタレート吸油量(以下、「DBP吸油量」と略す)は100〜300ml/100gであることが好ましい。この範囲にあると、混練り時に良好な分散性が得られる。
【0034】
更に、見掛け比重は、0.20〜0.35g/mlの範囲が好ましい。この範囲にあると、混練り時に良好な作業性が得られる。
【0035】
更にまた、水分量は、3〜10wt%がよい。この範囲にあると、混練り時の良好な作業性、および、シランカップリング剤との良好な反応性が得られる。
【0036】
本発明において、上述のような沈降シリカを製造する方法は、特に制限されるものではないが、代表的な製造方法として下記の方法を挙げることができる。
【0037】
すなわち、珪酸アルカリ水溶液中に珪酸アルカリ水溶液と鉱酸とを反応系の温度を40〜75℃に保ちながら同時に添加してシリカを析出せしめ、該シリカの凝集を確認した後に、反応系の温度を90〜100℃に昇温することを特徴とする沈降シリカの製造方法が挙げられる。
【0038】
上記のように、本発明の沈降シリカは、珪酸アルカリを出発原料として、これに鉱酸を加えて中和沈澱させる、いわゆる湿式法によって製造される。
【0039】
本発明の沈降シリカの製造方法は、予め温度を調整した珪酸アルカリ水溶液の中に、珪酸アルカリ水溶液と鉱酸とを液中アルカリ濃度が一定となるように同時に添加して中和沈澱させる方法であって、公知の方法に対して、特に、反応系の温度の制御方法に特徴を有する。
【0040】
以下の説明において、簡便のために、反応系の温度を40〜7℃に保って珪酸アルカリ水溶液中に珪酸アルカリ水溶液と鉱酸とを同時添加する段階を「低温反応」、昇温後に90〜100℃に保持する段階を「高温反応」と表記することにする。
【0041】
本発明の方法で使用する珪酸アルカリ水溶液は、一般に使用されているものを何ら制限なく使用することができる。例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等が使用でき、珪酸ナトリウムが一般的で好ましい。珪酸アルカリ水溶液中に溶解しているシリカとアルカリのモル比SiO2/M2O(Mはアルカリ金属を表し、例えば、M=Na、K等である)は、一般に、SiO2/M2O=2〜4が使用でき、SiO2/M2O=3.0〜3.5が好適である。反応に使用するときの濃度はSiO2濃度で表示した場合、10〜200g−SiO2/Lまで水で希釈することが望ましい。また、SiO2に対してAl23が0.1〜1.0重量%−Al23/SiO2の濃度で含まれている珪酸アルカリ水溶液を用いることもできる。さらにまた、珪酸アルカリ水溶液中に電解質、一般的には硫酸ナトリウムを、1〜100g/L程度混合させてもよい。
【0042】
本発明の方法で使用する鉱酸は、珪酸アルカリ水溶液と中和反応を起こすものであれば特に限定されない。硫酸、塩酸、硝酸等が使用でき、このうち、硫酸が汎用的で好ましい。一般的に用いられる硫酸は、200〜250g−H2SO4/Lの濃度にまで水で希釈して使用される。
【0043】
上記添加する珪酸アルカリ水溶液および鉱酸の供給方法は、特に限定されるものではなく、同時添加反応時の反応系の温度、pH、および、反応液あるいは反応スラリー中のシリカ濃度が制御できれば良い。即ち、適当な濃度の珪酸アルカリ水溶液および鉱酸を、反応液あるいは反応スラリーへ上部より滴下してもよいし、供給口を直接反応液中に入れて供給してもよい。また、濃度調整のために、珪酸アルカリ水溶液、鉱酸の他に、別途に水を供給してもよい。
【0044】
また、反応液あるいは反応スラリーは反応系の濃度が均一になるように攪拌することが望ましい。かかる攪拌方法は公知の方法を特に制限なく使用することができ、例えば、攪拌羽根で混合してもよいし、反応液の一部を取り出して別の部分へ混合するような循環装置を使用してもよい。
【0045】
本発明の方法では、反応液あるいは反応スラリー中のアルカリ濃度が一定となるように珪酸アルカリ水溶液と鉱酸とを同時に添加することが望ましい。また、かかるアルカリ濃度はpHで表すと、pH9〜11、好ましくは、pH9.2〜10.5である。従って、そのような範囲のpHとなるように珪酸アルカリ水溶液および鉱酸の添加濃度、添加速度等のバランスを取ることが望ましい。
【0046】
本発明の方法では、低温反応において細孔分布のブロードな凝集粒子を生成させ、高温反応において凝集粒子の外部表面の微粒子を溶解することに特徴をもつが、反応系のpH値をアルカリ側に制御すれば、目的とする細孔分布が得やすく、また、より容易に微粒子の溶解が進行するので好ましい。
【0047】
本発明の方法において、低温反応では、珪酸アルカリ水溶液に珪酸アルカリ水溶液と鉱酸とを同時に添加するとき、反応系の温度を40〜70℃に保つ必要がある。該温度は、好ましくは、45〜70℃、さらに好ましくは、50〜70℃である。
【0048】
上記低温反応の温度が40℃より低いと、反応速度が小さくなって反応を制御することが困難になるので、好ましくない。また、7℃より高いと、目的とするブロードな細孔分布が得られなくなる
【0049】
一般に、同時添加による沈降シリカの製造においては、反応系の温度が低いほど形成されるシリカ粒子の粒子径が不揃いである。反対に、高温になるほど粒子径の揃ったシリカが生成する。このことは、反応系が高温であるほど、生成するシリカの析出限界粒子径が大きくなって、それよりも小さい微粒子はその温度では溶解してしまうことで説明される。本発明で規定するような細孔分布をもつ沈降シリカを製造するには、粒子径が適度に不揃いである必要があり、そのために低温反応における温度の制御が重要となる。
【0050】
本発明の方法では、低温反応で析出したシリカが凝集したことを確認した後に、昇温して高温反応を行わなければならない。
【0051】
一般に、同時添加による沈降シリカの製造においては、反応系の温度、pHに応じた一定のシリカ濃度に到達すると、析出したシリカ粒子どうしの凝集が起こる。かかるシリカの凝集は、反応スラリーの急激な粘度上昇現象によって確認することができる。
【0052】
シリカの凝集の前に反応系を昇温した場合、低温反応で生成した微粒子が凝集粒子に内包される前に溶解し、目的とするブロードな細孔分布が得られ難い。
【0053】
前記した昇温は、シリカ凝集の後であれば、いつ昇温を開始してもよく、所定量の珪酸アルカリ水溶液および鉱酸の添加を終了した後に昇温して、熟成時間をとる方法によって高温反応を実施してもよい。
【0054】
すなわち、本発明の方法における高温反応では、90〜100℃において珪酸アルカリ水溶液および鉱酸の同時添加を実施してもよいし、添加することなく同温度を保持するという意味で熟成を実施してもよい。
【0055】
熟成には、沈殿した沈降シリカを安定にする目的があり、高温反応の時間が、90〜100℃での珪酸アルカリ水溶液と鉱酸の同時添加の時間と熟成の時間の合計で30分間以上となるように、熟成時間をとることが好ましい。さらに好ましくは、35〜120分間程度がよい。
【0056】
本発明の方法において、昇温は、どのような方法でも制限なく実施することができる。例えば、スチームを反応液あるいは反応スラリーに吹き込んでもよいし、反応容器内に発熱体を入れて加熱してもよい。あるいは、反応容器の外部からスチームあるいは発熱体で加熱してもよい。
【0057】
本発明の方法では、昇温後の高温反応の温度は、90〜100℃にする必要がある。好ましくは、92〜98℃がよい。
【0058】
90℃より小さいと、凝集粒子外部表面の微粒子の溶解が不十分となって凹凸が残存し、エラストマーや樹脂に混練りするときの初期の噛み込みが悪くなるので好ましくない。また、100℃を超える条件を達成することは難しく、熱コスト上も好ましくない。
【0059】
高温反応では、低温反応で生成した粒子径の不揃いなシリカ粒子から構成される凝集粒子の外部表面の微粒子が溶解され、その成分が凝集粒子のもつ細孔の入口付近に析出して細孔を閉塞すると推定される。その結果、薄膜状のシリカ層に覆われたモデルで説明されるように、粒子径が不揃いのシリカ粒子が形成するブロードな細孔分布の細孔を内部に閉じ込めた凝集粒子が生成すると考えられる。
【0060】
本発明では、沈降シリカを安定にする目的で、高温反応を実施した後、反応液のpHが2〜6になるまで鉱酸のみを添加して中和反応を完結させることが好ましい。
【0061】
本発明の製造方法では、中和反応が完結し、全てのシリカが析出した時点での反応スラリー中のシリカ濃度を30〜80g/L、好ましくは、40〜70g/Lとすることが望ましい。これは、S(CTAB)を目的の範囲にし易いからである。
【0062】
本発明において、以上のようにして得られた沈降シリカは、ろ過、洗浄、乾燥等、後処理することによって、適当な嵩比重やDBP吸油量を有するものとなる。それらの後処理方法は、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。
【0063】
例えば、反応スラリーをフィルタープレスでろ過、洗浄して得られたケークを静置乾燥する方法や、反応スラリーをフィルタープレスでろ過、洗浄した後、適度な濃度にしたスラリーを噴霧乾燥する方法等が挙げられる。
【0064】
また、嵩比重を補強用充填材に適合する大きさまで調整する目的で、公知の方法を用いて粉砕処理あるいは造粒処理を施すこともできる。さらに、補強用充填剤として特異な性能を付与するため、公知の方法を用いて、シリコーンオイル等で表面改質することも可能である。
【0065】
以下に、本発明の方法の代表的な実施態様を示す。
【0066】
先ず、反応槽に予め所定の濃度に調製した珪酸アルカリ水溶液の一定量を入れ、40〜7℃の目的温度に調整する。攪拌しながら、液中のアルカリ濃度が一定となるように珪酸アルカリ水溶液および鉱酸の同時添加を開始する。まず、核が析出し、次に、凝集が起こって反応スラリーの粘度が上昇することを確認した後、任意の時点で同時添加を一旦停止して、昇温する。90〜100℃の目的温度に到達したら、珪酸アルカリ水溶液と鉱酸の同時添加を再開するか、または、そのままの温度で熟成を実施する。その後、必要に応じて鉱酸のみを添加し、反応スラリーのpHを2〜6とする。最後に、ろ過によって沈降シリカを回収し、水による洗浄を行って、乾燥する。さらに必要に応じて、粉砕処理、造粒処理、および、表面改質処理を施す。
【0067】
【作用】
本発明が提供する沈降シリカは、高い比表面積を有すると共にブロードな細孔分布をもつため、樹脂、エラスマー等の基材マトリックス中に充填した場合に、適度に分散してバランスのとれた応用物性を発現するものと推定される。
【0068】
【実施例】
以下に実施例・比較例を示し、本発明の特徴を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0069】
本発明で実施した各物性値の測定方法を示す。
【0070】
(1)セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)の吸着による比表面積(S(CTAB))の測定
ASTM D3765−92記載の方法に準拠して実施した。
【0071】
ただし、ASTM D3765−92の方法はカーボンブラックのS(CTAB)を測定する方法なので、若干の改良を加えた方法とした。すなわち、カーボンブラックの標品であるITRB(83.0m2/g)を使用せず、別途にCTAB標準液を調製し、これによってエアロゾルOT溶液の標定を行い、シリカ表面に対するCTAB1分子当たりの吸着断面積を35平方オングストロームとしてCTABの吸着量から比表面積を算出した。これは、カーボンブラックとシリカとでは表面状態が異なるので、同一比表面積でもCTABの吸着量に違いがあると考えられるからである。
【0072】
(2)水銀圧入法による細孔分布、および、比表面積(S(PO))の測定
カルロ・エルバ社製 ポロシメーター2000型にて測定した。本装置では、Washburnの関係式に接触角θ=141.3゜、水銀の表面張力σ=480dyne/cmを採用している。2000barまで加圧するので、測定範囲は細孔半径37.5〜約75000オングストロームであった。
【0073】
(3)窒素吸着法による比表面積(S(BET))の測定
S. Brunauer, P. H. Emmett, E. Teller, J. Am. Chem. Soc. 60(1), 309 (1938)に記載された理論に基づいて、一点法と呼ばれる簡便測定法として一般に設計、市販されている測定装置(柴田科学器械工業社製 迅速表面積測定装置SA−1100型)によって実施した。
【0074】
(4)DBP吸油量の測定
JIS K6220 に準拠して測定した。
【0075】
(5)見掛け比重の測定
JIS K6220 に準拠して測定した。
【0076】
(6)水分量の測定
試料を105℃の乾燥器で2時間乾燥した後の重量変化を測定し、重量減少率で表わした。
【0077】
実施例1
シリカとアルカリのモル比SiO2/Na2O=3.35の珪酸ナトリウムを使用して、まず、10Lの反応槽にシリカ濃度が10g/Lの珪酸ナトリウム溶液を2.2L仕込んだ。攪拌羽根で反応液を十分に攪拌しながら、加熱して該反応溶液の温度を65℃にし、この温度を保持した状態で、同じモル比でシリカ濃度90g/Lの珪酸ナトリウム溶液を36mL/minの添加速度で、また、濃度220g/Lの硫酸を6.2mL/minの添加速度で同時に添加を開始した。60分経過後、反応槽内の粘度が上昇しているのを確認したので、珪酸ナトリウム溶液および硫酸の同時添加を中断して、昇温した。その30分後、反応スラリーの温度は95℃となった。この温度を維持しながら、珪酸ナトリウム溶液および硫酸の同時添加を再開した。添加速度は65℃での反応と同じとし、95℃での同時添加は65分間実施した。同時添加終了後、95℃を保持したまま攪拌を継続し、5分間熟成した。その後、95℃のまま硫酸をpHが3.5になるまで添加した。この時点での反応スラリー中のシリカ濃度(以下、最終シリカ濃度という)は、56g/Lであった。この反応スラリーをろ過、水洗し、回収したシリカケークを150℃乾燥器内で乾燥した。
【0078】
得られたシリカのS(CTAB)は201m2/g、また、S(BET)は217m2/g、S(PO)は231m2/gであった。比表面積の比S(BET)/S(PO)は0.94となる。水銀ポロシメーターによる細孔分布においては、細孔半径400オングストローム以下の細孔の容積は1.27mL/gであり、その中に占める50〜70オングストロームの細孔の容積の割合が11%、70〜100オングストロームの細孔の容積の割合が23%、100〜150オングストロームの細孔の容積の割合が29%、したがって、50〜150オングストロームの細孔の容積を総計した割合は63%であった。
【0079】
以上の粉体物性を表1にまとめて示す。
【0080】
実施例2
低温反応の温度を55℃とし、高温(95℃)での同時添加時間を70分間にした以外は、実施例1と同様の方法で沈降シリカを製造した。反応スラリーの最終シリカ濃度は56g/Lであった。
【0081】
得られたシリカの粉体物性は表1に示す。
【0082】
実施例3
高温反応の温度を98℃、高温での同時添加時間を60分間とした以外は、実施例1と同様の方法で沈降シリカを製造した。反応スラリーの最終シリカ濃度は55g/Lであった。
【0083】
得られたシリカの粉体物性は表1に示す。
【0084】
実施例4
高温反応の温度を90℃、高温での同時添加時間を60分間とし、同時添加終了後の熟成時間を20分間にした以外は、実施例1と同様の方法で沈降シリカを製造した。反応スラリーの最終シリカ濃度は55g/Lであった。
【0085】
得られたシリカの粉体物性表1に示す。
【0086】
実施例5
高温(95℃)での同時添加時間を37分間とし、同時添加終了後の熟成時間を23分間にした以外は、実施例1と同様の方法で沈降シリカを製造した。反応スラリーの最終シリカ濃度は52g/Lであった。
【0087】
得られたシリカの粉体物性は表1に示す。
【0088】
実施例6
低温(65℃)反応での同時添加時間を90分間、高温(95℃)での同時添加時間を30分間とし、同時添加終了後の熟成時間を40分間にした以外は、実施例1と同様の方法で沈降シリカを製造した。反応スラリーの最終シリカ濃度は55g/Lであった。
【0089】
得られたシリカの粉体物性は表1に示す。
【0090】
実施例7
低温反応の温度を55℃、低温において130分間の同時添加をした後、昇温して、高温(95℃)では同時添加はせず、そのかわり熟成時間を110分間にした以外は、実施例1と同様の方法で沈降シリカを製造した。反応スラリーの最終シリカ濃度は56g/Lであった。
【0091】
得られたシリカの粉体物性は表1に示す。
【0092】
比較例1
反応温度を85℃で一定とし、同時添加時間を115分間、同時添加終了後の同温度(85℃)での熟成時間を10分間とした以外は、実施例1と同様の方法で沈降シリカを製造した。反応スラリーの最終シリカ濃度は55g/Lであった。
【0093】
得られたシリカの粉体物性を表1に示す。
【0094】
比較例2
シリカとアルカリのモル比SiO2/Na2O=3.00の珪酸ナトリウムを使用して、まず、10Lの反応槽にシリカ濃度が40g/Lの珪酸ナトリウム溶液を7.5L、および、無水硫酸ナトリウム172gを仕込んだ。攪拌羽根で反応液を十分に攪拌しながら、加熱して該反応溶液の温度を40℃にし、この温度を保持した状態で、濃度220g/Lの硫酸を20mL/minの添加速度で15分間添加した。その後、反応液を50分間で95℃まで昇温した。昇温途中で反応槽内の粘度が上昇しているのを確認した。95℃に保持した反応スラリーに、再び同じ濃度の硫酸の添加を、添加速度4.9mL/minで90分間にわたって実施した。硫酸添加終了後の反応スラリーのpHは5.5、反応スラリー中のシリカ濃度は36g/Lであった。この反応スラリーをろ過、水洗し、回収したシリカケークを150℃乾燥器内で乾燥した。
【0095】
得られたシリカの粉体物性を表1に示す。
【0096】
【表1】

Figure 0003998793
【0097】
用途例1〜7、比較用途例1、2
本発明の沈降シリカを充填剤として使用した場合の補強効果を確認するため、実施例、比較例の各沈降シリカを以下の配合で混練りし、加硫物について応用物性を測定した。
【0098】
SBR1712 96.25重量部
BR01 30.0 重量部
沈降シリカ 70.0 重量部
シランカップリング剤Si69 7.0 重量部
ステアリン酸 2.0 重量部
パラフィンワックス 1.0 重量部
芳香族系プロセスオイル 7.0 重量部
老化防止剤6C 1.0 重量部
亜鉛華 4.0 重量部
加硫促進剤 CZ 1.5 重量部
硫黄 2.0 重量部
この配合物を160℃、15分間の条件で加硫した。
【0099】
応用物性値として、レオメトリックス社製動的粘弾性測定装置ARESにより、25℃、周波数15Hzの条件で歪み分散を測定し、歪み1%のときの貯蔵弾性率(E’)を採用した。また、JIS K6251 に準拠して引っ張り試験を実施し、伸び300%時の引っ張り応力(M300)を採用した。
【0100】
表2には、応用物性の測定結果を比較例1の沈降シリカについての測定値を100とした場合の相対値で併記した。実施例1〜7の沈降シリカについてはいずれも100以上の値であって、E’とM300を両立していることが理解される。
【0101】
【表2】
Figure 0003998793
【0102】
【発明の効果】
以上の説明により理解されるように、本発明の沈降性シリカは、種々の基材、特に、樹脂、エラスマー等に充填材として添加した場合に、動的粘弾性と引っ張り強度を両立してバランスのとれた補強効果を発現する。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel precipitated silica and a method for producing the same. Specifically, it is a precipitated silica that exhibits excellent reinforcing performance, particularly when filled in a base matrix such as an elastomer or a resin.
[0002]
[Prior art]
Silicon dioxide obtained by neutralizing alkali silicate with acid and collecting and drying solid components in the obtained reaction slurry is called precipitated silica or white carbon, and is a reinforcing filler for various elastomers, especially synthetic rubber, It is used in a wide range of applications, such as agrochemical carriers, newsprint fillers, synthetic resin compounding agents, thickeners such as paints, adhesives and printing inks, and toothpaste compounding agents.
[0003]
Precipitated silica is required to exhibit balanced performance in its reinforcing effect, particularly when used as a filler for elastomers and resins among the above applications.
[0004]
It has been pointed out that conventional precipitated silica, particularly silica having a large specific surface area due to fine particle size, works effectively for one of the physical properties of elastomers and resins, but deteriorates other physical properties instead. . As an example, even when silica having a fine particle size was produced for the purpose of increasing the storage elastic modulus, which is a dynamic physical property, the tensile strength was lowered, and a balanced reinforcing performance could not be obtained.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, there has been a demand for the development of precipitated silica having a balanced reinforcing performance capable of achieving both a high storage elastic modulus and an improvement in tensile strength when filled in a base matrix such as an elastomer or a resin.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have found that the pore distribution of precipitated silica and the effect of silica on the base material when mixed in a base material matrix such as an elastomer or a resin The following findings were obtained regarding the relationship with the reinforcing effect of
[0007]
In the conventional method for producing precipitated silica, when the specific surface area of silica is increased, the particle diameters of the silica particles tend to be uniform. For this reason, the pore size distribution (hereinafter referred to as “pores”) formed by aggregation of the silica particles. There is a tendency for the distribution to be sharp.
[0008]
According to the confirmation of the present inventors, S (CTAB) is 180 to 270 m.2One of the conventional silicas in the / g range is for pores with a peak pore radius between 70 and 100 angstroms, with pore radii between 50 and 70 angstroms before or after, or 100 to 150 angstroms. The volume ratio was relatively small.
[0009]
The reason why such a relationship between the specific surface area and the pore distribution occurs is presumed to be due to the following mechanism. That is, the production process of precipitated silica synthesized by neutralization of an alkaline silicate aqueous solution with a mineral acid is generally divided into three stages. First, (1) nuclear particles are generated. This occurs when the concentration of silica produced by the neutralization reaction exceeds a certain concentration determined by conditions such as the temperature and pH of the reaction system. Next, (2) aggregation occurs after the core particles have grown to some extent. Thereafter, (3) the particle growth further proceeds to obtain the final silica. Silica having a large specific surface area, that is, silica having a small particle diameter, is a silica in which the particle growth of (3) is not sufficiently progressed, and such silica is unlikely to have a difference in particle diameter. There is no difference in the size of the pores, which are voids between particles, and the pore distribution becomes sharp.
[0010]
The reason why the conventional precipitated silica having a large specific surface area cannot achieve balanced reinforcement performance is that the pore distribution becomes sharper. It has been found that when a base matrix such as an elastomer or a resin is filled, it can be improved in the direction of achieving both high storage elastic modulus and improved tensile strength as applied physical properties.
[0011]
Further, such precipitated silica having a large specific surface area and broad pore distribution is obtained by simultaneously adding an aqueous alkali silicate solution and a mineral acid into an aqueous alkali silicate solution at a low temperature to precipitate the silica. After aggregating, it was confirmed that it was obtained by a method of raising the temperature to a high temperature, and the present invention was completed.
[0012]
  That is, the present invention has a specific surface area (S (CTAB)) measured by adsorption of cetyltrimethylammonium bromide (CTAB) of 180 to 270 m.2As for the pore distribution measured by the mercury intrusion method, the ratio of the volume of pores having a pore radius of 50 angstroms or more and 70 angstroms or less to the pore volume having a pore radius of 400 angstroms or less is 10-30%, the volume of pores having a pore radius of more than 70 angstroms and having a pore radius of 100 angstroms or less, 20-40%, and the volume of pores having a pore radius of more than 100 angstroms and less than 150 angstroms Is in the range of 10-30%And the ratio S (BET) / S (PO) of the specific surface area (S (BET)) measured by the nitrogen adsorption method and the specific surface area (S (PO)) measured by the mercury intrusion method is 0.8 to Having a specific surface area of 1.0A precipitated silica is provided.
[0014]
Further, as another advantageous embodiment of the precipitated silica of the present invention, with respect to the pore distribution measured by mercury porosimetry, pores having a pore radius of not less than 50 angstroms and not more than 150 angstroms occupying the pore volume having a pore radius of 400 angstroms or less. Also provided are those having a volume ratio of pores having a radius of 50% or more.
[0015]
  Furthermore, in the present invention, as a method for producing such precipitated silica, the temperature of the reaction system is adjusted to 40 to 7 with an alkali silicate aqueous solution and a mineral acid in an alkali silicate aqueous solution.0At the same time, while keeping the temperature, the silica was precipitated to confirm the aggregation of the silica, and then the temperature of the reaction system was raised to 90-100 ° C.And control the pH to the alkali side.A method for producing precipitated silica is provided.
[0016]
Precipitated silica produced by the method described above has a broad pore distribution despite its large specific surface area. Therefore, when it is filled in an elastomer or resin, it has two properties: dynamic viscoelasticity and tensile strength. It is compatible and can achieve a balanced reinforcement effect in that sense.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The precipitated silica of the present invention has S (CTAB) of 180 to 270 m.2/ G, preferably 190-260 m2/ G is good, more preferably 200 to 250 m2/ G.
[0018]
That is, the value of S (CTAB) is generally an index that is easily correlated with the physical property values of elastomers and resins. Therefore, S (CTAB) is 180m2If it is smaller than / g, the reinforcing effect by silica becomes insufficient, such being undesirable. 270m2When S (CTAB) is greater than / g, the surface activity of the silica is increased, the silica is strongly agglomerated, making it difficult to disperse appropriately, as well as deterioration in filtration performance and adhesion to the container. This is not preferable because it tends to occur and is difficult to handle.
[0019]
The precipitated silica of the present invention has a pore distribution measured by the mercury intrusion method, and has a pore radius having a pore radius of 50 angstroms or more and 70 angstroms or less occupying the volume of pores having a pore radius of 400 angstroms or less. A volume fraction of 10-30%, greater than 70 angstroms, and a pore volume fraction having a pore radius of less than 100 angstroms, 20-40%, and a pore radius greater than 100 angstroms, with a pore radius of less than 150 angstroms The greatest feature is that the volume ratio of the pores is in the range of 10 to 30%.
[0020]
Unlike the conventional silica, the precipitated silica of the present invention that satisfies the specific range described above with respect to the pore distribution measured by the mercury intrusion method represents that the pore distribution is broad while being fine particles.
[0021]
Accordingly, silica having a sharp pore distribution whose ratio of the specific pore volume is outside the range of the present invention has an effect on its reinforcing effect when filled in a base matrix such as elastomer or resin. The two performances of mechanical viscoelasticity and tensile strength cannot be achieved. Moreover, it is difficult to produce precipitated silica having a broader pore distribution than the above values.
[0022]
In the precipitated silica of the present invention, pores having a pore radius exceeding 400 angstroms are not particularly limited.
[0023]
That is, pores having a pore radius of 400 angstroms or less affect the process in which fine silica aggregate particles of the same size are dispersed in an elastomer or resin, but pores having a pore radius larger than 400 angstroms In particular, it was confirmed that pores in excess of 1000 angstroms have no substantial effect on such dispersion processes.
[0024]
The precipitated silica of the present invention is not particularly limited as long as it satisfies the above-described characteristics, but the following aspects are particularly preferable as the precipitated silica of the present invention.
[0025]
In the present invention, the ratio of the volume of pores having a pore radius of 50 angstroms or more and 150 angstroms or less to the volume of pores having a pore radius of 400 angstroms or less is preferably 50% or more. Such a range of pores is an effective factor for dispersing the precipitated silica in the base matrix, and the higher the ratio, the better.
[0026]
In addition, the precipitated silica of the present invention has a specific surface area ratio S (BET) / S of a specific surface area (S (BET)) measured by a nitrogen adsorption method and a specific surface area (S (PO)) measured by a mercury intrusion method. (PO) is preferably from 0.8 to 1.0, particularly preferably from 0.85 to less than 1.0.
[0027]
That is, when the ratio S (BET) / S (PO) of the specific surface area is in the range of 0.8 to 1.0, the precipitated silica is well-kneaded with the elastomer or resin, and the elastomer or resin It is preferable because it is easily broken and dispersed in the kneading process.
[0028]
In general, the size of the nitrogen molecule is considered to be about 4 angstroms. In the nitrogen adsorption method, it is said that the adsorption phenomenon occurs when nitrogen enters the pores having the same size as that of the sample. On the other hand, in the mercury porosimeter of the present invention, since pressure can be applied up to 2000 bar, pores up to a pore radius of 37.5 angstroms are measured. For this reason, in a conventional substance having a fine pore structure such as precipitated silica, the S (BET) value is generally larger than the S (PO) value.
[0029]
On the other hand, in the precipitated silica of the preferred embodiment of the present invention, the S (PO) value is greater than or equal to the S (BET) value, and such silica has fine pores inside the aggregated particles. It is considered that this is a silica with a closed pore, that is, silica having a closed pore in that sense. This is because in the process of silica production described later, fine particles on the outer surface of the aggregated particles are dissolved and the unevenness disappears, and at the same time, the dissolved components precipitate near the pore inlet and block the pore inlet. It is presumed that fine particles and fine pores formed by the fine particles are encapsulated inside. In a simple model, it is envisioned that a thin silica layer is formed on the outer surface of the agglomerated particles. In the measurement of the specific surface area by the nitrogen adsorption method, it is considered that the nitrogen molecules are adsorbed only on the outer surface thin film portion and cannot enter the fine pores confined inside, and the specific surface area value is reduced accordingly. On the other hand, in the mercury intrusion method, a maximum pressure of 2000 bar is applied, so that the pores are measured while breaking the thin-film silica layer on the outer surface of the aggregated particles, and the measurement range extends to the included fine pores. Therefore, it will be larger than the specific surface area by the nitrogen adsorption method.
[0030]
In addition, the following values can be given as preferable powder properties of the precipitated silica of the present invention.
[0031]
Regarding the specific surface area of the silica of the present invention, S (BET) is 180 to 280 m.2/ G and S (PO) are 180 to 300 m2Generally, it is in the range of / g.
[0032]
The volume of pores having a pore radius of 400 angstroms or less of the silica of the present invention is in the range of 0.7 to 2.0 mL / g, preferably in the range of 0.9 to 1.6 mL / g. In this range, moderate dispersion of the silica aggregate particles having the same size as the pore diameter is easily achieved.
[0033]
The dibutyl phthalate oil absorption (hereinafter abbreviated as “DBP oil absorption”) is preferably 100 to 300 ml / 100 g. Within this range, good dispersibility can be obtained during kneading.
[0034]
Furthermore, the apparent specific gravity is preferably in the range of 0.20 to 0.35 g / ml. When in this range, good workability can be obtained during kneading.
[0035]
Furthermore, the water content is preferably 3 to 10 wt%. Within this range, good workability during kneading and good reactivity with the silane coupling agent can be obtained.
[0036]
In the present invention, the method for producing the precipitated silica as described above is not particularly limited, but the following method can be exemplified as a typical production method.
[0037]
That is, the alkali silicate aqueous solution and the mineral acid were simultaneously added to the alkali silicate aqueous solution while keeping the temperature of the reaction system at 40 to 75 ° C. to precipitate silica, and after confirming the aggregation of the silica, the temperature of the reaction system was changed. Examples thereof include a method for producing precipitated silica, characterized in that the temperature is raised to 90 to 100 ° C.
[0038]
As described above, the precipitated silica of the present invention is produced by a so-called wet method in which an alkali silicate is used as a starting material and a mineral acid is added thereto to neutralize and precipitate.
[0039]
The method for producing precipitated silica according to the present invention is a method in which an alkali silicate aqueous solution and a mineral acid are simultaneously added to an alkali silicate aqueous solution whose temperature has been adjusted in advance so that the alkali concentration in the liquid becomes constant and neutralized and precipitated. In contrast to known methods, the method is particularly characterized by a method for controlling the temperature of the reaction system.
[0040]
  In the following description, the temperature of the reaction system is set to 40 to 7 for convenience.0The step of simultaneously adding the alkali silicate aqueous solution and the mineral acid to the alkali silicate aqueous solution while maintaining the temperature is denoted as “low temperature reaction”, and the step of maintaining the temperature at 90 to 100 ° C. after the temperature rise is denoted as “high temperature reaction”.
[0041]
As the alkali silicate aqueous solution used in the method of the present invention, those generally used can be used without any limitation. For example, sodium silicate, potassium silicate, etc. can be used, and sodium silicate is common and preferred. Molar ratio of silica to alkali dissolved in alkali silicate aqueous solution SiO2/ M2O (M represents an alkali metal, eg, M = Na, K, etc.) is generally SiO 22/ M2O = 2 to 4 can be used, SiO2/ M2O = 3.0 to 3.5 is preferred. The concentration used in the reaction is SiO2When expressed as a concentration, 10 to 200 g-SiO 22It is desirable to dilute to / L with water. In addition, SiO2Against Al2OThree0.1 to 1.0% by weight-Al2OThree/ SiO2It is also possible to use an alkali silicate aqueous solution contained in a concentration of Furthermore, an electrolyte, generally sodium sulfate, may be mixed in the alkali silicate aqueous solution in an amount of about 1 to 100 g / L.
[0042]
The mineral acid used in the method of the present invention is not particularly limited as long as it causes a neutralization reaction with an alkali silicate aqueous solution. Sulfuric acid, hydrochloric acid, nitric acid and the like can be used, and among these, sulfuric acid is versatile and preferable. Generally used sulfuric acid is 200 to 250 g-H.2SOFourUsed diluted with water to a concentration of / L.
[0043]
The method for supplying the alkali silicate aqueous solution and the mineral acid to be added is not particularly limited as long as the temperature and pH of the reaction system during the simultaneous addition reaction and the silica concentration in the reaction solution or the reaction slurry can be controlled. That is, an alkali silicate aqueous solution and a mineral acid having appropriate concentrations may be dropped into the reaction solution or reaction slurry from the top, or the supply port may be directly put into the reaction solution. Further, in order to adjust the concentration, water may be separately supplied in addition to the alkali silicate aqueous solution and the mineral acid.
[0044]
Moreover, it is desirable to stir the reaction solution or the reaction slurry so that the concentration of the reaction system becomes uniform. As the stirring method, known methods can be used without particular limitation. For example, the stirring method may be performed by mixing with a stirring blade, or a circulating device that takes out a part of the reaction liquid and mixes it with another part may be used. May be.
[0045]
In the method of the present invention, it is desirable to add the aqueous alkali silicate solution and the mineral acid at the same time so that the alkali concentration in the reaction solution or reaction slurry is constant. Moreover, when this alkali concentration is represented by pH, it is pH 9-11, Preferably, it is pH 9.2-10.5. Therefore, it is desirable to balance the addition concentration, addition rate, etc. of the alkali silicate aqueous solution and the mineral acid so that the pH is in such a range.
[0046]
The method of the present invention is characterized in that the aggregated particles having a broad pore distribution are generated in the low temperature reaction and the fine particles on the outer surface of the aggregated particles are dissolved in the high temperature reaction, but the pH value of the reaction system is set to the alkali side. Control is preferable because the desired pore distribution can be easily obtained and the dissolution of the fine particles can be more easily proceeded.
[0047]
  In the method of the present invention, in the low temperature reaction, when the alkali silicate aqueous solution and the mineral acid are simultaneously added to the alkali silicate aqueous solution, the temperature of the reaction system is set to 40 to 40.70Must be kept at ℃. The temperature is preferably from 45 to 45.70° C, more preferably 50-70 ° C.
[0048]
  When the temperature of the low-temperature reaction is lower than 40 ° C., the reaction rate becomes small and it becomes difficult to control the reaction, which is not preferable. 70If it is higher than ℃, the desired broad pore distribution cannot be obtained..
[0049]
In general, in the production of precipitated silica by simultaneous addition, the particle diameters of silica particles formed are uneven as the temperature of the reaction system is lower. On the contrary, as the temperature increases, silica with a uniform particle size is generated. This is explained by the fact that the higher the temperature of the reaction system, the larger the precipitation limit particle diameter of the silica produced, and the smaller particles dissolve at that temperature. In order to produce a precipitated silica having a pore distribution as defined in the present invention, it is necessary that the particle diameters are moderately irregular. For this reason, it is important to control the temperature in a low-temperature reaction.
[0050]
In the method of the present invention, it is necessary to carry out the high temperature reaction by raising the temperature after confirming that the silica precipitated by the low temperature reaction has aggregated.
[0051]
In general, in the production of precipitated silica by simultaneous addition, when a certain silica concentration according to the temperature and pH of the reaction system is reached, aggregation of precipitated silica particles occurs. Such agglomeration of silica can be confirmed by a sudden viscosity increase phenomenon of the reaction slurry.
[0052]
When the temperature of the reaction system is increased before the silica is aggregated, the fine particles generated by the low-temperature reaction are dissolved before being encapsulated in the aggregated particles, and it is difficult to obtain a desired broad pore distribution.
[0053]
The temperature increase described above may be started at any time as long as it is after silica agglomeration, and the temperature is increased after completion of the addition of a predetermined amount of the alkali silicate aqueous solution and the mineral acid, and the aging time is taken. A high temperature reaction may be carried out.
[0054]
That is, in the high temperature reaction in the method of the present invention, the alkali silicate aqueous solution and the mineral acid may be simultaneously added at 90 to 100 ° C., or the maturation is performed in the sense that the same temperature is maintained without addition. Also good.
[0055]
Aging has the purpose of stabilizing the precipitated precipitated silica, and the time of the high temperature reaction is 30 minutes or more in total of the time of simultaneous addition of the alkali silicate aqueous solution and mineral acid at 90 to 100 ° C. and the time of aging. Thus, it is preferable to take an aging time. More preferably, it is about 35 to 120 minutes.
[0056]
In the method of the present invention, the temperature can be raised without any limitation by any method. For example, steam may be blown into the reaction solution or reaction slurry, or a heating element may be placed in the reaction vessel and heated. Or you may heat with the steam or a heat generating body from the exterior of reaction container.
[0057]
In the method of the present invention, the temperature of the high temperature reaction after the temperature rise needs to be 90 to 100 ° C. Preferably, 92-98 degreeC is good.
[0058]
When the temperature is lower than 90 ° C., the dissolution of the fine particles on the outer surface of the aggregated particles is insufficient and unevenness remains, and the initial biting when kneaded into the elastomer or resin is deteriorated. In addition, it is difficult to achieve conditions exceeding 100 ° C., which is not preferable in terms of heat cost.
[0059]
In the high-temperature reaction, fine particles on the outer surface of the aggregated particles composed of silica particles with irregular particle sizes generated by the low-temperature reaction are dissolved, and the components are deposited near the inlet of the pores of the aggregated particles to form the pores. Presumed to be occluded. As a result, as explained in the model covered with a thin-film silica layer, it is considered that aggregated particles are formed in which pores with a broad pore distribution formed by silica particles with irregular particle sizes are confined inside. .
[0060]
In the present invention, for the purpose of stabilizing the precipitated silica, it is preferable to complete the neutralization reaction by adding only the mineral acid until the pH of the reaction solution becomes 2 to 6 after carrying out the high temperature reaction.
[0061]
In the production method of the present invention, the silica concentration in the reaction slurry at the time when the neutralization reaction is completed and all the silica is precipitated is preferably 30 to 80 g / L, and more preferably 40 to 70 g / L. This is because S (CTAB) can be easily set in the target range.
[0062]
In the present invention, the precipitated silica obtained as described above has an appropriate bulk specific gravity and DBP oil absorption by post-treatment such as filtration, washing and drying. The post-treatment method is not particularly limited, and a known method can be adopted.
[0063]
For example, a method of standing and drying the cake obtained by filtering and washing the reaction slurry with a filter press, a method of spray drying the slurry with an appropriate concentration after filtering and washing the reaction slurry with a filter press, etc. Can be mentioned.
[0064]
In addition, for the purpose of adjusting the bulk specific gravity to a size suitable for the reinforcing filler, pulverization treatment or granulation treatment can be performed using a known method. Furthermore, in order to impart unique performance as a reinforcing filler, it is possible to modify the surface with a silicone oil or the like using a known method.
[0065]
The following are representative embodiments of the method of the present invention.
[0066]
  First, a certain amount of alkali silicate aqueous solution prepared in advance to a predetermined concentration is put in a reaction tank, and 40-70Adjust to the target temperature of ℃. While stirring, the simultaneous addition of the alkali silicate aqueous solution and the mineral acid is started so that the alkali concentration in the liquid becomes constant. First, after confirming that nuclei are precipitated and then agglomeration occurs to increase the viscosity of the reaction slurry, simultaneous addition is temporarily stopped at an arbitrary time, and the temperature is raised. When the target temperature of 90 to 100 ° C. is reached, the simultaneous addition of the alkali silicate aqueous solution and the mineral acid is resumed, or aging is performed at the same temperature. Thereafter, only the mineral acid is added as necessary, and the pH of the reaction slurry is adjusted to 2-6. Finally, the precipitated silica is recovered by filtration, washed with water and dried. Furthermore, a pulverization process, a granulation process, and a surface modification process are performed as needed.
[0067]
[Action]
The precipitated silica provided by the present invention has a high specific surface area and a broad pore distribution. Therefore, when filled in a substrate matrix such as a resin or elastomer, it is appropriately dispersed and balanced in application properties. Is presumed to be expressed.
[0068]
【Example】
The features of the present invention will be specifically described below with reference to examples and comparative examples. However, the present invention is not limited to the following examples.
[0069]
The measuring method of each physical property value implemented by this invention is shown.
[0070]
(1) Measurement of specific surface area (S (CTAB)) by adsorption of cetyltrimethylammonium bromide (CTAB)
This was carried out in accordance with the method described in ASTM D3765-92.
[0071]
However, since the method of ASTM D3765-92 is a method of measuring S (CTAB) of carbon black, it is a method with some improvements. That is, the carbon black standard ITRB (83.0 m2/ G), prepare a CTAB standard solution separately, standardize the aerosol OT solution, and determine the specific surface area from the amount of CTAB adsorbed by setting the adsorption cross section per molecule of CTAB to 35 square angstroms on the silica surface. Calculated. This is because carbon black and silica have different surface states, and it is considered that there is a difference in the amount of CTAB adsorbed even with the same specific surface area.
[0072]
(2) Measurement of pore distribution and specific surface area (S (PO)) by mercury porosimetry
Measured with a Porosimeter 2000 model manufactured by Carlo Elba. In this apparatus, the contact angle θ = 141.3 ° and the mercury surface tension σ = 480 dyne / cm are employed in the Washburn relational expression. As the pressure was increased to 2000 bar, the measurement range was a pore radius of 37.5 to about 75000 angstroms.
[0073]
(3) Measurement of specific surface area (S (BET)) by nitrogen adsorption method
Based on the theory described in S. Brunauer, PH Emmett, E. Teller, J. Am. Chem. Soc. 60 (1), 309 (1938), it is generally designed and marketed as a simple measurement method called a one-point method. Measuring device (Rapid surface area measuring device SA-1100, manufactured by Shibata Kagaku Kikai Kogyo Co., Ltd.).
[0074]
(4) Measurement of DBP oil absorption
The measurement was performed according to JIS K6220.
[0075]
(5) Measurement of apparent specific gravity
The measurement was performed according to JIS K6220.
[0076]
(6) Measurement of moisture content
The weight change after the sample was dried for 2 hours in a dryer at 105 ° C. was measured and expressed in terms of weight reduction rate.
[0077]
Example 1
Silica to alkali molar ratio SiO2/ Na2First, 2.2 L of a sodium silicate solution having a silica concentration of 10 g / L was charged into a 10 L reactor using sodium silicate having O = 3.35. While sufficiently stirring the reaction solution with a stirring blade, the temperature of the reaction solution is heated to 65 ° C., and while maintaining this temperature, a sodium silicate solution having a silica concentration of 90 g / L at the same molar ratio is 36 mL / min. The addition of sulfuric acid having a concentration of 220 g / L was simultaneously started at an addition rate of 6.2 mL / min. After 60 minutes, since it was confirmed that the viscosity in the reaction vessel had increased, the simultaneous addition of the sodium silicate solution and sulfuric acid was interrupted, and the temperature was raised. After 30 minutes, the temperature of the reaction slurry reached 95 ° C. While maintaining this temperature, the simultaneous addition of sodium silicate solution and sulfuric acid was resumed. The addition rate was the same as the reaction at 65 ° C., and the simultaneous addition at 95 ° C. was performed for 65 minutes. After completion of the simultaneous addition, stirring was continued while maintaining 95 ° C., and aging was performed for 5 minutes. Thereafter, sulfuric acid was added at 95 ° C. until the pH reached 3.5. At this time, the silica concentration in the reaction slurry (hereinafter referred to as final silica concentration) was 56 g / L. The reaction slurry was filtered and washed with water, and the recovered silica cake was dried in a 150 ° C. drier.
[0078]
S (CTAB) of the obtained silica is 201m2/ G and S (BET) is 217m2/ G, S (PO) is 231m2/ G. The specific surface area ratio S (BET) / S (PO) is 0.94. In the pore distribution by the mercury porosimeter, the volume of the pores having a pore radius of 400 angstroms or less is 1.27 mL / g, and the proportion of the volume of the pores of 50 to 70 angstroms occupying therein is 11%, 70 to 70%. The volume ratio of 100 angstrom pores was 23%, the volume ratio of 100-150 angstrom pore volumes was 29%, and thus the total ratio of 50-150 angstrom pore volumes was 63%.
[0079]
The above powder physical properties are summarized in Table 1.
[0080]
Example 2
Precipitated silica was produced in the same manner as in Example 1 except that the temperature of the low temperature reaction was 55 ° C. and the simultaneous addition time at high temperature (95 ° C.) was 70 minutes. The final silica concentration of the reaction slurry was 56 g / L.
[0081]
The powder physical properties of the obtained silica are shown in Table 1.
[0082]
Example 3
Precipitated silica was produced in the same manner as in Example 1 except that the temperature of the high temperature reaction was 98 ° C. and the simultaneous addition time at high temperature was 60 minutes. The final silica concentration of the reaction slurry was 55 g / L.
[0083]
The powder physical properties of the obtained silica are shown in Table 1.
[0084]
Example 4
Precipitated silica was produced in the same manner as in Example 1 except that the temperature of the high temperature reaction was 90 ° C., the simultaneous addition time at high temperature was 60 minutes, and the aging time after completion of the simultaneous addition was 20 minutes. The final silica concentration of the reaction slurry was 55 g / L.
[0085]
The powder physical properties of the obtained silica are shown in Table 1.
[0086]
Example 5
Precipitated silica was produced in the same manner as in Example 1 except that the simultaneous addition time at a high temperature (95 ° C.) was 37 minutes and the aging time after completion of the simultaneous addition was 23 minutes. The final silica concentration of the reaction slurry was 52 g / L.
[0087]
The powder physical properties of the obtained silica are shown in Table 1.
[0088]
Example 6
Same as Example 1 except that the simultaneous addition time in the low temperature (65 ° C.) reaction was 90 minutes, the simultaneous addition time in the high temperature (95 ° C.) was 30 minutes, and the aging time after completion of the simultaneous addition was 40 minutes. Precipitated silica was produced by this method. The final silica concentration of the reaction slurry was 55 g / L.
[0089]
The powder physical properties of the obtained silica are shown in Table 1.
[0090]
Example 7
Example: Except that the low temperature reaction temperature was 55 ° C. and simultaneous addition was carried out for 130 minutes at low temperature, then the temperature was raised and simultaneous addition was not carried out at high temperature (95 ° C.), but instead the aging time was 110 minutes. In the same manner as in No. 1, precipitated silica was produced. The final silica concentration of the reaction slurry was 56 g / L.
[0091]
The powder physical properties of the obtained silica are shown in Table 1.
[0092]
Comparative Example 1
The precipitated silica was prepared in the same manner as in Example 1 except that the reaction temperature was constant at 85 ° C., the simultaneous addition time was 115 minutes, and the aging time at the same temperature (85 ° C.) after completion of the simultaneous addition was 10 minutes. Manufactured. The final silica concentration of the reaction slurry was 55 g / L.
[0093]
Table 1 shows the powder physical properties of the obtained silica.
[0094]
Comparative Example 2
Silica to alkali molar ratio SiO2/ Na2Using sodium silicate of O = 3.00, first, 7.5 L of a sodium silicate solution having a silica concentration of 40 g / L and 172 g of anhydrous sodium sulfate were charged into a 10 L reaction vessel. While sufficiently stirring the reaction solution with a stirring blade, the reaction solution is heated to a temperature of 40 ° C., and with this temperature maintained, sulfuric acid with a concentration of 220 g / L is added at an addition rate of 20 mL / min for 15 minutes. did. Thereafter, the reaction solution was heated to 95 ° C. in 50 minutes. It was confirmed that the viscosity in the reaction vessel increased during the temperature increase. To the reaction slurry kept at 95 ° C., the same concentration of sulfuric acid was again added for 90 minutes at an addition rate of 4.9 mL / min. The pH of the reaction slurry after completion of the addition of sulfuric acid was 5.5, and the silica concentration in the reaction slurry was 36 g / L. The reaction slurry was filtered and washed with water, and the recovered silica cake was dried in a 150 ° C. drier.
[0095]
Table 1 shows the powder physical properties of the obtained silica.
[0096]
[Table 1]
Figure 0003998793
[0097]
Application examples 1-7, comparative application examples 1, 2
In order to confirm the reinforcing effect when the precipitated silica of the present invention was used as a filler, the precipitated silicas of Examples and Comparative Examples were kneaded with the following composition, and applied physical properties of the vulcanizates were measured.
[0098]
SBR1712 96.25 parts by weight
BR01 30.0 parts by weight
Precipitated silica 70.0 parts by weight
Silane coupling agent Si69 7.0 parts by weight
Stearic acid 2.0 parts by weight
Paraffin wax 1.0 parts by weight
Aromatic process oil 7.0 parts by weight
Anti-aging agent 6C 1.0 part by weight
4.0 parts by weight of zinc white
Vulcanization accelerator CZ 1.5 parts by weight
2.0 parts by weight of sulfur
This blend was vulcanized at 160 ° C. for 15 minutes.
[0099]
As applied physical property values, strain dispersion was measured under the conditions of 25 ° C. and a frequency of 15 Hz using a rheometrics dynamic viscoelasticity measuring device ARES, and the storage elastic modulus (E ′) at a strain of 1% was adopted. Further, a tensile test was carried out in accordance with JIS K6251 and a tensile stress (M300) at an elongation of 300% was adopted.
[0100]
In Table 2, the measurement results of applied physical properties are also shown as relative values when the measured value for the precipitated silica of Comparative Example 1 is taken as 100. All of the precipitated silicas of Examples 1 to 7 have values of 100 or more, and it is understood that both E 'and M300 are compatible.
[0101]
[Table 2]
Figure 0003998793
[0102]
【The invention's effect】
As understood from the above description, the precipitated silica of the present invention balances dynamic viscoelasticity and tensile strength when added as a filler to various substrates, particularly resins and elastomers. Appears excellent reinforcement effect.

Claims (3)

セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)の吸着により測定した比表面積(S(CTAB))が180〜270m/gであって、水銀圧入法により測定した細孔分布に関して、細孔半径400オングストローム以下の細孔の容積に占める50オングストローム以上、70オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が10〜30%、70オングストロームを越え、100オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が20〜40%、および100オングストロームを越え、150オングストローム以下の細孔半径を有する細孔の容積の割合が10〜30%の範囲にあり、且つ、窒素吸着法により測定した比表面積(S(BET))と水銀圧入法により測定した比表面積(S(PO))との比S(BET)/S(PO)が0.8〜1.0となる比表面積を有することを特徴とする沈降シリカ。The specific surface area (S (CTAB)) measured by adsorption of cetyltrimethylammonium bromide (CTAB) is 180 to 270 m 2 / g, and the pore distribution measured by the mercury intrusion method is fine with a pore radius of 400 angstroms or less. The ratio of the volume of pores having a pore radius of 50 angstroms or more and 70 angstroms or less to the volume of pores is 10 to 30%, and the ratio of the volume of pores having a pore radius of more than 70 angstroms and 100 angstroms or less but 20-40%, and beyond 100 angstroms, Ri range near the proportion of 10-30% of the pore volume with the following pore radius 150 Å and a specific surface area measured by the nitrogen adsorption method (S (BET)) and the specific surface area (S (PO)) measured by mercury porosimetry. BET) / S (PO) is precipitated silica characterized by having a specific surface area to be 0.8 to 1.0. 水銀圧入法により測定した細孔分布に関して、細孔半径400オングストローム以下の細孔の容積に占める50〜150オングストロームの細孔半径を有する細孔の容積の割合が50%以上である請求項1記載の沈降シリカ。Respect pore distribution measured by mercury porosimetry, according to claim 1 Symbol proportion of pore volume having a pore radius of 50 to 150 Å occupying the volume of the following pore pore radius 400 Å is 50% or more Precipitated silica. 珪酸アルカリ水溶液中に珪酸アルカリ水溶液と鉱酸とを反応系の温度を40〜7℃に保ちながら同時に添加してシリカを析出せしめ、該シリカの凝集を確認した後に、反応系の温度を90〜100℃に昇温し、且つ、pHをアルカリ側に制御することを特徴とする沈降シリカの製造方法。Added simultaneously while maintaining the alkali silicate aqueous solution and a mineral acid in the alkali silicate aqueous solution the temperature of the reaction system to forty to seven 0 ° C. silica allowed the precipitate, after confirming the agglomeration of the silica, the temperature of the reaction system 90 the temperature was raised to to 100 ° C., and method for producing a precipitated silica, characterized in that controlling the pH to the alkaline side.
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