JP3987633B2 - 金属の保護皮膜形成用処理剤と形成方法 - Google Patents
金属の保護皮膜形成用処理剤と形成方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は広く亜鉛、ニッケル、銅、銀、鉄、カドミニウム、アルミニウム、マグネシウム及びこれらの合金ならびにこれらのめっきを施した金属材料に関する。特にこれらの金属に亜鉛または亜鉛合金で表面を被覆した金属材料に関する。より特には亜鉛または亜鉛合金で表面を被覆した鉄系材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛による鉄系材料の犠牲防食は最も効果的で経済的であるため、多くの鉄系材料は種々の方法により亜鉛または亜鉛合金により被覆をされており、建材、自動車、家電などの広い分野で利用されている。亜鉛による犠牲防食は、亜鉛及び鉄が接触した状況下で電池が形成され、卑な金属である亜鉛が陽極となり溶解することにより鉄の溶解を抑制するものである。よって、犠牲防食効果は、亜鉛の消失と同時に終了するため、効果の持続には亜鉛層の溶解の抑制が必要である。亜鉛層の溶解抑制を行わない場合、亜鉛めっきされた鉄系材料・部品は、亜鉛の錆である白錆がすぐに発生してしまう。亜鉛めっきに通常施される亜鉛層の保護方法としてリン酸塩皮膜処理とクロメ−ト皮膜処理があり、クロメ−ト皮膜処理はさらに電解クロメ−ト処理、塗布型クロメ−ト処理、反応型クロメ−ト処理の3種類に分類される。クロメート処理は亜鉛に限らずアルミニウムやカドミニウム、マグネシウムなどにも施される。
【0003】
リン酸塩皮膜処理は特開平3−107469に示されるように40〜50℃あるいは75℃付近まで加温された皮膜形成成分である亜鉛イオンとリン酸イオンならびにエッチング剤あるいは皮膜緻密化剤としてのフッ素イオンあるいは錯フッ化物イオンを必須成分とする処理液に浸漬し皮膜生成後、水洗した後乾燥を行う処理である。この方法で得られた皮膜の表面形態は燐酸亜鉛の針状結晶が折り重なるように生成された凹凸に激しい物であり、この表面形態が、この皮膜の目的である塗装の密着性の向上あるいは、塗装後の耐食性向上に寄与している。しかしながらこの皮膜は未塗装時防錆力(耐食性)が著しく不足している上、処理外観は無光沢の灰色〜灰白色で装飾性に乏しく、単独での使用は美観上好ましくないため、加工品などの部分塗装品や塗装を施さない品物には適さない欠点がある。リン酸塩皮膜はこのままでは、塗装密着性に乏しく、ブリスターと呼ばれる不良が発生し、耐食性も不十分であるため化成後シーリングと呼ばれる後処理を行なわなければならないが、この後処理剤の主成分はクロム酸(六価クロム)であり、リン酸塩皮膜も六価クロムの問題から逃れられない。また、リン酸塩皮膜は、フッ素イオンあるいは錯フッ化物イオンを含有しないと皮膜生成しないためこれらの物質が必須成分であるがこれらの物質は腐食性が強く、排出規制物質でもある。さらに処理温度が高く、加温のための設備やコストがかかる欠点を持っている。
【0004】
一方クロメ−ト皮膜はリン酸塩皮膜より未塗装でも耐食性に優れているが、クロメ−ト処理はいずれも有害な六価クロムを使用するため処理液のみならず、処理品から溶出する六価クロムが人体や環境へ悪影響があるとして近年、大きな問題となっている。これはクロメート皮膜が皮膜中の六価クロムにより、耐食性を発揮する皮膜である以上、如何ともしがたい問題である。このほかの問題として電解クロメ−ト処理は、電解によりクロメ−ト皮膜を化成するため、常に付き回りの問題が付いて回り、均一な皮膜化成が難しく、電流密度による品質(性能)のバラツキが生じる可能性がある。また電解中に発生するクロム酸ミストは他の方法より深刻な公害問題と成りうる。塗布型クロメ−ト処理はクロム酸を主成分とする酸性水溶液を金属表面に塗布した後、水洗せずに加熱乾燥する方法である。塗布型であるため電解クロメ−トと同様に複雑な形状に不向きであり、均一な厚みでの塗布を行うには対象物の制限を受けるが鋼板などへの適用へは支障がない。これに対し反応型クロメ−トは外観の均一性や複雑な形状の品物への適用性に優れており、安定した耐食性が得られ塗装下地だけでなく単独で使用される場合が多いが、六価クロムの公害上の課題を残している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、亜鉛、ニッケル、銅、銀、鉄、カドミニウム、アルミニウム、マグネシウム及びこれらの合金表面に保護皮膜を形成させるに当たり、有害な六価クロムを用いず、腐食性の強いフッ素化合物を必須成分とせず、均一で良好な外観と耐食性並びに塗装下地として優れた性能を兼ね備えた皮膜を生成させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意研究した結果、特定の金属を主成分の一つとした水性酸性液状組成物を用いた方法により従来技術における問題を解決する事を見いだした。すなわち、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Ce、Sr、三価のクロムの1種以上の供給源とリンの酸素酸、酸素酸塩あるいはこれらの無水物と酸化性物質の供給源を含有する水性酸性液状組成物または、0.01〜150g/Lの三価のクロムイオンと0.01〜100g/Lの塩素、フッ素、硫酸イオン、酢酸イオンを含有する水性酸性液状組成物または、0.01〜150g/Lの鉄、コバルト、ニッケル、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムと有機酸又は無機酸の一種以上と任意成分としてフッ素を含有する水性酸性液状組成物の層で被覆する工程と、水性酸性液状組成物層を濯ぎを行わずそのまま乾燥する工程とからなる方法により、六価クロムを用いずに美しい光沢のある外観と優れた耐食性、優れた塗装下地性を有する皮膜が生成可能であることを見い出した。また、皮膜形成後更に、ケイ素化合物含有水溶液、樹脂及び/又は無機コロイドまたはpHが7.5以上の水溶液に接触させる事により、更に耐食性が向上した保護皮膜が得られることが判明した。種々の方法で皮膜形成後、更に有機または無機およびこれらの複合防錆皮膜をオーバーコートする事により本発明の金属保護方法は非常にレベルの高い金属保護方法となる。また、本発明により得られた皮膜は、耐熱耐食性に優れており、従来のクロメ−ト皮膜の欠点であった加熱処理による耐食性の低下問題を解決する物であることが判明した。これらの他に浸漬でこの処理を行う場合に限らず塗布による場合も従来の処理設備をそのまま使用できる経済的メリットもこの方法の特徴でもある。
【0007】
本発明の詳細を述べると次の通りである。本発明の水性酸性液状組成物は、1)Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Ce、Sr、三価のクロムの金属カチオン、これらのオキシ金属アニオンなどの供給源とリンの酸素酸、酸素酸塩あるいはこれらの無水物塩と酸化性物質の供給源を含有する組成物、2)0.01〜150g/Lの三価のクロムイオンと0.01〜100g/Lの塩素、フッ素、硫酸イオン、酢酸イオン、蟻酸イオン、琥珀酸イオン、グリコール酸イオンから選ばれる1種以上を含有する組成物、3)0.01〜150g/Lの鉄、コバルト、ニッケル、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムから選ばれる一種以上と有機酸又は無機酸の一種以上と任意成分としてフッ素を含有する組成物がある。
【0008】
1)の組成物に於ける各成分の正確な挙動は不明であるがモリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、バナジン酸イオン、ニオブ酸イオン、タンタル酸イオン、三価のクロムイオンなどの各種金属供給源とリンの酸素酸、酸素酸塩あるいはこれらの無水物は皮膜の骨格をなす成分と推定され、酸化性物質はリン酸の酸素酸、酸素酸塩、これらの無水物の溶液中での電離を抑制し溶液の安定性を確保すると共に、亜鉛表面を適度にエッチングし、スム−ズな皮膜生成に寄与していると推測する。モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、バナジン酸イオン、ニオブ酸イオン、タンタル酸イオン、三価のクロムイオンのなどの金属供給源の総量は0.2〜300g/Lで0.5〜80g/Lが好ましい。これより少ないと良好な皮膜生成が行われ難く、皮膜が生成しなかったり、皮膜が薄く要求する機能が得られなかったりする。また、これより多量な場合、皮膜外観・光沢が低下したり、耐食性及び/または塗装密着性(塗装下地性)が低下したりする。加えるならば汲み出しによる経済的損失も大きくなり適当でない。これらの供給源としてバナジン酸アンモン、タングステン酸ソ−ダ、酢酸クロム、硝酸クロムなどが挙げられ、特に供給源を制限する物ではない。
【0009】
リンの酸素酸、酸素酸塩あるいはこれらの無水物は0.2〜300g/L好ましくは3〜90g/Lを含有する必要がある。これより少ないと良好な皮膜生成が行われ難く、皮膜が生成しなかったり、皮膜が薄く要求する機能が得られなかったりする。また、これより多量な場合、皮膜外観・光沢が低下したり、耐食性及び/または塗装密着性(塗装下地性)が低下したりする。加えるならば汲み出しによる経済的損失も大きくなり適当でない。
【0010】
リンの酸素酸として正リン酸はもとよりジ亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、過リン酸などが使用できる。酸化性物質として過酸化物、塩素酸、臭素酸、硝酸、ペルオクソ酸等が使用可能であるが、これらの金属塩を使用すれば金属と酸化性物質が同時に供給可能である。これらを0.2〜400g/L好ましくは2〜100g/L含有する。これより少量では液の安定性が低下したり、皮膜化成速度が不安定になり、多量では耐食性及び/または塗装密着性(塗装下地性)が低下したりする。加えるならば汲み出しによる経済的損失も大きくなり適当でない。また、いずれの場合も皮膜化成しない場合がある。pHは0.1〜6.5好ましくは1.0〜4.0が望ましい。これより低いと均一な皮膜化成が難しくなり、高いとやや耐食性が低下する傾向がある。pHの調整に用いる薬品は、高い場合は硝酸、硫酸などの酸を、低い場合はアンモニア、水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加すれば良く添加薬品を制限する物ではない。
これらの組成物の中でより良好な性能を示す組成物の組合せは0.01〜100g/Lの三価のクロムイオンと0.01〜100g/Lの硝酸イオンと0.1〜200g/Lのリン酸イオンを含有する組合せの組成物である。
【0011】
皮膜生成の処理条件に特に制限はなく、一般的反応型クロメート処理を行う条件(液温20〜30℃、処理時間20〜60秒、かく拌有り)や、処理時間250秒、かく拌無しの条件でも処理可能であり、広い条件幅を持っている。また、ロールコーターなどによる塗布式の製膜方法にも対応可能である。電解で皮膜生成する場合の条件は電流密度30A/dm2以下好ましくは0.5〜3A/dm2、通電時間1〜1200秒、好ましくは30〜180秒である。電流密度が低い場合も皮膜は生成するが、本発明は電解しなくとも皮膜生成するため、電解による皮膜生成と反応による皮膜生成の判別は難しく、電流密度の下限を規定できない。高い場合は高電流密度部にヤケあるいはコゲと呼ばれる外観不良が発生する。処理時間が短い場合は皮膜生成しないか、生成しても厚みが不足しているため耐食性が劣る。長い場合は時として無光沢の外観不良が発生する。また、過剰の処理時間は生産性を極端に低下させる。
【0012】
2)の組成物に於ける各成分の挙動は1)に類似するものと推定され0.1〜150g/L好ましくは0.5〜50g/Lの三価のクロムイオンは1)の三価のクロムイオンと同様に機能し、0.1〜100g/L好ましくは1〜10g/Lの塩素、フッ素、硫酸イオン、酢酸イオンなどは1)の酸化性物質ならびにリン酸化合物の両方或いは片方の働きを行うものと推定される。三価のクロムの供給方法に特に指定はなく、塩化クロム、酢酸クロムなどの塩で供給すれば三価クロム以外の成分も供給できるため都合がよい。またこの組成物中にケイ素化合物やリン酸、硝酸を加えることは耐食性を向上し安定させるために有効であり、それぞれの量は1〜200g/L程度が目安となる。この水性酸性液状組成物による層の被覆方法は1)と同様である。
【0013】
3)の組成物は0.01〜150g/Lの鉄、コバルト、ニッケル、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムと有機酸又は無機酸の一種以上と任意成分としてフッ素を含有する。酸としては塩酸、硫酸、硝酸、過酸化水素、リン酸並びに蟻酸、酢酸、琥珀酸、ジグリコール酸などのカルボン酸などが好ましい。それぞれの濃度は0.01〜200g/L、好ましくは1〜40g/Lが適量であり、これより少量では皮膜生成がスムーズに行われず、ムラ、シミなどの化成不良が生じる。これより多量では経済的損失が大きいだけでなく、過剰のエッチングによる化成不良などの問題も生じる。またこの組成物中にケイ素化合物を加えることは外観、耐食性の向上の為に有効であり、加える際の目安は0.01〜100g/Lである。この水性酸性液状組成物による層の被覆方法は、1)と同様浸漬、塗布いずれにおいても可能である。
【0014】
これらの組成物中にさらにアルカリ土類金属、無機コロイド、シランカップリング剤、有機カルボン酸の一種あるいは二種以上を含有させることが出来る。無機コロイドとしてシリカゾル、アルミナゾル、チタンゾル、ジルコニヤゾルなどが、シランカップリング剤としてビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが使用できる。アルカリ土類金属が皮膜へ析出するとは考えにくいが添加により耐食性が向上することから、皮膜を緻密化させる効果があると推定する。無機コロイド、シランカップリング剤などはコストなどから必ずしも添加の必要性はないが、本発明の処理後、塗装やコーティングを行う際、密着性の向上などに働き結果として耐食性が向上する。
【0015】
これらの水性酸性液状組成物による層で被覆後、水性酸性液状組成物による層の濯ぎを行わずそのまま乾燥する方法により、六価クロムを用いずに美しい光沢のある外観と優れた耐食性、優れた塗装下地性を有する皮膜が生成可能であることを見い出した。また、皮膜形成後更に、ケイ素化合物含有水溶液、樹脂及び/又は無機コロイドまたはpHが7.5以上の水溶液に接触させる事により、更に耐食性が向上した保護皮膜が得られることが判明した。
ケイ素化合物としては珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウムあるいは粒径500nm以下のコロイダルシリカなどが挙げられ、粒径50nm以下のコロイダルシリカは安定した性能を示す傾向がある。これらの適量は0.01〜500g/L好ましくは10〜150g/Lである。
【0016】
種々の方法で皮膜形成後、更に有機または無機およびこれらの複合防錆皮膜をオーバーコートする事により本発明の金属保護方法は非常にレベルの高い金属保護方法となる。オーバーコートの方法は特に限定せず、塗布塗装、浸漬塗装、静電塗装、電着塗装、粉体塗装など種々の方法が可能であり、塗料も特に限定をせず水系あるいは水系以外でも適用可能である。
【0017】
本発明に規定する水性酸性液状組成物を用いる方法により、有害な六価クロムや腐食性の強いフッ化物を使用せず、従来のクロメートとほぼ同一処理設備、処理条件、処理方法で亜鉛表面に不溶性の強固な皮膜を生成することが可能である。これにより処理物からの六価クロム溶出を心配する一般ユーザーのみならず、従来クロム酸の有害性にさらされていたクロメート製造者やクロメート処理業者の健康面での影響や野生動物への影響に関する問題を解決することが可能となる。
【0018】
本発明以前の技術してクロメート処理法とリン酸塩処理法が公知であるが、いずれも有害な六価クロムを使用するものである。また、クロムを用いない保護皮膜形成技術として特開昭52−92836号、特開昭57−145987号、特開平9−53192号などがあるが、これらの性能は低く耐食性や塗装下地性など満足出来るものではない。また、処理温度が高く(40〜60℃前後)設備の増加や、エネルギーコストの増加が見込まれるものもあり本発明に及ばない。
また、本発明により得られた皮膜は、耐熱耐食性に優れており、従来のクロメ−ト皮膜の欠点であった加熱処理による耐食性の低下問題を解決することが判明した。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。試験は試験片を脱脂、硝酸浸漬などの適当な前処理を行った後、以下に示すそれぞれの処理を行った。評価は外観および耐食性について行い、本発明の実施例の結果を表1に比較例の結果を表2に示す。
【0020】
実施例1
電気亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)を硝酸クロム18g/L、75%リン酸18g/L、67.5%硝酸15g/Lを含みアンモニアでpH1.8に調整した処理液に10秒間浸漬後、濯ぎ工程を行わずに乾燥して試験片を作製した。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0021】
実施例2
電気亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)を硝酸クロム16g/L、75%リン酸19g/L、67.5%硝酸14g/Lを含みアンモニアでpH1.7に調整した処理液に11秒間浸漬後、濯ぎ工程を行わずに乾燥した後、珪酸ソーダ30g/L、水酸化ナトリウム15g/Lを含有した水溶液に15秒間浸漬し試験片を作製した。試験片にさらに200℃、2時間の加熱処理を行なった。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0022】
実施例3
電気亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)をタングステン酸アンモン5g/L、硝酸クロム12g/L、75%リン酸25g/L、60%硝酸25g/Lを含む水溶液をアンモニアでpH2.0に調整した処理液に15秒間浸漬後、濯ぎ工程を行わず乾燥したのち、三号珪酸ソーダ50g/Lと水酸化ナトリウム2g/Lを含む水溶液に30秒間浸漬し、試験片を作製した。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0023】
実施例4
溶融亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)をモリブデン酸ソーダ15g/L、亜リン酸20g/L、60%硝酸25g/Lを含む水溶液をアンモニアでpH2.0に調整した処理液に20秒間浸漬し、濯ぎ工程を行わず、乾燥した物を5G018(日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥した。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0024】
実施例5
電気亜鉛めっきした鉄板(50×100×1mm)をpH1.0の硝酸クロム15g/L、バナジン酸アンモン2g/L、次亜リン酸20g/L、60%硝酸18g/Lを含む処理液に20秒間浸漬し、濯ぎ工程を行わず乾燥した物を5G018(日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥した物を試験片とした。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0025】
実施例6
亜鉛めっきした鉄板(50×100×1mm)をバナジン酸アンモン10g/L、硝酸クロム20g/L、75%リン酸20g/L、62.5%硝酸20g/L、コロイダルシリカ20g/Lを含む水溶液をアンモニアでpH2.0に調整した処理液で電流密度1A/dm2、電解時間2分間の陰極電解を行った後濯ぎ工程を行わず乾燥しさらに5G018(日本表面化学(株)製)に浸漬し、乾燥した物を試験片とした。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0026】
実施例7
亜鉛めっきした鉄板(50×100×1mm)をモリブデン酸アンモン5g/L、硝酸クロム20g/L、亜リン酸25g/L、62.5%硝酸20g/L、コロイダルシリカ20g/Lを含む水溶液をアンモニアでpH3.6に調整した処理液に2分間浸漬後、電流密度1A/dm2、電解時間2分間の陰極電解を行い皮膜生成後水洗し、乾燥せずに5G018(日本表面化学(株)製)に浸漬しコーティング処理した物を試験片とした。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0027】
実施例8
電気亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)を硝酸クロム15g/L、75%リン酸15g/L、67.5%硝酸15g/Lを含みアンモニアでpH1.8に調整した処理液に5秒間浸漬後、濯ぎ工程を行わずに乾燥した後スカイハロートップコートF(日本特殊塗料(株)製)を塗布したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はスカイハロートップコートFの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0028】
実施例9
電気亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)を塩化クロム12g/L、75%リン酸20g/L、67.5%硝酸10g/Lを含みアンモニアでpH1.8に調整した処理液に7秒間浸漬後、濯ぎ工程を行わずに乾燥した後シルビアU(日本特殊塗料(株)製)に浸漬したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はシルビアUの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0029】
実施例10
溶融亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)をpH1.8の硫酸クロム10g/L、塩酸1.5g/L、60%硫酸1g/Lを含む処理液に10秒間浸漬し、濯ぎ工程を行わず乾燥した後、コロイダルシリカ120g/L、カ性カリ2g/L、カ性ソ−ダ5g/Lを含む処理液に50℃−30秒浸漬して試験片を作製した。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0030】
実施例11
溶融亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)をpH1.8の酢酸クロム10g/L、塩酸1.5g/L、60%硫酸1g/L、リン酸1g/Lを含む処理液に10秒間浸漬し、濯ぎ工程を行わず乾燥した後、シルビアU(日本特殊塗料(株)製)に浸漬したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はシルビアUの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0031】
実施例12
亜鉛−ニッケル合金めっきした鉄板(100×100×1mm)を、塩化クロム4g/L、フッ化アンモニウム6g/L、75%硫酸2g/Lを含む水溶液をアンモニアでpH2.0に調整した処理液に10秒間浸漬し濯ぎ工程せずに乾燥した後皮膜生成後、シルビアU(日本特殊塗料(株)製)を塗布したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はシルビアUの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0032】
実施例13
亜鉛−鉄合金めっきした鉄板(100×100×1mm)をpH1.6の酢酸クロム6g/L、フッ酸1g/L、リン酸5g/L、硫酸2g/Lを含む処理液に5秒間浸漬し濯ぎ工程なしで乾燥後、スカイハロートップコートF(日本特殊塗料(株)製)に浸漬したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はスカイハロートップコートFの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0033】
実施例14
電気亜鉛めっきした鉄板を硫酸アルミニウム7.5g/L、リン酸10g/L、67.5%硝酸4.5g/Lを含むpH3.0の水溶液に12秒間浸漬し濯ぎ工程を行わず乾燥し試験片とした。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0034】
実施例15
亜鉛めっきした鉄板を硝酸アルミニウム8.5g/L、三号珪酸ソーダ90g/L、62.5%硝酸5g/Lを含むpH2.2の水溶液に10秒間浸漬し濯ぎ工程を行わず乾燥し試験片とした。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0035】
実施例16
亜鉛めっきした鉄板を硫酸アルミニウム5g/L、リン酸5g/L、塩酸2g/L、67.5%硝酸3g/Lを含むpH2.8の水溶液に20秒間浸漬し濯ぎ工程を行わず乾燥した後、スカイハロートップコートF(日本特殊塗料(株)製)に浸漬したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はスカイハロートップコートFの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0036】
実施例17
亜鉛めっきした鉄板をpH3.0の硫酸アルミニウム15g/L、三号珪酸ソーダ17g/L、フッ酸5g/L、リン酸2g/L、酢酸2g/L、67.5%硝酸5g/Lを含む処理液に15秒間浸漬し、濯ぎ工程せずに乾燥した後、珪酸カリウム80g/L、カ性カリ7g/L、カタロイドSI−30(触媒化成(株)製)20g/Lを含む処理液に30秒浸漬して試験片を作製した。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0037】
実施例18
亜鉛−鉄合金めっきした鉄板に硝酸クロム5g/L、硝酸2g/L、硫酸2g/Lを含むpH3.0に調整した処理液を2秒間浸漬し濯ぎ工程を行わず乾燥した後、GX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0038】
実施例19
溶融亜鉛めっきした鉄板に塩化クロム10g/L、硝酸10g/L、リン酸15g/Lを含むpH2.3に調整した処理液を塗布し濯ぎ工程を行わず乾燥した後、GX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0039】
実施例20
亜鉛めっきした鉄板を硫酸鉄7g/L、リン酸12g/L、塩酸1g/L、67.5%硝酸2g/Lを含むpH2.7の水溶液に15秒間浸漬し濯ぎ工程を行わず乾燥した後、スカイハロートップコートF(日本特殊塗料(株)製)に浸漬したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はスカイハロートップコートFの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0040】
実施例21
亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)を硝酸マグネシウム20g/L、硫酸1g/L、75%リン酸20g/L、62.5%硝酸1g/Lを含む水溶液をアンモニアでpH2.1に調整した処理液で電流密度2A/dm2、電解時間60秒の陰極電解を行った後、濯ぎ工程を行わず乾燥した。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0041】
実施例22
亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)を硝酸マグネシウム18g/L、硫酸1g/L、75%リン酸15g/L、62.5%硝酸1g/Lを含む水溶液をアンモニアでpH1.7に調整した処理液で電流密度3A/dm2、電解時間30秒の陰極電解を行った後、濯ぎ工程を行わず乾燥し更に、スカイハロートップコートF(日本特殊塗料(株)製)に浸漬したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はスカイハロートップコートFの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0042】
比較例1
表面に何の処理もしていない亜鉛めっきした鉄板(50×100×1mm)を試験片とし、塩水噴霧試験(JIS Z 2371)における白錆発生までの時間を調査した。
【0043】
比較例2
亜鉛めっきした鉄板(50×100×1mm)を市販の3価クロメート処理液(アイディプZ−348:アイコーケミカル(株))に1分間浸漬し皮膜生成後水洗し、乾燥した物を試験片とした。外観を目視で評価し、耐食性は塩水噴霧試験(JIS Z 2371)における白錆発生までの時間を調査した。
【0044】
比較例3
亜鉛めっきした鉄板(50×100×1mm)をプレパレンZ(日本パーカライジング(株))にて表面調整後、70℃に加温した市販のリン酸塩皮膜処理液(パルボンド3300:日本パーカライジング(株))に15秒間浸漬し皮膜生成後水洗し、六価クロムを用いた後処理を施さず乾燥した後、スカイハロートップコートF(日本特殊塗料(株)製)に浸漬したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はスカイハロートップコートFの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0045】
比較例4
35%過酸化水素35g/L、62%硝酸を10g/L、硫酸チタン0.5g/Lを含有するpH1.8処理液で亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)を60秒間浸漬し化成処理を施した。水洗し乾燥した物を試験片とした。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0046】
比較例5
35%過酸化水素30g/L、62%硝酸を15g/L、コロイダルシリカ70g/L、硫酸チタン0.3g/Lを含有するpH1.6処理液で亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)を60秒間浸漬し化成処理を施した。水洗し乾燥した後、スカイハロートップコートF(日本特殊塗料(株)製)を塗布したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はスカイハロートップコートFの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0047】
比較例6
35%過酸化水素50g/L、62%硝酸を5g/L、コロイダルシリカ100g/L、硫酸チタン0.3g/Lを含有するpH2.0の処理液で亜鉛めっきした鉄板(100×100×1mm)を65秒間浸漬し化成処理を施した。水洗し乾燥した後、シルビアU(日本特殊塗料(株)製)を塗布したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はシルビアUの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0048】
比較例7
モリブデン酸ナトリウム12.1g/L、75%リン酸14.7g/Lを含有する処理液に60℃−2分浸漬して試験片を作製した。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0049】
比較例8
モリブデン酸ナトリウム12.1g/L、75%リン酸14.7g/L、珪酸ソーダ10g/Lを含有する処理液に60℃−2分浸漬後、コロイダルシリカ90g/L、カ性カリ10g/L、カ性ソ−ダ2g/Lを含む処理液に50℃−30秒浸漬して試験片を作製した。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0050】
比較例9
モリブデン酸ナトリウム0.1mol/L、リン酸0.15mol/Lを含有する処理液に60℃−2分浸漬後、水洗し乾燥して試験片とした。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0051】
比較例10
亜鉛めっきした鉄板を硝酸アルミニウム8g/L、三号珪酸ソーダ95g/L、を含む水溶液に15秒間浸漬し濯ぎ工程を行わず乾燥し試験片とした。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0052】
比較例11
亜鉛めっきした鉄板を水酸化アルミニウム3g/L、三号珪酸ソーダ100g/Lを含む水溶液に10秒間浸漬し濯ぎ工程を行わず乾燥した後、シルビアU(日本特殊塗料(株)製)を塗布したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はシルビアUの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0053】
比較例12
亜鉛めっきした鉄板に市販のクロメート剤(ローメイト62:日本表面化学(株)製)を用いて既存のクロメート皮膜を生成後、200℃、2時間の加熱処理を行ない試験片とした。外観を目視で評価し、耐食性は144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0054】
比較例13
亜鉛めっきした鉄板を塩化亜鉛15g/L、珪酸ソーダ3g/Lを含む水溶液に60℃、10分間浸漬し濯ぎ工程を行わず乾燥した後、シルビアU(日本特殊塗料(株)製)を塗布したのち乾燥し試験片を作製した。外観を目視で評価し、塗装下地性は碁盤目セロテープはく離試験後の残存面積にて評価し、耐食性はシルビアUの代わりにGX−235T(アクリルクリヤー塗装:日本表面化学(株)製)に浸漬し乾燥して作成した試験片を用いて144時間後の塩水噴霧試験(JIS Z 2371)結果より評価した。
【0055】
【表1】
【表2】
Claims (10)
- Zn、Zn−Ni合金、及びZn−Fe合金から選択された金属の表面を水性酸性液状組成物による層で被覆する工程、及び前記水性酸性液状組成物層を濯ぎを行わず乾燥する工程からなる金属の保護皮膜形成方法であって、前記水性酸性液状組成物が、A)Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Ce、Sr及び三価のクロムから成る群から選択される少なくとも一つの供給源、B)酸化性物質の供給源、並びにC)リンの酸素酸、酸素酸塩又はこれらの無水物を含有する金属の保護皮膜形成方法。
- 前記A)が0.01〜100g/Lの三価のクロムイオン、前記B)が0.01〜100g/Lの硝酸イオン、及びC)が0.1〜200g/Lのリン酸イオンである請求項1に記載の方法。
- Zn、Zn−Ni合金、及びZn−Fe合金から選択された金属の表面を水性酸性液状組成物による層で被覆する工程及び前記水性酸性液状組成物層を濯ぎを行わず乾燥する工程からなる金属の保護皮膜形成方法であって、前記水性酸性液状組成物が、A)0.01〜150g/Lの三価のクロムイオン、並びにB)0.01〜100g/Lの塩素、フッ素、硫酸イオン、酢酸イオン、蟻酸イオン、琥珀酸イオン及びグリコール酸イオンから成る群から選択される少なくとも1種を含有する金属の保護皮膜形成方法。
- Zn、Zn−Ni合金、及びZn−Fe合金から選択された金属の表面を水性酸性液状組成物による層で被覆する工程及び前記水性酸性液状組成物層を濯ぎを行わず乾燥する工程からなる金属の保護皮膜形成方法であって、前記水性酸性液状組成物が、A)0.01〜150g/Lの鉄、コバルト、ニッケル、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムから成る群から選択される少なくとも一種、及びB)有機酸及び無機酸から成る群から選択される少なくとも一種を含有する金属の保護皮膜形成方法。
- 前記成分B)が過酸化物、塩素酸、臭素酸、硝酸、及びこれらの塩から選択され、前記成分C)が正リン酸、縮合リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、及びこれらの塩又はこれらの無水物から選択される請求項1に記載の保護皮膜形成方法。
- 前記成分A)がマグネシウム又はアルミニウムであり、前記成分B)が塩酸、硫酸、硝酸、過酸化水素、リン酸、蟻酸、酢酸、琥珀酸、及びカルボン酸から選択される請求項4に記載の保護皮膜形成方法。
- 前記水性酸性液状組成物がさらにアルカリ土類金属、ケイ素化合物、及びアルミナゾルから成る群から選択される少なくとも1種、シランカップリング剤、並びに有機カルボン酸から成る群から選択される少なくとも一種を含有する請求項1〜6のいずれか一の請求項に記載の保護皮膜形成方法。
- 前記金属表面に請求項1〜6のいずれか一の請求項に記載の方法により保護皮膜を形成した後、更に、ケイ素化合物含有水溶液、及び樹脂並びに/又は無機コロイド若しくはpHが7.5以上の水溶液を接触させる保護皮膜形成方法。
- 前記ケイ素化合物が珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、又は粒径500nm以下のコロイダルシリカである請求項8に記載の保護皮膜形成方法。
- 前記金属表面に請求項1〜9のいずれか一の請求項に記載の方法により保護皮膜を形成した後、更に有機又は無機及びこれらの複合防錆皮膜をオーバーコートする金属の保護皮膜形成方法。
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