JP3556736B2 - 光重合性組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は光重合性組成物に関するものである。特に高感度を示すと共に、優れた安定性を具備した光重合性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光重合系を利用した画像形成法は多数知られている。例えば、付加重合可能なエチレン性二重結合を含む化合物と光重合開始剤、さらに所望により用いられる有機高分子結合剤等からなる光重合性組成物を調製し、この光重合性組成物を支持体上に塗布して光重合性組成物の層を設けた感光材料を作成し、所望画像を像露光して露光部分を重合硬化させ、未露光部分を溶解除去することにより硬化レリーフ画像を形成する方法、上述感光材料の少なくとも一方が透明である2枚の支持体間に光重合性組成物の層を設けたものであり、透明支持体側より像露光し光による接着強度の変化を惹起させた後、支持体を剥離することにより画像を形成する方法、その他光重合性組成物層の光によるトナー附着性の変化を利用した画像作成方法等がある。これらの方法に応用される光重合性組成物の光重合開始剤としては従来、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルケタール、ベンゾフェノン、アントラキノン、ベンジル、あるいはミヒラーズケトンなどが用いられてきた。
しかしながら、これらの開始剤は、感度面において必ずしも充分ではなくかつ感応波長域も短波長域に限定されてきた。
【0003】
一方、近年、画像形成技術の発展に伴ない可視領域の光線に対し高度な感応性を有するフォトポリマーが強く要請される様になってきた。それは、例えば、非接触型の投影露光製版や可視光レーザーによるレーザー製版等に適合した感光材料である。これら技術の中で、特にアルゴンイオンレーザーの488nmの発振ビームを用いた製版方式は最も将来有望視された技法の一つと考えられている。
【0004】
可視光領域の光線に感応し得る光重合開始系を含有する光重合組成物に関しては、従来、いくつかの提案がなされてきた。例えば、ヘキサアリールビイミダゾールと(p−ジアルキルアミノベンジリデン)ケトンの系(特開昭47−2528号、特開昭54−155292号、特開昭56−166154号各公報)、ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号各公報)、置換トリアジンと増感剤の系(特開昭54−151024号、特開昭58−29803号、特開昭58−40302号各公報)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−56403号公報)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−140203号、特開昭59−189340号各公報)その他、チタノセン化合物と増感剤の系(特開昭63−221110号、特開平4−26154号、特開平4−219756号各公報)等が挙げられる。これらは確かにある程度有効ではあるが、なお一層の高感度が求められ、また安定性に関しても改良技術が望まれていた。
【0005】
チタノセン化合物を用いた可視増感系としてはこの他、例えば、複素環を有する特定構造のクマリン化合物との組合せ系が提案されており一定レベルの効果が期待されている(特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報)。しかしながら、本系の場合も、例えばレーザー製版に応用する場合にはいくつかの難点への対応、即ち、より高感度でかつ良好な溶解安定性をも具備した系が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はそれらの要請に答えるものであり、即ち、本発明の第1の目的は安定性に優れた光重合性組成物を提供するものであり、第2の目的は広範な波長域に対応して充分なる感度を有する同組成物を提供するものであって、更に他の目的はレーザー製版等に適した特性を有する同組成物を供する事にある。筆者らは、前記した目的が次に示す特定の組成物により達成される事を見い出した。
【0007】
即ち、本発明の要旨は、付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物並びに光重合開始系としてチタノセン化合物および該チタノセン化合物を増感し得る増感剤とを含む光重合性組成物において、該組成物が更に、複素環チオール化合物を含有するものであることを特徴とする光重合性組成物、に存する。
以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】
本発明の光重合性組成物において第一の必須成分として含まれる付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物(以下、「エチレン性化合物」と略す)とは、光重合性組成物が活性光線の照射を受けた場合、第二の必須成分である光重合開始系の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であって、例えば前記の二重結合を有する単量体、または、側鎖もしくは主鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重合体である。なお、本発明における単量体の意味するところは、所謂高分子物質に相対する概念であって、従って、狭義の単量体以外に二重体、三量体、オリゴマーをも包含するものである。
【0009】
エチレン性不飽和結合を有する単量体としては例えば不飽和カルボン酸、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル等が挙げられる。
【0010】
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルは限定はされないが、具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロトネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマイレン酸エステル等がある。
【0011】
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
【0012】
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物では無いが代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸およびエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸およびジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸およびペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオールおよびグリセリンの縮合物等がある。
【0013】
以上のエステル系(メタ)アクリレート以外に、いわゆるウレタン系(メタ)アクリレートやエポキシ系(メタ)アクリレート等がある。前者は多価イソシアネートとヒドロキシアクリルエステル類との付加反応により、後者は多価エポキシ化合物とヒドロキシアクリルエステル類との付加反応により調製することができる。
【0014】
その他本発明に用いられるエチレン性化合物の例としてはエチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物などが有用である。
【0015】
前記した主鎖にエチレン性不飽和結合を有する重合体は、例えば、不飽和二価カルボン酸とジヒドロキシ化合物との重縮合反応により得られるポリエステル、不飽和二価カルボン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポリアミド等がある。側鎖にエチレン性不飽和結合を有する重合体は側鎖に不飽和結合をもつ二価カルボン酸例えばイタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン酸等とジヒドロキシまたはジアミン化合物との縮合重合体がある。また側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチル基の如き反応活性を有する官能基をもつ重合体、例えばポリビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエピクロルヒドリン等とアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反応により得られるポリマーも好適に使用し得る。
【0016】
以上記載したエチレン性化合物の内、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単量体が特に好適に使用できる。
次に、本発明の光重合性組成物の第二の必須成分である光重合開始系について説明する。本発明の光重合開始系は、2種成分の組合せから構成されており、その第1成分は、チタノセン化合物(成分(a))である。該チタノセン化合物は、特に限定はされないが例えば特開昭59−152396号、特開昭61−151197号各公報等に記載されている各種チタノセン化合物から適宜選んで用いることができる。さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル(以下、チタノセン化合物A−1と略記)等を挙げることができる。
【0017】
次に、本発明の光重合開始系を構成する第2成分は、前記チタノセン化合物に対し増感作用を有する増感剤(成分(b))であればいずれも使用可能である。好適な該増感剤を例示するに、例えば、特開昭63−221110号、特開平3−239703号各公報などに見られるアミノクマリン類、特開平6−295061号公報に記載された様なテトラヒドロキノリン誘導体、特願平5−83587号公報に記載されたピロメテン化合物および特開平4−26154号、特開平4−219756号各公報に記載されている様なキサンテン系色素類などを挙げることができる。また、更に具体的な例示の一部は本発明者等が先に出願した特願平6−12949号にも開示されている。増感剤としては、より具体的には下記式の化合物が挙げられる。
【0018】
【化2】
【0019】
(式中、R1 はC1 〜C4 のアルキル基をR2 及びR3 は同一又は相異なるC1 〜C10のアルキル基を表わす。)
【0020】
【化3】
【0021】
(式中、R 4 及びR 5 は同一又は相異なるC1 〜C10のアルキル基を表わす)
【0022】
【化4】
【0023】
(式中、R6 はC1 〜C4 のアルキル基を表わす)
【0024】
【化5】
【0025】
(式中、R7 はC1 〜C10のアルキル基を表わす)
本発明では、特にクマリン環を含む増感剤が効果的である。
本発明は以上付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物並びに成分(a)および(b)から成る光重合開始系に更に次にこれらとは異なる役割を担う複素環チオール化合物(成分(c))を含有することを特徴とする。
【0026】
複素環チオール化合物とは、複素環化合物にメルカプト基が置換した構造を有する化合物であるが、好ましい複素環チオール化合物を例示するに、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール(以下、複素環チオールC−1と略記)、2−メルカプトベンズオキサゾールおよび2−メルカプトベンズイミダゾールを挙げることができる。複素環チオール化合物を含有することにより、本発明の組成物は本光重合系の安定性、特に感度安定性やカブリ防止の効果が良好となる。以上、本発明における光重合組成物に用いられる成分(a)、(b)および添加剤(c)の好適な使用量は、エチレン性化合物100重量%に対し、成分(a)が0.1〜30重量%、成分(b)が0.1〜20重量%、添加剤(c)が0.1〜40重量%の範囲である。
【0027】
本発明の組成物には更にp−ジアルキルアミノ安息香酸エステル(成分(d))を含有することができる。本エステルは感度向上に効果的である。具体的に、例示するに、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(以下安息香酸エステルD−1と略記)、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソプロピルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸−n−ブチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸−n−オクチルエステルまたはp−ジ−n−ブチルアミノ安息香酸エチルエステル等のC1 〜C10アルキルで置換されたp−ジアルキルアミノ安息香酸エステルが挙げられる。アルキル基の炭素数は好ましくは1〜6であり、2ヶのアルキルは同一でも異なっていても良いが、同一であるのが好ましい。又、エステルを構成するアルキル基の炭素数は1〜12程度、好ましくは1〜10である。本エステルの好ましい使用量はエチレン性化合物100重量%に対し60重量%以下の範囲で用いられる。
【0028】
本発明の光重合性組成物は、前記の各構成成分の他に本組成物の改質、光硬化後の物性改善の為に結合剤として有機高分子物質を更に添加することができる。結合剤は相溶性、皮膜形成性、現像性、接着性等改善目的に応じて適宜選択すればよい。具体的には例えば水系現像性改善にはアクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース変性物、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン等がある。皮膜強度、接着性の改善にはエピクロロヒドリンとビスフェノールAとのポリエーテル;可溶性ナイロン;ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリル酸アルキルやポリアクリル酸アルキル;メタクリル酸アルキルとアクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン等との共重合体;アクリロニトリルと塩化ビニル、塩化ビニリデンとの共重合体;塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体;ポリ酢酸ビニル;アクリロニトリルとスチレンとの共重合体;アクリロニトリルとブタジエン、スチレンとの共重合体;ポリビニルアルキルエーテル;ポリビニルアルキルケトン;ポリスチレン;ポリアミド;ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレートイソフタレート;アセチルセルロースおよびポリビニルブチラール等を挙げることができる。これらの結合剤は前記エチレン性化合物に対し重量比率で一般的には500%以下、好ましくは200%以下の範囲で添加混合することができる。
【0029】
本発明の光重合性組成物は必要に応じ更に熱重合防止剤、着色剤、可塑剤、表面保護剤、平滑剤、塗布助剤その他の添加剤を添加することができる。
熱重合防止剤としては例えばハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトールなどがあり、着色剤としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。これら熱重合防止剤や着色剤の添加量は前記結合剤を使用した場合、エチレン性化合物と結合剤との合計重量に対し熱重合防止剤が0.01〜5%、着色剤が0.1〜40%が好ましい。
【0030】
また、前記可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性化合物と結合剤との合計重量に対し30%以下添加することが一般的である。
【0031】
本発明の光重合性組成物を使用する際は、無溶剤にて感光材料を形成するかまたは適当な溶剤に溶解して溶液となし、これを支持体上に塗布、乾燥して感光材料を調製することができる。溶剤としては例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸メチル、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、ペントキソン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等があり、一種または二種以上を併用して用いることができる。
【0032】
本発明の光重合性組成物を用いて感光材料を調製する際に適用される支持体は通常用いられるものはいずれでも良い。例えばアルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、鉄等の金属またはそれらを主成分とした合金のシート;上質紙、アート紙、剥離紙等の紙類;ガラス、セラミックス等の無機シート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、6−ナイロン、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等のポリマーシートなどがある。
【0033】
また本発明の光重合性組成物はさらに酸素による感度低下や保存安定性の劣化等の悪影響を防止する為の公知技術、例えば、感光層上に剥離可能な透明カバーシートを設けたり酸素透過性の小さいロウ状物質、水溶性ポリマー等による被覆層を設けることもできる。
【0034】
本発明の組成物に適用し得る露光光源としては特に限定されないが、カーボンアーク、高圧水銀燈、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ヘリウムカドミニウムレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー等400nm以上の可視光線を含む汎用の光源がより好適に使用し得る。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、(b)成分の増感剤として用いたものの略号は下記の通りである。
【0036】
【化6】
【0037】
参考例1
メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(重量平均分子量45,000、重合比85/15)1.8gとトリメチロールプロパントリアクリレート2.2gとをメチルエチルケトン36g中に溶解した。これにチタノセン化合物A−1を80mg、増感剤B−2を80mg及び複素環チオールC−1を200mg添加溶解して試料感光液を得た。これを砂目立てかつ陽極酸化を施したアルミニウムシート上に、ホワラーを用い、乾燥膜厚2μmになるように塗布し、更に、その表面にポリビニルアルコール水溶液を、乾燥膜厚が3μmになるように塗布して感光材試料を作成した。
【0038】
感光材試料に、ウシオ電気社製キセノンランプ;UI−501Cを用い、ナルミ社製分光感度測定装置により横軸が波長、縦軸が対数的に光強度が弱くなる様に10秒感照射した。露光試料は、ブチルセロソルブ6重量%、ケイ酸ナトリウム1重量%を含む水溶液により現像を行ない、得られた各波長に対応した硬化画像の高さより、光硬化画像形成に必要な最も少ない露光量を算出し、その感光組成の各波長の感度とした。本試料の488nmの光線に対応する初期感度は110μJ/cm2 であった。同一の別の試料片を55℃のオーブン中に100時間放置し安定性加速テストを行なったところ、感度は変化せずカブリも観察されなかった。
【0039】
参考比較例1
参考例1において、感光液中の複素環チオールC−1を除外した以外は同様に調製した試料を同様な方法により評価した。その結果、初期感度は150μJ/cm2 であり安定性加速テストの結果部分的にカブリが生じた。
【0040】
参考例2
参考例1において増感剤B−2に代えてB−3を80mg添加し感光液を調製して以下同様の方法により評価した。初期感度は150μJ/cm2 であり安定性加速テストの結果感度は220μJ/cm2 と若干低下したがカブリは生じなかった。
【0041】
参考比較例2
参考例2において複素環チオールC−1を除外した以外は同様に調製した試料を同様にして評価した。初期感度は280μJ/cm2 であり安定性加速テストの結果感度は1500μJ/cm2 に大巾に低下しかつカブリが発生した。
【0042】
参考例3
参考例1において感光液中に更に安息香酸エステルD−1を400mg添加して感光液を調製し以下同様な方法により評価した。初期感度は60μJ/cm2であり安定性加速テストの結果感度に変化は見られずカブリも発生しなかった。
【0043】
参考比較例3
参考例3において複素環チオールC−1を除いた以外は同様に調製した試料を同様な方法により評価した。初期感度は68μJ/cm2 であり安定性加速テストの結果感度は95μJ/cm2 とやや低下しかつカブリの発生も観察された。
【0044】
実施例1
参考例3において増感剤B−2に代えてB−1を80mg用いて感光液を調製した。感度測定はB−1が吸光し得る波長400nmの光線に対応する値を求めた。初期感度は120μJ/cm2 であり安定性加速テストの結果感度は変化せずカブリ発生は観察されなかった。
【0045】
比較例1
実施例1において複素環チオールC−1を除外した以外は同様に調製した試料を同様な方法により評価した。初期感度は190μJ/cm2 であり安定性加速テストの結果感度は690μJ/cm2 へと大巾に低下しかつカブリ発生が見られた。
【0046】
実施例2
参考例3において増感剤B−2に代えてB−3を80mg用いた以外は同様にして評価した。初期感度は110μJ/cm2 であり安定性加速テストの結果感度は160μJ/cm2 とやや低下したもののカブリ発生は見られなかった。
【0047】
比較例2
実施例2において複素環チオールC−1を除外した以外は同様に調製した試料を同様にして評価した。初期感度は190μJ/cm2 であり安定性加速テストの結果感度は910μJ/cm2 と大巾に低下しカブリ発生も観察された。
【0048】
実施例3
参考例3において増感剤B−2に代えてB−4を80mg用いた以外は同様にして評価した。初期感度は100μJ/cm2 であり安定性加速テストの結果感度は110μJ/cm2 でありカブリも見られなかった。
【0049】
比較例3
実施例3において複素環チオールC−1を除外した以外は同様に調製した試料を同様に評価した。初期感度は130μJ/cm2 であり安定性加速テストの結果感度は480μJ/cm2 へと大巾に低下した。
【発明の効果】
本発明の光重合性組成物は、安定性に優れかつ高感度である。従って、該組成物は広範囲な応用分野に有用であって例えば平版、凹版、凸版等印刷版の作成、プリント配線やICの作成の為のフォトレジスト、ドライフィルム、レリーフ像や画像複製などの画像形成、光硬化性のインク、塗料、接着剤等に利用できるので工業的に極めて有用である。
Claims (1)
- 付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物並びに光重合開始系としてチタノセン化合物および該チタノセン化合物を増感し得る増感剤とを含む光重合性組成物において、該組成物が更に、複素環チオール化合物とp−ジアルキルアミノ安息香酸エステルとを含有するものであり、
前記増感剤が下記一般式(I):
下記一般式(III):
下記一般式(IV):
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