JP3522482B2 - Soi基板の製造方法 - Google Patents
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た第1半導体基板に水素イオン注入を行った後に、この
半導体基板を酸化層を接合面として、支持基板となる別
の第2半導体基板に接合し、第1半導体基板を水素イオ
ン注入部分で第2半導体基板から分離することにより、
第2半導体基板の表面に単結晶薄膜を有するSOI基板
を製造する方法に関するものである。
板の代表例として、SOI基板が挙げられる。このSO
I基板は将来の超高集積回路(ULSI)基板として注
目されてきている。このSOI基板の製造方法には、
シリコン基板同士を絶縁膜を介して貼り合わせる方法、
絶縁性基板又は絶縁性薄膜を表面に有する基板の上に
シリコン薄膜を堆積させる方法、シリコン基板の内部
に高濃度の酸素イオンを注入した後、高温でアニール処
理してこのシリコン基板表面から所定の深さの領域に埋
込みシリコン酸化層を形成し、その表面側のSi層を活
性領域とするSIMOX法などがある。また最近、第1
半導体基板に水素イオン注入を行った後に、この半導体
基板をイオン注入面を接合面として、支持基板となる別
の第2半導体基板に接合し、第1半導体基板を水素イオ
ン注入部分で第2半導体基板から分離し、第2半導体基
板の表面に薄膜を有する半導体基板を製造する方法が提
案されている(特開平5−211128)。この方法で
は、イオンを半導体基板の内部に表面から均一に注入で
きれば、均一な厚さの薄膜を有する半導体基板が得られ
る。また支持基板となる第2半導体基板の表面に予め酸
化層を設けておけば、この方法によりSOI基板を製造
することができる。
イスの高集積化、デバイス最小寸法の縮小に伴い、ウェ
ーハ表面の清浄度とともにウェーハ表面の微視的ラフネ
ス、即ちマイクロラフネス(micro-roughness)が重要
視されてきている。特にマイクロラフネスはデバイスの
酸化膜耐圧などの電気特性に大きな影響を与えることが
認識されている((M.Morita, et al.,"Effect of Si wa
fer surface micro-roughness on electrical properti
es of very-thin gate oxide films", ULSI Science an
d Technology/1991,pp.400-408, Electrochem, Society
(1991))。なお、ここでマイクロラフネスは1μm以
下数nmのオーダの表面粗さをいう。
れた方法で、第1半導体基板を分離した直後の第2半導
体基板の表面に存する薄膜の平均粗さは、初期のシリコ
ン基板表面の平均粗さが0.1nm以下であるのに対し
て、この平均粗さの10倍以上であり、マイクロラフネ
スが比較的大きく、上述した酸化膜耐圧などの電気特性
に悪影響を及ぼすおそれがある。特にこの方法では、第
1半導体基板の分離により形成された薄膜の表面は、熱
処理に伴う微小な気泡の形状が残っているためにマイク
ロラフネスが大きく、デバイスの作製には適さない。こ
の点を解決するため、第1半導体基板を分離した後の第
2半導体基板上の薄膜表面をタッチポリッシュ(touch
polishing)と呼ばれる、軽い研磨を施して、これらの
表面粗さを初期の基板表面の粗さ程度のマイクロラフネ
スにしている(M.Bruel et al.,"A Promising New SOI
Material Technology" IEEE International SOI Confer
ence proceedings,pp.178-179 (1995))。
タッチポリッシュの技術を、上記方法で作製した厚さ数
百nm以下の極めて薄い薄膜に適用した場合には、薄膜
表面を平坦化することはできるが、面内で研磨量のばら
つきがあるため、薄膜の厚さ分布が大きくなる不具合が
あった。この薄膜の厚さ分布が大きいため、研磨後の薄
膜半導体基板を用いてデバイスを作製した場合には、デ
バイスの特性がばらつく問題点があった。本発明の目的
は、第2半導体基板上に形成された単結晶薄膜が厚さ数
百nm以下の極めて薄い薄膜であっても、薄膜の厚さを
変えずにかつ面内の厚さのばらつきを大きくせずに、薄
膜の平均表面粗さを0.1nmオーダーに改善するSO
I基板の製造方法を提供することにある。
図1(a)〜(e)に示すように、基板表面に酸化層1
1aが形成された第1半導体基板11に水素イオンを注
入してこの第1半導体基板11内部にイオン注入による
損傷領域11bを形成し、この半導体基板11を上記酸
化層11aの表面を接合面として支持基板となる別の第
2半導体基板12に接合し、これら接合した2枚の半導
体基板11,12を熱処理することにより第1半導体基
板11を上記損傷領域11bのところで割って第2半導
体基板12から分離して第2半導体基板12の接合面に
単結晶薄膜13を残存させ、この分離直後又は上記単結
晶薄膜13を有する第2半導体基板12を熱処理してこ
の単結晶薄膜13の化学結合を強固にした直後に、上記
単結晶薄膜13を有する第2半導体基板12を活性雰囲
気中で1000〜1300℃の温度で10分〜5時間熱
処理することにより上薄膜の平均表面粗さを0.1nm
オーダーにすることを特徴とするSOI基板の製造方法 上記条件で半導体基板を熱処理すると、基板上の薄膜表
面の原子は活性な状態となって、移動し易くなり、薄膜
の平均表面粗さを0.1nmオーダーにする。請求項2
に係る発明は、請求項1に係る発明であって、薄膜13
がシリコン薄膜であって、活性雰囲気が水素雰囲気であ
って、熱処理温度が1000〜1300℃であるSOI
基板の製造方法である。上記条件でシリコン薄膜を水素
雰囲気中で熱処理することにより、薄膜の表面粗さを小
さくすることに加えて、シリコン中に存在する微小欠陥
を低減し、シリコン中にドーパントとして含まれるボロ
ンの濃度を制御することができる。
しては、水素雰囲気、塩酸雰囲気、フッ化炭素雰囲気が
あるが、表面処理の制御しやすさの点で水素雰囲気が望
ましい。熱処理温度が上記下限値未満で、熱処理時間が
上記下限値未満では、薄膜表面の原子の活性度が低く、
その表面粗さを0.1nmオーダーにすることができな
い。また熱処理温度が上記上限値を越え、熱処理時間が
上記上限値を越えると、活性元素によるエッチングが進
んで、熱処理前よりかえって薄膜表面が粗くなる。請求
項1及び請求項2とも、熱処理温度は1100〜120
0℃が好ましく、熱処理時間は1〜2時間が好ましい。
面粗さが少なくとも0.2nmである単結晶薄膜を有す
る半導体基板である。0.2nm未満では本発明の処理
方法でこの値以下に表面粗さを小さくできないからであ
る。こうした半導体基板の例としては、SIMOX法で
シリコン基板の内部に高濃度の酸素イオンを注入した
後、高温でアニール処理してこのシリコン基板表面から
所定の深さの領域に埋込みシリコン酸化層を形成したS
OI基板や、特開平5−211128号公報に示された
方法で第1半導体基板を分離した直後の薄膜を有する第
2半導体基板等が挙げられる。
(a)に示すように、シリコンウェーハの第1半導体基
板11を熱酸化により基板表面に酸化層(SiO2層)
11aを形成した後、この基板11に水素イオンを2×
1016/cm2〜1×1017/cm2のドーズ量でイオン
注入する。11bは水素イオン注入による損傷領域であ
る。次いで図1(b)に示すように、上記と同一のシリ
コンウェーハからなる第2半導体基板12を用意する。
図1(c)に示すように、両基板11,12をRCA法
により洗浄した後、基板12上に基板11を室温で接合
する。基板12は支持基板として作用する。図1(d)
に示すように、接合した2枚の基板11,12をアルゴ
ン雰囲気中400〜600℃で第1次熱処理する。これ
により、基板11が損傷領域11bのところで割れ、基
板12から分離する。基板12の接合面には単結晶シリ
コン薄膜13が残存する。この第1次熱処理した後のシ
リコン薄膜13の平均表面粗さは約10nmである。図
1(e)に示すように、分離後、アルゴン雰囲気中約1
100℃で2次熱処理し、シリコン薄膜の化学結合を強
固にする。図1(f)に示すように、薄膜13を有する
基板12を水素雰囲気中で1000〜1300℃の温度
範囲で10分〜5時間の範囲で第3次熱処理する。この
熱処理によりシリコン薄膜13の厚さ及びその分布は変
わらず、平均表面粗さは0.1nmオーダーとなる。ま
た別の方法として1次熱処理の後に、上記第3次熱処理
と同じ水素雰囲気中の熱処理を行っても良い。この場
合、シリコン表面の平坦化とともに、上記第2次熱処理
と同じ効果(張り合わせ強度の増加)も得ることができ
る。
る。 <実施例1>厚さ625μmの第1シリコンウェーハを
熱酸化して表面に厚さ500nmの熱酸化膜を形成し
た。このシリコンウェーハに120keV、ドーズ量5
×1016/cm2で水素イオンを注入した。熱酸化前の
上記と同一の第2シリコンウェーハを支持基板として、
第2シリコンウェーハに第1シリコンウェーハを接合し
た。接合前にRCA法により両ウェーハを洗浄した。接
合した両ウェーハを600℃で熱処理した。この熱処理
により第1シリコンウェーハ中の結晶の再配列及び微小
気泡の圧力作用により、ウェーハ内部のイオン注入した
箇所で第1シリコンウェーハが割れて分離し、第2シリ
コンウェーハ上に厚さ500nmのシリコン薄膜を有す
るSOI基板が得られた。このときの薄膜のウェーハ面
内のばらつきは±3nmであった。また表面の平均粗さ
Raは原子間力顕微鏡(AFM)で測定した結果、10
nmであった。このAFMによる薄膜の表面粗さを図2
に示す。このシリコン薄膜付きの第2シリコンウェーハ
を水素雰囲気中1100℃で3時間熱処理した。熱処理
後の薄膜の厚さはウェーハ面内で500±3nmと変わ
らず、表面の平均粗さRaはAFMで測定した結果、
0.1nmであった。この値は初期のシリコンウェーハ
の表面粗さ並みであった。この表面粗さを図3に示す。
たシリコン薄膜付きの第2シリコンウェーハを水素雰囲
気中1200℃で2時間熱処理した。熱処理後の薄膜の
厚さはウェーハ面内で500±3nmと変わらず、表面
の平均粗さRaはAFMで測定した結果、0.12nm
であった。この表面粗さを図4に示す。
たシリコン薄膜付きの第2シリコンウェーハをタッチポ
リッシュした。このときの薄膜の平均表面粗さRaは
0.15nmに改善されたが、薄膜の厚さはウェーハ面
内で480±7nmと悪くなった。
たシリコン薄膜付きの第2シリコンウェーハを水素雰囲
気中1350℃で1時間熱処理した。熱処理によりシリ
コン薄膜は水素でエッチングされ、薄膜の厚さはウェー
ハ面内で100±8nmと悪くなり、表面の平均粗さR
aもAFMで測定した結果、5nmと実施例1及び2よ
り悪化していた。
たシリコン薄膜付きの第2シリコンウェーハを水素雰囲
気中900℃で5時間熱処理した。薄膜の厚さ、その面
内分布及び表面粗さに変化はなかった。
板表面に酸化層が形成された第1半導体基板に水素イオ
ンを注入してこの第1半導体基板内部にイオン注入によ
る損傷領域を形成し、この半導体基板を上記酸化層表面
を接合面として支持基板となる別の第2半導体基板に接
合し、これら接合した2枚の半導体基板を熱処理するこ
とにより第1半導体基板を上記損傷領域のところで割っ
て第2半導体基板から分離して第2半導体基板の接合面
に単結晶薄膜を残存させ、この分離直後又はこの単結晶
薄膜を有する第2半導体基板を熱処理してこの単結晶薄
膜の化学結合を強固にした直後に、上記単結晶薄膜を有
する半導体基板を活性雰囲気中で1000〜1300℃
の温度で10分〜5時間熱処理することにより、厚さ数
百nm以下の極めて薄い薄膜であっても、薄膜の厚さを
変えずにかつ面内の厚さのばらつきを大きくせずに、薄
膜の平均表面粗さを0.1nmオーダーに改善すること
ができる。
工程順に示す図。
原子間力顕微鏡により基板表面粗さを示す図。
原子間力顕微鏡により基板表面粗さを示す図。
原子間力顕微鏡により基板表面粗さを示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 基板表面に酸化層 (11a) が形成された第
1半導体基板 (11) に水素イオンを注入して前記第1半導
体基板 (11) 内部にイオン注入による損傷領域 (11b) を形
成し、前記半導体基板 (11) を前記酸化層 (11a) の表面を
接合面として支持基板となる別の第2半導体基板 (12) に
接合し、前記接合した2枚の半導体基板 (11,12) を熱処
理することにより前記第1半導体基板 (11) を前記損傷領
域 (11b) のところで割って前記第2半導体基板 (12) から
分離して前記第2半導体基板 (12) の接合面に単結晶薄膜
(13) を残存させ、前記分離直後又は前記単結晶薄膜 (13)
を有する第2半導体基板 (12) を熱処理して前記単結晶薄
膜 (13) の化学結合を強固にした直後に前記単結晶薄膜 (1
3) を有する第2半導体基板(12)を活性雰囲気中で100
0〜1300℃の温度で10分〜5時間熱処理すること
により前記薄膜の平均表面粗さを0.1nmオーダーに
することを特徴とするSOI基板の製造方法。 - 【請求項2】 薄膜(13)がシリコン薄膜であって、活性
雰囲気が水素雰囲気であって、熱処理温度が1000〜
1300℃である請求項1記載のSOI基板の製造方
法。
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- 1997-02-24 JP JP03884897A patent/JP3522482B2/ja not_active Expired - Fee Related
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M.Bruel,Silicon on insulator material technology,Electronics Letters,1995年 7月 6日,Vol.31,No14,PP.1201−1202 |
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